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シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ シ ス テ ィ ー ナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ の 図 像 学 的 再 検 討 と い く つ か の 新 解 釈 ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ と サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ 恥 臥 騨 麓 轍 輝 総 鸞 轡 蠶 戮 靉 鱗 護 序 若 桑 み ど り シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 に ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ が 描 い た 天 井 と 側 壁 上 部 の フ レ ス コ の 基 本 的 な コ ン セ プ トがい か な る も の で ある か に つ い て, 今 日 ま で 様 々 な 解 釈 が 行 な わ れ て きた が, い まだ に そ の 意 見 致 に は 至 っ て い な い こ の よ うに 枢 要 な 場 処 の, こ の よ うに 記 念 碑 的 な 作 品 の 図 像 学 的 解 釈 が い まだ に 意 見 致 をみ て い な い こ と は, ま こ とに 驚 く べ き こ とで あ る 姻 麹 轟 肇 謄 欝 鑠 蘇 轟 瓠 こ の 混 迷 の 最 大 の 原 因 は, 通 常 こ の よ うな 大 事 業 が 行 な わ れ る 際 に は, 必 ず と い っ て よ い ほ ど 残 さ れ て い る 依 頼 主 と 作 者 と の 制 作 上 の 契 約 書 が, こ の 作 品 の 場 合 に は 残 存 せ ず, し か も 当 初 か らそれ が 存 在 し な か っ た よ うに 思 わ れ る た め で あ る す なわ ち, 依 頼 主 で あ る ユ リ ウ ス II 世 は, 少 な く と も 同 時 代 の 伝 記 作 老 ヴ ァ ザ ー リ お よ び コ ソ デ ィ ヴ ィ の 伝 え る と こ ろ に よれ ば, 既 に 彼 の 伯 父 シ ク ス ト ゥ ス IV 世 が 完 成 し て い た こ の 礼 拝 堂 の 天 井 部 を ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ に 装 飾 さ せ る こ と に 性 急 で あ っ た が, 何 を 描 か せ る か に つ い て 特 に 注 文 を した と い う コ メ 暴 轟 勤 誌 癒 獸 幾 鑿 驂 姫 懸 蠶 難 欝 駿 ン トは 切 欠 け て い る の で あ る 但 し, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ は 自 ら, 後 年 (1523 年 12 月 末 ) ジ ォ ヴ ァ ソ フ ラ ン チ ェ ス コ フ ァ ン ト ゥ ッ ケ へ の 書 簡 の 中 で, こ の 間 の 事 情 を 次 の よ う に 書 い た = リ ウ ス 法 王 は 私 に シ ス ト の 礼 拝 堂 を 描 か せ る こ と に し, 我 々 は 3,000 ド ゥ カ ーテ ィ で 契 約 を し た こ の 作 品 の 最 初 の 計 画 (デ ィ セ ー = ヨ ) は, ル ネ ヅ タ に 十 二 使 徒 を 描 き, そ の 他 の 部 分 は, 通 常 行 な わ れ て い る ご と く に 装 飾 す る こ とで あ っ た こ の 仕 事 に 着 手 し て み て, 私 に は そ れ が 貧 弱 な も の に 思 わ れ た の で, そ の こ と を 法 王 に 言 っ た 十 二 使 徒 だ けを 描 くの が 貧 弱 だ と い う こ と で あ る そ こ で 彼 は 私 が 望 ん だ よ うに 描 くと い う 新 し い 契 約 を した の で 注 1 あ っ た 現 存 す る 唯 の 資 料 か ら 我 々 が 知 り 得 る こ とは, ル ネ ッ タ の 十 二 使 徒 とそ の 他 の 装 飾 と い う 初 期 の プ ラ ン が, ミ ケ ラ ン ジ ェ 卩 の 意 志 に よ っ て 現 存 す る プ ラ ソ に 変 更 さ れ た と い う こ と の み で あ る し か し な が ら 学 者 た ち の 致 し た 見 解 は, こ の よ う に 複 雑 か つ 深 遠 な 構 想 Is Eleotronio Library

が, ミ ケ ラ ン ジ ェ Pt 人 の 創 意 か ら 生 まれ た は ず が な い と い う こ と で あ り, こ の 推 定 の 上 に 立 っ て, 人 々 は 長 年 に わ た っ て, こ の 作 品 の 思 想 的 背 景 も し くは 直 接, 間 接 の 助 言 者 あ る い は そ の テ ク ス トを 探 求 し, い く つ も の 仮 説 を 提 示 し て き た そ の 仮 説 の 数 の 多 さ と, そ の 内 容 の 多 様 性 は 注 目 す べ ぎ も の で あ る こ れ ら の きわ め て 多 様 性 に 富 ん だ 仮 説 の 中 か ら, 最 も 代 表 的 で あ り, 問 題 の 究 明 に 寄 与 す る と こ ろ の 大 ぎい 例 を 上 げ る な らぽ,それ は フ レ デ リ ッ ク ハ ー ト, エ ド ガ ー ヴ ィ ソ ト, シ ャ ル ル ト ル ナ イ お よ び E.ゴ ー ド ン ド ッ ト ソ ン の 諸 説 で あ ろ う ハ ー ト は, 基 本 的 に, 依 頼 主 で あ る ロ ヴ ェ レ 家 の ユ リ ウ ス II 世 の 意 志 が 構 想 決 定 に 主 体 的 な 役 割 を 果 た した とす る 注 2 考 え に 立 っ て い る 彼 は ユ リ ウ ス に そ の 著 Decachordum (1507 年 )を 献 じた フ ラ ン シ ス カ ン 派 の 神 学 者 マ ル コ ヴ ィ ジ ェ ー リ オ (Marco Vigerio) を 中 心 と して, 天 井 画 全 体 を キ リ ス ト 教 的 な 生 命 の 樹 に な ら っ た 構 想 を もつ も の と し, 青 年 裸 体 像 の 支 え る ユ リ ウ ス の 紋 章 で ある カ シ の 木 ( ロ ヴ ェ レ )が こ れ を 証 明 す る 重 要 な 要 素 で あ る と 考 え た こ れ は, 最 終 的 に は, ユ リ ウ ス の 治 世 を キ リ ス ト 教 世 界 の 黄 金 時 代 とす る 意 匠 で あ っ た 方, ヴ ィ ン トは, ハ ー トと は 異 な り, ドメ ニ コ 派 の 僧 ジ ロ ーラ モ サ ヴ ォ ナ 卩 ラ の 後 継 者 で あ り, ユ リ ウ ス の 宮 廷 に 当 時 加 わ っ て い た サ ン テ バ ニ ー 二 (Sante Pagnini ) が 有 力 注 3 な 助 言 者 で あ る とす る ま た, ト ル ナ イ は 専 ら ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ の 独 自 性 を 中 心 に 据 え, こ の 礼 拝 堂 の 構 想 は, 肉 体 的 存 在 で あ る 人 間 か ら 神 に 至 る ま で の, 新 プ ラ ト ン 主 義 的 宇 宙 観 を 示 注 4 し た も の と 考 え る さ ら に 近 年 で は t ド ッ ト ソ ン が 聖 ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス の 神 の 国 こ そ, こ の 礼 拝 堂 の 総 体 を 説 明 す る テ ク ス ト で あ る と 論 じ た こ れ は 解 釈 の 初 期 段 階 に 行 な わ れ た, 余 りに も 特 殊 で 個 別 的 な 原 典 探 し と 過 剰 解 釈 へ の つ の 反 省 を 示 し た もの で あ っ て, 教 会 に お け る 正 統 的 な 神 学 者 で あ り, 中 世 以 来 宗 教 芸 術 の 表 現 の た め の 般 的 な 教 科 書 で あ っ た ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス を テ ク ス ト に, 形 体 に よ く 沿 っ た 観 察 を 加 えた 秀 れ た 論 文 で あ る 彼 は, 直 接 の 助 言 者 も し くは 原 典 と し て は,1507 年 に サ ン ピ エ ト ロ で 説 教 を 行 な っ た ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス 派 の エ ジ ーデ ィ オ ダ ヴ ィ テ ル ポ (Egidio da Viterbo ) の Solemunis Predicatade 注 5 aurea aetate を 示 唆 した さ ら に 作 者 の 独 自 性 に つ い て 過 大 な 力 点 を 置 い た ト ル ナ イ へ の 反 論 と し て, 例 え ぽ, シ ソ デ ィ ン グ (Sinding)は, こ れ が あ く ま で も カ ソ リ ッ ク 教 会 堂 に 固 注 6 有 の 典 礼 に 沿 っ て 構 想 さ れ た 伝 統 的 な も の と 主 張 す る ぎわ め て 伝 統 的 な 初 期 教 父 の テ ク ス ト か ら, ル ネ サ ン ス 新 プ ラ ト ン 主 義, サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ お よ び ユ リ ウ ス の 法 王 庁 に 現 役 と し て 活 躍 し て い た 神 学 者 に い た る ま で の 多 様 な 仮 説 の 示 す こ の 混 迷 は,ま さ し く 16 世 紀 の 初 頭 に お い て ロ ーマ ソ カ ソ リ ッ ク 教 会 が 体 験 し て い た 混 迷 を 象 黴 し て い る と 言 っ て よ い キ リ ス ト 教 は ま さ に こ の 時 期, 史 上 稀 に み る 思 想 上 の 混 乱 期 に あ っ た 第 1 の 危 機 は, 15 世 紀 半 ば に フ ィ レ ソ ッ ェ の マ ル シ リ オ フ ィ チ ー ノ に よ っ て 1 匚 6 げ セ 蓬 譲 Eleotronio Library

シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ 体 系 化 され た 新 プ ラ ト ソ 主 義 で あ る こ れ は, 伝 統 的 キ リ ス ト 教 思 想 と プ ラ ト ン 哲 学 を 融 合 させ る こ とを 意 図 した も の で, 1437 年 の 東 西 両 教 会 の 統 合 以 来 の ギ リ シ ャ 思 想 の イ タ リ ア 流 尸 亠 入 と と も に,キ リ ス ト 教 文 化 の 内 容 を 著 し く 変 質 さ せ た の で あ っ た 実 際 に, 同 じ ユ リ ウ ス が 描 か せ た ラ ヅ フ ァ = ル ロ の ア テ ナ イ の 学 堂 に は, ル ネ サ ソ ス 人 文 主 義 と 結 合 した キ リ ス ト 教 文 化 の 理 想 的 形 態 が 示 され て い る し か し, こ の ギ リ シ ャ 思 想 と キ リ ス ト 教 思 想 と の 結 合 の 様 態 は じ つ に 多 様 で あ り, い ずれ を テ ク ス ト とす る か に よ っ て そ の 特 徴 は 著 し く こ と な る 宗 教 図 像 混 迷 の 第 2 の 原 因 は, キ リ ス ト 教 内 部 に 起 こ っ た 革 新 的 要 素 に よ っ て い る 我 々 は こ の シ ス テ ー ィ ナ よ り 後 年 の 最 後 の 審 判 の 中 に, ル タ ーの 改 革 運 動 と カ ソ リ ッ ク 側 の 反 改 革 と の 緊 張 と 対 立 を 見 る こ と に な る が, こ の シ ス テ ィ ーナ が 着 想 さ れ た 1508 年 ま で に,す で に ル タ ーに よ る 激 変 の つ の 予 兆 と し て, 1498 年 に 処 刑 され た サ ヴ ォ ナ P ラ の 存 在 が あ っ た サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 改 革 運 動 は, きわ め て 激 烈 な 作 用 を もた ら し,ボ ッ テ ィ チ ェ ゴ 冗 ル リに お け る ご と く 宗 教 芸 術 へ の 深 刻 な 影 響 があ っ た と 考 え られ る 15 派 に 起 こ っ た 伝 統 的 図 像 の 変 質 が 解 釈 を 困 難 に す る 第 2 の 原 因 で ある 世 紀 に フ ィ レ ン ツ ェ 以 上 を 考 慮 した 上 で, ふ た た び 問 題 とす べ ぎは, 作 者 で あ る ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ の 創 意 が ど こ ま で 決 定 権 を 有 し て い た か で あ ろ う ド ッ ト ソ ン, シ ン デ ィ ン グ の 説 は, ハ ー ト と 同 じ くそ の 創 意 性 を 否 定 す る も の に 他 な らな い ヴ ァ ザ ー リ の 伝 え る と こ ろ で は, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ は 注 7 つ ね に 二 重 の 態 度 を と る 傾 向 が あ り 彼 の こ とば に は つ ね に 2 つ の 意 味 があ っ た ま た, ド ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ は 礼 拝 堂 の 制 作 中, 作 品 を ユ リ ウ ス に 見 られ る こ とを い や が り, 彼 が そ れ を 注 8 納 得 し た の は よ うや く 2 分 の 1 が 完 成 しお わ っ て か らで あ っ た と い う さ ら に ミ ケ ラ ン ジ ェ 卩 の シ ス テ ィ ー ナ 以 前 の 作 品, 以 後 の 作 品 に お け る 制 作 法 を み る に, 戸 r 諸 家 に よ っ て 明 ら か とな っ た ご と く, そ の 霊 感 源 は 単 で は な く, か つ ま た, メ デ ィ チ 家 の 廟 に お い て 明 白 な よ うに, しば し ぼ 依 頼 主 の 本 意 に 背 く こ とが 多 か っ た 霊 感 源 が 多 様 性 で 籤 驤 鸚 醐 鑿 賜 あ る の は, す な わ ち 作 者 に よ る 特 殊 で 個 別 的 な ア マ ル ガ ム と し て ひ と つ の 独 自 性 を 有 す る 着 想 に ま で 完 成 さ れ た こ と を 意 味 す る ま た 彼 が 他 者 の 助 言 を きら っ た こ と は, 最 後 の 審 判 注 9 制 作 時 の ア レ テ ィ ー ノ の 助 言 に 対 す る 態 度 に よ っ て も 明 ら か で あ る 加 え て, ミ ケ ラ ン ジ ェ 卩 は 1507 年 当 時 す で に 30 才 を こ え,す で に そ の 固 有 の 思 想 を 形 成 し 數 て い た そ の 要 素 が 主 と し て フ ィ レ ン ツ ェ の ロ レ ソ ツ ォ デ メ デ ィ チ 家 の 宮 廷 に お い て 彼 が 学 ん だ マ ル シ リ オ フ ィ チ ー ノ の 新 プ ラ ト ソ 主 義 と,1494 年 か らそ の 死 ま で フ ィ レ ソ ツ ェ 鬱 籍 く 鍵 は, Pt マ ソ カ ソ リ ッ ク の 中 心 的 な 礼 拝 堂 に お い て, フ ィ レ ン ツ ェ 人 ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ 共 和 政 の 指 導 者 で あ り, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ の 宗 教 性 と 政 治 的 イ デ オ ロ ギ ーに 生 涯 の 刻 印 を の こ し た サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ で あ っ た こ と は, 否 定 し 得 な い 事 実 で ある こ の よ うに し て, 問 題 を と が 出 会 わ ね ば な ら な か っ た 複 雑 な 状 況 の 中 に 求 め られな けれ ば な らない で あ ろ う 単 の, t17 Eleotronio Library

与 え られ た テ ク ス ト ま た は 助 言 者 を 探 求 す る こ と よ り は む し ろ, ま ず 形 体 の も つ 意 味 か ら 出 発 し, ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ の 両 義 性 の 深 み に 分 け 入 る 試 み が 行 な わ れ な け れ ば な ら な い の で あ る 1. 天 井 画 旧 約 の 物 語 に つ い て 全 体 の 構 成 に っ い て 現 在 の 礼 拝 堂 の 天 井 は, こ の 礼 拝 堂 の 本 来 の 建 築 的 構 成 の 結 果 生 じ て い る ヴ ール ォ ト の 四 き ゆ う ウ ゆ う 隅 の ペ ソ デ ソ テ ィ ヴ と, 南 北 4 箇 ず つ の 帆 型 の 穹 窿 ス パ ン ド レ ル と, そ の 下 の 半 月 形 壁 ル ネ ッ タ に よ っ て 支 え ら れ て い る ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ に よ っ て 描 か れ た, 見 せ か け の 建 築 物 は, 南 北 5 箇 ず つ, 東 西 1 箇 ず つ 総 計 12の コ ー ニ ス, そ の コ ーニ ス か らそ れぞ れ 中 央 に 伸 び た 10 本 の 角 柱 に は さ ま れ た 5 枚 の 小 型 の 矩 形, 角 柱 の 外 に 開 か れ た 4 枚 の 大 型 の 矩 形 の 枠 組 み か ら 成 っ て い る (fig.1) 最 上 部 を 占 め る 大 小 9 枚 の 矩 形 に 描 か れ て い る の は 神 に よ る 天 地 創 造 か ら ノ ア の 物 語 に い た る 旧 約 く 創 世 紀 の 主 題 で あ る そ の 下 段 の 玉 座 型 の ニ ッ チ に は, 側 壁 を 底 辺 に し て 12 人 の 巨 大 な 預 言 者 の 座 像 が 描 か れ,そ の 玉 座 の あ る ー コ ニ ス の うえ の 狭 い 台 座 に は, イ ー = ユ デ ィ ( 青 年 裸 体 像 ) が 1 対 ず つ 乗 っ て い る 四 隅 の ペ ソ デ ソ テ ィ ヴ に は, や は り 旧 約 か ら と られ た 劇 的 な 情 景 が 描 か れ て い る ま た ス パ ソ ド レ ル と ル ネ ッ タ に は キ リ ス ト の 先 祖 た ち が 描 か れ て い る ( 刊 g.2 ) こ こ に は 明 ら か に 2 つ の 体 系 の ち が う 構 造 が 組 み 込 まれ て い る す なわ ち, 正 面 祭 壇 か ら 始 ま る 神 の 天 地 創 造 の 歴 史 は, 祭 壇 か ら 入 口 壁 面 ま で 進 行 す る (トル ナ イ は こ れ を 逆 方 向 へ の 上 昇 とす る ) が, こ れ は どち ら に せ よ, 水 平 方 向 に 進 行 す る 空 間 で あ る も う つ の 空 間 は, 天 井 の 頂 頭 部 か ら, イ ニ ュ ーデ ィ を 通 り, 預 言 者 を 経 て ル ネ ッ タ へ と 降 りる 空 間 で あ っ て, こ れ は 垂 直 方 向 に 進 展 す る 空 間 で あ る こ れ は 逆 に ル ネ ッ タ, ス パ ン ド レ ル, 預 言 者, イ ニ ュ ーデ ィ を 通 っ て, 創 世 紀 へ と 上 昇 す る 空 間 と も 考 え る こ とが で き る 水 平 と 垂 直 の もつ 意 味 は 本 質 的 な 重 要 さを も っ て い る 水 平 方 向 の 構 造 は 時 間 の 方 向 を 示 す が, 垂 直 の それ は 位 階 を 示 す 全 体 と し て 両 者 は ヘ ブ ラ イ 人 の 世 界 史 を 辿 っ て は い る が, こ の 両 者 の 示 す 意 味 は こ とな る 晝 菱 樗. 拭. 水 平 方 向 と 垂 直 方 向 の 二 つ の 空 間 は, 描 か れ た 主 題 の 意 味 に よ っ て 接 合 され て い る つ ま り, 前 者 に 属 する 最 後 の 物 語 く ノ ア の 泥 酔 を 中 継 点 と し て 水 平 は 垂 直 に 方 向 を 変 え, し か も 南 北 の 2 方 向 に 別 れ て す すむ の で あ る なぜ な らば, ノ ア の 泥 酔 に は, ノ ア の 息 子 た ち が 示 され, 洪 水 後 の 世 代 す なわ ち, 預 言 者 や キ リ ス ト の 先 祖 た ち の 世 代 は 彼 ら の 子 孫 た ち だ か ら で あ る した が っ て, ハ ー トが, つ の 幹 か ら 分 岐 す る 枝 と し て 画 面 を 考 えた の は 正 II8 壕 議 鼕 書, 勢 壇 蓑 邏 堀 雌 窺 灘 羅 綴 蠶 Eleotronio Library

シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ 当 で あ る しか し 根 を ノ ア 側 に 持 っ て 来 た こ と は 当 を 得 な い 中 央 部 か ら 下 の 部 分 は 明 らか に, ノ ア 以 後 の 世 代 を 歴 史 的 な 順 列 を も っ て 描 い て い る か ら で あ る こ の 点 で は, 客 観 的 な デ ィ ス ク リ プ シ ソ が 自 ら 伝 え る よ うに, 上 は 万 物 を 創 造 す る 神 に 始 ま り, 預 言 者 を 経 て, 臨 譯 離 蠶 帖 譲 勝 甑 野 馴 幽 謙 勝 蝋 气 馴 馳 跡 勤 黜. 軟 酔 勤 r 乳 鋭 客 覲 勢 隔 曽 鮮 キ リ ス トの 先 祖 で あ る 名 もな き ヘ ブ ラ イ 人 の 家 族 ま で 下 る つ ら な りの 人 類 の 歴 史 が 描 か れ て い る と と ら え る べ きで あ ろ う だ が, そ れ が 多 く の 混 乱 や 疑 問 を 生 じ さ せ る の は, 水 平 方 向 部 分 と 垂 直 方 向 部 分 の 構 造 が 見 判 然 と し な い た め と, 伝 統 的 な 中 世 的 旧 約 主 題 と は 異 な っ た 主 題 が 抽 出 され て い る た め で あ る こ の 礼 拝 堂 の 構 造 を 解 く に は, そ こ に 描 か れ た 主 題 とそ の 背 後 に ある idealconstruction 慮 に 入 れ なけれ ば な らな い ( 観 念 的 構 成 )を 示 す こ れ ら の 建 築 的 設 定 とを 同 様 に 考 ヴ ァ レ リ ア ー 二 は, シ ス テ ィ ー ナ 礼 拝 堂 に み ら れ る こ の 位 階 的 構 造 は, 1505 年 か ら 同 時 的 に ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ がた ず さわ っ て い た ユ リ ウ ス Il 世 の 廟 の ア イ デ ィ ア を 再 現 した も の だ 注 1 と 言 っ て い るが,そ れ は 見 し て 明 らか で あ る (fig.3 ) こ の 廟 墓 に ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ は 30 年 以 上 を 費 や し, 全 精 神 を 傾 注 し た それ が ア ン ド レ ー ア ダ ブ レ ー ニ ョ や ア ソ ド レ ー ア サ ン ソ ヴ ィ ー ノ な ど の 廟 墓 モ ニ ュ メ ン ト に 見 られ る ご と く,すで に こ の 当 時 の 廟 墓 形 式 と し て 完 成 し て い た オ ー ダーと 形 式 を と り 入 れ て い た こ と は た しか で あ る (fig.4 ) 恐 ら く こ れ らの 廟 墓 モ = ユ メ ソ トは, シ ス テ ィ ーナ の 垂 直 構 造 の 基 本 を 成 す も の で あ ろ う こ の 形 式 は 1521 年 か ら 31 年 に か け て 作 られ た メ デ ィ チ 家 の 礼 拝 堂 で 円 熟 し, 完 成 し た (fig.5 ) シ ス テ a ナ 礼 拝 堂 は 描 か れ た 構 築 物 と し て, ユ リ ウ ス 廟 か ら メ デ ィ チ 礼 拝 堂 に 及 ぶ 連 の 作 品 の 系 列 に 属 す る こ れ ら の 作 品 で は, 本 質 的 構 成 要 素 となる もの は, 地 面 に 近 い 下 部 の 人 物 の 屈 曲 し た, あ る い は 横 臥 した 形 姿 と, 中 間 部 に お け る ニ ッ チ に 据 え られ た 座 像, こ れ と コ ー ニ ス を 分 け て, 頭 上 に 位 置 す る 天 上 的 な 人 物 の 形 姿 で あ る 言 い か えれ ば, 構 造 は 上 下 3 層 に 分 割 さ れ, 人 物 は そ の 意 味 に 応 じ て こ れ ら の 区 画 の 中 に 置 か れ る の で ある こ の 構 造 は, 例 え ば f}g.4 に み る 中 世 的, キ リス ト 教 的 ヒ エ ラ ル キ ーと 類 似 し て い る が 同 じもの で は な い ス フ ォ ル ツ ァ 枢 機 卿 の 墓 で は, 死 せ る 枢 機 卿 の 横 臥 像 の 左 右 上 下 に く 美 徳 が 仕 え, ル ネ ッ タ に 聖 母, 頂 頭 部 に キ リ ス トが い る こ れ らは 貫 し て, 徳 高 ぎ 聖 職 者 と 君 臨 す る 神 の 栄 光 とを 共 に 礼 讃 した も の で あ る し か し, ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ が 追 求 し た 上 下 構 造 は, 最 下 部 に 置 か れ た 屈 曲 し た 肉 体, 中 間 の 座 像, 上 部 の 立 像 も し く は 飛 翔 像 に よ っ て, 存 注 2 在 の 価 値 の 上 下 を 示 した もの で あ る す で に ト ル ナ イ は, こ れ らの ミ ケ ラ ン ジ ェ 卩 の 中 期 作 品 の 特 徴 で あ る 構 築 的 な 秩 序 を, 新 プ ラ ト ン 主 義 の 宇 宙 構 成 図 に 関 連 さ せ て い る しか し な が ら, ト ル ナ イ は 必 ず し もそ の 出 典 を 定 させ て は い な い ま た そ の 証 明 に 於 て 緻 密 と は 言 い が た い ま た, す で に 述 べ た 如 く, 上 下 構 造 そ の も の は, 15 世 紀 末 以 降 廟 墓 モ = = メ ン ト の 定 法 で あ っ た が, そ れ ら と の 異 同 も H9 Eleotronio Library

明 白 に な され なけれ ば な らな い の で あ る プ ロ テ ィ ノ ス 以 来, 新 プ ラ ト ン 主 義 の 思 想 に は, 物 質 的 存 在 と 非 物 質 的 存 在 と を 結 ぶ 階 層 は 3 的 構 造 を もつ 統 体 と し て の 宇 宙 観 が 根 底 に あ っ た ま た, こ の 思 想 が も っ と も 簡 明 に 語 ら れ て い る テ ト は Th 1 gi p1 t nica (テ オ ギ プ カ )で 轟. れ に よ る と, 宇 宙 の 全 存 在 は 神 か ら 物 質 に い た る 5 段 階 に 分 け られ る 最 上 の 存 在 は 神 で あ り, そ れ は 絶 対 的 な 唯 の 形 相 (forma)で あ る こ の 神 に よ っ て 形 を 与 え られ る ( 形 成 さ れ る )もの が 天 使 で あ り, そ の 下 に 理 知 あ る 霊 魂 (animus rationale ) が あ る こ の 下 は 質 (qualita) で あ り, 最 下 位 が 肉 体 ( 物 体 )(corpus )で あ る こ れ らす べ て の 存 在 は, 定 め られ た そ れ 自 身 の 場 所 に 置 か れ て お り, 存 在 相 互 と も, あ らか じめ 決 定 さ れ た 関 係 の 中 に 置 か れ て い る そ の 上 下 関 係 は,そ れ 鮪 す る く 神 性 と 完 全 さ の 飴 い = よ て 齪 さ 撹 も し も 自 然 の 肉 体 が 上 昇 す る とす れ ば, そ れ は 彼 の 形 相 が 増 加 し, そ れ に 伴 っ て 物 質 が 減 ず る か ら で あ る ま た, 左 右 相 互 の 関 係 は, そ れぞ れ の 存 在 の potentia activa ( 活 動 的 な 力 )と, potentia な passiva( 受 動 的 な 力 )が 関 連 し あ うこ と に よ っ て い る こ うして, 唯 の 小 さ い 存 在 も, 万 物 と の 緻 密 な 連 合 の 中 に お か れ, 上 部 か ら ま た は 下 部 か ら の 作 用, 相 互 の 作 用 の 影 響 を 受 け て い る 万 物 は, 連 の 上 昇 ある い は 下 降 の 運 動 を もつ 統 体 を 形 成 す る Quae sunt in univer dine rerum b n t ti,di i, p,i i, descenden,i. e 7. 上 昇 あ る い は 下 降 の 際 す で に 述 べ た よ うに, 上 昇 は そ の 存 在 の 完 全 性 ( 神 性 )が 増 す こ と に よ っ て 行 なわ れ る の だ が, フ ィ チ ー ノ に お い て は, ある 上 位 の 存 在 は, 必 ず そ の 下 の 存 在 の 上 位 の 部 分 を 保 お 有 し て い る こ の よ うに し て 上 昇 下 降 は 漸 増 的 な も の と な る 以 上 に 要 約 した 7 イ チ ー ノ の 宇 宙 論 は, そ の 細 部 に わ た っ て, ミ ケ ラ ン ジ ェ 卩 の 構 成 の 基 礎 と な っ た 思 想 の 解 読 に 役 立 つ もの で あ る 私 は, 以 下 に そ の こ とを 論 証 し よ うと 望 むが, まず 第 1 節 に お い て は, 水 平 方 向 の 天 井 中 央 部 の く 旧 約 の 物 語, 向 の 構 成 を 扱 い た い 第 II 節 に お い て は 垂 直 方 天 井 中 央 創 世 紀 に つ い て 天 井 の 9 枚 の 物 語 に つ い て は, 序 に 述 べ た ご と く, 各 々 の 学 者 が そ の 立 場 か らその 象 徴 的 G9 意 味 を 論 じ て い る 明 ら か に 第 1 の 絵 は 光 と 闇 の 漠 然 と し た 交 錯 の 中 に 顕 現 す る 神 を 描 い て お り 光 と 闇 と を 分 け る 神 ( 創 世 紀 1 : 3 6 )と 考 え られ て ぎた (fig.6 ) しか し こ れ は, 伝 統 的 な 創 造 主 の 図 像 と は きわ め て 異 な っ て お り, 輪 郭 もな く, 形 体 も 定 ま ら な い こ れ は フ ィ チ ー ノ の 次 の こ と ば に 照 応 す る 神 の 力 は 固 有 の 色 を もた ぬ 太 陽 の 光 の よ うに, 万 物 に なコ む 浸 透 す る そ れ は 定 ま っ た 形 を もた ず, さ ま ざま な 形 で 拡 が る ま た こ れ は, 光 と 闇 とを 分 離 して い る と い うよ りは, 神 そ の もの が カ オ ス 的 な 雲 の 中 に 太 陽 の ご と く 出 現 し て い る と 考 120. 裙 甜 壽 確 鰹 鬘 瞭 環 壌 濁 罎 励 謙 驪 鰯 tronio Library

え られ る シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ ta11 omnia sunt, ex uno ignegentia ( 万 物 は 唯 の 火 よ り 生 ず ), 神 は 第 1 の 原 因 で 航 拗 の 行 動 駟 で あ 靴 こ の うに バ ケ ラ は, フ ル が デ a ス プ タ に 描 い た, 王 冠 を か ぶ る キ リ ス ト 教 的 君 主 と し て の 神 の 伝 統 的 図 像 と は 著 し く 異 な る, 新 プ ラ ト ソ 主 義 的 か つ 宇 宙 的 な 世 界 の 創 造 の 動 因 と し て の 神 を 描 い た の で あ る 事 実, こ の 場 面 の み が 唯 の 人 物 か ら な り, 位 階 が 下 る に つ れ て 形 体 が 増 殖 し て ゆ くの が 見 え る で あ ろ う 第 2, 第 3 の 絵 で は, 神 は す で に 明 確 な 形 を と り, 万 物 の 物 質 的 元 素 で あ る 火 と 土 ( 第 2 ) (fig.7 ), 水 と 空 気 ( 第 3 ) (fig.8 ) を 形 成 し て い る 創 世 紀 の 順 序 に し た が え ぽ, 第 2 日 が 空 と 水 の 分 離 で あ り, 第 3 日 が 大 地 とそ れ に 生 え る 植 物 第 4 目 が 月 と 太 陽 の 創 造 で あ る そ れ 故, こ の 天 井 画 の 配 列 は, 3 日 目 と 4 日 目 つ ま り 月 と 日 と 植 物 とを 2 番 目 に 描 き, 2 日 目 を 最 後 に も っ て い っ た こ と に な る 学 者 た ち は,そ れ が 主 と 藝 靉. し て 与 え られ た ス ペ ース の 問 題 で あ る と し た し か し な が ら ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ は, こ の 第 2, 第 3 の 画 面 に お い て, 万 物 の 原 因 た る 形 相 ( 神 ) が, 物 質 (4 元 素 )を 生 成 す る と い う 観 念 を 表 わ そ うと した の で あ る 新 プ ラ ト ン 主 義 とそ の 重 大 な 要 素 を な す ヘ ル メ ス 主 義 に お い て は, 神 は こ れ ら の 元 素 を 用 い て 宇 宙 を 構 築 す る 建 築 家 で あ り, フ ィ チ ー ノ は 次 の 順 序 で こ れ ら の 元 素 を 記 述 し て い る す な わ ち 火 の 空 間 は そ れ が 熱 し て い る と き に は 乾 い て い て, 薄 く 軽 い 土 の 空 間 は そ れ が 冷 え て い る と きに は 厚 く 重 い そ の 他 の 元 素 もそ れ ぞれ の 性 質 に 留.. 妨 の 元 素 の 間 に も か ダ ーがあ る. 火 は お ど ろ く べ き 質 鯑 薄 さ に ょ 即 転 隷 葦 襲. 蕩 で 貯 脳 ド 惇 い 夐 て 他 の 物 質 か ら も っ ともか け は な れ て お り, も っ と も 行 動 に お い て 力 を もつ ま た こ れ は, あ らゆ 碑 し い 鶻 か ら 凱 の よ う,も と も 非 物 勧 なく 火 は プ 主 義 臨 い て は 最 も 位 の 高 い 元 素 で あ る さ ら に ク リ ス テ ラ ーは, マ ル シ リ オ が 特 別 に く 火 と 土 の 要 素 を 重 視 し た の は, こ の 二 つ が 最 も 明 ら か な 対 極 を 示 す か らだ と 解 釈 し て い る さ らに ほ ユ ら マ ル シ リオ はく 火 と 空 気 が 上 に, 水 とく 土 は い つ も 下 に あ る と 考 え る こ の よ う に, ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ は, 最 も 完 全 に 近 く, 強 く 作 用 す る 火 を, そ の 対 極 で あ る 受 動 的 なく 土 と, 次 に 能 動 的 なく 空 気 を, 物 質 性 の 強 い く 水 と 組 み 合 わ せ て, 能 動 性 と 受 動 性 を 動 因 どみ る 新 プ ラ ト ン 主 義 の 観 念 を 表 現 し た の で あ る 私 は, こ の 天 井 画 の オ ーダ ーの テ ク ス ト と し て, ド ッ ト ソ ン の 提 唱 す る ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス 神 の 国 第 2 部 の 創 世 紀 注 釈 を 何 よ り も 適 切 と 信 ず る も の で は あ る が, し か し, こ の よ うな デ ィ ス オ ーダ ー に つ い て ド ッ ト ソ ン が 十 分 に 説 明 して い る とは 思 わ れ ず, した が っ て こ こ に は フ, ィ チ ー ノ の 宇 宙 論 が 介 入 す る と 見 た ほ うが よ い 次 の 3 枚 は 人 類 の 創 造 と そ の 堕 落 の 物 語 か ら と られ て い る ア ダ ム の 創 造 に お い て, 神 は 凡 ゆ る 図 像 学 的 伝 統 に 反 し て 空 中 に 飛 翔 し, ア ダ ム = 人 類 の 伏 す 大 地 と 対 照 を な し て い る 12 正 Eleotronio Library

し と, 神 に 向 か っ て さ し 出 し た 手 に よ っ て 神 性 と 関 わ りを 保 つ 神 の マ ン ト の 中 に い る の は, Tokyo National University of Fine Arts and Musio Music 穣 層 Cfig.9 ) こ の 2 極 構 成 は, 右 上 の 空 気 の 支 配 す る 領 界 す な わ ち 天 の 領 域 が こ こ で 終 わ り, 左 下 の 土 の 世 界 す な わ ち 人 間 と 動 植 物 の 世 界 が 始 ま っ た こ と を 示 す 大 地 の 癖 籌 簍 剋 調 ち り に よ っ て 作 られ た 人 間 は 物 質 性 に よ っ て く 土 ( 大 地 ) に つ つ み こ ま れ て い る が, 日 ざ ト ル ナ イ に よ れ ば, 未 来 の エ ヴ ァ を 始 め とす る 霊 魂 で あ るが, こ れ は 私 の 考 え で は フ ィ チ ー お び グ テ ヌ ス の 5, 神 の 倉 IJ 造 蜆 守 天 使 で 駄, チ.. に よ れ ば, 絶 対 者 と 人 間 の 仲 介 者 は 天 使 で あ り, 天 使 は 部 に お い て 神 の, 部 に お い て 人 間 の 性 質 を 具 有 し て い る の で あ る が, 本 来 天 の 領 域 に ある ( 天 使 の 位 置 と 役 割 に つ い て は, 第 II 節 参 照 ) こ の 画 面 は, 下 部 に 於 て 物 質 を, 上 部 に 於 て 神 性 を 具 え る 中 間 的 存 在 と し て の 人 間 を 象 徴 的 に 示 し て い る 第 2 の セ ク シ ョ ン の 2 番 目 の エ ヴ ァ の 創 造 で は, す で に 空 間 は 土 の 領 域 で 占 め られ, 神 は こ こ で は じめ て 土 に 足 を 着 けて い る こ の 絵 は 天 井 画 の 中 央 を な し, 曽 て こ の 部 分 に 俗 竃. 毒 實 艦 蠡 謖 嗤 癌. 蓬 漣 人 席 と 内 陣 とを 分 け る 内 陣 壁 が あ っ た (fig.lo) ド ッ ト ソ ン が 鋭 く 指 摘 して い る よ う に, こ の エ ヴ ァ の 創 造 は, 天 井 の 全 体 の シ リ ー ズ に お け る 神 性 と 人 間, 霊 性 と 肉 体 性 と の 出 会 鴇 tr1 ア い の 契 機 を 示 す 枢 要 な 部 分 で あ る なぜ な らば, ア ダ ム = 人 間 は, 前 の 画 面 で は, 神 性 と 物 質 性 を 分 け もつ 存 在 と し て 表 現 され て い た の だが, こ の 画 面 で は, そ の 意 識 を 失 っ た こ とに よ っ て, 彼 が 身 を も た せ か け て い る 岩 や 枯 れ た 木 と 同 様 に, 物 質 と 化 し て い る か ら で あ る そ の 物 質 性 か らと り 出 さ れ た もの,す な わ ち, 人 間 の 肉 的 部 分 と し て 女 性 = エ ヴ ァ が 生 み 出 され て い る 神 は, もは や 大 地 か ら 離 れ て い な い が, そ れ は, エ ヴ ァ の 創 造 が 物 質 的 で あ っ. 蠡 纛 た こ と を 示 し て い る ド ッ ト ソ ン は 彼 の す べ て の 論 旨 がそ うで あ る よ うに, こ こ に ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス の 神 の 国 に も と つ い た 教 会 の 設 立 を 読 み と り, ハ ー ト も, 同 じ テ ク ス ト か らく キ リス トの 磔 刑 ユ s の 暗 示 を 読 み とろ う と し て い る 私 は こ こ で, 天 井 画 に お げ る 旧 約 主 題 の 選 択 の 規 準 は, 基 本 的 に は 神 の 国 の 記 述 の オ ー ダ ーに 拠 っ て い る こ と を 認 め て い る 神 の 国 第 2 部 の 冒 厚 塾 り 篷 ぜ 頭 つ ま り 全 篇 の うち 11 篇 は まず 神 に よ る 創 造 に つ い て で あ り, 第 12 篇 は 天 使 と 最 初 の 人 つ ま りア ダ ム の 創 造 に つ い て で あ り, 第 13, 第 14 篇 は 人 間 の 堕 罪 の 結 果 と し て の 死 に つ い て, 第 15 篇 は ア ダ ム と エ ヴ ァ か ら 生 まれ た 善 き 人 間 と 悪 し ぎ 人 間 に つ い て す な わ ち カ イ ン と ア ベ ル, ま た ノ ア の 大 洪 水 に つ い て 述 べ られ て い る か ら で あ る こ れ は,Lignum Vitae( 生 命 の 樹 ) 説 の ハ ー トお よ び, 人 間 性 の 上 昇 説 を と る ト ル ナ イ の い ず れ の 説 よ り も 作 品 に 即 し て お り,ま た 根 拠 が あ る ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス が, ご く 般 的 な 読 み もの で あ っ た こ と, ド メ ニ コ 派 も フ ラ ン シ ス コ 派 もい ず れ も こ れ を テ ク ス ト と し て い た こ とを 考 えれ ば, ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ が 旧 約 の オ ーダ ーを 着 想 す る 時 に こ の 伝 統 に し た が っ た こ と も 大 い に 可 能 性 があ る 122 沌 風 毒 研 朝. 円 憎 罫 杷 Eleotronio Library

宀 シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ し か し, 力 な く 大 地 に 倒 れた ア ダ ム に も っ ぱ ら キ リ ス ト の 受 難 を, 髪 を 乱 し た 肉 感 的 な エ ヴ ァ に 教 会 の 設 立 を 読 み と ろ う とす る ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス の 思 想 を ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ が 祖 述 し た と は 思 わ れ な い ア ウグ ス テ ィ ヌ ス 以 来, 泥 酔 した ノ ア に もキ リ ス ト の 受 難 を 見 る 伝 統 が あ っ た だ が, ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ が 実 際 に 描 い た 形 体 は, 別 の 意 味 を 示 して い る こ の 形 体 が 伝 え る も の は, 理 性 (ア ニ マ ラ ツ ィ オ ー ナ レ ) を 失 っ た 人 類 の, 下 層 部 分 と し て の 肉 体 の 誕 生 で あ り, そ れ の も た らす 堕 落 で あ る こ こ で 存 在 は 肉 体 へ と 下 降 し, つ い に, 人 間 と 神 性 と の 幸 福 な 中 間 地 帯 で あ っ た く 楽 園 を 追 わ れ る の で あ る 第 3 の 絵 を も っ て, 人 類 は 完 全 に 神 性 か ら は なれ 去 る 神 性 と 肉 体 性 と の 中 間 に あ る 人 間 性 を 描 い た 中 央 の 3 枚 の 画 面 の うち, 第 1 の ア ダ ム と 第 3 の 原 罪 とが, 斜 め 左 下 に 大 地 を 区 切 る と い う 似 た 構 図 で 描 か れ て い る こ と は, 第 1 に お い て 神 か ら 霊 性 を 与 え られ, 第 3 に お い て こ れ を 喪 失 す る と い う 同 コ ン セ プ トの 表 裏 を 示 し て い る 最 後 の 3 枚 は, 凡 そ の 学 者 に よ っ て く ノ ア の 物 語 か ら と られ た とされ い る し か し, も し そ うとす る な らば, 旧 約 の オ ーダ ーに 反 す る ば か り で な く, ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス の テ ク ス ト に も 合 わ な い ノ ア は 大 洪 水 か ら 救 わ れ た の ち に, 燔 祭 を 捧 げた の だ が, こ こ で は, 大 洪 水 の 前 に ノ ア の 燔 祭 が 描 か れ て い る か ち で ある (fig.11) ト ル ナ イ は, 天 地 創 造 の 第 2 と 第 3 の デ ィ ス オ ーダ ーと 同 様 に こ れ を 魂 の 上 昇 の オ ーダ ーに 組 み か え られた も の と し て い る が, 当 然, ド ッ ト ソ ソ は こ れ に 反 論 し, 神 の 国 の 市 民 が 洪 水 に 会 わ ぬ よ うあ ら か じ め 神 か ら 選 ば れ る こ とを 示 す た め に, 神 に 燔 祭 を 捧 げ る 主 題 を 第 番 に 描 い た と 述 べ, こ れ を ノ ア の 有 徳 と 敬 信 の 表 現 とす る し か し, 奇 妙 な こ と に コ ン デ ィ ヴ ィ (1553 年 )と ヴ ァ ザ ー り(1568 注 19 年 ) は こ の 場 面 を カ イ ン と ア ベ ル の 燔 祭 と し て い る だ が, 中 央 の ノ ア ら し ぎ 人 物 とそ の 妻 お よ び 義 理 の 娘 で あ り 巫 女 で あ る 女 性 の 存 在 な ど, こ れ を ノ ア とす る 説 が 有 力 で あ る ま た, ド ッ ト ソ ン は 左 の 奥 の 3 頭 の 動 物 が, さ きに 述 べ た エ ジ ーデ ィ オ ダ ヴ ィ テ ル ポ の Historia の 中 の, きわ め て 難 解 な 象 徴 か ら と られ た と し て い る エ ジ ーデ ィ オ は そ こ で, 牛 と 卩 パ を ユ ダ ヤ 人 と 異 邦 人 と に 特 定 し て い る ド ッ ト ソ ソ は さ ら に 2 頭 の 中 間 に い る 馬 を 新 し き 選 ぼ れ た 民 と 考 え る しか し こ の 画 面 の 中 の 右 の 隅 に は, 明 ら か に 象 が い る こ れ は どの よ うに 説 明 され う る だ ろ うか 羊 を 殺 す 2 人 の 男 の うち, 左 の 男 は 悪 意 に 満 ち た 外 見 を し て い る 勝 利 の し る し で あ る 月 桂 冠 を つ けた 女 が, 血 染 め の 肉 を, 右 の 男 か ら うけ と は 2o っ て い る の は, こ の 男 の 犠 牲 が 受 け 入 れ ら れ た こ と を 意 味 す る こ こ に は, 2 種 の 犠 牲 が 認 め られ る の で あ り, こ れ を カ イ ン と ア ベ ル の そ れ と 見 る こ と は 不 合 理 で は な い こ の 場 合, 老 人 は 老 い た る ア ダ ム とな る ま た, 動 物 が カ イ ソ の 背 後 に あ り, 犠 牲 の く た ぎ 木 が ア ベ ル の 後 ろ に あ る こ と に も 意 味 が あ る フ ィ チ ー ノ 的 な 存 在 の 漸 増 的 下 降 を く り か え す な ら ば, 人 類 の 下 の 存 在 は く 動 物 で あ る こ の 画 面 に は, 動 物 が は じ め て 登 場 す 123 Eleotronio Library

溌 慌 尸. 羊 る 弟 を 殺 し た カ イ ン の 物 語 に, つ い に 動 物 の 域 に ま で 下 っ た 人 類 の,や が て 洪 水 と い う 刑 罰 を 下 さ れ る に い た っ た 堕 落 を 見 る こ と は,む し ろ 自 然 で あ る ハ ー ト は, 祭 壇 の 前 の 右 の 女 が ノ ア の 義 理 の 娘 で 巫 女 で あ り,そ の 女 性 が 手 に ふ れ る く 燃 え さ し が 左 脇 の エ リ = ト レ は 21 ア に 通 ず る 預 言 の 力 を 象 徴 す る, とす る だ が, こ の 女 性 は 火 か ら 顔 を 背 け て お り, 右 の 女 と 同 様, 聖 な る 形 姿 と い う よ りは 明 ら か に 邪 悪 な 外 見 を 持 っ て い る メ ラ ー (Meller)が こ れ をく 偶 鰈 拝 と 見 た の も 必 ず も 殆 理 で は 螂. な 23 の 燔 祭 と 見 る こ と も 可 能 性 が あ ろ う ( 後 出,III,142ペ ージ ) そ に 椛 の, ザ 獣 あ 偽 り 丶 躍 藷 耳. ノ ア の 洪 水 は, 堕 落 し た 人 類 に 対 す る 神 の 刑 罰 を 描 い て い る 左 下 に は み ど りな す 大 地 が あ り, い か に も 安 全 な 救 い の 地 に 見 え る が, 実 は そ うで は な い こ の 大 地 は, ア ダ ム に 於 て そ う で あ っ た よ うに, 最 下 位 の 物 質 肉 体 に つ く 人 々 の 滅 び を 意 味 す る 左 端 の 裸 体 の 女 が 眠 れ る ア ダ ム と 同 じ く 大 地 に 身 を よ こ た え て い る こ と,そ の 足 も と に 枯 れ 木 が あ る こ と に 注 目 され た い 右 の 水 面 の そ ば に は, 左 の 大 地 よ り は 雨 を し の ぐ こ と の で きる テ ン トが あ る 学 者 た ち は こ れ を シ ナ ゴ ーグ と 考 え て きた ま た 画 面 上 方 に 浮 か ぶ 箱 舟 は, 救 済 の 象 徴 で あ る 教 会 を 示 す こ と も す で に 明 ら か に され て きた ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス に よれ ば, 箱 舟 は 神 の 国 の 予 型, ま た 木 で 出 来 て い る 故 に, こ れ は キ リ ス トが 懸 け ら れ た 木 に よ っ て 救 わ 4 れ る 教 会 で あ る 私 は こ の コ メ ン トを 次 節 に ゆず ろ う い ずれ に せ よ, こ れ は 神 に よ る 壊 滅 的 な 亡 ぼ し で あ る ノ ア の 泥 酔 に お い て 人 類 は 層 下 降 す る (fig.12) ノ ア は 眠 れ る ア ダ ム の よ うに 物 質 化 し,そ の 胸 か ら 出 た エ ヴ ァ の よ う に ヤ ペ テ と そ の 兄 弟 が 立 つ こ の の ち, こ の 3 人 の 子 孫 が 側 壁 を 満 た す の で あ る セ ム と ヤ ペ テ は 良 き 民 で あ り, カ ナ ソ は 悪 し ぎ 民 で あ る 私 は, 人 物 の 表 現 と 画 面 の ス タ イ ル か らみ て, こ れ を シ ン デ a ソ グ の 如 くく ワ イ ン = 聖 餐 の 秘 蹟 と み る 轢 的 蠏 釈 畷 問 を もつ こ こ に は, 雉 (7 y オ. 2 5 ナ 聖 ) を 失 肉 と な っ た 人 類 の 物 質 的 生 が 表 現 され て い る こ こ で 人 類 は 神 性 か ら 遠 く は な れ, 再 度 の 堕 落 に よ っ て 層 下 降 す る の で あ る 天 井 の 水 平 部 分 は こ れ を も っ て 終 る こ こ で 私 は, ド ッ ト ソ ン の 主 要 な 論 旨 で あ る 2 つ の 人 類 に つ い て, 異 議 を 唱 え た い ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス は, 人 間 は 始 祖 か ら 神 の 国 に 属 す る 入 と 地 上 の 国 に 属 す る 人 と に 分 け られ て い る と し た し か し な が ら, ア ダ ム, ノ ア は, 善 く 生 まれ て きな が ら 悪 を 犯 した の で あ っ た 善 と 悪 と の 両 断 性 は, こ の 天 井 画 に お い て は 主 調 音 と し て は 示 され て い な い む し ろ, 段 階 を 踏 み つ つ 漸 増 的 に 悪 化 し て ゆ く 流 れ が 基 調 と な っ て い る ま た 私 は, 1506 年 に ユ リ ウ ス に よ っ て, ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス 教 団 の 長 に 任 ぜ られ た ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス 派 の 長 で あ り, 新 プ ラ ト ン 主 義 や カ パ ラ の 影 響 を も っ た エ ジ ーデ ィ オ タ ヴ ィ テ ル ポ の 説 教 の 中 に も ヶ ラ ン ジ と 彼 とを つ な ぐ 櫞 的 な 翻 を 見 つ け る こ と が で きな か 嘆 124 Eleotronio Library

シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 説 教 と 天 井 画 の 図 像 の 関 連 に つ い て む し ろ 我 々 は コ ン デ ィ ヴ ィ の 言 を 信 用 し, ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ 自 身 が 読 ん だ も の の 中 の 冊 と し て ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス の 原 典 を 考 え る べ き で は な い だ ろ うか コ ソ デ ィ ヴ ィ は, ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ の 読 書 に つ い て 次 の よ うに 書 い て い る 1 日 新 約 聖 書 や そ れ に つ い て の 解 釈 を し た 人 々,た と え ば サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 書 い た もの を 多 大 の 研 究 と 興 味 と を も っ て 読 ん だ 彼 は こ の 人 に 非 常 な 好 意 を 抱 い て お り, 未 だ に 胸 中 に サ ヴ ォ ナ P ラ の 生 き 生 き し た 声 の 記 憶 を と ど め て い 曳 こ の こ と は, サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ 処 刑 の 前 年 ミ ケ ラ ソ ジ ェ 卩 が 卩 マ か ら 兄 レ オ 注 28 ナ ル ド (サ ヴ ォ ナ 卩 ラ の 弟 子 )に 宛 て た 書 簡 に よ っ て も 証 明 され る こ こ で 注 目 す べ き は, こ の サ ヴ ォ ナ ロ ーラ は く 旧 約 の 注 釈 者 と し て 高 い 名 声 を 持 ち, 彼 の 名 高 い 説 教 の 多 く は 旧 注 29 約 に つ い て の 注 解 で あ っ た と い う こ と で あ る リ ドル フ ィ は 次 の よ うに 述 べ て い る 彼 が 好 ん だ 旧 約 は 彼 の 唇 と, 彼 の 声 を 聴 き こ れ に 圧 倒 され る 人 々 の 耳 の 中 で は, も は や 遠 い 過 去 の 箱 舟 で は な く, 現 在 を 映 す 鏡 で あ り, 未 来 を 解 く 鍵 と な っ た 実 際 に, 彼 の 説 教 は, 常 に 旧 約 を テ ク ス ト と し な が ら, 実 際 に は, 彼 の 現 在 の 論 争 点 で あ る く 教 会 の 革 新 < 不 信 心 者 の 改 心 切 迫 し た 神 の 刑 罰 (flagellumdei) を 語 っ て い る 1494 年 12 月 に フ ラ ン ス 王 シ ャ ル ル は フ a レ ン ツ ェ を 占 領 した が, こ の 数 年 前 か らサ ヴ ォ ナ P ラ は gladius domini( 神 の 剣 ) に つ い て の 説 教 を 行 な っ て い た Ecce gladius domini ;super terram cito et velocitor! 1494 年 9 月 21 日, 彼 は 大 聖 堂 で 説 教 し た が, こ の と き の 第 1 声 は Ecce ego adducam aquas diluvii,up,,,erram! で あ 貍. サ ヴ ナ 皰 ら 旧 約 つ て の 孺 を 49 年 31 か ら 始 め, 1494 年 の フ ラ ソ ス 軍 侵 入 の 直 前 に 丁 度 く 大 洪 水 に つ い て 告 げ た と 述 べ て い る 彼 は こ の 説 教 に お い て く 箱 舟 を つ く る こ と を フ ィ レ ン ツ 人 = に 呼 び か けた 私 が 大 洪 水 に つ い て 語 っ た と 々 き, 人 は す で に フ ラ ン ス 王 の イ タ リ ア 侵 入 を 知 っ て い た の で, こ の 旧 約 の こ と ば に 驚 倒 し, こ れ ら の 旧 約 の こ とば に は, 神 の 秘 め られ た 教 え が あ る こ とを 知 っ た す な わ ち, サ ヴ ォ ナ ー ロ ラ と ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス に お け る 旧 約 解 釈 の 相 違 点 とは, 後 者 に と っ て は, 旧 約 の テ ク ス トが 神 の 国 の 精 神 的 生 を 象 徴 し て い る と い う 点 に あ っ た が, サ ヴ ー ォ ナ ロ ラ に と っ て そ れ は, 現 在 と へ 未 来 の 神 の 警 告 の 予 型 で あ っ た と い う 点 で あ る こ の よ う に し て, サ ヴ ォ ナ 卩 ラ は い み じ くも フ ィ レ ソ ツ ェ の 危 機 を ノ ア の 洪 水 に た と えた の で あ っ た サ ヴ ォ ナ ロ ーラ は ロ ーマ 教 会 に よ らず,サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ に よ っ て 改 新 され る べ きく 新 し ぎ 教 会 の 箱 舟 を 用 意 せ よ と 叫 ん だ そ の 叫 び は 1491 年 か ら 彼 の 死 1498 年 ま で フ ィ レ ン ツ ェ に い た 人 々 (ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ を 含 む) の 耳 に 鳴 りひ び い た の で あ っ た 私 は, シ ス テ ィ ーナ 天 井 に お け る ノ ア の 物 語, と くに 大 洪 水 に サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の エ コ ーを 認 め る こ の 説 教 の 記 憶 は ミ ケ ラ ン ジ ェ 卩 の 耳 に は ま だ 新 し か っ た か ら で あ る ド ナ ル ド 125 Eleotronio Library

ワ イ γ シ ュ タ イ ン は, サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 説 教 の 中 で は, 大 洪 水 は, フ ラ ン ス 王 の 侵 入 と い う 政 変 の, また 近 未 来 の 大 災 害 と 滅 亡 の 危 機 の 証 し で あ っ た と 述 べ て い る 箱 舟 は 卩 マ 教 会 で は な く 噺 し き イ ル サ レ ム た る レ ン で あ る 獣 そ の 見 地 に 立 て ば, 沈 み ゆ く 中 景 の 天 幕 が, ロ ー マ 教 会 とな る で あ ろ う ま た 私 は 楽 園 追 放 (fig.13) の ア ダ ム を 罰 す る 天 使 の 剣 の 鋭 さ が 他 に 比 を 見 な い も の で あ る こ と を, サ ヴ ォ ナ ロ ーラ の イ ン プ レ ーザ で あ る gladius domini を 刻 印 し た メ ダ イ ヨ ン と ーV の ア ナ ロ ジ こ よ っ て 説 明 し た い (fig.14) ま た ノ ア の 燔 祭 に お い て 強 調 され, ド ッ ト ソ ン が 十 字 架 の 予 兆 と み た た ぎ 木 は, サ ヴ ォ ナ P ラ が 処 刑 された た き r 木 の 暗 示 で あ る と も 考 え られ る サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ は, 小 羊 = イ エ ス の よ うに, 罪 な くして 殺 され, し か も 燔 祭 の 仔 羊 の ご と く 焼 か れ た か らで あ る こ の 場 面 に お け るく 火 の 強 調 も こ れ と 関 わ り が あ る で あ ろ う ワ イ ソ シ ご タ イ ン は, サ ヴ ォ ナ 卩 ラ の 説 教 に お い て は, ア ベ ル は キ リ ス の 死 の 苦 し み を 鮒, 雌 活 を 意 味 す る と 鰐 それ を 考 慮 に 入 れ 槭, ア の 燔 3 祭 の 意 味 は ます ます 醸 性 を 濃 厚 に す る の 藷 器. 以 上 の よ うに 私 は, シ ス テ ィ ー ナ の 天 井 フ レ ス コ の 着 想 に お け る サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 霊 感 源 と し て の 可 能 性 に つ い て 示 唆 した 次 に 私 は, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ が ロ ーマ 教 会 お よ び 当 時 の カ ソ リ ッ ク と 法 王 に つ い て い か な る 観 念 を 抱 い て い た か に つ い て 同 時 期 の ソ ネ ッ トを 基 本 的 な 資 料 と し て 参 照 した い なぜ な らば, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ 自 身 の 思 考 を 知 る に は, ソ ネ ッ ト こ そ 唯 の 資 料 だ か ら で あ る 彼 が シ ス テ ィ ー ナ の フ レ ス コ を 制 作 し て い る 時 期 に 書 い た ソ ネ ッ ト の うち, 最 も し ば し ば 引 用 され る も の は Giovannida PistoiaPこあ て た も の で あ る こ れ は, 自 分 の 専 門 で は な い フ レ ス コ 画 を 天 井 に 描 く 苦 痛 を うた っ た も の で あ り, 制 作 中 の ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ の 心 境 を うか が うに は 十 分 だ が, 注 35 そ の 作 品 の 内 容 に つ い て は い さ さ か の 示 唆 も 含 ん で い な い む し ろ 1511 年 頃 に 書 か れ た ユ E36 リ ウ ス II 世 に 関 す る 詩 が, 絵 の 内 容 に 関 わ っ て い る 点 で 重 要 だ と 私 は 考 える Signor,se vero ξ 堊 alcun proverbio antico, questo δben quel,che chi pub mai non vuole. Tu haicreduto a favolee parole epremiato chi e del ver nimico. rsono e fui gia tuo buon servo antico, ate son datocome e raggi al sole, edel mie tempo non tiincresceo dole, emen ti piaccio se pia m affatico. Gia sperai ascender per latua altezza, 126 Eleotronio Library

シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ e 1giusto peso e 如 potente spada fussial bisogno,e non la voce d eco. Ma lcielo δ que 王 c ogtli virtll disprezza locarl al mondo, se vuol c altri vada aprender fruttod un arbor ch d secco. 最 初 の 4 行 は, 神 に 向 か っ て, 彼 の 仇 敵 に 与 え た 恩 恵 に つ い て 恨 み を 述 べ て い る が, こ れ は 注 釈 者 EttoreBarelliの い うとお り, ブ ラ マ ン テ や ラ ッ フ ァ エ ル P を さ し て い る も の で あ る か も 知 れ な い 次 の 4 行 で 作 者 は, 自 分 が 常 に 神 に 奉 仕 し, 彼 が, 太 陽 に 対 して の 光 で あ る よ うに 献 身 し て き た, と 信 仰 を 表 白 し て い る τ Gia sperai ascender per latua altezza, ゴ 尸 e lgiusto peso e lzpotente Sl)ada こ の 2 行 は, 次 の よ うに 解 釈 され る す なわ ち,わ た し は,あ なた ( 神 ) の 高 み に ま で 昇 ちー ろ う と 希 望 し た ま た, 神 の 正 し い 重 荷 と, 力 強 い 剣 を も 希 望 し た, と こ こ で Barelliは, potente spada は ユ, リ ウ ス II 世 の 好 戦 的 性 格 だ と 解 釈 し て い る が, こ れ は ち が うで あ ろ う 私 の 考 え で は, こ の Spada ( 剣 ) こ そ, サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 預 言 の 中 心 の メ ッ セ ー ジ で あ っ た gladius Dominiで あ る また こ の giusto peso ( 正 し き 重 荷 ) と は, こ の 時 期 に 彼 の 思 考 の 中 に あ っ た ユ リ ウ ス 廟 の た め の く 囚 人 を お し つ け て い る あ の く 重 荷 に 通 ずる も の で あ る した が っ て, こ の 2 行 に は, ユ リ ウ ス へ の 非 難 で は な く, 彼 が 制 作 中 の フ レ ス コ に お い て 示 そ うと した 信 仰 の 内 容 が 語 られ て い る の で あ る す な わ ち, こ こ に は, 新 プ ラ ト ソ 主 義 的 で もあ り, 同 時 に サ ヴ ォ ナ 卩 ラ の 説 教 の 中 心 で もあ る, 神 へ と 上 昇 す る 人 間 存 在 の 希 望 と こ れ を 圧 し つ け る 重 圧, そ し て 神 に よ る 裁 きが か た られ て い る の で ある と りわ け,potente spada の 句 は,サ ヴ ォ ナ 卩 ラ 的 用 語 で あ る と い え よ う 最 後 の 3 行 は, 明 ら か に, ユ リ ウ ス そ の 人 へ の 否 定 的 評 価 を 表 わ し て い る 彼 は それ を aprender fruttod un arbor ch δ secco す な わ ち, 枯 れ た 木 か ら 果 実 を つ み と り に ゆ く, と い う 比 喩 を も っ て 表 わ す こ の arbor ( 木 ) は, 当 然, ユ リ ウ ス の 家 紋 た る カ シ の 木 す なわ ち Rovere で あ る 作 者 は ユ リ ウ ス をく 枯 れ た 木 と 呼 び,そ こ か ら 何 か よ き もの を 期 待 す る の は, 枯 れ た 木 に 果 物 を 期 待 す る よ うな も の だ と 言 っ て い る こ と に な る ハ ー トが, こ の 天 井 の コ ユ ン セ プ トを, リウ ス へ の オ ー マ ジ ュ で あ る と 説 明 し て い る こ と は 周 知 で あ るが, も し もそ うで あ る と し た ら, 描 い て い る 本 人 の 心 情 は こ の よ うに 皮 肉 な 背 反 を 示 し て い た こ と に な る む し ろ 興 味 深 い の は, す で に 述 ぺ た よ うに, 天 井 の カ シ の 木 > arbor は, す べ て が 緑 で は な く, 半 ば 以 上 が 枯 れ て い る (secco ) 正 27 Eleotronio Library

と い う 事 実 で あ る ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ は,arbor を, 常 に 1ignum vitae ( 生 命 の 樹 ) と し て 用 い た の で は な く, 生 と 死 もし くは, 善 悪 の 対 立 物 の 表 象 と して 描 い た の だ と い うこ と が で き る で あ ろ う ま た,1512 年 に 書 か れ た Qua si fa elmi の 諦 よ, 当 時 の ロ ーマ の 情 況 に 対 す る 嘆 き の 心 清 を 表 わ した も の で あ る が,そ こ に は, 鋭 い 調 子 で こ の 町 ( 法 王 庁 を も 含 め て ) の 堕 落 が 注 37 批 判 さ 4 て い る こ とが わ か る Q 岨 si fa elmi di calici e spade 潺 鷺 鑿 攤 e 1sangue dicristosi vend a giumelle, 縫 ecroce e spine son lancee rotelle, epur da Cristo pazibnzia cade. Ma non ci a 酊 ivi piti n queste contrade, ch ξi n andre l sangue suo nsin alle stelle, poscia c a Roma gli vendon la pelle, e さcci dbgniben chiuso lestrade, S i ebbi ma voglia a perder tesauro, per ci δche qua opra da me δ partita, pu δ quel nel manto che Medusa inmauro ; ma se alto in cielo epoverta gradita, qual fia di nostro stato ilgran restauro, s un altro Segno ammorza l altra vita? こ れ は 卩 マ に お い て は 武 器 に よ っ て キ リ ス ト の 血 が 流 さ れ て い る た め に, キ リ ス ト の 忍 耐 は 耐 えが た い も の で あ る こ と, し か し 天 に お い て は, こ の 地 上 で の 苦 し み は 修 復 され,み じ め な 人 間 は そ こ に よ ろ こ び 迎 え られ る だ ろ うと 歌 っ て い る シ ス テ ィ ー ナ 礼 拝 堂 制 作 中 の ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ の 心 境 を 述 べ た こ れ ら の 詩 は, 図 像 解 釈 に 重 要 な 光 を 当 て る も の で あ ろ う II. イ ニ ュ ーデ ィ ( 青 年 裸 体 像 ) を 頂 点 とす る 垂 直 構 造 に つ い て 再 び 上 下 構 造 に つ い て 天 井 の 中 央 部 に 描 か れ た 旧 約 の 9 枚 の 画 面 は, 明 ら か に 祭 壇 か ら 入 ロ へ と 水 平 に 構 成 され て い た しか し,イ ニ ュ ーデ ィ ( 青 年 裸 体 像 ) か らル ネ ッ タ ( 半 月 形 壁 面 ) の く キ リ ス ト の 先 祖 た ち に 至 る 部 分 は, 明 白 な 上 下 構 造 を も っ て い る こ の 上 下 構 造 が, 個 々 の 形 姿 の 図 128 Eleotronio Library

シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ 像 学 的 意 味 と 同 様 に, 礼 拝 堂 全 体 の コ ソ セ プ ト と 深 く 関 わ っ て い る こ と は,す で に 第 1 節 で 述 べ た と お り で あ る こ こ で は, こ の 上 下 構 造 に つ い て よ り 詳 細 な 考 察 を 加 え る と と も に, そ の 解 釈 の 鍵 と な る こ れ ら の イ ニ デ ィ の 意 味 を 読 み 解 く こ とに した い 礼 拝 堂 の 天 井 か ら 側 壁 に い た る 部 分 の 建 築 的 上 下 構 造 は,す で に 述 べ た よ うに 1505 年 か ら ミ ケ ラ V ジ ェロ が 着 手 し て お り, こ の シ ス テ ィ ーナ の フ レ ス コ 制 作 の た め に や む を 得 ず 中 断 し な け れ ぽな ら な か っ た ユ リ ウ ス II 世 の 廟 の た め の プ 卩 ジ ェ ク ト と ぎわ め て 密 接 な 関 連 を も っ て い る 1505 年 の プ ロ ジ ェ ク ト は, さ ま ざ ま な 資 料 か ら 判 断 す る と こ ろ で は 3 段 階 の 上 下 構 造 を 持 つ ピ ラ ミ ッ ド 型 で, 最 下 部 は ニ ッ チ の 中 に く 勝 利 > 1 象 そ の 両 側 に く 奴 隷 も し く は く 囚 人 と 呼 ぼれ る 縛 られ た 裸 体 像 が 立 つ コ ーニ ス で 仕 切 られ た 中 間 部 に は, 玉 座 の 中 に 坐 すく モ ー セ, 聖 パ ウ ロ, 瞑 想 的 生, 活 動 的 生 の 擬 人 像 が お か れ る 最 上 階 に は, 法 王 の 像 を 支 え る 寓 意 的 人 物 が 坐 る が, こ れ は コ ン デ ィ ヴ ィ に よれ ばく 天 使, ヴ ァ ザ ー リ に よ れ 注 1 げ 天 とく 地 で あ る こ の プ ロ ジ ェ ク トは つ い に 実 現 しな か っ た が, シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 に わ ずか に 先 立 っ て 着 手 され, 当 時 ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ の 最 大 の 関 心 事 で あ っ た こ の モ ニ ュ メ ソ トの コ ン セ プ ト は, 礼 拝 堂 の 解 読 に は も っ と も 有 効 な 鍵 で あ る さ ら に, 上 下 三 階 層 構 眠 鯉 F 塑 募 泰 聖 藁 ド 冨 瓦 旧 赫 翫 蒸 甑 罫 籍 劉 鬟 罫 鍵 造, 天 使 と 思 わ れ る 頂 点 の 支 持 像, 威 厳 あ る 座 像, 裸 体 の 寓 意 像 な ど の 相 似 性 は 著 し い し か しな が ら, 第 1 節 で 述 べ た よ うに, こ の よ うな 諸 要 素 と, 壁 面 の 位 階 的 構 成 は,15 世 紀 の 廟 墓 モ ニ ュ メ ン ト に は よ く 見 られ る も の で あ っ た ト ル ナ イ は, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ が 加 え た 新 しい 要 素 は 最 下 層 の く 勝 利 とく 囚 人 で あ り, こ れ は, 地 上 の 牢 獄 す な わ ち 肉 体 に 閉 じ こ め られ た 魂 の, 地 上 で の 状 態 で あ り, こ れ に 打 ち 克 っ た 魂 の く 上 昇 し た 姿 が, 第 2 層 の く 座 像 で あ る と い う, 新 プ ラ ト ソ 主 義 の, Scala Platonica ( 魂 の β 皆 段 ) を 示 し 注 2 て い る と 考 え る つ ま り, 宇 宙 に お け る 存 在 の 最 下 層 か ら 至 高 の 神 に 至 る 位 階 的 構 造 と い う 新 プ ラ ト ン 主 義 の 思 想 が, 伝 統 的 なく 信 仰 の 勝 利 の 図 像 と 総 合 させ られ た と 考 え られ る の で あ る 同 様 に メ デ ィ チ 家 の モ = ユ メ ソ ト に お い て は, 死 者 の 棺 の 上 に 横 た わ っ た, 重 い 物 質 と し 熱 て の 4 元 素 (4 つ の 時 ) は,そ の 上 の く 生 = 時 を 越 え て 永 遠 性 を 獲 得 した 死 者 の 姿 を も つ く 瞑 想 的 生 お よ びく 活 動 的 生 の 擬 人 縁 と 対 比 さ せ られ て い る こ れ らの 作 品 の 位 階 的 構 造 は, た し か に, 新 プ ラ ト ソ 主 義 の 思 想 の 中 心 に み られ る も の と 同 じ で あ る そ こ に 於 て は, 存 在 の 最 下 位 に は 物 質 ( コ ル ポ ) が あ り, そ の 上 に 霊 魂 (ア ニ マ ) が あ る こ の ア ニ マ は, フ ィ チ ー ノ に よ っ て, 存 在 を 行 動 へ と み ち び くもの と 定 義 され る Formae natura simplex,efficax,agllis ad agendum ta3 こ の ア ニ マ ( 霊 魂 ) の 上 に, 天 使 が 存 在 す る (Super animam mobilem est immobitisangelzts ) Super angelum 129 Eleotronio Library

こ れ らの 五 層 の 構 造 の 中 で, 新 プ ラ ト ン 主 義 の 中 心 的 関 心 は 霊 魂 に お か れ る な ぜ な らば, Tokyo National University of Fine Arts and Musio Music est Deus ( 天 使 の 上 に 神 は 存 在 す る ) フ ィ チ ー ノ は, プ ロ テ ィ ノ ス に お い て 6 で あ っ た 階 程 を,ア ニ マ を 中 心 に 置 き, 上 下 シ ン メ ト リ カ ル な 構 成 の た め に 5 に 減 少 さ せ た と ク リ ス テ ラ ーは 解 釈 す る が, 彼 の 理 論 に お い て は, 物 質 と 魂 と の 間 に は qualita ( 質 )な る 概 念 が 介 在 す る こ れ は, 物 質 を 齪 し, 獺 に 翻 性 を 械 る もの と 定 義 さ 蕊 こ の ア ニ マ こ そ は, 全 存 在 の 中 間 に あ っ て そ れ らす べ て を 仲 だ ち す る もの で あ り, 上 位 の 階 層 と 下 位 の 階 層 の 中 心 す な わ ち 宇 宙 の 中 心 に 位 置 す る か ら で あ る ま た, それ は 上 昇 し て 天 使 噸 域 に 昇 る と も で ぎ, 瀕 の 領 域 に 下 降 す る とも 可 能 だ か ら で 霧. の マ の 活 動 に よ る 上 昇 と 下 降 の ダ イ ナ ミ ズ ム が, ル ネ サ ン ス の 宇 宙 お よ び 人 間 観 の 特 徴 を なす 新 プ ラ ト = ス ト に と っ て, こ の ア ニ マ は す なわ ち 霊 と 肉 の 両 者 の 性 質 を 分 け もち 万 物 の 中 間 に い る 人 間 存 在 そ の も の と 同 視 され た の で あ る ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ が, フ ィ レ ソ ツ ェ の ロ レ ン ツ ォ デ メ デ ィ チ の も と に お い て, フ a チ ー ノ, ピ ー コ お よ び ポ リ ー ツ ィ ア ノ ら, 代 表 的 な 新 プ ラ ト ン 蟻 の 思 想 家 か ら 耀 と 霊 感 婚 て た と も も は 稠 知 で 諡 し た が て, こ の フ ィ チ ー ノ に お け る, 存 在 の 階 程 の 思 想 が, ユ リ ウ ス II 世 の 廟 お よ び メ デ ィ チ の 廟 に お け る と 同 じ く, シ ス テ ィ ーナ の 上 下 構 造 の 基 礎 と な っ た こ と は 不 思 議 で は な い ト ル ナ イ の 説 し か し, 個 々 の 像 に つ い て 検 討 す る 前 に, ト ル ナ イ の 新 プ ラ ト ン 主 義 と,そ れ と は 異 な る い くつ か の 重 要 な 解 釈 を 考 慮 に 入 れ て み る こ と が 有 益 で あ ろ う 周 知 の よ うに, 新 プ ラ ト ソ 主 義 の 思 想 を, ユ リ ウ ス 廟 や メ デ ィ チ 廟 と 同 様, シ ス テ a ナ に 適 用 す る 説 は トル ナ イ に よ っ て 打 ち 出 され た 彼 は 天 井 か ら 側 壁 の キ リ ス トの 先 祖 た ち に い た る 部 分 の 構 成 に つ い て, 中 央 物 語 部 分 をく 絶 対 者 の 顕 現 と し, 預 言 者 の 区 画 を く 知 性 と 精 神 に よ っ て 神 性 に 加 わ っ た 人 間 性 と し, 第 3 の, す な わ ち ス パ ソ ド レ ル (ヴ ォ ール ト) と ル ネ ッ タ の 部 分 (ト ル ナ イ は こ れ を 同 義 的 に 扱 っ て い る )を く 物 質 の 変 わ り 易 い 世 界 ( 死 す べ き 者 の 世 界 ) と 考 え る 彼 に よ れ ば, ル ネ ッ タ の 暗 さ は The sphere of shadow and death を 示 す (しか 7 し, 修 歓 よ て の ル ネ タ は 鵬 く 鮮 や か 絶 彩 を と り も ど し 避 ) また 問 題 の 青 年 裸 体 像 は, ト ル ナ イ の 分 類 で は, 絶 対 者 と, 神 性 を 得 た 人 間 ( 預 言 者 ) の 仲 介 的 存 在 で 劾 瀦 講 い 燃 彼 は 擁, ア マ ラ 材 ナ. レ ( 理 { 生 驪 )と 携 た だ, 彼 は そ の テ ク ス ト と し て, ピ コ デ ル ラ ミ ラ ン ド ラ の ベ ニ ヴ ィ エ ー 二 注 鰍 を 引 は 9 用 し て い る こ れ を 要 約 す る と プ ラ ト ン 主 義 は す べ て の 被 造 物 を 3 つ の 段 階 に 分 け る そ れ ら に は 2 つ の 対 極 が あ る す なわ ち,natura corporale ( 物 質 的 性 格 )と, natura invisivile ま た は inte11ettuale で あ る そ の 中 間 に, 中 間 的 本 性 が あ り, こ れ が anima rationale ア 130 Eleotronio Library

シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ で あ る 察 す る と こ ろ, ト ル ナ イ が, イ ニ ュ ーデ ィ を ア ニ マ ラ ツ a オ ナ ー レ と 結 論 す る の は, ピ コ の い う2 つ の 極 の 仲 介 者 す なわ ち, 絶 対 者 と 人 間 ( 死 す べ き もの ) の 間 の 仲 介 者 で あ る, と い う こ とか ら で あ ろ う ピ コ の 段 階 は フ ィ チ ー ノ を さ ら に 簡 略 化 し た も の だ が, 奇 数 を 保 つ こ と で, 万 物 の 中 間 に あ る 知 性 と い う シ ソ メ ト リーを も つ 点 で は 本 質 的 に 同 じ で あ る つ ま り, 神 性, 知 性, 肉 体 性 の 3 区 分 の どれ に こ れ らを 当 て は め るか が 本 質 的 な こ と に な る と こ ろ で, 彼 は, ス パ ン ド レ ル 以 下 の キ リ ス ト 先 祖 た ち を 注 10 mortal ( 死 す べ き も の )の 領 域 と し て い る の で あ る か ら, こ れ を 免 れ た 預 言 者 と 巫 女 も ま た, こ の 3 区 分 で は ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ で あ り 得 る だ が も し, トル ナ イ が 預 言 者 を も 人 間 = 死 す べ きも の に 入 れ, こ れ と 神 と の 仲 介 と し て イ = ユーデ ィ の み を ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ とす る な らば,さきに あげ た mortal な も の の 枠 は 無 意 味 に な る か,さ もな け れ ば, 人 間 存 在 (mortal ) を さ らに 2 分 し な け れ ぽ な らな い 注 11 建 築 家 で あ る ミ ケ ラ ン ジ ェ P の 発 想 は 常 に 構 築 的 で そ の 分 節 に は 曖 味 な と こ ろ が な い 組 織 図 を み て も 解 る よ うに, 建 築 的 区 分 は 天 井 部 と ニ ッ チ ( 玉 座 ) と ス パ ソ ド レ ル と ル ネ ッ タ の 4 段 階 で あ る さ らに 青 年 裸 体 像 は, ニ ッ チ の コ ーニ ス の 上, 天 井 部 の 下 と い う 境 界 線 上 に あ り, そ こ に ば ご く 小 さ い が 角 柱 か ら 張 り 出 した 台 座 が 作 られ, わ ず か 球 か りだ が 固 有 の 空 間 が 設 定 され て い る 空 間 的 布 置 か ら み れ ば, こ の く 裸 体 像 は 天 と 地 の 境 界 線 上 の 仲 介 的 位 置 を も つ 存 在 と し て 明 示 さ れ る し か も 彼 は 地 上 的 存 在 の ト ッ プ に 位 置 す る こ の よ うな 存 在 と は, 何 で あ ろ うか 字 義 通 り に フ ィ チ ー ノ の 5 段 階 を 適 用 すれ ば, 天 井 部 は 神 性 で あ り, 裸 体 像 は 天 使 で あ る ま た 預 言 者 巫 女 は ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ, ス パ ソ ド レ ル は ク ァ リ タ, ル ネ ッ タ は コ ル ポ ( 肉 体 ) とな る 裸 体 像 とく 神 と は, い か な る 隔 壁 に よ っ て も 距 て られ て い な い し か し, 預 言 者 は コ ー ニ ス に よ っ て 距 て られ, ス パ ン ド レ ル は さ ら に 深 く 距 て られ, ル ネ ッ タ は 文 字 通 り 側 壁 の 月 下 界 (sub lunar)に 下 っ て, 神 か イ ニ ユ デ ィ ら も っ と も 遠 い こ の よ うに し て 見 問 題 は 整 理 さ れ た か に 見 え る が,い く つ か の 点 で ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ が 実 際 に 描 い た 形 体 は フ ィ チ ー ノ の 説 と は 合 致 し て い な い の で あ る そ れ は, 新 プ ラ ト ン 主 義 に お け るく 天 使 の 本 性 が, そ の 受 動 性 と 不 動 性 に あ り, ア ニ マ の そ れ が, 活 気 づ け る 力, 霊 的 活 力 に あ る と い う 点 で あ る し か も こ の イ ニ ュ ーデ ィ の 著 し い 様 式 的 特 徴 は, 強 い 情 動 表 現 を 伴 っ た 烈 し い 動 きに こ そ あ る 預 言 者 巫 女 像 の く 動 き が, い か に 強 烈 で あろ う と も, 緊 馨 熱 熱 發 護 翻 心 理 的 反 応 の 限 界 内 に と どま っ て い る の に 反 して, 裸 体 像 の 運 動 は 身 体 的 で あ り, 同 時 に 劇 的 で あ る 々 我 は, す で に 天 使 と し て 明 らか に 特 定 で きる 形 体 を, 天 井 画 の 第 2, 第 4 の 画 面 で 見 て い る 彼 ら は 神 の 創 造 の く 観 照 者 で あ り, ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス, フ ィ チ ー ノ に お け 注 12 る 純 粋 な 省 察 者 と し て の 霊 で あ る 天 使 と 照 応 す る す な わ ち, マ ル シ リ オ の テ オ ロ ギ ア 鞍 肥 鐵 131 Eleotronio Library

注 13 プ ラ ト ; カ に よ れ ば, 天 使 は 動 か な い ア ニ マ は 動 く ア ニ マ は そ の 実 体 に お い て は 不 動 で あ る が,そ の 行 為 に よ っ て 動 く も の で あ る そ れ は 面 に お い て は 不 動 で あ り, で は そ の 力 に よ っ て 活 動 す る 我 々 は, イ ニ ュ ーデ ィ が そ の 呼 び 名 に よ っ て 説 明 され て い る よ うに, 活 力 あ る 肉 体 性 を 具 有 し て い る こ と に よ っ て 特 徴 づ け られ て い る こ とを 知 っ て い る ま た 同 時 に,それ らが, 自 己 の 肢 体 よ り は は る か に 小 さ く 不 自 由 な 台 座 に 固 定 され, そ の 位 置 を 限 定 さ れ て い る こ と も 見 る こ と が で き る こ れ は, こ れ ら の 存 在 が く 神 性 と 人 間 性, 時 間 と 永 遠 性 の 境 界 に 固 定 さ れ て い る こ と を 示 す 我 々 は, こ の 存 在 が, 神 面 鷺 葦 卩 ー 叫 門 ド 雨 F 門 } 訟 簷 炉 嫁. 売 茎 鑁 熟 激 済 甜. 畔 癖 坐 す 匙 r 催 写 時 お よ び 天 使 の い る 水 平 セ ク シ ョ ン と, 人 間 存 在 の い る 垂 直 セ ク シ ョ ン の 境 界 に 位 置 す る こ とを 明 白 に 見 て と る こ とが で き る ま た, 彼 ら の 動 き は, そ の 下 位 に あ る 段 階 の ど の 人 間 像 よ り も も っ と も 烈 し く 動 い て い る こ と, 人 体 の 活 力 は 下 位 に 行 くに つ れ て む し ろ 弱 ま っ て い る の を 見 る こ とが で ぎ る ク リ ス テ ラ ーは こ の ア ニ マ (animatore 活 気 づ け る もの ) を 次 の よ うに 解 説 し て L, る ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ す な わ ち ratio (ラ ツ ィ オ ) は, 存 在 の 頂 上 (somma )に あ り, 動 ぎ (moto )の 原 因 で あ る ア ニ マ は 第 1 の 動 因 (il primo moto ) で あ り, そ れ 自 身 に よ っ て 動 く い っ ぽ う, 物 体 (corpo )は, 本 来 inanimatiで あ り,anima の 力 を 受 け て 外 か ら 動 く ア ニ マ が, コ ル ポ ( 物 体, 肉 体 )に 力 を 加 え, 動 か し, よ り 高 い 注 14 状 態 へ と 惹 く ア ニ マ は, 動 きの 源 泉 で あ る イ := ユ ーデ ィ の 活 性 は, よ く こ の animatore ( 活 気 づ け る もの, も し く は, 霊 を 吹 き 込 む も の ) と し て の 役 割 を 表 現 し 得 て い る イ ニ ュ ーデ ィ を ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ と み る こ と が よ り 現 実 に か な う こ と の も う つ の 理 由 は, 預 言 者 の 坐 る 王 座 の コ ー ニ ス の 上 に 在 る く イ ニ ュ ーデ ィ と は ま さ に 対 照 的 に, 同 じ コ ー ニ ス の 下 に 在 り, 光 か ら 距 て られ て 影 の 如 く 描 か れ, 枠 の 中 に 限 定 さ れ つ つ, し か も 屈 曲 した 動 ぎを 示 し て い る, い わ ゆ る プ P ン ズ 色 の ヌ ー ド ( fig.15)が, フ ィ チ ー ノ の 言 う, ア ニ マ イ ラ ツ ィ オ ナ ー レ ( 不 合 理 な 霊 ) に 照 応 す る 注 15 と い う こ と か らで あ る ト ル ナ イ は こ れ を, 影 の 世 界 の ジ ェ ニ ー と し て い る ク リ ス テ ラ ーの 注 釈 に よ れ ば, ア ニ マ は, ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ と ア ニ マ イ ラ ツ ィ オ ナ ー レ に 分 注 16 け られ, 後 者 は 前 者 の ombra ( 影 )で あ る こ の 下 に い る 人 間 は, 不 合 理 な 霊 に 支 配 さ れ て い る しか し, 預 言 者 は ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ に 照 らさ れ, 天 の 光 を 浴 び, 霊 を 吹 き 込 ま れ て い る の で あ る だ が, も し も イ ニ ュ ーデ ィ を ア ニ V ラ ツ ィ オ ナ ー レ とす る と, 預 言 者 は ク ァ リ タ ( 質 ) とな り, ス パ ン ド レ ル と ル ネ ヅ タ は と も に 物 質 = 肉 体 とな る こ れ は 不 整 合 で あ る ま た, 新 プ ラ ト ン 主 義 者 に と っ て も, ル ネ サ ン ス の 人 間 観 全 般 か らみ て も, 主 役 た る もの は, 人 間 を 神 性 と 合 致 させ る こ の ア ニ マ で あ っ た ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ は, 預 言 者 を こ そ, こ の 上 下 構 造 の 中 の も っ と も 巨 大 な, ま た 神 聖 な る 形 体 と し て 表 し て い る した が っ て, 形 体 の 伝 え て く 怪 濯 樗 毒 毳 慧 奪 蠶 薄 广 餐 譱 纛. 豪 罎 憲 瀬 鑾 縫 噛 難 潮 瞿 邏 广 撥 煽 豊 薄 嶺 覊 孫 憶 醸 磁 選 耀 广 灘 難 織 諜 構 132 Eleotronio Library

シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ 注 17 る 意 味 は, 預 言 者 を こ そ こ の ア ニ マ と 知 ら せ る の で あ る し か し, テ オ ロ ギ ア の 中 に は, フ ィ チ ー ノ の 次 の こ とば が ある そ れ は, 預 言 者 が し ば し ば, 天 使 と 同 じ 領 域 に 入 る と い う こ 注 18 と で あ る フ ィ チ ー ノ は, 時 と し て そ の 肉 体 性 か ら 解 放 され る と い う 特 権 を 有 す る 人 間 の 中 注 19 に, 哲 学 者, 詩 人, 預 言 者, 宗 教 家 を あげ て い る 預 言 者 を ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ の 光 を 浴 びた 高 位 の 人 間 精 神 と 解 す る の が 正 当 で あろ う サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 天 使 と フ ィ チ ー ノ の 天 使 第 1 節 で 私 は, 預 言 者 の 形 体 の 巨 大 さ の 原 因 と し て, ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ の 精 神 に お け る サ ヴ ォ ナ ー ロ ラ の 存 在 の 重 要 性 を あげ た が, 今 こ こ に, い ま つ の 原 因 と し て, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ に と っ て 同 じ く 根 源 的 な 感 化 力 を も っ て い た マ ル シ リオ フ a チ ー ノ の 体 系 を あげ よ こ う の 体 系 内 に お い て, 人 間 存 在 の 上 位 に 位 置 し, そ の ratio の 力 に よ っ て, 時 と し て, 神 性 を 得 た 存 在 へ の ス ト レ ス が こ こ に 現 わ れ た もの と み る こ とが で き る で あ ろ う さ ら に 私 は, こ れ ら の 二 つ の 要 因, 新 プ ラ ト ソ 主 義 と サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ が 矛 盾 す る も の で は な く, 統 合 さ れ 得 る と 信 じ て い る そ の 理 由 は, サ ヴ ォ ナ ー ロ ラ の 説 教 ヨ ブ 記 に 関 す る 説 教 に 示 さ れ た コ ス モ ロ ジ ーが, ー フ ィ チ ノ の そ れ と 本 質 的 に 類 似 す る もの で あ る か らで あ る す な わ ち 人 間 は 理 性 的 な 動 物 で あ り, 肉 体 的 な 存 在 で あ る 故 に, 上 方 に あ る 霊 的 な 存 在 か ら きわ め て 距 た っ て い る の で あ る 我 々 は 純 粋 な 行 為 で あ る と こ ろ の 神 の ご く 近 く に い る 霊 的 な る 天 使 た ち に つ い て は ご く 少 し し か 知 ら な い の で ある も し, 我 々 が 形 を と っ た 存 在 の 仲 だ ち を 得 な い な らば, 神 に つ い て の 知 識 を も つ こ と は で きな い, ( 神 は )そ の 慈 悲 を あ まね く 行 きわ た らせ る た め に, 彼 の 天 使 た ちを つ か わ し, 上 の 存 在 が 下 の 存 在 を 注 20 1 統 治 す る よ う に 望 ま れ て い る さ ら に PredicaXIV で サ ヴ ォ ナ P ラ は い う 見 よ 神 は 人 を 天 と 地 と の 中 間 に 置 き 給 うた 人 は, 自 ら の 中 に もつ 霊 的 な 部 分 に よ っ て 天 使 と 霊 注 21 的 な る 世 界 を 知 り, それ ら と 結 び つ い て い る こ の よ うに,サ ヴ ォ ナ P ラ の 体 系 に お い て も, 基 本 的 に は フ ィ チ ー ノ 的 構 造 が 示 され て い る の で ある さ ら に サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ に よ れ ば, 神 は 天 便 を つ か わ し て, 人 間 に 未 来 を 啓 示 す る 神 が 彼 の 教 会 の 中 で, 何 か 新 し き こ とを な さ ん と 望 む と ぎ, 神 は そ の 好 む 人 に, 粟 勘 毫 灘 懸 撃 議 憂 3 曇 讐 霪 }レ 雌 レ 天 使 を つ か っ て そ れ を 啓 示 す る 神 は, 彼 の 預 言 者 た ち に 啓 示 し な い で 何 ご と か 大 きな こ 注 22 とを な され る こ とは 決 し て な い し か も 天 使 と 正 し き 人 々 と は, 堅 固 で あ り, 固 定 され, 注 23 石 か 円 柱 の ご と く で ある す な わ ち, サ ヴ ォ ナ 卩 ラ の コ ス モ ロ ジ ーに お い て は, 明 らか に 神 の 次 に 天 使 が 在 り, こ の 天 使 が 正 し き 人 す なわ ち 預 言 者 に 預 言 を 与 え, 人 々 は そ れ を と お し て 神 の 言 を き くの で あ る こ の 構 造 の 中 で は, フ ィ チ ー ノ の anima rationale の 能 動 的 役 割 を, サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ は 凱 凱 瞭 嶄 窰 勲 諭 脚 饗 翼 33 Eleotronio Library

フ ィ チ ー ノ の 体 系 に お け る ア ニ マ ブ ル タ ー レ イ ラ ツ ィ オ ナ ー レ に 当 た る も の で あ ろ う Tokyo National University of Fine Arts and Musio Music Angeli に 課 し て い る の で あ る す な わ ち サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 天 使 と は 能 動 的 な 存 在 な の で あ る サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ は, フ ィ チ ー ノ がく 天 使 ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ < ア ニ マ イ ラ ッ ィ オ ナ ー レ に 区 分 し て い る こ れ らの く 霊 を,す べ てく 天 使 と 呼 び, し か も, そ れ ら の 役 割 と 機 能 を 分 け て い る こ とに 注 目 し な け れ ばな らない す な わ ち 善 ぎ 天 使 は 神 の 近 くで 灣 神 に 仕 え る し か し, 他 の 天 使 は, 神 の 使 い と し て こ の 世 に や っ て く る さ ら に, 悪 霊 4 (d m ni )もま た, 天 亂 同 嗷 だ け い る と され,や は り 勘 使 い で 霧 こ の デ モ ン は, サ ヴ ォ ナ 卩 ラ の コ ス モ ロ ジ ーは, 面 に お い て は 新 プ ラ ト ン 主 義 の, 面 に お い て は 聖 ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス の 体 系 に よ っ た も の で あ る e む し ろ,.こ の 両 者 の 総 合 と み る こ とが で ぎる で あ ろ う し か し そ の 最 大 の 相 違 は, ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス ー フ a チ ー ノ の 天 使 が 静 的, 観 念 的 で あ っ た の に 反 し て, サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ に お け る 天 使 は 著 し く active で ある, と い う こ とで あ る 羅 ド ッ トソ ン の 説 に つ い て ア ウグ ス テ ィ ヌ ス ド ッ ト ソ ソ は イ ニ ュ ーデ ィ を 天 使 と み る 説 を と る 彼 は 礼 拝 堂 の 総 体 を 神 の 国 の ヒ = ラ ル キ ーに よ っ て 解 釈 し, ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス の い う 地 上 の 国 の 市 民 を ル ネ ッ タ と し, ス パ ソ ド レ ル をく 神 の 国 の 市 民 とす る ス パ ン ド レ ル は ド ッ ト ソ ン に よ れ ばく 預 言 者 巫 女 > E2 ら と ほ ぼ 同 じ レ ベ ル に あ る か ら で あ る 彼 ら は 共 に キ リ ス トの 肉 の 先 祖 で あ る が, 預 嶺 達 燭 藏. 言 者 は キ リ ス ト の 霊 の 先 祖 で あ る 彼 ら は く 善 き 天 使 に 守 られ て い る が, そ の 他 の 人 間 は 悪 し き 天 使 に 囲 ま れ て い る 神 の 国 で は, 天 使 も ま た, 創 造 の は じ め か ら 善 悪 に 2 分 され て い る の で あ る し た が っ て, プ ロ ソ ズ 色 の ヌ ー ドは, こ の 悪 し ぎ 天 使 と 考 え られ る ド ッ ト ソ ン の 説 は, コ ー = ス の 上 と 下 の ヌ ー ドの レ ベ ル の 相 違, 同 レ ベ ル に 描 か れ た 預 言 者 と ス パ ン ド レ ル の 人 物 の カ テ ゴ リーの 相 違, さ ら に, ス パ ン ド レ ル と ル ネ ッ タ の 人 物 の 意 味 の 相 違 を 明 確 に か つ 貫 性 を も っ て 説 明 し て い る 点 で, 旧 来 の ど の 説 よ りも 舞 説 得 力 が あ る だ が, 私 は 第 に, ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス の ス タ テ ィ ッ ク な 体 系 に よ っ て は, 天 使 (イ ニ ュ ーデ ィ ) の 異 様 な 生 気,. 預 言 者 の 比 例 を 絶 し た 巨 大 さは,, 心 理 学 的 に 説 き 明 か され な い と い う 点 に 注 目 し た い ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス に お い て, 天 使 は 神 の 創 っ た 世 界 を 観 照 す る の E1.2 で あ る こ れ は, フ ィ チ ー ノ に お い て も 同 じ で ある だ が, サ ヴ ォ ナ P ラ の 天 使 は, きわ め て ア ク テ ィ ヴ で あ る シ ソ デ ィ ン グ の い う angels of the laws は, い っ そ うイ a = デ ィ の 伝 え る イ メ ージ の メ ッ セ ージ を 説 明 し な い 髄 擁 強 藩 蟻 縄 蕪 鷲 幾 爰 134 Eleotronio Library

シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ 第 二 に, 善 と 悪 が 創 造 の 初 め か ら 2 分 され, 決 定 され て い る と い う ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス の ド グ マ は, ミ ケ ラ ソ ジ ェ ロ の 他 の あ らゆ る 作 品, ソ ネ ッ ト お よ び 思 考 の 傾 向 性 と あ い い れ な い た し か に, 全 体 を ヒ エ ラ ル キ ー 的 な 明 確 さ に 於 い て 見 る 視 点 に お い て, また 建 築 的 枠 組 み に 明 確 な 意 味 を 与 え る 点 に お い て ド ッ ト ソ ン は 正 し い ま た, 第 1 節 に 述 べ た ご と く, 天 井 の 物 語 の 選 択 が 基 本 的 に 神 の 国 に よ っ て い る の で あ ろ う こ と は 考 え られ る した が っ て, 垂 直 部 分 に も ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス は 必 ず 影 響 力 を 持 っ て い る で あろ う そ れ は, ア ウ グ ス テ ィ ヌ ス か らサ ヴ ォ ナ P ラ に 伝 え られ た 位 階 構 造 に も っ と も よ くそ の 影 響 力 を み る こ とが で き よ う さ ら に サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ は, 新 プ ラ ト ン 主 義 者 の グ ル ープ, と く に ピ ー コ と 親 し い 交 わ りを 結 び, 両 者 に は 思 想 の 交 流 が あ っ た し た が っ て, こ の 3 者 を 画 然 と 区 別 す る こ とは 困 難 で あ る こ れ ら の 影 響 を 同 じ ほ ど に 深 く 受 け た ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ の 思 想 の 中 で, こ れ らが 体 化 した こ と は, 大 い に 考 え られ る し た が っ て, サ ヴ ォ ナ P ラ の 神 を 人 間 に 仲 介 し, 神 の 言 を 人 間 に 伝 え る 天 使 と, フ ィ チ ー ノ の い う, 神 性 に 関 与 し 肉 体 に 霊 を 鼓 吹 す る ア ; マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ は, 同 の 働 ぎを も つ ひ と つ の 形 姿, イ ニ ューデ ィ と し て 表 わ さ れ た の で あ ろ う 伝 統 的 な 天 使 の い か な る 属 性 を も っ て し て も, ミ ケ ラ ソ ジ ェ 卩 の イ = = デ ィ の も つ 独 自 の 生 気 を 説 明 す る こ とは で きない か らで あ る そ の 他 の 天 使 説 方, ー ハ ト に と っ て は, イ ニ ュ ーデ ィ の 重 要 性 は, 生 命 の 樹 で あ り, ユ リ ウ ス の 栄 光 と 繁 栄 の 象 徴 で あ る カ シ の 葉 と ド ソ グ リ の ガ ー ラ ン ドを 支 え る 役 割 の 中 に あ る した が っ て 彼 は ト ル ナ イ の い う, 預 言 者 た ち に 霊 感 を 与 え る ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ に 反 論 し, ト ル 注 26 ナ イ の 解 釈 で は, こ れ らの イ ニ ュ ーデ ィ の フ a ジ カ ル な ア ク シ ョ ン が 説 明 され な い と 反 論 し, 彼 らの 支 え る メ ダ イ ヨ ン の 主 題 が く キ リ ス ト の 犠 牲 に あ る, と し て, こ れ に よ っ て 惹 き 起 こ され る 喜 怒 哀 楽 を イ ニ ュ ーデ ィ は 示 し て い る, と 述 べ て い る ま た ハ ー トは, こ れ ら の イ ニ ュ ーデ ィ が 1505 年 の ユ リウ ス の モ ニ ュ メ ン ト の 囚 人 と 関 わ り 氛 卩 すい を も っ て い る の み な らず, しば し ぼ 形 体 も 似 て お り, 20 体 と い う 数 も 同 で あ る, と 考 え 注 27 て い る 島 ぎ 瓦 諭 熱 義 曇 載 墅 ギ 郵 酪 鷸 凱 繕 辮 犠 鑞 蕪 ー ハ ト の 説 に 異 論 を 唱 え る な らぽ, 第 に, 彼 自 身 の ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ の 解 釈 が ど ん な も の で あ る に せ よ, 既 述 し た よ うに フ ィ チ ー ノ の テ ク ス ト で は, ア ニ マ と は ぎわ め て 活 = 動 的 で あ り, 物 質 肉 体 を animare ( 活 気 づ け る ) 原 因 で あ る も の, で あ る した が っ て, そ の 表 現 は 精 神 の 活 力 に み た さ れ て い る べ きも の で あ る 第 二 に,た しか に, 個 々 の 人 体 の 姿 態 に お い て は イ ニ ュ ーデ ィ は 囚 人 と 類 似 し て い る が, 根 本 的 な 相 違 が 二 つ あ る そ れ は, 囚 人 が 目 に み え ぬ 束 縛 を うけ て 不 自 由 で あ る の に 反 し て, i35 Eleotronio Library

イ ニ ュ ーデ ィ は, 以 上 の よ う に, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ に と っ て 人 間 存 在 と 神 性 の 仲 介 者 と し て, Tokyo National University of Fine Arts and Musio Music イ ニ ュ ーデ ィ に は, つ の 座 が 決 定 され て い る こ と 以 外 に は, 縛 られ て も い ず, 結 び つ け ら れ て も い な い, と い う こ と で あ る こ の こ と は 形 体 の も つ 意 味 か ら み て 非 常 に 重 要 な 差 異 で あ る ま た, さ ら に 重 要 な こ と は, 全 体 の 建 築 的 位 階 構 造 に お い て, イ ニ = デ ィ は 頂 点 に 在 るが, 囚 人 は 最 下 位 に あ る, と い う こ と で あ る こ の こ と は, 両 者 が 似 て 非 な る 意 味 を 有 す る こ とを 示 す 4 元 素 説 さ ら に, 田 中 英 道 氏 は こ れ ら の イ ニ ュ ーデ ィ を 4 元 素 と 主 張 し て い る こ の 説 に 対 す る 反 論 は, 氏 が ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ の 典 拠 と し て 支 持 す る 新 プ ラ ト ン 主 義 お よ び プ ラ ト ン の コ ス モ ロ ジ ーお よ び そ の ヒ エ ラ ル キ ー 的 構 造 に お い て は, 4 元 素 は 肉 体 = 物 質 に 照 応 し 8 て い る と い う こ と で ある し た が っ て, イ ー ニ ュ デ ィ を 4 元 素 とす る な らば, そ の 下 方 の 人 物 は す べ て 物 質 性 に 支 配 さ れ な ければ な ら な い で あ ろ う も しそ うで あ る とす れ ば, 預 言 者, ブ ロ ン ズ の ヌ ー ド, ス パ ソ ド レ ル, ル ネ ッ タ の 位 階 構 造 は 無 意 味 で あ る 霊 性 か ら 物 質 性 に い た る こ の 垂 直 の 位 階 構 造 に お い て は, 霊 性 と 物 質 性 の graduazione ( 漸 増 的 階 段 )が 本 質 を なす か ら で あ る さ ら に く 4 元 素 は, 中 央 の 天 地 創 造 に お い て, 宇 宙 の フ ィ ジ カ ル な 創 造 に 立 ち 会 うも の と し て す で に 描 か れ た 水 平 構 造 の 物 語 は も っ ぱ ら 歴 史 的 構 造 を 表 現 し て お り, 4 元 素 は, す で に 最 初 の 3 枚 の 中 で 神 に よ っ て 創 造 さ れ, 万 物 の 物 質 的 基 礎 と な っ て い る こ と は す で に 第 1 節 で 述 べ た 物 質 で あ る 4 元 素 は 存 在 の 霊 性 と 物 質 性 に つ い て の 上 下 構 造 で あ る エ リ ア の 頂 上 に 登 場 す る こ と は で きな い ま た, 田 中 氏 は, こ れ ら の イ ニ ューデ ィ の あ る もの が メ デ ィ チ 家 礼 拝 堂 の 時 = 4 元 素 の ア レ ゴ リ ー に 類 似 し て い る と 述 べ て い る が, 肢 体 の 部 分 的 ア ナ ロ ジ ーは こ の 場 合, 人 物 の 全 体 の 構 成 に お け る 上 下 の 位 置 関 係 よ り もは る か に 非 本 質 的 で あ る 重 要 な こ と は, イ ニ a デ ィ が ヒ エ ラ ル キ ーの く 頂 上 に あ り, ア レ ゴ リ ーが 下 位 に あ る, と い う こ と で あ る す で に 述 べ た ご と く, 4 元 素 す なわ ち 物 質 は, フ ィ チ ー ノ に よ れ ば く 時 の 支 配 下 に あ る の で あ り,そ れ 故, メ デ ィ チ 廟 に お い て は, 神 性 ( 永 遠 性 ) を 具 え た 人 物 で あ る 座 像 の 下 に 無 気 力 に よ こ た わ っ て い る の で ある 方,イ = ユ ーデ ィ は 座 像 の 上 に あ り, よ こ た わ らず, 活 動 し て い る の で あ る 双 方 に 対 し て 烈 し く 活 動 す るく 霊 魂 の 力 と し て 着 想 さ れ た もの で あ る それ は, ア ク テ ィ ヴ な サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 天 使, 同 じ く ア ク テ ィ ヴ な 新 プ ラ ト ン 主 義 の ア ニ マ ラ ツ ィ オ ナ ー レ に 相 当 し, 両 者 を 統 合 し た 存 在 で ある こ れ が い か な る 働 きを 持 つ か に つ い て は, 次 の i36 Eleotronio Library

シ ス テ ィ ーナ 礼 拝 堂 フ レ ス コ 節 で 述 べ る こ と に な るだ ろ う m. 預 言 者 と 巫 女 に つ い て サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 重 要 性 学 者 た ち は, 預 言 者 が 天 井 の 創 世 紀 と 内 容 上 の 関 わ りを 持 つ とす る 点 で お よ そ 致 し て い る が, そ の 解 釈 は じつ に さ ま ざ ま で あ る 中 で も ハ ー ト は も っ と も 詳 細 に 天 井 の 物 語 と の 関 注 1 連 お よ び 出 典 を 考 察 し て い る 代 表 的 な 見 解 を 要 約 整 理 す れ ば,そ れ は 第 に, ユ リウ ス II 世 を 中 心 とす る 伝 統 的 な ロ ーマ 法 王 庁 の 教 義 を 骨 子 とす る 見 解 (シ ュ タ イ ソ マ ソ, ハ ー ト, サ ル ヴ ィ ー 二, ラ ヅ ギ ア ン テ ィ, ド ッ ト ソ ン な ど), 第 二 に, 新 プ ラ ト ソ 的 な 神 性 の 象 微 とす る 見 解 (トル ナ イ,ドヴ ォ ル シ ャ ッ ク な ど), 最 後 に ヴ ィ ン ト の,サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ ーの Dialogo dellaverita profetica ( 預 言 の 真 実 に 関 す る 対 話 ) に 依 拠 す る, 預 言 者 の 7 つ の 徳 の 象 徴 と 注 2 す る 見 解 で あ る 第 は 個 々 の 解 釈 に 相 違 は あ っ て も, 結 局 は, キ リ ス ト の 化 肉, 受 難 と 復 活 と い う 教 会 の 中 心 的 な ドグ マ に つ い て の 預 言 と い う 点 で 致 す る こ れ は 第 1 節 で 述 べ た よ うに, ユ リウ ス の 宮 廷 に い た 神 学 者 た ち の 教 説 を 典 拠 と し て 全 体 の コ ン セ プ シ ソ を 推 定 す る と い う 点 で も 致 し て い る 第 二 の 解 釈 は, 新 プ ラ ト ン 主 義 的 な 基 礎 の 上 に, 各 々 の 預 言 の テ ク ス トを 重 ね 合 わ せ た も の で, ユ リ ウ ス に よ っ て 与 え られ た ド グ マ と い うよ り は, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ 自 身 の 精 神 性 を 重 視 し た 説 で あ る 第 三 の ヴ ィ ン ト の 説 は, こ の 礼 拝 堂 の ア イ デ ィ ア を サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ と 直 接, 間 接 に 結 び つ け た 最 初 の も の で あ り, こ れ は す で に 述 べ た 理 由 に も とつ い て, あ ら た め て 再 検 討 す る に あた い す る な ぜ な ら ば, 預 言 者 像 の 巨 大 さ とそ の 表 現 力 の 例 外 的 な 強 烈 さ は, 図 像 学 的 問 題 を こ え て, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ 個 人 に お け る 預 言 者 の 心 理 学 的 重 要 性 を 考 え さ せ る か ら で あ り,1508 年 の 時 点 に お い て, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ が ど の よ うな 宗 教 感 情 を も っ て い た か とい う 考 察 こ そ も っ とも 重 要 だ か らで あ る 第 1 節 で す で に 述 べ た よ うに, ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ が フ ィ レ ン ツ ェ に 滞 在 し て い た 頃, サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 説 教 は 市 民 に よ っ て く 預 言 と し て 受 け 取 られ て い た 彼 は ま た 自 らを 預 言 者 と 名 の り, イ タ リ ア, と く に ロ ー マ の 滅 亡 と, こ れ に 対 す る 救 済 を 呼 び か けた こ の メ ッ セ ー 注 3 ジ が サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 全 説 教 の 内 容 で あ り 主 旨 で ある ミ ケ ラ ン ジ ェ ロ が 預 言 者 像 に 歴 史 上 比 を 見 な い 力 と 偉 大 さ と 活 気 とを 与 え た の は, 与 え られ た 図 像 目 録 を こ え た 彼 自 身 の 内 的 必 然 に よ る こ の こ とを 直 観 した 人 間 は 少 な くは な い ヴ ィ ン ト は, チ ャ ール ズ ハ ロ イ ドの 次 の 言 を 引 用 し て い る も し も シ ス テ ィ ーナ の 預 言 者 た ち が 声 を 出 す こ とが で きた な らぽ, 注 4 彼 ら は サ ヴ ォ ナ ロ ー ラ の 声 で 語 る で あろ う 137 Eleotronio Library