静 岡 大 学 教 育 学 部 研 究 報 告 ( 教 科 教 育 学 篇 ) 第 45 号 (2014.3)97~103 97 日 本 の 中 学 生 EFL 学 習 者 に5 文 型 導 入 は 適 切 か? Is Introducing the Five Sentence Patterns o



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長 は10 年 ) にすべきことを 求 める ⑸ 改 善 意 見 として 事 務 引 継 書 にかかる 個 別 フォルダーの 表 示 について 例 えば 服 務 休 暇 全 般 ( 事 務 引 継 書 を 含 む) といったように 又 は 独 立 した 個 別 フォルダーとして 説 明 を 加 え

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

Transcription:

SURE: Shizuoka University REp http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/ Title 日 本 の 中 学 生 EFL 学 習 者 に5 文 型 導 入 は 適 切 か? Author(s) 矢 野, 淳 Citation 静 岡 大 学 教 育 学 部 研 究 報 告. 教 科 教 育 学 篇. 45, p. 97-103 Issue Date 2014-03 URL http://doi.org/10.14945/00007870 Version publisher Rights This document is downloaded at:

静 岡 大 学 教 育 学 部 研 究 報 告 ( 教 科 教 育 学 篇 ) 第 45 号 (2014.3)97~103 97 日 本 の 中 学 生 EFL 学 習 者 に5 文 型 導 入 は 適 切 か? Is Introducing the Five Sentence Patterns of English Sentences Appropriate for Junior High School EFL Learners in Japan? 矢 野 Jun YANO 淳 ( 平 成 25 年 10 月 3 日 受 理 ) 日 本 の 英 語 教 育 で 扱 われている5 文 型 理 論 は Onions(1932)によってその 原 形 が 提 唱 さ れ( 表 1) 細 江 (1966)により 日 本 で 紹 介 された( 表 2) FIRST FORM OF Day dawns. Subject + Verb THE PREDICATE SECOND FORM OF Subject + Verb + Predicate Adjective or Croesus was rich. THE PREDICATE Predicate/ Noun or Predicate Pronoun THIRD FORM OF Cats catch mice. Subject + Verb + Object THE PREDICATE FOURTH FORM OF We taught the dog Subject + Verb + Two Objects THE PREDICATE tricks. FIFTH FORM OF THE PREDICATE Nothing makes a Stoic angry. Subject + Verb + Object + Predicate Adjective or Predicate Noun 日 本 の 学 校 英 語 教 育 において 5 文 型 は 伝 統 的 に 高 校 1 年 時 に 導 入 されてきたが 笠 島 関 明 石 秋 山 (2012:71)は 巻 末 の 資 料 としてではなく 学 び 方 コーナー2 5つの 文 構 造 として 中 学 3 年 生 の 文 部 科 学 省 検 定 教 科 書 で 紹 介 している この 教 科 書 の 中 では 中 学 生 に 向 けて 車 両 をつないだ 電 車 のカラー イラストを 用 いて 5 文 型 を 説 明 している YANO (1996) 及 びYANO(2012)は この5 文 型 について 英 文 の 文 意 理 解 と 文 型 識 別 について 実 証 研 究 を 行 っている 第 1 形 式 の 文 Stars twinkle. 主 部 + 述 部 第 2 形 式 の 文 James has become(a)(famous) soldier. 主 部 + 述 部 ( 述 語 + 補 語 ) 第 3 形 式 の 文 Cats catch mice. 主 部 + 述 部 ( 述 語 + 目 的 ) 第 4 形 式 の 文 I gave him(a)book. 主 部 + 述 部 ( 述 語 + 間 接 目 的 + 直 接 目 的 ) 第 5 形 式 の 文 Father made me(a)merchant. 主 部 + 述 部 ( 述 語 + 目 的 + 補 語 ) 英 語 教 育 講 座

98 矢 野 淳 本 研 究 では 大 学 生 高 専 生 高 校 1 年 生 中 学 3 年 生 と 5 文 型 について 調 査 してきた 参 加 者 群 の 学 年 を 中 学 2 年 生 まで 下 ろし 中 学 生 に 対 して5 文 型 導 入 は 適 切 か 否 か 適 切 であれ ば 何 年 生 がよいのかを 考 察 する 5 文 型 に 関 しては 多 くの 英 語 教 育 の 専 門 家 が 万 能 ではないことを 指 摘 している 荒 木 (1983:18)は 英 語 には 五 文 型 で 処 理 できない 構 造 がある と 指 摘 し 池 上 (1995:20)は [ 問 題 点 は]この 考 え 方 [5 文 型 ]では 名 詞 句 や 形 容 詞 句 として 表 現 されていると 正 当 な 文 構 成 要 素 (S O C)として 認 定 されるが 同 じ 程 度 に 文 の 構 成 に 欠 かせない 要 素 で あっても 副 詞 句 として 表 現 されていると 一 切 無 視 してしまうということである と 述 べ 金 谷 (1992:29)は 文 型 を 決 めがたいものが 第 5 文 型 に 分 類 されがちである 傾 向 を 補 語 は 文 型 のがらくた 箱 (catchall)になる と 表 現 している YANO(1996)では 異 なる 英 語 学 習 の 背 景 を 持 つ3つの 参 加 者 群 で 短 い12 個 の 英 文 につ いて 文 意 が 分 かること(M)と 文 型 が 識 別 できること(P)の2つの 要 素 に 関 して 調 査 を 行 っ た MとPは 無 関 係 ( 独 立 )である と 帰 無 仮 説 を 立 て SPSSを 用 いて 独 立 検 定 を 行 った 結 果 高 校 1 年 生 と 大 学 生 とでは ほぼ 正 反 対 の 傾 向 と 思 われる 結 果 が 出 た つまり 高 校 1 年 生 で は 検 定 ができた11 問 中 3つの 英 文 で 帰 無 仮 説 が 棄 却 され 統 計 的 有 意 となり MとPの 間 に 何 らかの 関 係 があることが 示 唆 されたが 11 問 中 多 数 である8つの 英 文 で 帰 無 仮 説 は 棄 却 されな かった 一 方 大 学 生 では 検 定 ができた6 問 中 多 数 の5つの 英 文 で 帰 無 仮 説 が 棄 却 され 統 計 的 有 意 となった これは MとPの 間 に 何 らかの 関 係 があることの 統 計 的 裏 付 けとなる 一 方 棄 却 されなかったのは5 問 中 わずか1つの 英 文 であった YANO(2012)では 同 じ 調 査 方 法 にて 中 学 3 年 生 に 対 して 調 査 を 行 った 中 学 3 年 生 の 結 果 とYANO(1996)の 高 校 1 年 生 の 結 果 は 非 常 に 似 ており 仮 に 有 意 水 準 p<0.06とすると 中 学 3 年 生 と 高 校 1 年 生 は 非 常 に 似 た 傾 向 を 示 す 結 果 を 独 立 検 定 で 得 た YANO(1996) 及 びYANO(2012)を 発 展 させ 中 学 生 の 英 文 の 文 意 を 理 解 する 力 と 文 型 を 識 別 する 力 の 間 の 関 係 を 調 査 することで 従 来 高 校 1 年 生 で 導 入 されてきた5 文 型 を 中 学 生 に 導 入 することは 適 切 か 否 か 適 切 であれば 中 学 何 年 生 で 導 入 するのが 適 切 かを 調 査 する 2010 年 12 月 に 中 学 2 年 生 80 名 のデータを 収 集 し 分 析 した 参 加 者 数 が 少 ないのは 問 題 指 示 文 中 和 訳 し の 部 分 を 答 案 に 記 述 するまでに 至 らなかった 生 徒 が 多 数 存 在 し 有 効 な データとならないため 排 除 したためによる YANO(1996) 及 びYANO(2012)と 同 様 Appendixで 示 したテスト シートを 用 いて 中 学 2 年 生 に 対 してテストを 実 施 し その 人 数 を 表 3のようなクロス 集 計 表 にまとめた すな わち 文 意 が 理 解 できることをMとし 文 型 識 別 ができることをPとし 不 正 解 を0 正 解 を

日 本 の 中 学 生 EFL 学 習 者 に5 文 型 導 入 は 適 切 か? 99 1とした 文 意 が 理 解 できているか 否 かは 和 訳 から 判 断 した 例 えば 3の 主 語 peopleを pleaseと 勘 違 いしたと 思 われるような 和 訳 は VOCの 関 係 が 正 しく 答 案 に 表 現 されていれば 正 解 とした 文 型 識 別 ができる とは テスト シートの 下 部 にある5 文 型 を 代 表 する5つ の 英 文 から 最 も 似 た 文 の 型 が 選 択 できるか 否 かで 判 断 した 5 文 型 に 関 する 一 連 の 研 究 の 中 で 筆 者 が 常 に 興 味 を 持 っているのは クロス 集 計 表 中 の MOGとPOGの 人 数 である つまり 文 意 は 理 解 しているが 文 型 識 別 はできなかった 参 加 者 群 をMeaning Only Group(MOG)とし 逆 に 文 意 は 理 解 していないが 文 型 識 別 ができた 参 加 者 群 をPattern Only Group(POG)とし その 人 数 を 比 較 した 文 型 (P) 0 1 0 POG 文 意 (M) 1 MOG 表 4より 中 学 3 年 生 は12 問 すべてのケースで MOGの 人 数 がPOGを 上 回 った (MOG> POG) 表 5より 中 学 2 年 生 では Q1とQ12の2つのケースで 人 数 がMOG<POGとなり Q2で MOG=POGとなった YANO(1996)では 高 校 1 年 生 において Q1 Q2 及 びQ12で 人 数 がMOG<POGとなったが これは5 文 型 を 習 ったがゆえに 文 型 識 別 において 勇 み 足 的 に 誤 答 したと 思 われるものがあり 中 学 2 年 生 の 誤 答 の 原 因 とは 異 なると 考 察 した 注 目 すべきは 12 個 の 英 文 すべてでMOG>POGとなった 中 学 3 年 生 に 対 して 中 学 2 年 生 では3つのケースでMOG>POGとなっていないにもかかわらず 12 問 の 総 計 となると 中 学 3 年 生 でMOGの 人 数 がPOGを 上 回 った 率 が25.1%なのに 対 して 中 学 2 年 生 はMOGがPOG を30.4%と 中 学 3 年 生 を 超 えた 率 で 上 回 ったことである Q1からQ12までの 総 計 (MOG > POG by 25.1%) Q 文 型 MOG(%) POG(%) 大 小 比 較 上 回 った% Q1 SVOO 12.3 9.6 MOG > POG by 2.7% Q2 SVOO 9.6 3.5 MOG > POG by 6.1% Q3 SVOC 37.7 1.8 MOG > POG by 35.9% Q4 SVOO 32.5 3.5 MOG > POG by 29.0% Q5 SVC 9.6 0 MOG > POG by 9.6% Q6 SVOO 13.2 7.0 MOG > POG by 6.2% Q7 SVOO 28.1 1.8 MOG > POG by 26.3% Q8 SVOC 33.3 0.9 MOG > POG by 32.4% Q9 SVO 67.6 0 MOG > POG by 67.6% Q10 SVOC 66.6 4.4 MOG > POG by 62.2% Q11 SVOO 21.1 0.9 MOG > POG by 20.2% Q12 SVOC 8.8 6.1 MOG > POG by 2.7%

100 矢 野 淳 Q1からQ12までの 総 計 (MOG > POG by 30.4%) Q 文 型 MOG(%) POG(%) 大 小 比 較 上 回 った% Q1 SVOO 17.5 20.0 MOG < POG by 2.5% Q2 SVOO 10.0 10.0 MOG = POG by 0% Q3 SVOC 57.5 2.5 MOG > POG by 55.0% Q4 SVOO 45.0 1.3 MOG > POG by 43.7% Q5 SVC 26.3 0 MOG > POG by 26.3% Q6 SVOO 18.8 5.0 MOG > POG by 13.8% Q7 SVOO 46.3 0 MOG > POG by 46.3% Q8 SVOC 55.0 3.8 MOG > POG by 51.2% Q9 SVO 73.8 1.3 MOG > POG by 72.5% Q10 SVOC 43.8 5.0 MOG > POG by 38.8% Q11 SVOO 37.5 7.5 MOG > POG by 30.0% Q12 SVOC 8.8 18.8 MOG < POG by 10.0% 表 6は SPSSを 用 いて 独 立 検 定 を 行 った 結 果 である 表 7は 独 立 検 定 ができた 英 文 について 帰 無 仮 説 が 棄 却 されたケースの 数 棄 却 されな かったケースの 数 を 示 している 帰 無 仮 説 が 棄 却 されたものは 統 計 的 有 意 となり MとPの 間 に 何 らかの 関 係 があることの 統 計 的 裏 付 けが 得 られたことを 意 味 し 棄 却 されなかったもの については 一 連 の 研 究 で 得 られたデータでは 結 論 が 出 なかったことを 意 味 する 表 6 及 び 表 7から 独 立 検 定 がなされた11 問 で 考 えると 中 学 3 年 生 の 結 果 は 高 校 1 年 生 の 結 果 と 似 ている 仮 に p<0.06とすると 棄 却 されたのが4 問 (どちらもQ2 6 8 12) であり 棄 却 されなかったのは7 問 (どちらもQ1 3 4 7 9 10 11)で 非 常 によく 似 た 傾 向 になる 大 学 生 高 専 生 高 校 1 年 生 中 学 3 年 生 Q 文 型 (1995) (1995) (1995) (2010) 中 学 2 年 生 (2010) Q1 SVOO.00091***.00004***.43999.252.425 Q2 SVOO.00124**.04193*.00003***.039*.013* Q3 SVOC.24479.29547.073.328 Q4 SVOO.68994.77768.663.359 Q5 SVC Q6 SVOO.05910.004**.004** Q7 SVOO.00004***.12027.25162 1.000.116 Q8 SVOC.02147*.000***.374 Q9 SVO.60477.27957.199 1.000 Q10 SVOC.19722.37378.74994.519.109 Q11 SVOO.00001***.19043.63610.130.239 Q12 SVOC.00000***.26860.00007***.000***.000*** カイ2 乗 検 定 及 びフィッシャーの 正 確 検 定 による ***p < 0.001 **p < 0.01 *p < 0.05

日 本 の 中 学 生 EFL 学 習 者 に5 文 型 導 入 は 適 切 か? 101 p<0.05 帰 無 仮 説 大 学 生 高 専 生 高 校 1 年 生 中 学 3 年 生 中 学 2 年 生 (1995) (1995) (1995) (2010) (2010) 棄 却 5 2 3 4 3 棄 却 されず 1 7 8 7 8 高 校 1 年 生 中 学 3 年 生 中 学 2 年 生 と 3 群 で 得 られた 結 果 は 似 ている しかし 従 来 5 文 型 を 学 習 していた 高 校 1 年 生 と 中 学 3 年 生 の 結 果 の 方 が 中 学 3 年 生 と 中 学 2 年 生 の 結 果 よ り 似 ている 度 合 いが 高 いと 判 断 し 中 学 3 年 生 と 中 学 2 年 生 の 間 にある 種 の 境 界 線 を 感 じ る よって 中 学 生 に 対 する5 文 型 導 入 は 中 学 3 年 生 には 適 切 と 言 えると 考 察 し 中 学 2 年 生 には 本 研 究 の 段 階 では 時 期 尚 早 と 考 える 独 立 検 定 において 帰 無 仮 説 が 棄 却 され 統 計 的 有 意 となり MとPの 間 に 何 らかの 関 係 が あることが 示 唆 されたケースを 文 型 に 着 目 してまとめてみると 表 8のようになる 12 個 の 英 文 に 関 して 参 加 者 は5 群 あり ケースの 個 数 の 合 計 は60となる 表 8より 英 文 を 構 成 する 要 素 の 数 が 多 い 英 文 が 比 較 的 高 い 割 合 となっており 要 素 の 数 の 多 い 英 文 ほど 英 文 の 文 意 を 理 解 すること(M)と 文 型 識 別 ができること(P)の 間 に 関 係 が 見 られる 傾 向 がある 文 型 M と P が 関 係 ありの 英 文 数 /60 個 中 当 該 文 型 の 英 文 数 割 合 (%) SVOO 11/30 36.7 SVOC 6/20 30.0 SVO 0/5 0 SVC 0/5 0 5 文 型 について 解 説 している 文 法 書 で 例 えば 宮 川 林 向 後 小 松 林 (2010:20)は 5 文 型 は 最 も 基 本 的 な 文 構 造 の 理 解 に 役 立 つが すべての 文 をどれかのタイプに 分 類 しなければ いけないといったようなものではない と 読 者 に 呼 びかけているが このような 文 法 書 は 少 数 派 で 指 導 者 が 学 習 者 に 対 して 補 足 的 に 呼 びかける 必 要 があると 思 われる 5 文 型 を 高 校 1 年 時 に 指 導 するのと 同 様 中 学 3 年 生 の 教 科 書 で 取 り 扱 われても 文 型 を 識 別 することが 目 的 になってはいないか 留 意 して 指 導 するべきと 考 える 本 研 究 に 関 して 一 口 に 高 校 1 年 生 と 言 っても 1995 年 当 時 の 高 校 生 と 現 在 の 高 校 生 とでは 傾 向 が 異 なる 可 能 性 が 考 えられる 新 たなデータをより 多 く 収 集 しての 検 証 理 解 レベルでは なく 表 現 レベルで5 文 型 は 有 益 ではないか 等 さらなる 発 展 研 究 が 考 えられる 謝 辞 : 本 研 究 に 際 し 参 加 者 である 中 学 生 の 皆 さん テストを 実 施 して 下 さった 中 学 校 の 先 生 方 に 厚 く 御 礼 申 し 上 げる

102 矢 野 淳 荒 木 一 雄 (1983) 学 校 英 文 法 の 問 題 点 (2) 現 代 英 語 教 育 5 月 号 東 京 : 研 究 社 17-19 頁 池 上 嘉 彦 (1995) < 英 文 法 >を 考 える < 文 法 >と<コミュニケーション>の 間 東 京 : 筑 摩 書 房 笠 島 準 一 関 典 明 明 石 達 彦 秋 山 敏 晴 荒 井 貴 和 アレン 玉 井 光 江 他 (2012) NEW HORIZON ENGLISH COURSE 3 東 京 : 東 京 書 籍 金 谷 憲 編 著 (1992) 学 習 文 法 論 東 京 : 河 源 社 細 江 逸 記 (1966) 精 説 英 文 法 汎 論 訂 正 新 版 東 京 : 篠 崎 書 林 ( 初 版 1917 年 ) 宮 川 幸 久 林 龍 次 郎 編 向 後 朋 美 小 松 千 明 林 弘 美 著 (2010) アルファ 英 文 法 東 京 : 研 究 社 Onions, C.T.(1932).An Advanced English Syntax.(6th ed.). New York: The Macmillan Company(1st ed. 1904) YANO, J.(1996).The Usefulness of the Five Sentence Patterns in Understanding English 東 京 学 芸 大 学 大 学 院 英 語 研 究 会 誌 LEO 第 25 号 43-66 頁 YANO, J.(2012).Is Introducing the Five Sentence Patterns of English Sentences Appropriate for Junior High School Students? 静 岡 大 学 教 育 学 部 研 究 報 告 ( 教 科 教 育 学 篇 ) 第 43 号 41-53 頁

日 本 の 中 学 生 EFL 学 習 者 に5 文 型 導 入 は 適 切 か? 103 YANO(1996) YANO(2012) 及 び 本 研 究 で 使 用 されたテスト シート 次 の 各 英 文 を 和 訳 し その 文 と 最 も 似 た 文 の 型 を 持 つ 文 を 下 のアからオより 一 つ 選 んで ( )に 記 入 して 下 さい 1.John told Mary the way to the station. ( ) 2.John showed Mary some pictures. ( ) 3.People call him John. ( ) 4.John teaches Mary how to cook. ( ) 5.John is a good tennis player. ( ) 6.John sent Mary a small box. ( ) 7.John made Mary a pretty doll. ( ) 8.John named his dog Candy. ( ) 9.John gave an interesting book to Mary. ( ) 10.John keeps his room clean. ( ) 11.John made Mary some coffee. ( ) 12.The music made John sad. ( ) ア.John is Mary's brother. イ.John gave Mary some flowers. ウ.John made Mary happy. エ.John likes music. オ.John sang.