ヤ の 服装 や家 具 調 度 を 図 示 す る図 書 な ど は日 本 にな か った 亀 井 至 一であ る ( 明 治 十 六 七 年 ) 当 時 は ま だ 古 代 ギ リ シ 著 者 は特 に序 文 のな か に亀 井 の困 難 が 大 き か った こ と を記 し て い る 東 海 散 士 柴 四郎 の 佳 人 の奇 遇 全 十 六 冊 (明治 十 八 三十 年 ) は古 洞 が 著 作 の王 と 評 価 し た こ れも 政 治 小 説 であ る 明 治 維 新 の戦 争 のと き 敗 者 の苦 難 を味 わ った東 海 散 士 自 身 が フ ィラデ ル フ ィ ア の独 立 閣 (イ ンデ ィペ ンデ ン ユ ラ ン コ レン ト ホ ー ル) の 楼 上 で ス ペ イ ン の ド ン カ ル ロ ス 党 員 の 幽 蘭 ア イ ル ラ ソド 独 立 運 動 に参 加 し て いる 江蓮 の 二美 人 と 語 り合 う と ころ か ら 始 ま る 本 文 の文 字 は木 版 で各 冊 に 二 三枚 の石 版 よる 挿 絵 が 入 って いる 挿 絵 の多 く は高 橋 節 雄 と 伝 え ら れ て いる が 初 版 卷 二 の 孔 子 陳 蔡 の 野 に饑 ゑ る の 図 (図 2) は浅 井 忠 であ ると いう ほ か に も中 村 鉾太 郎 (不 折 ) の肖 像 画 が あ り 卷 九 の 澳 俄 之 軍 惨 虐 之 図 (図 3) は ジ ャ ヅク カ ロの 戦 争 の惨 禍 シリ ーズ のう ち縛 り首 の木 を 自 由 模 写 し た も のであ る こ こ に執 筆 し た画 家 たち は ま だ 洋 風 画 が 職業 と し て成 立 し て いな か った時 代 の洋 風 画 家 た し か し 当 時流 行 し た政 治 小 説 の挿 絵 を 洋 風 画 家 が 担 当 し た ち であ る と いう のは 当 時 の小説 愛 好 家 の感 性 を 示 す も の で はな い 近 代 文 学 の最 初 の人 の よう に思 わ れ て い る坪 内 逍 遙 の作 品 に 一3一
図2東 海散士 佳 人 之 奇遇 二 孔 子 陳蔡 ノ野 二饑 ユル ノ図 図3東 海散士r佳 人之奇遇 九 澳俄 之惨虐之 図 一4一
図4村 井 靜 馬 編 鮮 斎 永濯 挿 絵 事 情 明治 太 平 記 (二 十 四 編 四 十 八 冊 明 治八 年 三 月 十 三 年 十二 月)は 慶 応 三年 か ら 明治 十 年 の 西 南 戦 争 まで の 年 代記 で多 く の木 版 挿 絵 で飾 ら れ て い る 一5一
図5 村井弦斎 桜 の御 所 ( 小 説 二巻 本 明 治 二十 七年 十 二月 一7一 春陽堂) 永洗 画 多色木版 口絵 ② 画者不詳 石版 表紙 ①
か い ま た 明治 初 年 の変 乱 期 が 落 ち つい て美 術 作 品 と し て の 日 本 画 が要 求 さ れ る よう にな った から であ った 新 聞 に 連 載 さ れ た近 代 文 学 作 品 に挿 絵 が 入 って好 評 だ った のは 明 治 三 十 六年 読 売 新 聞 の小 杉 天 外 の いく ら か 通 俗 的 な 小説 魔 風恋 風 に梶 田半 古 と 鏑 木 清 方 が 起 用 さ れ た 時 で あ っ た 三十 年 か ら 三十 六年 に かけ て同 じ 新 聞 に連 載 さ れ た尾 崎 紅 葉 の 金 色 夜 叉 は は じ め挿 絵 を 入 れ な か った が 單行 本 と し た時 の武 内 桂 舟 と 川 村 清 雄 の 口絵 に人 気 が あ り 挿 絵 は 一8一 暁雲 刻 木 口木版 挿絵 ④
一14一
一15一