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Web データベースを 用 いた 事 務 処 理 の 電 算 化 への 試 み 消 耗 品 事 務 システムの 構 築 - 西 川 和 孝 * 大 畑 正 樹 * An Approach to Computerize Office Work Using Web Database -Construction of web system for consumables budget managements- Kazutaka NISHIGAWA and Masaki OHATA Synopsis In the past, we reported to build the database system for simplification of management work of consumables budget. The system showed enough effects for a long period. We, however, need to make its adjustments because it doesn't fit a current way of management. Therefore, we try to build web database system which is based on last system. 1. はじめに 本 校 各 学 科 における 予 算 物 品 管 理 業 務 は, 供 用 役 補 助 者 ( 以 後 補 助 者 )が 行 なっている この 業 務 では, 情 報 管 理 集 計 等 の 点 において, 手 作 業 に よる 部 分 が 多 く 存 在 する これらのほとんどは 定 型 処 理 であるため,コンピュータを 用 いた 処 理 の 自 動 化 を 行 なうことで, 業 務 の 省 力 化 と 同 時 に 処 理 の 信 頼 性 の 向 上 が 期 待 できる 過 去 の 大 畑 らによる 試 み 1) ( 以 後 前 システム) は, 一 部 の 学 科 内 で 実 践 され,この 十 数 年 に 渡 り 充 分 な 成 果 をあげた しかし, 近 年 のLANの 充 実, 伝 票 の 電 子 化 様 式 の 変 更 に 伴 い, 新 たなシステムの 構 築 を 行 なう 必 要 が 出 てきた 本 稿 ではこの 第 一 段 階 として, 前 システムの 方 向 性 を 継 承 しつつ 新 たに 構 築 した, 消 耗 品 管 理 事 務 用 の 試 作 Web データベースシステム( 以 後 本 システ ム)について 報 告 する 2. 消 耗 品 予 算 管 理 業 務 概 要 図 1 に, 補 助 者 の 消 耗 品 予 算 管 理 業 務 ( 物 品 発 注 の 申 請 と 予 算 執 行 額 把 握 )の 流 れを 示 す 図 1 内 の Excel 伝 票 とは, 会 計 課 用 度 係 ( 以 後 用 * 学 生 課 技 術 教 育 支 援 室 図 1. 消 耗 品 予 算 管 理 業 務 度 係 )が,その 雛 形 を Microsoft Excel を 使 用 して 作 成 したものであり, 本 紙 と 内 訳 書 の 2 枚 のシート をもつ 物 品 請 求 伝 票 1 番 号 につき 1 ファイルを 対 85

THE BULLETIN OF TAKUMA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY No.34 (2006) 応 させ,さらに 経 費 の 種 類 ごとに 書 式 の 異 なる 数 種 類 のファイルを 使 い 分 ける 必 要 がある 請 求 者 ( 物 品 購 入 依 頼 を 行 なう 教 職 員 )から 購 入 依 頼 が 出 されると, 補 助 者 はこの 各 Excel 伝 票 の 雛 形 ファイルへデータを 入 力 し, 新 たに 作 成 した Excel 伝 票 を 電 子 メールに 添 付 し, 用 度 係 に 提 出 す る 用 度 係 ではこの 情 報 を 元 に 契 約 手 続 きを 行 なう 物 品 が 納 入 されると, 補 助 者 側 では 納 入 物 品 の 確 認 ( 品 物 確 認 納 品 日 記 録 )を 行 なう 会 計 課 での 支 払 い 処 理 が 終 了 すると, 用 度 係 が Excel 伝 票 に 各 物 品 の 納 入 価 格 を 入 力 し, 再 び 電 子 メールに Excel 伝 票 を 添 付 し, 各 学 科 の 補 助 者 へ 返 送 する 補 助 者 は, 請 求 者 から 予 算 執 行 済 額 の 照 会 依 頼 があると, そこに 記 入 された 金 額 をもとに 集 計 を 行 なう 請 求 者 はその 予 算 執 行 済 額 を 参 考 にして, 次 回 の 物 品 発 注 依 頼 を 行 なう 以 上 が 消 耗 品 予 算 管 理 業 務 の 概 要 である 3. システムへの 要 求 本 システムへの 要 求 は 以 下 に 示 すものでる 前 システムの 方 向 性 を 継 承 すること Web ブラウザからアクセスが 行 なえること 通 信 路 の 暗 号 化 等,セキュリティに 留 意 する こと 本 システムへのデータ 移 行 作 業 を 簡 易 に 行 なえること データにアクセス 制 限 を 設 けること 各 ユーザが,データの 閲 覧 取 得 を 簡 易 に 行 なえること Excel 伝 票 の 作 成 処 理 の 省 力 化 伝 票 の 書 式 変 化 に 柔 軟 に 対 応 できること 請 求 者 や 供 用 役 への 確 認 連 絡 を, 電 子 メール で 行 えること サーバにはフリーソフトを 使 用 すること また 本 システムは,Web ブラウザからのアクセス を 前 提 としたものである これは Web ブラウザが, ほとんどのパソコンに(また 携 帯 端 末 にさえ) 搭 載 されており, 特 定 のソフトを 新 たに 個 別 にインスト ールすることなく 利 用 することがが 可 能 であるた め,ユーザの 導 入 時 の 負 担 を 軽 減 することができる という 利 点 がある 一 方,データベースの 全 ての 情 報 を, 不 特 定 多 数 の 人 間 が 操 作 できてしまうことは, 悪 意 の 有 無 に 関 わらずデータベースの 破 壊 を 招 く 恐 れがあるため, 情 報 の 管 理 の 点 において 不 適 当 である またユーザ 側 としても, 必 要 な 情 報 のみをあらかじめ 閲 覧 でき るように 整 理 されてれば 便 利 である そこで,ユー ザ 認 証 を 行 い, 各 個 に 必 要 な 情 報 のみ 操 作 閲 覧 で きるよう,あらかじめアクセス 権 設 定 や 絞 込 み 等 の 処 理 を 行 うこととした これに 関 連 し,ユーザ 認 証 時 のパスワードやデータベースのデータ 等 の 情 報 漏 洩 を 防 止 するため, 通 信 路 の 暗 号 化 等 セキュリテ ィに 関 しても 留 意 することとした 以 上 をふまえ, 本 システムでは, 予 算 執 行 額 の 確 認 から 伝 票 の 用 度 係 への 提 出 まで( 請 求 者 による 発 注 申 請 は 除 く)と, 納 品 日 記 録 から 予 算 執 行 額 情 報 更 新 まで( 図 1 の 網 掛 け 部 分 )を 対 象 とし, 定 型 処 理 を 行 なうプログラムと, 情 報 蓄 積 のためのデータ ベースの 作 成 を 行 なうこととした 4. システム 概 要 図 2 にシステム 概 要 を 示 す サーバ 用 マシン 上 に, OS に VineLinux を,HTTP サーバに Apache を, 動 的 Web フォームの 作 成 に PHP,データベースに PostgreSQL を, 通 信 路 の 暗 号 化 に OpenSSL,パケッ トフィルタリングに iptable,メールサーバに Postfix を 起 動 し,クライアント 上 で Excel 伝 票 作 成 を 行 なうために,VBA マクロを 作 成 した 使 用 されている Excel 伝 票 は, 請 求 番 号 ごとに 独 立 したファイルであるため, 集 計 検 索 など, 予 算 管 理 業 務 を 行 なう 上 で 非 常 に 扱 いづらい それゆえ, 伝 票 の 管 理 ( 予 算 執 行 額 管 理 )を 効 率 的 に 行 なうた めに, 情 報 のデータベース 化 を 行 なう 必 要 がある この 点 において, 前 システムでが 有 効 であったこと をふまえ,その 方 向 性 を 継 承 することが 望 ましい 加 えて, 供 用 役 請 求 者 への 発 注 確 認 連 絡 や, 用 度 係 へ 提 出 する 伝 票 作 成 (Excel 伝 票 へのデータ 入 力 ) を 自 動 化 することで, 補 助 者 の 作 業 量 の 低 減 信 頼 性 の 向 上 を 図 る 図 2. システム 概 要 86

4.1 PostgreSQL によるデータベース PostgreSQL は,フリーのリレーショナルデータベ ースソフトであり,データ 管 理,ユーザ 認 証 アク セス 権 の 設 定,データの 暗 号 化 等 詳 細 な 設 定 を 行 な うことができる 今 回 データベース syoumou を 作 成 し,データ を 蓄 積 管 理 するためのテーブルを6 種 類 作 成 した また,ユーザとパスワードの 登 録 をおこない,さら に 所 属 学 科 ごとにユーザグループ( 請 求 者 用 5 グル ープと 補 助 者 用 1 グループ)を 作 成 し,ユーザをそ れぞれのグループに 所 属 させる 設 定 を 行 なった PostgreSQL では,ユーザもしくはユーザグループ ごとにテーブルへのアクセス 権 の 設 定 が 可 能 であ る 各 テーブルに 対 し, 表 1 のようにアクセス 権 の 設 定 を 行 なった 表 中 の 管 理 者 とは,データベース syoumou を 作 成 したユーザである 表 1. 作 成 したテーブルとアクセス 権 アクセス 権 ( 可 能 な 操 作 ) テーブル 内 容 補 助 者 請 求 者 管 理 者 グループ グループ i_s 購 入 物 品 データ 編 集 可 編 集 可 閲 覧 のみ s_m 品 目 辞 書 編 集 可 編 集 可 閲 覧 のみ c_g 取 引 業 者 辞 書 編 集 可 編 集 可 閲 覧 のみ p_class 請 求 者 辞 書 編 集 可 閲 覧 のみ 閲 覧 のみ t_class 供 用 役 辞 書 編 集 可 閲 覧 のみ 閲 覧 のみ acc 会 計 担 当 者 辞 書 編 集 可 閲 覧 のみ 閲 覧 のみ 本 システムでは 作 成 したこれらのテーブルに 情 報 を 蓄 積 し,またそれらを 参 照 することで 処 理 を 行 なう PostgreSQL のデータへは, 後 述 する PHP で 記 述 した 処 理 を 元 に,Apache によってローカル 権 限 でア クセスが 行 なわれるため,PostgreSQL の 設 定 ファイ ル 内 にあるアクセス 制 限 関 連 の 記 述 部 分 を,ローカ ルからのアクセスのみを 許 可 (ただしデータへのア クセスにはユーザ 認 証 が 必 要 )するように 設 定 を 行 なった 4.2 定 型 処 理 プログラムと PHP PHPは,HTMLファイルに 直 接 記 述 して 動 的 Webフォ ームを 作 成 することのできるスクリプト 言 語 であ る Apacheプロジェクトの 一 貫 として 開 発 されてい るため,Apacheから 直 接 読 み 出 すので, 実 行 速 度 が 速 い また,PostgreSQLやMySQL 等 のデータベース のインタフェースを 標 準 で 持 っているため, 連 携 さ せることが 容 易 であるという 特 徴 をもつ 2) 本 シス テムで 作 成 した 定 型 処 理 プログラムはほとんどが このPHPスクリプトによるものである 次 に, 補 助 者 が 利 用 する 場 合 を 例 として, 作 成 し た 処 理 の 概 要 を 実 際 の 業 務 に 沿 って 述 べる 4.2.1 システムへのログイン システムへのログインの 手 順 は,まず Web ブラウ ザを 起 動 し,アドレスを 指 定 する そうすると SSL 通 信 を 開 始 する 旨 の 警 告 ウィンドウが 表 示 される 続 いてログイン 画 面 が 表 示 され,ここで 自 分 の 名 前 をリストから 選 択 し,パスワードを 入 力 すること で,ユーザ 認 証 を 行 なう この 間 の 通 信 は SSL によ って 暗 号 化 されている ここで 入 力 されたユーザは,PostgreSQL のユーザ 認 証 にかかる 認 証 に 成 功 すれば, 定 型 処 理 選 択 メ ニューの 画 面 が 表 示 される ここで 入 力 されたユー ザ 情 報 は,ブラウザを 閉 じない 限 り,クライアント 側 でセッション 情 報 として 記 録 され,データベース から 情 報 を 読 み 出 す 際 に 利 用 される こうすること で, 第 三 者 が 単 にブラウザに 表 示 されたアドレスを そのまま 記 述 しただけでは,データベースからデー タを 読 み 出 すことはできないようになっている 4.2.2 定 型 処 理 選 択 画 面 (メインメニュー) ログインしたユーザによって, 表 2 に 示 すように 表 示 利 用 できるメニューが 異 なる 例 えば 請 求 者 は, 予 算 執 行 状 況 確 認 とデータベース 検 索 という データ 閲 覧 しか 行 なえない 表 2. 各 ユーザが 利 用 可 能 な 処 理 処 理 メニュー 管 理 者 補 助 者 供 用 役 ( 利 用 可 : 不 可 : ) 請 求 者 用 度 係 伝 票 処 理 1 新 規 データ 入 力 2メール 配 信 3 納 品 日 入 力 4 納 入 価 格 入 力 5データ 編 集 6データ 削 除 予 算 執 行 7 一 覧 表 表 示 状 況 確 認 8 個 人 別 表 示 9 全 伝 票 表 示 データ 10データベース ベース 検 索 検 索 11データ 一 括 登 録 12ユーザ 情 報 変 更 4.2.3 伝 票 処 理 1 ) 請 求 者 から 発 注 依 頼 があると,まず 補 助 者 は 新 規 データの 入 力 ( 表 21)を 行 なう この 処 理 では,まず 請 求 者 名 経 費 区 分 記 入 数 を 入 力 する そうすると 図 3に 示 すデー 87

THE BULLETIN OF TAKUMA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY No.34 (2006) タ 記 入 フォームが 表 示 され,ここに 品 物 デー タを 入 力 する 入 力 が 終 了 し,データ 登 録 ボ タンを 押 すことで, 記 入 したデータがデータ ベースのテーブルに 保 存 される 一 度 記 入 し たデータを 変 更 や 削 除 ( 表 2 の56)するこ とも 可 能 である 合 は,それぞれの 物 品 の 請 求 者 ) 用 度 係 宛 にそれぞれ 電 子 メールで 送 信 され, 一 度 送 っ た 宛 先 のセルの 色 が 変 更 される それぞれに 送 られるメールの 内 容 を 表 3 に 示 す 用 度 係 に 送 信 される 電 子 メールの 添 付 ファイルは, Excel 伝 票 を 作 成 するためのデータが 記 述 さ れている csv ファイルである メール 本 文 や 添 付 ファイルの 情 報 は,サーバ 側 で 自 動 的 に データベースから 読 み 込 まれ, 文 章 やファイ ルが 構 築 される この 電 子 メールは,テーブ ル p_class に 登 録 されているメールアドレス 情 報 を 元 にして 送 信 される 表 3. 送 信 されるメールの 内 容 メール メール 本 文 添 付 ファイル 送 信 先 図 3. 新 規 データ 入 力 フォーム 供 用 役 請 求 伝 票 番 号 と 伝 票 の 表 書 き 品 目 なし 2 ) データ 入 力 が 終 了 すると 次 は 用 度 係 への 発 注 依 頼 を 行 なうことになる 従 来 は, 請 求 者 から 発 注 依 頼 が 発 生 すれば, 請 求 者 本 人 は 物 品 が 納 入 されるまで, 発 注 日 発 注 内 容 の 確 認 を 行 なうことができなかった そこで, 補 助 者 が 用 度 係 へ 発 注 する 際 に, 同 じ 情 報 を 請 求 者 に 送 ることで, 確 認 を 行 なえるようにす ることとした メール 配 信 ( 表 22)を 選 択 すると, 図 4 のように, 所 属 学 科 の 伝 票 の 番 号 一 覧 が 表 示 される 請 求 者 請 求 伝 票 の 中 で 該 当 なし する 請 求 者 が 申 請 した 品 目 全 てのリスト 会 計 課 用 度 係 請 求 伝 票 番 号 と 見 積 も り 発 行 業 者 名 csvファイル( 伝 票 記 入 に 必 要 な 項 目 購 入 申 請 物 品 リスト) 3 ) 品 物 が 納 入 されると, 補 助 者 は 納 品 の 確 認 を 行 なう 品 目 の 照 合 が 終 了 すれば, 表 23を 実 行 し, 該 当 品 目 に 納 品 日 を 記 載 する( 図 5) 図 5. 納 品 日 入 力 フォーム 図 4. 送 信 伝 票 選 択 フォーム ここで 送 信 チェックボックスを 選 択 する と, 選 択 した 番 号 のデータが 供 用 役 請 求 者 ( 同 一 伝 票 内 に 複 数 の 請 求 者 が 存 在 する 場 ここで 納 品 日 が 入 力 された 品 物 は, 後 述 の 4.2.4 予 算 執 行 状 況 確 認 の 表 中 で 未 納 から 未 確 定 ( 納 入 価 格 が 未 確 定 ) へと 表 示 が 変 更 される また,ここでは 発 注 申 請 を 行 な った 日 付 を 表 示 しているため, 納 期 に 日 数 の 88

かかっている 品 物 の 確 認 を 一 目 で 行 なうこ とが 可 能 である 4 ) 契 約 手 続 が 終 了 すると, 用 度 係 によって Excel 伝 票 に 納 入 価 格 が 記 入 されて, 補 助 者 に 返 却 される 補 助 者 は,この 金 額 を 納 品 価 格 入 力 フォーム( 表 24, 図 6)から 入 力 す る 図 7 に 一 覧 表 表 示 処 理 を 選 択 した 際 の 画 面 を 示 す これは, 表 示 指 定 した 年 度 の 予 算 執 行 額 を, 請 求 者 別 区 分 別 に 集 計 表 示 したもので, 各 項 目 の 金 額 は,マウスで 選 択 することによりその 内 訳 ( 図 8)を 表 示 することができる 補 助 者 及 び 請 求 者 は,この 表 から 現 時 点 での 予 算 執 行 額 の 情 報 を 得 ることができる 図 8. 区 分 内 訳 リスト 図 6. 納 入 価 格 入 力 フォーム 4.2.4 予 算 執 行 状 況 確 認 予 算 執 行 額 は, 最 初 伝 票 データの 新 規 作 成 の 際 に 入 力 する 各 品 物 の 予 想 価 格 で 計 算 される 納 入 価 格 が 確 定 し,サーバに 入 力 されると, 予 算 執 行 額 は, 予 想 価 格 から 納 入 価 格 の 値 に 入 れ 替 わる 予 算 執 行 状 況 確 認 メニューでは, 三 とおりの 表 示 処 理 を 作 成 したが,ここでは 表 27の 一 覧 表 表 示 について 述 べる 4.2.5 データベース 検 索 1 ) データベース 検 索 メニューから,データベ ース 検 索 ( 表 210)を 選 択 すると, 図 9 のよ うな 画 面 が 表 示 される ここでは, 選 択 条 件 表 示 項 目 ソート 表 示 条 件 の 指 定 を 行 なうことで,データの 検 索 を 行 なうことが できる( 所 属 学 科 のデータのみ) 検 索 結 果 は,ユーザ 本 人 が 電 子 メールで 受 け 取 る ことができる 図 7. 消 耗 品 予 算 執 行 状 況 一 覧 図 9. データベース 検 索 フォーム 89

THE BULLETIN OF TAKUMA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY No.34 (2006) 2 ) 表 21112の 処 理 は,データベース 管 理 者 が 行 なう 処 理 であり,それぞれ 以 下 のような 場 合 に 使 用 する データ 一 括 登 録 ( 表 211) データベース 作 成 時, 他 のシステムか ら 一 度 に 大 量 の 消 耗 品 データを 移 行 する 場 合 ( 指 定 の 項 目 順 でデータが 格 納 され ている csv ファイルであることが 条 件 ) ユーザ 情 報 更 新 ( 表 212) メールアドレス 変 更 や, 離 転 任 等 でユ ーザ 情 報 に 変 更 が 生 じた 場 合 以 上 が PHP で 作 成 した 定 型 処 理 プログラムの 概 要 である 4.3 Microsoft Excel マクロ 次 に Excel 伝 票 作 成 用 VBA マクロについて 述 べる マクロの 利 用 手 順 は 次 のとおりである 1 ) メールの 添 付 csv ファイルを, 指 定 の 保 存 用 フォルダ( 指 定 フォルダ 名 はマクロプログラ ム 内 に 記 述 )に 保 存 する 2 ) Excel マクロの 実 行 ボタンを 押 すことで, 指 定 フォルダ 内 にある csv ファイルの 情 報 を 元 に,Excel 伝 票 が 作 成 される このマクロの 動 作 は, 指 定 フォルダ 内 に 保 存 され た csv ファイルの 名 前 から,グループ 名 ( 学 科 名 ) と 番 号 と 経 費 区 分 を 判 別 し,それぞれ 対 応 する 様 式 の Excel 伝 票 の 雛 形 ファイル( 事 前 に 用 度 係 によっ て 作 成 されたもの)へ,csv ファイルのテキストデ ータを 複 写 し,[ 学 科 名 ][ 番 号 ][ 経 費 区 分 ].xls とい う 名 前 の Excel ファイルを 作 成 保 存 するものである こうして 用 度 係 側 ではマクロのボタンを 押 すこ とにより, 受 け 取 った csv ファイルから 簡 易 にExcel 伝 票 を 作 成 することができる この 方 法 は 以 下 の 点 で, 伝 票 の 書 式 変 更 に 対 し 柔 軟 に 対 応 できるという 利 点 がある サーバ 側 で Excel 伝 票 を 作 成 出 力 する 方 法 に 比 べ,サーバのプログラムを 大 きく 変 更 する 必 要 がないこと マクロの 変 更 は,Excel のマクロ 自 動 記 録 機 能 の 利 用 により 簡 易 に 行 なえること 5. システムの 運 用 状 況 本 校 の 電 子 制 御 工 学 科 の 平 成 17 年 度 消 耗 品 予 算 管 理 事 務 において, 本 システムの 試 運 用 を 行 なった 試 運 用 のため, 次 のように 仕 様 の 変 更 を 行 なった 1 ) サーバへのアクセス 制 限 サーバにアクセスできるIP アドレスを 電 子 制 御 工 学 科 内 の 端 末 からのみ 許 可 2 ) 発 注 申 請 メールの 送 信 先 の 変 更 発 注 申 請 の 送 信 先 を, 用 度 係 から 補 助 者 へ 変 更 補 助 者 は, 一 度 電 子 メールの 添 付 ファ イル(Excel 伝 票 作 成 用 csv ファイル)を 自 身 で 受 け,マクロで Excel 伝 票 を 作 成 し, 用 度 係 宛 に 改 めてメール 添 付 し, 提 出 を 行 なう 3 ) 納 入 情 報 の 入 力 権 限 の 変 更 納 入 情 報 の 入 力 ( 納 入 価 格 と 業 者 の 入 力 ) は, 補 助 者 のみが 行 なう 6. むすび 平 成 17 年 度 の 試 運 用 で, 実 施 確 認 できた 事 項 を 以 下 に 示 す 1 ) サーバマシンの 常 時 稼 動 とアクセス 可 能 端 末 の 増 加 により 利 便 性 が 向 上 2 ) 利 用 者 ごとに 開 示 情 報 を 限 定 したことによる, 情 報 検 索 時 の 労 力 の 低 減 3 ) Excel 伝 票 への 転 記 を 自 動 化 したことによる, 伝 票 記 入 作 業 の 省 力 化 4 ) ブラウザからのデータ 入 力 方 式 情 報 の 閲 覧 方 式 を, 前 システムに 類 似 したものにするこ とにより,システムの 方 向 性 を 継 承 5 ) 予 算 執 行 状 況 の Web による 常 時 開 示 や, 発 注 情 報 メールの 送 信 等 により, 請 求 者 の 予 算 執 行 状 況 の 確 認 が 容 易 となった また, 多 くの 人 間 の 目 に 触 れることで, 入 力 ミスなどを, より 早 期 に 発 見 できるようになった 6 ) セキュリティ 面 に 関 して, 以 下 の 処 理 を 行 な っている フォーム 内 のテキストボックスへの 特 殊 文 字 入 力 に 対 するエスケープ 処 理 Web ページの 読 込 み 毎 に PostgreSQL によ るユーザ 認 証 を 実 行 PostgreSQL によるデータの 暗 号 化 ドキュメントルートフォルダ 以 下 へのア クセスの 制 限 iptable による tcp パケットのフィルタ リング OpenSSL による 通 信 路 の 暗 号 化 また, 一 方 で, 以 下 のような 問 題 が 生 じた 1 ) PHP プログラムのメンテナンス 性 の 低 下 今 回 の PHP スクリプトによるプログラムは, 90

セッション 情 報 の 処 理 を 簡 素 化 するために, ほぼ 全 ての 処 理 を 1 つのファイル 内 に 記 述 し ている 試 運 用 期 間 中 に, 新 たな 処 理 を 加 え る 必 要 が 生 じるたびに 記 述 を 加 えていった ため,ファイル 自 体 が 肥 大 化 し, 変 数 の 処 理 方 法 など,プログラム 全 体 の 見 通 しが 悪 くな ったため,メンテナンス 性 が 低 下 した 2 ) データベーステーブルの 肥 大 化 データの 検 索 速 度 向 上 のため,データベース のメインテーブル i_s に, 他 テーブルと 重 複 する 項 目 を 追 加 しなければならなくなり, 結 果 としてテーブルの 肥 大 化 を 招 いた データベースプログラミング, 毎 日 コミュニケーシ ョンズ,15, (2004) これらを 解 消 する 手 段 としては,データベース 設 計 の 際 に, 関 係 者 同 士 の 意 見 交 換 や 事 務 処 理 手 順 の 充 分 な 検 討 を 行 ない,プログラムの 仕 様 を 決 めてお くことが 挙 げられる 本 稿 は,Web ブラウザを 利 用 した 試 作 データベー スシステムの 構 築 について 述 べた 消 耗 品 に 限 定 し, さらに 学 科 内 のみでの 限 定 的 な 仕 様 であった この 経 験 を 元 に, 次 の 段 階 として, 用 度 係 全 学 科 での 利 用 もふまえ, 消 耗 品 以 外 の 全 ての 補 助 者 の 予 算 管 理 業 務 を 行 なうことのできるシステムの 実 現 を 目 指 す 謝 辞 本 稿 をまとめるに 際 し, 終 始 懇 切 なご 指 導 を 賜 り ました 高 畑 和 博 技 術 教 育 支 援 室 室 長 補 佐 に, 心 厚 な る 謝 意 を 表 します また, 日 頃 よりご 指 導 ご 教 授 いただきました 山 本 幸 一 郎 教 授, 田 嶋 眞 一 教 授 に 深 く 感 謝 の 意 を 表 します さらに, 村 上 純 一 教 授 をは じめとする 電 子 制 御 工 学 科 の 諸 先 生 には,いつも 有 益 なご 助 言 を 頂 き 心 から 感 謝 いたします 本 稿 執 筆 にあたり, 宮 武 明 義 教 授 ならびに 白 石 啓 一 講 師 に 熱 心 なご 助 言 を 頂 き, 感 謝 いたします 最 後 に, 事 務 処 理 について 有 益 なご 助 言 をいただきました 契 約 係 及 び 技 術 教 育 支 援 室 の 諸 氏 に 感 謝 の 意 を 表 しま す 参 考 文 献 1 ) 大 畑 正 樹 他 : パーソナル コンピュータを 用 い た 事 務 処 理 の 電 算 化 への 試 み 本 誌 203-208,20 号 (1992) 2 ) 三 木 秀 治 : はじめての 人 のための PHP Web 91