滝野すずらん丘陵公園 満開のチューリップ 撮影 滝野管理センター 私の回想法 No.138 平成27年春号 医学博士 佐藤 徹郎 14歳の時以来書き続けてきた日記を たま 内省の中身もちょっとした心理学書 哲学 に読み返してみることがある 驚いたことに 書に匹敵するかと思われるほど いい線をいっ 読む度にまるで別人のような自分が浮かび上 ているではないか 勿論 都合よく自分を美 がってくるから不思議である 40歳の頃に振 化していることを否定すべくもないが 同じ り返った人生は 未熟でガキっぽく 失敗ば 自分の人生を このように異なった色に塗り かりの実に恥ずかしい人生であった ところ 替えることができるというのは 実にすばら が60歳過ぎに振り返った時は 未熟で失敗続 しいことではないか 過去を振り返っても何 きの中にも 真面目に懸命に生きようとする の意味もないというのは嘘だ と断言できる けなげな姿が浮かび上がってきた ほう 俺 確かに事実としての過去を変えることはでき の人生もそう捨てたものでもなかったな と ない しかし人生にとって大切なのは事実そ 見直したものである そして今回72歳の回想 のものよりもむしろ 独りよがりの美化でも では これまでとはまた随分違う自分の姿が 自分の人生をどう見るか という評価の仕方 新鮮な装いをもって現れてきた 愚かしい若 ではないか 次は80歳過ぎ頃に読み返して人 さの中で苦しみもがきつつも深く自分を探究 生を総覧してみる予定であるが 同じ日記の し 一歩でも前へ進もうと真剣に抗う姿が見 中にどんな自分が立ち現れるのか楽しみであ える る