第 11 次 労 働 災 害 防 止 計 画 の 評 価 厚 生 労 働 省 労 働 基 準 局 安 全 衛 生 部 平 成 24 年 6 月 26 日
全 体 目 標 に 対 する 評 価 目 標 1 死 亡 者 数 について 平 成 24 年 において 平 成 19 年 と 比 して 20% 以 上 減 少 させること 実 績 平 成 19 年 平 成 20 年 平 成 21 年 平 成 22 年 平 成 23 年 1,357 人 1,268 人 1,075 人 1,195 人 1,024 人 (24.5% 減 ) 評 価 平 成 19 年 比 で 平 成 23 年 実 績 が 24.5% 減 となっており 目 標 を 達 成 する 見 込 み 分 析 いずれの 業 種 においても 減 少 が 見 られ 特 に 重 点 として 取 り 組 んだ 業 種 ( 建 設 業 (25.8% 減 ) 製 造 業 (31.1% 減 ))や 陸 上 貨 物 運 送 事 業 (34.2% 減 )においては 死 亡 者 数 が 大 幅 に 減 少 したが 第 三 次 産 業 (11.9% 減 )においては 減 少 幅 が 他 業 種 に 比 べて 小 さくなっている 目 標 2 死 傷 者 数 について 平 成 24 年 において 平 成 19 年 と 比 して 15% 以 上 減 少 させること 実 績 平 成 19 年 平 成 20 年 平 成 21 年 平 成 22 年 平 成 23 年 121,356 人 119,291 人 105,718 人 107,759 人 111,349 人 (8.2% 減 ) 評 価 平 成 19 年 から 平 成 21 年 までは 減 少 したものの その 後 増 加 に 転 じ 平 成 23 年 実 績 では 8.2% 減 にとどまっており 目 標 達 成 は 困 難 な 状 況 分 析 重 点 として 取 り 組 んだ 業 種 ( 建 設 業 (14.3% 減 ) 製 造 業 (19.9% 減 ))においては 死 傷 者 数 が 減 少 したが 陸 上 貨 物 運 送 事 業 (0.9% 増 )や 第 三 次 産 業 (0.6% 減 )においては 減 少 が 見 られない 目 標 3 定 期 健 康 診 断 における 有 所 見 率 の 増 加 傾 向 に 歯 止 めをかけ 減 少 に 転 じさせること 実 績 平 成 19 年 平 成 20 年 平 成 21 年 平 成 22 年 平 成 23 年 49.9% 51.3% 52.3% 52.5% 52.7% 評 価 平 成 23 年 時 点 で 増 加 幅 は 縮 小 しているものの 依 然 として 増 加 傾 向 が 続 いており 目 標 達 成 は 困 難 な 状 況 分 析 地 域 保 健 とも 連 携 しながら 取 組 を 進 めたが 増 加 傾 向 に 歯 止 めをかけるには 至 っていない なお 有 所 見 率 増 加 の 一 因 として 健 康 診 断 における 早 期 発 見 早 期 介 入 が 重 視 されるようになり 平 成 19 年 ~23 年 の 間 に 一 部 の 健 診 機 関 で 有 所 見 の 幅 を 広 げる 検 査 基 準 の 変 更 が 行 われたことの 影 響 も 考 えられる
個 別 課 題 に 対 する 評 価 ( 注 )23 年 の 死 傷 災 害 件 数 は 東 日 本 大 震 災 を 直 接 の 原 因 とする 災 害 を 除 いたもの リスクアセスメント テーマ 目 標 結 果 自 己 評 価 課 題 安 全 衛 生 マネジメントシス テム 自 主 的 活 動 促 進 のための 環 境 整 備 情 報 の 共 有 化 の 促 進 機 械 災 害 防 止 対 策 墜 落 転 落 災 害 防 止 対 策 交 通 労 働 災 害 防 止 対 策 爆 発 火 災 災 害 防 止 対 策 製 造 業 対 策 実 施 率 の 着 実 な 向 上 機 械 災 害 の 更 なる 減 少 墜 落 転 落 災 害 の 更 な る 減 少 実 施 率 20.4% 33.8% 導 入 率 7.3% 7.0% リスクアセスメントの 実 施 率 は 上 昇 している 衛 生 分 野 でのリスクアセスメントの 取 組 が 遅 れている マネジメントシステム 導 入 の 優 遇 措 置 として 設 けられている 計 画 届 の 免 除 認 定 制 度 はほとんど 活 用 されていない マネジメントシステムの 導 入 率 は 規 模 の 大 きい 企 業 では 増 加 しているものの 全 体 的 には 導 入 率 は 低 下 している 4S 活 動 実 施 率 76.5% 73.3% 一 定 の 取 組 はなされているものの 安 全 衛 生 活 動 の 低 調 化 に 歯 止 めがかかって 安 衛 活 動 に 関 心 を 持 つ 労 働 者 いない 73.7% 69.1% 34,679 28,601 23,064 20,017 9,298 8,168 259 146 29,458 23,589 機 械 災 害 は 概 ね 減 少 しているが 引 き 続 き 全 労 働 災 害 の 1/4 を 占 めている 製 造 段 階 での 機 械 のリスクアセスメントなど 機 械 の 本 質 安 全 化 の 促 進 が 課 題 足 場 からの 墜 落 転 落 災 害 は 減 少 しており また 墜 落 転 落 災 害 全 体 に 占 め る 割 合 も 減 少 傾 向 が 見 られるが 足 場 からの 墜 落 転 落 災 害 の 90% 以 上 は 安 衛 則 に 基 づく 措 置 が 不 適 切 な 現 場 で 発 生 している 大 部 分 を 占 める 足 場 以 外 の 場 所 (トラック はしご 等 階 段 屋 根 など)から の 墜 落 転 落 防 止 が 課 題 交 通 労 働 災 害 は 減 少 しているが 依 然 として 観 光 バス 事 故 など 深 刻 な 事 故 が 発 生 している 爆 発 火 災 災 害 は 減 少 しているが 依 然 として 社 会 的 注 目 を 集 める 事 故 が 発 生 している 製 造 業 の 工 業 指 数 や 雇 用 者 数 は 減 少 しているが その 減 少 率 を 上 回 る 割 合 で 労 働 災 害 は 減 少 している
建 設 業 対 策 26,106 22,372 近 年 建 設 投 資 額 は 大 幅 に 減 少 し 建 設 業 従 事 労 働 者 数 も 大 きく 減 少 しているが 労 働 災 害 件 数 は それら 関 連 指 標 の 減 少 幅 を 上 回 る 率 で 減 少 している 今 後 東 日 本 大 震 災 の 復 興 工 事 や 高 度 成 長 期 に 建 造 した 大 型 インフラ マン ション 等 の 老 朽 化 による 修 繕 修 復 建 て 替 えによる 建 設 工 事 需 要 の 増 加 が 予 測 される 一 方 で 長 期 的 な 建 設 市 場 規 模 縮 小 による 人 材 不 足 による 労 働 災 害 の 発 生 が 懸 念 される 陸 上 貨 物 運 送 事 業 対 策 13,427 13,543 陸 上 貨 物 運 送 事 業 については 輸 送 量 従 事 労 働 者 数 ともに 増 加 する 中 で 労 働 災 害 は 横 ばいとなっている トラックの 荷 台 からの 墜 落 転 落 災 害 防 止 が 課 題 林 業 対 策 2,080 2,010 従 前 からの 林 業 現 場 での 指 導 に 加 え 新 たに 林 業 事 業 所 に 対 する 指 導 を 実 施 し たものの 近 年 高 性 能 林 業 機 械 や 異 業 種 からの 新 規 参 入 者 が 急 速 に 増 えてき ており 災 害 発 生 件 数 は 横 ばいとなっている 第 三 次 産 業 対 策 47,505 47,216 商 業 における 販 売 額 は 増 加 傾 向 従 事 労 働 者 数 は 横 ばいの 中 で 労 働 災 害 も 減 少 していない 保 健 衛 生 業 は 従 事 労 働 者 数 も 増 加 しているが それを 上 回 るペースで 労 働 災 害 が 急 増 している 労 働 災 害 全 体 に 占 める 割 合 が 増 加 の 一 途 をたどっているものの 業 種 が 多 岐 に 亘 り 災 害 発 生 率 が 低 く 業 界 の 意 識 も 必 ずしも 高 くない 第 三 次 産 業 に 対 して どのように 効 果 的 な 取 組 が 行 えるかが 課 題 粉 じん 障 害 防 止 対 策 新 規 有 所 見 者 数 の 減 少 新 規 有 所 見 者 数 (19 年 )( 23 年 ) 264 174 平 成 22 年 まで 毎 年 260 人 前 後 で 推 移 していたじん 肺 の 新 規 有 所 見 者 数 は 平 成 23 年 に 174 人 まで 減 少 した 今 後 も 新 規 有 所 見 者 の 傾 向 を 踏 まえた 適 切 な 対 応 が 課 題 腰 痛 予 防 対 策 業 務 上 疾 病 者 数 5,287 4,822 業 務 上 疾 病 の 過 半 数 を 占 める 腰 痛 は 減 少 が 小 幅 にとどまっている 社 会 福 祉 施 設 における 労 働 者 数 の 増 加 に 伴 い 保 健 衛 生 業 の 腰 痛 が 増 加 介 護 作 業 において 腰 痛 を 起 こしにくい 方 法 ( 腰 痛 を 起 こさない 移 動 移 乗 介 護 法 介 護 機 器 の 導 入 など)の 導 入 促 進 が 課 題 腰 痛 を 防 ぐための 根 本 的 な 対 策 が 課 題 振 動 騒 音 障 害 防 止 対 策 (19 年 )( 22 年 ) 振 動 315 263 騒 音 374 315 振 動 及 び 騒 音 による 労 働 災 害 はやや 減 少 振 動 工 具 の 取 扱 い 基 準 の 見 直 しによって 世 界 標 準 を 取 り 入 れている
熱 中 症 酸 素 欠 乏 症 等 防 止 対 策 死 亡 者 数 (19 年 )( 23 年 ) 熱 中 症 18 18 酸 欠 等 12 3 熱 中 症 については 依 然 として 死 亡 災 害 が 発 生 している 地 球 温 暖 化 の 影 響 で 今 後 さらに 発 生 リスクが 高 まるおそれがある 石 綿 障 害 予 防 対 策 肺 がん 502 424 中 皮 腫 500 498 石 綿 含 有 製 品 の 製 造 等 の 全 面 禁 止 の 実 現 石 綿 障 害 予 防 規 則 に 定 める 措 置 の 強 化 など 対 策 の 強 化 が 図 られている 建 築 物 等 の 解 体 等 作 業 は 今 後 さらに 増 加 することが 予 想 され 注 意 が 必 要 海 外 から 石 綿 含 有 製 品 が 誤 って 輸 入 される 事 案 への 対 応 が 課 題 化 学 物 質 による 労 働 災 害 の 防 止 対 策 化 学 物 質 に よる 職 業 性 疾 病 の 減 少 204 219 化 学 物 質 による 疾 病 発 生 件 数 は 横 ばいが 続 いている 特 殊 健 康 診 断 の 有 所 見 率 が 増 加 傾 向 にある 数 万 に 及 ぶ 未 規 制 の 化 学 物 質 への 対 応 が 課 題 メンタルヘルス 対 策 メンタルヘ ルスケアに 取 り 組 んで いる 事 業 場 50% 以 上 取 組 事 業 場 割 合 33.6% 50.4% 268 325 取 組 の 進 展 により これまで 埋 もれていたメンタルヘルス 不 調 者 の 発 見 につな がる 面 もあり 単 純 に 精 神 障 害 認 定 件 数 の 増 減 での 評 価 は 困 難 メンタルヘルス 不 調 者 の 発 見 発 見 後 の 対 応 に 対 する 対 策 は 進 んでいるが メ ンタルヘルス 不 調 を 発 生 させないような 職 場 の 環 境 改 善 対 策 やメンタルヘル ス 不 調 者 の 職 場 復 帰 対 策 が 課 題 過 重 労 働 による 健 康 障 害 防 止 対 策 392 310 労 災 認 定 件 数 は 高 止 まりしたままになっている 依 然 として 80 時 間 超 の 時 間 外 労 働 者 が 少 なからず 存 在 している 産 業 保 健 活 動 の 活 性 化 健 康 診 断 結 果 に 基 づく 事 後 措 置 の 実 施 率 の 着 実 な 向 上 産 業 医 選 任 率 75.4% 87.0% 健 康 診 断 実 施 率 78.5% 88.3% 産 業 医 や 衛 生 管 理 者 の 選 任 率 は8 割 を 超 え 事 業 場 内 の 体 制 が 整 ってきている 健 康 診 断 の 実 施 率 は 向 上 している 健 康 診 断 結 果 に 基 づく 事 後 措 置 の 実 施 率 は 着 実 に 向 上 しているが 事 後 措 置 を 受 けていない 労 働 者 も 少 なくない 外 部 の 産 業 保 健 専 門 機 関 の 育 成 活 用 促 進 が 課 題 健 康 づくり 快 適 職 場 づくり 対 策 受 動 喫 煙 対 策 実 施 率 46% 64% 受 動 喫 煙 防 止 対 策 の 実 施 率 は 大 幅 に 向 上 しているが 規 模 の 小 さい 事 業 場 や 顧 客 が 喫 煙 できることをサービスに 含 めて 提 供 する 事 業 場 ( 飲 食 店 宿 泊 業 等 ) を 中 心 に 受 動 喫 煙 防 止 対 策 が 遅 れている メンタルヘルス 対 策 の 観 点 からのソフト 面 を 重 視 した 職 場 の 快 適 化 が 課 題 安 全 衛 生 教 育 の 効 果 的 な 推 進 等 安 全 衛 生 教 育 実 施 率 54% 57% 安 全 衛 生 教 育 の 実 施 状 況 は 低 調 な 状 態 が 続 いている
中 小 規 模 事 業 場 対 策 の 推 進 50 人 未 満 事 業 場 が 労 働 災 害 に 占 める 割 合 66% 64% 労 働 災 害 全 体 に 占 める 中 小 零 細 規 模 事 業 場 の 割 合 は 依 然 として 高 い 状 況 が 続 い ている 就 業 形 態 の 多 様 化 等 に 対 す る 対 策 高 年 齢 労 働 者 対 策 等 の 推 進 60 歳 以 上 が 労 働 災 害 に 占 め る 割 合 16% 21% グローバル 化 への 対 応 労 働 安 全 衛 生 研 究 の 促 進 安 衛 研 が 行 政 の 要 請 に 基 づき 実 施 した 研 究 数 48 件 (20 年 ~23 年 の 累 計 ) 厚 労 科 研 費 による 研 究 課 題 数 36 件 (20 年 ~23 年 ) 安 全 衛 生 法 令 制 定 時 とは 就 業 形 態 の 多 様 化 など 社 会 情 勢 が 大 きく 変 化 してい る 高 年 齢 労 働 者 が 労 働 災 害 に 占 める 割 合 は 増 加 しているが これまでの 研 究 によ れば 相 当 の 高 齢 にならない 限 り 加 齢 による 顕 著 な 変 化 が 見 られておらず 対 策 の 絞 り 込 みが 困 難 企 業 活 動 が 国 境 を 越 えてグローバル 化 する 中 で 国 際 的 な 規 制 の 統 一 にどう 対 応 していくかが 課 題 国 際 協 力 については アジア 地 域 を 重 点 に 協 力 が 行 われている 着 実 に 研 究 災 害 調 査 等 は 実 施 され 安 全 衛 生 施 策 に 活 用 されているが 新 た な 課 題 を 含 め 広 範 な 安 全 衛 生 分 野 の 研 究 をカバーするにはリソースが 十 分 で ない