京都大学大学院医学研究科附属総合解剖センター電子顕微鏡室における形態研究支援のお知らせ 京都大学の教職員および大学院生の皆様へ 令和 2 年 4 月 1 日 総合解剖センター 3 階西ウィングにあります電子顕微鏡室 ( 以下 電顕室 ) では 電子顕微鏡標本作製および電子顕微鏡観察に関する研究教育技術支援を行っています 医学研究科のみならず 京都大学の教職員 大学院生 研究生の方々が利用することができ 設備と機器および技術を提供しています 電顕室には 超薄切片を作製して超微細構造を観察する透過型電子顕微鏡 (TEM) 組織の表面立体構造を観察する走査型電子顕微鏡 (SEM) および集束イオンビーム走査型電子顕微鏡 (FIB- SEM) の三種類があります FIB-SEM は超薄切片を連続的に切削および撮影を自動で行う装置であり その後ソフトで解析することにより三次元再構築が可能となります また SEM には表面観察以外にも元素分析を行うことができるエネルギー分散型 X 線分析装置 (EDX) が備わっています 2020 年 3 月には新規の透過型電子顕微鏡および走査型電子顕微鏡が導入されました SEM ではアレイトモグラフィ法を立ち上げるべく 現在稼働に向けて準備を行っている段階です これまで多くの研究者の皆様にご依頼頂き 一般的な電顕試料作製以外に 免疫電顕 パラフィン包埋ブロック戻し電顕およびクリオスタット凍結切片からの試料作製 凍結割断による立体構造の観察なども行ってきました 電顕室では 観察できるに至るまで長時間を要する電顕試料作製を研究者に替わって行うことにより 研究の効率化を図っています 勿論 電顕技術を習得したいという方には技術指導も行っています 今後も この様に電顕室では研究者のニーズに応じた更なる技術提供を目指していきます 電顕室の 利用方法 と 利用料金 に関する詳細は次ページ以降をご覧ください 医学研究科電子顕微鏡室 E-mail:denken@cas.med.kyoto-u.ac.jp TEL:753-4491 FIB-SEM 連続データの 透過型電子顕微鏡写真 走査型電子顕微鏡写真 三次元再構築像 ( 標本 : ラット脳神経細胞 ) ( 標本 : ラット腎臓糸球体 ) ( 標本 : マウス内耳有毛細胞 ) 2μm 10μm - 1 -
< 利用方法について > 利用方法についての簡単な流れ 電顕室利用希望者はご連絡を! 利用方法などのご説明サンプルおよび利用申請書の提出 会計担当者宛に請求書を送付 電子顕微鏡観察 サンプル作製の代行 1. 電子顕微鏡室利用方法について 利用を希望される方はメールもしくは電話で電顕室までご連絡ください その後 一度打ち合わ せをして実施方法の検討を行い 電顕室の利用方法と利用料金について説明させていただきます 2. 利用申請書の提出について 電顕室の利用が確定すれば 利用申請書 を提出してください サンプルを初めて持参された日 から一年間有効となります 一研究室毎に一枚提出してください 事務担当者欄には会計業務を担 当されます方の氏名 電話番号 メールアドレスをご記入ください 3. サンプル持参日時および電子顕微鏡観察日の予約について サンプルを持参される日時は必ずメールもしくは電話でご連絡ください 電子顕微鏡観察の予約 および周辺機器を利用されたい場合も同様の方法でご連絡ください 4. サンプル作製方法と電子顕微鏡観察方法について 利用者は 試料の採取 固定 脱水 ~ 包埋 薄切 電顕観察および撮影などの一連の作業を自ら行 うことを原則として そのための技術指導を行なっています しかし 電顕で観察できるまでの試料 作製には長時間を要することが多く 利用者自らが試料作製を最後まで行うことが困難な場合があ りますので 通常の電顕試料作製の依頼があった場合には 利用者に替わって電顕室の技術職員が 固定 脱水 ~ 包埋および薄切などを行っています また 電顕観察および撮影については利用者ご自 身に行っていただきますが 装置の操作方法や撮影方法は説明させて頂きます 5. 利用記録簿記入について サンプルを持参される毎に サンプル作製利用記録簿 に必要事項を記入してください 用紙は 電顕室で用意しています 利用記録簿は清算時の原簿となるものですので 正確にご記入ください 6. 清算方法について 年 3 回 (8 月頃および 1 月頃および 4 月頃 ) 事務担当者宛に 登録料および利用料明細書 をメ ールで送付します 登録料と利用料それぞれどの経費で支払いをされるのかご記入いただき メー ルでご返信ください その後 清算手続きを行います 2019 年度より変更になった点 2 月から 3 月 31 日まで依頼分の支払経費は原則として 運営費のみとさせていただきますのでご了承ください - 2 -
< 利用料金について > 電顕室利用に当たり 利用者の方々に登録料 + 利用料をご負担していただいております 登録料 令和 2 年度 80,000 ( 登録料は 年度により変更する場合があります ) 1 登録料は 運営交付金 奨学寄付金 共同研究費のいずれかでお支払いください 2 研究室単位での支払いになります 3 研究室内の利用人数に制限はありません 4 透過型電子顕微鏡 (TEM) 走査型電子顕微鏡 (SEM) および集束イオンビーム走査型電子顕微鏡 (FIB-SEM) を利用できます 5 登録料の清算は当該年度内に一度 (8 月頃もしくは 1 月頃もしくは 4 月頃 ) 行っております ( 但し 2 月から 3 月 31 日まで依頼分の支払経費は原則として 運営費のみとさせていただきますのでご了承ください ) 利用料 ( サンプル作製および電子顕微鏡観察料金 ) 透過型電子顕微鏡 (TEM) 用サンプル作製料金 工程内容 単位 単価 オスミウム固定 脱水 エポン樹脂包埋 ( 自動包埋機使用もしくは手作業 ) 60 3 晩熱重合 1 回 3,000 準超薄切片作製 1 断面 400 超薄切片作製 1 断面 800 走査型電子顕微鏡 (SEM) 用サンプル作製料金 工程内容 単位 単価 オスミウム固定 脱水 t-ブチルアルコール置換 t-ブチルアルコール凍結乾燥 台載せ 金属コーティング 1 回 2,500 t-ブチルアルコール凍結乾燥 台載せ 金属コーティング ( サンプル 1~10 個 ( 枚 ) までを一回 ( 単位 ) とする ) 1 回 1,000 観察料金 (TEM および SEM) 工程内容単位単価 透過型電子顕微鏡 (TEM) および走査型電子顕微鏡 (SEM) ( 午前枠 :9:30AM~12:30PM 午後枠 :13:30PM~16:30PM) 透過型電子顕微鏡 (TEM) 用特殊サンプル作製料金 - 3 - 半日 (3 時間 ) 1,000 工程内容単位単価 ネガティブ染色 ( 親水化処理 ウラン染色 ) 1 回 500 集束イオンビーム走査型電子顕微鏡 (FIB-SEM) 関連 サンプル作製および切片作製 単位 単価 オスミウム固定 Block Stain 脱水 エポン樹脂包埋 60 3 晩熱重合 1 回 4,600 準超薄切片作製 1 断面 400 超薄切片作製 1 断面 800 装置使用料単位単価 Serial Section 開始前の下準備 (DEPO,Polish,Milling) も含む 1 時間 2,000 画像解析ソフト使用料単位単価 24 時間単位で 1 回とする 1 回 510
1 利用料は 運営交付金 科研費 奨学寄付金 受託研究費のいずれでも支払可能です 2 電顕室に常備しています試薬類および消耗品は自由に使用できます ただし 免疫電顕やその他特殊なサンプル作製に必要な物で 当施設に常備していない物 ( 液体窒素を含む ) に関しては 利用者各自でご準備願います 3サンプル作製 1 回 3,000(TEM) 2,500 (SEM) 4,500 (FIB-SEM) となっていますが ブロック数の個数制限はありません (1 回で回せる量の範囲内まで可 数が極端に多い場合は 2 回とすることもあります その判断は当施設の技術職員に任せてください ) 4 準超薄切片作製および超薄切片作製をご自身でされる場合は薄切の料金は発生しません ウルトラミクロトームは自由にご利用ください 但し 超薄切片作製に使用するダイヤモンドナイフはご自身所有の物をご利用ください 準超薄切片作製に使用するガラスナイフは電顕室にあるものをご自由にお使いいただけます 5 利用料の清算は年 3 回 (8 月頃および 1 月頃および 4 月頃 ) 行っております ( 但し 2 月から 3 月 31 日まで依頼分の支払経費は原則として 運営費のみとさせていただきますのでご了承ください ) - 4 -
< 利用案内および設置機器について > 1. 透過型電子顕微鏡 走査型電子顕微鏡 及びその周辺機器が利用可能です 2. 電子顕微鏡観察 撮影は予約制です 半日単位 ( 午前枠 9:30AM~12:30PM 午後枠 13:30PM ~16:30PM) で予約をお取りください 3. 周辺機器の利用時間は原則 月 ~ 金曜日の 9:00AM~17:00PM です 4. 利用可能な設置機器は下記の通りです * 透過型電子顕微鏡 H-7650 型 ( 日立 )1 台 JEM-1400Flash( 日本電子 )1 台 * 走査型電子顕微鏡 JSM-7900F( 日本電子 )1 台 * 集束イオンビーム走査型電子顕微鏡 (FIB-SEM) Crossbeam540(Carl Zeiss) 1 台 * 周辺機器ミクロトーム ( ライカ ULTRACUT UC6) 自動包埋機 (LEICA EMTP) 凍結乾燥機 ( 日本電子 JFD-320) イオンコーター ( 日本電子 JEC3000FC エイコー IB-3) カーボンコーター ( メイワフォーシス ) 微量高速遠心器 ( 日立 ) 真空蒸着装置 ( 日立 ) リニアスライサー ( 堂阪イーエム PRO7) ガラスナイフメーカー ( 日新イーエム EM-25AⅡ 型 ) 三次元再構築ソフト (ORS Dragonfly Pro Thermo Fisher Scientific Amira) 電子顕微鏡の紹介 透過型電子顕微鏡 ( 日立 H-7650) 透過型電子顕微鏡 ( 日本電子 JEM1400Flash) 集束イオンビーム走査型電子顕微鏡 (CarlZeiss Crossbeam540) 走査型電子顕微鏡 ( 日本電子 JSM7900F) * アレイトモグラフィー法の立ち上げに向けて準備中 ( 通常の SEM 観察は可能 ) - 5 -
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