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主 文 1 本 件 訴 えのうち, 本 判 決 確 定 日 の 翌 日 以 降 の 賃 金 の 支 払 を 求 める 部 分 を 却 下 す る 2 原 告 が, 被 告 に 対 し, 労 働 契 約 上 の 権 利 を 有 することを 確 認 する 3 被 告 は, 原 告 に 対 し, 平 成 13 年 12 月 から 本 判 決 確 定 の 日 まで, 毎 月 10 日 限 り45 万 0760 円 及 びこれに 対 する 各 支 払 日 の 翌 日 から 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員, 並 びに,107 万 0428 円 及 びこれに 対 する 平 成 13 年 12 月 11 日 から 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員 を 支 払 え 4 原 告 のその 余 の 請 求 を 棄 却 する 5 訴 訟 費 用 は 被 告 の 負 担 とする 6 この 判 決 は, 第 3 項 に 限 り, 仮 に 執 行 することができる 事 実 及 び 理 由 第 1 請 求 1 原 告 が, 被 告 に 対 し, 労 働 契 約 上 の 権 利 を 有 することを 確 認 する 2 被 告 は, 原 告 に 対 し,332 万 7559 円 及 びうち 別 紙 利 息 債 権 一 覧 表 元 本 額 ( 円 ) 欄 記 載 の 各 金 員 に 対 する, 遅 延 損 害 金 発 生 日 欄 記 載 の 日 から 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員 を 支 払 え 3 被 告 は, 原 告 に 対 し, 平 成 14 年 5 月 から 毎 月 10 日 限 り,45 万 1426 円 及 びこれに 対 する 各 支 払 日 の 翌 日 から 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員 を 支 払 え 第 2 事 案 の 概 要 本 件 は, 被 告 に 懲 戒 解 雇 された 原 告 が,その 効 力 を 争 い, 労 働 契 約 上 の 権 利 の 確 認 と 解 雇 後 の 賃 金 ( 平 成 13 年 12 月 分 から 平 成 14 年 4 月 分 までの 月 例 賃 金 とし て225 万 7130 円, 平 成 14 年 5 月 分 以 降 の 賃 金 として, 同 月 から 毎 月 10 日 限 り45 万 1426 円, 平 成 13 年 冬 季 賞 与 として107 万 0429 円 ) 及 びこれ らに 対 する 支 払 日 の 翌 日 から 支 払 済 みまでの 遅 延 損 害 金 の 各 支 払 を 求 めた 事 案 であ る 1 争 いのない 事 実 等 ( 証 拠 等 によって 認 定 した 事 実 は, 括 弧 内 に 証 拠 番 号 等 を 付 す ) (1) 当 事 者 被 告 は, 美 術 工 芸 品 として 価 値 のある 刀 剣 類 の 保 存, 公 開 並 びに 無 形 文 化 財 とし ての 日 本 刀 の 鍛 造 技 術 研 磨 技 術 刀 装 制 作 技 術 等 の 保 存 向 上, 及 び 日 本 刀 の 製 作 に 必 要 な 材 料 の 確 保 を 図 るとともに,これらに 関 する 調 査 研 究 と 鑑 賞 指 導 を 行 い, 我 が 国 の 文 化 の 普 及 と 文 化 財 の 保 護 に 寄 与 することを 目 的 とする 財 団 法 人 である 被 告 は, 被 告 の 趣 旨 に 賛 同 する 者 を 募 って 会 員 とし, 全 国 に 支 部 を 設 けている 原 告 は, 被 告 との 間 で, 昭 和 55 年 5 月 1 日 労 働 契 約 を 締 結 し, 後 記 (2)の 本 件 解 雇 まで, 学 芸 部 調 査 課 ( 採 用 当 時 の 名 称 は 異 なるが, 以 下 もこのように 称 す )の 職 員 として 勤 務 していた (2) 懲 戒 解 雇 の 意 思 表 示 被 告 は, 原 告 に 対 し, 平 成 13 年 11 月 7 日, 原 告 を 同 日 をもって 懲 戒 解 雇 する 旨 の 意 思 表 示 をした( 以 下 本 件 解 雇 という ) 被 告 は, 原 告 の 求 めに 応 じて, 同 年 12 月 25 日, 本 件 解 雇 の 理 由 を 記 載 した 書 面 を 交 付 した 同 書 面 には, 懲 戒 の 事 由 として, 就 業 規 則 29 条 違 反 ( 学 歴 詐 称, 研 究 職 学 芸 員 としての 職 務 怠 慢, 資 質 の 欠 如 )があった 旨 記 載 されてい た (3) 懲 戒 についての 就 業 規 則 の 定 め 被 告 の 就 業 規 則 には, 職 員 が 次 の 各 号 のいずれかに 該 当 するときは, 懲 戒 す る (1) 協 会 の 規 則 その 他 規 程 に 違 反 したとき (2) 正 当 な 理 由 なく 業 務 上 の 命 令 に 従 わないとき (3) 故 意 又 は 重 大 な 過 失 により 協 会 に 損 害 を 及 ぼしたと き (4) 職 務 上 の 義 務 に 違 反 し, 又 は 職 務 を 怠 ったとき (5) 職 員 としてふさ わしくない 非 行 があったとき (29 条 ), 懲 戒 の 種 類 及 び 内 容 は 次 のとおり とする (1) 戒 告 (2) 減 給 (3) 停 職 (4) 免 職 (30 条 )との 定 めがある (4) 賃 金 額 及 び 支 払 期 ア 原 被 告 間 の 労 働 契 約 においては, 当 月 分 の 本 給, 調 整 手 当, 管 理 職 手 当, 住 宅 手 当 は 当 月 10 日 に 支 払 うことになっていた( 甲 4) イ 原 告 は, 本 件 解 雇 当 時, 基 本 給 として37 万 4800 円, 調 整 手 当 として4 万 4976 円, 主 任 手 当 として2 万 9984 円, 住 宅 手 当 として1000 円, 月 額 合

計 45 万 0760 円 の 支 払 を 受 けていた なお, 原 告 は, 平 成 13 年 10 月 10 日 には 特 殊 勤 務 手 当 として2000 円 の 支 払 を 受 け, 特 殊 勤 務 手 当 を 含 めた 場 合 の 解 雇 前 の3か 月 の 賃 金 の 平 均 は,1か 月 45 万 1426 円 である ウ 被 告 の 職 員 は, 毎 年 12 月 10 日 に 基 本 給 と 調 整 手 当 の 合 計 の2.55 倍 の 賞 与 が 支 給 され, 原 告 について 計 算 するとその 額 は 少 なくとも107 万 0428 円 で ある 4 主 な 争 点 本 件 解 雇 の 効 力 5 当 事 者 の 主 張 の 要 旨 (1) 被 告 の 主 張 原 告 には, 以 下 のとおり 職 員 としてふさわしくない 非 行 があったとき ( 就 業 規 則 29 条 5 号 )に 該 当 する 事 由 があったから, 平 成 13 年 11 月 7 日, 原 告 の 弁 解 を 聞 いた 上, 本 件 解 雇 をした ア 学 歴 詐 称 原 告 は, 昭 和 54 年 3 月 に 國 學 院 大 学 文 学 部 文 学 科 の2 部 を 卒 業 し, 同 年 学 芸 員 の 資 格 を 取 得 したにもかかわらず, 採 用 時 の 履 歴 書 に, 昭 和 52 年 3 月 国 学 院 大 学 文 学 部 文 学 科 卒 業 同 年 博 物 館 学 芸 員 免 許 取 得 と 記 載 して 被 告 に 提 出 した 単 なる 誤 記 である 旨 の 原 告 の 主 張 は,わずか1 年 前 の 大 学 卒 業 年 を 間 違 えることな どあり 得 ないこと, 履 歴 書 は 慎 重 さを 要 求 される 毛 筆 で 記 載 されていること 等 から 信 じがたいものである 原 告 は, 平 成 13 年 11 月 5 日 に,この 間 違 いを 認 め,いかなる 処 分 をも 受 ける 旨 の 始 末 書 を 提 出 している 被 告 の 職 員 の 一 部 が 原 告 の 経 歴 について 知 っていても, 被 告 の 会 長 や 専 務 理 事 に は 知 らされていなかったのであるから, 原 告 の 行 為 が 許 されないことに 変 わりな い イ 研 究 職 学 芸 員 としての 職 務 怠 慢, 資 質 の 欠 如 原 告 は, 被 告 から 以 下 の 各 点 について 再 三 指 導 を 受 けていたにもかかわらず 改 め ることがなく, 平 成 13 年 11 月 7 日, 被 告 が 本 件 解 雇 を 通 告 する 前 に 弁 解 を 聞 い た 際,これらのことをすべて 認 めていた (ア) 図 譜 の 作 成 能 力 欠 如 原 告 は, 被 告 に20 年 余 の 間 学 芸 員 として 勤 務 したにもかかわらず, 特 別 重 要 刀 剣 類 ないし 重 要 刀 剣 類 の 図 譜 の 原 稿 を 作 成 することができなかった 原 告 の 原 稿 は, 刀 剣 に 関 する 知 識 の 誤 りがあって 使 い 物 にならず,A 学 芸 部 長 ( 以 下 A 学 芸 部 長 ないし A という )がほとんど 書 き 下 すよう 添 削 する 必 要 があった (イ) 他 の 学 芸 員 の 著 作 の 盗 用 原 告 は, 被 告 の 機 関 誌 刀 剣 美 術 に 掲 載 する 名 刀 鑑 賞 や 定 例 鑑 賞 会 の 鑑 定 刀 の 解 説 において,A 学 芸 部 長 ら 他 の 学 芸 員 の 著 作 を 盗 用 した それは, 同 じ 作 者 の 異 なる 刀 剣 についての 解 説 を 部 分 的 に 盗 用 する 手 法 であった 刀 剣 の 鑑 賞 文 において, 定 説 や 通 説 を 離 れた 記 述 をすることができないことはい うまでもない しかし, 原 告 の 文 章 は, 定 説 や 通 説 に 従 う 以 上 に, 構 成, 文 章, 内 容 を 通 じて, 一 見 して 他 人 の 引 き 写 しにすぎないとわかるものであった 学 芸 員 と しての 日 ごろの 研 究, 研 鑽 があれば,このようなことにはならないはずである A 学 芸 部 長 は, 折 りに 触 れて 原 告 に 対 し 指 導 を 重 ねてきたのであるが, 原 告 は 聞 き 入 れることがなかった (ウ) 刀 剣 鑑 定 の 誤 り 原 告 は, 学 芸 員 として 刀 剣 の 真 贋 等 の 鑑 定 を 行 う 際, 誤 りが 多 かった 真 贋 の 鑑 定 において, 原 告 の 意 見 は 当 てにならないというのが 多 数 の 学 芸 員 の 意 見 であった し, 口 頭 鑑 定 においても 誤 りがあったとの 苦 情 が 寄 せられている (エ) 支 部 鑑 賞 会 での 苦 情 原 告 は, 学 芸 員 として 被 告 支 部 の 鑑 賞 会 に 派 遣 されたが,その 傲 慢 で 傍 若 無 人 な 態 度 について 多 数 の 支 部 から 苦 情 が 寄 せられていた A 学 芸 部 長 は, 原 告 にその 都 度 注 意 してきたが, 原 告 は 態 度 を 改 めなかった 原 告 を 支 部 に 派 遣 し 続 けたのは, ひとえに 人 手 が 足 りなかったからである (オ) 被 告 の 内 部 情 報 の 漏 洩 原 告 は, 被 告 の 審 査 情 報 等 の 内 部 情 報 を 刀 剣 業 者 に 漏 洩 していた (2) 原 告 の 主 張 ア 学 歴 詐 称 について 履 歴 書 の 記 載 と 原 告 の 大 学 卒 業 年, 資 格 取 得 年 が 異 なっていることは 認 めるが,

誤 記 であって, 詐 称 ではない いわゆる 夜 間 部 の 卒 業 であることも 認 めるが, 原 告 が 卒 業 したのは 國 學 院 大 学 文 学 部 文 学 科 であり, 二 部 とか 夜 間 部 と 称 されていないから, 履 歴 書 に 記 載 した 学 歴 は 偽 りとはいえない 原 告 は, 大 学 在 学 中, 被 告 に 昼 間 のアルバイトとして 勤 務 しており, 大 学 卒 業 時 には 被 告 に 就 職 を 希 望 したがかなえられなかったことがあり,A 学 芸 部 長 を 始 めとする 被 告 の 職 員 は, 原 告 の 大 学 卒 業 年 及 び 資 格 取 得 年 や 夜 間 部 であることについて 知 っており,これを 偽 ることなどできなかった イ 研 究 職 学 芸 員 としての 職 務 怠 慢, 資 質 の 欠 如 について 被 告 が 主 張 する 各 点 について 指 導 を 受 けたことは 一 切 なく, 平 成 13 年 11 月 7 日 の 解 雇 通 告 の 際 は, 唖 然 とするばかりであった 自 認 はしていない (ア) 図 譜 の 作 成 能 力 欠 如 について 図 譜 は, 最 終 的 に 被 告 名 で 出 版 されるため, 責 任 者 であるA 学 芸 部 長 の 手 が 多 く 入 る しかし,A 学 芸 部 長 の 添 削 は, 文 章 の 流 れや てにをは を 訂 正 するのみ で, 誤 りを 正 すという 内 容 のものではなく, 原 告 はA 学 芸 部 長 からの 指 導 は 受 けた ことがない (イ) 他 の 学 芸 員 の 著 作 の 盗 用 原 告 は 著 作 の 盗 用 をしたことは 一 切 ない 刀 工, 刀 剣 については, 評 価 が 固 まっ ている 部 分 や 定 説 があり, 誰 が 書 いても 同 じような 文 章, 内 容 となるのはむしろ 当 然 であり, 正 しいといえる 他 の 学 芸 員 が 書 いた 文 章 にも, 同 じような 例 がある 刀 剣 の 鑑 賞 文 には, 学 術 論 文 のように 内 容 や 表 現 についてオリジナリティが 求 めら れるものではない 原 告 の 能 力 が 劣 るなら,A 学 芸 部 長 が, 刀 剣 美 術 の 巻 頭 を 飾 る 名 刀 鑑 賞 の 解 説 文 を 永 年 にわたって 原 告 に 任 せてきたことの 説 明 がつかない (ウ) 刀 剣 鑑 定 の 誤 りについて 被 告 の 主 張 は 余 りに 抽 象 的 である 原 告 の 鑑 定 に 誤 りが 多 いということはない (エ) 支 部 鑑 賞 会 での 苦 情 について 原 告 は, 約 15 年 前 から 支 部 へ 派 遣 されており, 平 成 11 年 以 降, 年 20 回 を 越 える 頻 度 で 派 遣 されたが, 支 部 鑑 賞 会 での 原 告 に 対 する 苦 情 について, 今 まで 指 導 を 受 けたことがない 被 告 が 提 出 した 支 部 の 苦 情 の 書 簡 は, 平 成 13 年 3 月 から1 0 月 までのものであり,2 年 前 に 行 った 支 部 からの 苦 情 であったり, 不 自 然 さを 感 じる (オ) 被 告 の 内 部 情 報 の 漏 洩 について 否 認 する 第 3 当 裁 判 所 の 判 断 1 判 決 確 定 日 後 の 賃 金 請 求 の 訴 えの 利 益 について 原 告 は, 被 告 に 対 し, 被 告 との 労 働 契 約 に 基 づく 賃 金 の 支 払 を 求 めているとこ ろ, 仮 に 原 告 が 勝 訴 した 場 合,その 判 決 の 確 定 後 もなお 賃 金 の 支 払 がされない 特 段 の 事 情 はうかがえないから, 同 賃 金 請 求 のうち, 本 判 決 確 定 の 日 の 後 に 履 行 期 が 到 来 する 賃 金 の 支 払 を 請 求 する 部 分 は,あらかじめ 請 求 する 必 要 があるとはいえず, 訴 えの 利 益 を 欠 くものとして 却 下 すべきである 2 本 件 解 雇 の 効 力 について (1) 学 歴 詐 称 について ア 証 拠 ( 甲 11,12の(1)(2),22, 乙 10,11,12,65, 証 人 A, 証 人 B, 原 告 本 人, 被 告 代 表 者 )によれば, 以 下 の 各 事 実 が 認 められる (ア) 原 告 が 被 告 に 採 用 される 際 に 提 出 した 履 歴 書 には, 原 告 は, 昭 和 52 年 3 月 に 國 學 院 大 学 文 学 部 文 学 科 を 卒 業 し, 同 年 博 物 館 学 芸 員 の 免 許 を 取 得 した 旨 の 記 載 があったが, 原 告 は, 昭 和 54 年 3 月 に 前 記 大 学 学 部 学 科 を 卒 業 し, 同 年 博 物 館 学 芸 員 の 資 格 を 取 得 したものであった また 原 告 は, 同 大 学 のいわゆる 夜 間 部 の 学 生 であった (イ) 原 告 は, 在 学 中 である 昭 和 48 年 4 月 ころから 昭 和 54 年 8 月 ころまで, 被 告 にアルバイトとして 昼 間 勤 務 し, 大 学 卒 業 時 には, 被 告 の 学 芸 員 として 採 用 さ れることを 希 望 したが, 採 用 されなかった 原 告 は,その 後, 被 告 の 学 芸 員 に 欠 員 ができたため, 昭 和 55 年 5 月 1 日 被 告 に 採 用 された 採 用 当 時, 被 告 の 専 務 理 事 兼 事 務 局 長 は, 原 告 が 夜 間 部 の 学 生 であったことを 知 っていた 他 の 専 務 理 事 から 原 告 を 採 用 するかどうか 意 見 を 求 められて 話 合 いをした 学 芸 部 長 らは, 原 告 が 大 学 を7 年 かけて 卒 業 したことや 卒 業 年 次 を 知 っており,この 話 合 いに 参 加 した 被 告 の 学 芸 部 調 査 課 の 職 員 であったAは, 前 記 事 情 に 加 え, 原 告 がいわゆる 夜 間 部 の 学 生 であったことも 知 っていた 当 時 の 被 告 の 庶 務 課 長 も, 原 告 の 卒 業 年 次 や 原 告 が 夜

間 部 の 学 生 であったことを 知 っていた また,(ア)の 履 歴 書 は, 被 告 が 原 告 に 採 用 を 告 げ, 当 時 海 外 にいた 原 告 が 被 告 の 命 に 従 い 業 務 を 行 って 帰 国 した 後 に, 作 成, 提 出 されたものであった (ウ) 平 成 13 年 8 月, 被 告 は, 文 化 庁 による 実 地 検 査 に 備 え, 被 告 の 学 芸 員 全 員 から 大 学 卒 業 証 明 及 び 資 格 取 得 証 明 を 徴 したところ, 原 告 の 履 歴 書 と 証 明 書 とに 齟 齬 があった A 学 芸 部 長 らは, 同 年 11 月 5 日, 原 告 から 事 情 を 聞 いたところ, 原 告 は, 履 歴 書 の 経 歴 を 故 意 に 偽 ったことは 否 定 した 上, 学 部 種 別, 大 学 卒 業 年 月 日, 学 芸 員 資 格 取 得 年 月 日 等 について 履 歴 書 を 誤 って 記 載 し 提 出 したことは 間 違 いない 処 分 を 受 けても 異 議 はいわない 旨 の 始 末 書 を 作 成 し, 同 日, 被 告 に 提 出 した イ 前 記 ア(ア)によれば, 被 告 に 採 用 される 際 に 提 出 した 履 歴 書 には, 大 学 卒 業 年 次 及 び 学 芸 員 資 格 取 得 年 について2 年 遡 る 誤 りがあったことが 認 められる な お, 原 告 は 前 記 学 部 のいわゆる 夜 間 部 の 学 生 であり,これを 履 歴 書 には 記 載 しなか ったことも 認 められるが, 同 大 学 においては, 夜 間 部 の 学 生 であっても, 國 學 院 大 学 文 学 部 文 学 科 であることには 変 わりないとされていることから( 甲 12の (1)),それを 履 歴 書 に 記 載 したなかったとしても, 誤 りであるとまではいえな いというべきである そして, 前 記 ア(イ)(ウ)によれば, 原 告 は 在 学 中 から 卒 業 後 にかけて6 年 以 上 にわたり 被 告 でアルバイトしており, 卒 業 時 には 被 告 学 芸 員 として 採 用 されるこ とを 望 んだがかなわなかったこと, 被 告 の 学 芸 部 長 や 学 芸 員 らは, 原 告 の 卒 業 年 次 や 留 年 を 知 っていたことが 認 められるところ,そうであれば, 原 告 が 卒 業 年 等 を2 年 間 偽 ったとしても, 被 告 の 幹 部 職 員 から 容 易 に 気 付 かれる 状 況 であったといえ る このような 状 況 の 下, 履 歴 書 を 提 出 する 際 には 既 に 被 告 から 採 用 を 告 げられて いた 原 告 が, 故 意 に 経 歴 を 偽 る 意 図 で 前 記 記 載 をすることは 考 えにくく, 原 告 が 誤 記 である 旨 一 環 して 主 張 していることと 併 せ 考 えると, 原 告 の 履 歴 書 の 大 学 卒 業 年 や 学 芸 員 の 資 格 取 得 年 についての 誤 りが, 被 告 に 対 し 経 歴 を 偽 る 意 図 により 記 載 さ れたものであるとは 認 めるに 足 りない(なお, 夜 間 部 の 学 生 であったことを 履 歴 書 に 記 載 しなかったことも,これを 隠 す 意 図 であったとは, 同 様 の 理 由 で 認 めるに 足 りない ) 被 告 は, わずか1 年 前 の 大 学 卒 業 年 を 間 違 えることなどあり 得 ないし, 履 歴 書 は 慎 重 さを 要 求 される 毛 筆 で 記 載 されていること 等 から, 単 なる 誤 記 であるとは 信 じがたい 等 と 主 張 するが, 前 記 事 情 の 下 では 採 用 できない したがって, 学 歴 詐 称 という 職 員 としてふさわしくない 非 行 があった という ことはできない (2) 図 譜 の 作 成 能 力 欠 如 について ア 証 拠 ( 甲 1,33, 乙 14の(1)ないし(10),15の(1)ないし (7), 証 人 A, 同 B, 原 告 本 人, 被 告 代 表 者 )によれば, 以 下 の 各 事 実 を 認 める ことができる 被 告 は, 特 別 重 要 刀 剣 等, 重 要 刀 剣 等 を 定 期 的 に 指 定 し, 指 定 された 刀 剣 等 につ いては 図 譜 を 刊 行 している 重 要 刀 剣 は, 毎 年 200 本 程 度 指 定 される 図 譜 は, 刀 剣 の 場 合 には,1 刀 剣 の 外 形 上 の 特 徴 等 について 定 型 的 な 表 現 で 簡 潔 に 記 載 する 調 書,2 刀 剣 の 特 色, 刀 工, 時 代 考 証 等 を 記 載 する 解 説,3 押 形,4 刃 文 画 き( 刀 剣 の 刃 文 を 作 画 すること )で 構 成 されており(ただし, 特 別 重 要 刀 剣 は34に 替 えて 写 真 を 使 用 する ), 被 告 の 学 芸 員 が 分 担 してその 原 稿 を 作 成 することとなっ ていた 図 譜 について 個 々の 執 筆 者 は 特 定 されず,すべて 被 告 の 責 任 で 刊 行 されて いた 原 告 は, 学 芸 員 として, 当 初, 重 要 刀 剣 の1 調 書 及 び2 解 説 の 原 稿 を 作 成 してい たが,ある 時 期 から, 重 要 刀 剣 については4 刃 文 画 きのみの 担 当 となり,その 相 当 部 分 を 担 当 していた また, 特 別 重 要 刀 剣 の1 調 書 及 び2 説 明 は 引 き 続 いて 担 当 し ていた この 間, 刃 文 画 きができるのは, 原 告 とA 学 芸 部 長 しかいなかった 時 期 が あった 原 告 は,その 作 成 した 特 別 重 要 刀 剣 の1 調 書 及 び2 解 説 の 原 稿 について,Aから 毎 回 詳 細 な 添 削 指 導 を 受 けていた イ 以 上 の 事 実 から, 原 告 は,その 作 成 した 特 別 重 要 刀 剣 の1 調 書 及 び2 解 説 の 原 稿 について, 学 芸 部 長 であるAから 毎 回 詳 細 な 添 削 指 導 を 受 けていたことが 認 めら れるが, 図 譜 が 被 告 の 責 任 で 刊 行 される 図 書 であり, 内 部 的 には, 学 芸 部 長 がその 全 責 任 を 負 うものであることから, 学 芸 部 長 が 詳 細 に 添 削 したことをもって,ただ ちに 原 告 の 図 譜 作 成 能 力 が 劣 っていたということはできない また, 前 記 アによれ

ば, 原 告 は,ある 時 期 から, 重 要 刀 剣 の 図 譜 のうち1 調 書 及 び2 解 説 を 担 当 しなく なったことが 認 められるが, 刃 文 画 きができる 学 芸 員 が 不 足 している 時 期 に 原 告 が 重 要 刀 剣 の 刃 文 画 きを 相 当 部 分 担 当 していたことや, 特 別 重 要 刀 剣 の12 調 書 等 に ついては 担 当 していたことから,このことが, 原 告 の 図 譜 作 成 能 力 が 劣 っていたこ とによるとは 直 ちに 認 めがたい そして, 乙 14の(1)ないし(10),15の (1)ないし(7)によっても, 原 告 の 日 本 刀 の 知 識 の 誤 りのためAによる 訂 正 を 余 儀 なくされた 記 載 が 多 数 あるとは,これを 認 めることができない したがって, 原 告 の 図 譜 作 成 能 力 が 劣 っていたことは 認 めるに 足 りず, 被 告 の 主 張 は 採 用 できない ウ 仮 に, 原 告 の 図 譜 作 成 能 力 が 劣 っていたとしても, 懲 戒 事 由 たる 職 員 として ふさわしくない 非 行 があったとき 又 は 職 務 上 の 義 務 に 違 反 し, 又 は 職 務 を 怠 っ たとき とは, 職 場 秩 序 維 持 のための 懲 戒 権 の 発 生 を 根 拠 付 ける 要 件 であるから, 単 なる 勤 務 成 績 不 良 は 含 まず,それが 職 場 規 律 に 違 反 し, 秩 序 を 乱 したと 評 価 され る 場 合 をさすというべきであり, 図 譜 作 成 能 力 が 劣 ることはこれに 当 たらないとい うべきである (3) 他 の 学 芸 員 の 著 作 の 盗 用 について ア 証 拠 ( 甲 17の(3)(11), 乙 16から48までの 各 号,52,53,6 6,86の(1)ないし(3),87の(1)(2),88の(1)(2))によ れば, 原 告 が 刀 剣 美 術 に 掲 載 した 定 例 鑑 賞 会 の 鑑 定 刀 の 解 説 や 名 刀 鑑 賞 に は, 文 意 のみならず, 構 成 や 表 現 まで 他 の 学 芸 員 の 書 いた 解 説 と 極 めて 類 似 したも のがあり, 文 章 を 一 部 改 変 して 借 用 したゆえに 内 容 が 不 正 確 となったのではないか と 疑 われたり( 乙 33の(1)の このような 彫 り 物 は 氏 貞 以 外 などにはほとんど 見 られず とした 部 分 ), 表 現 が 不 統 一 で 文 意 が 曖 昧 になったとのではないかと 疑 われる 文 章 ( 同 勾 口 も 冴 え, 地 刃 が 明 るくなる 傾 向 がある とした 部 分 )があっ たことはこれを 認 めることができる イ 原 告 のこれらの 文 章 は,その 類 似 自 体 から 故 意 による 借 用 を 疑 わせるものであ るが, 他 方, 定 例 鑑 賞 会 における 鑑 定 刀 の 解 説 は, 基 本 的 には 前 記 (2)アの 図 譜 と 同 じ 構 成 をとるほか 講 評 の 紙 幅 に 限 りがあるため, 定 型 的 な 構 成 や 表 現 が 用 いら れること, 名 刀 鑑 賞 においても 刀 剣 や 刀 工 の 特 徴 を 表 現 する 際 には 類 型 的 な 表 現 が 用 いられることがあることから( 前 掲 アの 各 証 拠 及 び 証 人 Bの 証 言 によって 認 める ), 故 意 に 借 用 してはおらず, 自 然 と 似 通 ってしまった 旨 の 原 告 の 弁 解 を, 排 斥 することは, 困 難 であるというべきである ウ また, 原 告 の 前 記 各 文 章 と 乙 49の 文 章 は,その 元 となったと 指 摘 される 他 の 学 芸 員 らの 文 章 ( 乙 16から48までの 各 号,50,51,53,86の(2) (3),87の(2),88の(2))と,その 内 容 においても 類 似 した 部 分 があ ることも 認 められるところである しかし, 原 告 の 前 記 文 章 や 乙 49の 文 章 は, 被 告 の 機 関 誌 に 掲 載 する 定 例 鑑 賞 会 における 鑑 定 刀 の 解 説 及 び 刀 剣 の 鑑 賞 文 並 びに 美 術 展 の 手 引 書 等 であって,その 表 現 や 内 容 において 独 創 性 を 示 すことを 要 求 されて いるものではなく, 原 告 独 自 の 学 術 的 発 見 等 の 発 表 として 掲 載 されたものではない こと,それとは 明 示 してはいないが, 定 説, 有 力 説 に 賛 同 してその 内 容 を 記 載 した と 理 解 できるものであることから,その 内 容 の 類 似 についてまで, 他 人 の 見 解 の 盗 用 とまで 責 められるべきものとはいえない エ 仮 に, 原 告 が 故 意 に 他 の 学 芸 員 の 文 章 を 借 用 したものであるとしても, 被 告 に おいて, 本 件 解 雇 以 前 に,この 件 で 原 告 を 懲 戒 に 付 すことが 検 討 されたことはない 上, 原 告 の 上 司 に 当 たるA 学 芸 部 長 は, 原 告 に 対 し, 類 似 した 文 章 を 具 体 的 に 指 摘 するなどの 厳 重 な 注 意 をしたことすらなく, 被 告 は, 原 告 の 文 章 を 被 告 の 機 関 誌 に 掲 載 し 続 けたのであるから( 甲 17の(1)ないし(11),18の(1)ないし (3), 乙 52,86の(1),87の(1),88の(1), 証 人 A, 弁 論 の 全 趣 旨 ), 職 員 としてふさわしくない 非 行 があったとき 又 は 職 務 上 の 義 務 に 違 反 し, 又 は 職 務 を 怠 ったとき に 該 当 するということはできず, 該 当 するとして も, 少 なくとも 解 雇 とすることは 重 きに 失 して 相 当 性 がないというべきである (4) 刀 剣 鑑 定 の 誤 りについて 証 拠 ( 乙 74,82, 証 人 A)によれば, 保 存 刀 剣, 特 別 保 存 刀 剣 の 審 査 の 際, 原 告 の 審 査 は 当 てにならないという 意 見 が 学 芸 員 らから 出 されたこと, 原 告 に 偽 銘 を 見 抜 けない 等 の 間 違 いがあり,A 学 芸 部 長 から 指 導 を 受 けたこと 等 が 認 められ る しかし, 前 掲 各 証 拠 によっても, 原 告 の 間 違 いの 頻 度 や 程 度 については 明 らか ではなく,これにより 職 場 秩 序 を 乱 したとまでは 認 めるには 足 りないから, 懲 戒 事 由 たる 職 員 としてふさわしくない 非 行 があったとき 又 は 職 務 上 の 義 務 に 違 反

し, 又 は 職 務 を 怠 ったとき には 当 たらないというべきである (5) 支 部 鑑 賞 会 での 苦 情 について ア 証 拠 ( 乙 54ないし61,67,80,85, 証 人 A)によれば, 原 告 は, 被 告 の 支 部 に 講 師 として 派 遣 された 際 の 態 度 について, 平 成 13 年 3 月 から 同 年 10 月 までの 間, 会 員 を 叱 りとばして 恥 をかかせる, 態 度 が 傍 若 無 人 で 不 作 法 で ある, 解 説 や 講 義 が 不 十 分 である, 通 説 とかけ 離 れた 講 評 をす る, 質 問 者 をなじるため 質 問 がしにくい, 鑑 定 刀 入 札 の 当 否 の 判 定 方 法 が 間 違 っている 等 との 苦 情 が 文 書 で 寄 せられたことが 認 められる そして, この 苦 情 文 書 の 内 容, 及 び, 原 告 に 対 する 支 部 の 苦 情 についてA 学 芸 部 長 から 聞 いたことがある 旨 のBの 証 言 ( 甲 25, 証 人 B)に 照 らし, 平 成 13 年 3 月 以 前 から, 前 記 のような 苦 情 が 被 告 に 寄 せられていたと 認 められる 他 方, 証 拠 ( 乙 8,13,65,74, 原 告 本 人, 証 人 A) 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 に よれば, 原 告 は, 約 15 年 前 から 本 件 解 雇 に 至 るまで 支 部 へ 派 遣 され 続 けていたこ と, 平 成 11 年 以 降, 年 20 回 を 越 える 頻 度 で 派 遣 されていたこと, 原 告 は, 前 記 苦 情 文 書 を 示 されて 指 導 を 受 けたことはないこと, 前 記 苦 情 文 書 は, 平 成 13 年 3 月 以 降, 被 告 から 支 部 に 対 し, 原 告 についての 苦 情 をまとめるよう 依 頼 されて 作 成 されたものであること, 原 告 は, 本 件 解 雇 の 約 8か 月 前 の 平 成 13 年 3 月, 兼 職 禁 止 に 違 反 したとして 被 告 から 懲 戒 処 分 ( 戒 告 )を 受 けたが,その 際 は, 支 部 の 苦 情 の 件 については 問 題 視 されていなかったことが 認 められる これらの 事 実 を 総 合 考 慮 すると, 本 件 解 雇 以 前, 被 告 が, 支 部 からの 苦 情 につい て, 原 告 や 支 部 から 詳 細 な 事 実 を 確 認 した 上, 原 告 に 対 し, 厳 重 な 注 意 をしたこと があるとは 認 めるに 足 りない イ 原 告 を 学 芸 員 に 任 じ 支 部 への 派 遣 を 続 けていた 被 告 としては, 支 部 から 原 告 に ついて 苦 情 があった 場 合 には,その 詳 細 な 内 容 を 支 部 から 確 認 し, 原 告 からも 事 実 を 確 認 した 上, 原 告 に 対 する 厳 重 な 注 意 指 導 を 行 う 必 要 があり,このような 指 導 を しても 改 善 が 見 られないときに 初 めて, 規 律 に 違 反 し, 職 場 秩 序 を 乱 したといえる から, 職 員 としてふさわしくない 非 行 があったとき 又 は 職 務 上 の 義 務 に 違 反 し, 又 は 職 務 を 怠 ったとき に 該 当 するというべきである しかし, 前 記 アのとお り, 被 告 は, 原 告 にこような 指 導 をすることなく, 支 部 へ 派 遣 し 続 けたのであるか ら, 支 部 から 苦 情 を 受 けたことが 各 懲 戒 事 由 に 該 当 するということはできないし, 少 なくとも 解 雇 とするのは 相 当 性 がないというべきである (6) 被 告 の 内 部 情 報 の 漏 洩 について 原 告 が 被 告 の 内 部 情 報 を 漏 洩 したことを 認 めるに 足 りる 証 拠 はない 乙 54,6 2は,いずれも 憶 測 に 基 づくものであり, 採 用 できない 3 本 件 解 雇 が 無 効 な 場 合 の 原 告 の 賃 金 請 求 権 以 上 から, 本 件 解 雇 は, 懲 戒 事 由 がなく(2(1)ないし(6)), 懲 戒 事 由 が あるとしても 相 当 性 がなく(2(3)(5)), 客 観 的 に 合 理 的 な 理 由 を 欠 き, 社 会 通 念 上 相 当 として 是 認 しえないから, 無 効 である したがって, 原 告 は, 本 件 解 雇 後 の 賃 金 請 求 権 を 失 わず, 平 成 13 年 12 月 以 降 毎 月 10 日 限 り45 万 0760 円 の 支 払 を 受 ける 賃 金 請 求 権, 及 び, 平 成 13 年 1 2 月 10 日 限 り107 万 0428 円 の 支 払 を 受 ける 冬 季 賞 与 請 求 権 を 失 わないとい うべきである なお, 特 殊 勤 務 手 当 は, 被 告 の 就 業 規 則 上, 出 張 を 命 じられて 刀 剣 を 携 帯 した 場 合 に 支 給 される 手 当 であるから( 甲 4), 被 告 の 出 張 命 令 がない 以 上, 原 告 にはその 受 給 権 はないというべきである 4 まとめ そうすると, 原 告 の 請 求 は, (1) 労 働 契 約 上 の 権 利 を 有 する 地 位 の 確 認, (2) 平 成 13 年 12 月 以 降 の 賃 金 請 求 のうち, 本 判 決 確 定 日 までに 履 行 期 が 到 来 する 賃 金 の 請 求 として, 平 成 13 年 12 月 から 本 判 決 確 定 日 まで, 毎 月 10 日 限 り45 万 0760 円 の 支 払, 及 び,これに 対 する 各 支 払 日 の 翌 日 から 支 払 済 みまで 民 法 所 定 の 年 5 分 の 割 合 による 遅 延 損 害 金 の 支 払, (3) 平 成 13 年 冬 季 賞 与 として107 万 0428 円, 及 びこれに 対 する 支 払 日 の 翌 日 である 平 成 13 年 12 月 11 日 から 支 払 済 みまで 民 法 所 定 の 年 5 分 の 割 合 に よる 遅 延 損 害 金 の 支 払 を 求 める 限 度 で 理 由 がある 以 上 の 次 第 で, 訴 訟 費 用 の 負 担 について 民 事 訴 訟 法 61 条,64 条 ただし 書 を 適 用 し, 主 文 のとおり 判 決 する 東 京 地 方 裁 判 所 民 事 第 19 部

裁 判 官 伊 藤 由 紀 子