2006 VOL.6 CONTENTS TEC ディナーセミナー 1 インタビュー 9 ITEC ニュース 12 同志社大学 技術 企業 国際競争力研究センター ニュースレター 第 2 回 TEC ディナーセミナー 日本の博士に未来はあるのか 開会の辞 中田 喜文 同志社大学大学院ビジネス研究科 総合政策科学研究科教授 ITEC センター長 こんにちは 本日はお忙しい中にもかかわらず お集まり いただきありがとうございます 今日は少し挑発的なタイトルで TEC ディナーセミナー を開催したいと思います おそらく 今日お集まりの方の半 分くらいは博士号をもっておられる方でしょうから 非常に 身につまされる話もあるかと思います 最近 中央教育審議 会から答申が出されました その答申の一部が非常に歪曲さ れ 本来のコンテキストから外れて伝わっているようです 多数の新聞が 論文博士はやめよう 日本には論文博士が 必要ない という趣旨で審議会答申のエッセンスを表してい たかと思います しかし よく読んでみますと まったく違っ たことが書かれています そういうものが必要ないというよ の中に含まれています 新聞紙上に表れたことがどうしてそ りは むしろ企業は今後もそういうものをうまく使って モ のような本来の趣旨から外れていたのかについて疑問が残り チベーションの向上をはかるべきだと そういう趣旨が答申 ますが 我々としては 良い機会ですから 少し議論をして みたいと思います TEC ディナーセミナーとは ITEC の研究員や関係研究員 が 行政の方や企業の方とともに 我々が今まさに考えてい ること 研究していることについて 活発に意見交換するた めの場であります 今回は 日本の将来のイノベーションを 担う博士号をもった方々を日本という社会はどのように遇し ていくべきなのか そして よりイノベイティブな社会に変 えて行くために 企業 行政 そして 大学は何をなすべき かについて 是非皆さんと議論してみたいと考えております 活発な議論となることを期待しています
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インタビュー して自分のビジネスモデルを組み立てていくほうがいいな と思いましたね Q 研究以外の活動にはどのようなものがありますか A 大阪産業創造館で法律セミナーとか知的財産セミナーと か一回 1,000 円でよくやっています 1 ヶ月におもしろそ うなのが 2 つくらいあります 社労士の話とか 売れる キャッチコピーの作り方とか そういうセミナー そこに 足しげく通っていると仲間ができて コミュニティーみた いなものができあがってくる 僕もひとつ勉強会みたいな ものをつくっていて 2 ヶ月に 1 回集まって 20 人くらい かな いろんなテーマで講師を招いて議論するという活動 を 2 年半くらいしています そこで入れ替わり立ち代り新 しい人が来て そういうネットワークはありますね Q 今後の展望は A ITEC に来てから研究がどんどんおもしろくなってきて いるんです 2004 年の 4 月に入ったときは経営学も経済 学も何もわからないし ましてや技術経営もわからなかっ 知り合って その年の 12 月にゴールイン 気の合う人と たけど NTT グループの Goo ラボなどを調べて論文を書 出会えば ことは早く進むものですね もちろん研究もが いているうちにいろいろわかるようになってきて 最近は んばりましたが 妻とどのような家庭を築いていくかにつ 特に京阪奈で地域クラスターに関する研究をやっていて いてもいろいろ考えました 今は第一子も誕生して 寝返 ああいう地域をつくっていくというのは人工知能研究者の りができたとか歯がはえてきたなど 愉快な毎日をおくっ 夢でもあるんですよ あれは知識の伝播なんですよ 僕ら ています から見れば 知識がうまく活かされるような空間というの しっかりした家庭を背景に 研究も集中して専念する気 はどういうものなのか それを支援する人工知能技術とい 力が生まれます そうしたなか編著の本も書き上げました うのはどうあるべきか その数理モデルは そういう 昔から家庭をもったら研究のパフォーマンスが落ちるので 研究はすごくおもしろいなと思います 僕の将来につ は と心配してたのですが 実際にはより創造的な研究 いてはいろいろな可能性が同時に存在しているような状態 ができそうな気がしますね やはり家庭の安心感というの です シリコンバレーに行きたいと思ってい ます UC がより創造的な野心的な研究へとかりたてるような気がし バークレーで同じかたちでできないかなと思ったりします ます そうした中 オープンイノベーションの研究や 地 Q 最後に 最近の オーバーポスドク問題 についてどの ようにお考えですか 域クラスターの研究を進めているのですが こうした研究 はほんとやってみてよかったと思いますね おかげで い A 京阪奈で地域クラスターに関する活動をやっていると ろんなことがわかりましたよ こういう研究活動はしない よく いい人いませんか と聞かれるんですよ どうい とだめですね ベンチャーしている人に 研究はしたほう う人がいいですか と聞き返すと たいてい 30 歳くら がいい と言いたいです それまでにも あきんど塾 な いの技術のことがしっかりわかっている人 あわよくば実 どいろいろなところでビジネスの話を聞いてきたつもりで 務経験のある人 という答えが返ってきます 実務経験は したが ITEC に入って技術経営やベンチャーに関する論 なくても少なくともポテンシャルのあるならいいという人 文を書くようになると 今まで全然見えてなかった新しい もけっこう多くて みんな優秀な人材をほしがっています ことが見えてくるんですね 僕は NTT グループが進める だから ポスドクの人たちは アカデミックコースだけで Goo ラボの案件で 5 回くらいヒアリングに行ったんです なくて いろんなところに目を開いてみてはどうですかね けど そのおりに顧客とのインタラクションが非常に重要 でも それにはそれなりの力がないとだめで 世の中に目 だということを改めて認識しました 実際にベンチャーを を開いて 少なくとも能力を高める努力をしないといけな 調べてみると やっぱり何らかの意味で顧客とインタラク いと思います ションをしているんですね そういうことをきっちり理解 同志社大学 技術 企業 国際競争力研究センター ITEC 2006 聞き手 Jacques Payet 河口 novelloo vol. 6 充勇 11
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