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Transcription:

参 考 資 料 小 説 講 義 坊 っ ち ゃ ん 文 学 賞 を 取 る 方 法 講 師 大 島 一 平 第 一 回 は じ め に 坊 っ ち ゃ ん 文 学 賞 と は 夏 目 漱 石 の 坊 っ ち ゃ ん は 漱 石 が 愛 媛 県 松 山 市 の 中 学 へ 教 師 と し て 赴 任 し た 経 験 か ら 書 い た ユ ー モ ア 小 説 で す 狸 赤 シ ャ ツ 野 だ い こ う ら な り 山 嵐 マ ド ン ナ と い う あ だ 名 で 呼 ば れ る 人 物 と 坊 っ ち ゃ ん と の 騒 が し い 一 ヶ 月 間 が 描 か れ て い ま す 舞 台 は 松 山 市 に な っ て い ま す が 小 説 の 中 身 は 漱 石 の 創 造 で す 松 山 市 は 1989 年 ( 平 成 元 年 ) に 市 制 100 周 年 を 記 念 し て 文 学 賞 を 創 設 す る 際 松 山 市 を 象 徴 す る 小 説 坊 っ ち ゃ ん の 名 を 借 り て 坊 っ ち ゃ ん 文 学 賞 と し ま し た 坊 っ ち ゃ ん 文 学 賞 は 隔 年 開 催 で す が 2011 年 の 第 12 回 募 集 で 23 年 間 続 い て い る こ と に な り 地 方 文 学 賞 と し て は 最 長 の 歴 史 を 持 ち 今 や 全 国 的 な 知 名 度 を 得 る に い た り ま し た 受 賞 者 か ら プ ロ の 作 家 に な っ た の は 敷 村 良 子 瀬 尾 ま い こ 大 沼 紀 子 ら が 挙 げ ら れ ま す 坊 っ ち ゃ ん 文 学 賞 の 応 募 傾 向 毎 回 1000 篇 前 後 の 応 募 が あ り ま す 前 回 の 第 11 回 募 集 は 1138 篇 で し た 最 初 の 頃 は 坊 っ ち ゃ ん の イ メ ー ジ か ら 男 性 の 応 募 が 多 か っ た の で す が 次 第 に 女 性 が ふ え て き ま し た 応 募 者 の 年 齢 を 前 回 の 例 で 見 て み ま す と 10 代 24 人 20 代 275 人 30 代 298 人 40 代 224 人 50 代 128 人 60 代 以 上 154 人 と な り ま す 圧 倒 的 に 20 代 か ら 40 代 の 応 募 者 が 多 く な っ て い ま す ち な み に 最 年 少 受 賞 者 は 17 歳 ( 第 8 回 浅 井 柑 ) 最 年 長 受 賞 者 は 53 歳 ( 第 7 回 鬼 丸 智 彦 ) で す ジ ャ ン ル を 問 わ な い 青 春 小 説 を テ ー マ に 掲 げ て い る の で 時 代 小 説 や SF 作 品 も 少 な く あ り ま せ ん が や は り 恋 愛 友 情 家 族 な ど 人 間 関 係 の 喜 怒 哀 楽 を 描 く 作 品 が 多 く な っ て い ま す 選 考 方 法 応 募 作 品 の す べ て を 審 査 し た 上 で 最 終 候 補 作 8 篇 が 選 ば れ る こ と に な り ま す そ し て 松 山 市 に 審 査 員 の 先 生 方 が 集 ま り 最 終 選 考 会 を 実 施 議 論 の 結 果 大 賞 1 篇 佳 作 2 篇 が 選 ば れ ま す 突 出 し た 作 品 が あ っ て あ っ さ り 決 ま っ た 回 も あ り ま す が 前 回 の よ う に 審 査 員 の 先 生 方 が 推 す 作 品 が ば ら ば ら に な り 予 定 時 間 を 越 - 1 -

え て 紛 糾 す る こ と も め ず ら し く あ り ま せ ん そ れ く ら い レ ベ ル の 高 い 作 品 が 集 ま る 文 学 賞 な の で す な お 最 終 候 補 作 に 残 っ た 応 募 者 は 最 終 選 考 会 当 日 松 山 市 に 招 待 さ れ 授 賞 式 に 臨 み ま す 授 賞 式 の 後 の パ ー テ ィ で は 受 賞 者 お よ び 惜 し く も 賞 に も れ た 者 も 審 査 員 の 先 生 方 か ら 直 接 講 評 を 聞 く こ と が で き ま す そ し て 大 賞 受 賞 作 は マ ガ ジ ン ハ ウ ス の 雑 誌 ク ウ ネ ル に 発 表 さ れ ま す ま た 受 賞 作 の 多 く は そ の 後 の 作 品 を 加 え て マ ガ ジ ン ハ ウ ス か ら 単 行 本 化 さ れ て い ま す 第 二 回 応 募 規 定 を 読 む 注 意 す る こ と 最 初 に し な け れ ば な ら な い こ と は 応 募 規 定 を き ち ん と 読 む こ と で す 原 稿 枚 数 は 400 字 換 算 で 80 枚 以 上 100 枚 以 内 で す 150 枚 も 書 い て く る 応 募 者 が い ま す が 多 め に 書 い た か ら 有 望 と い う こ と は あ り ま せ ん パ ソ コ ン ワ ー プ ロ 原 稿 と 指 定 さ れ て い る の に 手 書 き 原 稿 を 送 っ て く る 応 募 者 も け っ こ う い ま す が パ ソ コ ン を 持 っ て い な け れ ば 誰 か に 頼 ん で 入 力 し て も ら う ぐ ら い の こ と は 当 然 す べ き で す ま た 原 稿 用 紙 の マ ス に ワ ー プ ロ 印 字 を す る 応 募 者 が い ま す が 目 が ち ら ち ら し て 読 み に く い と 不 評 で す A4 大 の 白 紙 に 30 字 40 行 の 縦 書 き で プ リ ン ト ア ウ ト す る の が 基 本 で す 最 近 横 書 き の 応 募 原 稿 が ふ え て い ま す が こ れ も 不 評 で す ま た 同 じ 作 品 を 別 の 賞 に 応 募 す る 二 重 投 稿 は ど の 賞 で も 厳 禁 と さ れ て い ま す タ イ ト ル の 付 け 方 意 味 不 明 の タ イ ト ル 原 稿 が け っ こ う あ り ま す 内 容 を 読 め ば わ か る と 言 い た い の か も し れ ま せ ん が と ん で も な い と 思 い ま す 内 容 を き っ ち り す く い 上 げ る よ う な タ イ ト ル を 考 え る べ き と 思 い ま す む や み に 長 い タ イ ト ル も 避 け た ほ う が い い で し ょ う ペ ン ネ ー ム の 作 り 方 最 近 の 応 募 原 稿 に は 奇 妙 な ペ ン ネ ー ム が 多 く 見 受 け ら れ ま す 男 性 が 女 性 を か た っ た り そ の 逆 も あ り ま す 気 取 っ た ペ ン ネ ー ム を 考 え る く ら い な ら 原 稿 の 中 身 を 工 夫 し た り 推 敲 す る ほ う に 集 中 す べ き と 思 い ま す プ ロ の 作 家 を ご 覧 に な れ ば お わ か り と 思 い ま す 変 な ペ ン ネ ー ム の 人 は ま ず い な い で し ょ う 好 き な 人 の 姓 を 使 う と か 自 分 の 出 身 地 名 を 付 け る と か 名 前 を ひ ら が な に す る な ど の ほ う が 無 難 で す 変 な ペ ン ネ ー ム の 作 品 は 中 身 も よ く な い こ と が 多 い と 言 わ れ て い ま す あ ら す じ ( 梗 概 ) 最 も 大 切 な 部 分 で す き ち ん と し た あ ら す じ を 書 い て く る 応 募 者 は 半 分 く ら い し か い な い と 聞 い て い ま す あ ら す じ は 宣 伝 や 批 評 で は あ り ま せ ん さ わ り の 部 分 だ け 書 い て あ と は 読 ん で の お 楽 し み と い う の は あ ら す じ で は あ り ま - 2 -

せ ん さ て こ の 二 人 の 愛 の 行 方 は? 驚 愕 の 結 末 が 待 っ て い る な ど と 終 わ っ て い る の も ダ メ で す 最 初 か ら 結 末 ま で き ち ん と 書 く こ と ミ ス テ リ ー だ っ た ら 犯 人 や 動 機 ま で 書 く も の で す あ ら す じ が い い か げ ん な も の に い い 作 品 は ほ と ん ど あ り ま せ ん 選 考 委 員 は 新 鮮 な 作 品 を 求 め る 一 方 で 作 品 の あ ら 探 し を し て い る わ け で す か ら そ れ に ひ っ か か ら な い よ う に し た い も の で す 規 定 の 30 字 30 行 を き っ ち り 使 っ て 書 き ま し ょ う 第 三 回 テ ー マ の 決 め 方 青 春 小 説 と は 青 春 は 人 生 の 春 つ ま り 若 い 世 代 の こ と を い い ま す 何 歳 か ら 何 歳 ま で と は 決 め ら ま せ ん が 常 識 的 に は 10 代 前 半 か ら 30 代 後 半 と い う こ と に な る で し ょ う 応 募 作 品 の 中 に は 老 人 ホ ー ム で の 恋 愛 を 書 い た も の が た ま に あ り ま す が 小 説 と し て の 出 来 は と も か く 坊 っ ち ゃ ん 文 学 賞 に は ふ さ わ し く な い よ う に 思 い ま す 青 春 時 代 は 人 生 に お い て い ろ ん な 経 験 を し ま す み ず み ず し い 爽 や か な こ と も あ れ ば 残 酷 で 苦 し い こ と も あ り ま す 恋 愛 失 恋 セ ッ ク ス 友 情 絶 望 暴 力 親 と の 確 執 学 校 で の い じ め 自 傷 癖 な ど ど こ に 焦 点 を あ て ど う 書 く か を 考 え ま し ょ う 恋 愛 小 説 と は 応 募 原 稿 で 最 も 多 い の は 恋 愛 小 説 で す 恋 愛 小 説 で 大 事 な こ と は ま ず 出 会 い で す 出 会 い を 細 か く 書 く こ と を お す す め し ま す な ぜ そ の 人 に 惹 か れ た の か 姿 や 表 情 な ど を 読 者 に わ か る よ う に 描 き ま す 次 に 恋 愛 が 簡 単 に 進 行 し て し ま っ て は 小 説 に な り ま せ ん の で 必 ず 障 害 を 設 定 し ま す ラ イ バ ル の 登 場 だ っ た り 年 齢 差 だ っ た り す ん な り と い か な い 状 況 を 作 る こ と で 盛 り 上 が り ま す さ ら に 何 か 象 徴 的 な 景 色 や 小 物 を あ し ら う と 効 果 的 で す 例 え ば 花 果 物 ブ ロ ー チ 携 帯 電 話 の メ ー ル な ど が 使 え そ う な 気 が し ま す 自 分 の 体 験 か 取 材 か ほ と ん ど の 応 募 原 稿 は 自 分 の 体 験 を 基 に し て い る よ う で す 恋 愛 に 家 族 と の 確 執 や 学 校 で の 不 満 を 加 え た り す る 例 が 多 い よ う で す 体 験 は そ の ま ま 書 い て も 小 説 に は な り ま せ ん 想 像 を 膨 ら ま せ て 書 き 込 ん で い く 必 要 が あ り ま す そ う す る と 書 き 進 め る う ち に 主 人 公 が か っ て に 動 き 始 め る こ と に 気 づ く で し ょ う 予 想 も し な か っ た 方 向 へ 展 開 し て い き ま す そ れ が 小 説 を 書 く 面 白 さ で あ る と 言 っ て も い い で し ょ う 自 分 の 体 験 で は な く 他 人 の 体 験 を 書 く こ と も で き ま す こ れ は き ち ん と 取 材 し な け れ ば な り ま せ ん 例 え ば 珍 し い 体 験 を し た 人 に 話 を 聞 い て 自 分 の 体 験 の よ う に 小 説 化 す る こ と も 可 能 で す た だ し 聞 き 書 き を き ち ん と し な い と リ ア リ テ ィ が 薄 く な っ て し ま い ま す - 3 -

ミ ス テ リ ー か 時 代 小 説 か SF か こ の 三 つ の ジ ャ ン ル は 応 募 者 が 少 な い せ い か 最 終 候 補 作 に 残 っ た こ と は あ り ま す が 大 賞 を 受 賞 し た こ と は あ り ま せ ん だ か ら 挑 戦 し て み る 価 値 は あ る と 思 い ま す 例 え ば 恋 愛 小 説 に ミ ス テ リ ー を 持 ち 込 む こ と も 可 能 で す 選 考 委 員 を 引 っ 張 っ て 最 後 ま で 読 ま せ る た め に は ミ ス テ リ ー 的 要 素 が 必 要 か も し れ ま せ ん 時 代 小 説 は 松 本 清 張 の 短 篇 を 参 考 に す る と い い で し ょ う 非 常 に よ く 出 来 て い ま す か ら 自 分 も 書 い て み よ う か と い う 気 に さ せ ら れ ま す SF は 映 画 の バ ッ ク ト ゥ ザ フ ュ ー チ ャ ー み た い な も の が 考 え ら れ れ ば 坊 っ ち ゃ ん 文 学 賞 に ふ さ わ し い か も し れ ま せ ん 第 四 回 書 き 出 し の 方 法 何 度 も 書 き 直 せ 最 初 の 3 行 か ら 5 行 が 大 事 で す 選 考 委 員 に お っ と 思 わ せ る 工 夫 が 必 要 で す プ ロ の 作 家 で さ え 何 度 も 書 き 出 し を 考 え て 書 き 直 し て い る く ら い で す か ら 素 人 は 最 低 で も 10 回 は 書 き 出 し を 書 き 直 す べ き と 思 い ま す と い っ て も 書 き 出 し は そ の 小 説 全 体 の 空 気 を 伝 え る も の で す か ら 大 げ さ に 文 章 を ひ ね く る 必 要 は あ り ま せ ん ま た 100 枚 く ら い の 小 説 で す か ら プ ロ ロ ー グ な ど は 必 要 あ り ま せ ん し 第 1 章 第 2 章 な ど と い う 章 だ て も い ら な い と 思 い ま す 区 切 り が 必 要 な と き は 一 行 あ け る か 一 二 三 で す ま す ほ う が よ い と 思 い ま す 最 初 の 10 ペ ー ジ で 決 ま る 100 枚 程 度 の 小 説 は あ ら す じ と 最 初 の 10 ペ ー ジ ( 400 字 換 算 で 30 枚 ) で だ い た い レ ベ ル が わ か り ま す と い う こ と は 逆 に 10 ペ ー ジ 以 上 読 ま せ る こ と を 考 え れ ば い い の で す 10 ペ ー ジ 読 ん で も 主 人 公 が 出 て こ な い 応 募 作 も あ る よ う で す が そ ん な 作 品 が 予 選 を 通 る は ず が な い と 思 い ま す ま た え ん え ん と 風 景 描 写 を 書 く 応 募 者 も 多 い よ う で す が こ れ も 失 格 で し ょ う 書 き 出 し の 3 行 ~ 5 行 と 最 初 の 10 ペ ー ジ ま ず は こ れ に 集 中 す る べ き で し ょ う 早 め に 核 心 に 入 れ ミ ス テ リ ー の 鉄 則 に 早 め に 殺 人 事 件 を 出 せ と い う の が あ り ま す が 普 通 の 小 説 で も 同 じ こ と が 言 え ま す 小 説 の 核 心 と な る 部 分 を 早 め に 出 さ な い と 選 考 委 員 は 退 屈 し て し ま い ま す 恋 愛 小 説 な ら い き な り 出 会 い の シ ー ン か ら 始 め て も よ い の で は な い で し ょ う か 家 族 も の だ っ た ら 例 え ば 母 が 出 奔 し た の は 私 が 六 歳 の と き だ っ た と い う よ う に 書 く の も い い で し ょ う 最 初 の 10 ペ ー ジ で 作 品 の レ ベ ル が わ か っ て し ま う と い う の で す か ら そ の 小 説 の 核 と な る 部 分 を 早 め に 出 し て 選 考 委 員 の 興 味 を 引 か な け れ ば な り ま せ ん ち ゃ ん と 最 後 ま で 読 ん で も ら え れ ば わ か る は ず - 4 -

な ど と 悠 長 な こ と を 言 っ て る 場 合 で は な い の で す プ ロ の 書 き 出 し の 例 こ れ は あ る 精 神 病 院 の 患 者 第 二 十 三 号 が だ れ に で も し ゃ べ る 話 で あ る 彼 は も う 三 十 を 越 し て い る で あ ろ う が 一 見 し た と こ ろ は い か に も 若 々 し い 狂 人 で あ る ( 芥 川 龍 之 介 河 童 ) ( 寸 評 ) 第 二 十 三 号 の 若 々 し い 狂 人 と い う 言 葉 が 新 鮮 で す 彼 は こ れ か ら ど ん な 話 を し 始 め る の だ ろ う か と 読 み 手 を 引 っ 張 り ま す 子 供 よ り 親 が 大 事 と 思 い た い 子 供 の た め に な ど と 古 風 な 道 学 者 み た い な 事 を 殊 勝 ら し く 考 え て み て も 何 子 供 よ り も そ の 親 の ほ う が 弱 い の だ ( 太 宰 治 桜 桃 ) ( 寸 評 ) 有 名 な 書 き 出 し で す 世 間 の 常 識 を ひ っ く り 返 え し ま す え っ ど う し て? と 読 者 に 思 わ せ る 戦 略 で す 私 は 北 九 州 の あ る 小 学 校 で こ ん な 歌 を 習 っ た 事 が あ っ た 更 け ゆ く 秋 の 夜 の 旅 の 空 の 侘 し き 思 い に 一 人 な や む 恋 し や 古 里 な つ か し 父 母 私 は 宿 命 的 に 放 浪 者 で あ る 私 は 古 里 を 持 た な い ( 林 芙 美 子 放 浪 記 ) ( 寸 評 ) 旅 愁 と い う 歌 を 引 用 し 古 里 を 持 た な い と 逆 転 さ せ る 方 法 で 著 者 の 強 い 意 思 が 伝 わ っ て き ま す お い 地 獄 さ 行 ぐ ん だ で! ( 小 林 多 喜 二 蟹 工 船 ) ( 寸 評 ) 会 話 で 始 ま る 書 き 出 し で す 地 獄 へ 行 く と い う 言 葉 で 蟹 漁 が い か に 過 酷 な 仕 事 で あ る か が わ か り ま す 龍 哉 が 強 く 英 子 に 魅 か れ た の は 彼 が 拳 闘 に 魅 か れ る 気 持 と 同 じ よ う な も の が あ っ た そ れ は リ ン グ で 叩 き の め さ れ る 瞬 間 抵 抗 さ れ る 人 間 だ け が 感 じ る あ の 一 種 驚 愕 の 入 り 混 じ っ た 快 感 に 通 じ る も の が 確 か に あ っ た ( 石 原 慎 太 郎 太 陽 の 季 節 ) ( 寸 評 ) 女 性 と の 出 会 い を ボ ク シ ン グ に た と え た 意 外 性 が 素 晴 ら し い な ん と な く 何 事 か 起 こ り そ う な 気 配 と い う も の が あ っ て そ ん な 感 じ が あ た し は 好 き だ 風 の 強 い 晩 だ と か 急 に 空 が 暗 く な る 午 後 だ と か 新 聞 で た て つ づ け に 大 き な 事 故 が 報 じ ら れ る と か そ ん な 不 吉 で 凶 々 し い 予 感 の す る 時 と い う も の が あ っ て そ ん な 時 あ た し は な ぜ か ふ っ と 生 気 を お び そ わ そ わ と 嬉 し く な る の だ か ら 不 思 議 な 気 が す る ( 五 木 寛 之 こ が ね 虫 た ち の 夜 ) ( 寸 評 ) 不 穏 な 雰 囲 気 の 書 き 出 し で こ れ か ら 何 が 起 こ る だ ろ う か と 読 者 の 興 味 を 引 き ま す 道 が つ づ ら 折 り に な っ て い よ い よ 天 城 峠 に 近 づ い た と 思 う 頃 - 5 -

雨 脚 が 杉 の 密 林 を 白 く 染 め な が ら す さ ま じ い 早 さ で 麓 か ら 私 を 追 っ て 来 た ( 川 端 康 成 伊 豆 の 踊 子 ) ( 寸 評 ) わ ず か な 字 数 で 大 き な 自 然 を ざ っ く り と 捉 え て い ま す 無 駄 な 言 葉 が な い の で す 第 五 回 文 章 表 現 の 方 法 陳 腐 な 慣 用 表 現 は 使 う な 文 章 は 形 容 詞 か ら 腐 る と 言 っ た の は 開 高 健 で す 形 容 詞 は 修 飾 語 で す か ら 使 い 過 ぎ る と 文 章 を イ ヤ ミ な 感 じ に さ せ て し ま う つ ま り 文 章 は 飾 り す ぎ る な と い う こ と で す 比 喩 も 注 意 す べ き で す 幽 霊 の よ う な 鬼 の よ う な こ の 世 の 終 わ り の よ う な 光 景 と い っ た 陳 腐 な 表 現 は 使 わ な い こ と 幽 霊 で も 鬼 で も 種 類 が あ る は ず だ か ら 曖 昧 に せ ず 自 分 の 実 感 を 表 現 す る よ う に 心 が け る べ き で す 村 上 春 樹 の 比 喩 を 真 似 よ う と し て い る 応 募 作 が 見 受 け ら れ ま す が こ れ は マ イ ナ ス で す 村 上 春 樹 の 比 喩 は 背 後 に ア メ リ カ 文 学 に た い す る 教 養 が 蓄 積 さ れ て い る か ら 納 得 で き る も の な の で す 漱 石 の 坊 っ ち ゃ ん の 中 に 面 白 い 比 喩 が あ る か ら 紹 介 し て お き ま し ょ う 坊 っ ち ゃ ん が 初 め て マ ド ン ナ を 見 た と き の 表 現 で す お れ は 美 人 の 形 容 な ど が 出 来 る 男 で な い か ら 何 に も 云 え な い が 全 く 美 人 に 相 違 な い 何 だ か 水 晶 の 珠 を 香 水 で 暖 た め て 掌 へ 握 っ て み た よ う な 心 持 ち が し た 実 に ユ ー モ ア 小 説 ら し い 比 喩 で は な い で し ょ う か 視 点 を ず ら す な 男 性 の 主 人 公 の 視 点 で 始 ま っ た 小 説 が 女 性 と 会 話 を す る う ち に い つ の ま に か 女 性 の 視 点 に 変 わ っ て し ま う と い う ケ ー ス が よ く あ り ま す 一 行 あ け と か が あ っ て こ こ か ら は 女 性 の 視 点 で す よ と い う 合 図 も あ り ま せ ん こ れ は 書 い て い る う ち に 視 点 が ね じ れ て し ま っ た も の で あ き ら か に 推 敲 不 足 で す 長 い 文 章 は ね じ れ や す い の で 文 節 を 短 く す る と い い と 思 い ま す 一 人 称 で 書 く か 三 人 称 で 書 く か も 事 前 に 決 め て お か な く て は な り ま せ ん ま た 三 人 称 で 書 い た と し て も 特 定 の 主 人 公 の 視 線 や 心 理 に 寄 り 添 っ て 小 説 を 進 め る の が い い と 思 い ま す 神 の 視 点 と い っ て 登 場 人 物 を 上 か ら 見 る よ う に 平 等 に 扱 う 方 法 も あ り ま す が こ れ は 難 し い し 短 篇 向 き と は い え ま せ ん 100 枚 く ら い の 小 説 で す か ら 視 点 は 最 後 ま で ず ら さ な い ほ う が い い で し ょ う し か し そ し て は 削 れ 接 続 詞 は た い が い の 場 合 削 っ て も 意 味 は 通 じ ま す し か し そ し て だ が な ど が 続 く と う る さ い 駄 文 に な り が ち で す 思 い 切 っ て 全 部 削 っ て み て く だ さ い す っ き り し ま す か ら - 6 -

ま た 私 は 僕 は な ど の 主 語 も で き る だ け 削 っ た ほ う が い い で し ょ う 主 語 を 繰 り 返 さ な い と 不 安 な の か も し れ ま せ ん が 省 略 し た ほ う が 文 章 が 締 ま り ま す さ ら に 言 え ば ~ の よ う な ~ と い う は で き る だ け 減 ら す よ う に す る と い い で し ょ う ど う し て も 使 わ な け れ ば な ら な い 場 合 は 仕 方 が あ り ま せ ん が 別 の 言 い 方 が で き な い か を 考 え て み ま し ょ う 音 読 の す す め 書 き 終 わ っ た ら 声 に 出 し て 読 ん で み る こ と も 大 切 で す ひ っ か か る 部 分 が あ れ ば そ こ は 文 章 が お か し い と い う こ と で す か ら 書 き 直 し ま す 100 枚 全 部 音 読 し て み ま す か な り 文 章 が 上 手 な 人 で も 10 ヵ 所 く ら い は 声 が つ か え る と こ ろ が あ る は ず で す 第 六 回 書 き 直 し を 恐 れ る な 推 敲 あ る の み 小 説 の レ ベ ル を 上 げ る に は 推 敲 し か あ り ま せ ん 一 度 書 い た も の は 書 き 直 し た く な い と い う の は 単 な る 傲 慢 で す 現 在 プ ロ で 活 躍 し て い る 作 家 た ち も 編 集 者 に 何 度 も 書 き 直 し を さ せ ら れ た 経 験 が あ る は ず で す こ れ を 書 い て い る 筆 者 自 身 も 週 刊 誌 の 記 者 だ っ た こ ろ 上 司 か ら 何 度 も 書 き 直 し を 命 じ ら れ ま し た 多 い と き は 4 回 も 書 き 直 し ま し た 屈 辱 感 と 悔 し さ で 泣 き た い ほ ど で し た 文 章 は 書 き 直 せ ば 必 ず よ く な り ま す ス ポ ー ツ と 同 じ で す 練 習 し な け れ ば う ま く な ら な い の で す イ チ ロ ー や 松 井 秀 喜 は 生 ま れ つ き の 天 才 で す そ れ で も 厳 し い 練 習 を し て い ま す 才 能 が あ る か ど う か わ か ら な い 人 間 が 練 習 し な く て ど う す る の で し ょ う か 素 人 で も 練 習 を 重 ね て い け ば 甲 子 園 に 出 る く ら い に は な れ る の で す 文 章 に お け る 推 敲 は 練 習 で す ど ん ど ん 書 き 直 す べ き 場 合 に よ っ て は 最 初 か ら 書 き 直 し た ほ う が い い 場 合 も あ る の で す 誰 か に 読 ん で も ら え ど こ を 書 き 直 し て い い の か わ か ら な い と き は 本 好 き の 誰 か に 読 ん で も ら い 指 摘 さ れ た 部 分 を 書 き 直 す の が い い で し ょ う 複 数 の 人 間 に 読 ん で も ら い 全 員 が 面 白 く な い と 言 っ た ら そ の テ ー マ を 捨 て 別 な テ ー マ で 書 き 直 し た ほ う が い い か も し れ ま せ ん そ う 簡 単 に 1000 分 の 8 に は な れ な い し 1000 分 の 1 は さ ら に 難 し い 運 も あ り ま す が 予 備 選 考 を 突 破 す る た め に は 努 力 を 惜 し ん で い て は 無 理 と い う も の で す 第 七 回 終 わ り に 一 度 落 ち て も 諦 め る な 一 回 応 募 し て 落 ち て も 何 度 で も 挑 戦 す る 気 持 ち が 必 要 で す 現 実 に 坊 っ ち ゃ ん 文 学 賞 に 何 度 も 応 募 し 最 終 候 補 に 二 回 な っ た 人 が い ま す 今 一 歩 足 り な - 7 -

か っ た の か 運 が な か っ た の か わ か り ま せ ん が 諦 め な い 精 神 を 評 価 し た い と 思 い ま す ま た 最 終 候 補 に 残 っ て 受 賞 で き な か っ た 人 で の ち に 直 木 賞 を 受 賞 し た 人 が い ま す 現 在 名 を な し て い る 作 家 も あ ま り 語 り た が ら な い け れ ど 10 回 も 新 人 賞 に 応 募 し て や っ と 受 賞 し た 人 も い る の で す 諦 め て は い け ま せ ん と に か く 書 き な さ い 読 み な さ い 必 ず チ ャ ン ス は く る と 信 じ る こ と が 大 切 で す 講 師 プ ロ フ ィ ー ル 大 島 一 洋 ( お お し ま い ち よ う ) 編 集 プ ロ デ ュ ー サ ー 1943 年 岐 阜 県 生 ま れ 早 稲 田 大 学 第 一 文 学 部 美 術 専 修 科 卒 1968 年 平 凡 出 版 ( 現 マ ガ ジ ン ハ ウ ス ) 入 社 週 刊 平 凡 平 凡 パ ン チ ダ カ ー ポ 編 集 部 を 経 て 文 芸 誌 鳩 よ! 編 集 長 2005 年 に 定 年 退 職 坊 っ ち ゃ ん 文 学 賞 に は 鳩 よ! 時 代 か ら か か わ っ て い る - 8 -