(7) 就 業 規 則 の 必 要 記 載 事 項 必 ず 記 載 しなければならない 事 項 ( 労 基 法 89 条 1 号 ~3 号 ) 1 始 業 終 業 時 刻 休 憩 時 間 休 日 休 暇 交 替 制 勤 務 をさせる 場 合 は 就 業 時 転 換 に 関 する 事 項 2 賃 金 の 決 定 計 算 及 び 支 払 の 方 法 賃 金 の 締 切 り 及 び 支 払 の 時 期 並 びに 昇 給 に 関 する 事 項 3 退 職 に 関 する 事 項 ( 解 雇 の 事 由 を 含 む) 定 めをする 場 合 には 記 載 しなければならない 事 項 ( 労 基 法 89 条 3 号 の2~10 号 ) 1 退 職 手 当 4 安 全 衛 生 に 関 する 事 項 7 表 彰 制 裁 2 手 当 賞 与 最 低 賃 金 5 職 業 訓 練 に 関 する 事 項 8その 他 全 労 働 者 に 適 用 される 事 項 3 食 費 作 業 用 品 費 等 負 担 6 災 害 補 償 業 務 外 の 傷 病 扶 助 (8) パートタイム 労 働 者 就 業 規 則 の 作 成 就 業 規 則 は 通 常 の 労 働 者 ばかりでなく パートタイム 労 働 者 も 含 む 全 ての 労 働 者 に 適 用 され ますので それぞれに 異 なった 事 項 がある 場 合 には 就 業 規 則 の 中 に 特 別 な 規 定 を 盛 り 込 むか パートタイム 労 働 者 用 の 就 業 規 則 を 作 成 する 必 要 があります ( 規 則 例 :60 頁 ~ 参 照 ) 2 退 職 解 雇 継 続 雇 用 退 職 についての 定 めはあるか 解 雇 についての 定 めはあるか 定 年 は60 歳 を 下 回 っていないか 高 年 齢 者 の 継 続 雇 用 制 度 はあるか 退 職 金 を 支 給 する 場 合 は 定 めがあるか (1) 退 職 解 雇 の 定 め 退 職 解 雇 は 労 働 契 約 の 終 了 を 意 味 する 重 要 な 事 項 であり 退 職 ( 解 雇 を 含 む)に 関 する 定 めは 就 業 規 則 の 必 要 記 載 事 項 とされています( 労 基 法 89 条 3 号 ) (2) 退 職 期 間 の 定 めのない 労 働 契 約 の 場 合 労 働 者 はいつでも 解 約 の 申 入 れをすることができますが 就 業 規 則 で 退 職 の 手 続 について 定 める 場 合 民 法 では 雇 用 は 解 約 の 申 入 れの 日 から2 週 間 を 経 過 することによって 終 了 する ( 民 法 627 条 1 項 )と 定 められており 解 約 の 申 し 入 れ 後 2 週 間 を 経 過 することによって 自 動 的 に 終 了 することとされているので 留 意 が 必 要 です ただし 報 酬 が 月 給 制 など 期 間 をもって 定 められているときは 解 約 は 次 期 以 降 に 対 して 行 うこ とができ その 申 入 れは 当 期 の 前 半 に 行 わなければならないとされています( 民 法 627 条 2 項 ) 申 出 期 間 をこれより 長 くする 場 合 は 合 理 的 な 理 由 が 必 要 といえます (3) 解 雇 法 令 上 解 雇 について 使 用 者 が 最 低 限 守 るべき 基 準 は 次 のように 定 められています 1 解 雇 は 客 観 的 に 合 理 的 な 理 由 を 欠 き 社 会 通 念 上 相 当 であると 認 められない 場 合 には その 権 利 を 濫 用 したものとして 無 効 とする( 労 働 契 約 法 16 条 ) 2 使 用 者 が 労 働 者 を 解 雇 しようとする 場 合 には 少 なくとも30 日 前 に 予 告 するか 30 日 分 以 上 の - 2 -
平 均 賃 金 を 支 払 わなければならない この 予 告 日 数 は 平 均 賃 金 を 支 払 った 日 数 分 短 縮 される( 労 基 法 20 条 ) 3 試 用 期 間 中 の 労 働 者 であっても 14 日 を 超 えて 雇 用 された 場 合 は 上 記 2の 予 告 の 手 続 きが 必 要 である( 労 基 法 21 条 ) 4 例 外 として 天 災 事 変 その 他 やむを 得 ない 事 由 のために 事 業 の 継 続 が 不 可 能 となった 場 合 又 は 労 働 者 の 責 に 帰 すべき 事 由 による 解 雇 であると 労 働 基 準 監 督 署 長 の 認 定 を 受 けた 場 合 は 上 記 2の 予 告 手 続 きが 除 外 される( 労 基 法 20 条 ) 5 労 働 者 が 業 務 上 災 害 による 負 傷 疾 病 の 療 養 のために 休 業 している 期 間 及 びその 後 30 日 間 並 びに 産 前 産 後 の 女 性 が 休 業 する 期 間 及 びその 後 30 日 間 は 解 雇 できない ただし 療 養 開 始 後 3 年 を 経 過 し 打 切 補 償 を 支 払 う 場 合 又 は 天 災 事 変 その 他 やむを 得 ない 事 由 のために 事 業 の 継 続 が 不 可 能 となった 場 合 ( 労 働 基 準 監 督 署 長 の 認 定 が 必 要 )は 解 雇 できる( 労 基 法 19 条 ) 6 育 児 介 護 休 業 を 取 得 したこと 等 を 理 由 に 解 雇 その 他 不 利 益 な 取 扱 いをしてはならない( 育 介 法 10 条 16 条 16 条 の4 16 条 の7 16 条 の9 18 条 の2 20 条 の2 23 条 の2) 7 婚 姻 妊 娠 出 産 等 を 理 由 とする 解 雇 その 他 不 利 益 な 取 扱 いをしてはならない( 均 等 法 9 条 3 項 ) 8 解 雇 についての 事 前 の 予 測 可 能 性 を 高 めるため 就 業 規 則 には 解 雇 の 事 由 手 続 き 等 をあら かじめ 定 めておくことが 必 要 である( 労 基 法 89 条 3 号 ) (4) 定 年 制 及 び 継 続 雇 用 制 度 定 年 制 とは 労 働 者 が 一 定 の 年 齢 に 達 したときに 労 働 契 約 が 終 了 する 制 度 です 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 では 定 年 年 齢 は 原 則 として60 歳 を 下 回 ることができないと 定 め 60 歳 未 満 の 定 年 制 を 定 めることはできません(ただし 一 部 例 外 あり)( 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 8 条 ) また 60 歳 定 年 後 の 高 年 齢 者 が 少 なくとも 年 金 支 給 開 始 年 齢 までは 意 欲 と 能 力 のある 限 り 働 き 続 けることができるよう 次 のいずれかの 措 置 ( 高 年 齢 者 雇 用 確 保 措 置 )を 講 じなければなりま せん( 高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 9 条 ) 1 定 年 の 引 上 げ 2 継 続 雇 用 制 度 の 導 入 ( 現 に 雇 用 している 高 年 齢 者 が 希 望 する 時 は 当 該 高 年 齢 者 をその 定 年 後 も 引 き 続 いて 雇 用 する 制 度 の 導 入 ) 3 定 年 の 定 めの 廃 止 就 業 規 則 例 1 定 年 の 引 上 げを 行 う 場 合 第 条 従 業 員 の 定 年 は 満 65 歳 とし 65 歳 に 達 した 月 の 末 日 をもって 退 職 とする 2 継 続 雇 用 制 度 を 導 入 する 場 合 第 条 従 業 員 の 定 年 は 満 60 歳 とし 60 歳 に 達 した 月 の 末 日 をもって 退 職 とする ただし 定 年 に 達 した 者 から 引 き 続 き 勤 務 を 希 望 する 申 出 があったときは 希 望 者 全 員 を 嘱 託 として 定 年 退 職 日 の 翌 日 から 満 65 歳 まで 再 雇 用 する 3 定 年 の 定 めを 廃 止 する 場 合 就 業 規 則 から 定 年 に 関 する 記 載 を 削 除 - 3 -
2の 継 続 雇 用 制 度 には 定 年 年 齢 が 設 定 されたまま その 定 年 年 齢 に 達 した 者 を 退 職 させることなく 引 き 続 き 雇 用 する 勤 務 延 長 制 度 と 定 年 年 齢 に 達 した 者 をいったん 退 職 させた 後 再 び 雇 用 する 再 雇 用 制 度 の2つの 制 度 があります 雇 用 条 件 については 高 年 齢 者 の 安 定 した 雇 用 の 確 保 が 図 られるものであれば 必 ずしも 労 働 者 の 希 望 に 合 致 した 職 種 労 働 条 件 による 雇 用 を 求 めているものではありません また 常 用 雇 用 のみなら ず 短 時 間 勤 務 や 隔 日 勤 務 なども 含 みますので 企 業 の 実 情 にあった 制 度 を 導 入 しましょう なお 事 業 主 は 労 使 協 定 により 継 続 雇 用 制 度 の 対 象 となる 高 年 齢 者 の 基 準 を 定 めることによって 継 続 雇 用 制 度 の 対 象 者 を 限 定 できるという 例 外 措 置 がありましたが 平 成 24 年 8 月 の 法 改 正 により こ の 例 外 措 置 は 廃 止 されました 事 業 主 は 平 成 25 年 4 月 1 日 から 継 続 雇 用 の 対 象 となる 高 年 齢 者 が 希 望 すれば その 全 員 を 再 雇 用 する 旨 の 制 度 を 導 入 しなければなりません ただし これには 経 過 措 置 が 設 けられ 継 続 雇 用 の 対 象 となる 高 年 齢 者 の 再 雇 用 について 基 準 を 定 めていた 場 合 は 以 下 の 期 間 に 応 じて 指 定 された 年 齢 以 上 の 労 働 者 については 引 き 続 きその 基 準 を 有 効 とするものとされました 平 成 25 年 4 月 1 日 ~ 平 成 28 年 3 月 31 日 :61 歳 以 上 の 者 平 成 28 年 4 月 1 日 ~ 平 成 31 年 3 月 31 日 :62 歳 以 上 の 者 平 成 31 年 4 月 1 日 ~ 平 成 34 年 3 月 31 日 :63 歳 以 上 の 者 平 成 34 年 4 月 1 日 ~ 平 成 37 年 3 月 31 日 :64 歳 以 上 の 者 - 4 -
労 使 協 定 例 株 式 会 社 と 労 働 組 合 は 定 年 後 の 継 続 雇 用 制 度 の 対 象 者 の 取 扱 方 法 に 関 し 次 のとおり 労 使 協 定 を 締 結 する 1 定 年 は 当 社 就 業 規 則 の 定 めによるが 定 年 後 も 継 続 的 に 働 くことを 希 望 する 者 については 年 ご との 契 約 更 新 により 満 65 歳 に 達 する 日 の 月 の 末 日 までの 再 雇 用 ( 以 下 継 続 雇 用 をいう)をす るものとする 2 会 社 は 定 年 予 定 年 前 の 該 当 者 全 員 に 通 知 を 行 い 本 人 の 申 出 により 前 条 の 継 続 雇 用 について 面 談 指 導 を 行 うものとする 3 会 社 は 定 年 予 定 日 の か 月 前 までに 第 1 条 の 継 続 雇 用 の 基 準 等 の 事 実 を 本 人 に 開 示 し 継 続 雇 用 の 可 否 を 本 人 に 通 知 するものとする 4 会 社 は 継 続 雇 用 を 通 知 した 者 について 定 年 予 定 日 の か 月 前 までに 継 続 雇 用 に 係 る 労 働 条 件 等 について 本 人 と 協 議 し 労 働 条 件 通 知 書 等 を 交 付 する 5 本 協 定 書 の 有 効 期 間 は 平 成 年 月 日 から 平 成 年 月 日 までとする ただし 有 効 期 間 満 了 の1か 月 前 までに 会 社 組 合 いずれからも 申 出 がないときには さらに1 年 間 有 効 期 間 を 延 長 するものとし 以 降 も 同 様 とする 平 成 年 月 日 株 式 会 社 取 締 役 総 務 部 長 印 労 働 組 合 執 行 委 員 長 印 ( 厚 生 労 働 省 ホームページより 抜 粋 ) - 5 -
(5) 退 職 金 退 職 金 は 労 働 基 準 法 では 定 めをする 場 合 には 記 載 しなければならない 事 項 とされています 退 職 金 について 定 めをする 場 合 は 就 業 規 則 に 次 の 事 項 を 記 載 しなければなりません( 労 基 法 89 条 3 号 の2) 1 適 用 される 労 働 者 の 範 囲 2 退 職 金 の 決 定 計 算 及 び 支 払 の 方 法 3 退 職 金 の 支 払 の 時 期 退 職 手 当 について 不 支 給 事 由 又 は 減 額 事 由 を 設 ける 場 合 には 上 記 に 該 当 するので 就 業 規 則 に 記 載 する 必 要 があります( 平 11.3.31 基 発 168 号 ) 退 職 金 の 請 求 権 は 5 年 間 行 使 しない 場 合 は 時 効 によって 消 滅 します( 労 基 法 115 条 ) (6) 退 職 時 等 の 証 明 1 労 働 者 が 退 職 の 場 合 に 使 用 期 間 業 務 の 種 類 地 位 賃 金 又 は 退 職 の 事 由 ( 退 職 の 事 由 が 解 雇 の 場 合 は その 理 由 を 含 む )についての 証 明 書 を 請 求 した 場 合 は 使 用 者 は 遅 滞 なく 交 付 しなければなりません( 労 基 法 22 条 1 項 ) 2 労 働 者 が 解 雇 の 予 告 がされた 日 から 退 職 の 日 までの 間 に 当 該 解 雇 の 理 由 について 証 明 書 を 請 求 した 場 合 は 使 用 者 は 遅 滞 なく 交 付 しなければなりません( 労 基 法 22 条 2 項 ) この 証 明 書 には いずれも 労 働 者 の 請 求 しない 事 項 を 記 入 してはなりません 退 職 証 明 書 モデル 様 式 退 職 証 明 書 別 紙 殿 以 下 の 事 由 により あなたは 当 社 を 年 月 日 に 退 職 したことを 証 明 します ア 天 災 その 他 やむを 得 ない 理 由 ( 具 体 的 には になったこと)による 解 雇 によって 当 社 の 事 業 の 継 続 が 不 可 能 事 業 主 氏 名 又 は 名 称 使 用 者 職 氏 名 年 月 日 イ 事 業 縮 小 等 当 社 の 都 合 ( 具 体 的 には 当 社 が となったこと)による 解 雇 ウ 職 務 命 令 に 対 する 重 大 な 違 反 行 為 ( 具 体 的 には あな たが したこと)に 1 あなたの 自 己 都 合 による 退 職 (2を 除 く ) 2 当 社 の 勧 奨 による 退 職 3 定 年 による 退 職 4 契 約 期 間 の 満 了 による 退 職 5 移 籍 出 向 による 退 職 6 その 他 ( 具 体 的 には )による 退 職 7 解 雇 ( 別 紙 の 理 由 による ) よる 解 雇 エ 業 務 について 不 正 な 行 為 ( 具 体 的 には あなたが オ 相 当 長 期 間 にわたる 無 断 欠 勤 をしたこと 等 勤 務 不 良 で あること( 具 体 的 には あなたが カ その 他 ( 具 体 的 には )による 解 雇 該 当 する 番 号 に を 付 けること 解 雇 された 労 働 者 が 解 雇 の 理 由 を 請 求 しない 場 合 には 7の ( 別 紙 の 理 由 による) を 二 重 線 で 消 し 別 紙 は 交 付 しないこ と 該 当 するものに を 付 け 具 体 的 な 理 由 等 を( )の 中 に 記 入 すること - 6 -
解 雇 理 由 証 明 書 モデル 様 式 解 雇 理 由 証 明 書 殿 当 社 が 年 月 日 付 けであなたに 予 告 した 解 雇 については 以 下 の 理 由 によるものであることを 証 明 します 事 業 主 氏 名 又 は 名 称 使 用 者 職 氏 名 年 月 日 [ 解 雇 理 由 ] 1 2 1 天 災 その 他 やむを 得 ない 理 由 ( 具 体 的 には によって 当 社 の 事 業 の 継 続 が 不 可 能 となったこと)による 解 雇 2 事 業 縮 小 等 当 社 の 都 合 ( 具 体 的 には 当 社 が となったこと)による 解 雇 3 職 務 命 令 に 対 する 重 大 な 違 反 行 為 ( 具 体 的 には あなたが 4 業 務 について 不 正 な 行 為 ( 具 体 的 には あなたが 5 勤 務 態 度 又 は 勤 務 成 績 が 不 良 であること( 具 体 的 には あなたが 6 その 他 ( 具 体 的 には )による 解 雇 1 該 当 するものに を 付 け 具 体 的 な 理 由 等 を( )の 中 に 記 入 すること 2 就 業 規 則 の 作 成 を 義 務 付 けられている 事 業 場 においては 上 記 解 雇 理 由 の 記 載 例 にかかわらず 当 該 就 業 規 則 に 記 載 された 解 雇 の 事 由 のうち 該 当 するものを 記 載 すること - 7 -