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< 第 1 編 地 震 による 被 害 > 地 震 による 被 害 とは 地 震 により 地 震 力 が 作 用 することによる 住 家 の 損 傷 及 び 地 震 に 伴 う 液 状 化 等 の 地 盤 被 害 による 住 家 の 損 傷 をいう 地 震 により 被 災 した 住 家 に 対 する 被 害 調 査 は 第 1 次 調 査 第 2 次 調 査 の2 段 階 で 実 施 する( 調 査 棟 数 が 少 ない 場 合 等 においては 第 1 次 調 査 を 実 施 せず 第 2 次 調 査 から 実 施 することも 考 え られる) 第 1 次 調 査 は 外 観 目 視 調 査 により 外 観 の 損 傷 状 況 の 目 視 による 把 握 建 物 の 傾 斜 の 計 測 及 び 住 家 の 主 要 な 構 成 要 素 ( 外 観 から 調 査 可 能 な 部 位 に 限 る)ごとの 損 傷 程 度 等 の 目 視 による 把 握 を 行 う 調 査 により 把 握 した 住 家 の 外 観 の 損 傷 状 況 住 家 の 傾 斜 及 び 部 位 ごとの 損 傷 程 度 等 によ り 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 し 被 害 認 定 基 準 等 に 照 らして 住 家 の 被 害 の 程 度 を 判 定 する 第 2 次 調 査 は 第 1 次 調 査 を 実 施 した 住 家 の 被 災 者 から 申 請 があった 場 合 に 実 施 する 第 2 次 調 査 は 外 観 目 視 調 査 及 び 内 部 立 入 調 査 により 外 観 の 損 傷 状 況 の 目 視 による 把 握 住 家 の 傾 斜 の 計 測 部 位 ごとの 損 傷 程 度 等 の 目 視 による 把 握 を 行 う 調 査 により 把 握 した 住 家 の 外 観 住 家 の 傾 斜 及 び 部 位 ごとの 損 傷 により 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 し 被 害 認 定 基 準 等 に 照 らして 住 家 の 被 害 の 程 度 を 判 定 する なお 第 2 次 調 査 は 原 則 として 申 請 者 の 立 会 いを 必 要 とする また 第 2 次 調 査 は 原 則 として 内 部 立 入 調 査 を 行 う 必 要 があるが 倒 壊 の 危 険 がある 等 内 部 立 入 調 査 ができない 相 当 の 理 由 がある 場 合 は 外 観 目 視 調 査 のみでも 可 とする 第 2 次 調 査 実 施 後 被 災 者 から 判 定 結 果 に 関 する 再 調 査 の 依 頼 があった 場 合 には 当 該 被 災 者 の 依 頼 の 内 容 を 精 査 し 再 調 査 が 必 要 と 考 えられる 点 があれば その 点 について 再 調 査 を 行 う 再 調 査 に 基 づく 住 家 の 被 害 の 程 度 の 判 定 結 果 については 理 由 とともに 当 該 被 災 者 に 示 す 1-1

木 造 プレハブ 木 造 プレハブとは 在 来 工 法 ( 軸 組 工 法 )による 木 造 住 宅 枠 組 壁 工 法 によ る 住 宅 木 質 系 プレハブ 住 宅 鉄 骨 系 プレハブ 住 宅 を 指 す 1-3

< 被 害 認 定 フロー( 地 震 による 被 害 木 造 プレハブ)> 第 1 次 調 査 (1) 外 観 による 判 定 1 一 見 して 住 家 全 部 が 倒 壊 2 一 見 して 住 家 の 一 部 の 階 が 全 部 倒 壊 3 地 盤 の 液 状 化 等 により 基 礎 のいずれかの 辺 が 全 部 破 壊 いずれかに 該 当 (2) 傾 斜 による 判 定 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が1/20 以 上 いずれにも 該 当 しない 該 当 全 壊 ( 損 害 割 合 50% 以 上 ) (3) 部 位 による 判 定 基 礎 の 損 傷 率 が75% 以 上 該 当 しない 該 当 該 当 しない 各 部 位 の 損 傷 程 度 等 ( 及 び 傾 斜 ) から 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 する 50% 以 上 40% 以 上 50% 未 満 全 壊 大 規 模 半 壊 住 家 の 損 害 割 合 20% 以 上 40% 未 満 半 壊 20% 未 満 半 壊 に 至 らない 第 2 次 調 査 (1) 外 観 による 判 定 被 災 者 から 申 請 があった 場 合 第 1 次 調 査 における 判 定 の 対 象 となる 部 位 は 屋 根 壁 ( 外 壁 ) 及 び 基 礎 とする 1 一 見 して 住 家 全 部 が 倒 壊 2 一 見 して 住 家 の 一 部 の 階 が 全 部 倒 壊 3 地 盤 の 液 状 化 等 により 基 礎 のいずれかの 辺 が 全 部 破 壊 いずれかに 該 当 (2) 傾 斜 による 判 定 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が1/20 以 上 いずれにも 該 当 しない 該 当 全 壊 ( 損 害 割 合 50% 以 上 ) (3) 部 位 による 判 定 基 礎 又 は 柱 ( 又 は 耐 力 壁 )の 損 傷 率 が75% 以 上 該 当 しない 該 当 住 家 の 損 害 割 合 該 当 しない 各 部 位 の 損 傷 程 度 等 ( 及 び 傾 斜 ) から 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 する 50% 以 上 40% 以 上 50% 未 満 20% 以 上 40% 未 満 20% 未 満 全 壊 大 規 模 半 壊 半 壊 半 壊 に 至 らない 被 災 者 から 再 調 査 の 依 頼 があった 場 合 の 対 応 被 災 者 から 再 調 査 の 依 頼 があった 場 合 被 災 者 の 依 頼 の 内 容 を 精 査 した 上 で 必 要 に 応 じて 再 調 査 を 実 施 1-4

1. 第 1 次 調 査 に 基 づく 判 定 第 1 次 調 査 は 外 観 目 視 調 査 により 外 観 の 損 傷 状 況 の 目 視 による 把 握 住 家 の 傾 斜 の 計 測 及 び 住 家 の 主 要 な 構 成 要 素 ( 外 観 から 目 視 で 調 査 可 能 な 部 位 に 限 る)ごとの 損 傷 程 度 等 の 目 視 による 把 握 を 行 う 調 査 により 把 握 した 住 家 の 外 観 の 損 傷 状 況 住 家 の 傾 斜 及 び 部 位 ごとの 損 傷 程 度 等 により 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 し 被 害 認 定 基 準 等 に 照 ら して 住 家 の 被 害 の 程 度 を 判 定 する (1) 外 観 による 判 定 外 観 目 視 調 査 により 判 定 する 判 定 は 一 見 して 住 家 全 部 が 倒 壊 している 場 合 一 見 して 住 家 の 一 部 の 階 が 全 部 倒 壊 している 場 合 又 は 基 礎 のいずれかの 辺 が 全 部 破 壊 しており かつ 破 壊 している 基 礎 直 下 の 地 盤 が 液 状 化 等 した 後 基 礎 の 直 下 の 地 盤 が 流 出 陥 没 等 している 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 全 壊 とされれば 調 査 は 終 了 する なお 応 急 危 険 度 判 定 において 次 のア 又 はイに 該 当 することにより 一 見 して 危 険 と 判 定 された 住 家 については この 判 定 結 果 を 参 考 として 全 壊 の 被 害 認 定 を 行 う 場 合 もある ア. 建 築 物 全 体 又 は 一 部 の 崩 壊 落 階 イ. 建 築 物 全 体 又 は 一 部 の 著 しい 傾 斜 ただし 応 急 危 険 度 判 定 の 判 定 結 果 を 参 考 として 被 害 認 定 を 行 うことができない 場 合 もあるので 留 意 する 必 要 がある 例 えば 棟 全 体 から 見 ればごく 一 部 分 の 崩 壊 に 過 ぎない 場 合 であっても 応 急 危 険 度 判 定 において 二 次 的 災 害 を 防 止 する 観 点 から その 棟 を 上 記 アに 該 当 することにより 一 見 して 危 険 と 判 定 する 場 合 が 考 えられる (2) 傾 斜 による 判 定 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 を 下 げ 振 り 等 により 測 定 し 判 定 を 行 う 傾 斜 は 原 則 として 住 家 の1 階 部 分 の 外 壁 の 四 隅 又 は 四 隅 の 柱 を 計 測 して 単 純 平 均 したものとする 1-5

下 げ 振 りによる 調 査 下 げ 振 りを 用 いる 場 合 の 傾 斜 の 測 り 方 は 下 図 を 参 考 のこと ( 図 1) 建 物 上 部 が 手 前 に 傾 斜 している 場 合 d1 ( 図 2) 建 物 上 部 が 奥 に 傾 斜 している 場 合 d1 外 壁 または 柱 h 外 壁 または 柱 h 下 げ 振 り ( 内 ) ( 外 ) d2 ( 内 ) ( 外 ) 下 げ 振 り d2 傾 斜 =(d2-d1)/h 傾 斜 =(d1-d2)/h 傾 斜 は 下 げ 振 りの 垂 直 長 さ(h)に 対 して 水 平 寸 法 (d:d2-d1 又 はd 1-d2)の 占 める 割 合 を 計 算 して 測 定 する 傾 斜 が 1/20 以 上 の 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 す る 全 壊 とされれば 調 査 は 終 了 する 傾 斜 が 1/60 以 上 1/20 未 満 の 場 合 は 傾 斜 による 損 害 割 合 を 15%とし 部 位 に よる 判 定 を 行 う また 傾 斜 が 1/60 未 満 である 場 合 は 傾 斜 による 判 定 は 行 わ ず 部 位 による 判 定 のみを 行 う ( 例 ) 傾 斜 の 測 り 方 ( 木 造 プレハブ) 下 げ 振 りの 垂 直 部 分 の 長 さ h=1,200mm の 場 合 傾 斜 (d/h) (d/h) 1/20 1/60 (d/h)<1/20 (d/h)<1/60 傾 斜 h=1,200mm の 場 合 d 60mm 20mm d<60mm d<20mm 判 定 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 とする 傾 斜 による 損 害 割 合 を 15%とし 部 位 による 判 定 を 行 う 傾 斜 による 判 定 は 行 わ ず 部 位 による 判 定 を 行 う 1-6

(3) 部 位 による 判 定 住 家 を 屋 根 壁 ( 外 壁 ) 基 礎 に 区 分 し 各 部 位 の 損 傷 率 ( 各 部 位 の 被 害 の 程 度 )を 外 観 目 視 により 把 握 し それに 部 位 別 の 構 成 比 ( 下 表 参 照 )を 乗 じたもの( 部 位 別 損 害 割 合 )の 合 計 ( 住 家 の 損 害 割 合 )を 算 出 する これが 50% 以 上 の 場 合 を 全 壊 40% 以 上 50% 未 満 の 場 合 を 大 規 模 半 壊 20% 以 上 40% 未 満 の 場 合 を 半 壊 20% 未 満 の 場 合 を 半 壊 に 至 らないと 判 定 する < 表 木 造 プレハブ 住 家 の 部 位 別 の 構 成 比 > 部 位 名 称 構 成 比 屋 根 15% 壁 ( 外 壁 ) 75% 基 礎 10% (2) 傾 斜 による 判 定 により 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が 1/60 以 上 1/20 未 満 と 測 定 された 場 合 は 1 傾 斜 (=15%)+ 屋 根 の 損 害 割 合 ( 壁 ( 外 壁 ) 及 び 基 礎 の 損 害 割 合 を 傾 斜 の 損 害 割 合 (=15%)に 置 き 換 える ) 2 全 ての 部 位 別 損 害 割 合 の 合 計 のいずれか 大 きな 数 値 をとり 判 定 する また 基 礎 は その 損 傷 程 度 によっては 居 住 のための 基 本 的 機 能 そのものが 喪 失 す ることもあるので 本 運 用 指 針 においては 基 礎 の 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 に 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 1-7

1-1. 屋 根 (1) 調 査 箇 所 屋 根 葺 材 ( 瓦 石 綿 スレート 厚 型 スレート 波 形 鉄 板 薄 鉄 板 ガラス 屋 根 ) 小 屋 組 ( 和 小 屋 洋 小 屋 ) 屋 上 仕 上 面 (2) 主 な 損 傷 瓦 等 屋 根 葺 材 のずれ 破 損 落 下 不 陸 はがれ 小 屋 組 の 破 損 等 (3) 損 傷 の 判 定 下 表 のような 損 傷 を 受 けた 葺 材 の 部 分 を 損 傷 屋 根 面 積 とする < 表 屋 根 ( 構 成 比 15%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 棟 瓦 (がんぶり 瓦 のし 瓦 )の 一 部 がずれ 破 損 が 生 じている ( 棟 瓦 の 損 傷 が 認 められる 場 合 は 棟 瓦 を 挟 む 両 屋 根 面 で 損 傷 を 10% 算 定 する ) Ⅱ 棟 瓦 のずれ 破 損 落 下 が 著 しいが その 他 の 瓦 の 破 損 は 少 な い 25% 一 部 のスレート( 金 属 製 を 除 く )にひび 割 れが 生 じている Ⅲ 棟 瓦 が 全 面 的 にずれ 破 損 あるいは 落 下 している 棟 瓦 以 外 の 瓦 もずれが 著 しい 50% Ⅳ 屋 根 に 若 干 の 不 陸 が 見 られる 小 屋 組 の 一 部 に 破 損 が 見 られる 瓦 がほぼ 全 面 的 にずれ 破 損 又 は 落 下 している スレート( 金 属 製 を 除 く )のひび 割 れ ずれが 著 しい 75% 金 属 板 葺 材 のジョイント 部 に はがれ 等 の 損 傷 が 見 られる 屋 上 仕 上 面 に 破 断 や 不 陸 が 生 じている Ⅴ 屋 根 に 著 しい 不 陸 が 見 られる 小 屋 組 の 損 傷 が 著 しく 葺 材 の 大 部 分 が 損 傷 を 受 けている 屋 上 仕 上 面 全 面 にわたって 大 きな 不 陸 亀 裂 剥 落 が 見 られる 100% 損 傷 屋 根 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 全 屋 根 面 積 各 屋 根 面 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 屋 根 全 体 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する ( 例 ) 全 屋 根 面 積 の 3/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅠ 1/4 相 当 の 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡ である 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅰの 部 分 / 全 屋 根 面 積 ) 10%+( 程 度 Ⅱの 部 分 / 全 屋 根 面 積 ) 25% =(3/4) 10%+(1/4) 25% =7.5%+6.25%=13.75% 1-8

< 参 考 > 屋 根 図 解 図 版 出 典 : 建 築 構 法 市 ヶ 谷 出 版 社 1-9

1-2. 壁 ( 外 壁 ) (1) 調 査 箇 所 モルタル 塗 り タイル 張 り しっくい 塗 り 仕 上 の 壁 合 板 類 に 吹 き 付 け 仕 上 を 施 した 壁 及 びサイディングボードを 施 した 壁 等 の 仕 上 面 外 壁 下 地 材 (2) 主 な 損 傷 仕 上 材 の 剥 離 浮 き 肉 眼 ではっきりと 見 える 程 度 のひび 割 れ ずれ 脱 落 釘 の 浮 き 等 (3) 損 傷 の 判 定 1 モルタル 塗 り 仕 上 の 壁 タイル 張 り 仕 上 の 壁 及 びしっくい 塗 り 仕 上 の 壁 損 傷 面 積 は 補 修 の 見 切 りのつく 範 囲 までとし 次 頁 表 のような 損 傷 を 受 け た 範 囲 の 水 平 長 さを 求 めたうえで 平 屋 の 場 合 には 軒 高 を 2 階 以 上 の 住 家 の 場 合 は 階 高 を 高 さとして 損 傷 外 壁 面 積 を 算 出 する 2 合 板 を 下 地 にして 吹 き 付 け 仕 上 を 施 したものや サイディングボード 等 ボード1 枚 を 単 位 として 判 定 し ボード 表 面 に 何 ら 損 傷 がなくとも 目 地 切 れ やずれが 発 生 している 場 合 は 損 傷 とする 各 々の 損 傷 の 状 況 については 次 頁 表 参 照 ( 図 ) 損 傷 外 壁 面 積 の 算 定 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 木 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 1-10

< 表 壁 ( 外 壁 )( 構 成 比 75%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ モルタル 塗 り 仕 上 等 開 口 隅 角 部 廻 りにわずかなひび 割 れが 生 じている 10% ボード 目 地 部 にわずかなずれが 生 じている Ⅱ モルタル 塗 り 仕 上 等 仕 上 の 剥 離 が 生 じている ボード 仕 上 面 の 目 地 部 にひび 割 れやずれが 生 じている 25% Ⅲ モルタル 塗 り 仕 上 等 仕 上 材 が 脱 落 している ボード 目 地 部 に 著 しいずれ 面 材 釘 打 部 の 部 分 的 な 浮 き 上 が 50% り ボード 隅 角 部 の 破 損 が 生 じている Ⅳ モルタル 塗 り 仕 上 等 仕 上 材 が 脱 落 しており 下 地 材 にひび 割 れが 生 じている 75% ボード 釘 の 浮 き 上 がり ボードの 脱 落 が 見 られる Ⅴ 塗 り 壁 ボード 共 通 全 ての 仕 上 材 が 脱 落 している ( 見 切 り は 不 要 壁 1 面 を100%の 損 傷 として 算 定 する ) 下 地 材 に 破 損 が 生 じている 100% 損 傷 外 壁 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 住 家 全 周 の 外 壁 面 積 外 壁 の 各 部 分 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 外 壁 全 体 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する ( 例 ) 住 家 全 周 の 外 壁 面 積 の 1/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅠ 1/2 の 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡである 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅰの 部 分 / 全 外 壁 面 積 ) 10%+( 程 度 Ⅱの 部 分 / 全 外 壁 面 積 ) 25% =(1/4) 10%+(1/2) 25% =2.5%+12.5%=15% 1-11

< 参 考 > 壁 図 解 図 版 出 典 : 構 造 用 教 材 日 本 建 築 学 会 1-12

1-3. 基 礎 (1) 調 査 箇 所 布 基 礎 ( 鉄 筋 コンクリート 造 無 筋 コンクリート 造 )の 外 周 ( 内 部 基 礎 独 立 基 礎 及 び 土 間 コンクリートは 除 く) 布 石 玉 石 (2) 主 な 損 傷 ひび 割 れ( 幅 約 0.3mm 以 上 のもの) 剥 落 破 断 局 部 破 壊 不 陸 移 動 流 失 転 倒 等 (3) 損 傷 の 判 定 損 傷 の 判 定 は 損 傷 基 礎 長 により 行 う なお 基 礎 の 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 と し 全 壊 と 判 定 する 布 基 礎 の 場 合 損 傷 基 礎 長 の 算 定 は 以 下 のように 行 う 1 ひび 割 れ 幅 約 0.3mm 以 上 の 亀 裂 をさす ひび 割 れ 1 箇 所 あたり 損 傷 基 礎 長 1m とする また ひび 割 れが 1m 以 内 に 数 箇 所 集 中 している 場 合 両 端 のひび 割 れの 中 心 間 距 離 に 両 端 500mm ずつ 加 算 した 寸 法 を 損 傷 基 礎 長 とする ( 図 )ひび 割 れの 損 傷 算 定 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 木 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 2 剥 落 基 礎 の 仕 上 モルタル 剥 離 及 び 基 礎 躯 体 自 身 の 欠 損 脱 落 をさす 剥 落 1 箇 所 あたり 損 傷 基 礎 長 1m とする また 剥 落 が 1m 以 内 に 数 箇 所 集 中 している 場 合 両 端 の 剥 落 の 中 心 間 距 離 に 両 端 500mm ずつ 加 算 した 寸 法 を 損 傷 基 礎 長 とする 1-13

3 破 断 布 基 礎 の 割 れをさす 割 れた 一 方 の 布 基 礎 の 天 端 が 不 陸 の 場 合 その 不 陸 した 布 基 礎 の 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする ただし 破 断 症 状 を 見 ていても 布 基 礎 天 端 が 左 右 同 一 面 にあり 水 平 ならば ひび 割 れとして 扱 い 損 傷 基 礎 長 1m とする ( 図 1) 破 断 の 損 傷 算 定 ( 割 れた 一 方 の 布 基 礎 の 天 端 が 不 陸 の 場 合 ) 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 木 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 ( 図 2) 破 断 の 損 傷 算 定 ( 割 れた 布 基 礎 の 天 端 が 左 右 同 一 水 平 の 場 合 ) 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 木 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 4 局 部 破 壊 破 断 面 の 損 傷 がさらに 大 きくなり 複 雑 に 破 壊 ( 分 割 )されたことをさす 破 壊 された 一 方 の 布 基 礎 の 天 端 が 不 陸 の 場 合 その 不 陸 した 布 基 礎 の 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする 5 不 陸 布 基 礎 の 不 同 沈 下 又 は 傾 斜 等 により 不 陸 が 生 じた 場 合 その 部 分 の 全 基 礎 長 さ を 損 傷 基 礎 長 とする 1-14

6 移 動 上 部 構 造 が 基 礎 から 移 動 した 場 合 その 部 分 の 全 基 礎 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする 7 流 失 転 倒 基 礎 が 流 失 又 は 転 倒 した 場 合 全 基 礎 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする 8 地 盤 の 流 出 陥 没 液 状 化 地 盤 が 液 状 化 等 した 後 基 礎 の 直 下 の 地 盤 が 流 出 陥 没 等 している 場 合 その 部 分 の 全 基 礎 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする 損 傷 基 礎 長 損 傷 率 = 100% 外 周 基 礎 長 外 周 基 礎 長 とは 建 物 外 周 における 基 礎 の 長 さをいう ( 例 ) 外 周 基 礎 長 が 40m あり 幅 0.3mm 以 上 のひび 割 れが2 箇 所 破 断 が 1 箇 所 ある 場 合 損 傷 基 礎 長 は 3m 損 傷 率 =( 損 傷 基 礎 長 / 外 周 基 礎 長 ) 100% =(3/40) 100%=7.5% ( 補 足 ) 布 石 玉 石 で 判 定 を 行 うことが 可 能 な 場 合 は 長 さではなく 個 数 で 損 傷 率 を 算 定 する 損 傷 の 判 定 は 布 石 玉 石 1 個 を 単 位 として 沈 下 移 動 転 倒 流 失 等 があ るかどうかによって 行 う 損 傷 布 石 玉 石 数 損 傷 率 = 100% 全 布 石 玉 石 数 ( 例 ) 全 布 石 玉 石 数 が 16 個 で 損 傷 布 石 玉 石 数 が 7 個 である 場 合 損 傷 率 =(7/16) 100%=43.75% 1-15

< 参 考 > 基 礎 図 解 図 版 出 典 : 建 築 構 法 市 ヶ 谷 出 版 社 1-16

2. 第 2 次 調 査 に 基 づく 判 定 第 2 次 調 査 は 第 1 次 調 査 を 実 施 した 住 家 の 被 災 者 から 申 請 があった 場 合 に 実 施 する 第 2 次 調 査 は 外 観 目 視 調 査 及 び 内 部 立 入 調 査 により 外 観 の 損 傷 状 況 の 目 視 による 把 握 住 家 の 傾 斜 の 計 測 部 位 ごとの 損 傷 程 度 等 の 目 視 による 把 握 を 行 う 調 査 により 把 握 した 住 家 の 外 観 住 家 の 傾 斜 及 び 部 位 ごとの 損 傷 程 度 等 により 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 し 被 害 認 定 基 準 等 に 照 らして 住 家 の 被 害 の 程 度 を 判 定 する (1) 外 観 による 判 定 外 観 目 視 調 査 により 判 定 する 判 定 は 一 見 して 住 家 全 部 が 倒 壊 している 場 合 一 見 して 住 家 の 一 部 の 階 が 全 部 倒 壊 している 場 合 又 は 基 礎 のいずれかの 辺 が 全 部 破 壊 しており かつ 破 壊 している 基 礎 直 下 の 地 盤 が 液 状 化 等 した 後 基 礎 の 直 下 の 地 盤 が 流 出 陥 没 等 している 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 全 壊 とされれば 調 査 は 終 了 する なお 応 急 危 険 度 判 定 において 次 のア 又 はイに 該 当 することにより 一 見 して 危 険 と 判 定 された 住 家 については この 判 定 結 果 を 参 考 として 全 壊 の 被 害 認 定 を 行 う 場 合 もある ア. 建 築 物 全 体 又 は 一 部 の 崩 壊 落 階 イ. 建 築 物 全 体 又 は 一 部 の 著 しい 傾 斜 ただし 応 急 危 険 度 判 定 の 判 定 結 果 を 参 考 として 被 害 認 定 を 行 うことができない 場 合 もあるので 留 意 する 必 要 がある 例 えば 棟 全 体 から 見 ればごく 一 部 分 の 崩 壊 に 過 ぎない 場 合 であっても 応 急 危 険 度 判 定 において 二 次 的 災 害 を 防 止 する 観 点 から その 棟 を 上 記 アに 該 当 することにより 一 見 して 危 険 と 判 定 する 場 合 が 考 えられる (2) 傾 斜 による 判 定 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 を 下 げ 振 り 等 により 測 定 し 判 定 を 行 う 傾 斜 は 原 則 として 住 家 の 1 階 部 分 の 外 壁 の 四 隅 又 は 四 隅 の 柱 を 計 測 して 単 純 平 均 したものとする 1-17

下 げ 振 りによる 調 査 下 げ 振 りを 用 いる 場 合 の 傾 斜 の 測 り 方 は 下 図 を 参 考 のこと ( 図 1) 建 物 上 部 が 手 前 に 傾 斜 している 場 合 d1 ( 図 2) 建 物 上 部 が 奥 に 傾 斜 している 場 合 d1 外 壁 または 柱 h 外 壁 または 柱 h 下 げ 振 り ( 内 ) ( 外 ) d2 ( 内 ) ( 外 ) 下 げ 振 り d2 傾 斜 =(d2-d1)/h 傾 斜 =(d1-d2)/h 傾 斜 は 下 げ 振 りの 垂 直 長 さ(h)に 対 して 水 平 寸 法 (d:d2-d1 又 はd 1-d2)の 占 める 割 合 を 計 算 して 測 定 する 傾 斜 が 1/20 以 上 の 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 全 壊 とされれば 調 査 は 終 了 する 傾 斜 が 1/60 以 上 1/20 未 満 の 場 合 は 傾 斜 による 損 害 割 合 を 15%とし 部 位 による 判 定 を 行 う また 傾 斜 が 1/60 未 満 である 場 合 は 傾 斜 による 判 定 は 行 わず 部 位 による 判 定 のみを 行 う ( 例 ) 傾 斜 の 測 り 方 ( 木 造 プレハブ) 下 げ 振 りの 垂 直 部 分 の 長 さ h=1,200mm の 場 合 傾 斜 (d/h) (d/h) 1/20 1/60 (d/h)<1/20 (d/h)<1/60 傾 斜 h=1,200mm の 場 合 d 60mm 20mm d<60mm d<20mm 判 定 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 とする 傾 斜 による 損 害 割 合 を 15%とし 部 位 による 判 定 を 行 う 傾 斜 による 判 定 は 行 わ ず 部 位 による 判 定 を 行 う 1-18

(3) 部 位 による 判 定 住 家 を 屋 根 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 床 ( 階 段 を 含 む) 外 壁 内 壁 天 井 建 具 基 礎 設 備 に 区 分 し 各 部 位 の 損 傷 率 を 外 観 目 視 及 び 内 部 立 入 により 把 握 し それに 部 位 別 の 構 成 比 ( 次 頁 表 参 照 )を 乗 じたもの( 部 位 別 損 害 割 合 )の 合 計 ( 住 家 の 損 害 割 合 )を 算 出 する 2 階 建 等 の 住 家 における1 階 等 の 価 値 を 考 慮 した 損 害 割 合 の 算 定 2 以 上 の 階 を 有 する 住 家 (1 世 帯 で2 以 上 の 階 を 使 用 している 場 合 に 限 る)にあっ ては 各 部 位 ( 基 礎 を 除 く)について 上 記 により 算 定 した 部 位 別 の 損 害 割 合 に 代 え て 次 の1 及 び2の 割 合 を 合 計 した 割 合 を 各 部 位 の 損 害 割 合 とすることができる た だし 各 部 位 の 損 害 割 合 は 次 頁 表 に 定 める 各 部 位 の 部 位 別 構 成 比 を 超 えることはで きないものとする 1 各 部 位 のうち 1 階 (1 階 以 外 の 階 で 台 所 食 堂 及 び 居 間 の 全 ての 室 を 有 する 階 が 存 する 住 家 にあっては 当 該 階 )に 存 する 部 分 に 係 る 損 害 割 合 を1.25 倍 した 割 合 2 各 部 位 のうち 1 階 (1 階 以 外 の 階 で 台 所 食 堂 及 び 居 間 の 全 ての 室 を 有 する 階 が 存 する 住 家 にあっては 当 該 階 ) 以 外 の 階 に 存 する 部 分 に 係 る 損 害 割 合 を0.5 倍 した 割 合 なお 1 及 び2において 各 階 の 損 害 割 合 に 乗 じる 係 数 (1.25 及 び0.5)は 一 般 的 な 住 家 として1 階 と2 階 の 床 面 積 比 が2:1 程 度 の 住 家 を 想 定 して 設 定 した 係 数 である 住 家 の1 階 と2 階 の 床 面 積 比 が これと 大 きく 異 なる 場 合 等 においては 別 途 各 階 の 損 害 割 合 に 乗 じる 係 数 を 設 定 することも 必 要 なことと 考 えられる ( 参 考 : 各 階 の 損 害 割 合 に 乗 じる 係 数 の 考 え 方 ) 1 階 と2 階 の 床 面 積 比 が2:1である 住 家 を 標 準 モデルとして 住 家 全 体 で 判 定 した 場 合 の 損 害 割 合 (ⅰ)と1 階 のみを1つの 住 家 とみなして 判 定 した 場 合 の 損 害 割 合 (ⅱ) の 平 均 値 (ⅲ)を 当 該 住 家 の 損 害 割 合 とするという 考 え 方 に 基 づき 各 階 の 損 害 割 合 に 乗 じる 係 数 を 設 定 している (ⅰ) 住 家 全 体 で 判 定 した 場 合 の 損 害 割 合 2 階 の 損 害 割 合 2 階 33.3% 1 階 の 損 害 割 合 1 階 66.7% 1-19

(ⅱ)1 階 のみを1つの 住 家 とみなして 判 定 した 場 合 の 損 害 割 合 2 階 の 損 害 割 合 を0 倍 2 階 1 階 の 損 害 割 合 を1.5 倍 1 階 100%(=66.7% 1.5) (ⅲ)(ⅰ)と(ⅱ)の 平 均 値 2 階 の 損 害 割 合 を 0.5 倍 2 階 16.7%(=33.3% 0.5) 1 階 の 損 害 割 合 を1.25 倍 1 階 83.3%(=66.7% 1.25) (ⅰ)~(ⅲ)のいずれも 斜 線 部 分 の 割 合 が それぞれの 方 法 により 算 定 された 住 家 の 損 害 割 合 を 表 す 住 家 の 損 害 割 合 が 50% 以 上 の 場 合 を 全 壊 40% 以 上 50% 未 満 の 場 合 を 大 規 模 半 壊 20% 以 上 40% 未 満 の 場 合 を 半 壊 20% 未 満 の 場 合 を 半 壊 に 至 らないと 判 定 する < 表 木 造 プレハブ 住 家 の 部 位 別 構 成 比 ( 第 2 次 調 査 )> 部 位 名 称 構 成 比 屋 根 15 % 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 15 % 床 ( 階 段 を 含 む ) 10 % 外 壁 10 % 内 壁 15 % 天 井 5 % 建 具 10 % 基 礎 10 % 設 備 10 % (2) 傾 斜 による 判 定 により 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が1/60 以 上 1/20 未 満 と 測 定 された 場 合 は 1 傾 斜 (=15%)+ 屋 根 + 床 ( 階 段 を 含 む ) + 外 壁 + 内 壁 + 天 井 + 建 具 + 設 備 の 損 害 割 合 の 合 計 ( 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 及 び 基 礎 の 損 害 割 合 を 傾 斜 の 損 害 割 合 (=15%)に 置 き 換 える ) 2 全 ての 部 位 別 損 害 割 合 の 合 計 のいずれか 大 きな 数 値 をとり 判 定 する また 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 及 び 基 礎 は その 損 傷 程 度 によっては 居 住 のための 基 本 的 機 能 そのものが 喪 失 することもあるので 本 運 用 指 針 においては いずれかの 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 1-20

2-1. 屋 根 (1) 調 査 箇 所 屋 根 葺 材 ( 瓦 石 綿 スレート 厚 型 スレート 波 形 鉄 板 薄 鉄 板 ガラス 屋 根 ) 小 屋 組 ( 和 小 屋 洋 小 屋 ) 屋 上 仕 上 面 (2) 主 な 損 傷 瓦 等 屋 根 葺 材 のずれ 破 損 落 下 不 陸 はがれ 小 屋 組 の 破 損 等 (3) 損 傷 の 判 定 下 表 のような 損 傷 を 受 けた 葺 材 の 面 を 損 傷 屋 根 面 とする < 表 屋 根 ( 構 成 比 15%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 棟 瓦 (がんぶり 瓦 のし 瓦 )の 一 部 がずれ 破 損 が 生 じている ( 棟 瓦 の 損 傷 が 認 められる 場 合 は 棟 瓦 を 挟 む 両 屋 根 面 で 損 傷 を 10% 算 定 する ) Ⅱ 棟 瓦 のずれ 破 損 落 下 が 著 しいが その 他 の 瓦 の 破 損 は 少 な い 25% 一 部 のスレート( 金 属 製 を 除 く )にひび 割 れが 生 じている Ⅲ 棟 瓦 が 全 面 的 にずれ 破 損 あるいは 落 下 している 棟 瓦 以 外 の 瓦 もずれが 著 しい 50% Ⅳ 屋 根 に 若 干 の 不 陸 が 見 られる 小 屋 組 の 一 部 に 破 損 が 見 られる 瓦 がほぼ 全 面 的 にずれ 破 損 又 は 落 下 している スレート( 金 属 製 を 除 く )のひび 割 れ ずれが 著 しい 75% 金 属 板 葺 材 のジョイント 部 に はがれ 等 の 損 傷 が 見 られる 屋 上 仕 上 面 に 破 断 や 不 陸 が 生 じている Ⅴ 屋 根 に 著 しい 不 陸 が 見 られる 小 屋 組 の 損 傷 が 著 しく 葺 材 の 大 部 分 が 損 傷 を 受 けている 屋 上 仕 上 面 全 面 にわたって 大 きな 不 陸 亀 裂 剥 落 が 見 られる 100% 損 傷 屋 根 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 全 屋 根 面 積 各 屋 根 面 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 屋 根 全 体 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する ( 例 ) 全 屋 根 面 積 の 3/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅠ 1/4 の 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡであ る 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅰの 部 分 / 全 屋 根 面 積 ) 10%+( 程 度 Ⅱの 部 分 / 全 屋 根 面 積 ) 25% =(3/4) 10%+(1/4) 25% =7.5%+6.25%=13.75% 1-21

2-2. 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 調 査 対 象 柱 又 は 耐 力 壁 のどちらを 調 査 するかについては 在 来 工 法 等 の 軸 組 を 主 体 とする 工 法 の 場 合 は 柱 を 対 象 とし 枠 組 壁 工 法 等 の 壁 を 主 体 とする 工 法 の 場 合 は 耐 力 壁 ( 構 造 耐 力 上 主 要 な 部 分 である 壁 )を 対 象 とする なお プレハブ 住 宅 等 で 柱 又 は 耐 力 壁 のいずれによる 構 造 の 住 家 であるかが 確 認 でき ないときは 外 壁 が 損 傷 を 受 けていれば 柱 又 は 耐 力 壁 も 一 定 の 損 傷 を 受 けていること が 推 定 されるので 外 壁 の 損 傷 率 を 柱 ( 又 は 耐 力 壁 )の 損 傷 率 として 採 用 しても 差 し 支 えない また 柱 が 確 認 できる 場 合 であっても 過 半 の 柱 の 本 数 が 確 認 できない 場 合 は 外 壁 の 損 傷 率 を 柱 ( 又 は 耐 力 壁 )の 損 傷 率 として 採 用 することとする < 参 考 > 建 築 構 造 図 解 在 来 工 法 柱 と 梁 桁 胴 差 等 の 横 架 材 によって 構 成 される 軸 組 を 主 体 とする 工 法 小 屋 組 は 一 般 に 和 小 屋 である 近 年 は 壁 に 筋 かいが 入 ることが 多 い 図 版 出 典 : 図 解 事 典 建 築 のしくみ 彰 国 社 1-22

枠 組 壁 工 法 枠 材 に 合 板 を 釘 打 ちしたパネルで 壁 や 床 を 構 成 する 工 法 小 屋 組 は 一 般 に 洋 小 屋 (トラス)で ある この 工 法 の 代 表 例 として 2 4インチの 断 面 の 木 材 を 用 いるツーバイフォーがある 図 版 出 典 : 図 解 事 典 建 築 のしくみ 彰 国 社 1-23

木 質 系 プレハブ 柱 がなく 断 熱 材 や 仕 上 を 接 着 した 工 場 生 産 の 木 質 系 パネルによる 壁 式 構 造 のパネル 工 法 が 主 流 で ある 図 版 出 典 :エス バイ エル 資 料 1-24

鉄 骨 系 プレハブ 一 般 に 軽 量 鉄 骨 による 軸 組 を 主 体 とする 工 法 である 重 量 鉄 骨 を 用 いたものもある 図 版 出 典 : 積 水 ハウス 資 料 図 版 出 典 : 図 解 テキスト 建 築 構 造 - 構 造 システムを 理 解 する- 彰 国 社 1-25

ア. 柱 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 (1) 調 査 箇 所 在 来 工 法 ( 軸 組 工 法 ) 鉄 骨 系 プレハブの 通 し 柱 管 柱 等 (2) 主 な 損 傷 折 損 欠 損 上 下 端 の 割 り 裂 け 柱 梁 仕 口 のずれ 脱 却 破 損 移 動 等 鉄 骨 系 プレハブの 柱 接 合 部 の 破 損 柱 の 局 部 座 屈 アンカーボルトの 伸 び 等 (3) 損 傷 の 判 定 下 表 のような 損 傷 を 受 けた 柱 を 損 傷 柱 とする 損 傷 柱 の 算 定 は 柱 1 本 を 単 位 と して 行 う なお 柱 の 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する < 表 柱 ( 構 成 比 15%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 在 来 工 法 柱 と 梁 の 仕 口 にわずかなずれが 生 じている 鉄 骨 系 プレハブ 柱 脚 コンクリートのひび 割 れが 見 られる 10% Ⅱ 在 来 工 法 一 部 の 柱 と 梁 の 仕 口 にめり 込 み 等 の 損 傷 が 見 られる 柱 梁 が 若 干 たわんでいる 鉄 骨 系 プレハブ アンカーボルトの 伸 びが 見 られる 25% 高 力 ボルトのすべりが 見 られる Ⅲ 在 来 工 法 柱 と 梁 の 仕 口 にずれが 生 じている 柱 梁 に 割 れが 見 られる 鉄 骨 系 プレハブ 局 部 座 屈 による 小 さな 変 形 が 柱 に 生 じてい 50% る 梁 接 合 部 の 変 形 が 見 られる Ⅳ 在 来 工 法 柱 梁 に 大 きな 割 れが 見 られる 柱 梁 に 断 面 欠 損 が 見 られる 柱 梁 に 折 損 が 見 られる 柱 梁 の 仕 口 に 著 しいずれが 見 られる 75% 鉄 骨 系 プレハブ 局 部 座 屈 による 中 くらいの 変 形 が 柱 に 生 じ ている 梁 接 合 部 の 亀 裂 ボルトの 一 部 破 断 が 見 られる Ⅴ 在 来 工 法 柱 梁 の 割 れ 断 面 欠 損 が 著 しい 柱 梁 に 著 しい 折 損 が 生 じており 交 換 が 必 要 である 鉄 骨 系 プレハブ 局 部 座 屈 による 大 きな 変 形 が 柱 に 生 じている 梁 接 合 部 に 破 断 が 見 られる 100% ( 図 1) 柱 と 梁 の 仕 口 のわずかなずれ ( 図 2) 柱 の 折 損 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 木 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 1-26

損 傷 柱 の 本 数 損 傷 率 = 各 柱 の 損 傷 程 度 (%) 柱 の 全 数 各 柱 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 柱 全 体 の 損 傷 率 は 各 柱 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する ( 例 1) 柱 の 全 数 は4 本 うち1 本 の 損 傷 程 度 がⅠ 1 本 の 損 傷 程 度 がⅡである 場 合 損 傷 率 =(1/4) 10%+(1/4) 25% =2.5%+6.25%=8.75% ( 補 足 ) 柱 の 全 数 の 損 傷 程 度 がやむを 得 ない 事 情 により 確 認 できないときには 確 認 済 みの 柱 が 過 半 を 占 めていれば これにより 損 傷 率 を 算 定 して 差 し 支 えない ( 例 2) 柱 の 全 数 は5 本 (1 本 未 確 認 ) うち1 本 の 損 傷 程 度 がⅡ 2 本 の 損 傷 程 度 がⅢで ある 場 合 損 傷 率 =(1/4) 25%+(2/4) 50% =6.25%+25%=31.25% イ. 耐 力 壁 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 (1) 調 査 箇 所 土 塗 壁 筋 かいを 入 れた 軸 組 柱 及 び 間 柱 にボード 等 を 釘 打 ちした 軸 組 枠 材 に 合 板 等 を 釘 打 ちしたパネル 等 の 構 造 耐 力 上 主 要 な 部 分 である 壁 (2) 主 な 損 傷 ボードのずれ 浮 き 釘 の 浮 き ボードの 破 断 胴 縁 の 傷 み パネルのずれ ひび 割 れ 合 板 のはがれ 湾 曲 枠 材 の 破 損 等 (3) 損 傷 の 判 定 次 頁 表 のような 損 傷 が 生 じているものを 損 傷 耐 力 壁 とする 損 傷 耐 力 壁 の 判 定 は 1 面 を 単 位 として 行 う なお 耐 力 壁 の 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 1-27

< 表 耐 力 壁 ( 構 成 比 15%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 仕 上 面 塗 り 壁 の 開 口 部 隅 角 部 廻 りにわずかなずれが 生 じてい る ボードの 目 地 部 にわずかなずれが 生 じている パネル 工 法 パネルと 結 合 材 の 接 着 部 にわずかなずれが 生 じて いる 10% 枠 組 壁 工 法 枠 組 壁 工 法 の 合 板 にわずかな 浮 き 上 がりが 見 られ る Ⅱ 仕 上 面 塗 り 壁 の 各 所 で 仕 上 の 脱 落 が 生 じている ボード 仕 上 の 壁 では 一 部 のボードの 仕 上 面 の 目 地 部 にひび 割 れやずれが 生 じている パネル 工 法 パネルと 結 合 材 の 接 着 部 にずれが 生 じている 25% 枠 組 壁 工 法 枠 材 から 合 板 が 浮 き 上 がっており 一 部 の 釘 がめ り 込 んでいる Ⅲ 仕 上 面 塗 り 壁 では 仕 上 の 大 半 が 剥 離 又 は 脱 落 している ボー ド 仕 上 の 壁 ではボード 間 に 著 しいずれが 生 じている パネル 工 法 パネル 隅 角 部 にひび 割 れが 生 じている 50% 枠 組 壁 工 法 合 板 のはがれ ずれが 著 しい Ⅳ 仕 上 面 塗 り 壁 では 壁 面 の 大 部 分 で 仕 上 材 が 脱 落 している ボー ド 仕 上 の 壁 では 大 部 分 で 釘 の 浮 き 上 がりが 見 られ 中 には 脱 落 したものも 見 られる パネル 工 法 パネルにひび 割 れが 生 じている 結 合 材 が 変 形 し 75% ており パネルと 結 合 材 に 大 きなずれが 生 じている 枠 組 壁 工 法 枠 材 にひび 割 れが 生 じており 合 板 の 湾 曲 脱 落 が 生 じている Ⅴ パネル 工 法 パネルに 大 きなひび 割 れ 変 形 が 生 じている パ ネルが 壁 面 から 脱 落 している 枠 組 壁 工 法 枠 材 に 折 損 が 生 じており 合 板 の 脱 落 破 損 が 生 じている 100% ( 図 ) 隅 角 部 のひび 割 れ 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 木 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 損 傷 耐 力 壁 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 全 耐 力 壁 面 積 耐 力 壁 の 各 部 分 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 耐 力 壁 全 体 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する 1-28

( 例 ) 全 耐 力 壁 面 積 の 1/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅠ 1/2 の 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡである 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅰの 部 分 / 全 耐 力 壁 面 積 ) 10%+( 程 度 Ⅱの 部 分 / 全 耐 力 壁 面 積 ) 25% =(1/4) 10%+(1/2) 25% =2.5%+12.5%=15% 1-29

2-3. 床 ( 階 段 を 含 む) (1) 調 査 箇 所 各 階 の 床 組 床 板 根 太 根 太 掛 大 引 束 束 石 土 台 及 びそれらの 仕 口 階 段 床 仕 上 材 畳 (2) 主 な 損 傷 床 板 の 破 損 柱 と 基 礎 又 は 土 台 と 基 礎 のずれ 脱 落 束 と 束 石 のずれ 大 引 及 び 根 太 の 落 下 壁 と 床 との 隙 間 の 発 生 床 の 不 陸 ( 浮 き 上 がり 沈 下 ) 等 (3) 損 傷 の 判 定 損 傷 床 面 は 補 修 の 見 切 りのつく 範 囲 までとし 住 家 の 全 床 面 のうちで 下 表 のよ うな 損 傷 を 受 けた 床 の 占 める 割 合 を 求 める < 表 床 ( 階 段 を 含 む)( 構 成 比 10%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 床 と 壁 との 間 にわずかなずれが 生 じている 床 仕 上 畳 に 損 傷 が 見 られる 10% Ⅱ 床 板 の 継 目 に 隙 間 が 生 じている 束 が 束 石 よりわずかにずれている 25% 床 仕 上 畳 に 著 しい 損 傷 が 見 られる Ⅲ 床 板 にずれ 若 干 の 不 陸 が 見 られる 束 が 束 石 から 数 cmずれている 土 台 が 柱 からわずかにずれている 50% 土 台 が 基 礎 からわずかにずれている 床 仕 上 畳 の 大 部 分 に 著 しい 損 傷 が 生 じている Ⅳ 床 板 に 著 しい 不 陸 折 損 が 見 られる 束 が 束 石 から 脱 落 している 土 台 が 柱 から 著 しくずれている 75% 土 台 が 基 礎 から 著 しくずれている 階 段 がずれている Ⅴ 全 ての 床 板 に 著 しい 不 陸 が 見 られる 全 ての 土 台 柱 束 が 基 礎 束 石 等 から 脱 落 している 大 引 根 太 の 大 部 分 が 落 下 している 階 段 がはずれている 100% ( 図 1) 束 と 束 石 のわずかなずれ ( 図 2) 土 台 と 基 礎 との 著 しいずれ 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 木 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 1-30

損 傷 床 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 全 床 面 積 床 の 各 部 分 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 床 全 体 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する ( 例 1) 床 の 損 傷 全 床 面 積 の 1/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅠ 1/2 の 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡであ る 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅰの 部 分 / 全 床 面 積 ) 10%+( 程 度 Ⅱの 部 分 / 全 床 面 積 ) 25% =(1/4) 10%+(1/2) 25% =2.5%+12.5%=15% ( 例 2) 階 段 の 損 傷 全 床 面 積 の 1/5 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅢ 1/20 に 相 当 する 投 影 面 積 の 階 段 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡである 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅲの 部 分 / 全 床 面 積 ) 50%+( 程 度 Ⅱの 階 段 部 分 / 全 床 面 積 ) 25% =(1/5) 50%+(1/20) 25% =10%+1.25%=11.25% < 参 考 > 床 組 図 解 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 木 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 1-31

2-4. 外 壁 (1) 調 査 箇 所 モルタル 塗 り タイル 張 り しっくい 塗 り 仕 上 の 壁 合 板 類 に 吹 き 付 け 仕 上 を 施 した 壁 及 びサイディングボードを 施 した 壁 等 の 仕 上 面 外 壁 下 地 材 (2) 主 な 損 傷 仕 上 材 の 剥 離 浮 き 肉 眼 ではっきりと 見 える 程 度 のひび 割 れ ずれ 脱 落 釘 の 浮 き 等 (3) 損 傷 の 判 定 1 モルタル 塗 り 仕 上 の 壁 タイル 張 り 仕 上 の 壁 及 びしっくい 塗 り 仕 上 の 壁 損 傷 面 積 は 補 修 の 見 切 りのつく 範 囲 までとし 下 表 のような 損 傷 を 受 けた 範 囲 の 水 平 長 さを 求 めたうえで 平 屋 の 場 合 には 軒 高 を 2 階 以 上 の 住 家 の 場 合 は 階 高 を 高 さとして 損 傷 外 壁 面 を 算 出 する 2 合 板 を 下 地 にして 吹 き 付 け 仕 上 を 施 したものや サイディングボード 等 ボード1 枚 を 単 位 として 判 定 し ボードに 下 表 のような 状 態 が 発 生 している 場 合 は 損 傷 とする 各 々の 損 傷 の 状 況 については 下 表 参 照 < 表 外 壁 ( 構 成 比 10%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ モルタル 塗 り 仕 上 等 開 口 隅 角 部 廻 りにわずかなひび 割 れが 生 じている 10% ボード 目 地 部 にわずかなずれが 生 じている Ⅱ モルタル 塗 り 仕 上 等 仕 上 の 剥 離 が 生 じている ボード 仕 上 面 の 目 地 部 にひび 割 れやずれが 生 じている 25% Ⅲ モルタル 塗 り 仕 上 等 仕 上 材 が 脱 落 している ボード 目 地 部 に 著 しいずれ 面 材 釘 打 部 の 部 分 的 な 浮 き 上 が 50% り ボード 隅 角 部 の 破 損 が 生 じている Ⅳ モルタル 塗 り 仕 上 等 仕 上 材 が 脱 落 しており 下 地 材 にひび 割 れが 生 じている 75% ボード 釘 の 浮 き 上 がり ボードの 脱 落 が 見 られる Ⅴ 塗 り 壁 ボード 共 通 全 ての 仕 上 材 が 脱 落 している ( 見 切 り は 不 要 壁 1 面 を100%の 損 傷 として 算 定 する ) 下 地 材 に 破 損 が 生 じている 100% 損 傷 外 壁 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 住 家 全 周 の 外 壁 面 積 外 壁 の 各 部 分 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 外 壁 全 体 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する 1-32

( 例 ) 住 家 全 周 の 外 壁 面 積 の 1/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅠ 1/2 の 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡである 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅰの 部 分 / 全 外 壁 面 積 ) 10%+( 程 度 Ⅱの 部 分 / 全 外 壁 面 積 ) 25% =(1/4) 10%+(1/2) 25% =2.5%+12.5%=15% 1-33

2-5. 内 壁 (1) 調 査 箇 所 モルタル 塗 り 仕 上 しっくい 塗 り 仕 上 合 板 壁 やボード(クロス 等 の 壁 紙 を 貼 っ た 部 分 を 含 む )の 仕 上 面 断 熱 材 (2) 主 な 損 傷 目 地 切 れ ずれ 剥 離 ひび 割 れ 脱 落 浮 き 等 (3) 損 傷 の 判 定 1 モルタル 塗 り 仕 上 の 壁 及 びしっくい 塗 り 仕 上 の 壁 の 場 合 損 傷 面 は 補 修 の 見 切 りのつく 範 囲 までとし 下 表 のような 損 傷 を 受 けた 範 囲 の 水 平 長 さを 求 めたうえで 天 井 高 を 高 さとして 損 傷 内 壁 面 を 算 出 する 2 合 板 壁 やボードの 場 合 合 板 やボード1 枚 を 単 位 として 判 定 し ボードに 下 表 のような 状 態 が 発 生 して いる 場 合 は 損 傷 とする 各 々の 損 傷 の 状 況 については 下 表 参 照 < 表 内 壁 ( 構 成 比 15%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 塗 り 壁 隅 角 部 にわずかなひび 割 れが 生 じている 内 壁 合 板 にわずかなずれが 生 じている 10% ボードの 目 地 部 にわずかなずれが 生 じている Ⅱ 内 壁 周 辺 部 に 隙 間 が 生 じている 内 壁 合 板 にずれが 生 じている タイルの 目 地 に 亀 裂 が 生 じている 25% ボードの 目 地 部 にひび 割 れやずれが 生 じている Ⅲ 内 壁 合 板 に 剥 離 浮 きが 見 られる タイルが 剥 離 を 生 じている クロスが 破 れている 柱 梁 に 割 れが 見 られるため 内 壁 の 一 部 の 取 り 外 しが 必 要 50% である ボードの 目 地 部 に 著 しいずれ 釘 打 部 の 部 分 的 な 浮 き 上 が り 隅 角 部 の 破 損 が 生 じている Ⅳ 内 壁 合 板 に 剥 離 脱 落 が 見 られる タイルが 剥 落 している 75% ボードの 釘 の 浮 き 上 がりが 見 られ 脱 落 が 生 じている Ⅴ 全 ての 仕 上 材 が 脱 落 している ( 見 切 りは 不 要 壁 1 面 を100% の 損 傷 として 算 定 する ) 下 地 材 の 損 傷 が 生 じている 100% 損 傷 内 壁 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 全 内 壁 面 積 内 壁 の 各 部 分 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 内 壁 全 体 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する 1-34

( 例 ) 全 内 壁 面 積 の 1/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅠ 1/2 の 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡ である 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅰの 部 分 / 全 内 壁 面 積 ) 10%+( 程 度 Ⅱの 部 分 / 全 内 壁 面 積 ) 25% =(1/4) 10%+(1/2) 25% =2.5%+12.5%=15% 1-35

2-6. 天 井 (1) 調 査 箇 所 天 井 板 仕 上 部 分 下 地 材 (2) 主 な 損 傷 天 井 板 の 隙 間 浮 き 不 陸 垂 れ 下 がり 歪 み 脱 落 等 (3) 損 傷 の 判 定 損 傷 天 井 面 は 補 修 の 見 切 りのつく 範 囲 までとし 住 家 の 全 天 井 のうちで 下 表 のような 損 傷 のある 天 井 が 占 める 割 合 を 求 める < 表 天 井 ( 構 成 比 5%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 天 井 板 にわずかな 隙 間 が 生 じている 10% Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 天 井 板 に 隙 間 が 生 じている 天 井 面 に 若 干 の 不 陸 が 見 られる ( 天 井 面 で 見 る 場 合 は 見 切 りは 不 要 調 査 する 部 屋 の 天 井 1 面 を 損 傷 程 度 25%の 損 傷 として 算 定 する ) 天 井 面 にわずかな 不 陸 が 見 られる 天 井 板 の 浮 きが 生 じている 塗 天 井 に 亀 裂 が 生 じている 天 井 面 に 不 陸 が 見 られる 天 井 面 に 歪 みが 見 られる 天 井 板 のずれ 一 部 脱 落 が 見 られる 塗 天 井 に 剥 離 が 見 られる 天 井 面 に 著 しい 不 陸 が 見 られる 天 井 板 が 脱 落 している 25% 50% 75% 100% 損 傷 天 井 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 全 天 井 面 積 天 井 の 各 部 分 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 天 井 全 体 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する ( 例 ) 全 天 井 面 積 の 1/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅠ 1/2 の 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡ である 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅰの 部 分 / 全 天 井 面 積 ) 10%+( 程 度 Ⅱの 部 分 / 全 天 井 面 積 ) 25% =(1/4) 10%+(1/2) 25% =2.5%+12.5%=15% 1-36

2-7. 建 具 (1) 調 査 箇 所 窓 出 入 口 等 住 家 の 開 口 部 あるいは 各 室 の 間 仕 切 の 箇 所 等 の 建 具 (サッシ 板 戸 かまち 戸 襖 障 子 等 ) (2) 主 な 損 傷 開 閉 困 難 不 能 変 形 破 損 ガラスの 破 損 かまちの 破 損 等 (3) 損 傷 の 判 定 建 具 1 枚 を 単 位 として 判 定 し 下 表 のような 損 傷 を 受 けた 建 具 を 損 傷 建 具 とする < 表 建 具 ( 構 成 比 10%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 襖 障 子 家 具 の 倒 れ 込 み 等 によって 襖 紙 障 子 紙 が 破 損 し 張 り 替 えが 必 要 である 木 製 サッシ 可 働 部 にわずかな 歪 みが 生 じ 開 閉 が 困 難 となっ ている 10% アルミサッシ 可 動 部 鍵 にわずかな 変 形 が 生 じ 開 閉 が 困 難 になっている ドア 変 形 はしていないものの 表 面 の 傷 が 著 しい Ⅱ 木 製 サッシ 壁 面 との 間 に 隙 間 が 生 じている アルミサッシ 鍵 の 破 損 や ビードのはずれが 見 られる ある いは 開 閉 が 不 能 になっている ドア 蝶 番 に 変 形 が 見 られ 取 り 付 け 部 がはずれている 25% Ⅲ Ⅳ Ⅴ 襖 障 子 可 動 部 が 破 損 しているが かまちに 損 傷 は 見 られない 木 製 サッシ 破 損 し 開 閉 が 不 能 になっている アルミサッシ ガラスが 破 損 している 襖 障 子 可 動 部 が 破 損 しており かまちに 一 部 欠 損 ひび 割 れが 見 られる 木 製 サッシ 可 動 部 の 破 損 に 加 え かまちに 一 部 欠 損 ひび 割 れが 見 られる アルミサッシ 可 動 部 が 全 損 しており 枠 の 一 部 に 変 形 が 見 ら れる 襖 障 子 かまちの 損 傷 が 著 しく 交 換 が 必 要 である 木 製 サッシ 木 製 建 具 破 壊 されている アルミサッシ 枠 ごとはずれて 破 壊 されている アルミドア 木 製 ドア 破 壊 されている 損 傷 建 具 数 損 傷 率 = 各 建 具 の 損 傷 程 度 (%) 全 建 具 数 1-37 50% 75% 100% 各 建 具 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 建 具 全 体 の 損 傷 率 は 加 重 平 均 して 算 定 す る ( 例 ) 全 建 具 数 は 10 枚 で 損 傷 程 度 Ⅱが 2 枚 損 傷 程 度 Ⅲが 2 枚 損 傷 程 度 Ⅴが 4 枚 であ る 場 合 損 傷 率 =( 程 度 Ⅱの 建 具 数 / 全 建 具 数 ) 25%+( 程 度 Ⅲの 建 具 数 / 全 建 具 数 ) 50%+( 程 度 Ⅴの 建 具 数 / 全 建 具 数 ) 100% =(2/10) 25%+(2/10) 50%+(4/10) 100% =5%+10%+40%=55%

2-8. 基 礎 (1) 調 査 箇 所 布 基 礎 ( 鉄 筋 コンクリート 造 無 筋 コンクリート 造 )の 外 周 ( 内 部 基 礎 独 立 基 礎 及 び 土 間 コンクリートは 除 く ) 布 石 玉 石 (2) 主 な 損 傷 ひび 割 れ( 幅 約 0.3mm 以 上 のもの) 剥 落 破 断 局 部 破 壊 不 陸 移 動 流 失 転 倒 等 (3) 損 傷 の 判 定 損 傷 の 判 定 は 損 傷 基 礎 長 により 行 う なお 基 礎 の 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 布 基 礎 の 場 合 損 傷 基 礎 長 の 算 定 は 以 下 のように 行 う 1 ひび 割 れ 幅 約 0.3mm 以 上 の 亀 裂 をさす ひび 割 れ1 箇 所 あたり 損 傷 基 礎 長 1m とする また ひび 割 れが 1m 以 内 に 数 箇 所 集 中 している 場 合 両 端 のひび 割 れの 中 心 間 距 離 に 両 端 500mm ずつ 加 算 した 寸 法 を 損 傷 基 礎 長 とする 2 剥 落 基 礎 の 仕 上 モルタル 剥 離 及 び 基 礎 躯 体 自 身 の 欠 損 脱 落 をさす 剥 落 1 箇 所 あたり 損 傷 基 礎 長 1m とする また 剥 落 が 1m 以 内 に 数 箇 所 集 中 している 場 合 両 端 の 剥 落 の 中 心 間 距 離 に 両 端 500mm ずつ 加 算 した 寸 法 を 損 傷 基 礎 長 とする 3 破 断 布 基 礎 の 割 れをさす 割 れた 一 方 の 布 基 礎 の 天 端 が 不 陸 の 場 合 その 不 陸 した 布 基 礎 の 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする ただし 破 断 症 状 を 見 ていても 布 基 礎 天 端 が 左 右 同 一 面 にあり 水 平 ならば ひび 割 れとして 扱 い 損 傷 基 礎 長 1m とする 4 局 部 破 壊 破 断 面 の 損 傷 がさらに 大 きくなり 複 雑 に 破 壊 ( 分 割 )されたことをさす 破 壊 された 一 方 の 布 基 礎 の 天 端 が 不 陸 の 場 合 その 不 陸 した 布 基 礎 の 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする 5 不 陸 布 基 礎 の 不 同 沈 下 又 は 傾 斜 等 により 不 陸 が 生 じた 場 合 その 部 分 の 全 基 礎 長 さ を 損 傷 基 礎 長 とする 1-38

6 移 動 上 部 構 造 が 基 礎 から 移 動 した 場 合 その 部 分 の 全 基 礎 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする 7 流 失 転 倒 基 礎 が 流 失 又 は 転 倒 した 場 合 全 基 礎 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする 8 地 盤 の 流 出 陥 没 液 状 化 地 盤 が 液 状 化 等 した 後 基 礎 の 直 下 の 地 盤 が 流 出 陥 没 等 している 場 合 その 部 分 の 全 基 礎 長 さを 損 傷 基 礎 長 とする 損 傷 基 礎 長 損 傷 率 = 100% 外 周 基 礎 長 外 周 基 礎 長 とは 建 物 外 周 における 基 礎 の 長 さをいう ( 例 ) 外 周 基 礎 長 が 40m あり 幅 0.3mm 以 上 のひび 割 れが 2 箇 所 破 断 が 1 箇 所 ある 場 合 損 傷 基 礎 長 は 3m 損 傷 率 =( 損 傷 基 礎 長 / 外 周 基 礎 長 ) 100% =(3/40) 100%=7.5% ( 補 足 ) 布 石 玉 石 で 判 定 を 行 うことが 可 能 な 場 合 は 長 さではなく 個 数 で 損 傷 率 を 算 定 する 損 傷 の 判 定 は 布 石 玉 石 1 個 を 単 位 として 沈 下 移 動 転 倒 流 失 等 があ るかどうかによって 行 う 損 傷 布 石 玉 石 数 損 傷 率 = 100% 全 布 石 玉 石 数 ( 例 ) 全 布 石 玉 石 数 が 16 個 で 損 傷 布 石 玉 石 数 が 7 である 場 合 損 傷 率 =(7/16) 100%=43.75% 1-39

2-9. 設 備 (1) 調 査 箇 所 水 廻 りの 衛 生 設 備 構 造 物 と 一 体 でないベランダ 等 の 設 備 (システムキッチン 洗 面 台 便 器 ユニットバス 配 管 の 取 り 付 け 口 ベランダ 等 ) (2) 主 な 損 傷 設 備 本 体 の 損 壊 配 管 の 折 損 はずれ 等 (3) 損 傷 の 判 定 個 別 の 設 備 の 損 壊 に 応 じて 100%の 範 囲 内 で 損 傷 率 を 判 定 する 個 別 の 設 備 の 損 傷 率 の 目 安 は 次 のとおりとする 浴 室 の 設 備 については 30%の 範 囲 内 で 損 傷 率 を 判 定 する( 再 使 用 が 不 可 能 な 程 度 に 著 しく 損 傷 した 場 合 を 30%とする) 台 所 の 設 備 については 30%の 範 囲 内 で 損 傷 率 を 判 定 する( 再 使 用 が 不 可 能 な 程 度 に 著 しく 損 傷 した 場 合 を 30%とする) 水 廻 りの 衛 生 設 備 ( 浴 室 及 び 台 所 の 設 備 を 除 く) ベランダ 等 については 40% の 範 囲 内 で 損 傷 率 を 算 定 する( 全 ての 設 備 が 再 使 用 不 可 能 な 程 度 に 著 しく 損 傷 した 場 合 を 40%とする) なお 上 記 の 他 調 査 対 象 と 認 められる 設 備 があれば 100%の 範 囲 内 で 適 宜 損 傷 率 を 算 定 しても 差 し 支 えない ( 例 ) 浴 室 の 設 備 に 業 者 による 修 理 が 必 要 な 程 度 の 損 傷 があり トイレの 便 器 に 再 使 用 不 可 能 な 程 度 の 著 しい 損 傷 があった 場 合 損 傷 率 =( 浴 室 の 設 備 の 損 傷 率 )+(その 他 の 設 備 の 損 傷 率 ) =20% +10%=30% 1-40

3. 被 災 者 から 再 調 査 の 依 頼 があった 場 合 の 対 応 第 2 次 調 査 実 施 後 被 災 者 から 判 定 結 果 に 関 する 再 調 査 の 依 頼 があった 場 合 には 当 該 被 災 者 の 依 頼 の 内 容 を 精 査 し 再 調 査 が 必 要 と 考 えられる 点 があれば その 点 につい て 再 調 査 を 行 う 再 調 査 に 基 づく 住 家 の 被 害 の 程 度 の 判 定 結 果 については 理 由 とともに 当 該 被 災 者 に 示 す 1-41

1-42

非 木 造 非 木 造 の 住 家 は 構 造 上 鉄 骨 造 と 鉄 筋 コンクリート 造 に 大 別 されるが この 構 造 の 相 違 を 外 観 からの 目 視 によって 判 断 することは 困 難 であることも 多 いため 外 観 目 視 調 査 による 第 1 次 調 査 においては 構 造 上 の 区 別 はせず 同 一 の 調 査 により 判 定 す る なお 外 観 目 視 調 査 に 加 え 内 部 立 入 調 査 を 行 う 第 2 次 調 査 のうち 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 及 び 床 梁 の 調 査 においては 構 造 別 に 被 害 の 状 況 が 異 なることが 確 認 できると 考 えられるため 鉄 骨 造 鉄 筋 コンクリート 造 に 区 分 して 判 定 を 行 う 1-43

< 被 害 認 定 フロー( 地 震 による 被 害 非 木 造 )> 第 1 次 調 査 (1) 外 観 による 判 定 1 一 見 して 住 家 全 部 が 倒 壊 2 一 見 して 住 家 の 一 部 の 階 が 全 部 倒 壊 いずれかに 該 当 いずれにも 該 当 しない (2) 傾 斜 による 判 定 1 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が1/30 以 上 2( 基 礎 ぐいを 用 いる 住 家 について ) 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が1/60 以 上 かつ 最 大 沈 下 量 又 は 最 大 露 出 量 が30cm 以 上 該 当 全 壊 ( 損 害 割 合 50% 以 上 ) (3) 部 位 による 判 定 柱 又 は 梁 の 損 傷 率 が75% 以 上 該 当 しない 該 当 住 家 の 損 害 割 合 該 当 しない 各 部 位 の 損 傷 程 度 等 ( 及 び 傾 斜 ) から 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 する 第 2 次 調 査 (1) 外 観 による 判 定 1 一 見 して 住 家 全 部 が 倒 壊 2 一 見 して 住 家 の 一 部 の 階 が 全 部 倒 壊 50% 以 上 40% 以 上 50% 未 満 20% 以 上 40% 未 満 20% 未 満 被 災 者 から 申 請 があった 場 合 全 壊 大 規 模 半 壊 半 壊 半 壊 に 至 らない 第 1 次 調 査 における 判 定 の 対 象 となる 部 位 は 柱 ( 又 は 梁 ) 並 びに 雑 壁 仕 上 等 又 は 外 壁 及 び 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む.) とする いずれかに 該 当 いずれにも 該 当 しない (2) 傾 斜 による 判 定 1 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が1/30 以 上 2( 基 礎 ぐいを 用 いる 住 家 について ) 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が1/60 以 上 かつ 最 大 沈 下 量 又 は 最 大 露 出 量 が30cm 以 上 該 当 全 壊 ( 損 害 割 合 50% 以 上 ) (3) 部 位 による 判 定 柱 又 は 梁 の 損 傷 率 が75% 以 上 該 当 しない 該 当 住 家 の 損 害 割 合 該 当 しない 各 部 位 の 損 傷 程 度 等 ( 及 び 傾 斜 ) から 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 する 50% 以 上 40% 以 上 50% 未 満 20% 以 上 40% 未 満 20% 未 満 全 壊 大 規 模 半 壊 半 壊 半 壊 に 至 らない 被 災 者 から 再 調 査 の 依 頼 があった 場 合 の 対 応 被 災 者 から 再 調 査 の 依 頼 があった 場 合 被 災 者 の 依 頼 の 内 容 を 精 査 した 上 で 必 要 に 応 じて 再 調 査 を 実 施 1-44

1. 第 1 次 調 査 に 基 づく 判 定 第 1 次 調 査 は 外 観 の 損 傷 状 況 の 目 視 による 把 握 建 物 の 傾 斜 の 計 測 及 び 住 家 の 主 要 な 構 成 要 素 ( 外 観 から 調 査 可 能 な 部 位 に 限 る )ごとの 損 傷 程 度 等 の 目 視 による 把 握 を 行 う 調 査 により 把 握 した 住 家 の 外 観 住 家 の 傾 斜 及 び 部 位 ごとの 損 傷 程 度 等 により 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 し 被 害 認 定 基 準 等 に 照 らして 住 家 の 被 害 の 程 度 を 判 定 する (1) 外 観 による 判 定 外 観 目 視 調 査 及 び 基 礎 の 沈 下 量 の 測 定 により 判 定 する 判 定 は 一 見 して 住 家 全 部 が 倒 壊 している 場 合 又 は 一 見 して 住 家 の 一 部 の 階 が 全 部 倒 壊 している 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 全 壊 と されれば 調 査 は 終 了 する なお 応 急 危 険 度 判 定 において 次 のア 又 はイに 該 当 することにより 一 見 して 危 険 と 判 定 された 住 家 については この 判 定 結 果 を 参 考 として 全 壊 の 被 害 認 定 を 行 う 場 合 もある ア. 建 築 物 全 体 又 は 一 部 の 崩 壊 落 階 イ. 建 築 物 全 体 又 は 一 部 の 著 しい 傾 斜 ただし 応 急 危 険 度 判 定 の 判 定 結 果 を 参 考 として 被 害 認 定 を 行 うことができない 場 合 もあるので 留 意 する 必 要 がある 例 えば 棟 全 体 から 見 ればごく 一 部 分 の 崩 壊 に 過 ぎない 場 合 であっても 応 急 危 険 度 判 定 において 二 次 的 災 害 を 防 止 する 観 点 から その 棟 を 上 記 アに 該 当 することにより 一 見 して 危 険 と 判 定 する 場 合 が 考 えられる (2) 傾 斜 による 判 定 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 を 下 げ 振 り 等 により 測 定 し 判 定 を 行 う 傾 斜 は 原 則 として 住 家 の1 階 部 分 の 外 壁 の 四 隅 又 は 四 隅 の 柱 を 計 測 して 単 純 平 均 したものとする 1-45

下 げ 振 りによる 調 査 下 げ 振 りを 用 いる 場 合 の 傾 斜 の 測 り 方 は 下 図 を 参 考 のこと ( 図 1) 建 物 上 部 が 手 前 に 傾 斜 している 場 合 d1 ( 図 2) 建 物 上 部 が 奥 に 傾 斜 している 場 合 d1 外 壁 又 は 柱 h 外 壁 又 は 柱 h 下 げ 振 り ( 内 ) ( 外 ) d2 ( 内 ) ( 外 ) 下 げ 振 り d2 傾 斜 =(d2-d1)/h 傾 斜 =(d1-d2)/h 傾 斜 は 下 げ 振 りの 垂 直 長 さ(h)に 対 して 水 平 寸 法 (d:d2-d1 又 はd 1-d2)の 占 める 割 合 を 計 算 して 測 定 する 傾 斜 が 1/30 以 上 の 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 全 壊 とされれば 調 査 は 終 了 する 傾 斜 が 1/60 以 上 1/30 未 満 の 場 合 は 傾 斜 による 損 害 割 合 を 20%とし 部 位 に よる 判 定 を 行 う ただし 基 礎 ぐいを 用 いた 住 家 については 傾 斜 が 1/60 以 上 1/30 未 満 であり かつ 地 震 に 伴 う 液 状 化 等 の 地 盤 被 害 により 基 礎 の 最 大 沈 下 量 又 は 最 大 露 出 量 (これらの 量 は 住 家 の 周 囲 の 土 間 コンクリート 等 で 沈 下 量 0と 認 められる 地 点 を 基 準 となる 地 点 として 測 定 するものとする )が 30cm 以 上 の 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 全 壊 とされれ ば 調 査 は 終 了 する 傾 斜 が 1/60 未 満 である 場 合 は 傾 斜 による 判 定 は 行 わず 部 位 による 判 定 のみ を 行 う ( 例 ) 傾 斜 の 測 り 方 ( 非 木 造 ) 下 げ 振 りの 垂 直 部 分 の 長 さh=1,200mm の 場 合 傾 斜 (d/h) (d/h) 1/30 傾 斜 h=1,200mm の 場 合 d 40mm 判 定 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 とする 1-46

1/60 (d/h)<1/30 (d/h)<1/60 20mm d<40mm d<20mm 傾 斜 による 損 害 割 合 を 20%とし 部 位 による 判 定 を 行 う ただし 基 礎 ぐいを 用 いた 住 家 で 基 礎 の 最 大 沈 下 量 又 は 最 大 露 出 量 が 30cm 以 上 の 場 合 は 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 とする 傾 斜 による 判 定 は 行 わ ず 部 位 による 判 定 を 行 う (3) 部 位 による 判 定 外 観 目 視 により 柱 を 確 認 できるか 等 により 住 家 を 次 のア イのいずれかに 区 分 し 各 部 位 の 損 傷 率 ( 各 部 位 の 被 害 の 程 度 )を 外 観 目 視 により 把 握 し それに 部 位 別 の 構 成 比 ( 下 表 参 照 )を 乗 じたもの( 部 位 別 損 害 割 合 )の 合 計 ( 住 家 の 損 害 割 合 )を 算 出 する ア. 柱 ( 又 は 梁 ) 雑 壁 仕 上 等 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む ) イ. 外 壁 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む ) 住 家 の 損 害 割 合 が 50% 以 上 の 場 合 を 全 壊 40% 以 上 50% 未 満 の 場 合 を 大 規 模 半 壊 20% 以 上 40% 未 満 の 場 合 を 半 壊 20% 未 満 の 場 合 を 半 壊 に 至 らないと 判 定 する なお 構 成 比 には 柱 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 と 外 壁 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 とがある < 表 非 木 造 住 家 の 部 位 別 構 成 比 - 柱 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 -> 部 位 名 称 構 成 比 柱 ( 又 は 梁 ) 60% 雑 壁 仕 上 等 25% 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む) 15% 雑 壁 構 造 計 画 上 主 要 でない 壁 や 間 仕 切 壁 のこと < 表 非 木 造 住 家 の 部 位 別 構 成 比 - 外 壁 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 -> 部 位 名 称 構 成 比 外 壁 85% 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む) 15% 1-47

(2) 傾 斜 による 判 定 により 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が 1/60 以 上 1/30 未 満 と 測 定 された 場 合 は 次 のとおりとする < 柱 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 > 1 傾 斜 (=20%)+ 雑 壁 仕 上 等 + 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む) の 各 損 害 割 合 の 合 計 ( 柱 の 損 害 割 合 を 傾 斜 の 損 害 割 合 (=20%)に 置 き 換 える) 2 全 ての 部 位 別 損 害 割 合 の 合 計 < 外 壁 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 > 1 傾 斜 (=20%)+ 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む) の 各 損 害 割 合 の 合 計 ( 外 壁 の 損 害 割 合 を 傾 斜 の 損 害 割 合 (=20%)に 置 き 換 える ) 2 全 ての 部 位 別 損 害 割 合 の 合 計 各 々12のいずれか 大 きな 数 値 をとり 判 定 する また 柱 ( 又 は 梁 )は その 損 傷 程 度 によっては 居 住 のための 基 本 的 機 能 そのもの が 喪 失 することもあるので 本 運 用 指 針 においては いずれかの 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 に 当 該 住 家 を 全 壊 と 判 定 する < 参 考 > 非 木 造 住 家 の 傾 斜 による 被 害 概 念 図 の 例 1 階 の 柱 の 破 壊 による 傾 斜 地 盤 の 被 害 による 傾 斜 ( 液 状 化 不 同 沈 下 ) 途 中 階 の 柱 の 損 傷 による 傾 斜 1 階 の 柱 の 損 傷 による 傾 斜 1-48

1-1. 柱 ( 又 は 梁 ) 又 は 外 壁 調 査 対 象 柱 ( 又 は 梁 ) 又 は 外 壁 のどちらを 調 査 するかについては 次 の 通 りとする 1 外 観 目 視 の 結 果 柱 を 確 認 できる 住 家 については 柱 を 調 査 対 象 とする 柱 については 鉄 骨 造 鉄 筋 コンクリート 造 の 構 造 種 により 損 傷 の 状 況 を 例 示 して いるので それに 基 づき 判 定 を 行 う この 場 合 外 壁 については 雑 壁 仕 上 等 の 項 目 で 判 定 する なお 梁 の 目 視 が 可 能 な 場 合 梁 についても 調 査 を 行 う 2 外 観 目 視 の 結 果 柱 を 確 認 できない 住 家 又 は 壁 式 構 造 の 住 家 については 外 壁 を 調 査 対 象 とする 耐 力 壁 ( 構 造 耐 力 上 主 要 な 部 分 である 壁 )と 雑 壁 との 区 分 が 可 能 な 場 合 は 耐 力 壁 を 調 査 対 象 とする < 参 考 > 建 築 構 造 図 解 1. 鉄 骨 造 柱 や 梁 など 主 要 な 構 造 部 分 に 鋼 材 を 用 いたものを 鉄 骨 造 (S 造 )と 呼 ぶ 柱 と 梁 で 立 体 的 な 格 子 状 骨 組 みを 形 成 し 適 時 床 や 水 平 ブレース ブレースによる 耐 力 壁 など 併 用 する 鋼 材 は 火 災 に 弱 い ため 表 面 を 耐 火 材 で 覆 うことが 多 い 外 壁 にはALC 版 ( 気 泡 コンクリート 板 )が 多 用 される 図 版 出 典 : 建 築 構 法 市 ヶ 谷 出 版 社 1-49

2. 鉄 筋 コンクリート 造 組 み 立 てた 鉄 筋 の 周 囲 にコンクリートを 打 設 し 一 体 としたものを 鉄 筋 コンクリート 造 (RC 造 ) という 主 に 壁 式 構 造 と ラーメン 構 造 がある あらかじめ 作 ったプレキャストコンクリート 部 材 を 用 いる 場 合 は PCa 工 法 と 呼 ばれる また 大 スパン 高 層 化 の 場 合 は 鉄 骨 を 併 用 した 鉄 骨 鉄 筋 コン クリート 構 造 (SRC 造 )が 用 いられる 壁 式 構 造 住 宅 のように 壁 が 多 い 建 物 の 作 り 方 と して 柱 や 梁 を 用 いずに 壁 と 床 だけで 箱 のように 建 物 の 構 造 部 を 構 成 していく 方 法 柱 や 梁 の 形 がでないすっきりとした ものになる 通 常 は5 階 建 てまで 建 設 が 可 能 である ラーメン 構 造 柱 と 梁 による 剛 な 骨 組 みを 作 る 構 造 形 図 版 出 典 右 : 建 築 構 法 市 ヶ 谷 出 版 社 式 のことで 高 層 の 建 設 が 可 能 住 宅 では 四 周 を 柱 と 梁 で 囲 み 一 体 化 した 耐 震 壁 が 併 用 されることが 多 い 1-50

ア. 柱 ( 又 は 梁 )の 損 傷 により 判 定 する 場 合 (1) 調 査 箇 所 原 則 として 被 害 の 最 も 大 きい 階 の 柱 (ただし 該 当 する 階 の 調 査 が 困 難 な 場 合 は 1 階 の 柱 を 調 査 箇 所 として 代 用 しても 差 し 支 えない ) (2) 主 な 損 傷 鉄 骨 造 柱 の 局 部 座 屈 柱 と 梁 の 接 合 部 の 破 断 柱 脚 の 基 礎 コンクリートのひび 割 れ( 幅 約 0.2mm 以 上 ) 高 力 ボルトのすべり アンカーボルトの 伸 び 鉄 筋 コンクリート 造 コンクリートのひび 割 れ コンクリートの 剥 落 鉄 筋 の 曲 がりや 破 断 等 (3) 損 傷 の 判 定 次 頁 表 のような 損 傷 を 受 けた 柱 を 損 傷 柱 とする 損 傷 柱 の 算 定 は 柱 1 本 を 単 位 として 行 う なお 柱 の 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 損 傷 柱 の 本 数 損 傷 率 = 各 柱 の 損 傷 程 度 (%) 柱 の 全 数 各 柱 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 柱 全 体 の 損 傷 率 は 各 柱 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 判 定 する 1-51

< 表 柱 ( 構 成 比 60%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 鉄 骨 造 柱 脚 コンクリートのひび 割 れが 見 られる 鉄 筋 コンクリート 造 10% 近 寄 らないと 見 えにくい 程 度 のひび 割 れ( 幅 約 0.2mm 以 下 )が 生 じている Ⅱ 鉄 骨 造 アンカーボルトの 伸 びが 見 られる 高 力 ボルトのすべりが 見 られる 鉄 筋 コンクリート 造 25% 肉 眼 ではっきりと 見 える 程 度 のひび 割 れ( 幅 約 0.2mm~1mm) が 生 じているものの コンクリートの 剥 落 は 生 じていない Ⅲ 鉄 骨 造 局 部 座 屈 による 小 さな 変 形 が 柱 に 見 られる 鉄 筋 コンクリート 造 50% 比 較 的 大 きなひび 割 れ( 幅 約 1mm~2mm)が 生 じているが コンクリートの 剥 落 は 極 くわずかであり 鉄 筋 は 露 出 していない Ⅳ 鉄 骨 造 局 部 座 屈 による 中 ぐらいの 変 形 が 柱 に 見 られる 鉄 筋 コンクリート 造 大 きなひび 割 れ(2mm を 超 える)が 多 数 生 じ コンクリートの 75% 剥 落 も 激 しい 鉄 筋 が 露 出 しているものの 鉄 筋 の 変 形 は 見 られ ない Ⅴ 鉄 骨 造 局 部 座 屈 による 大 きな 変 形 が 柱 に 見 られる 接 合 部 の 破 断 が 見 られる 鉄 筋 コンクリート 造 鉄 筋 が 大 きく 露 出 しており 鉄 筋 の 曲 がり 破 断 が 見 られる 内 部 のコンクリートも 崩 れ 落 ち 柱 の 高 さ 方 向 の 変 形 が 生 じて いる 100% < 梁 の 損 傷 についても 判 定 することが 可 能 な 場 合 > (1) 調 査 箇 所 原 則 として 住 家 全 周 の 梁 (2) 主 な 損 傷 鉄 骨 造 ボルトの 破 断 接 合 部 又 は 継 手 の 破 断 鉄 筋 コンクリート 造 コンクリートのひび 割 れ コンクリートの 剥 落 鉄 筋 の 曲 がりや 破 断 等 1-52

(3) 損 傷 の 判 定 下 表 のような 損 傷 を 受 けた 梁 を 損 傷 梁 とする 梁 の 被 害 は 建 物 全 体 で 面 的 に 拡 が ることが 想 定 されるため 住 家 全 周 の 見 附 面 積 (いわゆる 正 面 面 積 )に 対 する 損 傷 梁 が 含 まれる 部 分 の 面 積 の 割 合 を 算 出 する なお 梁 の 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する < 表 梁 ( 構 成 比 60%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 鉄 筋 コンクリート 造 近 寄 らないと 見 えにくい 程 度 のひび 割 れ( 幅 約 0.2mm 以 下 )が 生 じている 10% Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 鉄 筋 コンクリート 造 肉 眼 ではっきりと 見 える 程 度 のひび 割 れ( 幅 約 0.2mm~1mm)が 生 じているものの コンクリートの 剥 落 は 生 じていない 鉄 骨 造 接 合 部 の 変 形 が 見 られる 鉄 筋 コンクリート 造 比 較 的 大 きなひび 割 れ( 幅 約 1mm~2mm)が 生 じているが コン クリートの 剥 落 は 極 くわずかであり 鉄 筋 は 露 出 していない 鉄 骨 造 ボルトの 一 部 破 断 あるいは 接 合 部 の 亀 裂 が 見 られる 鉄 筋 コンクリート 造 大 きなひび 割 れ(2mm を 超 える)が 多 数 生 じ コンクリートの 剥 落 も 激 しい 鉄 筋 が 露 出 しているものの 鉄 筋 の 変 形 は 見 られない 鉄 骨 造 接 合 部 又 は 継 手 に 大 きな 破 断 が 見 られる 鉄 筋 コンクリート 造 鉄 筋 が 大 きく 露 出 しており 鉄 筋 の 曲 がり 破 断 が 見 られる 内 部 のコンクリートも 崩 れ 落 ち 部 材 の 軸 心 がずれている 25% 50% 75% 100% 損 傷 梁 を 含 む 部 分 の 面 積 損 傷 率 = 各 梁 の 損 傷 程 度 (%) 住 家 全 周 の 見 附 面 積 柱 と 梁 各 々 調 査 を 行 い その 損 害 割 合 が 異 なる 場 合 には いずれか 大 きな 数 値 をとり 当 該 項 目 の 損 害 割 合 とする ( 例 1) 柱 柱 の 全 数 は4 本 うち1 本 の 損 傷 程 度 がⅠ 1 本 の 損 傷 程 度 がⅡである 場 合 損 傷 率 =(1/4) 10%+(1/4) 25% =2.5%+6.25%=8.75% 1-53

( 補 足 ) 柱 の 全 数 の 損 傷 程 度 がやむを 得 ない 事 情 により 確 認 できないときには 確 認 済 みの 柱 が 過 半 を 占 めていれば これにより 損 傷 率 を 算 定 して 差 し 支 えない ( 例 2) 柱 柱 の 全 数 は5 本 (1 本 未 確 認 ) うち1 本 の 損 傷 程 度 がⅡ 2 本 の 損 傷 程 度 がⅢで ある 場 合 損 傷 率 =(1/4) 25%+(2/4) 50% =6.25%+25%=31.25% ( 例 3) 梁 損 傷 程 度 がⅡの 梁 を 含 む 部 分 の 面 積 が 住 家 全 周 の 見 附 面 積 の 1/4 で 損 傷 程 度 がⅣの 梁 を 含 む 部 分 の 面 積 が 住 家 全 周 の 見 附 面 積 の 1/4 である 場 合 損 傷 率 =(1/4) 25%+(1/4) 75% =6.25%+18.75%=25% 例 1 と 3 の 場 合 当 該 項 目 の 損 傷 率 は 25%となる ( 図 1) 鉄 骨 造 : 柱 の 局 部 座 屈 ( 図 2) 鉄 骨 造 : 梁 の 局 部 座 屈 床 スラブ 1-54

( 図 3) 鉄 筋 コンクリート 造 :ひび 割 れのパターン 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 鉄 骨 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 1-55

( 図 4) 鉄 筋 コンクリート 造 :ひび 割 れに 伴 う 圧 壊 剥 落 のパターン 図 版 出 典 : 震 災 建 築 物 等 の 被 災 度 判 定 基 準 および 復 旧 技 術 指 針 ( 鉄 骨 造 編 ) ( 財 ) 日 本 建 築 防 災 協 会 1-56

イ. 外 壁 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 (1) 調 査 箇 所 住 家 の 外 周 壁 の 仕 上 部 分 とその 下 地 部 分 (2) 主 な 損 傷 仕 上 材 の 剥 離 浮 き ひび 割 れ( 幅 約 0.2mm 以 上 ) 等 コンクリートのひび 割 れ コンクリートの 剥 落 鉄 筋 の 曲 がりや 破 断 等 (3) 損 傷 の 判 定 下 表 のような 損 傷 を 受 けた 外 壁 を 損 傷 外 壁 とし 損 傷 の 認 められる 外 壁 の 面 積 を 損 傷 外 壁 面 積 とする < 表 外 壁 ( 構 成 比 85%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 近 寄 らないと 見 えにくい 程 度 のひび 割 れ( 幅 約 0.2mm 以 下 ) が 生 じている 外 壁 の 仕 上 材 の 隅 角 部 等 にわずかな 亀 裂 が 生 じている また 10% わずかな 剥 離 目 地 のずれが 見 られる Ⅱ 肉 眼 ではっきりと 見 える 程 度 のひび 割 れ( 幅 約 0.2mm~1mm) が 生 じているものの コンクリートの 剥 落 は 生 じていない 25% 外 壁 の 仕 上 材 が 部 分 的 に 剥 落 している Ⅲ 比 較 的 大 きなひび 割 れ( 幅 約 1mm~2mm)が 生 じているが コンクリートの 剥 落 は 極 くわずかであり 鉄 筋 は 露 出 していな い 50% 外 壁 の 仕 上 材 が 大 きく 剥 落 している Ⅳ 大 きなひび 割 れ(2mm を 超 える)が 多 数 生 じ コンクリートの 剥 落 も 激 しい 鉄 筋 が 露 出 しているものの 鉄 筋 の 変 形 は 見 られ 75% ない Ⅴ 鉄 筋 が 大 きく 露 出 しており 鉄 筋 の 曲 がり 破 断 が 見 られる 大 きなひび 割 れが 生 じ 内 部 のコンクリートも 崩 れ 落 ち 壁 の 向 こうが 透 けて 見 える 100% 損 傷 外 壁 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 全 外 壁 面 積 外 壁 の 各 部 分 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 住 家 全 周 の 外 壁 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する ( 例 ) 住 家 全 周 の 外 壁 面 積 の 1/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡ 1/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅣである 場 合 損 傷 率 =(1/4) 25%+(1/4) 75% =6.25%+18.75%=25% 1-57

1-2. 雑 壁 仕 上 等 (1) 調 査 箇 所 外 壁 の 仕 上 材 及 び 下 地 材 (2) 主 な 損 傷 ALC 版 コンクリートブロック 等 仕 上 材 の 剥 離 浮 き ひび 割 れ 外 壁 のひ び 割 れ 等 (3) 損 傷 の 判 定 外 壁 の 仕 上 部 分 が 下 表 のような 損 傷 を 受 けたとき その 仕 上 部 分 が 覆 っていた 面 を 損 傷 雑 壁 仕 上 等 面 とする < 表 雑 壁 仕 上 等 ( 構 成 比 25%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 仕 上 材 仕 上 や 仕 上 材 の 目 地 にわずかなひび 割 れ( 幅 約 0.2mm)が 見 られる 仕 上 材 の 隅 角 部 にわずかな 亀 裂 が 生 じている 仕 上 材 のわずかな 剥 離 目 地 のずれが 見 られる 10% 雑 壁 一 部 にひび 割 れ( 幅 約 0.2mm~1mm)やはがれが 生 じてい る Ⅱ 仕 上 材 仕 上 やパネルの 目 地 にはっきりとしたひび 割 れが 見 られる 仕 上 材 の 目 地 にずれが 見 られる 部 分 的 に 剥 離 している 25% 雑 壁 各 所 にひび 割 れ( 幅 約 0.2mm~1mm)やはがれが 生 じている Ⅲ 仕 上 材 大 きなひび 割 れ 又 は 仕 上 の 剥 離 が 見 られる 仕 上 材 が 部 分 的 に 剥 離 剥 落 している 雑 壁 50% 全 体 にひび 割 れ( 幅 約 0.2mm~1mm)やはがれが 生 じてい る Ⅳ 仕 上 材 仕 上 の 面 外 へのはらみ 出 し 又 は 剥 落 が 見 られる 仕 上 材 の 破 壊 崩 落 が 一 部 見 られる 75% 雑 壁 全 体 にひび 割 れ( 幅 約 1mm~5mm)やはがれが 生 じている Ⅴ 仕 上 材 全 面 にわたる 大 きな 亀 裂 が 見 られ 面 外 への 大 きなはらみ 出 し 大 きな 剥 落 が 見 られる 雑 壁 全 体 が 変 形 し 仕 上 の 大 部 分 が 剥 落 している 100% 1-58

損 傷 雑 壁 仕 上 面 積 損 傷 率 = 各 部 分 の 損 傷 程 度 (%) 住 家 全 周 の 雑 壁 仕 上 面 積 雑 壁 仕 上 面 の 各 部 分 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 住 家 全 周 の 雑 壁 仕 上 面 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 面 積 ごとに 加 重 平 均 して 算 定 する ( 例 ) 住 家 全 周 の 雑 壁 仕 上 面 積 の 1/4 に 相 当 する 部 分 の 損 傷 程 度 がⅡ 1/4 に 相 当 する 部 分 が 損 傷 程 度 がⅣである 場 合 損 傷 率 =(1/4) 25%+(1/4) 75% =6.25%+18.75%=25% 1-59

1-3. 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む) (1) 調 査 箇 所 高 架 水 槽 受 水 槽 外 部 階 段 等 の 外 部 から 目 視 できる 設 備 なお 配 線 配 管 等 外 部 から 目 視 できない 設 備 については 本 運 用 指 針 において は 柱 ( 又 は 梁 ) 又 は 外 壁 に 含 まれているものとする (2) 主 な 損 傷 設 備 本 体 の 損 壊 配 管 の 折 損 はずれ 等 (3) 損 傷 の 判 定 個 別 の 設 備 の 損 壊 に 応 じて 100%の 範 囲 内 で 損 傷 率 を 判 定 する なお 上 記 の 他 調 査 対 象 と 認 められる 設 備 があれば 100%の 範 囲 内 で 適 宜 損 傷 率 を 算 定 しても 差 し 支 えない 1-60

2. 第 2 次 調 査 に 基 づく 判 定 第 2 次 調 査 は 第 1 次 調 査 を 実 施 した 住 家 の 被 災 者 から 申 請 があった 場 合 に 実 施 する 第 2 次 調 査 は 外 観 の 損 傷 状 況 の 目 視 による 把 握 住 家 の 傾 斜 の 計 測 部 位 ごとの 損 傷 程 度 等 の 目 視 による 把 握 を 行 う 調 査 により 把 握 した 住 家 の 外 観 住 家 の 傾 斜 及 び 部 位 ごとの 損 傷 程 度 等 により 住 家 の 損 害 割 合 を 算 定 し 被 害 認 定 基 準 等 に 照 らして 住 家 の 被 害 の 程 度 を 判 定 する なお 第 2 次 調 査 のうち 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 及 び 床 梁 の 調 査 においては 内 部 立 入 調 査 により 第 1 次 調 査 では 区 別 が 困 難 であった 構 造 別 の 被 害 が 確 認 できると 考 えられ るため A. 鉄 骨 造 B. 鉄 筋 コンクリート 造 に 区 分 して 判 定 を 行 う (1) 外 観 による 判 定 外 観 目 視 調 査 及 び 基 礎 の 沈 下 量 の 測 定 により 判 定 する 判 定 は 一 見 して 住 家 全 部 が 倒 壊 している 場 合 又 は 一 見 して 住 家 の 一 部 の 階 が 全 部 倒 壊 している 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 全 壊 と されれば 調 査 は 終 了 する なお 応 急 危 険 度 判 定 において 次 のア 又 はイに 該 当 することにより 一 見 して 危 険 と 判 定 された 住 家 については この 判 定 結 果 を 参 考 として 全 壊 の 被 害 認 定 を 行 う 場 合 もある ア. 建 築 物 全 体 又 は 一 部 の 崩 壊 落 階 イ. 建 築 物 全 体 又 は 一 部 の 著 しい 傾 斜 ただし 応 急 危 険 度 判 定 の 判 定 結 果 を 参 考 として 被 害 認 定 を 行 うことができない 場 合 もあるので 留 意 する 必 要 がある 例 えば 棟 全 体 から 見 ればごく 一 部 分 の 崩 壊 に 過 ぎない 場 合 であっても 応 急 危 険 度 判 定 において 二 次 的 災 害 を 防 止 する 観 点 から その 棟 を 上 記 アに 該 当 することにより 一 見 して 危 険 と 判 定 する 場 合 が 考 えられる (2) 傾 斜 による 判 定 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 を 下 げ 振 り 等 により 測 定 し 判 定 を 行 う 傾 斜 は 原 則 として 住 家 の1 階 部 分 の 外 壁 の 四 隅 又 は 四 隅 の 柱 を 計 測 して 単 純 平 均 したものとする 1-61

下 げ 振 りによる 調 査 下 げ 振 りを 用 いる 場 合 の 傾 斜 の 測 り 方 は 下 図 を 参 考 のこと ( 図 1) 建 物 上 部 が 手 前 に 傾 斜 している 場 合 d1 ( 図 2) 建 物 上 部 が 奥 に 傾 斜 している 場 合 d1 外 壁 または 柱 h 外 壁 又 は 柱 h 下 げ 振 り ( 内 ) d2 ( 内 ) ( 外 ) 下 げ 振 り d2 傾 斜 =(d2-d1)/h 傾 斜 =(d1-d2)/h 傾 斜 は 下 げ 振 りの 垂 直 長 さ(h)に 対 して 水 平 寸 法 (d:d2-d1 又 はd 1-d2)の 占 める 割 合 を 計 算 して 測 定 する 傾 斜 が 1/30 以 上 の 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 全 壊 とされれば 調 査 は 終 了 する 傾 斜 が 1/60 以 上 1/30 未 満 の 場 合 は 傾 斜 による 損 害 割 合 を 20%とし 部 位 に よる 判 定 を 行 う ただし 基 礎 ぐいを 用 いた 住 家 については 傾 斜 が 1/60 以 上 1/30 未 満 であり かつ 地 震 に 伴 う 液 状 化 等 の 地 盤 被 害 により 基 礎 の 最 大 沈 下 量 又 は 最 大 露 出 量 (これらの 量 は 住 家 の 周 囲 の 土 間 コンクリート 等 で 沈 下 量 0と 認 められる 地 点 を 基 準 となる 地 点 として 測 定 するものとする )が 30cm 以 上 の 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 全 壊 とされれ ば 調 査 は 終 了 する 傾 斜 が 1/60 未 満 である 場 合 は 傾 斜 による 判 定 は 行 わず 部 位 による 判 定 のみ を 行 う ( 例 ) 傾 斜 の 測 り 方 ( 非 木 造 ) 下 げ 振 りの 垂 直 部 分 の 長 さh=1,200mm の 場 合 傾 斜 (d/h) (d/h) 1/30 傾 斜 h=1,200mm の 場 合 d 40mm 判 定 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 とする 1-62

1/60 (d/h)<1/30 (d/h)<1/60 20mm d<40mm d<20mm 傾 斜 による 損 害 割 合 を 20%とし 部 位 による 判 定 を 行 う ただし 基 礎 ぐいを 用 いた 住 家 で 基 礎 の 最 大 沈 下 量 又 は 最 大 露 出 量 が 30cm 以 上 の 場 合 は 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 とする 傾 斜 による 判 定 は 行 わ ず 部 位 による 判 定 を 行 う 1-63

(3) 部 位 による 判 定 住 家 を 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 床 梁 外 部 仕 上 雑 壁 屋 根 内 部 仕 上 天 井 建 具 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む) に 区 分 し 各 部 位 の 損 傷 率 ( 各 部 位 の 被 害 の 程 度 )を 外 観 目 視 及 び 内 部 立 入 により 把 握 し それに 部 位 別 の 構 成 比 ( 次 頁 表 参 照 )を 乗 じたもの( 部 位 別 損 害 割 合 )の 合 計 ( 住 家 の 損 害 割 合 )を 算 出 する 2 階 建 等 の 住 家 における1 階 等 の 価 値 を 考 慮 した 損 害 割 合 の 算 定 2 以 上 の 階 を 有 する 住 家 (1 世 帯 で2 以 上 の 階 を 使 用 している 場 合 に 限 る)にあっ ては 各 部 位 ( 基 礎 を 除 く)について 上 記 により 算 定 した 部 位 別 の 損 害 割 合 に 代 え て 次 の1 及 び2の 割 合 を 合 計 した 割 合 を 各 部 位 の 損 害 割 合 とすることができる た だし 各 部 位 の 損 害 割 合 は 次 頁 表 に 定 める 各 部 位 の 部 位 別 構 成 比 を 超 えることはで きないものとする 1 各 部 位 のうち 1 階 (1 階 以 外 の 階 で 台 所 食 堂 及 び 居 間 の 全 ての 室 を 有 する 階 が 存 する 住 家 にあっては 当 該 階 )に 存 する 部 分 に 係 る 損 害 割 合 を1.25 倍 した 割 合 2 各 部 位 のうち 1 階 (1 階 以 外 の 階 で 台 所 食 堂 及 び 居 間 の 全 ての 室 を 有 する 階 が 存 する 住 家 にあっては 当 該 階 ) 以 外 の 階 に 存 する 部 分 に 係 る 損 害 割 合 を0.5 倍 した 割 合 なお 1 及 び2において 各 階 の 損 害 割 合 に 乗 じる 係 数 (1.25 及 び0.5)は 一 般 的 な 住 家 として1 階 と2 階 の 床 面 積 比 が2:1 程 度 の 住 家 を 想 定 して 設 定 した 係 数 である 住 家 の1 階 と2 階 の 床 面 積 比 が これと 大 きく 異 なる 場 合 等 においては 別 途 各 階 の 損 害 割 合 に 乗 じる 係 数 を 設 定 することも 必 要 なことと 考 えられる ( 参 考 : 各 階 の 損 害 割 合 に 乗 じる 係 数 の 考 え 方 ) 1 階 と2 階 の 床 面 積 比 が2:1である 住 家 を 標 準 モデルとして 住 家 全 体 で 判 定 した 場 合 の 損 害 割 合 (ⅰ)と1 階 のみを1つの 住 家 とみなして 判 定 した 場 合 の 損 害 割 合 (ⅱ) の 平 均 値 (ⅲ)を 当 該 住 家 の 損 害 割 合 とするという 考 え 方 に 基 づき 各 階 の 損 害 割 合 に 乗 じる 係 数 を 設 定 している (ⅰ) 住 家 全 体 で 判 定 した 場 合 の 損 害 割 合 2 階 の 損 害 割 合 2 階 33.3% 1 階 の 損 害 割 合 1 階 66.7% 1-64

(ⅱ)1 階 のみを1つの 住 家 とみなして 判 定 した 場 合 の 損 害 割 合 2 階 の 損 害 割 合 を0 倍 2 階 1 階 の 損 害 割 合 を1.5 倍 1 階 100%(=66.7% 1.5) (ⅲ)(ⅰ)と(ⅱ)の 平 均 値 2 階 の 損 害 割 合 を 0.5 倍 2 階 16.7%(=33.3% 0.5) 1 階 の 損 害 割 合 を1.25 倍 1 階 83.3%(=66.7% 1.25) (ⅰ)~(ⅲ)のいずれも 斜 線 部 分 の 割 合 が それぞれの 方 法 により 算 定 された 住 家 の 損 害 割 合 を 表 す 住 家 の 損 害 割 合 が 50% 以 上 の 場 合 を 全 壊 40% 以 上 50% 未 満 の 場 合 を 大 規 模 半 壊 20% 以 上 40% 未 満 の 場 合 を 半 壊 20% 未 満 の 場 合 を 半 壊 に 至 らないと 判 定 する < 表 非 木 造 住 家 の 部 位 別 構 成 比 ( 第 2 次 調 査 )> 部 位 名 称 構 成 比 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 50% 床 梁 10% 外 部 仕 上 雑 壁 屋 根 10% 内 部 仕 上 天 井 10% 建 具 5% 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む ) 住 家 外 5% 住 家 内 10% (2) 傾 斜 による 判 定 により 外 壁 又 は 柱 の 傾 斜 が 1/60 以 上 1/30 未 満 と 測 定 された 場 合 は 1 傾 斜 (=20%)+ 外 部 仕 上 雑 壁 屋 根 + 内 部 仕 上 天 井 + 建 具 + 設 備 等 ( 外 部 階 段 を 含 む ) の 各 損 害 割 合 の 合 計 ( 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 床 梁 の 損 害 割 合 を 傾 斜 の 損 害 割 合 (=20%)に 置 き 換 える ) 2 全 ての 部 位 別 損 害 割 合 の 合 計 のいずれか 大 きな 数 値 をとり 判 定 する また 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) 及 び 梁 については その 損 傷 程 度 によっては 居 住 のため の 基 本 的 機 能 そのものが 喪 失 することもあるので 本 運 用 指 針 においては いずれか の 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する 1-65

2-1. 柱 ( 又 は 耐 力 壁 ) A. 鉄 骨 造 調 査 対 象 柱 又 は 耐 力 壁 のどちらを 調 査 するかについては 次 のとおりとする 1 外 観 目 視 で 柱 を 確 認 できる 住 家 については 柱 を 調 査 対 象 とする 2 仕 上 等 がなされ 柱 が 直 接 確 認 できない 場 合 は 耐 力 壁 を 調 査 対 象 とする 3 柱 耐 力 壁 のいずれも 確 認 できないときは 外 部 仕 上 の 損 傷 状 況 により 当 該 項 目 の 損 傷 程 度 を 推 定 する 外 部 仕 上 自 体 の 損 傷 程 度 は 外 部 仕 上 雑 壁 屋 根 の 項 目 で 別 途 判 定 する ア. 柱 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 (1) 調 査 箇 所 原 則 として 被 害 の 最 も 大 きい 階 の 柱 (ただし 該 当 する 階 の 調 査 が 困 難 な 場 合 は 1 階 の 柱 を 調 査 箇 所 として 代 用 して 差 し 支 えない ) (2) 主 な 損 傷 柱 の 局 部 座 屈 柱 と 梁 の 接 合 部 の 破 断 柱 脚 の 基 礎 コンクリートのひび 割 れ( 幅 約 0.2mm 以 上 ) 高 力 ボルトのすべり アンカーボルトの 伸 び (3) 損 傷 の 判 定 下 表 のような 損 傷 を 受 けた 柱 を 損 傷 柱 とする 損 傷 柱 の 算 定 は 柱 1 本 を 単 位 と して 行 う なお 柱 の 損 傷 率 が 75% 以 上 となる 場 合 は 当 該 住 家 の 損 害 割 合 を 50% 以 上 とし 全 壊 と 判 定 する < 表 柱 ( 構 成 比 50%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ 柱 脚 コンクリートのひび 割 れが 見 られる 10% Ⅱ アンカーボルトの 伸 びが 見 られる 高 力 ボルトのすべりが 見 られる 25% Ⅲ 局 部 座 屈 による 小 さな 変 形 が 柱 に 見 られる 50% Ⅳ 局 部 座 屈 による 中 ぐらいの 変 形 が 柱 に 見 られる 75% Ⅴ 局 部 座 屈 による 大 きな 変 形 が 柱 に 見 られる 接 合 部 の 破 断 が 見 られる 100% 損 傷 柱 の 本 数 損 傷 率 = 各 柱 の 損 傷 程 度 (%) 柱 の 全 数 1-66

各 柱 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には 柱 全 体 の 損 傷 率 は 各 柱 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する ( 例 1) 柱 の 全 数 は4 本 うち1 本 の 損 傷 程 度 がⅠ 1 本 の 損 傷 程 度 がⅡである 場 合 損 傷 率 =(1/4) 10%+(1/4) 25% =2.5%+6.25%=8.75% ( 補 足 ) 柱 の 全 数 の 損 傷 程 度 がやむを 得 ない 事 情 により 確 認 できないときには 確 認 済 みの 柱 が 過 半 を 占 めていれば これにより 損 傷 率 を 算 定 して 差 し 支 えない ( 例 2) 柱 の 全 数 は5 本 (1 本 未 確 認 ) うち1 本 の 損 傷 程 度 がⅡ 2 本 の 損 傷 程 度 がⅢで ある 場 合 損 傷 率 =(1/4) 25%+(2/4) 50% =6.25%+25%=31.25% イ. 耐 力 壁 の 損 傷 により 判 定 する 場 合 鉄 骨 造 においては ブレースを 入 れた 壁 を 耐 力 壁 とみなす (1) 調 査 箇 所 ブレース (2) 主 な 損 傷 座 屈 変 形 破 断 (3) 損 傷 の 判 定 次 頁 表 のような 損 傷 を 受 けたブレースを 損 傷 ブレースとする 損 傷 ブレース の 算 定 は ブレース1 対 を 単 位 として 行 う 損 傷 ブレース 数 損 傷 率 = 各 ブレースの 損 傷 程 度 (%) 全 ブレース 数 ブレースの 各 部 分 の 損 傷 程 度 が 異 なる 場 合 には ブレース 全 体 の 損 傷 率 は 各 部 分 の 損 傷 程 度 を 加 重 平 均 して 算 定 する < 表 耐 力 壁 ( 構 成 比 50%)> 程 度 損 傷 の 例 示 損 傷 程 度 Ⅰ わずかな 座 屈 変 形 が 見 られる 10% Ⅱ 座 屈 変 形 が 見 られる 25% Ⅲ 破 断 が 見 られる 50% ( 注 ) 鉄 骨 造 におけるブレースの 損 傷 については 取 り 替 えによる 補 修 が 可 能 であることが 多 く ブレースの 損 傷 のみによって 直 接 居 住 のための 基 本 的 機 能 を 喪 失 することは 少 ないと 考 えられ るので 本 運 用 指 針 においては 損 傷 程 度 をⅠからⅢの3 区 分 とする 1-67