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- 安 政 本 聲 明 品 について- 西 本 願 寺 の 法 要 儀 式 に 用 いる 聲 明 は 京 都 大 原 に 位 置 する 天 台 宗 の 魚 山 に 伝 え られた 魚 山 聲 明 を 源 流 とする 本 願 寺 の 法 要 儀 式 は 幾 多 の 変 遷 を 経 ているが 現 在 見 られる 形 式 の 原 形 は 本 願 寺 第 14 代 寂 如 上 人 (1651-1725)の 時 代 に 定 着 し た 寂 如 上 人 以 来 西 本 願 寺 は 魚 山 との 交 流 が 盛 んとなった そして 幕 末 に 近 い 文 化 年 中 に 至 って 本 山 御 堂 衆 (みどうしゅう) 光 隆 寺 (こうりゅうじ) 知 影 (ちえ い)が 魚 山 宝 泉 院 知 観 (ちかん) 僧 正 に 入 門 し 魚 山 聲 明 の 蘊 奥 を 学 ぶこと 四 半 世 紀 以 上 に 及 んだ その 間 知 影 は 知 観 僧 正 の 許 しを 得 て 当 時 宮 中 で 行 われてい た 法 要 儀 式 を 見 聞 するなどして 魚 山 余 響 (ぎょざんよこう) に 詳 しく 記 録 して いる また 知 影 を 仲 介 として 知 観 僧 正 は 西 本 願 寺 の 一 家 衆 や 御 堂 衆 に 聲 明 を 指 南 したり 浄 土 真 宗 の 聖 教 に 聲 明 譜 を 付 けたりしている 西 本 願 寺 において 最 初 に 公 刊 された 聲 明 集 は 文 化 元 (1804) 年 に 刊 行 された3 冊 本 聲 明 品 (しょうみょうぼん) 前 集 聲 明 後 集 である しかしこれには 聲 明 譜 ( 目 安 博 士 (めやすはかせ)という)は 付 けられておらず この 聲 明 集 を 用 いて 然 るべき 師 匠 から 音 曲 の 伝 授 を 受 けて 聲 明 譜 を 書 き 込 まねばならなかった 果 たして 文 化 元 年 本 より 遅 れること 半 世 紀 を 経 て 安 政 4(1857) 年 に4 冊 本 聲 明 品 ( 安 政 本 )が 刊 行 された この 安 政 本 こそは 西 本 願 寺 における 宗 定 聲 明 集 としては 初 めて 聲 明 譜 が 付 けられた 聲 明 集 である 安 政 本 を 見 ると 刊 行 当 時 は 現 代 とは 想 像 をはるかに 超 えた 多 くの 音 曲 が 伝 承 されていたことが 解 る 大 まかに 概 略 すると 天 台 宗 で 用 いられる 詞 章 をそのまま 引 き 継 いだ 音 曲 と 浄 土 真 宗 の 聖 教 (しょうぎょう)の 文 言 に 聲 明 譜 を 付 けたものが 混 在 している あ るいは 知 観 僧 正 が 作 譜 したと 考 えられる 音 曲 も 収 録 されている ただ 音 曲 が4 冊 にわたって ランダムに 掲 載 されているだけで 各 音 曲 がどの 法 要 のどの 部 分 で 用 いられていたかがつまびらかではなく 本 願 寺 の 古 記 録 等 を 参 照 しなければ 不 明 なことが 多 い さて 今 年 の 聲 明 の 夕 べ では 安 政 本 に 収 録 されてある 所 謂 密 教 唄 (みっきょうばい) に 分 類 される 密 教 立 (みっきょうだて) 法 要 に 用 いられる 音 曲 の 聲 明 譜 が 付 けられた 聲 明 曲 を 取 り 上 げて 復 元 研 究 したものを 奉 修 する これ らの 音 曲 は 天 台 宗 の 金 剛 界 曼 荼 羅 供 (こんごうかいまんだらく) に 依 用 される 音 曲 を 浄 土 教 の 聖 句 に 置 き 換 えたものである 今 これら 各 音 曲 を 金 剛 界 曼 荼 羅 供 の 配 列 に 倣 い 浄 土 讃 嘆 法 (じょうどさんだんほう) と 命 名 して 現 代 に 甦 らせたのがこの 度 の 法 要 である 藤 波 蓮 凰

五 眼 讃 浄 土 讃 嘆 法 御 文 の 解 説 肉 眼 清 徹 靡 不 分 了 天 眼 通 達 无 量 無 限 法 眼 観 察 究 竟 諸 道 慧 眼 見 真 能 度 彼 岸 佛 眼 具 足 覚 了 法 性 肉 眼 は 清 徹 にして 分 了 ならざることなし / 天 眼 は 通 達 して 無 量 無 限 なり / 法 眼 は 観 察 して 諸 道 を 究 竟 す / 慧 眼 は 真 を 見 てよく 彼 岸 に 度 す / 仏 眼 は 具 足 し て 法 性 を 覚 了 す 肉 眼 は 清 く 澄 みとおって 明 らかにならないものはなにもない 天 眼 はすべてに 通 じ 達 していて 無 量 無 限 である 法 眼 はさまざまな 道 の 究 極 まで 見 きわめつくしている 慧 眼 は 真 実 を 見 て よく 平 等 の 真 理 に 到 達 している 佛 眼 をそなえては すべてのものの 本 性 をさとり 尽 くしている 出 典 は 康 僧 鎧 訳 仏 説 無 量 寿 経 巻 下 衆 生 往 生 果 と 呼 ばれる 一 段 ( 浄 土 真 宗 原 典 版 六 四 頁 )の 文 本 讃 文 では 仏 が 具 える 五 眼 ( 肉 眼 天 眼 法 眼 慧 眼 佛 眼 ) のすばらしさが 讃 えられている 仏 説 無 量 寿 経 では 浄 土 に 往 生 した 者 ( 菩 薩 )がそなえる 功 徳 の 一 つとして この 五 眼 ( 肉 眼 天 眼 法 眼 慧 眼 佛 眼 ) のすばらしさが 説 かれている 着 座 讃 念 念 称 名 常 懺 悔 ( 中 略 ) 即 是 衆 生 増 上 縁 念 々に 称 名 してつねに 懺 悔 す( 中 略 )すなはちこれ 衆 生 増 上 縁 なり 念 々に( 南 無 阿 弥 陀 仏 と) 称 名 念 仏 し 常 に 自 らの 罪 を 悔 いる ( 中 略 ) す なわちこれが ( 私 たち) 衆 生 にとって 阿 弥 陀 如 来 の 浄 土 へ 往 生 する 上 でのこの 上 ないはたらき( 増 上 縁 )なのである 出 典 は 善 導 大 師 般 舟 讃 ( 浄 土 真 宗 原 典 版 ( 七 祖 篇 ) 八 五 一 頁 ) 称 名 念 仏 による 懺 悔 ( 自 身 の 犯 した 罪 業 を 悔 いること)が 示 されており 称 名 念 仏 することが 増 上 縁 ( 衆 生 を 救 い 往 生 させる 勝 れた 縁 力 強 い 縁 )であ るとする 本 讃 文 には 人 よく 仏 を 念 ずれば 仏 また 憶 したまふ 凡 聖 あひ 知 り 境 あひ 照 らす という 二 句 が 省 略 されている それを 含 めると 衆 生 が 懺 悔 の 念 仏 をし 仏 を 念 じ また 仏 も 衆 生 を 想 い 仏 と 衆 生 がお 互 いに 念 じ 照 らしあって 増 上 縁 となることが 述 べられている 云 何 唄 解 説 略

散 華 ( 上 段 ) 願 我 在 道 場 香 華 供 養 佛 ( 下 段 ) 願 以 此 功 徳 平 等 施 一 切 同 発 菩 提 心 往 生 安 楽 国 ( 上 段 ) 願 はくは 我 道 場 にありて 香 華 を 仏 に 供 養 せん ( 下 段 ) 願 はくはこの 功 徳 をもつて 平 等 に 一 切 に 施 し 同 じく 菩 提 心 を 発 し て 安 楽 国 に 往 生 せん 願 わくは 私 は 道 場 において 香 と 華 をもって 仏 に 供 養 したい(ささげたい) ( 中 略 ) 願 わくは この 功 徳 を 一 切 のあらゆる 生 きとし 生 けるものと 平 等 に 分 か ち 合 い 同 じく 仏 のさとりを 求 める 心 を 発 して 阿 弥 陀 仏 の 極 楽 浄 土 ( 西 方 安 楽 国 )に 往 き 生 まれたい ( 上 段 ) 出 典 について 魚 山 六 巻 帖 には 金 剛 頂 経 というが 不 詳 と 記 さ れている 証 空 上 人 の 當 麻 曼 荼 羅 供 式 ( 大 正 蔵 巻 八 三 )に 同 文 が 見 られる 内 容 は 道 場 にて 華 と 香 を 仏 に 供 養 することを 願 う 文 ( 下 段 ) 出 典 は 善 導 大 師 観 経 四 帖 疏 玄 義 分 帰 三 宝 偈 浄 土 真 宗 では 回 向 句 として 勤 行 の 最 後 にあげられることでよく 知 られてい る 功 徳 をすべてのものに 平 等 に 施 し 同 じく 浄 土 往 生 することを 願 う 文 對 揚 南 无 入 大 寂 定 真 宗 教 主 釋 迦 尊 令 法 久 住 利 有 情 ( 中 略 ) 伽 藍 安 穏 興 正 法 所 願 成 辨 弥 陀 尊 大 寂 定 に 入 りたまふ 真 宗 の 教 主 釈 迦 尊 に 南 無 したてまつる 法 をして 久 しく 住 せ しめ 有 情 を 利 す ( 中 略 ) 伽 藍 安 穏 にして 正 法 を 興 す 所 願 成 就 したまふ 弥 陀 尊 大 いなるさとりの 境 地 に 入 られた 真 実 の 教 えを 説 かれた 釈 迦 如 来 に 南 無 ( 帰 依 ) いたします ( 釈 迦 如 来 は) 真 実 の 教 え( 法 )を 久 しくこの 世 界 にとどめられ 生 きとし 生 けるものたちを 救 われています 僧 たちが 集 い 修 行 する 清 浄 な 場 所 ( 寺 院 伽 藍 )は 安 穏 であり 正 しい 教 えがお こっています 阿 弥 陀 如 来 は その 誓 われた 願 いを 成 就 されています 對 揚 は 本 来 仏 の 説 法 場 で 対 告 衆 と 呼 ばれる 大 衆 の 代 表 者 が 法 を 聴 き かつ 問 答 して 仏 意 を 発 揮 する 意 味 である ( 法 蔵 館 仏 教 音 楽 辞 典 對 揚 の 頁 参 照 )とされる 現 状 は その 内 容 は 願 文 となることが 多 くあるとされる ここ では 釈 迦 尊 ( 釈 迦 如 来 ) への 帰 依 が 示 され 本 願 を 成 就 した 阿 弥 陀 仏 につい ても 讃 えられている

供 養 文 一 切 恭 敬 敬 礼 常 住 三 寶 无 邊 无 量 作 佛 事 ( 中 略 ) 供 養 已 一 切 恭 敬 一 切 恭 敬 して 常 住 の 三 寶 に 敬 礼 す 無 辺 無 量 の 仏 事 を 作 す ( 中 略 ) 供 養 しお わりて 一 切 恭 敬 す 一 切 恭 敬 して 常 住 の( 生 滅 変 化 することのない 永 久 につねに 存 在 する) 三 宝 に 敬 礼 します 無 量 無 辺 のかぎりない 仏 事 をおこないます ( 中 略 )( 供 養 し 終 わっ て) 一 切 恭 敬 します 出 典 は 観 仏 三 昧 海 経 巻 十 念 十 方 仏 品 ( 大 正 蔵 一 五 六 九 五 頁 ) 三 宝 ( 仏 法 僧 )に 恭 敬 供 養 し 仏 事 を 行 う 事 を 述 べる 文 曼 荼 羅 供 悔 過 法 要 法 華 懺 法 ( 切 声 ) 声 明 懺 法 ( 律 様 呂 様 )など 多 くの 法 要 で 称 えられ 音 用 が 異 なる ( 魚 山 六 巻 帖 四 三 丁 冠 註 参 照 )とされる 三 寶 礼 南 無 無 勝 荘 厳 界 教 主 釋 迦 牟 尼 佛 南 無 六 八 願 王 阿 弥 陀 佛 南 無 浄 土 真 宗 囊 祖 聖 人 ( 中 略 ) 南 無 浄 土 三 部 妙 典 真 浄 法 寶 無 勝 荘 厳 界 の 教 主 釈 迦 牟 尼 佛 に 南 無 したてまつる / 六 八 の 願 王 阿 弥 陀 佛 に 南 無 したてまつる / 浄 土 真 宗 の 囊 祖 聖 人 に 南 無 したてまつる /( 中 略 )/ 浄 土 三 部 妙 典 真 浄 法 寶 に 南 無 したてまつる 無 勝 荘 厳 界 の 教 主 である 釈 迦 牟 尼 仏 に 南 無 いたします 四 十 八 の 願 いを 建 て られたすばらしい 阿 弥 陀 仏 に 南 無 いたします 浄 土 真 宗 を 開 かれた 開 祖 聖 人 ( 親 鸞 聖 人 )に 南 無 いたします ( 中 略 ) 浄 土 三 部 経 という まことに 清 らかな 法 寶 に 南 無 いたします 仏 教 の 教 主 釈 迦 牟 尼 仏 ( 釈 尊 ) 四 十 八 願 を 建 てられた 阿 弥 陀 仏 浄 土 真 宗 の 開 祖 親 鸞 聖 人 そして 浄 土 真 宗 のよりどころである 浄 土 三 部 経 に 帰 依 することを 述 べる 文 真 宗 興 正 派 では 南 無 無 勝 荘 厳 界 教 主 釋 迦 牟 尼 佛 南 無 六 八 願 王 阿 弥 陀 佛 南 無 浄 土 真 宗 囊 祖 大 師 を 漢 音 で 唱 える ( 法 蔵 館 仏 教 音 楽 辞 典 三 宝 礼 参 照 )とされる 文 讃 道 場 荘 厳 極 清 浄 天 上 人 間 無 比 量 過 現 諸 佛 等 霊 等 人 天 龍 鬼 中 法 蔵 全 身 碎 身 真 舎 利 大 衆 持 華 散 其 上 瞻 仰 尊 厳 繞 七 匝 梵 響 聲 等 皆 供 養 願 我 身 浄 如 香 爐 願 我 心 如 智 慧 火 念 念 焚 焼 戒 定 香 供 養 十 方 三 世 佛 慚 愧 釋 迦 大 悲 主 十 方 恒 沙 諸 世 尊 不 捨 慈 悲 巧 方 便 共 賛 弥 陀 弘 誓 門

( 中 略 ) 過 現 諸 佛 皆 来 化 無 明 業 障 不 相 逢 慚 愧 釋 迦 弘 誓 重 不 捨 娑 婆 十 悪 叢 希 遇 道 場 聞 浄 土 騰 神 永 逝 出 煩 籠 衆 等 傷 心 共 悲 嘆 手 執 香 華 常 供 養 道 場 の 荘 厳 きはめて 清 浄 なり / 天 上 人 間 に 比 量 なし / 過 現 の 諸 仏 等 の 霊 等 人 天 竜 鬼 のなかの 法 蔵 / 全 身 砕 身 の 真 舎 利 / 大 衆 華 を 持 してそ の 上 に 散 じ / 尊 顔 を 瞻 仰 して 繞 ること 七 匝 / 梵 響 の 声 等 をもつてみな 供 養 し たてまつる / 願 はくはわが 身 浄 きこと 香 爐 のごとく / 願 はくはわが 心 智 慧 の 火 のごとくして / 念 々に 戒 定 の 香 を 焚 焼 して / 十 方 三 世 の 仏 を 供 養 したてま つらん / 慚 愧 す 釈 迦 大 悲 主 / 十 方 恒 沙 の 諸 世 尊 / 慈 悲 巧 方 便 を 捨 てずして /ともに 弥 陀 弘 誓 門 を 讃 じたまへり / ( 中 略 ) 過 現 の 諸 仏 みな 来 りて 化 すれども / 無 明 業 障 をもつてあひ 逢 はず/ 慚 愧 す 釈 迦 の 弘 誓 重 くして/ 娑 婆 十 悪 の 叢 を 捨 てたまはざることを / 希 に 道 場 に 遇 ひて 浄 土 を 聞 く / 神 を 騰 げて 永 く 逝 きて 煩 籠 を 出 でん / 衆 等 傷 心 しとも に 悲 嘆 して / 手 に 香 華 を 執 りてつねに 供 養 したてまつれ 道 場 のうるわしさ 飾 りは 極 めて 清 らかである 天 上 の 世 界 人 間 の 世 界 に 比 べ られるものはない 過 去 現 在 のあらゆる 仏 がた 人 間 天 人 龍 鬼 たちの 中 の 法 の 蔵 全 身 あるいは 身 を 砕 いた 部 分 の 舎 利 大 衆 は 華 をその 上 に 散 らし うるわしく 尊 いお 顔 を 仰 ぎみて その 周 りを 七 周 まわり きよらかな 響 きの 声 等 をもって みな 供 養 するのである 願 わくは 私 の 体 は 清 らかな 香 炉 のようにな り また 願 わくは 私 の 心 の 智 慧 は 火 のようになり 念 念 のうちに 戒 律 と 禅 定 の 香 を 焼 いて 十 方 の 過 去 現 在 未 来 (の 三 世 )の 仏 を 供 養 したてまつりたい 慚 愧 します 大 悲 の 主 である 釈 迦 如 来 また 十 方 のガンジス 川 の 砂 の 数 ほどもいら っしゃる 諸 仏 方 は 慈 悲 と 巧 みな 方 便 をすてられることなく ともに 阿 弥 陀 如 来 の 弘 誓 の 門 を 讃 えてくださっています ( 中 略 ) 過 去 現 在 の 諸 仏 がたは みな 来 て 下 さっているのに ( 私 たちは 自 身 の) 無 明 や 業 の 障 りによってであっていません 慚 愧 します 釈 迦 如 来 の 誓 いは 重 く ( 決 し て) 娑 婆 の 十 悪 という 重 罪 のくさむらを 捨 てられておりません まれに 道 場 にて 浄 土 の 教 えを 聞 くことにであうことができました 心 を 高 くあげてすすみ この 煩 悩 の 駕 籠 をでます 大 衆 は 心 傷 つき ともに 悲 嘆 して 手 に 香 と 華 をもって つねに 仏 を 供 養 したてまつりなさい 出 典 は 善 導 大 師 法 事 讃 ( 浄 土 真 宗 聖 典 原 典 版 ( 七 祖 篇 ) 六 〇 一 頁 以 下 ) 前 段 では 道 場 は 清 らかで 諸 仏 舎 利 に 対 して 華 を 散 じ そのまわりを 巡 り 清 らかな 声 供 養 すること また 自 身 の 全 身 をもって 三 世 の 諸 仏 を 供 養 することを 述 べ 諸 仏 の 慈 悲 と 阿 弥 陀 仏 への 讃 嘆 を 讃 えられる 後 半 部 分 では 自 らの 煩 悩 業 障 によって 諸 仏 にあうことができなことを 歎 きつつも 釈 迦 如 来 の 慈 悲 をたた え 浄 土 の 教 えに 遇 うことができたことをよろこび この 煩 悩 のとらわれをはな れることを 願 いつつ 大 衆 とともに 香 と 華 によって 仏 を 供 養 すべきことが 述 べ られている

勧 帰 讃 帰 去 来 魔 郷 不 可 停 曠 劫 来 流 転 六 道 尽 皆 経 到 処 無 余 楽 唯 聞 生 死 声 畢 此 生 平 後 入 彼 涅 槃 城 帰 去 来 (いざいなん) 魔 郷 には 停 まるべからず 曠 劫 よりこのかた 流 転 して 六 道 ことごとくみな 経 たり 到 る 処 に 余 の 楽 なし ただ 生 死 の 声 を 聞 く この 生 平 を 畢 へて 後 かの 涅 槃 の 城 に 入 らん さあ 行 こう 障 りの 多 いこの 世 界 にとどまってはならない 永 遠 のかなたの 過 去 以 来 ずっと 流 転 輪 廻 をつづけてきて ( 迷 いの) 六 道 ( 地 獄 餓 鬼 畜 生 修 羅 人 天 )の 世 界 はすべて 経 めぐってきた もうどこにも 楽 しみなどありはせず ただ 生 死 の 苦 しみを 歎 くだけが 聞 こえる この 命 を 終 えたのちには かの さと り の 世 界 ( 阿 弥 陀 如 来 の 極 楽 浄 土 )に 生 まれよう 出 典 は 善 導 大 師 観 経 四 帖 疏 定 善 義 ( 浄 土 真 宗 聖 典 原 典 版 ( 七 祖 篇 ) 四 五 九 頁 ) 勧 帰 讃 の 名 の 通 り 仏 のさとり( 涅 槃 )の 境 界 である 極 楽 浄 土 へ 往 生 ( 帰 する)ことを 勧 める 讃 文 苦 しみの 六 道 をすべて 経 て ただ 生 死 の 苦 し みの 声 ばかりであることを 知 り この 命 を 終 えた 後 は さとりの 浄 土 へ 往 き 生 ま れることを 帰 去 来 (いざいなん) とすすめられている 文 中 唯 聞 生 死 声 の 句 について 管 見 の 限 り 観 経 四 帖 疏 では 愁 歎 となっている 唯 一 生 死 とあるのは 本 派 本 願 寺 蔵 親 鸞 聖 人 顕 浄 土 真 実 教 行 証 文 類 真 仏 土 文 類 の 引 用 文 のみである ( 坂 東 本 存 蓮 本 の 同 引 文 も 愁 歎 となっている ) 諸 智 讃 佛 智 普 遍 智 不 思 議 智 無 等 智 威 徳 智 廣 大 智 彼 因 廣 慧 力 故 受 彼 化 生 於 蓮 華 中 結 跏 趺 座 仏 智 普 遍 智 不 思 議 智 無 等 智 威 徳 智 廣 大 智 かの 広 慧 の 力 によるがゆゑ に かの 化 生 を 受 け 蓮 華 のなかにおいて 結 跏 趺 坐 す ( 仏 の 偉 大 な 智 慧 である) 仏 智 普 遍 智 不 思 議 智 無 等 智 威 徳 智 廣 大 智 と いう かのすばらしい 智 慧 の 力 によるがゆえに かの( 阿 弥 陀 仏 の 極 楽 浄 土 への) 生 を 受 け ( 極 楽 に 咲 く) 蓮 華 の 中 に 結 跏 趺 坐 して 座 るのである 出 典 は 大 宝 積 経 巻 十 八 無 量 寿 如 来 会 ( 通 称 如 来 会 大 正 蔵 巻 一 一 一 〇 〇 頁 下 )の 胎 化 段 といわれる 一 段 この 讃 文 には 廣 大 智 と 彼 因 廣 慧 力 故 の 間 にある 数 行 が 省 略 されている 阿 弥 陀 仏 の 仏 智 普 遍 智 不 思 議 智 無 等 智 威 徳 智 廣 大 智 と 讃 えられる すばらしい 智 慧 を 信 じる 衆 生 は その 極 楽 浄 土 の 蓮 華 の 中 に 生 まれて 結 跏 趺 坐 ( 禅 定 を 修 めるときの 座 り 方 )すると 説 かれる この 箇 所 は 親 鸞 聖 人 の 顕 浄 土 真 実 教 行 証 文 類 化 身 土 文 類 三 経 往 生 文 類 に 引 用 されている 以 上 中 平 了 悟

出 仕 者 内 陣 あとがき 外 陣 導 師 阿 満 慎 介 鈸 師 後 藤 康 子 五 眼 讃 川 本 隼 也 鐃 師 毛 利 浄 香 着 座 讃 長 尾 叡 藤 波 蓮 凰 唄 師 大 八 木 正 雄 伊 藤 現 散 華 師 畑 中 阿 難 清 岡 大 地 文 讃 海 野 唯 香 藤 井 善 昭 勧 帰 讃 法 正 弘 惠 大 野 弘 信 諸 智 讃 龍 田 智 中 平 了 悟 斉 藤 真 哉 赤 井 智 顕 楠 誓 英 西 原 由 規 佐 々 木 美 結 栗 山 篤 今 津 隆 文 西 田 ちあき 以 上 この 度 の 第 十 二 回 聲 明 の 夕 べにようこそお 参 りくださいました 聲 明 の 夕 べは 当 初 恩 師 水 原 夢 江 先 生 の 復 元 による 五 会 念 仏 略 法 事 讃 と 如 法 念 仏 作 法 を 平 成 十 六 年 より 有 縁 の 有 志 により 交 互 に 勤 めて 参 りました この 両 作 法 も 今 後 伝 承 されてゆくめどが 立 ちましたので 一 昨 年 前 より 他 の 作 法 の 挑 戦 を 始 め 同 時 に 会 名 を 西 六 条 魚 山 会 と 新 たにし 古 典 聲 明 研 鑽 発 信 の 会 としてスタートいたし ました 会 員 の 皆 様 の 熱 心 な 練 習 の 結 果 昨 年 の 聲 明 例 時 に 引 き 続 き 今 年 はこの 浄 土 讃 嘆 法 をお 勤 めすることが 出 来 ることになりました この 作 法 は 天 台 宗 胎 蔵 界 曼 荼 羅 供 所 収 の 楽 曲 と 同 じ 旋 律 の 楽 曲 を 江 戸 時 代 の 本 願 寺 派 開 版 本 ( 通 称 安 政 本 )の 中 より 選 び 出 し 胎 蔵 界 曼 荼 羅 供 に 倣 い 配 列 したもの であります 詳 しくは 前 記 の 解 説 をご 覧 ください その 復 元 作 業 は 伊 藤 現 師 藤 波 蓮 凰 師 有 谿 賢 有 師 が 中 心 となり 幾 度 もの 加 筆 訂 正 を 加 えながら およそ 三 年 の 歳 月 をかけて 完 成 致 しました 江 戸 時 代 にこのように 作 法 立 てで 勤 められ ていたかどうかは 不 明 でありますが 当 時 の 聲 明 が 時 代 を 超 えて 姿 をあらわした ことは 誠 に 意 義 深 いものがあろうかと 存 じております 聲 明 には 時 代 に 相 応 して 変 化 する 一 面 と 時 代 を 超 えて 伝 承 されるべき 一 面 の 両 義 があります 私 ども 西 六 条 魚 山 会 は 後 者 の 活 動 を 中 心 に 行 っております 御 参 拝 の 皆 様 のご 期 待 が 私 どもの 活 動 の 力 ともなりますので 今 後 とも 宜 しくご 支 援 の 程 お 願 い 申 し 上 げます 本 日 はようこそお 参 りくださいました 大 八 木 正 雄