3. 都 市 内 高 速 道 路 ランプ 橋 の を 特 計 殊 画 架 し 設 工 実 法 施 する による 必 要 施 があった また 工 頻 繁 に 車 第 二 京 阪 道 路 門 真 ジャンクション 工 事 報 告 技 術 委 員 会 架 設 小 委 員 会 浦 田 保 森 添 慎 司 越 中 信 雄 塩 田 恵 市 1.はじめに 門 真 ジャンクションは 図 -1 に 示 すように 近 畿 自 動 車 道 と 第 二 京 阪 道 路 を 結 ぶ 重 要 な 節 点 である 第 二 京 阪 は 大 阪 都 市 圏 京 都 都 市 圏 間 を 相 互 に 連 絡 し 国 道 1 号 の 慢 性 的 な 渋 滞 と 周 辺 道 路 の 交 通 混 雑 を 緩 和 するとともに 名 神 高 速 道 路 京 滋 バイパス 国 道 1 号 と 一 体 となって 近 畿 地 方 における 幹 線 道 路 網 を 形 成 し 重 要 な 役 割 を 果 たす 道 路 である が 出 入 りしている 物 流 倉 庫 の 上 空 に 鋼 桁 の 架 設 を 行 う が 物 流 倉 庫 の 営 業 を 妨 げないため 敷 地 内 にはベン トを 設 置 しないことが 施 工 条 件 であった こうした 制 約 の 中 での 施 工 を 実 現 するため 大 ブロ ック 回 転 横 取 り 工 法 (Aランプ 橋 ) 近 畿 道 全 面 通 行 止 めによる 大 ブロック 一 括 架 設 工 法 (A Bランプ 橋 ) 大 型 ベントを 使 用 した 張 出 し 架 設 工 法 (Bランプ 橋 )を 代 表 とする 特 殊 工 法 による 架 設 を 行 った ここでは 本 工 事 で 実 施 したこれらの 特 殊 架 設 工 法 について 報 告 を 行 う 施 工 場 所 図 -1 門 真 ジャンクション 位 置 図 図 -2 現 場 概 要 図 本 工 事 の 施 工 範 囲 は 合 成 床 版 を 有 する 鋼 連 続 非 合 成 細 幅 箱 桁 4 橋 (A B C Dランプ 橋 )と 鋼 製 橋 脚 2 基 および 鋼 コンクリート 複 合 橋 脚 4 基 である 特 色 と して 図 -2 に 示 すように 車 両 の 通 行 が 途 絶 えるこ とのない 近 畿 自 動 車 道 ( 以 下 近 畿 道 と 略 )ならびに 大 阪 府 中 央 環 状 線 ( 以 下 中 央 環 状 線 と 略 )といった 主 要 幹 線 道 路 と 交 差 する 市 街 地 に 位 置 し 中 央 環 状 は 本 線 と 副 道 の 合 計 4 車 線 の 内 最 低 2 車 線 を 確 保 する ことが 条 件 であるため 40 種 類 を 超 える 交 通 規 制 形 態 2. 工 事 概 要 工 事 名 : 近 畿 自 動 車 道 門 真 ジャンクション( 鋼 上 部 工 ) 工 事 発 注 者 : 西 日 本 高 速 道 路 株 式 会 社 関 西 支 社 枚 方 工 事 事 務 所 施 工 場 所 : 大 阪 府 門 真 市 薭 島 ~ 大 阪 市 鶴 見 区 茨 田 大 宮 工 期 :H18 年 11 月 3 日 ~H21 年 11 月 16 日 構 造 概 要 : 表 -1 参 照 床 版 形 式 : 鋼 コンクリート 合 成 床 版 (Cデッキ) 3-1
表 -1 構 造 概 要 構 造 形 式 Aランプ 橋 10 径 間 連 続 細 幅 箱 桁 橋 長 622.1 m Bランプ 橋 13 径 間 連 続 細 幅 箱 桁 橋 長 799.2 m 鋼 重 2,233 t 2,549 t Cランプ 橋 4 径 間 連 続 細 幅 箱 桁 橋 長 264.2 m 878 t Dランプ 橋 5 径 間 連 続 細 幅 箱 桁 橋 長 331.4 m 1,047 t 橋 脚 鋼 製 橋 脚 2 基 884 t 鋼 コンクリート 複 合 橋 脚 4 基 3. 大 ブロック 回 転 横 取 り 工 法 3.1 工 法 の 概 要 Aランプ 橋 の AP7~AP8 橋 脚 間 の 架 設 は 物 流 倉 庫 の 敷 地 内 にベントが 設 置 できない 施 工 条 件 であるため 図 -3 に 示 すように 中 央 環 状 線 北 行 き 副 道 と 歩 道 を 写 真 -2 回 転 横 取 り 施 工 後 回 転 中 心 (C82-G2R) 軌 条 設 備 迂 回 させることで 施 工 ヤードを 確 保 し ベントの 設 置 および 鋼 桁 と 合 成 床 版 パネルの 地 組 立 を 実 施 し AP8 橋 脚 側 を 回 転 中 心 として 定 位 置 まで 移 動 を 行 う 回 転 横 取 り 工 法 を 採 用 した 回 転 横 取 り 設 備 は AP8 橋 脚 側 に 回 転 中 心 となるユ AP8 90684 ( 回 転 半 径 :R) ( 回 転 角 :α) 30 26 49 AP7 47624 ( 直 線 移 動 距 離 :L) ニバーサルヘッド 付 き 油 圧 ジャッキ(6000kN-75st)を 設 置 し AP7 橋 脚 側 に 横 取 り 軌 条 設 備 ( 直 線 軌 条 )を 組 み 立 てるとともに 横 取 り 装 置 として2 軸 スライド 装 BP9 図 -3 AP7~AP8 橋 脚 間 施 工 要 領 図 置 を 使 用 した 回 転 横 取 りは 主 桁 長 102m の 地 組 立 ブロック( 約 566t)を 約 30 回 転 させるために 軌 条 設 備 側 で 約 48m の 横 取 り 移 動 を 実 施 した ここで 横 取 り 軌 条 は 直 線 3.8m 軌 条 のため 主 桁 回 転 にともなう 軌 条 ラインとの 角 度 47.6m 変 化 ( 約 30 )と 支 間 変 化 ( 約 3.8m)が 生 じるが 2 軸 スライド 装 置 の 有 する 追 従 機 能 で 対 処 し 回 転 横 取 り 回 転 半 径 を 完 了 させた ( 写 真 -1,2 図 -3,4) AP7 90.684m 図 -4 AP7~AP8 大 ブロック 回 転 横 取 り 工 法 の 概 要 図 3.2 回 転 中 心 設 備 回 転 横 取 り 架 設 は 多 点 支 持 で 組 み 立 てた 地 組 立 ブ ロックを AP7 および AP8 橋 脚 側 の 単 純 支 持 にして 行 う ことになるため 支 点 部 に 主 桁 のたわみ 角 (θ 写 真 -1 回 転 横 取 り 施 工 前 =1.035 )と 主 桁 端 部 の 回 転 による 移 動 量 (δ=52mm) が 発 生 する 3-2
回転中心となる AP8 橋脚側の支点は 固定ピン支点 3 4 横取り方法 とする必要があるため ユニバーサルヘッド付き油圧 横取りの推進装置として使用するジャッキは H形 ジャッキ(6000kN-75st)を使用して 主桁のたわみ角に 鋼クランプジャッキおよび水平ジャッキであり 手順 追随し ユニバーサルヘッドと一体化した支持架台を も図 5 に示すように 従来の平行横取りと同様の方 介して主桁を固定することで 可動支点となる AP7 橋 法となる ただし 回転横取りでは 受点のスライド 脚側で主桁端部の回転による移動量を集約させる構造 移動にともなう縦断勾配(受点高さ)の変化が生じるこ とした (写真 3) とになるので 縦断勾配の変化を相殺し クローラ式 プレートの支圧面を確保するため 下フランジ下面に テーパー架台を設置した また 2軸スライド装置側面に横ずれ防止ガイドを 設置し 主桁の横取り方向に対する拘束を行うことで クローラ式プレートの回転を補助する構造とした (写真 5) 写真 3 回転中心設備 3 3 2軸スライド装置 本工事で使用した2軸スライド装置は 回転機能(タ ーンテーブル)とスライド機能(クローラ式プレート) 500mm縮め を有した横取り装置である 2軸スライド装置は 円弧の軌跡を描いて移動する 主桁に対して 直線配置した軌条設備上を移動する横 取り装置との間に角度変化が約 30 と支間変化が約 3.8m 生じることになるが ターンテーブルが回転する ことで角度変化に追従するとともに クローラ式プレ ートが受点をスライドさせて支間変化への対応が可能 となる (写真 4) 500mm伸ばす 写真 4 2軸スライド装置 図 5 横取り手順図 3 3
写 真 -6 近 畿 自 動 車 道 上 空 架 設 (Aランプ 橋 ) 写 真 -5 2 軸 スライド 装 置 配 置 4. 近 畿 自 動 車 道 全 面 通 行 止 めによる 大 ブロック 一 括 架 設 工 法 (A,Bランプ 橋 ) 4.1 工 法 の 概 要 Aランプ 橋 の AP3~AP4 間 およびBランプ 橋 の BP10 ~BP11 橋 脚 間 は 近 畿 道 の 上 空 を 交 差 する 主 桁 線 形 で あるため 近 畿 道 の 全 面 通 行 止 めを 必 要 とする 架 設 で ある 架 設 工 法 は 全 面 通 行 止 めの 規 制 日 数 を 最 小 限 とするため 550t 吊 オールテレーンクレーンを 使 用 し た2 橋 同 時 施 工 による 大 ブロック 一 括 架 設 工 法 を 採 用 した 架 設 作 業 は 事 前 作 業 として 近 畿 道 の 俯 角 75 範 囲 となる 主 桁 の 地 組 立 (Aランプは3ブロック Bラン プは4ブロック)を 行 い 近 畿 道 の 全 面 通 行 止 め 時 の 作 業 として G1 および G2 主 桁 のセットバックをともな う 落 し 込 み 架 設 後 に 横 桁 と 検 査 路 および 合 成 床 版 パ ネルの 設 置 までを3 夜 間 で 完 了 させた ( 写 真 -6,7) また Aランプ 橋 の 架 設 には クレーン 据 付 ヤード として1 級 河 川 古 川 を 渡 河 する 仮 桟 橋 を 使 用 したが 河 川 内 に 支 持 杭 の 設 置 ができず 支 間 が 31.4m になる ため 桁 高 1,656mm の 工 事 桁 を 14 主 桁 配 置 した 構 造 を 採 用 した 写 真 -7 近 畿 自 動 車 道 上 空 架 設 (Bランプ 橋 ) 写 真 -8 近 畿 道 上 空 架 設 完 了 (Aランプ 橋 ) 写 真 -9 近 畿 道 上 空 架 設 完 了 (Bランプ 橋 ) 3-4
5. 大 型 ベントを 使 用 した 張 出 し 架 設 工 法 (A Bランプ 橋 ) 5.1 工 法 の 概 要 Bランプ 橋 の BP9~BP10 橋 脚 間 は 物 流 倉 庫 の 上 空 および 架 設 完 了 したAランプ 橋 (AP7~AP8 橋 脚 間 )と 交 差 する 主 桁 線 形 となっている また 回 転 横 取 り 時 と 同 様 に 物 流 倉 庫 の 営 業 を 妨 げられないため 敷 地 内 にはベントを 設 置 しないことが 施 工 条 件 であった そのため 架 設 に 使 用 するベントは BP9 および BP10 橋 脚 部 の 作 業 ヤードならびに 占 用 帯 に 設 置 した 支 持 ベ ントを 基 点 として 桁 高 2,600mm の 工 事 桁 を4 主 桁 配 置 し 物 流 倉 庫 の 上 空 で 主 桁 を 支 持 する 大 型 ベント 構 造 とした 主 桁 の 架 設 は あらかじめ BP10 橋 脚 側 でセットバッ クを 実 施 した 上 で BP9 および BP10 橋 脚 各 々から 支 間 中 央 に 向 かって 架 設 を 進 行 し 大 型 ベント 工 事 桁 先 端 の 支 持 点 から 主 桁 が 2.5 ブロック 張 り 出 した 状 態 で 中 央 部 を 落 し 込 みにより 閉 合 する 手 順 とした ( 図 - 6,7 および 写 真 -10) ベントとして 用 いた 総 重 量 539.3t(カウンターウェイ ト 157t 含 む)のベントである 中 央 環 状 線 北 行 き 副 道 ならびに 合 流 道 路 の 交 通 を 確 保 するため 門 形 形 式 のベントを 併 用 した 構 造 を 採 用 した ( 図 -7 写 真 -10) BP9 および BP10 橋 脚 ベントともに 市 街 地 施 工 によ る 制 約 の 多 い 現 地 条 件 の 他 に BP9~BP10 橋 脚 間 の 主 桁 閉 合 時 における 工 事 桁 のたわみが 4 主 桁 単 位 で 近 似 するようにベント 位 置 を 決 定 しているため 機 材 配 置 が 複 雑 な 構 造 となっている ベントに 作 用 する 反 力 は 支 柱 1 本 あたり BP9 橋 脚 ベントで 3,741.5kN BP10 橋 脚 ベントで 3,810.9kN と 非 常 に 大 きくなるため 橋 脚 のフーチング 天 端 まで 掘 削 を 行 い フーチングをベント 基 礎 とすることで 地 耐 力 を 確 保 した また 張 出 し 状 態 となる 工 事 桁 の 安 定 は 後 部 に 載 荷 したカウンターウェイトで 確 保 したが BP10 橋 脚 ベントは 中 央 環 状 線 北 行 き 本 線 が 近 接 し 載 荷 位 置 までの 距 離 がとれないため 157t のカウンター ウェイトを 必 要 とした 作 業 ヤード 物 流 倉 庫 写 真 -10 BP9~10 橋 脚 間 落 し 込 み 架 設 5.2 大 型 ベントの 構 造 BP9 橋 脚 ベントは 工 事 桁 ( 桁 高 2,600mm 4 主 桁 ) を 主 構 造 とし 800mm 800mm(4 面 フランジ 仕 様 )の 支 柱 を 最 大 ベントとして 用 いた 総 重 量 332.2t(カウン ターウェイト 33.5t 含 む)のベントである 物 流 倉 庫 建 物 の 屋 根 が 工 事 桁 に 干 渉 するため ア ゴ 掛 けタイプの 連 結 構 ( 製 作 材 )を 使 用 した2 段 形 式 の 工 事 桁 構 造 を 採 用 した ( 図 -6 写 真 -11) BP10 橋 脚 ベントは 工 事 桁 ( 桁 高 2,600mm 4 主 桁 ) を 主 構 造 とし パイプ 径 762mm 9.5mm の 支 柱 を 最 大 図 -6 BP9 橋 脚 ベント 一 般 図 写 真 -11 BP9 橋 脚 ベント 3-5
物 流 倉 庫 中 央 環 状 北 行 副 道 場 所 が 制 限 されるのに 加 えて 使 用 したベント 機 材 の 断 面 が 大 きく 部 材 重 量 が 重 くなるので 550t 吊 オール テレーンクレーンが 必 要 となった また 架 設 完 了 し た 主 桁 や 他 の 構 造 物 が 干 渉 するため 工 事 桁 の 横 取 り による 撤 去 や 吊 天 秤 を 使 用 した 吊 り 込 み 等 で 対 処 した ( 写 真 -14 15) 解 体 作 業 の 手 順 は 複 雑 になったが 物 流 倉 庫 の 敷 地 が 休 業 日 に 限 り 使 用 する 事 が 可 能 となり 安 全 な 解 体 が 実 現 した 図 -7 BP10 橋 脚 ベント 一 般 図 写 真 -14 大 型 ベントの 解 体 全 景 写 真 -12 BP10 橋 脚 ベント 5.3 ベント 設 備 のブロック 化 工 事 全 体 の 施 工 において 工 事 工 程 規 制 工 程 を 遵 守 するため 夜 間 作 業 日 数 を 短 縮 する 必 要 があった その 対 策 として ベント 設 備 のブロック 化 を 実 施 し 施 工 箇 所 まで 運 搬 して 工 期 短 縮 を 行 った ( 写 真 -13) 写 真 -13 ブロック 化 した 部 材 の 運 搬 5.4 大 型 ベントの 解 体 大 型 ベントの 解 体 は 作 業 時 間 およびクレーン 据 付 写 真 -15 吊 り 天 秤 を 使 用 した 大 型 ベントの 解 体 6.おわりに 本 工 事 は 200 日 を 超 える 夜 間 作 業 を 実 施 し ラン プ 橋 4 橋 の 架 設 床 版 工 事 鋼 製 および 複 合 橋 脚 6 基 の 架 設 を 終 え 273,328 時 間 の 無 災 害 労 働 時 間 を 達 成 し 平 成 21 年 11 月 16 日 に 竣 工 を 迎 えた 工 事 を 進 めるにあたり 発 注 者 および 工 事 関 係 者 の 方 々に 御 指 導 御 協 力 して 頂 きました ここに 深 く 感 謝 致 します 3-6