大 宮 支 店 住 所 :さいたま 市 大 宮 区 桜 木 町 1-11-9 ニッセイ 大 宮 桜 木 町 ビル 7 階 TEL:048-643-2080( 代 表 ) URL:http://www.tdb.co.jp/ 業 歴 100 年 以 上 の 老 舗 企 業 埼 玉 県 で 827 社 ~ 卸 売 小 売 飲 食 店 が 5 割 弱 を 占 める ~ はじめに リーマン ショック 東 日 本 大 震 災 など 未 曾 有 の 経 済 変 動 災 害 に 見 舞 われ 大 きなダメージを 受 けた 国 内 経 済 近 年 も 消 費 低 迷 や 原 材 料 高 など 企 業 経 営 を 取 り 巻 く 厳 しい 経 済 環 境 にあって 企 業 が 永 続 的 に 事 業 を 続 けることは 決 して 容 易 なことではない 埼 玉 県 内 でも 2015 年 には 351 社 が 法 的 整 理 を 申 請 し 1030 社 が 休 廃 業 解 散 に 至 るなどして 市 場 から 退 場 を 余 儀 なくされている 一 方 で 第 二 次 世 界 大 戦 明 治 維 新 などの 変 革 期 を 乗 り 越 え 脈 々と 事 業 を 継 承 している 老 舗 企 業 も 多 く 存 在 する 帝 国 データバンク 大 宮 支 店 は 埼 玉 県 内 に 本 社 があり 創 業 または 設 立 から 100 年 以 上 ( 創 業 または 設 立 が 1916 年 以 前 )の 老 舗 企 業 827 社 を 抽 出 し 創 業 設 立 の 時 代 業 歴 別 業 種 別 市 町 村 別 に 調 査 分 析 した なお 老 舗 企 業 は 個 人 経 営 各 種 法 人 も 含 む 調 査 結 果 ( 要 旨 ) 1. 創 業 設 立 の 時 代 で 最 も 多 かったのが 明 治 時 代 で 541 社 6 割 超 を 占 めた また 業 歴 別 では 業 歴 100 年 以 上 200 年 未 満 が 800 社 でほとんどを 占 めた 2. 業 種 別 では 卸 売 小 売 飲 食 店 が 408 社 5 割 弱 を 占 め 最 多 製 造 が 187 社 建 設 が 146 社 と 続 いた 3. 市 町 村 別 では さいたま 市 が 97 社 構 成 比 11.7%で 最 多 次 いで 川 越 市 が 65 社 ( 同 7.9%) 熊 谷 市 が 56 社 ( 同 6.8%)で 上 位 となった 4. 埼 玉 県 の 老 舗 企 業 の 輩 出 率 は 1.34%で 全 都 道 府 県 中 42 番 目 5. 創 業 年 が 特 定 できた 主 な 老 舗 企 業 は 宗 教 法 人 西 光 院 (1575 年 創 業 草 加 市 ) ( 株 ) 糀 家 (1620 年 創 業 吉 川 市 ) 堀 切 工 務 店 (1628 年 創 業 三 郷 市 )など 1
1. 創 業 設 立 の 時 代 業 歴 別 埼 玉 県 内 老 舗 企 業 827 社 について その 創 業 年 または 設 立 年 を 時 代 別 に 見 ると 明 治 時 代 (1868 年 から 1911 年 まで)が 541 社 構 成 比 65.4%で 最 多 次 いで 大 正 時 代 (1912 年 から 1925 年 まで)が 199 社 同 24.1% 江 戸 時 代 (1603 年 から 1867 年 まで)が 86 社 同 10.4% と 続 いた また 業 歴 別 に 見 ると 100 年 以 上 200 年 未 満 (1817 年 から 1916 年 までに 創 業 または 設 立 ) が 800 社 構 成 比 96.7%とほとんどを 占 めた 老 舗 企 業 創 業 設 立 の 時 代 老 舗 企 業 業 歴 別 大 正 時 代 199 社, 24.1% 安 土 桃 山 時 代 1 社, 0.1% 江 戸 時 代 86 社, 10.4% 200 年 以 上 300 年 未 満 20 社, 2.4% 300 年 以 上 400 年 未 満 6 社, 0.7% 400 年 以 上 1 社, 0.1% 明 治 時 代 541 社, 65.4% 100 年 以 上 200 年 未 満 800 社, 96.7% 2. 業 種 別 老 舗 企 業 業 種 別 業 種 別 に 見 ると 最 も 多 かったの が 卸 売 小 売 飲 食 店 で 408 社 構 成 比 49.3%を 占 めた 次 いで 製 造 が 187 社 ( 同 22.6%) 建 設 が 146 社 ( 同 17.7%) サービ ス が 37 社 ( 同 4.5%) 不 動 産 が 36 社 ( 同 4.4%)と 続 いた 卸 売 小 売 飲 食 店 を 細 分 類 別 に 見 ると 酒 類 卸 が 22 社 で 最 多 次 いで 酒 小 売 が21 社 呉 服 服 地 小 売 が 19 社 で 続 いた 製 造 を 細 分 類 別 に 見 ると 清 酒 製 造 が 21 社 で 最 多 生 菓 子 製 造 が 8 社 その 他 の 食 料 品 製 造 が 7 社 で 続 き 比 較 的 業 種 が 分 散 するかたちとなった 建 設 を 細 分 類 別 に 見 ると 木 造 建 築 工 事 業 が 29 社 で 最 多 建 築 工 事 業 が23 社 一 般 土 木 建 築 工 事 業 が 16 社 で 続 いた 運 輸 通 信 5 社, 0.6% 不 動 産 36 社, 4.4% 卸 売 小 売 飲 食 店 408 社, 49.3% サービス 37 社, 4.5% 農 業 8 社, 1.0% 建 設 146 社, 17.7% 製 造 187 社, 22.6% 主 要 業 種 の 上 位 3 業 種 ( 業 種 細 分 類 ) 業 種 順 位 業 種 細 分 類 社 数 1 酒 類 卸 22 卸 売 小 売 2 酒 小 売 21 飲 食 店 3 呉 服 服 地 小 売 19 1 清 酒 製 造 21 製 造 2 生 菓 子 製 造 8 3 その 他 の 食 料 品 製 造 7 1 木 造 建 築 工 事 業 29 建 設 2 建 築 工 事 業 23 3 一 般 土 木 建 築 工 事 業 16 2
3. 市 町 村 別 老 舗 企 業 の 所 在 地 を 市 町 村 別 老 舗 企 業 数 市 町 村 別 に 見 ると さ 順 位 市 町 村 名 社 数 構 成 比 順 位 市 町 村 名 社 数 構 成 比 いたま 市 が 97 社 構 成 1 さいたま 市 97 11.7% 吉 川 市 7 0.8% 2 川 越 市 65 7.9% 三 郷 市 7 0.8% 比 11.7%で 最 多 とな 31 3 熊 谷 市 56 6.8% 大 里 郡 寄 居 町 7 0.8% った 次 いで 川 越 市 4 川 口 市 55 6.7% 入 間 郡 三 芳 町 7 0.8% が 65 社 ( 同 7.9%) 5 秩 父 市 39 4.7% 児 玉 郡 美 里 町 6 0.7% 35 6 深 谷 市 31 3.7% 北 葛 飾 郡 杉 戸 町 6 0.7% 熊 谷 市 が 56 社 ( 同 7 加 須 市 3 0 3.6% 坂 戸 市 5 0.6% 6.8%) 川 口 市 が 55 8 所 沢 市 26 3.1% 秩 父 郡 小 鹿 野 町 5 0.6% 37 社 ( 同 6.7%) 秩 父 市 9 行 田 市 25 3.0% 日 高 市 5 0.6% 10 本 庄 市 232.8% 蕨 市 5 0.6% が 39 社 ( 同 4.7%) 狭 山 市 20 2.4% ふじみ 野 市 4 0.5% 深 谷 市 が 31 社 ( 同 11 東 松 山 市 20 2.4% 朝 霞 市 4 0.5% 41 3.7%) 加 須 市 が 30 13 入 間 市 19 2.3% 白 岡 市 4 0.5% 14 春 日 部 市 18 2.2% 比 企 郡 川 島 町 4 0.5% 社 ( 同 3.6%) 所 沢 市 羽 生 市 17 2.1% 富 士 見 市 30.4% が 26 社 ( 同 3.1%) 45 15 久 喜 市 17 2.1% 北 本 市 30.4% 行 田 市 が 25 社 ( 同 鴻 巣 市 17 2.1% 秩 父 郡 皆 野 町 2 0.2% 3.0%) 本 庄 市 が 23 越 谷 市 16 1.9% 鶴 ヶ 島 市 2 0.2% 18 比 企 郡 小 川 町 16 1.9% 入 間 郡 毛 呂 山 町 2 0.2% 社 ( 同 2.8%)と 続 い 20 上 尾 市 15 1.8% 比 企 郡 ときがわ 町 2 0.2% 47 た 幸 手 市 14 1.7% 比 企 郡 滑 川 町 2 0.2% 21 市 町 村 の 特 徴 を 業 種 草 加 市 14 1.7% 比 企 郡 吉 見 町 2 0.2% 23 飯 能 市 13 1.6% 比 企 郡 嵐 山 町 2 0.2% 別 に 見 ると さいたま 24 桶 川 市 11 1.3% 北 葛 飾 郡 松 伏 町 2 0.2% 市 で 最 も 多 かったのが 25 入 間 郡 越 生 町 10 1.2% 秩 父 郡 東 秩 父 村 1 0.1% 卸 売 小 売 飲 食 店 26 戸 田 市 9 1.1% 南 埼 玉 郡 宮 代 町 1 0.1% 55 志 木 市 8 1.0% 北 葛 飾 郡 伊 奈 町 1 0.1% の47 社 酒 小 売 酒 新 座 市 8 1.0% 和 光 市 1 0.1% 27 類 卸 呉 服 服 地 小 売 八 潮 市 8 1.0% 総 計 827 100.0% 菓 子 製 造 小 売 など 蓮 田 市 8 1.0% 昔 ながらの 業 種 が 多 くを 占 めた 川 越 市 でも 卸 売 小 売 飲 食 店 が 35 社 で 最 多 となった 茶 小 売 が 4 社 あるのが 特 徴 熊 谷 市 でも 卸 売 小 売 飲 食 店 の 27 社 を 筆 頭 にさまざまな 業 種 が 見 られた 川 口 市 では 製 造 が 20 社 で 最 多 鋳 物 関 連 や 機 械 部 品 製 造 に 関 連 する 業 種 が 多 かった なお さいたま 市 を 区 別 に 見 ると 最 多 は 岩 槻 区 で 23 社 市 内 での 構 成 比 23.7%を 占 めた 次 いで 大 宮 区 が 21 社 ( 同 21.6%) 浦 和 区 が 17 社 ( 同 17.5%)と 続 いた 3
4. 都 道 府 県 別 老 舗 企 業 輩 出 率 老 舗 企 業 の 輩 出 率 ( 全 企 業 に 占 め る 老 舗 企 業 の 率 )を 都 道 府 県 別 に 見 てみると 埼 玉 県 は 1.34%で 全 国 42 番 目 大 阪 府 が 1.54%で 38 番 目 千 葉 県 が 1.46%で 39 番 目 東 京 都 が 1.41%で 40 番 目 神 奈 川 県 が 1.15% で 46 番 目 と 企 業 数 の 多 い 都 府 県 は 比 較 的 下 位 に 位 置 している 老 舗 企 業 数 が 最 も 多 いのは 東 京 都 で2896 社 2 番 目 が 大 阪 府 で 1586 社 次 いで 愛 知 県 が 1539 社 新 潟 県 が 1321 社 京 都 府 が 1255 社 と 続 いた 埼 玉 県 の 827 社 は 10 番 目 だった 5. 主 な 老 舗 企 業 都 道 府 県 別 老 舗 企 業 輩 出 率 順 位 都 道 府 県 老 舗 輩 出 率 (%) 老 舗 社 数 順 位 都 道 府 県 老 舗 輩 出 率 (%) 老 舗 社 数 1 山 形 県 4.35 708 25 茨 城 県 2.28 668 2 京 都 府 4.26 1,255 26 栃 木 県 2.26 498 3 新 潟 県 3.99 1,321 27 山 口 県 2.20 371 4 島 根 県 3.89 372 28 兵 庫 県 2.13 1,082 5 滋 賀 県 3.53 481 29 愛 媛 県 2.04 370 6 福 井 県 3.46 522 30 宮 城 県 2.03 500 7 長 野 県 3.35 875 31 愛 知 県 2.03 1,539 8 富 山 県 3.27 521 32 広 島 県 2.02 770 9 秋 田 県 2.93 361 33 大 分 県 2.01 321 10 三 重 県 2.93 635 34 熊 本 県 2.01 395 11 石 川 県 2.87 451 35 高 知 県 1.92 188 12 鳥 取 県 2.86 221 36 群 馬 県 1.87 513 13 奈 良 県 2.83 360 37 青 森 県 1.71 308 14 福 島 県 2.83 651 38 大 阪 府 1.54 1,586 15 佐 賀 県 2.82 339 39 千 葉 県 1.46 734 16 徳 島 県 2.72 270 40 東 京 都 1.41 2,896 17 香 川 県 2.68 371 41 北 海 道 1.41 1,010 18 岩 手 県 2.64 371 42 埼 玉 県 1.34 827 19 和 歌 山 県 2.63 338 43 福 岡 県 1.34 733 20 岐 阜 県 2.59 581 44 宮 崎 県 1.27 187 21 静 岡 県 2.53 1,077 45 鹿 児 島 県 1.18 202 22 岡 山 県 2.50 604 46 神 奈 川 県 1.15 817 23 山 梨 県 2.45 322 47 沖 縄 県 0.12 19 24 長 崎 県 2.32 346 合 計 2.04 29,886 主 な 老 舗 企 業 は 次 の 通 り 創 業 年 が 確 認 できた 県 内 企 業 のなかで 最 古 の 企 業 ( 事 業 者 )が 草 加 市 の 宗 教 法 人 西 光 院 で 創 業 年 は 1575 年 ( 天 正 3 年 ) 不 動 明 王 を 本 尊 とする 真 言 宗 智 山 派 のお 寺 である ( 株 ) 糀 家 は 1620 年 ( 元 和 6 年 ) 創 業 の 料 亭 地 元 吉 川 市 の 名 物 であるなまず うなぎが 看 板 メニュー 堀 切 工 務 店 は 1628 年 ( 寛 永 5 年 ) 創 業 の 個 人 経 営 の 木 造 建 築 工 事 業 者 ( 有 ) 田 中 金 庫 店 は 1649 年 ( 慶 安 2 年 ) 創 業 家 庭 用 業 務 用 の 金 庫 販 売 金 庫 開 錠 開 扉 ダイヤル 変 換 かぎ 番 号 製 作 などを 手 掛 ける ( 株 ) 中 屋 本 店 は 1705 年 ( 宝 永 2 年 ) 創 業 米 穀 の 卸 売 りのほか 農 薬 肥 料 資 材 卸 食 料 品 雑 貨 酒 類 燃 料 などの 小 売 りも 手 掛 けている 主 な 老 舗 企 業 ( 上 位 10 社 ) 商 号 よみがな 所 在 地 業 種 創 業 年 1 宗 教 法 人 西 光 院 サイコウイン 草 加 市 寺 院, 仏 教 教 会 1575 2 ( 株 ) 糀 家 コウジヤ 吉 川 市 料 亭 1620 3 堀 切 工 務 店 ホリキリコウムテン 三 郷 市 木 造 建 築 工 事 業 1628 4 ( 有 ) 田 中 金 庫 店 タナカキンコテン 上 尾 市 家 具 小 売 1649 5 ( 株 ) 中 屋 本 店 ナカヤホンテン 所 沢 市 米 麦 卸 1705 6 ( 株 ) 丸 叶 むらた マルカノウムラタ 桶 川 市 その 他 の 卸 1708 7 カカシ 米 穀 ( 株 ) カカシベイコク 熊 谷 市 米 麦 卸 1716 8 椙 山 工 業 ( 株 ) スギヤマコウギョウ さいたま 市 中 央 区 建 築 工 事 業 1723 9 ( 株 ) 釜 屋 カマヤ 加 須 市 清 酒 製 造 1748 ( 株 ) 矢 尾 百 貨 店 ヤオヒヤッカテン 秩 父 市 百 貨 店 1749 10 ( 株 ) 矢 尾 本 店 ヤオホンテン 秩 父 市 清 酒 製 造 1749 4
6. まとめ 県 内 の 老 舗 企 業 は 大 半 が 明 治 時 代 に 創 業 酒 類 卸 小 売 り 米 穀 類 小 売 り 燃 料 小 売 り 建 築 工 事 など 古 くからある 業 種 が 多 くを 占 めた 所 在 地 についても 中 山 道 の 宿 場 町 として 浦 和 宿 と 大 宮 宿 を 有 するさいたま 市 川 越 藩 の 城 下 町 として 江 戸 時 代 から 栄 え 川 越 商 人 で 有 名 な 川 越 市 県 北 の 主 要 都 市 で 中 山 道 の 宿 場 町 であった 熊 谷 市 江 戸 時 代 から 鋳 物 や 植 木 などの 産 業 が 盛 んだった 川 口 市 秩 父 地 方 の 中 心 で 秩 父 神 社 の 門 前 町 として 栄 えた 秩 父 市 など 歴 史 のある 町 が 上 位 となった 個 々の 顔 ぶれを 見 ると 上 場 企 業 を 含 む 県 内 のトップ 企 業 もあれば 地 場 の 名 門 企 業 そして 家 族 経 営 の 零 細 企 業 までさまざまである 業 歴 100 年 以 上 の 企 業 は 明 治 維 新 や 第 二 次 世 界 大 戦 など 激 動 の 時 代 を 乗 り 越 えてきた それぞれの 家 訓 経 営 方 針 のもと 変 えるべきところは 変 え 変 えないところは 変 えず 事 業 を 承 継 してきた 老 舗 企 業 には 学 ぶべきところが 多 いと 思 われる 内 容 に 関 する 問 い 合 わせ 先 株 式 会 社 帝 国 データバンク 大 宮 支 店 情 報 部 長 森 TEL 048-643-2146 FAX 048-645-7578 当 レポートの 著 作 権 は 株 式 会 社 帝 国 データバンクに 帰 属 します 当 レポートはプレスリリース 用 資 料 として 作 成 しております 報 道 目 的 以 外 の 利 用 につきましては 著 作 権 法 の 範 囲 内 でご 利 用 いただき 私 的 利 用 を 超 えた 複 製 および 転 載 を 固 く 禁 じます 5