PROFINET オープンセミナー Ethernet Switch フエニックス コンタクト株式会社 ICE 事業本部マーケティング部 ION/CST グループ小栗英人 Ethernet Switch とは ノードを接続し 相互通信させる集線 / データ転送機器 LAN(Local Area Network) で使用される パケットの宛先 MAC アドレスを認識し 送信先ノードのみに転送 (Switch 機能 ) 伝送速度 Duplex( 半 / 全二重 ) の自動識別 (Auto-Negotiation) クロス / ストレートケーブルの自動反転 (Auto-MDI/MDIx) リピータ HUB と違い スイッチ間接続 ( カスケード接続 ) は無制限 A A B A D SWITCH 100Mbps/FD C B A B B 100Mbps/FD 10Mbps/HD C C B 100Mbps/FD A D D
Ethernet Switch とは Ethernet Switch の基本動作 A A D #1 Port #3 Port C B #2 Port Port #1 #2 #3 #4 MAC Address Node A Node B Node C Node D MAC アドレステーブル #4 Port A D D 1. 電源直後は 全てのポートへパケットを転送し 送信先ノードがどのポートに接続されているか認識し MAC アドレステーブルへ記憶する 2. その後 MAC アドレステーブルに記憶された情報を元に 送信先ノードがあるポートのみにパケットを転送する (Switch 機能 ) 3. 通常 MAC アドレスは 300s でリセットされ リセット後は再度 1. と同じように MAC アドレステーブルに接続されたノードの MAC アドレスを記憶していく Ethernet Switch とは Ethernet Switch の基本仕様 仕様 伝送速度 (10/100/1000Mbps) 半二重 / 全二重通信 (Half/Full Duplex) オートネゴシエーション (Auto Negotiation) オートクロス (Auto MDI/MDIx) ストア & フォワード (Store & Forward) 概要 1 秒間に転送できるデータ量をビット数で表したもの 半二重通信とは 送信 / 受信のどちらかを切り替えて相互に通信するモードで 全二重通信は 送信 / 受信同時に通信するモード 伝送速度 通信モード ( 半 / 全二重 ) を自動で識別する機能 ただし 接続するノードもこの機能を実装していない場合は 通信が不安定になる可能性もあり クロス / ストレートケーブルを自動で識別 反転する機能 受信したパケットデータを全て読み込み スイッチ内で転送するスイッチング方式
産業現場に求められる Ethernet Switch とは 産業用途に適した特性 制御機器と同等の動作温度 振動 衝撃に強い構造 産業現場に耐え得る強いノイズ耐性 STP( シールド付 ) ケーブル対応 高い堅牢性と信頼性 産業用途に合わせたデザイン DIN レール取付 制御電源仕様 (DC24V) コンパクトデザイン これらの要求事項を満たしたのが 産業用 Ethernet Switch です 産業用 Ethernet Switch の特長 産業用 Ethernet Switch 民生用 Ethernet Switch 動作電源 DC24V ( 制御電源 ) AC100V( 商用電源 ) ノイズ耐性産業用 EMC 指令準拠定義なし ( 弱い ) 動作温度 0~55 (-40~75 もあり ) 0~40 設置方法 DIN レール取付別途ラック等が必要 衝撃 / 振動 IEC 60068-2 準拠定義なし 主なメーカ フエニックス コンタクト シーメンス ターク ワゴ等 アライドテレシス コレガ バッファロー I/O データ等 民生品と違い産業用 Switch LSI を使用しており 信頼性が非常に高い 制御盤との親和性も高く 取付費用 (100V コンセント ラックの設置等 ) が掛からず トータルなコストメリットも出やすくなっている
産業用 Ethernet Switch の種類 アンマネージドスイッチ マネージドスイッチ 機能 管理 診断冗長化仮想 NW 優先転送 なしなしなしなし Web サーバ SNMP を実装し ネットワークの管理 診断が可能 RSTP MRP 等の冗長化機能を実装し 冗長化を実現 Switch で異なるネットワークを形成可能な VLAN 機能を実装 高 / データを適切に処理する QoS 機能を実装 能動的にネットワークの管理 診断ができ NW の信頼性向上を実現 比較的上位ネットワークで使用されることが多いが 近年はフィールドレベルでの使用機会も向上 産業用 Ethernet Switch の種類 防塵防水対応タイプ リモート I/O にも実装されています 保護等級 IP67 タイプ M12 D-Code コネクタを使用 アンマネージド マネージドタイプがあります リモート I/O に 2 ポート以上実装された Ethernet ポートは ( マネージド ) スイッチ機能を有しています
ネットワークの管理 診断 マネージドスイッチの機能 192.168.0.10 192.168.0.20 192.168.0.30 192.168.0.40 192.168.0.50 マネージドスイッチには Web サーバが実装されており スイッチに割り付けられた IP アドレスを通常の Web ブラウザ (IE Firefox 等 ) のアドレス欄に入力すると スイッチの Web サーバが起動し スイッチを通してネットワークの管理や診断が可能です (WBM: Web Based Management 機能 ) また この Web 画面上でマネージド機能 ( 冗長化 優先転送 VLAN 等 ) の設定が可能で 専用のソフトウェアは不要です マネージドスイッチの機能 冗長化機能 (MRP: Media Redundancy Protocol) IEC62439 で定義されている高速冗長化プロトコル 多くの PROFINET 機器に実装されている IEEE 802.1w で定義されている冗長化プロトコル RSTP に比べ 障害検知 回線切替が 200ms 以内と高速化 論理的に切断
マネージドスイッチの機能 VLAN (Virtual LAN/IEEE 802.1Q) スイッチ内で仮想的に異なるネットワークを構成する事ができる機能 異なるネットワークは相互に通信する事は出来ない パケット内にタグを付与し そこへ VLAN ID を認識させ VLAN ID 毎での通信が可能 VLAN なし VLAN 使用 制御系コントローラ 管理系コントローラ 制御系コントローラ 管理系コントローラ 制御系機器 制御系機器 制御系機器 管理系機器 管理系機器 管理系機器 制御系機器管理系機器制御系機器管理系機器制御系機器管理系機器 マネージドスイッチの機能 QoS (Quality of Service) スイッチ内でのパケットの優先転送機能 ノードが付与した優先度情報が付いたパケットを スイッチがその優先度情報に従って転送を行う 制御データの転送遅延を最小化する事ができる QoS なし Switch Switch に届いた順番で転送 QoS あり Switch 付与された優先度に従い データを優先転送 Qo S
マネージドスイッチの機能 PROFINET I/O 機能マネージドスイッチの中でも PROFINET 機器として認証され コンフィグレーションファイル (GSDML ファイル ) が用意されたものもあり これらのスイッチは PROFINET コントローラツールよりノードとして認識される これによりコントローラのツールよりスイッチの状態監視 管理 診断が可能となり ツールの一元化を実現する Engineering Tool SIEMENS のエンジニアリングツール :STEP 7 にスイッチが含まれる コントローラ Switch リモート I/O 産業用 Ethernet Switch の使い分け一例 マネージド アンマネージド マネージド機能の必要度で使い分けが変わります
まとめ 産業用アンマネージド 産業用マネージド 産業用マネージド + PN 機能 転送機能 (Switch 機能 ) 産業用特性 ( 温度 電源 取付 ) 冗長化 (RSTP) 冗長化 (MRP) マネージド機能 VLAN QoS ( ) PROFINET I/O LLDP どの Ethernet Switch が実アプリケーションに Best Match かを考慮し 信頼性のあるネットワークを敷設することが重要です 本日のアジェンダ ご清聴ありがとうございました Thank you for your attention. 資料提供シーメンスジャパン株式会社フエニックス コンタクト株式会社タークジャパン株式会社ワゴジャパン株式会社