平成  年(オ)第  号

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特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

平成  年(オ)第  号

し, これを評点 1 点当たりの価額に乗じて, 各筆の宅地の価額を求めるものとしている 市街地宅地評価法は,1 状況が相当に相違する地域ごとに, その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定し,2 標準宅地について, 売買実例価額から評定する適正な時価を求め, これに基づいて上記主要な街路の

(2) B 社に係る破産事件等東京地方裁判所は, 平成 21 年 2 月 24 日,B 社を再生債務者として, 再生手続開始の決定をした しかし, 東京地方裁判所は, 同年 3 月 24 日,B 社の事業継続を不可能とする事実が明らかになったとして, 再生手続廃止の決定をするとともに, 再生手続廃止

平成  年(オ)第  号

(3) 坂戸市の担当者は, 平成 21 年 12 月 18 日, 現地調査により本件家屋の完成を確認した ( 乙 9) (4) 平成 22 年 1 月 1 日の時点においては, 本件家屋の登記記録及び家屋補充課税台帳は, いずれも作成されていなかった ( 争いのない事実 ) (5) 本件家屋について

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

従業員 Aは, 平成 21 年から平成 22 年にかけて, 発注会社の課長の職にあり, 上記事業場内にある発注会社の事務所等で就労していた (2) 上告人は, 自社とその子会社である発注会社及び勤務先会社等とでグループ会社 ( 以下 本件グループ会社 という ) を構成する株式会社であり, 法令等の

する 理 由 第 1 事案の概要 1 本件は, 平成 21 年 ( 受 ) 第 602 号被上告人 同第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X1 という ) 及び平成 21 年 ( 受 ) 第 603 号上告人 ( 以下 1 審原告 X 2 といい,1 審原告 X 1と1 審原告 X 2を併せ

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

併等の前後を通じて 上告人ら という 同様に, 上告人 X1 銀行についても, 合併等の前後を通じて 上告人 X1 銀行 という ) との間で, 上告人らを債券の管理会社として, また, 本件第 5 回債券から本件第 7 回債券までにつき上告人 X1 銀行との間で, 同上告人を債券の管理会社として,

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

平成 30 年 ( 受 ) 第 269 号損害賠償請求事件 平成 31 年 3 月 12 日第三小法廷判決 主 文 原判決中, 上告人敗訴部分を破棄する 前項の部分につき, 被上告人らの控訴を棄却する 控訴費用及び上告費用は被上告人らの負担とする 理 由 上告代理人成田茂ほかの上告受理申立て理由第

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

Taro-婚姻によらないで懐妊した児

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

11総法不審第120号

平成18年1月13日 最高裁判所は,貸金業者の過払い金の受領は違法と知りつつなされたことを推定するとした判例です

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

利子相当額 という ) を加えた額に相当する金額 ( 以下 退職一時金利子加算額 という ) の返還に関し, その経過措置を定める 厚生年金保険法等の一部を改正する法律 ( 平成 8 年法律第 82 号 以下 厚年法改正法 という ) 附則 3 0 条 1 項の委任に基づいて定められた, 厚生年金保

(イ係)

裁判所は, 同年 9 月, 被上告人に対し, 米国に被拘束者を返還することを命ずる旨の終局決定 ( 以下 本件返還決定 という ) をし, 本件返還決定は, その後確定した (4) 上告人は, 本件返還決定に基づき, 東京家庭裁判所に子の返還の代替執行の申立て ( 実施法 137 条 ) をし, 子

平成  年(オ)第  号

処分済み

平成  年(行ツ)第  号

2(1) 所得税法 34 条 2 項は, 一時所得の金額は, その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額 ( その収入を生じた行為をするため, 又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る ) の合計額を控除し, その残額から所定の特別控除額を控除した金額とす

4. 韓国併合後の我が国においては 内地 朝鮮 台湾等の異法地域に属する者の間で 身分行為 があった場合 その準拠法は 共通法 ( 大正 7 年法律第 39 号 )2 条 2 項によって準用される法例 ( 平成元年法律第 27 号による 改正前のもの 以下同じ ) の規定によって決定されることとなり

本件合併時にA 信用組合に在職する職員に係る労働契約上の地位は, 被上告人が承継すること,3 上記の職員に係る退職金は, 本件合併の際には支給せず, 合併後に退職する際に, 合併の前後の勤続年数を通算して被上告人の退職給与規程により支給することなどが合意された また, 本件合併の準備を進めるため,

処分済み

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

べき標準的な事例における処分の標準例を定めたところ, 公務外非行関係の事由である 痴漢 わいせつ行為 による処分の標準例は, 免職又は停職とされている そして, 本件指針においては, 具体的な処分の量定を決定するに当たり,1 非違行為の動機, 態様及び結果,2 故意又は過失の度合い,3 職員の職務上

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

11総法不審第120号

平成  年(あ)第  号

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

れぞれ求める住民訴訟である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 市は, 鳴門市公営企業の設置等に関する条例 ( 平成 16 年鳴門市条例第 3 8 号 ) により, モーターボート競走法に基づくモーターボート競走の開催及びこれに附帯する業務を行うため, 競艇事業を設置し

11総法不審第120号

11総法不審第120号

た本件諸手当との差額の支払を求め ( 以下, この請求を 本件差額賃金請求 という ),2 予備的に, 不法行為に基づき, 上記差額に相当する額の損害賠償を求める ( 以下, この請求を 本件損害賠償請求 という ) などの請求をする事案である 2 原審の確定した事実関係等の概要は, 次のとおりであ

事実及び理由 第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は, 原判決別紙被告方法目録記載のサービスを実施してはならない 3 被控訴人は, 前項のサービスのために用いる電話番号使用状況調査用コンピュータ及び電話番号使用状況履歴データが記録された記録媒体 ( マスター記録媒体及びマスター記録

かった その後, 市は, 同年 11 月 14 日, 本件土地につき, 予定価格を非公表とし, 再度一般競争入札に付したが, 申込みをした者はいなかった (3) ア大願寺地区には, 平成 25 年 4 月までに小中学校を移転することとされていたところ, 市議会においては, 防犯や児童生徒の安全のため

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

1. 固定資産税 都市計画税について 固定資産税は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 といいます ) 現在に土地 家屋 償却資産 ( こ れらを総称して 固定資産 といいます ) を所有している人が その固定資産の所在する 市町村に納める税金です 都市計画税は 下水道 街路 公園などの都市計画事業

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

審決取消判決の拘束力

議案用 12P

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は, 亡 AとBとの間の子である 原告は, 所得税法 16 条 2 項の規定により, その営む事業に係る事業場の所在地である渋谷区を納税地としている イ亡 Aは, 平成 年 月 日に死亡し, 原告は, 渋谷区 α 番地 1ほか所在の区分所有建物及

13 条,14 条 1 項に違反するものとはいえない このように解すべきことは, 当裁判所の判例 ( 最高裁昭和 28 年 ( オ ) 第 389 号同 30 年 7 月 20 日大法廷判決 民集 9 巻 9 号 1122 頁, 最高裁昭和 37 年 ( オ ) 第 1472 号同 39 年 5 月

旨の申告 ( 以下 本件申告 という ) をしたところ, 処分行政庁から, 本件不動産取得税を還付しない旨の処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 処分行政庁が所属する東京都を被告として, 本件処分の取消しを求める事案である 原判決は, 控訴人の請求を棄却したので, これを不服とする控

(4) 抗告人は, 平成 28 年 8 月 26 日, 本件仮登記の抹消登記を経由した (5) 抗告人は, 平成 28 年 9 月 7 日, 東京地方裁判所に対し, 本件再生手続に係る再生手続開始の申立てをし, 同月 20 日, 再生手続開始の決定を受けた 上記申立てに当たり抗告人が提出した債権者一

裁判年月日 平成 20 年 4 月 16 日 裁判所名 大阪高裁 裁判区分 判決 事件番号 平 20( ツ )7 号 事件名 管理費等請求上告事件 裁判結果 上告棄却 文献番号 2008WLJPCA 兵庫県西宮市 以下省略 上告人大阪市 以下省略 被上告人上記代表者理事長上記訴訟代理

<4D F736F F D2094DB944690BF8B818C8892E BC96BC8F88979D8DCF82DD816A2E646F63>

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

11総法不審第120号

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

賦課決定 ( 以下 本件賦課決定 といい, 本件更正と併せて 本件更正等 という ) を受けたため, 本件更正は措置法 64 条 1 項が定める圧縮限度額の計算を誤った違法なものであると主張して, 処分行政庁の所属する国に対し, 本件更正等の一部取消し等を求める事案である 原審は, 控訴人の請求をい

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

7265BB4891EFF48E A000659A

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

11総法不審第120号

Microsoft Word - 385y浅妻最H230325

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

うものと推認することができる しかしながら, 被告人は, インターネットを通じて知り合ったAから金を借りようとしたところ, 金を貸すための条件として被害女児とわいせつな行為をしてこれを撮影し, その画像データを送信するように要求されて, 真実は金を得る目的だけであり, 自分の性欲を刺激興奮させるとか

審 査 請 求 事 務 取 扱 要 領

固定資産評価審査申出とは

では理解できず 顕微鏡を使用しても目でみることが原理的に不可能な原子 分子又はそれらの配列 集合状態に関する概念 情報を使用しなければ理解することができないので 化学式やその化学物質固有の化学的特性を使用して 何とか当業者が理解できたつもりになれるように文章表現するしかありません しかし 発明者が世

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

平成 23 年 10 月 20 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 23 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 23 年 9 月 29 日 判 決 原 告 X 同訴訟代理人弁護士 佐 藤 興 治 郎 金 成 有 祐 被 告 Y 同訴訟代理人弁理士 須 田 篤

11総法不審第120号

富士見市都市計画税条例 ( 昭和 46 年条例第 40 号 ) 新旧対照表 ( 第 1 条による改正 )( 専決 ) 新 旧 附則 附則 ( 改修実演芸術公演施設に対する都市計画税の減額の規定の適用を受けようとする者がすべき申告 ) 6 法附則第 15 条の11 第 1 項の改修実演芸術公演施設につ

( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

式会社 (A) の債務に係る保証債務及び清算人を務める株式会社 (B) の債務の履行にそれぞれ充てた控訴人が 上記各債務の履行に伴って生じた求償権を一部行使することができなくなったとして これに相当する金額につき 譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなす所得税法 ( 法 )64 条 2 項の規定を

平成 25 年 5 月 30 日判決言渡 平成 24 年 ( 行コ ) 第 7 号所得税更正処分等取消請求控訴事件 主 文 1 原判決中, 過少申告加算税賦課決定処分の取消請求を認容した部分をいずれも取り消し, 同請求をいずれも棄却する 2 前項に関する訴訟の総費用は被控訴人らの負担とする 事実及び

平成 27 年 ( 行ヒ ) 第 75 号法人税更正処分取消請求事件 平成 28 年 2 月 29 日第一小法廷判決 主 文 本件上告を棄却する 上告費用は上告人の負担とする 理 由 第 1 事案の概要等 1 本件は, 平成 21 年 2 月 24 日にa 株式会社 ( 以下 a 社 という ) か

11総法不審第120号

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

む ), 倉庫その他の建物をいう ( 同条 3 号 ) 固定資産課税台帳 とは, 土地課税台帳, 土地補充課税台帳, 家屋課税台帳, 家屋補充課税台帳及び償却資産課税台帳を総称するものである ( 同条 9 号 ) 家屋課税台帳 とは, 登記簿に登記されている家屋 ( 建物の区分所有等に関する法律 (

平成  年(オ)第  号

遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨主文と同旨第 2 事案の概要 1 本件は, 競馬の勝馬投票券 ( 以下 馬券 という ) の的中による払戻金に係る所得を得ていた控訴人が, 平成 17 年から平成 21 年までの各年分の所得税に係る申告期限後の確

MJS/ 第 79 回租税判例研究会 ( ) MJS 判例研究会 平成 30 年 8 月 9 日 報告者西野道之助 更正の請求/ 雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除 平成 28 年 7 月 8 日 東京地裁 ( 棄却 )( 控訴 ) 平成 29 年 1 月 26 日

4DFFEDBC318CE8BC49256D41000B0A4

という ) 開始に係る各相続税 ( 以下 本件各相続税 という ) の申告をしたところ, 処分行政庁から本件各相続税の各更正及びこれらに係る重加算税の各賦課決定を受け, 裁決行政庁からこれらに係る原告らの審査請求を却下する旨の各裁決を受けたのに対し, 上記各更正のうち原告らが主張する納付すべき税額を

02 条の3に規定する固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例 ( 以下 本件特例 という ) の適用を受ける住宅用地に該当せず, その余の部分に限り上記の住宅用地に該当するものとして, 平成 26 年 6 月 2 日付けで平成 26 年度分の固定資産税及び都市計画税の各賦課決定 ( 以下, 併せて

11総法不審第120号

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

Microsoft Word - 一弁知的所有権研究部会2017年7月13日「商標登録無効の抗弁」(三村)

(1) 普天間飛行場は, 宜野湾市の中央部にあり, 昭和 20 年からアメリカ合衆国軍隊 ( 以下 米軍 という ) による使用が開始され, 現在, 米軍海兵隊の航空部隊の基地として用いられている 同飛行場周辺は, 学校や住宅, 医療施設等が密集している状況にある (2) キャンプ シュワブは, 名

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は,Aの子である イ Aは, 大正 年 月 日生まれの男性であり, 厚生年金保険の被保険者であったが, 平成 年 月 日, 死亡した ( 甲 1) (2) 老齢通算年金の受給 Aは, 昭和 年 月に60 歳に達し, 国民年金の納付済期間である18

平成 25 年 3 月 25 日判決言渡 平成 24 年 ( 行ケ ) 第 号審決取消請求事件 口頭弁論終結日平成 25 年 2 月 25 日 判 決 原 告 株式会社ノバレーゼ 訴訟代理人弁理士 橘 和 之 被 告 常磐興産株式会社 訴訟代理人弁護士 工 藤 舜 達 同 前 川 紀 光

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平成 25 年 ( 行ヒ ) 第 35 号固定資産税等賦課取消請求事件 平成 26 年 9 月 25 日第一小法廷判決 主 文 原判決を破棄する 被上告人の控訴を棄却する 控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする 理 由 上告代理人岩谷彰, 同水島有美, 同谷川光洋の上告受理申立て理由について 1 本件は, 被上告人が, 坂戸市長から自己の所有する家屋に係る平成 22 年度の固定資産税及び都市計画税 ( 以下, 併せて 固定資産税等 という ) の賦課決定処分を受けたことについて, 被上告人は同年度の賦課期日である平成 22 年 1 月 1 日の時点において登記簿又は家屋補充課税台帳に上記家屋の所有者として登記又は登録されていなかったから, 上記家屋に係る同年度の固定資産税等の納税義務者ではなく, 上記賦課決定処分は違法であると主張して, 上告人を相手に, その取消しを求める事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 被上告人は, 平成 21 年 12 月 7 日, 埼玉県坂戸市内において, 第 1 審判決別紙物件目録記載の家屋 ( 以下 本件家屋 という ) を新築し, その所有権を取得した (2) 平成 22 年 1 月 1 日の時点では, 本件家屋につき, 登記はされておらず, 家屋補充課税台帳における登録もされていなかった 平成 22 年 10 月 8 日, 本件家屋につき, 所有者を被上告人として, 登記原因を - 1 -

平成 21 年 12 月 7 日新築 とする表題登記がされた 坂戸市長は, 平成 22 年 12 月 1 日, 本件家屋につき, 平成 22 年度の家屋課税台帳に, 所有者を被上告人, 建築年月を平成 21 年 12 月, 新増区分を新築とするなどの所要の事項の登録をした (3) 坂戸市長は, 平成 22 年 12 月 1 日, 被上告人に対し, 本件家屋に係る平成 22 年度の固定資産税等の賦課決定処分 ( 以下 本件処分 という ) をした 3 原審は, 上記事実関係の下において, 要旨次のとおり判断し, 本件処分は違法であるとして, その取消しを求める被上告人の請求を認容すべきものとした 地方税法 ( 以下 法 という )343 条 1 項及び2 項前段における家屋の 所有者 とは, 当該家屋について登記簿又は家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者をいうとされており, 上記の要件の充足の有無は, 賦課期日である1 月 1 日 (359 条 ) において判断されるべきものであるから, 家屋については, これを現実に所有している者であっても, 賦課期日の時点において登記簿又は家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されていない限り, 法 343 条 1 項及び2 項前段における家屋の 所有者 として固定資産税の納税義務を負うものではないというべきである 本件において, 被上告人は, 本件家屋について, 平成 2 2 年度の賦課期日である平成 22 年 1 月 1 日の時点において登記簿又は家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録されていた者ではないから, 法 343 条 1 項及び2 項前段における家屋の 所有者 として同年度の固定資産税の納税義務を負うものではなく, 法 702 条 2 項に基づいて同年度の都市計画税の納税義務を負う者にも該当しない 4 しかしながら, 原審の上記判断は是認することができない その理由は, 次 - 2 -

のとおりである (1) 固定資産税は, 土地, 家屋及び償却資産の資産価値に着目し, その所有という事実に担税力を認めて課する一種の財産税であるところ, 法は, その納税義務者を固定資産の所有者とすることを基本としており (343 条 1 項 ), その要件の充足の有無を判定する基準時としての賦課期日を当該年度の初日の属する年の1 月 1 日としている (359 条 ) ので, 上記の固定資産の所有者は当該年度の賦課期日現在の所有者を指すこととなる 他方, 土地, 家屋及び償却資産という極めて大量に存在する課税物件について, 市町村等がその真の所有者を逐一正確に把握することは事実上困難であるため, 法は, 課税上の技術的考慮から, 土地又は家屋については, 登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳 ( 以下, 両台帳を併せて単に 補充課税台帳 という ) に所有者として登記又は登録されている者を固定資産税の納税義務者として, その者に課税する方式を採用しており (343 条 2 項前段 ), 真の所有者がこれと異なる場合における両者の間の関係は私法上の求償等に委ねられているものと解される ( 最高裁昭和 46 年 ( オ ) 第 766 号同 47 年 1 月 25 日第三小法廷判決 民集 26 巻 1 号 1 頁参照 ) このように, 法は, 固定資産税の納税義務の帰属につき, 固定資産の所有という概念を基礎とした上で (343 条 1 項 ), これを確定するための課税技術上の規律として, 登記簿又は補充課税台帳に所有者として登記又は登録されている者が固定資産税の納税義務を負うものと定める ( 同条 2 項前段 ) 一方で, その登記又は登録がされるべき時期につき特に定めを置いていないことからすれば, その登記又は登録は, 賦課期日の時点において具備されていることを要するものではないと解され - 3 -

る そして, 賦課期日の時点において未登記かつ未登録の土地若しくは家屋又は未登録の償却資産に関して, 法は, 当該賦課期日に係る年度中に所有者が固定資産税の納税義務を負う不足税額の存在を前提とする定めを置いており (368 条 ), また, 賦課期日の時点において未登記の土地又は家屋につき賦課期日後に補充課税台帳に登録して当該年度の固定資産税を賦課し (341 条 11 号,13 号,381 条 2 項,4 項 ), 賦課期日の時点において未登録の償却資産につき賦課期日後に償却資産課税台帳に登録して当該年度の固定資産税を賦課する (381 条 5 項,383 条 ) ことを制度の仕組みとして予定していると解されること等を踏まえると, 土地又は家屋に係る固定資産税の納税義務の帰属を確定する登記又は登録がされるべき時期について上記のように解することは, 関連する法の諸規定や諸制度との整合性の観点からも相当であるということができる 以上によれば, 土地又は家屋につき, 賦課期日の時点において登記簿又は補充課税台帳に登記又は登録がされていない場合において, 賦課決定処分時までに賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている者は, 当該賦課期日に係る年度における固定資産税の納税義務を負うものと解するのが相当である なお, 土地又は家屋について, 賦課期日の時点において登記簿又は補充課税台帳に登記又は登録がされている場合には, これにより所有者として登記又は登録された者は, 賦課期日の時点における真の所有者でなくても, また, 賦課期日後賦課決定処分時までにその所有権を他に移転したとしても, 当該賦課期日に係る年度における固定資産税の納税義務を負うものであるが ( 最高裁昭和 28 年 ( オ ) 第 616 号同 30 年 3 月 23 日大法廷判決 民集 9 巻 3 号 336 頁, 前掲最高裁昭和 47 年 - 4 -

1 月 25 日第三小法廷判決参照 ), このことは, 賦課期日の時点において登記簿又は補充課税台帳に登記又は登録がされていない場合に, 賦課決定処分時までに賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている者が上記のとおり当該年度の固定資産税の納税義務を負うことと何ら抵触するものではない (2) 前記事実関係等によれば, 被上告人は平成 21 年 12 月に本件家屋を新築してその所有権を取得し, 本件家屋につき, 同 22 年 10 月に所有者を被上告人として登記原因を 平成 21 年 12 月 7 日新築 とする表題登記がされ, 平成 22 年 12 月 1 日に本件処分がされたものであるから, 被上告人は, 賦課決定処分時までに賦課期日である同年 1 月 1 日現在の所有者として登記されている者として, 本件家屋に係る平成 22 年度の固定資産税の納税義務を負うものというべきである また, 法は, 都市計画税の納税義務者を市街化区域等に所在する土地又は家屋の所有者とし (702 条 1 項 ), その賦課期日を当該年度の初日の属する年の1 月 1 日としており (702 条の6), 上記の所有者とは当該土地又は家屋に係る固定資産税について343 条 (3 項,8 項及び9 項を除く 以下同じ ) において所有者とされ又は所有者とみなされる者をいうと定めている (702 条 2 項 ) ところ, 上記のとおり, 被上告人は, 賦課決定処分時までに賦課期日現在の所有者として登記されており, 本件家屋に係る平成 22 年度の固定資産税について法 343 条において所有者とされる者であるから, 本件家屋に係る同年度の都市計画税についても納税義務を負うものというべきである したがって, 被上告人を納税義務者として本件家屋に係る平成 22 年度の固定資産税等を賦課した本件処分は, 適法である 5 以上と異なる原審の判断には, 判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違 - 5 -

反がある 論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり, 原判決は破棄を免れない そして, 以上に説示したところによれば, 被上告人の請求は理由がなく, これを棄却した第 1 審判決は正当であるから, 被上告人の控訴を棄却すべきである よって, 裁判官全員一致の意見で, 主文のとおり判決する ( 裁判長裁判官横田尤孝裁判官櫻井龍子裁判官金築誠志裁判官白木勇裁判官山浦善樹 ) - 6 -