ゼロエミッションビルの実現に向けて 鹿島建設 2009 年 9 月 30 日 c 1KAJIMA CORPORATION c KAJIMA CORPORATION
目次 1 ゼロエミッション化に向けての 当社の取り組み例 2 ケーススタディ ほぼ現在の技術の範囲で何処まで可能性があるか? 3 今後議論が必要な項目の整理 2 c KAJIMA CORPORATION
ゼロエミッション化に向けての 当社の取り組み例 3 c KAJIMA CORPORATION
ゼロエミッション化に向けての当社の取り組み例 建物の設計 施工に関わる企業の立場から ゼロエミッションに向けて必要と思われる対策技術を整理し 関連する当社の取り組み例を紹介する 4 c KAJIMA CORPORATION
建物側の ZEB 化に向けたキー技術 ここでは 建物側 ( デマンドサイド ) の取り組みを整理する 設計施工段階 運用段階 1 建物の省エネ 2 設備の省エネ 3 運用の省エネ 4 ワークスタイル 高断熱高気密自然採光自然換気など 照明 OA 機器熱源機器搬送動力など 性能検証運用改善 BEMS 統合的制御など 省エネと快適性知的生産性クールビズ室内環境基準など 5 その他の CO 2 温暖化ガス削減 節水その他の温暖化ガス ( 冷媒 ハロン消火 断熱発泡剤 ) ライフサイクルでの資源消費と廃棄物処理など 5 c KAJIMA CORPORATION
建物側の ZEB 化に向けたキー技術 設計施工段階 運用段階 1 建物の省エネ 2 設備の省エネ 3 運用の省エネ 4 ワークスタイル 高断熱高気密自然採光自然換気など 照明 OA 機器熱源機器搬送動力など 性能検証運用改善 BEMS 統合的制御など 省エネと快適性知的生産性クールビズ室内環境基準など 5 その他の CO 2 温暖化ガス削減 節水その他の温暖化ガス ( 冷媒 ハロン消火 断熱発泡剤 ) ライフサイクルでの資源消費と廃棄物処理など 6 c KAJIMA CORPORATION
1 建物の省エネ 高断熱 高気密 温暖地域の業務ビルでは 中間期の放熱性能も重要 高性能窓システム ( ダブルスキン AFW など ) 自然採光 昼光利用 ライトシェルフ 光ダクト 建物の奥行など 自然換気 ハイブリッド換気 ( 自然換気と空調の併用 ) 屋上緑化 クールルーフ ヒートアイランド防止に貢献 省エネ効果は 低層建物で大 一般の建物では小 自然エネルギーの直接利用 ( 太陽熱 地中熱 ) パッシブソーラー クール & ヒートチューブ 特殊解か? 7 c KAJIMA CORPORATION
ダブルスキンによる高断熱 日射遮蔽 + 自然換気 排気 水平庇高々度の日射遮蔽 屋外側サッシ排気口 ( 自動および季節により制御 ) 外部用ブラインド直達光の制御 ( 自動制御 ) 換気 室内側サッシ換気窓 ( 自動制御 Low-E ガラス ) 3,900 2,700 事務室 OA フロア 室内側サッシ随時開放可能 (Low-E ガラス, 遮熱効果 ) 屋外側ガラスメンテナンス性向上 ( 透明ガラス ) グレーチングメンテナンス通路兼用 屋外側サッシ給気口 ( 自動および季節制御 ) 給気 600 8 c KAJIMA CORPORATION
窓システムの比較検討 ( 温熱環境評価ツール Ecowin) A ビル新築工事ファサード検討 日射透過率 ( %) 日射吸収率 ( %) 日射反射率 ( %) Low-ε ペアガラス + ブラインド シングルガラス + ブラインド ( 参考 ) クリア グレー フロートガラス熱線吸収ガラス 50 17 66 35 31 70 28 61 19 13 6 4 快適性 空調設備の要否 夏期 冬期 西面 温熱環境 ( MRT) 15 時 ブラインド表面温度 ( ) 36 31 38 35 窓から 0. 6mの MRT30 以上の時間数 ( 時間 ) 50 0 72 30 コールドドラフト ( ) ガラス表面温度 ( 北面 18 時 ) 18 8 可視光透過率 ( %) 75 35 84 33 夏期窓からのほてり対策としての専用吹出口の要否 冬期コールドドラフト対策としての床置空調機の要否 ( 必要 ) ( 不要 ) ( 設置が望ましい ) ( 必要 ) ( 必要 ) エネルギーコスト ( 指数 ) ( 100) ( 94) ( 117) ( 116) 経済性ガラスのコスト ( 指数 ) ( 100) ( 103) ( 33) ( 45) 9 c KAJIMA CORPORATION
エコシャフトによる自然光と自然換気 風力換気風力換気 Wind Effect 浮力換気温度差換気 Stack Effect オフィスガーデン Office Garden オフィスガーデン エコシャフト Eco-shaft エコシャフト ホワイエ ロビー オフィスガーデン オフィスガーデン オフィスガーデン エコシャフト 大会議室応接室応接室ショールーム事務室 事務室 ダブルスキンファサード ダブルスキンファサード Double Skin Facade ロビー 風除室 エントランスロビーカフェ車路 車寄 駐車場 10 c KAJIMA CORPORATION
一次エネルギー消費量の比較 建物全体の省エネ性能 一般のビル ( 統計値 ) に対し初年度の実績値は 32% 削減 11 c KAJIMA CORPORATION
建物側の ZEB 化に向けたキー技術 設計施工段階 運用段階 1 建物の省エネ 2 設備の省エネ 3 運用の省エネ 4 ワークスタイル 高断熱高気密自然採光自然換気など 照明 OA 機器熱源機器搬送動力など 性能検証運用改善 BEMS 統合的制御など 省エネと快適性知的生産性クールビズ室内環境基準など 5 その他の CO 2 温暖化ガス削減 節水その他の温暖化ガス ( 冷媒 ハロン消火 断熱発泡剤 ) ライフサイクルでの資源消費と廃棄物処理など 12 c KAJIMA CORPORATION
2 設備の省エネ 照明の高効率化 (Hf LED 有機 EL) 高度な照明制御技術 人感センサ 昼光利用 明るさ感 サーカディアン 熱源機器の高効率化 エネルギー効率の向上 温熱 : ヒートポンプ 面的エネルギー利用 冷熱 : インバータ技術 熱交換器性能などの向上 搬送動力の最少化 必要な機器に必要な分だけ ( 可変水量制御 可変風量制御 ) 潜熱 顕熱分離処理 高効率の潜熱処理 ( ヒートポンプによるデシカント空調 ) 放射冷暖房 クールビズ対応 搬送動力小 中温冷水による熱源効率向上 13 c KAJIMA CORPORATION
鹿島赤坂別館における省エネの取り組み 高い外皮性能 彫りの深いファサードによる日射遮蔽 超高性能な Low-e ガラス エコモジュール タスク & アンビエント空調 在室検知による空調と照明制御 気流感を選択できる吹出口 照明の昼光利用制御 照明とブラインドの統合制御 自然換気 喫煙室の高効率換気 BEMS によるエネルギー管理 複合センサ温度照度人感 タスク AC タスク吹出口 アンビエント吹出口 26 28 人感センサ アンビエント AC 外気 ワイヤレスリモートサーモ 14 c KAJIMA CORPORATION
エネルギー消費実績 ( オフィス部分 ) 赤坂別館 2007.09~2008.08 本建物実績値 オフィス平均 76% 1568 24% 2052 0 500 1000 1500 2000 2500 一次エネルギー消費量 [MJ/(m 2 年 )] 建物用途別平均データは ( 社 ) 日本ビルエネルギー総合管理技術協会平成 19 年度版建築物エネルギー消費量調査報告書 15 c KAJIMA CORPORATION
鹿島新実験棟 16 c KAJIMA CORPORATION
自然エネルギー利用冷暖房システム ( 研究段階 ) 17 c KAJIMA CORPORATION
環境配慮の推進 0.0 50.0 100.0 BEE=3.0 100 A B + BEE=1.5 建築物の環境品質 性能 Q 50 S BEE=1.0 B - BEE=0.5 C 0 建築物の環境負荷 L 実績値 2008.07~2009.03 2009 年度の環境配慮設計の目標 1 設計施工案件にてCASBEE-Aランク以上の確実な達成 2 設計施工案件にてCASBEE-Sランクを該当 JOBの20% 以上 3 上記の中からCASBEE 第三者認証取得 JOBを設定 18 c KAJIMA CORPORATION
建物側の ZEB 化に向けたキー技術 設計施工段階 運用段階 1 建物の省エネ 2 設備の省エネ 3 運用の省エネ 4 ワークスタイル 高断熱高気密自然採光自然換気など 照明 OA 機器熱源機器搬送動力など 性能検証運用改善 BEMS 統合的制御など 省エネと快適性知的生産性クールビズ室内環境基準など 5 その他の CO 2 温暖化ガス削減 節水その他の温暖化ガス ( 冷媒 ハロン消火 断熱発泡剤 ) ライフサイクルでの資源消費と廃棄物処理など 19 c KAJIMA CORPORATION
性能検証 3 運用の省エネ スペックとしての省エネルギー性能ではなく 実際の運用段階で着実な省エネルギー性能の確保が重要 ( 竣工時のコミッショニング ) 運用改善 建物は 設計段階の想定通りに使われるとは限らない 実際の使い方に合わせたチューニングが必要 ( 継続的なコミッショニング ) 遠隔監視等による省エネチューニングのビジネス化 修繕 更新 大規模リニューアル 既存建物の省エネも重要 一般的には 長期修繕計画に沿って 最新の省エネ機器を採用 20 c KAJIMA CORPORATION
既存建物の省エネ 省CO2 21 c KAJIMA CORPORATION
統合的制御 3 運用の省エネ 在室 設備稼働状態 外界条件などの総合的情報に基づく高度制御 センシング技術 ICタグなどの個体識別技術 設備機器のIP アドレス化などにより 新たなセンサ技術の活用と個別 連携制御の可能性が高まってきている エネルギー計量の細分化 見える化 省エネ法の改定により テナント部分のエネルギー消費量の把握が必要となった 今後 既存の建物に対しても 波及する可能性大 個人や小さなグループ単位でのエネルギー消費量を示し エコライフスタイルを誘発する ( 記録式ダイエット法 ) 22 c KAJIMA CORPORATION
K プロジェクト 建物概要 規模 / 構造 用途 容積対象延べ面積 法定延べ面積 住戸 建物高さ : 地上 30 階 地下 3 階 : 事務所 共同住宅 :44,779.34 m2 (13,552 坪 ) :53,863.17 m2 :40 戸 :158.0m 計画地 永田町駅 赤坂見付駅 住宅 建築物省 CO 2 推進モデル事業として採択 案内図オフィス部分の環境性能 PAL=197 ERR=31.14 CASBEE Sランク :BEE=3.6 23 c KAJIMA CORPORATION
省 CO2 技術の特徴 1 超高強度コンクリートPCa 組柱による建物の長寿命化がもたらすライフサイクル CO 2 の削減 2 外部柱 梁を利用した庇 / 高性能ガラス ブラインド制御による徹底した外皮負荷削減 新たなブラインド制御の構築 3 高効率熱源を利用したミニマムCO 2 熱源制御 CO 2 ミニマムを目的とした空調制御システムの構築 4 人感センサー利用による照明制御 細分化した照明調光制御による省 CO 2 24 c KAJIMA CORPORATION
3 運用の省エネ BEMS( ビルエネルギーマネジメントシステム ) データの可視化 ( 見える化 ) が重要 ex. 大量の建物運用データの高度処理 表示機能の強化が必要 気づき難いエネルギーの無駄使い ( エネルギーフォルト ) を見つけ 無くすことが重要 クレームの無い と エネルギーの無駄遣いがない ことは別の管理目標 ex. 無駄な待機電力 照明の消し忘れ 冷暖房の同時運転 etc. 25 c KAJIMA CORPORATION
エネルギーフォルト検知技術 NEDO ( 新エネルギー 産業技術総合開発機構 ) より 先導研究として H18~20 年度に 建築設備におけるエネルギー消費上のフォルト検知技術の研究開発 を受託 エネルギーフォルト (Energy Fault:EF): ビルの運用においては 従来あまり認識されていなかった潜在的なエネルギー消費上の無駄や削減余地 エネルギーフォルトの結果発生する非合理的なエネルギー消費状態を 膨大な BEMS データなどから自動的に抽出する技術を開発 開発目標 : 建物全体の運用エネルギーを 5% 削減 開発成果の適用ケーススタディでは 3.5%~17% を削減可能と推定 26 c KAJIMA CORPORATION
現状の悪さ 全ての設備が潜在的な ( 見えない ) エネルギーフォルトを含んで運転 エネルギーフォルトの顕在化 ( 見える化 ) にはエキスパートによる膨大な BEMS データの分析が必要 給水 冷凍機 空調機 I/F BEMS 系統 回路電力 照明 電力供給システム 27 c KAJIMA CORPORATION
実現しようとする技術 運用データ (DB) 1 年 1 ヶ月 1 日 1 時間 10 分 マスタ 膨大な蓄積データを自動的に処理する BEMS 検知プログラム 検知ルール 専門家の知識を基にしたルール エキスパートを必要とせず EF を検知 潜在的な EF が顕在化 ( 省エネ対策を推進 ) 改善実施による省エネの実現 EF: エネルギーフォルト 28 c KAJIMA CORPORATION
検知ルール事例 ~ 可変風量空調機の制御不全 空調機インバータ周波数と給気温度の関係から EF を検知 特 10 可変風量空調機の制御不全 月毎 インバータ周波数 [%] F F min +(100-F min ) 0.1 TSA TSA min +t 1 TSA<TRA+t 2 の条件に合致する時間数 k 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 某空調機検知結果事例 (2006 年 3 月 ) 検知条件に合致している運転データ検知条件に合致しない運転データ 10 15 20 25 30 給気温度 [ ] F(%): インバータ周波数 TSA( ): 給気温度 TRA( ): 還気 ( 室内 ) 温度 t 1 ( ): パラメータ (ex. 3) t 2 ( ): パラメータ (ex. 3) k(/ 月 ) : パラメータ (ex. 50) 非合理的な制御状態 エネルギー使用上良好な制御状態 (L 字型 ) 29 c KAJIMA CORPORATION
建物側の ZEB 化に向けたキー技術 設計施工段階 運用段階 1 建物の省エネ 2 設備の省エネ 3 運用の省エネ 4 ワークスタイル 高断熱高気密自然採光自然換気など 照明 OA 機器熱源機器搬送動力など 性能検証運用改善 BEMS 統合的制御など 省エネと快適性知的生産性クールビズ室内環境基準など 5 その他の CO 2 温暖化ガス削減 節水その他の温暖化ガス ( 冷媒 ハロン消火 断熱発泡剤 ) ライフサイクルでの資源消費と廃棄物処理など 30 c KAJIMA CORPORATION
人にも優しい ZEB 4 ワークスタイル 我慢を強いる省エネではなく クールビズ クールビズ ウォームビズをサポートする仕組みが必要 ex. 放射冷暖房 湿度制御など 知的生産性への配慮 エネルギー消費を1/2にして 生産性を2 倍にできないか? ファクター 4 室内環境基準の見直し 照度 明るさの設計条件の見直し (T&A 照明 + 液晶 PCを前提 ) 室内 CO 2 濃度基準の見直し (CO 2 濃度の1,000ppm は代表指標 ) 31 c KAJIMA CORPORATION
ユニバーサルコンフォート ( タスク用吹出口 ) パーソナル気流 好みに応じた気流を感じさせるモード 拡散気流 拡散気流 気流を感じないモード 切替 32 c KAJIMA CORPORATION
建物側の ZEB 化に向けたキー技術 設計施工段階 運用段階 1 建物の省エネ 2 設備の省エネ 3 運用の省エネ 4 ワークスタイル 高断熱高気密自然採光自然換気など 照明 OA 機器熱源機器搬送動力など 性能検証運用改善 BEMS 統合的制御など 省エネと快適性知的生産性クールビズ室内環境基準など 5 その他の CO 2 温暖化ガス削減 節水その他の温暖化ガス ( 冷媒 ハロン消火 断熱発泡剤 ) ライフサイクルでの資源消費と廃棄物処理など 33 c KAJIMA CORPORATION
節水 5 その他の CO 2 温暖化ガス削減 上水処理 配水 下水処理などでのエネルギー消費 温暖化ガスの発生 CO 2 以外の温暖化ガス 特殊ガス消火 ( ハロンなど ) 冷媒フロンの漏洩防止 適正処理 HCFCを利用した発泡断熱材の回避 ライフサイクルでの資源消費 ライフサイクルでの廃棄物処理による温暖化影響 建材の製造 建材の流通 施工段階 修繕更新 解体など 34 c KAJIMA CORPORATION
ケーススタディ ほぼ現在の技術の範囲で何処まで可能性があるか? 更に ZEB を実現するためにどのような取り組みが必要か? 35 c KAJIMA CORPORATION
建築プランの工夫 N1 N1 N2 W1 W1 W2 コア インテリア E1 38.4 m コア 吹抜 窓面積率 70% Low-E ガラス E2 E1 W1 W1 W2 S2 S1 S1 窓面積率 70% 普通ガラス 6.4m 6 スパン 標準的なプラン約 1515 m2 5 階程度を想定 窓面積率 10% Low-E ガラス 6.4m 7 スパン 内に開くプラン外壁が多くなるが Low-E ガラスの活用で空調負荷は削減自然採光 自然換気の可能性が高くなる狭隘な都心部の密接した土地でも成立 36 c KAJIMA CORPORATION
照明 PC などの見直し ( 例 ) タスク & アンビエント照明など 10W/ m2 シンクライアント (Thin Client) によるオフィスの PC 発熱削減 7.5W/ m2 利用者との合意が必要なため テナントビルでは困難? 37 c KAJIMA CORPORATION
放射冷房 + クールビズ クールビズ + 放射冷房例えば 冷房設定 26 28 衣服を半そで程度に 相対湿度 50% 45% 放射温度を 28 26 気流感を選択可能 0.2 m/sec ( 処理外気のタスク利用 ) これにより SET * ( 温冷感指標 ) を約 29 約 26 に改善 省エネ効果 空調負荷の削減 空気搬送動力の削減 ( 外気のみ ) 中温冷水による熱源効率向上 冷凍機 躯体蓄熱 冷熱放射パネル表面に結露しないように制御 (ex. 温度 23 ) 日射 窓からの再放射 (ex.30 ) 冷熱放射 中温冷水による効率向上 (ex.20 ) タスク空調 除湿 外気供給 空気温 28 SET * 26 を目標とする 冷熱放射 38 c KAJIMA CORPORATION
比較ケース CASE-A CASE-B CASE-C CASE-D CASE-E CASE-F CASE-G CASE-H CASE-H' 基準ビル 建築プランの工夫 省エネ型照明 PC 熱源の省エネ制御 全熱交換機 放射冷房 + クールビズ エコライフスタイル + 自然換気 自然エネ利用 建物形状 窓面積率 70% 内に開くビル ボイドなし ボイドあり 普通ガラス Low-Eガラス 空調方式 HP+ 外調機 +FCU 輻射冷房 照明 機器発熱削減照明 機器の設計条件 照明 :16W/m2 照明 :10W/m2 照明 :10W/m2 機器 :10W/m2 機器 :7.5W/m2 機器 :7.5W/m2 照明 :20W/m2 機器 :20W/m2 上記を設計条件に 熱源変水量制御 なし あり 全熱交換機 全熱交換機なし 全熱交換機あり 外気量制御 外気量 6m3/h.m2 外気量 4.5m3/h.m2 設定温度 残業運転 一般空調夏期 26 / 冬期 22 残業利用 20 時までを想定 クールビズ夏期 27.5 / 冬期 19 残業利用なし 18 時までで停 止 自然エネルギー利用なし + 自然換気 20W/m2 太陽光発電 注 ) 太陽光発電の発電効率 13% 設置面積 =5 階建 屋上の約 80% に設置 39 c KAJIMA CORPORATION
用途別エネルギー消費量の推定 一次エネルギー消費量 (MJ/ 年 m2 ) 3,000 空調ファン 2,500 2,000 1,500-8% -18% -22% -25% -45% -50% -51% 空調ポンプ熱源機器照明コンセント換気設備給湯設備その他 1,000 500 0 CASE-A CASE-B CASE-C CASE-D CASE-E CASE-F CASE-G CASE-H CASE-H' 基準ビル 窓面積率 70% ボイドなし普通ガラス 建築プランの工夫 内に開くビルボイドあり Low-E ガラス + 省エネ型照明 PC + 熱源の省エネ制御 + 全熱交換機 照明 :10W/m2 熱源変水量制御全熱交換機あり機器 :7.5W/m2 約 7600 m2 5 階建 オフィスを想定したケーススタディ + 放射冷房 + クールビズ 放射冷房夏期 27.5 / 冬期 19 + エコライフスタイル 残業利用なし 18 時までで停止 + 自然換気 + 自然換気 ( 空調 5% の削減 ) + 自然エネ利用 20W/m2 太陽光発電 太陽光発電は 一次エネルギー消費量削減ではなく CO2 削減として評価した 40 c KAJIMA CORPORATION
CO2 排出量と削減率の推定 CO2 排出量 (kg-co2/ 年 m2 ) 120.0 100.0-8% -18% -22% -25% 80.0-45% 60.0-50% -51% -58% 40.0 20.0 0.0 CASE-A CASE-B CASE-C CASE-D CASE-E CASE-F CASE-G CASE-H CASE-H' 基準ビル 窓面積率 70% ボイドなし普通ガラス 建築プランの工夫 内に開くビルボイドあり Low-E ガラス + 省エネ型照明 PC + 熱源の省エネ制御 + 全熱交換機 照明 :10W/m2 熱源変水量制御全熱交換機あり機器 :7.5W/m2 + 放射冷房 + クールビズ 放射冷房夏期 27.5 / 冬期 19 + エコライフスタイル 残業利用なし 18 時までで停止 + 自然換気 + 自然換気 ( 空調 5% の削減 ) + 自然エネ利用 20W/m2 太陽光発電 約 7600 m2 5 階建 オフィスを想定したケーススタディ 注 ) 太陽光発電の発電効率 13% 設置面積 =5 階建 屋上の約 80% に設置 自然換気は ポンプ動力と熱源を 5% 削減として簡易に評価した 41 c KAJIMA CORPORATION
ケーススタディに基づく考察 今回のケーススタディでは 先端技術で約 50%~60% 程度の達成が可能 建物の外皮性能 ( 断熱 日射遮蔽 ) の向上は 基本性能として重要 外皮の省エネルギー効果は限定的であるが これより 無理 無駄の少ない空調計画が可能 照明 OA 機器等の省エネが効果的 これをある程度達成できると 空調のブレイク スルーが可能かもしれない 空気ではなく 放射で冷暖房する = 搬送動力削減と熱源の効率向上 快適性に配慮したクールビズ : 潜熱 顕熱分離制御 タスク & アンビエント : 必要な時に必要な所だけを空調 照明 不在時の空調停止 消灯も効果的 42 c KAJIMA CORPORATION
ケーススタディに基づく考察 ケーススタディで達成できなかった 40~50% の削減 (ZEB) のために何が必要か? 内部発熱の多くを占める照明や OA 機器の更なる省エネ LED 照明の高効率化 OA 機器の省エネ化など エコ ライフスタイルの誘導 建物は エコ ライフスタイルをサポートできるデザインであることが必要 ex. 自然換気や昼光利用がしやすい ex. 不要な機器を止められる 熱源機器 搬送機器などの更なる高効率化 統合制御 ( より賢い制御 エネルギーの無駄使いを無くす制御 ) 太陽光発電などの高効率化 新たな自然エネルギーの利用促進 ( 地熱 地下水など ) 43 c KAJIMA CORPORATION
今後議論が必要な項目の整理 ( 議論のキーワードを整理する ) 44 c KAJIMA CORPORATION
今後議論が必要な項目 ゼロエミッションのバウンダリは? 広域のグリーン電力などを含めエネルギーのサプライサイドを含め 敷地をバウンダリーに 大型風力発電 電力 メガソーラー ガス等 バウンダリの設定により 達成するための技術と目標とする達成度が異なる 45 c KAJIMA CORPORATION
今後議論が必要な項目 ライフサイクルのバウンダリーは? T.Ikaga 設計 資材製造 建設 運用 改修 廃棄 建築物のライフサイクル LCCO2=0 を目的とする別の対策も重要となる 46 c KAJIMA CORPORATION
今後議論が必要な項目 コスト vs 便益に対する配慮 ( イメージ ) 47 c KAJIMA CORPORATION
今後議論が必要な項目 議論を深めるには 建物用途と規模をある程度想定する必要がある 戸建住宅は ( 太陽光発電さえ大量に設置できれば ) 比較的容易 学校は比較的低層で 自然採光や自然換気と馴染みが良いの次のターゲット 小規模な庁舎は 一般的に 民間オフィスに較べて エネルギー消費は小さく 自然採光や自然換気と馴染みが良い 今回のプレゼンテーションで暗黙の想定を行っている事務所ビル ( テナントビルなど ) の ZEB 化はかなりハードルが高い 既築ビルの ZEB 化は更にハードルが高い とは言え あらゆる分野で 応分な努力 取り組みを行わないと 長期的な大幅削減の目標は達成できない 段階的な取り組みのロードマップが必要 48 c KAJIMA CORPORATION
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