裁判年月日 平成 20 年 11 月 27 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平 20( ワ )9871 号 事件名 管理費等請求事件 裁判結果 認容 文献番号 2008WLJPCA 東京都足立区 以下省略 原告上記代表者理事長上記訴訟代理人弁護士同同東京都世田谷区

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同訴訟代理人弁護士同同同同同同同同同同同 三好徹石田央子津田直和井川真由美鶴﨑有一石井修平山崎哲内田尚成前田香織本田雄巳黒木義隆籔之内千賀子 主文 1 控訴人の本件控訴を棄却する 2(1) 被控訴人の附帯控訴に基づき 原判決主文 1 2 項を次のとおり変更する (2) 控訴人は 被控訴人に対し 78

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

最高裁○○第000100号

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

裁判年月日 平成 25 年 9 月 19 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平 24( ワ )26067 号 事件名 区分所有建物使用差止請求事件 裁判結果 認容 文献番号 2013WLJPCA 事案の概要 原告が 被告に対し 管理組合集会決議がないのに住宅以外の用途

最高裁○○第000100号

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

(2) B 社に係る破産事件等東京地方裁判所は, 平成 21 年 2 月 24 日,B 社を再生債務者として, 再生手続開始の決定をした しかし, 東京地方裁判所は, 同年 3 月 24 日,B 社の事業継続を不可能とする事実が明らかになったとして, 再生手続廃止の決定をするとともに, 再生手続廃止

管理費滞納者 S さん A 管理組合は全部で 2 0 戸の小規模マンショ ンです 今年の 5 月から区分所有者の一人である S さんの管理費が滞納し始めました 管理費の滞納問題は どの規模のマンションに おいても喫緊であり重要な課題となっています 区分所有者から支払われる管理費は 管理会社 への業務

1 本件は, 別紙 2 著作物目録記載の映画の著作物 ( 以下 本件著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 以下 本件投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェブサイト FC2 動画 ( 以下 本件サイト という )

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

〔問 1〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか

( 事案の全体像は複数当事者による複数事件で ついての慰謝料 30 万円 あり非常に複雑であるため 仮差押えに関する部 3 本件損害賠償請求訴訟の弁護士報酬 分を抜粋した なお 仮差押えの被保全債権の額 70 万円 は 1 億円程度と思われるが 担保の額は不明であ を認容した る ) なお 仮差押え

平成 28 年 4 月 28 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償等請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 3 月 22 日 判 決 原 告 A 同訴訟代理人弁護士 松 村 光 晃 中 村 秀 一 屋 宮 昇 太 被告株式会社朝日新聞社 同訴訟代

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

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控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

( 以下 プロバイダ責任制限法 という )4 条 1 項に基づき, 被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である 1 前提事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) (1) 当事者 原告は, 肩書地に居住する者である ( 甲 1) 被告は,

原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

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明確認書 を甲に提出する ( かし担保 ) 第 8 条乙は この契約締結後に かくれたかしがあることを発見しても 売買代金の減免若しくは損害賠償の請求又は契約の解除をすることができないものとする ただし 乙が消費者契約法 ( 平成 12 年法律第 61 号 ) 第 2 条第 1 項に規定する消費者

(2) 訴訟費用は 被告らの負担とする 2 被告国 (1) 本案前の答弁ア原告の被告国に対する訴えを却下する イ上記訴えに係る訴訟費用は 原告の負担とする (2) 被告国は 本案について 原告の被告国に対する請求を棄却する旨の裁判を求めるものと解する 3 被告 Y1 市 (1) 本案前の答弁ア原告の

で年 5 分の割合による遅延損害金の支払を求めたところ, 被告は, 原告らは期限の利益を喪失したとして乙事件を提訴して争っている事案で, 2 乙事件被告は, 本件取引について, 原告ら ( 原告及び連帯保証人 B) は, 平成 16 年 11 月 16 日に所定の金員の支払を怠り期限の利益を喪失し,

第 2 事案の概要本件は, 原告が, 被告に対し, 氏名不詳者が被告の提供するインターネット接続サービスを利用して, インターネット上の動画共有サイトに原告が著作権を有する動画のデータをアップロードした行為により原告の公衆送信権 ( 著作権法 23 条 1 項 ) が侵害されたと主張して, 特定電気

Taro-土地売買契約書(延納払).j

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

平成年月日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

最高裁○○第000100号

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

平成 30 年 6 月 15 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 5939 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 5 月 9 日 判 決 5 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主 文 1 被告は, 別紙対象目録の 原告 欄記載の各原告に対し,

Unit1 権利能力等, 制限行為能力者 ( 未成年 ) 1 未成年者が婚姻をしたときは, その未成年者は, 婚姻後にした法律行為を未成年であることを理由として取り消すことはできない (H エ ) 2 未成年者が法定代理人の同意を得ないで贈与を受けた場合において, その贈与契約が負担付の

平成  年(オ)第  号

業務委託基本契約書

む ), 倉庫その他の建物をいう ( 同条 3 号 ) 固定資産課税台帳 とは, 土地課税台帳, 土地補充課税台帳, 家屋課税台帳, 家屋補充課税台帳及び償却資産課税台帳を総称するものである ( 同条 9 号 ) 家屋課税台帳 とは, 登記簿に登記されている家屋 ( 建物の区分所有等に関する法律 (

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

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平成  年(あ)第  号

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7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

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求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

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被告は,A 大学 C 学部英語専攻の学生である (2) 本件投稿等被告は, 大学 2 年生として受講していた平成 26 年 4 月 14 日の 言語学の基礎 の初回講義 ( 以下 本件講義 という ) において, 原告が 阪神タイガースがリーグ優勝した場合は, 恩赦を発令する また日本シリーズを制覇

(1) 家賃債務保証業者に対する損害額の調査結果 調査の概要 調査対象 国土交通省の家賃債務保証業者登録制度に登録している家賃債務保証業者 13 社 対象期間 各事業者が保有する平成 28 年又は平成 29 年のデータのうち直近で集計可能な過去 1 年分又は直近の1,000 件ただし 事業者によって

11総法不審第120号

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に表現したものということはできない イ原告キャッチフレーズ1は, 音楽を聞くように英語を聞き流すだけ/ 英語がどんどん好きになる というものであり,17 文字の第 1 文と12 文字の第 2 文からなるものであるが, いずれもありふれた言葉の組合せであり, それぞれの文章を単独で見ても,2 文の組合

平成 24 年 8 月 24 日判決言渡 平成 23 年 第 284 号代議員会議決無効確認請求事件 判 主 決 文 1 原告が, 平成 23 年 1 月 18 日をもって被告の設立事業所でないことを確認する 2 被告は, 原告のために,A 厚生年金基金規約別表第 1から 株式会社 B, 長野県諏訪

平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

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併等の前後を通じて 上告人ら という 同様に, 上告人 X1 銀行についても, 合併等の前後を通じて 上告人 X1 銀行 という ) との間で, 上告人らを債券の管理会社として, また, 本件第 5 回債券から本件第 7 回債券までにつき上告人 X1 銀行との間で, 同上告人を債券の管理会社として,

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た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

標準例6

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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2006 年度 民事執行 保全法講義 第 4 回 関西大学法学部教授栗田隆

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第 2 事案の概要本件は, レコード製作会社である原告らが, 自らの製作に係るレコードについて送信可能化権を有するところ, 氏名不詳者において, 当該レコードに収録された楽曲を無断で複製してコンピュータ内の記録媒体に記録 蔵置し, イン ターネット接続プロバイダ事業を行っている被告の提供するインター

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の上記アの期間に係る標準報酬月額を44 万円に訂正する必要がある旨のあっせんをした ( 甲 1の18ないし21 頁, 丙 4) (2) Aの標準報酬月額の決定等ア厚生年金保険法 ( 平成 24 年法律第 62 号による改正前のもの 以下 厚年法 という )100 条の4 第 1 項 3 号及び4 号

平成 30 年 3 月 29 日判決言渡同日原本受領裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 9 日 判 決 5 原告株式会社フィールドアロー 同訴訟代理人弁護士 青 山 友 和 被 告 ソ メ ヤ 株 式 会 社 同訴訟代理

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税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

指定商品とする書換登録がされたものである ( 甲 15,17) 2 特許庁における手続の経緯原告は, 平成 21 年 4 月 21 日, 本件商標がその指定商品について, 継続して3 年以上日本国内において商標権者, 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないことをもって, 不使用に

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加西市監査公表第 1 号 加西市職員措置請求に係る監査結果の公表について 地方自治法第 242 条第 1 項の規定により平成 24 年 8 月 20 日付けで提出のあったみだ しの措置請求について 同条第 4 項の規定に基づき監査を行った結果を 同項の規定に基づき 公表する 平成 24 年 10 月

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⑵ 過誤納金還付金が各税法の定めに基づいて発生するのに対して 過誤納金は 法律上 国税として納付すべき原因がないのに納付された金額で 国の一種の不当利得に係る返還金である なお この過誤納金は 次の二つに分かれる イ過納金過納金は 納付時には納付すべき確定した国税があったが 減額更正や不服審査の裁決

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並びにそのコンサルタント業務等を営む株式会社である ⑵ 株式会社 CAは, 別紙著作物目録記載 1ないし3の映像作品 ( 以下 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の製作に発意と責任を有する映画製作者 ( 著作権法 2 条 1 項 号 ) であるところ, 本件各著作物の著

当法 22 条 2 項,3 項により本件滞納社会保険料等の徴収に関する権限を承継した被告に対し, 本件滞納社会保険料等のうち平成 17 年 5 月分以前のもの ( 以下 本件請求対象社会保険料等 という ) についての納付義務は時効等により消滅しているとして, 本件交付要求のうち本件請求対象社会保険

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裁判年月日 平成 20 年 11 月 27 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平 20( ワ )9871 号 事件名 管理費等請求事件 裁判結果 認容 文献番号 2008WLJPCA11278043 要旨 マンションの管理組合である原告が マンションの区分所有者が管理費 修繕積立金 駐車場賃料及び駐輪場賃料を滞納した後に同区分所有者から区分所有権を不動産競売により取得した被告及び本件訴訟継続中に被告からこれを買い受けた引受承継人の両名に対し 管理費及び修繕積立金の遅延損害金並びに駐車場及び駐輪場の各賃料とその遅延損害金の各支払を求めた事案において 本件駐車場賃料及び本件駐輪場賃料も 建物の区分所有等に関する法律 8 条所定の 債権 にあたり また 被告は 本件区分所有建物を売却した後も 区分所有等に関する法律 8 条所定の 特定承継人 にあたり 本来の債務者と8 条所定の特定承継人である被告及び引受承継人の債務は 相互に不真正連帯債務関係に立つと判断して 請求を認容した事例 出典 ウエストロー ジャパン 参照条文建物の区分所有等に関する法律 7 条 1 項建物の区分所有等に関する法律 8 条建物の区分所有等に関する法律 18 条建物の区分所有等に関する法律 46 条 1 項 2014 Westlaw Japan K.K., all rights reserved 1

裁判年月日 平成 20 年 11 月 27 日 裁判所名 東京地裁 裁判区分 判決 事件番号 平 20( ワ )9871 号 事件名 管理費等請求事件 裁判結果 認容 文献番号 2008WLJPCA11278043 東京都足立区 以下省略 原告上記代表者理事長上記訴訟代理人弁護士同同東京都世田谷区 以下省略 被告上記代表者代表取締役東京都足立区 以下省略 引受承継人 セントエルモ綾瀬管理組合 A 五百蔵洋一関哉直人髙木薫有限会社エー ディ エス B Y1 主文 1 被告及び引受承継人は, 原告に対し, 連帯して,38 万 7493 円及び別紙請求額一覧表 2の未収金残高欄記載の各金員に対する支払日欄記載の各支払日の翌日から支払済みまで年 18% の割合による金員を支払え 2 訴訟費用は, 被告及び引受承継人の負担とする 3 この判決は, 仮に執行することができる 事実及び理由 第 1 請求主文同旨第 2 事案の概要本件は, マンションの管理組合である原告が, マンションの区分所有者が管理費, 修繕積立金, 駐車場賃料及び駐輪場賃料を滞納した後に同区分所有者から区分所有権を不動産競売により取得した被告及び本件訴訟係属中に被告からこれを買い受けた引受承継人の両名に対し, 管理費及び修繕積立金の遅延損害金並びに駐車場及び駐輪場の各賃料とその遅延損害金の各支払を求めた事案である 1 前提事実 (1) 原告は, 別紙物件目録記載の一棟の建物 ( 以下 本件マンション という ) の区分所有者全員で構成される管理組合である ( 甲 1) (2) 本件マンションの区分所有者全員の合意により成立した管理規約 ( 以下 本件規約 という ) には, 次の定めがある ( 甲 1) ア区分所有者は管理費及び修繕積立金 ( 以下 管理費等 という ) を原告に納入しなければならない ( 本件規約 24 条 1 項 ) 管理費等の額については, 各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出し, 使用頻度その他の事情を一切 2014 Westlaw Japan K.K., all rights reserved 2

勘案しない ( 同条 2 項 ) イ本件マンションの敷地及び本件マンションの共用部分より発生する使用料は管理組合に帰属し, その使用料は管理に要する費用に充当する ( 本件規約 30 条 ) ウ原告は, 管理費等及び使用料について毎月末日にその翌月分を一括して徴収する ( 本件規約 59 条 1 項本文 ) エ区分所有者がウの期日までに納付すべき金額を納付しない場合, 原告は当該未払金額についてその期日の翌日から起算して支払日まで年 18% の遅延損害金を加算して, 当該区分所有者に対して請求できる ( 本件規約 59 条 2 項 ) (3) 別紙物件目録記載の区分所有建物 ( 以下 本件区分所有建物 という ) の所有権は, 平成 15 年 3 月 6 日売買により株式会社アルデプロからCへ, 平成 16 年 8 月 15 日売買によりD( 以下 D という ) へ, 平成 18 年 11 月 10 日担保不動産競売による売却により被告へ, それぞれ移転した ( 甲 2,17, 弁論の全趣旨 ) (4) 本件区分所有建物の平成 15 年 6 月分から平成 18 年 10 月分までの期間の管理費は月額 8800 円であった また, 本件区分所有建物の修繕積立金については, 平成 15 年 6 月分から平成 16 年 10 月分までの期間は月額 7040 円, 平成 17 年 9 月分は月額 1 万 0450 円, 同年 10 月分から平成 18 年 10 月分までの期間は月額 1 万 0560 円であった ( 甲 1,3,6) (5) 被告が本件区分所有建物の所有権を不動産競売により取得した当時, 本件区分所有建物の管理費等については, 平成 15 年 6 月分から平成 16 年 10 月分まで, 平成 17 年 9 月分から平成 18 年 4 月分まで及び同年 10 月分の合計 44 万 3410 円が滞納されていた ( 以下, これらを併せて 本件滞納管理費等 という ) ( 甲 3,6, 弁論の全趣旨 ) (6) Dは, 原告との間で, 平成 17 年 2 月 1 日, 本件マンションの共用部分に設置してある駐車場 1 台分 ( 以下 本件駐車場 という ) を賃料月額 2 万円で賃借した また,Dは, 原告との間で, 本件区分所有建物を買い受けた平成 16 年 8 月 15 日ころ, 本件マンションの共用部分に設置してある駐輪場 1 台分 ( 以下 本件駐輪場 という ) を賃料月額 100 円で賃借した その後,Dは, 平成 17 年 12 月分から平成 18 年 4 月分までの本件駐車場の賃料合計 10 万円並びに平成 1 7 年 10 月分から平成 18 年 4 月分まで及び同年 10 月分の本件駐輪場の賃料合計 800 円を滞納した ( 以下, これらを併せて 本件滞納賃料 という ) ( 以上につき, 甲 1,3,6ないし16) (7) 被告は, 平成 20 年 6 月 11 日, 原告に対し, 本件滞納管理費等 44 万 3410 円を弁済したうえ, 引受承継人に対し, 本件区分所有建物を売却した ( 甲 17, 弁論の全趣旨 ) (8) 引受承継人は, 平成 20 年 10 月 2 日, 被告から本件訴訟を引受承継した ( 当裁判所に顕著な事実 ) 2 争点 (1) 本件滞納賃料は, 建物の区分所有等に関する法律 ( 区分所有法 )8 条所定の 債権 に当たるか ( 原告の主張 ) 本件駐車場の賃料も本件駐輪場の賃料も同条所定の 債権 に当たる ( 被告及び引受承継人の主張 ) いずれも当たらない (2) 被告は, 本件区分所有建物を売却した後も, 区分所有法 8 条所定の 特定承継人 に当たるか ( 原告の主張 ) 被告は同条所定の 特定承継人 に該当する ( 被告の主張 ) 争う 第 3 当裁判所の判断 1 争点 (1)( 本件滞納賃料は区分所有法 8 条所定の 債権 に当たるか ) について (1) 原告は, 本件マンションの区分所有者全員で構成される管理組合であって, 法人格は取得していないものの, 各区分所有者が議決権を有する総会が定期的に開催されるとともに, 理事長, 副理事長, 理事及び監事 2014 Westlaw Japan K.K., all rights reserved 3

等の役員が総会で選任されて管理組合の業務を遂行することになっており ( 甲 1,4, 弁論の全趣旨 ), 社団としての実質を備えていることからすると, 原告は権利能力なき社団とみることができ, 原告が有する債権は原告の構成員である区分所有者全員が総有しているものと解される (2) また, 本件規約には, 本件マンションの共用部分より発生する使用料は管理組合に帰属し, その使用料は管理に要する費用に充当されること ( 本件規約 30 条 ), 本件駐車場及び本件駐輪場がいずれも本件マンションの共用部分に含まれ, 原告が区分所有者に対し, 本件駐車場については別途契約により, 本件駐輪場については区分所有権存続中もしくは別途契約により, それぞれ専用使用権を設定できること ( 本件規約 8 条,14 条 1 項, 別表第 2, 第 4), 本件駐車場の賃料額が1 台に付き月額 2 万円であること ( 別表第 4), 本件駐輪場の賃料額が1 台に付き月額 100 円であること ( 同 ), 本件駐車場及び本件駐輪場の賃料支払方法は毎月末日に翌月分を一括払であって, 同期限を過ぎるとその翌日から支払済みまで年 18% の遅延損害金が加算されること ( 本件規約 59 条 1,2 項 ) がそれぞれ定められているところ, これらはいずれも 共用部分の管理に関する事項 ( 区分所有法 18 条 1 項 ) に当たり, 規約で定めることができる事項であるから ( 同条 2 項 ), 本件規約上の上記各事項の定めは区分所有者及び特定承継人に対して効力を有することになる ( 同法 46 条 1 項 ) (3) そして, 上記前提事実によれば, 本件区分所有建物の所有者であったDは, 原告から本件駐車場を賃料月額 2 万円で, 本件駐輪場を賃料月額 100 円でそれぞれ賃借したものの, 平成 17 年 12 月分から平成 18 年 4 月分までの本件駐車場の賃料合計 10 万円及び平成 17 年 10 月分から平成 18 年 4 月分までと同年 10 月分の本件駐輪場の賃料合計 800 円を滞納したことが認められる (4) 以上によれば, 原告がDに対して有する本件滞納賃料の債権は, これに対する遅延損害金も含めて, 本件規約に基づき原告の構成員である区分所有者全員が総有していることになるから, 区分所有法 7 条 1 項所定の区分所有者が規約に基づき他の区分所有者に対して有する債権に当たるというべきであって, 同法 8 条の 前条第 1 項に規定する債権 に該当すると解される したがって, 原告は, 本件滞納賃料の債権を, その債務者たるDばかりでなく, その特定承継人に対しても行使することができる 2 争点 (2)( 被告は, 本件区分所有建物を売却した後も, 区分所有法 8 条所定の 特定承継人 に当たるか ) (1) 上記前提事実によれば, 被告は, 本件滞納管理費等と本件滞納賃料の債務者であるDから, 不動産競売により本件区分所有建物の区分所有権を取得した後, 引受承継人に本件区分所有建物を売却したのであるから, 現在は本件区分所有建物の所有者ではない そこで, 現在の特定承継人ばかりでなく, このような中間者たる特定承継人も, 区分所有法 8 条所定の 特定承継人 に当たるか否かについて検討する (2) 区分所有法 7 条及び8 条は, 区分所有者が区分所有建物の集合体である建物の共有部分, 敷地又は附属部分を共同して維持管理すべき立場にあることに鑑み, 適正な管理に必要な経費等にかかる区分所有者の債務について, その履行の確保を図るため, 債務者の区分所有権及び区分所有建物に備え付けた動産 ( 以下 区分所有権等 という ) に対する先取特権を法定するとともに, 債務者たる区分所有者からの特定承継人に重畳的に債務を負担させたものである そして, 区分所有法 8 条は, 特定承継人に対する債権行使の手段を同法 7 条の区分所有権等上の先取特権の実行に限定していないから, 特定承継人の区分所有権等以外の一般財産に対する同条の責任追及も可能である このように8 条の特定承継人の法定責任は7 条の先取特権と直接リンクしたものではなく, 先取特権とは別途追及することもできる責任であることからすると,8 条の責任主体を区分所有建物の現所有者たる特定承継人に限定する必然性はなく, むしろ, 中間者たる特定承継人についても, 債務者たる区分所有者の特定承継人としてひとたび債務者と重畳的に債務負担すべき法的地位に就いた以上は区分所有権喪失後もその地位に留まらせることが, 建物の適正な維持管理に必要な経費等の債務の履行確保を図ろうとした8 条の趣旨に適うというべきである (3) また, 実際上も, マンションの管理組合が共有部分の管理に要した費用が,8 条が引用する7 条 1 項に規定する債権の多くの部分を占めるところ, 中間者たる特定承継人は, 区分所有権を取得してからこれを喪失するまでの間に, 前区分所有者が支払を怠った費用を他の区分所有者や管理組合が肩替わりすることによって維持管理された共有部分を使用できる利益を享受する一方で, その間 8 条の責任を懈怠したまま区分所有権を第三者に移転したのであるから, 区分所有権を喪失した後も8 条の責任を負わせることが衡平というべきである 2014 Westlaw Japan K.K., all rights reserved 4

(4) さらに,8 条の文理上も, 債務者たる区分所有者の特定承継人について, 現在の特定承継人に限定しておらず, 中間者たる特定承継人を排除していない (5) 以上によれば, 現在の特定承継人ばかりでなく, 中間者たる特定承継人も区分所有法 8 条所定の 特定承継人 に当たると解するのが相当である (6) そうすると, 本件では, 被告と引受承継人のいずれも区分所有法 8 条所定の 特定承継人 として, 本件滞納管理費等の遅延損害金並びに本件滞納賃料及びその遅延損害金を支払う義務があるというべきである なお, 本件滞納管理費等及び本件滞納賃料の本来の債務者であるDと8 条の特定承継人である被告及び引受承継人の債務は, 相互に不真正連帯債務関係に立つものと解される 3 結論よって, 原告の請求はいずれも理由があるからこれを認容し, 主文のとおり判決する ( 裁判官大嶋洋志 ) 以下省略 ******* 2014 Westlaw Japan K.K., all rights reserved 5