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2. 適用の範囲及び使用方法本剤の適用の範囲及び使用方法は以下のとおり 国内での使用方法 3.0% フェンキノトリオン粒剤 作物名適用雑草名使用時期使用量 移植水稲 水田一年生雑草 ( イネ科雑草を除く ) 及びマツハ イホタルイヘラオモタ カミス カ ヤツリウリカワヒルムシロ 移植後 20~30

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3. 答申案 別紙のとおり ( 参考 ) これまでの経緯平成 17 年 11 月 29 日残留基準告示平成 27 年 3 月 ~ 平成 27 年 12 月残留農薬等公示分析法検討会で随時検討平成 28 年 5 月 17 日薬事 食品衛生審議会へ諮問平成 28 年 5 月 18 日厚生労働大臣から食品

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(5) 適用方法及び用量 カナマイシンの使用対象動物及び使用方法等を以下に示す 1 国内での使用方法 医薬品対象動物及び使用方法休薬期間 硫酸カナマイシン を有効成分とする 注射剤 硫酸カナマイシン を有効成分とする 鼻腔内投与剤 硫酸カナマイシン 及びベンジルペニ シリンプロカイン を有効成分とす

(4) 構造式及び物性 分子式 C 28 H 47 NO 4 S 分子量 (5) 適用方法及び用量 チアムリンのの使用対象動物及び使用方法等は以下のとおり 1 国内での使用方法医薬品 対象動物及び使用方法 休薬期間 フマル酸チアムリンを有飼料 1 t 当たり 300 g( 力価 ) 以

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目次頁 審議の経緯 2 食品安全委員会委員名簿 2 食品安全委員会動物用医薬品専門調査会専門委員名簿 2 要約 3 I. 評価対象動物用医薬品の概要 4 1. 主剤 4 2. 効能 効果 4 3. 用法 用量 4 4. 添加剤等 4 5. 開発の経緯及び使用状況 4 II. 安全性に係る知見の概要

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2-3 分析方法と測定条件ソルビン酸 デヒドロ酢酸の分析は 衛生試験法注解 1) 食品中の食品添加物分析法 2) を参考にして行った 分析方法を図 1 測定条件を表 3に示す 混合群試料 表示群試料について 3 併行で分析し その平均値を結果とした 試料 20g 塩化ナトリウム 60g 水 150m

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資料 2-1

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薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

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畜水産物の安全確保のための取組

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写 薬生発 0131 第 1 号 平成 30 年 1 月 31 日 都道府県知事 殿 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 関係手数料令の一部を改正する政令の公布について この度 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確

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. 適用の範囲及び使用方法 本剤の適用の範囲及び使用方法は以下のとおり () 国内での使用方法 0.0% フルキサメタミド乳剤作物名適用希釈倍数使用液量使用時期 本剤の使用回数 使用方法 フルキサメタミト を含む農薬の総使用回数 さといも ハスモンヨトウ かんしょ ナカシ ロシタハ だいこん コナカ

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ICH Q4B Annex12

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すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :


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ともに 申請者が承認審査のスケジュールに沿って法令上求められる製造体制を整備することや承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで 更なる迅速な実用化を促すものである この制度では 原則として新規原理 新規作用機序等により 生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して 極めて高い有効

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資料4-4 木酢液の検討状況について

別紙 1 販売名 医療機器保険適用希望書 ( 決定区分 A1( 包括 )) 整理番号 : 空欄で提出 薬事法承認又は認証された販売名を記載 製品名 製品コード 製品名 製品コード JAN コードの場合必ず 13 桁 薬事法承認書又は認証書上 薬事法承認書又は認証書上記載 記載された類別を記載 された

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平成 27 年 1 月 23 日 薬事 食品衛生審議会 食品衛生分科会長岸玲子殿 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会 農薬 動物用医薬品部会長大野泰雄 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会 農薬 動物用医薬品部会報告について 平成 26 年 12 月 15 日付け厚生労働省発食安 1215 第 1 号をもって諮問された 食品衛生法 ( 昭和 22 年法律第 233 号 ) 第 11 条第 1 項の規定に基づくモサプリドに係る食品規格 ( 食品中の動物用医薬品の残留基準 ) の設定について 当部会で審議を行った結果を別添のとおり取りまとめたので これを報告する

モサプリド 今般の残留基準の検討については 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請がなされたこと及び当該承認に伴い同法に基づく使用基準を設定することについて農林水産大臣から意見聴取があったことから 食品安全委員会による食品健康影響評価の結果を踏まえ 農薬 動物用医薬品部会において審議を行い 以下の報告を取りまとめるものである 1. 概要 (1) 品目名 : モサプリド [ Mosapride ] (2) 用途 : 消化器官用薬モルホリン環を有するベンズアミド化合物で 消化管運動促進薬である セロトニン受容体 4(5-HT 4 R) を刺激してアセチルコリンを遊離させ 胃腸の運動を活発にするものと考えられている 日本では モサプリドクエン酸塩二水和物を有効成分とするヒト用医薬品が承認されている また 動物用医薬品としてイヌの上部消化管 ( 胃及び十二指腸 ) 運動機能低下に伴う食欲不振及び嘔吐の改善を目的としたモサプリドクエン酸塩二水和物の製剤が承認されているが 食用動物に用いる動物用医薬品は承認されていない 海外では 動物用医薬品としては使用されていないが 中国及び韓国ではヒト用医薬品として用いられている (3) 化学名 : モサプリド (RS)-4-amino-5-chloro-2-ethoxy-N-[[4-[(4-fluorophenyl)methyl]-2- morpholinyl]methyl]benzamide(cas) 参考 モサプリドクエン酸塩 (RS)-4-amino-5-chloro-2-ethoxy-N-[[4-[(4-fluorophenyl)methyl]-2- morpholinyl]methyl]benzamide 2-hydroxy-1,2,3-propanetricarboxylate(CAS) (4) 構造式及び物性 分子式 :C 21 H 25 ClFN 3 O 3 分子量 :421.89

参考 モサプリドクエン酸塩 分子式 :C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 分子量 :614.01 (5) 適用方法及び用量モサプリドクエン酸塩の使用対象動物及び使用方法等を以下に示す 医薬品 対象動物及び使用方法 休薬期間となっているものについては 今回医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) に基づく使用基準の設定について意見聴取がなされたものを示している モサプリドクエン酸塩の動物用医薬品としての使用量等 医薬品対象動物及び使用方法休薬期間 モサプリドクエン酸塩を有効 成分とする強制経口投与剤 馬 1 日量として体重 1kg 当たり 2.0mg 以 下の量を強制的に経口投与する 2 日間 2. 対象動物における残留試験 (1) 分析の概要 1 分析対象の化合物 モサプリド デス-p-フルオロベンジルモサプリド( 以下 代謝物 M1という ) 代謝物 M1 2 分析法の概要 試料に内部標準を加え アセトニトリルで抽出し 液体クロマトグラフ タンデム 型質量分析計 (LC-MS/MS) で定量する 定量限界 :0.004 μg/g( モサプリドクエン酸塩として )

(2) 家畜残留試験 ( 動物飼養試験 ) 1 馬 (3 頭 / 時点 / 群 ) にモサプリドクエン酸塩を3 日間強制経口投与 (2mg/kg 体重 ) し 最終投与 1 3 及び5 日後に筋肉 脂肪 肝臓 腎臓及び小腸におけるモサプリドクエン酸塩の残留濃度についてLC-MS/MSにより測定した 表 1: 馬にモサプリドクエン酸塩を強制経口投与した後の食用組織中のモサプリドクエン酸塩及び代謝物 M1の濃度 (μg/g) 最終投与後日数組織 1 3 5 筋肉 0.006±0.002(3) <0.004(3) <0.004(3) モサプリド クエン酸塩 脂肪 0.026±0.020(3) <0.004(2),0.004 <0.004(3) 肝臓 0.133±0.015(3) 0.020±0.005(3) 0.014±0.007(3) 腎臓 0.026±0.020(3) <0.004(3) <0.004(3) 小腸 0.009±0.002(3) <0.004(3) <0.004(3) 筋肉 <0.004(2), 0.008 <0.004(3) <0.004(3) 脂肪 <0.004(2),0.009 <0.004(3) <0.004(3) 代謝物 M1 肝臓 0.035±0.021(3) <0.004(3) <0.004(3) 腎臓 0.023±0.019(3) <0.004(3) <0.004(3) 小腸 <0.004(2),0.011 <0.004(3) <0.004(3) 括弧内は検体数を示す 定量限界 :0.004 μg/g( モサプリドクエン酸塩として )

2 馬 (3 頭 / 時点 / 群 ) にモサプリドクエン酸塩製剤を 3 日間強制経口投与 (2mg/kg 体重 ) し 最終投与 1 3 及び 5 日後に筋肉 脂肪 肝臓 腎臓及び小腸におけるモサプリド クエン酸塩の残留濃度について LC-MS/MS により測定した 表 2: 馬にモサプリドクエン酸塩を強制経口投与した後の食用組織中のモサプリドクエン酸塩及び代謝物 M1の濃度 (μg/g) 最終投与後日数組織 1 3 5 筋肉 0.012±0.005(3) <0.004(3) <0.004(3) モサプリド クエン酸塩 脂肪 0.038±0.018(3) <0.004(3) <0.004(3) 肝臓 0.357±0.046(3) 0.024±0.006(3) 0.012±0.002(3) 腎臓 0.061±0.006(3) <0.004(3) <0.004(3) 小腸 0.024±0.012(3) <0.004(3) <0.004(3) 筋肉 <0.004(3) <0.004(3) <0.004(3) 脂肪 <0.004(3) <0.004(3) <0.004(3) 代謝物 M1 肝臓 0.046±0.038(3) <0.004(3) <0.004(3) 腎臓 0.039±0.028(3) <0.004(3) <0.004(3) 小腸 <0.004(2),0.013 <0.004(3) <0.004(3) 括弧内は検体数を示す 定量限界 :0.004 μg/g( モサプリドクエン酸塩として ) 上記の残留試験結果から 肝臓については 統計学的解析注 ) により最大許容濃度の上限 を算出した 表 3. モサプリドクエン酸塩の最大許容濃度の上限 (μg/g) 肝臓馬 ( 投与後 2 日 ) 1.5 注 ) 薬事法関係事務の取扱について ( 平成 12 年 3 月 31 日付け12 動薬 A 第 418 号農林水産省動物用医薬品検査所長通知 ) に基づき 残留試験結果から 直線回帰分析を用いて最大許容濃度の上限を算出 3.ADIの評価食品安全基本法 ( 平成 15 年法律第 48 号 ) 第 24 条第 1 項の規定に基づき 食品安全委員会あて意見を求めたモサプリドクエン酸塩に係る食品健康影響評価について 以下のとおり評価されている

無毒性量 :3 mg/kg 体重 /day( 発がん性は認められなかった ) ( 動物種 ) ラット ( 投与方法 ) 混餌投与 ( 試験の種類 ) 発がん性試験 ( 期間 ) 104 週間安全係数 :100 ADI:0.03 mg/kg 体重 /day( モサプリドクエン酸塩として ) 4. 諸外国における状況 FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議 (JECFA) において評価されておらず ADI が設定されていない 米国 カナダ 欧州連合 (EU) オーストラリア及びニュージーランドについて調査した結果 いずれの国及び地域においても基準値が設定されていない 5. 基準値案 (1) 残留の規制対象モサプリドとする 家畜残留試験においてモサプリドクエン酸塩及び代謝物 M1の分析が行われているが M1の残留量は低いことから残留の規制対象には含めないこととする なお 残留試験結果は モサプリドクエン酸塩の残留量として示されていることから 残留試験の結果に換算係数 0.687を乗じて基準値案の設定を行った (2) 基準値案別紙 1 のとおりである (3) 暴露評価 1 日当たり摂取する農薬等の量の ADI に対する比は 以下のとおりである 詳細な暴露評価は別紙 2 参照 なお ADI はモサプリドクエン酸塩として評価されていることから 基準値案に換算係数 1.46 を乗じてモサプリドクエン酸塩として試算を行った TMDI 注 ) /ADI(%) 一般 (1 歳以上 ) 0.05 幼小児 (1~6 歳 ) 0.04 妊婦 0.05 高齢者 (65 歳以上 ) 0.05 注 ) 各食品の平均摂取量は 平成 17 年 ~19 年度の食品摂取頻度 摂取量調査の特別集計業務報告書による TMDI 試算は 基準値案 各食品の平均摂取量の総和として計算した

( 別紙 1) 動薬名 モサプリド 食品名 基準値案 基準値現行 承認有無 国際基準 参考基準値 外国基準値 残留試験成績等 その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉 0.02 申 0.012±0.005 その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪 0.06 申 0.038±0.018 その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓 1 申 1.5 その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓 0.06 申 0.026±0.020 その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分 0.04 申 0.024±0.012 残留試験結果は モサプリドクエン酸塩の残留量として示されていることから 残留試験成績に換算係数 0.687 を乗じて基準値案の試算を行った

( 別紙 2) モサプリドクエン酸塩の推定摂取量 ( 単位 :μg/ 人 /day) 食品名 暴露評価に一般幼小児高齢者基準値案妊婦 *1 用いた値 (1 歳以上 ) (1~6 歳 ) (65 歳以上 ) () TMDI () TMDI TMDI TMDI その他の陸棲哺乳類に属する動物の筋肉 0.02 0.03 その他の陸棲哺乳類に属する動物の脂肪 0.06 0.09 その他の陸棲哺乳類に属する動物の肝臓 1 2 0.8 *2 0.2 *2 0.8 *2 0.8 *2 その他の陸棲哺乳類に属する動物の腎臓 0.06 0.09 その他の陸棲哺乳類に属する動物の食用部分 0.04 0.06 計 0.8 0.2 0.8 0.8 ADI 比 (%) 0.05 0.04 0.05 0.05 TMDI: 理論最大 1 日摂取量 (Theoretical Maximum Daily Intake) *1 基準値案に換算係数 1.46 を乗じてモサプリドクエン酸塩として試算を行った *2 各部位の売り 基準値が最も高い脂肪の値を用いた

( 参考 ) これまでの経緯 平成 26 年 3 月 24 日平成 26 年 3 月 24 日平成 26 年 10 月 14 日平成 26 年 12 月 15 日平成 26 年 12 月 24 日 農林水産大臣から厚生労働大臣あてに動物用医薬品の製造販売の承認及び使用基準の設定について意見聴取厚生労働大臣から食品安全委員会委員長あてに残留基準設定に係る食品健康影響評価について要請食品安全委員会委員長から厚生労働大臣あてに食品健康影響評価について通知薬事 食品衛生審議会へ諮問薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会農薬 動物用医薬品部会 薬事 食品衛生審議会食品衛生分科会農薬 動物用医薬品部会 [ 委員 ] 石井里枝 埼玉県衛生研究所水 食品担当部長 延東真 東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授 大野泰雄 公益財団法人木原記念横浜生命科学振興財団理事長 尾崎博 東京大学大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室教授 斉藤貢一 星薬科大学薬品分析化学教室教授 佐藤清 一般財団法人残留農薬研究所技術顧問 高橋美幸 農業 食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所上席研究員 永山敏廣 明治薬科大学薬学部薬学教育研究センター薬学教育部門教授 根本了 国立医薬品食品衛生研究所食品部第一室長 宮井俊一 一般社団法人日本植物防疫協会技術顧問 山内明子 日本生活協同組合連合会執行役員組織推進本部長 由田克士 大阪市立大学大学院生活科学研究科公衆栄養学教授 吉成浩一 静岡県立大学薬学部衛生分子毒性学分野教授 鰐渕英機 大阪市立大学大学院医学研究科分子病理学教授 ( : 部会長 )