諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 21 年 3 月 3 日 ( 平成 21 年 ( 行情 ) 諮問第 119 号 ) 平成 21 年 4 月 1 日 ( 平成 21 年 ( 行情 ) 諮問第 188 号 ) 答申日 : 平成 21 年 5 月 21 日 ( 平成 21 年度 ( 行情 ) 答申第 38 号及び40 号 ) 事件名 : 基礎情報隊が作成した情報資料( 平成 20 年 11 月分 ) 及び当該記事一覧の一部開示決定に関する件 ( 文書の特定 ) 基礎情報隊が作成した情報資料( 平成 20 年 12 月分 ) 及び当該記事一覧の一部開示決定に関する件 ( 文書の特定 ) 答申書 第 1 審査会の結論基礎情報隊が作成したロシア, 中国, 朝鮮半島, 米州, 欧州, アフリカ, その他の地域及び軍事科学技術に関する情報資料 (08 年 11 月分及び1 2 月分 ) の開示請求 ( 以下 本件請求文書 という ) につき, 別紙 1 及び別紙 2に掲げる文書 ( 以下 本件対象文書 という ) を特定し, その一部を開示した決定については, 本件対象文書を特定したことは, 妥当である 第 2 異議申立人の主張の要旨 1 異議申立ての趣旨本件異議申立ての趣旨は, 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 ( 以下 法 という )3 条の規定に基づく本件請求文書の開示請求に対し, 平成 21 年 1 月 21 日付け防官文第 524 号及び同年 3 月 5 日付け防官文第 2441 号により防衛大臣 ( 以下 処分庁 又は 諮問庁 という ) が行った本件対象文書の一部開示決定 ( 以下 原処分 という ) について, 対象文書に漏れがないか改めて確認すべきというものである 2 異議申立ての理由異議申立人が主張する異議申立ての理由は, 異議申立書の記載によると, おおむね次のとおりである 当該記事一覧が存在しないことから, 対象文書に漏れがないかを不服申立人は確認することができない 念のため, 再度対象文書について漏れがないか, 確認すべきである 第 3 諮問庁の説明の要旨 1 経緯本件開示請求は, 基礎情報隊が作成したロシア, 中国, 朝鮮半島, 米州, 欧州, アフリカ, その他の地域, 及び, 軍事科学技術に関する情報資料 (0-1 -
8 年 11 月分及び12 月分 ) 並びに当該記事一覧 の開示を求めるものであり, 当該請求に対し, 別紙 1の30 件及び別紙 2の26 件の文書を特定し, 資料作成者の氏名, 階級等が法 5 条 3 号に該当するため, 当該部分を不開示とするとともに, 当該記事一覧については作成していなかったため不存在につき不開示とする一部開示決定を行ったものである 本件異議申立ては, 平成 21 年 1 月 21 日付け防官文第 524 号及び同年 3 月 5 日付け防官文第 2441 号における行政文書の特定に対して提起されたものである 2 情報資料について情報資料は, 陸上自衛隊基礎情報隊の各科担当者が, 新聞, インターネット等様々な媒体から収集した情報を文書 ( 電磁的記録 ) として作成したものを取りまとめたものであり, パソコン内にフォルダーを作成することにより保管及び管理している 3 異議申立人の主張について異議申立人は, 対象文書に漏れがないか改めて確認すべきである 旨主張するが, 本件対象文書を特定する際には, 特に漏れがないよう入念に確認した上で文書特定しており, また, 異議申立てを受け, 念のために, 平成 21 年 2 月及び3 月, 再度確認を行ったが, 特定漏れの事実はなかった 第 4 調査審議の経過当審査会は, 本件諮問事件について, 以下のとおり, 平成 21 年 ( 行情 ) 諮問第 119 号及び第 188 号を併合の上, 調査審議を行った 1 平成 21 年 3 月 3 日諮問の受理 ( 諮問第 119 号 ) 2 同日諮問庁から理由説明書を収受 ( 同上 ) 3 同年 4 月 1 日諮問の受理 ( 諮問第 188 号 ) 4 同日諮問庁から理由説明書を収受 ( 同上 ) 5 同年 5 月 19 日諮問第 119 号及び第 188 号の併合及び審議第 5 審査会の判断の理由 1 本件対象文書等について本件開示請求は, 開示請求書の記載によれば, 基礎情報隊が作成したロシア, 中国, 朝鮮半島, 米州, 欧州, アフリカ, その他の地域, 及び, 軍事科学技術に関する情報資料 ( 平成 20 年 11 月分及び12 月分 ) 並びに当該記事一覧 であり, 処分庁は, 本件対象文書と当該記事一覧を特定し, 本件対象文書については, 作成者の氏名, 階級等を法 5 条 3 号に該当するとして不開示とし, 当該記事一覧については, 作成しておらず不存在であることから不開示とする原処分を行っている - 2 -
これに対し, 異議申立人は, 本件対象文書について, 当該記事一覧が存在しないことから, 特定漏れがないか改めて確認すべき旨主張している このため, 本件対象文書の特定の妥当性について, 以下検討する 2 本件対象文書の特定の妥当性について (1) 当審査会の事務局職員をして諮問庁に確認させたところ, 情報資料は, 陸上自衛隊基礎情報隊の各科担当者が新聞, インターネット等様々な媒体の公刊資料等から収集した情報をもとに作成したものであって, パソコン内のフォルダーで保管, 管理されているが, フォルダー内の文書の作成年月日と件名を確認して文書の特定を行っているとのことであり, また, 件名は, 各文書の表題と一致させているとのことであった (2) 諮問庁は, 理由説明書において, 本件対象文書を特定する際には, 特定に漏れがないよう入念に確認した上で文書を特定しており, 本件異議申立てを受けて, 念のために再度確認を行ったが, 特定の漏れは認められなかった旨説明しており, 防衛省における情報資料の管理の状況からみて, この確認が, 特に不十分であるとは認められない (3) また, 情報資料が公刊資料等から収集した情報を基に作成されていることを勘案すれば, 本件対象文書の外に本件開示請求の対象として特定すべき文書が存在すると判断すべき事情も存しない 3 本件一部開示決定の妥当性について以上のことから, 本件請求文書の開示請求につき, 本件対象文書を特定し, その一部を開示した決定については, 防衛省において, 本件対象文書の外に開示請求の対象として特定すべき文書を保有しているとは認められないので, 本件対象文書を特定したことは妥当であると判断した ( 第 3 部会 ) 委員名取はにわ, 委員北沢義博, 委員高橋滋 - 3 -
( 別紙 1: 平成 20 年 11 月分 ) 1 中国共産党中央軍事委員会 軍の腐敗処罰 予防システムの確立 整備に関する業務計画 を発表 2 中国,2009 年頃に 北斗 衛星測位システムの衛星 12 基を打ち上げ予定 3 中露首脳, ロシアから中国国境に至るパイプライン敷設に関して合意 4 北朝鮮, 軍部隊内の実情 5 韓国国防部, 精神教育教材を5 年ぶりに全面改訂 6 韓国 中央日報による世論調査結果 ( 南北関係ほか,2008 年 9 月 ) 7 北朝鮮, 金正日政権を脅かす地下教会 8 無人機 (UAV) の衝突回避を目的とした管制システム (UAMS) を開発中 9 イラク及びアフガニスタンにおける米軍の即製爆発物 (IED) 対策の現況 10 米海軍及び海兵隊が導入を検討している小型戦術無人機 (UAV) の開発動向 11 AH-64D アパッチ ロングボウ 攻撃ヘリコプター用夜間暗視装置の能力向上について 12 米大学及び企業が開発中の超小型無人機 (MAV) 13 2008 年大統領選挙結果 14 北欧 3 箇国,NHインダストリーズ社製多用途ヘリコプター NH-90 の受領開始 15 英企業が開発したバリケードから各種土工まで多用途に利用できる不織布製大型土のう ディフェンセル が米国務省の製品試験に合格 16 フランス陸軍メンタル サポートチームの活動成果報告 17 アフリカ諸国主要事象 (2008 年 10 月 ) 18 アフガニスタンにおけるヘリコプターの維持整備上の諸問題 19 アフガニスタンにおける武装勢力の伏撃を回避するのに有効なヘリコプターによる偵察飛行について 20 アフガニスタンの砂漠地帯におけるヘリコプター運用上の教訓 21 アフガニスタンにおける即製爆発物 (IED) の現状 ( 米軍等の被害状況と武装勢力が用いる各種 IEDの使用方法 ) 22 シリア情勢 23 韓国軍, 住居環境を改善 24 国連総会, 経済社会理事国 18か国を選出, 日本再選 25 米国, 着地の衝撃を軽減する低降下速度の 先進戦術落下傘 (ATPS) T-11 を開発 - 4 -
26 米陸軍, アフガン, イラクに新型応急止血器材を導入 27 米国工兵軍団 (USACE) 工兵研究所 (ERDC), 迅速に防護壁を構築できる高強度ファイバー コンクリート製のパネル型モジュール防護システム (MPS) を開発 28 現代戦で必要な軍用救急車の性能 構造 ( 米軍のイラクでの戦訓から ) 29 バリケードや防爆壁など各種防護施設を軽易かつ迅速に構築できるヘスコ社製 ( 英国 ) の多用途不織布製大型土のう コンサーテナー 30 アフガニスタン及びイラクにおけるヘリコプターに対する脅威及びその対抗手段 - 5 -
( 別紙 2: 平成 20 年 12 月分 ) 1 中韓軍事ホットラインの開通について 2 中国, 珠海エアショーで複数の新型無人機 (UAV) を発表 3 中国人民解放軍, 陸軍師団指揮所に初めて空域状況図を導入 4 台湾, 国民党全国代表大会臨時会議を開催 5 韓国, イージス艦 2 番艦 栗谷李珥 が進水 6 韓国国防部, 国防改革 2020 修正案を発表 7 北朝鮮, 対外工作の変化 8 幹部候補生学校の韓国研修に関する韓国報道機関による報道 9 韓国海軍,214 級潜水艦 2 番艦 鄭地 が就役 10 韓国軍, 毎年 4,000 人が病気などの理由により除隊 11 米陸軍の戦闘員戦術情報ネットワーク (WIN-T), 開発の第 2 段階 ( 移動間の部隊間通信 ) へ移行 12 米陸軍, 開発中の戦闘員戦術情報ネットワーク (WIN-T) を段階的に装備化へ 13 米空軍が研究中の昆虫型監視用超小型無人機 (MAV) について 14 オバマ政権の今後の方向性 15 フランス軍の病院, インフルエンザ パンデミック対処演習に参加 16 ポーランド企業が開発した地中貫通レーダ (GPR) 式地雷探知器 17 アフリカ諸国主要事象 (2008 年 11 月 ) 18 イラク及びアフガニスタンにおける米軍の狙撃用装備及び戦術の変化 19 アフガニスタンにおける武装勢力の狙撃用装備及び戦術について 20 ロシア軍の軍事力整備の問題点について 21 戦車兵の日を記念したボルドゥイレフ ロシア地上軍総司令官のインタビュー 22 粉末状応急止血剤 セロックス に挿入器封入型及び可溶性袋封入型が登場 23 アフガニスタンの高温環境下における装輪装甲車乗員の熱中症対策 : 空冷ベストの効果 24 爆風による脳損傷過程モデルが明らかにした現用鉄帽の問題点 25 RPGから徹甲弾まで, 被弾を阻止する積極防護システム クイック キル 26 米陸軍が実施した9 種類の市販止血帯の評価試験結果について - 6 -