表 2 急性毒性の区分基準 ばく露経路区分 1 区分 2 区分 3 区分 4 区分 5 経口 (mg/kg 体重 ) 経皮 (mg/kg 体重 ) 気体 (ppmv) 指定され蒸気 (mg/l

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有害性リスクアセスメント支援ツール BIGDr.Worker のご説明 現在 簡易なリスクアセスメント支援ツールとして厚生労働省からコントロール バンディングが公開されています しかし このツールを用いたリスクアセスメントでは 詳細な作業環境を反映させることができないため 過大評価になる傾向が指摘さ

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成分 CAS 番号 重量 % 金属蒸着積層フィルム なし 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合応急処置は不要 眼に入った場合応急処置は不要 飲み込んだ場合応急処置は不要 予想できる急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状毒性学的影響についてはセクション

Fraser Broth Supplement 安全データシート Copyright,2017,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件をお守り下さい (1) 当社から

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3M ペトリフィルム カビ 酵母迅速測定用プレート 安全データシート Copyright,2016,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件をお守り下さい (1) 当社

この製品は混合物です 成分 CAS 番号 重量 % セルロース PVAバッキング なし アクリル系接着剤 営業秘密 着色剤 混合物 < 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合石鹸と水で洗浄する 症状が続く場合は医療機関を受診する 眼に

243J Plus マスキングテープ 安全データシート Copyright,2016,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件をお守り下さい (1) 当社から書面による

GHS混合物分類判定システム操作説明書

ライトストリンク RMF63, RMFH63, NRMF63, NRMFH63 安全データシート Copyright,2017,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件

この製品は混合物です 成分 CAS 番号 重量 % ポリエステルフィルム アクリル系接着剤 不明 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合応急処置は不要 眼に入った場合応急処置は不要 飲み込んだ場合応急処置は不要 予想で

CV0004/CV0014 ( ライナー無し ) 安全データシート Copyright,2016,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件をお守り下さい (1) 当社か

アクリルフォーム / 接着剤なし 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合応急処置は不要 眼に入った場合応急処置は不要 飲み込んだ場合応急処置は不要 予想できる急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状毒性学的影響についてはセクション 11 を参照 応急措置を

ポリシロキサン営業秘密 < 3 4. 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合応急処置は不要 眼に入った場合応急処置は不要 飲み込んだ場合応急処置は不要 予想できる急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状毒性学的影響についてはセクション 11 を参照 応急措置を要する者の

3M ペトリフィルム 培地生菌数迅速測定用プレート 安全データシート Copyright,2016,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件をお守り下さい (1) 当社

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この製品は混合物です 成分 CAS 番号 重量 % フィルム 営業秘密 ポリエチレンがラミネートされた剥離 なし 紙 アクリル系接着剤 営業秘密 ポリオレフィン なし ポリエステル変性ポリウレタン 営業秘密 応急措置 応急措置 吸

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この製品は混合物です 成分 CAS 番号 重量 % 接着剤層及び紙ライナーを持つ透明又はピグメントを添加したビニル系フィルム なし 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合石鹸と水で洗浄する 症状が続く場合は医療機関を受診する 眼に入った場合直ちに多量の水で洗

成分 CAS 番号 重量 % シリコーン処理紙 不明 無機フィラー配合ポリオレフィン樹脂 不明 ポリプロピレンフィルム 不明 5-20 ローカストビーンガム キサンタンガム ヒンジテープ 不明 ブロモ-

ペトリフィルム (TM) SEC プレート 安全データシート Copyright,2016,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件をお守り下さい (1) 当社から書面

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成分 CAS 番号 重量 % シリコーン処理紙 不明 グアーガム ポリプロピレンフィルム 不明 営業秘密 2-8 接着剤 - 下部フィルム 営業秘密 1-5 ヒンジテープ 不明 1-5 培地栄養成分 不明 1-3 ピルビン酸ナトリウム 113-

ホワイトボードフィルム WH-200 / PWF-500 安全データシート Copyright,2016,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件をお守り下さい (1)

ライトストリンク RMF35, RMFH35, NRMF35, NRMFH35 安全データシート Copyright,2017,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件

ライナー付きの 粘着剤をコートした PVC 樹脂系フィルム なし 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合石鹸と水で洗浄する 症状が続く場合は医療機関を受診する 眼に入った場合多量の水で洗浄する 症状が続く場合には 医療機関を受診する 飲み込んだ場合応急処置は

成分 CAS 番号 重量 % アクリル系接着剤 不明 1-99 銅箔バッキング 不明 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合応急処置は不要 眼に入った場合応急処置は不要 飲み込んだ場合応急処置は不要 予想できる急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状毒性

3M クリーナーねんど 安全データシート Copyright,2016,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件をお守り下さい (1) 当社から書面による事

成分 CAS 番号 重量 % アクリル接着剤を塗布したポリエステルフィルム ( ライナー付き またはライナー無し ) なし 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合応急処置は不要 眼に入った場合応急処置は不要 飲み込んだ場合応急処置は不要 予想できる急性症状及

ダイノックフィルムネオシリーズタイル壁面用 安全データシート Copyright,2016,3M Company All right reserved. 本情報は 3M の製品を適切にご使用頂くために作成したものです 複製ないしダウンロードする場合には 以下の条件をお守り下さい (1) 当社から書面

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成分 CAS 番号 重量 % アクリルコポリマー接着剤 営業秘密 浸侵処理紙バッキング 営業秘密 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合石鹸と水で洗浄する 症状が続く場合は医療機関を受診する 眼に入った場合直ちに多量の水で洗浄する コンタクト

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この製品は混合物です 成分 CAS 番号 重量 % ポリウレタン層 不明 アクリル系粘着剤層 不明 ポリエステル剥離ライナー 不明 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合応急処置は不要 眼に入った場合応急処置は不要 飲み込んだ場合

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4. 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合応急処置は不要 眼に入った場合応急処置は不要 飲み込んだ場合応急処置は不要 予想できる急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状毒性学的影響についてはセクション 11 を参照 応急措置を要する者の保護に必要な注意事項 5. 火災

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化学物質リスクアセスメント手法を使った危険 有害箇所スクリーニングの試み 田畑功 *, 岡田文男 *, 宮川しのぶ **, 井波真弓 ***, 山口綾香 *** 1. はじめに印刷会社従業員の胆管がん多発を受けて, 化学物質のばく露管理に関する法令が強化され, SDS の交付義務のある物質については, 来年 6 月までに化学物質リスクアセスメント (CRA) の実施が義務づけられることになった. しかし, 大学のように, 少量多品種の化学物質を研究室単位で不定期に, 主として学生が使用している所に CRA を導入するには, 独自の工夫が必要である. そこで, 本研修では, 健康有害性 CRA の一般的な手法である有害性ハザードレベルとばく露レベルに基づくリスクレベル判定法について学習すると共に, これをツール化し, 個々の物質での CRA, 並びに本学で運用されている薬品管理システムデータを利用した危険 有害箇所スクリーニングの可能性について検討を行った. 2. CRA の一般的手法研修の最初に,CRA 手法について学習を行った. 2.1 CRA 指針平成 18 年の安衛法改正に合わせて 化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針 とその解説が公表された 1),2) ( 図 1).CRA は, 事業場にある化学物質による危険 有害性を特定し, そのリスクを見積り, 優先度を設定してリスク低減措置を決定する一連の手順である. リスクの見積もりでは, 化学物質の有害性 ( ハザードレベル ) とばく露の量を相対的に尺度化し, リスクのランク付けを行う. リスク低減措置の決定や実施に当たっては, 法定措置を第一に, 次いで物質の代替, 操作条件の温和化, 工学的対処, 手順変更, 保護具着用の順位で検討し, 費用対効果も考慮しつつ実施を決める. * 第 2 技術室 ** 第 2 技術室物理計測班 *** 第 2 技術室化学計測班 実施体制構築 実施時期の検討 対象作業の選定 情報の入手 化学物質等による危険性又は有害性の特定 特定された危険性又は有害性によるリスクの見積り 見積りに基づくリスクを低減するための優先度の設定リスクを低減するための措置内容の検討 優先度に対応したリスク低減措置の実施 実施事項の記録 図 1 指針に基づく CRA 工程 2.2 GHS 分類 3) 化学品の分類及び表示に関する世界調和システム (GHS) は, 化学物質を危険 有害性の種別と程度に応じて分類 区分し, 取引先にその情報を正確に伝達するための国際的ルールである ( 表 1).CRA ではこの分類 区分を対比表に照らすことでハザードレベルを決定する. そこで, 研修では 2013 年に改定された最新の GHS 文書を抜粋輪読することで, 分類 区分の基準 表 1 GHS 分類 種別物理化危学険的性 健康に有対害す性る 環境に有対害す性る 分類 爆発物, 可燃性 / 引火性ガス, エアゾール, 支燃性 / 酸化性ガス, 高圧ガス, 引火性液体, 可燃性固体, 自己反応性化学品, 自然発火性液体, 自然発火性固体, 自己発熱性化学品, 水反応可燃性化学品, 酸化性液体, 酸化性固体, 有機過酸化物, 金属腐食性物質 急性毒性, 皮膚腐食性 / 刺激性, 眼に対する重篤な損傷性 / 眼刺激性, 呼吸器感作性または皮膚感作性, 生殖細胞変異原性, 発がん性, 生殖毒性, 特定標的臓器毒性 ( 単回ばく露 ), 特定標的臓器毒性 ( 反復ばく露 ), 吸引性呼吸器有害性 水生環境有害性 ( 急性 慢性 ) オゾン層への有害性 - 1 -

表 2 急性毒性の区分基準 ばく露経路区分 1 区分 2 区分 3 区分 4 区分 5 経口 (mg/kg 体重 ) 5 5 300 2000 5000 経皮 (mg/kg 体重 ) 50 200 1000 2000 気体 (ppmv) 100 500 2500 20000 指定され蒸気 (mg/l) 0.5 2.0 10 20 た急性毒性懸念の粉じん及びミスト 0.05 0.5 1.0 5 情報があ (mg/l) る場合 について学習した. GHS 分類では, 表 1 に示すように, 物理化学的危険性, 健康に対する有害性, 環境に対する有害性の種別毎に, 危険 有害性が分類され, 各分類内でその程度に応じて区分化される. 例えば, 急性毒性では, 表 2 に示すようにばく露経路の違いによる小分類毎に,5 つの区分があり, 純物質の場合, 半数致死量 (LD50, 経口 経皮 ), 半数致死濃度 (LC50, 吸入 ) により区分が決められる. 例えばクロロホルムの場合, ラットを用いた経口投与試験での LD50 ( 635 mg/kg) に基づき, 急性毒性は区分 4( 経口 ) となる. クロロホルム作業では, 経口摂取よりも揮発した気体の吸入ばく露による有害性が問題となるが,GHS では特定標的臓器毒性 ( 単回暴露 ) での区分 1( 肝臓, 腎臓 ), 区分 3( 麻酔作用 ) がこれに当たる. 2.3 JISHA 方式 CRA 4),5) 中央労働災害防止協会 (JISHA) は, 物質固有のハザードレベルにばく露レベルの実測値または使用条件から推測したばく露レベルのいずれかを組み合わせたリスクレベル決定手法を開発した 2) ( 図 2). 実測値としては作業環境測定やバイオロジカルモニタリングの結果を使用するが, 大学のように種々の物質を不定期に多様な条件下で使用するケースについてばく露量を実測するのは困難である. この場合, 物質の沸点, 使用温度, 使用量, 換気の有無などの使用条件のみからばく露レベルを評価し, ハザードレベル GHS 分類結果 作業環境測定値と作業時間 頻度 物質のハザードレベル 測定値を利用 個人ばく露濃度 リスク判定 リスク軽減措置 図 2 JISHA 方式 CRA スキーム 特殊健診での代謝物濃度 ばく露レベル 測定値なし 取扱量 揮発性 作業方法と作業時間 頻度 表 3 健康有害性 HL 決定表 HL GHS 分類 区分 5 呼吸器感作性 区分 1 生殖細胞変異原性 区分 1A,1B,2 発がん性 区分 1A,1B,2 4 急性毒性( 経口 ) 区分 1,2 急性毒性( 経皮 ) 区分 1 急性毒性( 吸入 ) ガス & 蒸気 区分 1 粉じん & ミスト 区分 1,2 生殖毒性 区分 1A,1B,2 特定標定臓器 ( 単回ばく露 ) 区分 1 特定標的早期毒性( 反復ばく露 ) 区分 1 3 急性毒性( 経口 ) 区分 3 急性毒性( 経皮 ) 区分 2,3 急性毒性( 吸入 ) ガス & 蒸気 区分 2 粉じん & ミスト 区分 3 皮膚腐蝕性/ 刺激性 区分 1A,1B,1C 眼に対する重篤な損傷/ 眼の刺激性 区分 1 皮膚感作性 区分 1 特定標的臓器毒性( 単回ばく露 ) 区分 2( 呼吸器系 ) 特定標的臓器毒性( 反復ばく露 ) 区分 2 2 急性毒性( 経口 ) 区分 4 急性毒性( 経皮 ) 区分 4 急性毒性( 吸入 ) ガス & 蒸気 区分 3,4 粉じん & ミスト 区分 4 特定標的臓器毒性( 単回ばく露 ) 区分 2( 呼吸器系以外 ) 1 急性毒性( 全てのばく露経路 ) 区分 5 皮膚腐蝕性 刺激性 区分 2,3 眼に対する重篤な損傷/ 眼の刺激性 区分 2A,2B 特定標的臓器毒性( 単回ばく露 ) 区分 3 吸引性呼吸器有害性 区分 1,2 ハザードレベル2~5に分類されていない全てのGHS 分類 ( 区分外 も含む ) S 皮膚腐蝕性/ 刺激性 全ての区分 眼に対する重篤な損傷/ 眼の刺激性 全ての区分 皮膚感作性 全ての区分 急性毒性( 経皮 ) 全ての区分 と組み合わせる CRA 手法, コントロールバンディング (CB) が有効である. この方法でのばく露評価の精度は実測に及ばないが, ばく露レベルの区分を工夫することで, 少なくとも過小評価にならない仕組みになっている. 以下に実測値が無い場合の CRA 手法 (JISHA 方式 CB) を示す. 2.3.1 ハザードレベル (HL) の決定物質の GHS 分類結果を表 3 に当てはめ, 最も高いレベルをその物質の HL として採用する. 更に, 眼と皮膚に対して有害性が認められる場合は, 先の HL に S を付与する. なお, エタノールの区分には多量慢性飲酒による健康への影響が含まれるが, 試薬用途で飲用はないため, 飲酒に関係する区分は除外することとした. 2.3.2 ばく露レベル (EL) の決定作業環境測定値が無い場合, 取扱量ポイント (A), 揮発性 飛散性ポイント (B), 換気ポイント (C), 衣服汚染の修正ポイント (D) から次式により推定作業環境濃度ポイント (EWP) を求める. EWP = A + B C + D A は使用量レベル,g(ml),kg(l),t(kl) をポイント化する.B は, 液体の場合は使用温度が沸点より - 2 -

どれだけ低いか, 固体の場合は形状の違いによりポイント付けする.C は, 全体換気, 局所排気装置等の稼働による濃度希釈を考慮するものであるが, 適切な性能を満たしているか確認できない場合は数式から外す.D は衣服に当該物質で汚れている場合の二次ばく露を考慮するためのものである. この EWP を推定作業環境濃度レベル (EWL) 変換表に照らして EWL を求める. 次に, 作業時間 作業頻度レベル (FL) をシフト内の接触時間割合または年間の作業時間の区分から求める. なお, 週 1 回以上作業する場合は, シフト内接触時間割合を使用する. 最後に,EWL と FL から所定の表で EL を求める. 開始 フォルダ内の分類データブック名の一覧を取得 次の GHS 分類データブックを開く 抽出結果を格納する 結果 シートを作成 NO NO 次の GHS 分類シートをアクティブ化 分類結果から区分を抽出する関数 危険有害性情報欄の文字列を抽出 格納 最終シート? YES 結果 シートをCSV 形式で保存後 GHS 分類データブックを閉じる 最終ファイル? 終了 YES 2.3.3 リスクレベル (RL) の決定とリスク低減措置 HL と EL を所定の表に当てはめ, リスクレベル ( 些細なリスク I~ 耐えられないリスク V) を決定し, 表 4 のリスク低減措置を実施する. 3. CRA ツールの開発卒業研究等で薬品を日常的に使用している学生が気軽に CRA を実施するには, 必要最小限の入力項目と分かりやすいユーザインターフェースを有するツールが必要である. そこで, 今回学習した JISHA 方式 CB を実施するための Web アプリケーションを開発した. 3.1 データベース用区分データの作成 CRA ツールとしては厚生労働省 HP で公開されているものがあるが,SDS から GHS 分類区分を読み取り入力する関係で, 煩雑かつ入力ミスが懸念される. そこで, 製品評価技術基盤機 表 4 各 RL でのリスク低減措置 RL 対応方針とリスク低減措置 V( 耐えられないリスク ) リスク低減まで原則業務停止 低有害物質への代替 工程変更 密閉化, 自動化 局所排気設備設置 IV( 大きなリスク ) III( 中程度のリスク ) II( 許容可能なリスク ) 暫定措置を直ちに講じる 同上 期限内にリスク低減措置を実施 低有害物質への代替 局所排気設備設置 局所排気設備の風量 UP, フード形状変更 現状レベルを維持 低コストな措置を実施 低有害物質への代替 全体換気装置の設置 I( 些細なリスク ) 現状レベルを維持 低コストな措置を実施 低有害物質への代替 作業標準作成 作業時間短縮 図 3 GHS 分類からの区分データ抽出フロー 構 (NITE) ホームページ 6) で公開されている 政府による GHS 分類結果エクセルファイル をダウンロードし, エクセルマクロを使用して区分データを抽出した. 抽出マクロのフローチャートを図 3 に示す. 一例として抽出したクロロホルムの健康有害性の区分データを示す. 4-0-0-0-0-1A-1-0-0-2-2-2-1( 肝臓, 腎臓 )_3( 麻酔作 用 )-1( 中枢神経系, 腎臓, 肝臓, 呼吸器 )-0 表 1 の健康有害性の各分類での区分がハイフンを区切り記号として連なっている. 物質毎にこのような区分データを用意 テーブル化し, 別途, 各区分と HL の変換テーブルを用意することで,CRA で必要となる最大 HL を求めることが出来る. このテーブルには, 区分データの他にネットで検索した当該物質の融点, 沸点, 引火点も併記した. なお, 研修メンバーの多くはエクセルの VBA によるプログラミングの初心者であるため, メンバーの一人が作成した抽出プログラムを元に, マクロプログラムの基礎とデバック手法について学習した. 3.2 Web アプリケーションの構成作成した Web アプリケーション (WebCRA) の構成を図 4 に示す.Web サーバに Apache2 を, DB サーバに MySQL5 を, スクリプト言語として php5 を使用した. ユーザインターフェースとなるシステムメニューの各ページを HTML 文書 ( フォームや変化する文字列などは PHP で生 - 3 -

DB サーバ (MySQL) Web サーバ (Apache) データベース ghs_data_tbl user_ghs_data_tbl health_hl_tbl physical_hl_tbl env_hl_tbl H_code_tbl P_code_tbl expose_level_tbl risk_level_tbl health_action_tbl physical_action_tbl データ P H P プログラム 入出力入出力出力出力出力入出力 システムメニュー化学物質入力実験条件結果結果の詳細危険有害情報ファイル読込 図 4 WebCRA の構成 図 5 WebCRA トップページ 図 7 WebCRA 実験条件入力ページ 候補物質がない場合には,GHS 分類や融点 沸点などをユーザ自身が DB に登録して CRA を実施できるようにした. 実験条件入力 ( 図 7) では, データベースの融点から固体 液体を判断し, 適切な単位を表示させた. 結果 ( 図 8) では, 算出したリスクレベルとそのカラースケールを表示し, その下に当該物質の最大ハザードレベルとなった有害性の種別を表示させた. 続いて, 実験条件, ハザードレベル, 取扱量 揮発飛散性 換気 修正の各ポイント, 推定作業環濃度レベル, 作業時間 図 6 WebCRA 物質入力ページ 成 ) として用意し, データベース上のテーブルデータを呼び出して各種処理を行っている. 3.3 WebCRA 画面と指定試薬の CRA 図 5~11 に, 作成した Web アプリの出力画面を示す. トップページ では, 薬品を使用する実験環境のリスクレベルを知る必要性をポンチ絵で分かりやすく示した ( 図 5). 化学物質入力 ( 図 6) では,CRA を行う化学物質名または CAS No. を入力する. 入力した物質名の文字列を含む候補物質のプルダウン表示や 2 成分以上の混合物対応も行った. また 図 8 WebCRA 結果ページ - 4 -

図 10 WebCRA 結果の詳細ページ ( 続き ) 作業頻度レベル, ばく露レベルを表示し, 最後にリスクレベルに応じたリスク低減措置を表示した. また, リスクレベルの算出時に入力した実験条件をどのように変更するとリスクレベルが 1 段階下がるのかを示すことで, ユーザ自身 図 9 WebCRA 結果の詳細ページ 図 11 WebCRA 危険有害情報ページ - 5 -

が作業環境の改善策を検討できるようにした. 結果の詳細 では, 結果 で示した内容の他に, そのリスクレベルに至るまでの各ポイント, レベルの割当表を示して,JISHA 方式 CB の処理の流れを把握できるようにした ( 図 9,10). 危険有害情報 では, この物質の有害情報だけでなく, 安全対策, 応急措置, 保管, 廃棄に係る注意書きを表示することで, 簡易 SDS としても利用できるようにした. また, より多くの情報を提供するため, 国際化学物質安全カードへのリンクや NITE の GHS 分類元データへのリンクも設けた ( 図 11). 3.4 薬品管理システムデータ利用 CRA 本学では研究室に納品された試薬を薬品管理システムに登録し使用の都度使用量を入力することで, 試薬の在庫管理や PRTR 制度に基づく年間使用量の集計等を行っている. この試薬使用状況を, 使用年月日, 試薬名,CAS No., 使用量, 使用者名, 使用目的等を記録した CSV ファイルとして出力できるため, これを CRA ツールに取り込むことで, 研究室等で一定期間使用された試薬の全てを対象に CRA を実施できるようにした. また, 全学の使用データを利用して CRA を実施することで, 学内の危険 有害箇所のスクリーニングを可能にした. 薬品管理システムデータを使った CRA 結果を表 5 に示す. 健康有害性 RL(7 列目 ) は使用温度 20, 作業時間 30 分, 全体換気稼働を仮定して 2.3 の方法で計算した. ドラフト設置研究室についてはドラフト使用での RL も算出した (8 列目 ). また, 物理化学的危険性についても評価するため,CRA 事例集 7) に従い,GHS 分類, 沸点, 引火点で危険度を点数化し, 使用量のオーダーから見積もった影響の重大性の点数を加点して RL を算出した (16 列目 ). 各 RL 欄の背景色を, リスクの大きい順に, 赤, 橙, 黄, 緑, 青にすることで, 危険 有害性の高いところが一目で分かるようにした. 表 5 薬品管理システムを利用した CRA 結果 4. おわりに本研修を通して GHS 文書,CRA 手法,VBA によるテキストデータ処理について学習し, 学生でも使用しやすい CRA 実施ツールを開発した. このツールと薬品管理システムのデータを併用することで, 大学内, あるいは研究室内での危険 有害な試薬使用状況のスクリーニングが可能となったが, 肝心の試薬の使用量が正しく入力されていないケースもあり, この使用量の精度向上が今後の課題である. 最後に, 研修日誌を示す. 研修日誌年月日内容 6 月 27 日打合せ,CRA 概要把握 7 月 18 日 CRA 指針の学習 8 月 8 日指針解説,JISHA 方式 CRA の学習 8 月 18 日 JISHA 方式 CB の学習,GHS 文書の輪読 8 月 25 日 GHS 分類結果 Excel ファイルの確認,VBA マクロ演習 9 月 9 日 CRA 実務研修参加報告 10 月 3 日 Excel マクロプログラミング実習, GHS 区分抽出確認 11 月 7 日 WebCRA 原版のデザイン, 仕様の確認 打合せ 12 月 5 日 WebCRA トップページ, 説明資料等の検討 WebCRA の修正確認と一部仕様変 1 月 9 日更の打合せ 1 月 ~2 月 WebCRA 解説書, 発表内容, 報告集原稿の検討 ( 随時 ) 参考文献 URL 1) http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anze neisei14/dl/060330.pdf 2) http://www.mhlw.go.jp/new- info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/0603-1.pdf 3) http://www.meti.go.jp/policy/chemical_manage ment/int/files/ghs/ghs_rev5_jp_document.pdf 4) 中央労働災害防止協会 : 化学物質リスクアセスメント実務研修 ( 健康障害防止コース ) テキスト (2014) 5) http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anze neisei14/dl/kagaku3.pdf 6) http://www.safe.nite.go.jp/ghs/ghs_download.ht ml 7) http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anze neisei14/dl/kagaku5.pdf - 6 -