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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

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異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

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非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

基づき, 平成 27 年 9 月 29 日付けで, 特定労働基準監督署( 以下 特定署 という ) へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書, 同月 30 日付けで, 特定署に提出された特定事業場の36 協定書 3 年分 に係る開示請求を行った (2) 三重

て本学が過去に公表した内容は除く ) 及び 3 当該事故に係る診療科, 機構への報告日その他報告内容に係る情報として事務担当者が加筆したメモ について全部開示を求める 少なくとも患者, 医師の個人情報に係らない部分については開示すべき そもそもこの報告書は同じような事故が起きないようにするために医師

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

っている以上, 被面接者においてそもそも特別な対応策を採る必要はないといえる ウよって, 本件対象文書の不開示部分は法 5 条 6 号に該当しないといえる (2) 意見書 ( 添付資料省略 ) ア裁判官の場合, 新任判事補志望者カードの全部が開示されている ( 資料 1) ことからすれば, 検事に関

消費者庁にも苦情相談を行い, 今にも消費者庁が動くであろうこと等を話し, 異議申立人に謝罪及びデータ削除を求めているとのことであった 当初監察部は, 異議申立人に謝罪に応じるよう促したが, 異議申立人が使用しているデータは, 登記事項証明書記載のデータと同一であり 法 を犯していないので謝罪には応じ

問にさらされることはむしろあるべき姿であり, それによって一層公益の増進に資するともいえる 特に, 本件のような面接試験の場合には, 試験結果の開示が, 面接試験以外の事由で受験者を選抜したのではないことを示すといった効果もあり, 面接試験が適正に行われることを確保するに大きく資すると言える したが

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

おいて開催されていた法の制度運営に関する検討会の報告 ( 平成 17 年 3 月 29 日 ) では, 法の運用に関する改善措置として, 理由付記に関して 特に, 文書不存在を理由とする不開示決定については, 例えば, 請求対象文書をそもそも作成 取得していない, 作成したが保存期間が経過したので廃

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

ありどのような証言がなされたのか ( 請求人にとって虚偽と思われる証言が無いか等 ), また産業医が本人の意見を聞かずにどう判断し診療録に記載したのかを知る権利が請求人にはあると考える 3 請求人については, 特定理由等から特定機関等が千葉大学に対して診療録の開示を求める可能性もあり得るが, 千葉大

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

ださい との付記があったことから, 処分庁が行政文書の特定を容易にできるよう, 審査請求人において法人設立時に提出されたものと思われる行政文書の名称を列記して記載したところである 本件請求を受けて, 処分庁は, 補正を要する事項があるとして, 平成 27 年 11 月 17 日付け特定記号第 136

(1) 農林水産省の事務官である特定個人 Aが職務上作成した行政文書で公にできる行政文書は存在するはずであり, 公開しなければならない ( 諮問第 551 号 ) (2) 本来であれば, 開示できる文書が存在しない, 存否応答しない, 不存在と, 文書の性質によって, 処分内容が異なるはずである 特

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

として本件対象文書にかがみを加えたものを特定した 本件開示請求に対しては, 法 11 条に規定する開示決定等の期限の特例を適用し, まず, 平成 27 年 4 月 20 日付け防官文第 6779 号により, かがみについて開示決定を行った後, 同年 9 月 3 日付け防官文第 号により

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が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第183号.doc

理の手引 は, 開示の実施においては, 行政文書をありのまま開示する (23 枚目 ) として, 原則として加工はしない ( 同上 ) としている したがって本件対象文書の電磁的記録の開示に当たっては, 当該電磁的記録をそのままのデータ形式で開示すべきである また, 同様な趣旨で本件対象文書の電磁的

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

( 別紙 ) 答申 : 行文第 24 号 諮問 : 行文第 24-1 号 答申第 1 審査会の結論実施機関が行った本件不開示決定処分については適正であったと認める 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求異議申立人は 平成 24 年 5 月 7 日 奈良市長 ( 以下 実施機関 という ) に

り公表されないことが日米両政府間で合意されており, これを公にすることは, 米国との信頼関係が損なわれるおそれがあると認められることから, 法 5 条 3 号に該当するため不開示とする決定 ( 原処分 ) を行った (3) これに対し, 異議申立人は, 国土交通大臣に対して, 原処分の取消しを求めて

警備の下にあり 仮に本件対象文書が開示されたとしても院内への不法な侵入及び院内での不法な活動は困難であり 犯罪の予防 鎮圧等に支障を及ぼすとは考えられず 合理性を欠いている したがって 本件対象文書は法第 5 条第 4 号には相当せず 規程第 4 条第 3 号に定める事務局不開示情報に該当しないこと

11総法不審第120号

茨城厚生年金事案 2029 第 1 委員会の結論総務大臣から平成 24 年 10 月 10 日付けで行われた申立人の年金記録に係る苦情のあっせんについては 同日後に新たな事実が判明したことから 当該あっせんによらず 申立人のA 社における資格喪失日に係る記録を昭和 41 年 9 月 5 日に訂正し

別紙 答申 1 審査会の結論 委託事業者の企画提案書 及び 選考会議の資料 について行われた部分公開の決定は 妥当である 2 異議申立ての趣旨 (1) 異議申立人 ( 以下 申立人 という ) は 神戸市情報公開条例 ( 以下 条例 という ) に基づき 以下の公開請求 ( 以下 本件請求 という

情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

件数表(神奈川)

子ファイルを紙に出力する際に, 当該ファイル形式では保存されている情報が印刷されない場合が起こり得る これと同様に当該ファイル形式を他のファイル形式に変換する場合にも, 変換先のファイル形式に情報が移行しない場合が設定等により技術的に起こり得るのである 本件対象文書が当初のファイル形式を変換して複写

件数表(神奈川)

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

Microsoft Word - 20年度(行情)答申第585号.doc

厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求期間 1について 当該期間のうち請求者のA 社における平成 21 年 9 月 1 日から平成 22 年 12 月 1 日までの期間の標準報酬月額を訂正することが

(Microsoft Word - 06 \223\232\220\\\217\221\201i\214\210\222\350\201j.doc)

11総法不審第120号

諮問庁 : 国土交通大臣諮問日 : 平成 30 年 9 月 26 日 ( 平成 30 年 ( 行情 ) 諮問第 424 号 ) 答申日 : 平成 31 年 3 月 29 日 ( 平成 30 年度 ( 行情 ) 答申第 554 号 ) 事件名 : 不動産鑑定士に対する懲戒処分について に係る決裁文書の

公職選挙法・政治資金規正法・

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

11総法不審第120号

文書の探索が不十分であるか, または, 対象文書を情報公開の適用除外か解釈上の不存在と判断することが違法である 本件不開示情報は, いずれも, 法 5 条各号に該当しないか, 例え該当したとしても, 開示を定めたただし書き全てに該当する 本件不開示情報は, いずれも, 法 7 条に該当する とくに,

第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

1 審査会の結論平成 30 年 1 月 12 日付けで審査請求人が行政文書公開請求した 深沢地域整備事業に関し J R 東日本の要望 条件 要請 意向等の文書 ( 復命書含む ) 及び前記の記載がある文書 に対して実施機関鎌倉市長が平成 30 年 3 月 12 日付けで行った行政文書一部公開決定処分

Microsoft Word 答申件数表

標準例6

厚生局受付番号 : 近畿 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 近畿 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論 請求者の A 社における厚生年金保険被保険者資格の取得年月日を昭和 63 年 2 月 26 日から同 年 2 月 16 日に訂正することが必要である 生年月日 :

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

答申第203号(公表用)

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

処分済み

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

Taro-答申第64号

ターの上司職員に隠匿 ( 隠滅 ) され送付がない為に, 法律に基づいた開示請求により送付をして頂きたいための開示請求であるが, 平成 19 年 10 月 22 日現在, 通帳紛失の郵便貯金 : 総合口座 特定番号 A ( 担保定額定期 : 枝番特定番号 B~Cを含む ):( 口座名義人 ) 開示請

ついて その取消しを求めるというものである (2) 異議申立ての理由異議申立人が 異議申立書及び意見書で主張している異議申立ての主な理由は 次のように要約される ア異議申立書における主張異議申立人の配偶者が一方的に有り得ない夫婦間暴力の被害申告 ( 以下 虚偽 DV 被害申告 という ) を 警察署

処分済み

●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

書のみが公開されており, 設計書は事前にも事後にも公開されていない 設計書が公開されていないことにより, 測量業務における加減率 ( 耕地, 村落地, 準市街地, 市街地, 過密市街地等のどれに該当するかによる人員や作業時間 ) が不明であり, また, 測量の変化率の諸条件係数 ( 傾斜区分, 視通

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

301121答申件数表

Microsoft Word - sample1.doc

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

Ⅰ 政治資金規正法の対象 1 政治資金規正法の目的は何ですか 1 目的議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ 政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため 政治団体の届出 政治団体に係

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求者のA 社における厚生年金保険被保険者資格の喪失年月日を昭和 53 年 12 月 31 日から昭和 54 年 1 月 1 日に訂正し 昭和 53 年 12 月の

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

11総法不審第120号

個人情報の保護に関する規程(案)

厚生局受付番号 : 四国 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 四国 ( 厚 ) 第 号 請求者の社会福祉法人 A 会 B 保育所における平成 20 年 6 月 21 日の標準賞与額を 127 万 1,000 円に訂正することが必要である 平成 20 年 6 月 2

大情審答申第 号

厚生局受付番号 : 九州 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 九州 ( 厚 ) 第 号 請求者のA 社 B 支店における厚生年金保険被保険者資格の喪失年月日を昭和 44 年 4 月 21 日から同年 5 月 1 日に訂正し 昭和 44 年 4 月の標準報酬月額を2

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

エーシーニールセン・コーポレーション株式会社 個人情報保護方針

う 9 枚の行政文書 及び開示すべきとされた 別紙に掲げる部分 の全て について, 民事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意関連文書 ( 以下 文書 1 という ) 及び 合意に係る日米合同委員会議事録 ( 以下 文書 2 という ) を特定し, 前者を開示, 後者を不開示とする各決定 ( 原処分

厚生局受付番号 : 中国四国 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 中国四国 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求者のA 事業所における平成 27 年 7 月 10 日の標準賞与額を6 万 5,000 円に訂正することが必要である 平成 27 年 7 月 10 日の

厚生局受付番号 : 九州 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 九州 ( 国 ) 第 号 第 1 結論昭和 50 年 4 月 30 日から昭和 51 年 4 月 1 日までの請求期間 昭和 51 年 4 月 1 日から昭和 53 年 4 月 1 日までの請求期間 昭

処分済み

Transcription:

諮問庁 : 国税庁長官諮問日 : 平成 2 1 年 3 月 2 4 日 ( 平成 2 1 年 ( 行情 ) 諮問第 1 5 3 号 ) 答申日 : 平成 2 2 年 3 月 1 日 ( 平成 2 1 年度 ( 行情 ) 答申第 5 4 6 号 ) 事件名 : 特定団体の給与支払事務所等の開設届の不開示決定 ( 存否応答拒否 ) に関する件 答申書 第 1 審査会の結論 特定政党岐阜県特定選挙区支部, 特定議員後援会連合会, 特定名称の会 及び 特定政党岐阜県衆議院支部 の4 団体 ( 以下 特定 4 団体 という ) の給与支払事務所等の開設届出書 ( 以下 本件対象文書 という ) につき, その存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定は, 取り消すべきである 第 2 審査請求人の主張の要旨 1 審査請求の趣旨本件審査請求の趣旨は, 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 ( 以下 法 という )3 条の規定に基づく本件対象文書の開示請求に対し, 平成 2 0 年 1 2 月 1 9 日付け岐南総 4 6 6 ないし4 6 9 により岐阜南税務署長 ( 以下 処分庁 という ) が行った不開示決定 ( 以下 原処分 という ) を取り消し, 本件対象文書の開示を求めるものである 2 審査請求の理由の要旨 (1 ) 審査請求書ア特定 4 団体は, 国会議員又は公人を国政に送るために支援する者が代表を務め, 同一の場所に所在し, 特定政党岐阜県特定選挙区支部は, 税でまかなわれる政党交付金が交付されている団体であることから, 特定 4 団体は, 政党交付金の恩恵を受けているので, 適正に税務の届出をしていることを示す本件対象文書を公開することは公の利益に資するものである イ特定 4 団体は政治団体であって, 政治資金規正法の規定に基づき政治資金に係る収支を報告しているところ, この収支報告によれば, 特定 4 団体はいずれも毎年人件費を計上している そのため, 給与支払事務が生じているはずであるから, 処分庁には本件対象文書が存在しているはずである 本件対象文書の開示によって, 何らかの不正が明らかとなり, 仮に選挙で落選したとしても, それは有権者が判断した結果であって, 本件対象文書の開示に原因があることにはならず, 法 5 条 2 号イに規定する 1

当該団体の権利, 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれはない ウ法 5 条 2 号ただし書は, 人の生命, 健康, 生活又は財産の保護するため, 公にすることが必要であると認められる情報は除かれているところ, 国政を担う政治家が正しく税務処理をしているか否かの情報は, その人物を国政にとどまらせるか否かの有権者の判断に直結する情報であって, 国民生活を左右するものであるから, 同号イの適用はない エ厚生労働省岐阜労働局は, 特定 4 団体の保険関係成立届及び労働保険概算 確定保険料申告書を法 5 条 2 号イに該当しないとして, 開示している 本件対象文書もこれと同様に開示すべきである (2 ) 意見書特定 4 団体は, 国会議員関係団体であることから, 単なる政治団体よりも重要性が高く, 公益性のために厳しい水準での情報の透明性が求められていることは, 政党助成法, 政治資金規正法及び法の制定過程並びに目的をかんがみれば明らかである よって, 本件対象文書を開示すべきである 第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件対象文書の不開示情報該当性について所得税法 2 3 0 条では, 国内において給与等の支払事務を取り扱う事務所, 事業所その他これらに準ずるものを設け, 又はこれらを移転し若しくは廃止した者は, その事実につき, 財務省令で定めるところにより, その旨その他必要な事項を記載した届出書を, その事実があった日から1 月以内に, 税務署長に提出しなければならないと規定しており, 給与支払事務所等の開設届出書 ( 以下 本件届出書 という ) は当該規定に基づき提出されるものである そのため, 本件対象文書の存否を答えた場合には, 特定の政治団体に係る給与等の支払事務を取り扱う事務所, 事業所その他これらに準ずるもの ( 以下 給与支払事務所 という ) の有無及び給与等の支払事実の有無 ( 以下 本件存否情報 という ) が明らかになる 以下, 本件存否情報の法 5 条 2 号イ該当性について検討する (1 ) 当該事実が公となっているかア給与支払事務所の有無について政治資金規正法 6 条及び7 条の2 において, 政治団体は, その組織時等に主たる事務所の所在地を都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に届け出なければならないこととされ, 届出事項は公表することが規定されている 一方で, 所得税法上の給与支払事務所は, 給与等の支払事務を取り扱う事務所であることから, 例えば, 一つの政治団体が複数の事務所を有しているような場合においては, 必ずしも給与支払事務所と主たる事務所が一致するとは限らない 2

したがって, 政治団体の主たる事務所の所在地が公表されているからといって, その主たる事務所の所在地に給与支払事務所があるかないかという情報が公になっているとは言えない イ給与等の支払事実の有無について政治資金規正法 1 2 条において, 政治団体の会計責任者は, 毎年 1 2 月 3 1 日現在で, 当該政治団体に係るその年における収入, 支出その他の事項で一定のものを記載した報告書 ( 以下 政治資金収支報告書 という ) を都道府県の選挙管理委員会又は総務大臣に提出しなければならないこととされている また, 政治資金収支報告書については, 要旨の公表が規定されており, 収入及び支出について総務省令に定める項目別に金額が公表され, これにより人件費の支出の有無及びその金額は明らかとなる しかしながら, 同法に規定する人件費には, 一般的には政治団体の職員に支給する給料, 報酬, 各種手当, 各種社会保険料等が該当すると思料されるが, 当該政治団体の経理事務等を他の政治団体の職員が行った場合に支払われる事務負担金について人件費として計上している場合が考えられる この場合, 当該事務負担金は, 源泉徴収義務が生ずる所得税法上の給与等には該当しないことから, 政治資金収支報告書に記載されている人件費と所得税法上の給与等が一致するとは限らない したがって, 政治資金収支報告書において人件費が公表されているからといって, 所得税法上の給与等の支払事実の有無が公になっているとは言えない (2 ) 正当な利益を害するおそれがあるかア給与支払事務所の有無について所得税法上の給与支払事務所は, 上記 (1 ) アのとおり, 政治資金規正法上の政治団体の主たる事務所の所在地とは必ずしも一致しない したがって, 本件存否情報を明らかにした場合, 政治資金規正法上公表が予定されている範囲を超えて当該政治団体の活動状況を示すことになり, 主たる事務所とは別に給与支払事務所を設け, これをあえて公にしていない政治団体においては, 本件存否情報が公にされることにより当該政治団体の活動に支障を生じさせる可能性を否定することはできないことから, 当該政治団体の正当な利益を害するおそれがあるものと考えられる イ給与等の支払事実の有無について政治資金規正法に規定する 人件費 は, 上記 (1 ) イのとおり, 所得税法上の 給与等 とは必ずしも一致しない したがって, 本件存否情報を明らかにした場合, 政治資金規正法上公表が予定されている範囲を超えて当該政治団体の活動状況を示すことになり, 他の政治団体職員 3

が事務を行ったことに対する負担金など所得税法上の給与等に該当しない支出を政治資金収支報告書に人件費として記載している場合においては, 本件存否情報が公にされることにより誤解を与え当該政治団体の活動に支障を生じさせる可能性を否定することはできないことから, 当該政治団体の正当な利益を害するおそれがあるものと考えられる 2 結論以上のことから, 本件開示請求については, 本件対象文書の存否を答えるだけで, 給与支払事務所の有無 及び 給与等の支払事実の有無 を明らかにすることになり, 法 5 条 2 号イの不開示情報を開示することになるため, 法 8 条に基づき, 本件対象文書の存否を明らかにせず, 開示請求を拒否した原処分は妥当であると判断する 第 4 調査審議の経過当審査会は, 本件諮問事件について, 以下のとおり, 調査審議を行った 1 平成 2 1 年 3 月 2 4 日諮問の受理 2 同日諮問庁から理由説明書を収受 3 同年 4 月 2 1 日審査請求人から意見書を収受 4 同年 1 2 月 1 0 日審議 5 平成 2 2 年 2 月 2 5 日審議第 5 審査会の判断の理由 1 本件対象文書について本件対象文書は, 特定 4 団体の給与支払事務所等の開設届出書である 国内において給与支払事務所を設けた者は, 所得税法 2 3 0 条の規定により, 所定の事項を記載した本件届出書を当該事務所の所在地の所轄税務署長に提出する義務がある 特定 4 団体においても, 給与支払事務所を設置した場合には, この規定に基づき, 本件届出書を当該事務所の所在地の所轄税務署長に提出すべき義務が生じることとなる 処分庁は, 特定 4 団体の給与支払事務所の有無は, 当該団体に関する情報であって, 公にすることにより, 当該団体の権利, 競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあり, 法 5 条 2 号イの不開示情報に該当するとして, 法 8 条に基づきその存否を明らかにしないで開示請求を拒否しており, 諮問庁も原処分を相当であるとするので, 検討する 2 本件対象文書の存否を答えるだけで開示することとなる不開示情報について (1 ) 本件対象文書の存否自体について処分庁における本件対象文書の有無については, 特定 4 団体の本件届出書の提出との関係で,1 給与支払事務所を設けて本件届出書の提出義務が生じ, この義務を履行して提出されている場合,2 給与支払事務所を設 4

けて本件届出書の提出義務が生じているにもかかわらず, この義務を履行しておらず提出されていない場合,3 給与支払事務所を設けていない ( 給与支払事務が生じていない ) ため, 本件届出書の提出義務が生じておらず, 提出されていない場合及び4 給与支払事務所を設けていない ( 給与支払事務が生じていない ) にもかかわらず, 何らかの理由で本件届出書が提出されている場合という4 通りの場合が考えられる これらの場合について, それぞれ特定 4 団体の正当な利益を害するおそれが生じるかについて検討すると, 次のとおりである ア特定 4 団体に本件届出書の提出義務が生じており, 特定 4 団体がこの義務を履行している場合は, 本件届出書が存在する事実が明らかになっても, 特定 4 団体が所得税法 2 3 0 条等に基づく納税者としての義務を履行したことが明らかになるまでであって, その事実が明らかになることにより法 5 条 2 号イ所定の正当な利益が害されるということは考えられない イ特定 4 団体に本件届出書の提出義務が生じているにもかかわらず, この義務を履行していない場合は, 本件届出書が存在しない事実が明らかになることによって, 上記義務を履行していないことが明らかになったとしても, それは特定 4 団体が所得税法 2 3 0 条所定の義務に違反した結果であって, そのことによる不利益は受忍すべきものであり, 正当な利益を害されたものとは言えない ウ特定 4 団体が給与支払事務所を設けていない ( 給与支払事務が生じていない ) ため, 本件届出書を提出していない場合は, 本件届出書が存在しない事実が明らかになったとしても, 法 5 条 2 号イ所定の正当な利益が害されるということは考えられない エ特定 4 団体が給与支払事務所を設けていない ( 給与支払事務が生じていない ) にもかかわらず, 何らかの理由で本件届出書を提出している場合は, 本件届出書が存在する事実が明らかになることによって, 本件届出書を提出したことが明らかになっても, それは特定 4 団体が提出義務のない本件届出書を提出した結果であって, 正当な利益を害されたものとは言えない (2 ) 本件対象文書の存否が明らかになることによる本件存否情報について諮問庁は, 給与支払事務所が政治団体の主たる事務所の所在地とは必ずしも一致しないこと及び政治資金規正法上の人件費が所得税法上の給与等とは必ずしも一致しないことを理由に, 本件対象文書の存否を明らかにすることにより, 本件存否情報が開示され公にされることになり, 特定 4 団体の活動に支障を生じさせる可能性を否定することはできないとして, 当該政治団体の正当な利益を害するおそれがある旨説明する 5

しかしながら, 法 5 条 2 号イ所定の 害するおそれ は, 単なる抽象的, 確率的な可能性ではなく, 法的保護に値するがい然性を要するものであるところ, 諮問庁の説明自体が特定 4 団体の活動に支障を生じさせる可能性を否定することはできないというもので, 抽象的に低度の可能性を言うにすぎない上, 仮に本件対象文書の存否を明らかにすることにより, 本件存否情報が明らかとなった結果, 特定 4 団体について, 給与支払事務所が政治団体の主たる事務所の所在地と一致しないこと又は政治資金規正法上の人件費が所得税法上の給与等と一致しないことが, 明らかになったとしても, その一致しない理由については, 特定 4 団体が自ら容易に説明できることであって, この一致しないということが明らかになることが, 直ちに特定 4 団体の正当な利益を害するおそれがあることにはならない (3 ) 以上のことから, 本件対象文書の存否を明らかにすることにより公となる, 特定 4 団体が本件届出書を提出した事実の有無, 給与支払事務所の存在の有無及び給与等の支払事実の有無は, 法 5 条 2 号イの不開示情報には当たらない 3 本件不開示決定の妥当性について以上のことから, 本件対象文書につき, その存否を答えるだけで開示することとなる情報は法 5 条 2 号イに該当するとして, その存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定については, 当該情報は同号イに該当せず, 本件対象文書の存否を明らかにして改めて開示決定等をすべきであることから, 取り消すべきであると判断した ( 第 4 部会 ) 委員西田美昭, 委員園マリ, 委員藤原静雄 6