コン! コン! コン! マイコプラズマ肺炎? 長引く咳は要注意! 感染症発生動向速報 平成 28 年 10 月 26 日富山県感染症情報センター ( 直 0766-56-5431) ( 直 0766-56-8142) ( 平成 28 年第 42 週分 10 月 17 日 ~10 月 23 日 ) インフォメーション マイコプラズマ肺炎第 41 週の全国のマイコプラズマ肺炎の人 / 定点報告数は定点あたり 1.23 人となり 大流行した 2011 年の同週と同じ報告数となっています ( 右図 ) マイコプラズマ肺炎は 肺炎マイコプラズマ という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です 例年 患者報告の約 80% は14 歳以下ですが 成人の報告もみられます マイコプラズマ肺炎は 1 年を通じてみられ 冬にやや増加する傾向があります マイコプラズマ肺炎は 患者の咳のしぶきを吸い込んだり 患者と身近で接触したりすることにより感染します 家庭のほか 学校などの施設内でも感染の伝播がみられます 感染してから発症するまでの潜伏期間は長く 2~3 週間くらいとされています 症状は 発熱や全身倦怠感 ( だるさ ) 頭痛 痰を伴わない咳などがみられます 咳は少し遅れて始まることもあります 咳は熱が下がった後も長期にわたって (3~4 週間 ) 続くのが特徴です 多くの人はマイコプラズマに感染しても気管支炎ですみ 軽い症状が続きますが 一部の人は肺炎となり 重症化することもあります 治療は 抗菌薬 ( 抗生物質 ) によって治療します マイコプラズマ肺炎に効果のあるものは 一部に限られています 軽症ですむ人が多いですが 重症化した場合には 入院して専門的な治療が行われます 長引く咳などの症状があるときは 医療機関で診察を受けるようにしましょう 感染経路はかぜやインフルエンザと同様ですので 手洗いや 咳の症状がある場合には マスクを着用するなど咳エチケットを守ってください 全数報告の感染症 二類感染症結核 4 件 (120 歳代 男性 270 歳代 男性 370 歳代 女性 480 歳代 男性 ) 四類感染症つつが虫病 1 件 (80 歳代 男性 ) レジオネラ症 1 件 ( 第 41 週診断分 :30 歳代 男性 肺炎型 ) 五類感染症アメーバ赤痢 1 件 (50 歳代 男性 ) 定点報告の感染症 今週の県内上位 6 疾患定点あたりの数 順位疾病名今週先週増減 1 位流行性耳下腺炎 4.00 3.79 2 位 感染性胃腸炎 3.45 3.52 3 位 RSウイルス感染症 2.41 3.00 4 位 マイコプラズマ肺炎 1.80 2.20 5 位 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 0.79 0.79 6 位 インフルエンザ 0.47 0.04 この内容は以下のホームページでさらに詳しくご覧いただけます アドレス http://www.pref.toyama.jp/branches/1279/kansen/ 年
感染症発生動向調査報告状況 ( 平成 28 年第 42 週平成 28 年 10 月 17 日 ~10 月 23 日 ) 今週報告分 ( 第 42 週 ) 累積報告数分類疾患新川中部高岡砺波富山市計新川中部高岡砺波富山市計二類感染症結核 2 2 4 11 7 55 12 58 143 三類感染症細菌性赤痢 5 5 腸管出血性大腸菌感染症 2 6 5 13 腸チフス 1 1 四類感染症 E 型肝炎 1 2 8 11 A 型肝炎 3 2 5 つつが虫病 1 1 1 1 デング熱 1 1 レジオネラ症 3 1 10 3 10 27 五類感染症アメーバ赤痢 1 1 2 1 3 ウイルス性肝炎 1 1 カルバぺネム耐性腸内細菌科細菌感染症 2 4 2 8 急性脳炎 1 1 1 3 クロイツフェルト ヤコブ病 1 1 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 2 3 5 後天性免疫不全症候群 1 3 4 ジアルジア症 1 1 2 侵襲性インフルエンザ菌感染症 3 1 4 侵襲性肺炎球菌感染症 1 8 4 5 18 梅毒 2 5 7 破傷風 1 1 1 3 薬剤耐性アシネトバクター感染症 1 1 2 19 1 22 1,877 1,833 2,725 2,458 5,238 14,131 インフルエンザ 0.15 2.71 0.06 0.47 312.83 366.60 209.62 351.14 327.38 300.66 6 16 7 41 70 15 25 95 39 444 618 RSウイルス感染症 2.00 2.00 1.75 4.10 2.41 3.75 8.33 11.88 9.75 44.40 21.31 2 1 4 7 90 52 157 30 230 559 咽頭結膜熱 0.50 0.13 0.40 0.24 22.50 17.33 19.63 7.50 23.00 19.28 4 1 9 1 8 23 180 172 1,002 311 1,303 2,968 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎定点疾病 1.00 0.33 1.13 0.25 0.80 0.79 45.00 57.33 125.25 77.75 130.30 102.34 24 15 5 9 47 100 1,212 958 596 437 2,894 6,097 感染性胃腸炎 ( 下段は定点当た 6.00 5.00 0.63 2.25 4.70 3.45 303.00 319.33 74.50 109.25 289.40 210.24 りの患者数を示 1 1 6 8 60 10 98 39 229 436 す ) 水痘 0.33 0.25 0.60 0.28 15.00 3.33 12.25 9.75 22.90 15.03 6 2 8 6 5 56 8 85 160 手足口病 0.75 0.20 0.28 1.50 1.67 7.00 2.00 8.50 5.52 2 1 3 51 62 60 6 468 647 伝染性紅斑 0.50 0.10 0.10 12.75 20.67 7.50 1.50 46.80 22.31 1 3 4 76 34 215 70 125 520 突発性発しん 0.25 0.38 0.14 19.00 11.33 26.88 17.50 12.50 17.93 3 11 2 4 20 百日咳 1.00 1.38 0.50 0.40 0.69 1 7 8 87 141 400 134 403 1,165 ヘルパンギーナ 0.33 0.88 0.28 21.75 47.00 50.00 33.50 40.30 40.17 7 17 54 18 20 116 117 159 650 580 547 2,053 流行性耳下腺炎 1.75 5.67 6.75 4.50 2.00 4.00 29.25 53.00 81.25 145.00 54.70 70.79 1 1 急性出血性結膜炎 0.50 0.14 1 1 2 14 4 10 30 流行性角結膜炎 0.50 0.14 2.00 7.00 4.00 5.00 4.29 1 1 細菌性髄膜炎 1.00 0.20 1 1 2 4 無菌性髄膜炎 1.00 1.00 2.00 0.80 2 2 5 9 12 22 77 18 57 186 マイコプラズマ肺炎 2.00 2.00 5.00 1.80 12.00 22.00 77.00 18.00 57.00 37.20 2 2 クラミジア肺炎 2.00 0.40 感染性胃腸炎 ( ロタウイルス ) インフルエンザによる入院患者 (*) 1 1 1 1 本週報のデータは速報値であり 今後 調査などの結果に応じて若干の変更が生じることがあります * インフルエンザによる入院患者累計報告数は 平成 28 年第 36 週 (9 月 5 日 )~の集計です 3 4 1 17 25 3.00 4.00 1.00 17.00 5.00
インフルエンザ定点における患者診断状況 平成 28 年 10 月 26 日富山県感染症情報センター ( 直 0766-56-5431) ( 直 0766-56-8142) このデータは インフルエンザ定点医療機関で実施されたインフルエンザ 迅速診断キットの診断数を集計したものです 現在 下の表によると A 型 が91% となっています 第 42 週 (10/17~10/23) : 富山県 0.47/ 定点 ( 単位 : 件 ) 厚生セン迅速診断キットター 保健所報告定点数名 A 型 B 型 その他 合計 新川 0 /6 0 0 0 0 中部 0 /5 0 0 0 0 高岡 2 /13 2 0 0 2 砺波 4/6 18 0 1 19 富山市 1 /16 0 1 0 1 富山県 1 7 /47 20 1 1 22 富山県累計 (2016 年 36 週 ~) 23 1 1 25 1 報告定点数の例 (7/47 の場合 ):47 の定点医療機関の内 インフルエンザと診断した医療機関は 7 か所で 残りの 40 か所はインフルエンザの診断がなかったことを示します 2 その他 には 臨床症状等によりインフルエンザと診断したが型別までは不明な患者や迅速診断キットの結果が A 型と B 型共に陽性の患者が対象となります 件数 25 20 15 10 5 0 インフルエンザ迅速診断キット型別患者報告状況 ( 富山県 2016/2017 年 ) A 型 B 型 36 38 40 42 44 46 48 50 52 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 週 件数 1 インフルエンザウイルス検出状況 ( 富山県 2016/2017 年 ) B( 山形系統 ): B( ビクトリア系統 ): 県衛生研究所による AH1pdm09: AH3( 香港型 ): AH1( ソ連型 ): インフルエンザウイルスの検出は 現在ありません 0 36 38 40 42 44 46 48 50 52 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 9 月 10 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 週
kansen1642w インフルエンザ情報 定点医療機関からのインフルエンザ患者報告状況第 42 週 (10/17~10/23): 富山県 0.47 人 / 定点 新川 HC(0.00) 中部 HC(0.00) 高岡 HC(0.15) 砺波 HC(2.71) 富山市 HC(0.06) インフルエンザの患者報告数は 全国は増加傾向となっています 県内では 砺波厚生センター管内で定点あたり 1 人を超えました 都道府県別インフルエンザ患者報告状況第 41 週 (10/10~10/16) 全国の患者報告数は 定点あたり 0.24 人となり 前週の 0.23 人より増加しました 23 都道府県で前週より増加しています 都道府県人 / 定点 都道府県人 / 定点 北海道 0.07 滋賀県 0.19 青森県 0.00 京都府 0.04 岩手県 0.00 大阪府 0.14 宮城県 0.09 兵庫県 0.08 秋田県 0.02 奈良県 0.02 山形県 0.15 和歌山県 0.20 福島県 0.03 鳥取県 0.00 茨城県 0.39 島根県 0.08 栃木県 0.21 岡山県 0.05 群馬県 0.08 広島県 0.43 埼玉県 0.14 山口県 0.25 千葉県 0.22 徳島県 0.03 東京都 0.24 香川県 0.17 神奈川県 0.27 愛媛県 0.07 新潟県 0.02 高知県 0.00 富山県 0.04 福岡県 0.30 石川県 0.23 佐賀県 0.05 福井県 0.03 長崎県 0.06 山梨県 0.05 熊本県 0.10 長野県 0.07 大分県 0.10 岐阜県 0.24 宮崎県 0.00 静岡県 0.12 鹿児島県 0.37 愛知県 0.13 沖縄県 7.03 三重県 0.06 全国 0.24
Kansen1642w 腸チフス 海外での感染だけではありません国内での感染にも気をつけて ***** コーヒーブレイク ***** 腸チフス腸チフスは チフス菌 (Salmonella Typhi) によって起こる感染症です チフス菌に汚染された食品や飲料水を摂取することで 感染します 通常は 8~14 日間の潜伏期間の後 徐々に発症します 発熱が主症状で 39 ~40 度に達します また 徐脈 バラ疹 肝脾腫 下痢 便秘 ( 成人では下痢よりも便秘の頻度が高い ) などの症状が認められます 腸出血や腸穿孔が起こる場合もありますが ニューキノロン薬が治療に使用されるようになってからは 腸出血 腸穿孔や治療後の再発はまれとなりました 腸チフスは 日本を除くアジア 中東 東欧 中南米 アフリカな どの各地に蔓延している病気ですが 国内での発生は戦後の衛生水準の向上とともに大幅に減少し 近年では年間の患者報告数は 50 人前後で推移しています ( 右図 ) これまで 患者のほとんどは海外での感染でしたが 平成 25~26 年にかけて海外渡航歴のない患者が増加しました 平成 26 年にはチフス菌が食中毒起因菌に指定され 感染地域 感染症発生動向調査事業年報(2005-2014) 感染症発生動向調査(2016 年 6 月 1 日現在 ) より改変 て以来 初めての食中毒事例が発生しました この年の国内感染例は半数以上が この食中毒患者であると報告されています また 今年 9 月下旬より豊田市を中心に腸チフス患者が報告され 調査の結果 同一飲食店を利用していることが確認されました 感染原因については現在調査中です チフス菌の感染はヒトに限って起こります 患者や保菌者の便や尿 それらに汚染された食品 水 手指が感染源となります また 長期保存が可能な食品 ( 輸入された食品や冷凍食品 ) なども長期にわたって感染源となる場合もあります 食事前や調理を行う前 トイレの後など徹底した手洗いが感染の予防には最も大切です 流行地では未殺菌の水や氷 生野菜 果物から感染する可能性があります 十分に加熱された飲食物をとることも予防策となります ( 細菌部範本 ) 参考 : 感染症発生動向調査事業年報感染症発生動向調査 (IDWR)2013 年第 39 号病原微生物検出情報 (IASR)Vol.36 p.162-163:2015 年 8 月病原微生物検出情報 (IASR) 速報 http://www.nih.go.jp/niid/ja/route/ intestinal/1469-idsc/iasr-news/6818-441p03.html (2016/10/18)