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Wyse Thin OS スタートアップガイド 2008 年 11 月 7 日 ワイズテクノロジー株式会社 概要 Wyse Thin OS シンクライアント (Wyse S10/V10L) は ICA/RDP クライアントに特化した画面転送方シンクライアント専用ターミナルです Wyse Thin OS( 以下 WTOS) は Microsoft ターミナルサービス Citrix デリバリセンター または VMWare 仮想デスクトップソリューションに最適なシンクライアントとして利用することができます 本説明は WTOS シンクライアントを導入するにあたり 初期設定 テスト デモ等を短時間で構成するためのマニュアルです注 注 : 実際の運用にあっては 本説明のノウハウを元に 最適な設定を実施する必要があります 本説明は 初回利用時や効果的なデモ / テスト環境を短時間で構成するために用いることができます 実運用に向けた高度な設定や詳細仕様に関しては 管理者ガイド Wyse 1 シリーズ Wyse Thin OS をご参照ください Wyse Thin OS の優位点 Wyse Thin OS は 通常の Windows ベース (XPe もしくは CE) や Linux ベースの一般的なシンクライアントに比べて下記の優位点があります 下記内容を理解した上で効果的なデモを実施する必要があります 約 2MB(Wyse S10 の場合 ) の OS による高速な OS 起動 ( 約 6 秒 ) やアップデート シンクライアントのウィルス対策等は不要 ( ファームの改変不可 ) 各種周辺機器 ( スマートカード プリンタ USB ストレージ等 ) にも対応 容易な中央集中管理構成によるシンクライアント上のローカル設定は一切不要 TCX Suite 製品に対応 (USB 周辺機器 マルチメディア デュアルモニタ機能 ) テスト環境の構成例 Wyse Thin OS シンクライアントの企業導入は FTP サーバーを用いた集中管理が効果的です FTP サーバーにより シンクライアントのローカル設定をまったく行う必要がないため 数千台 ~ 数万台以上の端末を容易に集中管理することができます ただし テスト / デモ環境において FTP サーバーを用意できない場合でも ローカルの必要な設定を実施することで 効果的なテスト / デモを実施することができます 本説明では 下記の二つの設定方法に関して解説します 1. Wyse Thin OSシンクライアントのローカル設定を用いた構成 2. FTPサーバーを用いた集中管理による構成 3. WTOSファームウェアのアップデート -1-

1. Wyse Thin OS シンクライアントのローカル設定を用いた構成図 1 に示すように Wyse Thin OS シンクライアントから Citrix Presentation Server 上の公開アプリケーション ( 公開デスクトップ ) へ接続するための環境を構築します ネットワーク環境上に DCHP サーバー等が存在しない場合 Wyse Thin OS シンクライアントターミナル上のローカル設定を実施する必要があります ここでは 初回利用時の IP アドレス設定や ICA クライアント設定を解説します 図 1 Citrix Presentation Server との接続構成 ハードウェア設定 Wyse S10 シンクライアントの準備 ( 電源 ネットワーク接続 ) を行い 物理的に Citrix Presentation Server とのネットワーク接続が可能な構成を構築します - 電源アダプタ / 電源ケーブル接続 - イーサーネット接続 - USB キーボード /PS2 マウス接続注注意 : PS2 マウスは Wyse USB キーボードの右側面 ( 後方 ) に接続します 1.1 Wyse S10 ローカル設定による Citrix Presentation Server への接続 Wyse S10 を Citrix Presentation Server 上の公開デスクトップへ接続するために Wyse S10 のネットワーク設定 ICA クライアント設定を実施します 注意 : RDP 接続も同等の方法で実施可能です 1.1.2 Wyse Thin OS ネットワーク設定イーサーネットによりネットワーク接続した Wyse Thin OS を初回起動すると DHCP/BOOTP による自動 IP アドレス取得の仕組み ( デフォルト設定 ) により IP アドレスの取得を試みます 図 2 に示すように DHCP サーバーによる IP アドレス割り当てを実施していない環境においては Wyse S10 上のイベントログ上に DHCP により IP アドレスの取得中 というログ表示で止まります注 注意 :DHCP クライアントによる IP アドレスの取得を試みるため DHCP サーバーが存在しない場合 IP アドレス取得処理がタイムアウトするまでに 十数秒かかります このため 次に示すネットワーク構成を実施します -2-

図 2 DHCP による IP アドレスの取得ログ ( イベントログ ) Wyse Thin OSのデスクトップより ローカルで静的 IPアドレスを設定します ( デフォルト : DHCP/BOOTPによりアドレスを割り当てる ( H) ) WTOSデスクトップより [ デスクトップ ] [ システム情報 (S)] [ ネットワーク (N)] を選択します ( 図 3 参照 ) 補足 : 図 2 に示す DHCP クライアントによる IP アドレス取得のタイムアウトを待つことで ネットワーク設定 ダイアログ ( 図 4) が出力されます この場合 タイムアウトまで数十秒待つ必要があるため ここでは WTOS のネットワーク設定を選択し 静的 IP アドレスを設定します 図 3 WTOS のネットワーク設定 -3-

ネットワーク設定 ダイアログの 全般(G) タブにおいて 静的 IPアドレスを指定する (A) を選択します WTOSのローカルIPアドレス サブネットマスク デフォルトゲートウェアをそれぞれ 環境に合わせて設定し [OK] ボタンをクリックします ( 図 4) 補足 : ネットワーク環境上で名前解決が必要な環境の場合 ネットワーク設定 ダイアログの ネームサーバー (N) タブにある DNSサーバー (V) もしくは WINSサーバー (W) 上で必要な名前解決サーバーのIPアドレスを設定します 図 4 WTOS ローカルネットワーク設定 -4-

1.1.3 ICA クライアント設定と Citrix Presentation Server への接続 Wyse Thin OS を起動後 ( ネットワーク設定完了後 ) WTOS ローカルデスクトップ上には 図 5 に示すように Default ICA アイコンと Default RDP アイコンが表示されます また タスクマネージャ上に 接続マネージャ が最小化されています 表 1 各種デフォルト設定 / 項目の説明 項目 概要 説明 Default ICA アイコン ICA 接続 ( 設定 ) のためのデフォルトアイコン 空の ICA 接続設定 (IP アドレスや認証情報の設定は 手動で設定が必要 ) 注意 : ローカルでの削除は不可 / 表示名変更は可 Default RDP アイコン RDP 接続 ( 設定 ) のためのデフォルトアイコン 空の RDP 定 (IP アドレスや認証情報の設定は 手動で設定が必要 ) 注意 : ローカルでの削除は不可 / 表示名変更は可 接続マネージャ 各 ICA/RDP の接続設定を管理するツール 既存の ICA/RDP 接続設定の変更 / 管理や その他新規 ICA/RDP 接続の追加などが実施できる ただし アイコンの追加は FTP サーバーによる中央管理 ( 後述 ) が必要となる 図 5 WTOS ローカルデスクトップ -5-

Default ICA 接続設定を変更し Citrix Presentation Server 上の公開デスクトップへの接続設定を構成していきます ICA 接続の設定を実施するため タスクバーに最小化されている 接続マネージャ をクリックし ダイアログを立ち上げます 図 6 接続マネージャ ( デフォルト ) 接続マネージャ の Default ICA をハイライトし [ 設定 (T)] をクリックします ICA 接続設定のための 接続の設定 ダイアログが出力されます ( 図 7 参照 ) 接続 タブのICA 接続の 接続先 / ログオン設定 を環境に合わせて設定します 表 2 ICA 接続における 接続先 設定項目 設定項目 説明 サーバー / 公開アプリケーション CPS への接続形態を選択 ( 例 : 公開アプリケーション ) 接続説明 WTOS ローカルデスクトップに表示される ICA コネクション名 ブラウザサーバー ICA ブラウズによる公開アプリケーション情報取得のための CPS サーバー (XML サービスを提供するサーバー ) の IP アド レスもしくは DNS 名 アプリケーション名 CPS 上で公開したアプリケーションの公開アプリケーション名 ボタンにより 公開アプリケーション名取得が可能 ( 図 8) 暗号化レベル ICA プロトコル自体の暗号化レベル HTTP を使用する ICA ブラウズ用プロトコルに HTTP を利用する ( デフォルトは UDP プロトコルによる ICA ブラウズ処理 ) 代替アドレスを使用する CPS サーバー接続に NAT を経由する場合に設定 -6-

図 7 ICA 接続設定 図 8 公開アプリケーション表示 -7-

接続の設定 ダイアログにおいて オプション タブを選択します ここでの設定は ICA 接続における画面表示 セッション接続 周辺機器等に関する設定を行います テスト環境において 特別主な機能を利用しない場合 今回の公開デスクトップ接続を実施するため 下記設定を実施します ( 図 9) [OK] ボタンをクリックし 接続 / オプションタブの設定を反映させます 補足 : その他必要な場合 チェックボックスによる設定 ( プリンタ シリアル等 ) を実施します 接続画面 設定画面の解像度 (R): デフォルト設定色 (L): フルカラーモード注 : 全画面モード 注意 : 公開デスクトップ接続時 ウィンドウモード での設定の場合 WTOS ローカルデスクトップのタスクバーが表 示されるため 効果的なテスト / デモを実施する際は 全画面モード が推奨されます 図 9 ICA 接続オプション設定 -8-

設定が完了すると WTOS 上のデスクトップの ICA 接続用アイコンの表示名が 上述 ( 図 7) で設定した 接続の設定 ダイアログ上の 接続の説明 で設定した名前に変更されていることが分かります ( 図 10) この ICA 接続用アイコンをダブルクリックする注ことで 設定した Citrix Presentation Server( 公開デスクトップ ) への接続が実行されます ( 図 11) 図 10 ICA 接続用デスクトップアイコン 図 11 公開デスクトップへの接続 -9-

2. FTP サーバーを用いた集中管理による構成 Rev. 2.00 図 12 に 本説明で使用するネットワーク環境を示します 本説明では テスト / デモ目的での Citrix Presentation Server 導入のため シンプルな構成とします Wyse Thin OS の FTP サーバー注によ る中央集中管理を中心に Citrix Presentation Server への ICA 接続設定を紹介していきます 表 3 に示すように DHCP/FTP/DC サーバーの 3 つのサービスを用いることで Wyse Thin OS の ローカル設定を実施することなく WTOS シンクライアント端末全てを中央管理することが可能とな ります 注意 : WTOS 管理サーバーは Web サーバーも利用可能です Web サーバー利用の場合は 別紙による説明をご参照ください WTOS 中央管理の主なメリット 大規模環境における端末管理コストの低減 ( ローカルの設定は一切不要 ) WTOS の詳細な動作設定 ( 例 : 自動セッション起動 自動シャットダウン ) 表 3 WTOS 中央管理における各コンポーネントの役割 コンポーネント DHCP サーバー FTP サーバー DC サーバー ( ドメインコントローラ ) 内容 WTOS へ IP アドレスをアサインするのと同時に DHCP オプションタグ設定により FTP サーバー Wyse Device Manager サーバー等の WTOS の接続サーバー情報を配布することが可能 ICA/RDP 接続設定や WTOS の詳細な接続設定を一括中央管理すうるためのコンフィグレーションファイル (WNOS.INI) ファイルを格納するサーバー WTOS は FTP 通信により 起動時に WNOS.INI ファイルを取得 WTOS ローカル認証に NTLM 認証を設定することが可能 WTOS 上で入力した NTLM 認証は DC サーバーと連携し ICA/RDP 接続へパススルーすることが可能 図 12 FTP サーバーによる中央管理による構成 -10-

2.1 Wyse Thin OS の中央管理 Rev. 2.00 Wyse Thin OS では FTP サーバー上の設定 INI ファイル (INI ファイル形式 ) による中央管理によ り 各シンクライアント端末 (Wyse S10 もしくは V10L) へ設定を反映させることができます このた め ローカルのシンクライアントターミナル (Wyse S10/V10L) では 一切の手動設定をすることなく シンクライアント環境を運営することができます注 注意 :DHCP/FTP サーバーの両方がシステム環境上必須であるわけではありません 必要に応じて ローカル設定と DHCP/FTP サーバー上の中央設定の組み合わせで運用する場合もあります 例えば 静的 IP アドレスと WTOS 管理サーバー (FTP サーバー ) の指定だけは ローカル端末に手動で実施 残り全ての設定 (WTOS の動作 ICA/RDP 等の接続設定等 ) を設定 INI ファイルで中央管理する方法もあります 図 13 に示す様に WTOS の中央管理は FTP サーバー上に配置された設定ファイル (WNOS.INI ファイル等 ) を WTOS が FTP 通信経由で取得することで 反映されます 表 4 FTP サーバー上の主な構成内容 設定要素内容 WNOS フォルダ WTOS を中央管理するための WNOS.INI ファイルを格納するフォルダ 詳細なディレクトリ設定は DHCP オプション (162) タグにより 設定可能 WNOS.INI FTP サーバーにアクセスする全てのシンクライアント端末の設定情報 ( 接続情報 端末動作情報等 ) を格納する INI ファイル [ ファイル名変更不可 ] CACERTS フォルダ SSL 通信を実施する際に必要なルート証明書格納フォルダ [ 変更不可 ] BITMAP WTOS ローカルデスクトップ上に表示する ICA/RDP 接続アイコン [ 変更不可 ] INI フォルダ各ユーザー設定ファイル (User01.ini 等 ) を格納するフォルダ [ 変更不可 ] User01.ini 各ユーザー固有の設定 INI ファイル ファイル名は WTOS ローカルログオン代ログで入力したユーザー名となる ( 例 : アカウント User01 の場合 該当ユーザーの設定ファイル名は User01.ini ) 図 13. DHCP/FTP サービス利用による Wyse Thin OS 中央管理 -11-

2.2 Wyse Thin OS 起動フロー Wyse Thins OS 起動時のフローを図 14 に示します Wyse Thin OS のゼロコンフィグレーション環境 ( ローカルに設定値を一切保持させない設定 ) には DHCP サーバーと WTOS 管理サーバー (FTP サーバー ) とのコミュニケーションが必要となります 図 14 Wyse Thin OS 起動フロー 2.3 DHCP/FTP サーバーの設定本設定は Windows Server 2003 サーバー上に 既に DHCP サービス /FTP(IIS) サービスが構成されていることを前提として解説します DHCP サービスでは FTP サーバー接続のための DHCP オプション設定を実施します FTP サーバーでは WNOS.INI やその他必要なファイルの設定と配置を行います ここでは 設定例を含めて各種方法を説明していきます 2.3.1 DHCP オプションタグの設定 (FTP サーバー指定設定 ) WTOS シンクライアントターミナルが DHCP より IP アドレスを割り振られる際に 同時に DHCP オプションタグにより FTP サーバーのサーバー IP アドレスと FTP ディレクトリを取得できるように設定します これにより WTOS シンクライアントは 本テスト環境において 起動後に自動的に FTP サーバー情報を登録し FTP サーバー上の設定情報 (WNOS.INI) を取得するようになります 該当サーバー上のDHCPサービスで利用可能なオプションタグを追加します 図 8 に示すように DHCP 管理コンソール上の左ペイン上のサーバーノードを右クリックし [ 既定のオプションの設定 (E)] を選択します 起動された 規定のオプションと値 ダイアログで [ 追加 ] ボタンをクリックします -12-

図 14 DHCP オプションタグ ( ベンダタグ ) の追加 図 14 に示すように それぞれ WTOS シンクライアントに通知するための FTP サーバー IP アドレス / ディレクトリの DHCP オプションタグ情報 ( 下記参照 ) を追加していきます 名前 ( 任意 ): FTP Server データ型 : IP アドレスコード ( オプションタグ番号 ): 161 説明 : FTP Server IP Address for WTOS 名前 ( 任意 ): FTP Directory データ型 : 文字列コード ( オプションタグ番号 ): 162 説明 ( 任意 ): FTP Directory Path for WTOS 図 15 FTP サーバー用 DHCP オプションタグ ( ベンダタグ ) 追加されたDHCPオプションは スコープに設定することが可能となります DHCP 上のスコープ ( 存在しない場合は 新規に作成してください ) に対して これらDHCPオプションを追加し それぞれ適切な値を設定します DHCP 管理コンソールの左ペインにある該当のスコープ ( 例 : 図 16 における wysedc.wyselab.com スコープ) 配下の スコープオプション を右クリックし [ オプションの構成 (C) ] を選択します ( 図 16) -13-

図 16 DHCP オプションのスコープへの追加 スコープオプション ダイアログでは 利用可能なオプション のリスト中に 前述で登録した二つのオプション (DHCP オプション番号 161 162) が選択可能です それぞれ 161 と 162 のオプションのチェックボックスにチェックを入れ ダイアログ下の データ入力 項目に 適切な設定値を入力します ( 図 17) また 表 5 に各設定値の詳細説明を記します これで DCHP 設定は終了です 利用可能なオプションオプション : 161 FTP Server データ入力 IP アドレス : 192.168.1.10 利用可能なオプションオプション : 162 FTP Directory データ入力バイト : $ 図 17 DHCP オプションの値設定注意 :FTP ディレクトリ設定 ( オプション番号 162) で設定した $ は WTOS が認識する文字列の末尾を示すデリミタとなります $ だけを指定した場合 FTP ディレクトリは FTPROOT wnos が WNOS.INI を格納するルートディレクトリとなります 補足 : テストするネットワーク構成を考慮し 必要な場合 デフォルトゲートウェイ (003: ルーター ) DNS サーバー (006:DNS サーバー ) を スコープに追加してください -14-

表 5. DHCP オプションの説明 設定内容 DHCP オプション番号内容 Rev. 2.00 FTP サーバー 161 FTP サーバーの IP アドレスもしくは FQDN を登録します 例 : 192.168.1.10 FTP ディレクトリ 162 FTP サーバーのルートディレクトリからの相対ディレクトリを設定します FTP ディレクトリを設定しない場合 デフォルトディレクトは FTPROOT wnos となります また ディレクトリオプションの末尾にの文字終了デリミタとして $ を記載する必要があります 例 : /config$ 上記例の場合実際の FTP パスは 下記となる FTPROOT/config/wnos/ 注意 : 特に DHCP オプションを指定せず WTOS ローカル設定で FTP サーバーを指定した場合 デフォルトの FTP ディレクトリパスは FTPROOT/wnos/ となります 2.3.2 WNOS.INI の設定と FTP サーバーへの格納設定ファイルは FTP サーバー上の指定ディレクトリ上 (FTPROOT wnos ) に保存します 各パラメータは INI ファイルの パラメータ = 値 形式で設定し テキスト形式で保存します ファイル名は wnos.ini である必要があります テスト用の Windows Server 2003 上の FTP ディレクトリ (C: Inetpub ftproot wnos) 上には 各フォルダ ( 必要に応じて ) を図 18 に示す様に配置します WTOS の動作を設定した WTOS.INI ファイルを WNOS ルートディレクトリとなる FTP ディレクトリ (C: Inetpub ftproot wnos) に同じく配置します WNOS.INI の記述方法に関しては 後述します 図 18 FTP サーバー上のディレクトリ構成 WNOS.INI の配置 -15-

もっともシンプルな構成を作成したい場合 下記の記述を WNOS.INI ファイル内に記述します 本 サンプル設定は ICA 接続用アイコンも無く WTOS 起動と同時に WNOS.INI 記述されている Citrix Presentation Server への接続を開始する設定となります ( 各パラメータの意味は後述 ) 注意 :WTOS は WNOS.INI ファイルに対して 匿名アカウントによる FTP 通信により データを取得します ( デフォルト ) FTP サーバー上に WNOS.INI ファイル配置後 WNOS.INI ファイルに対して 適切なファイルアクセス権が付与されていることを確認します ### 最もシンプルな WNOS.INI 設定 ### #ICA Connection Setting signon=no connect=ica description="cps4.5 Desktop" application=desktop browserip=192.168.1.26 LocalCopy=yes Colors=true fullscreen=yes autoconnect=1 ### 最もシンプルな WNOS.INI 設定 (EOF)### サンプル wnos.ini ファイルの概要上記を手動で作成する方法で 最もシンプルなサンプルの wnos.ini により テスト / デモ構成を作成することができます さらに下記のサンプル WNOS.INI( 解説付き ) を利用することで より高度な ( 実際の運用環境に合わせた設定 )WTOS の設定や運用が可能となります 図 19 に示す様に 各ファイルやディレクトリの配置を構成し 下記に示すサンプル wnos.ini ファイルを WNOS ディレクトリ配下に格納します 図 19 FTP サーバーのディレクトリ例 -16-

注意 : # は コメントアウト文となり は 行の継続を意味します ####wnos.ini サンプルファイル #### # FTP サーバー上のファームウェアアップデート設定 # 0: ファームイメージのチェック停止 # 1: ファームウェアのアップグレード / ダウングレード実行 ( デフォルト ) # 2: ファームウェアのアップグレードのみ実行 Autoload=1 # WTOS ローカルデスクトップ上の壁紙設定 # 壁紙の格納場 : /WNOS/BITMAP Desktop=wyselogo.jpg # WTOS ローカルデスクトップの背面の色 (RGB) # 例 : 黒 : 0 0 0 DeskColor="0 0 0" # WTOS ローカルユーザー権限設定 # [Privilige] WTOS へのユーザー操作権限 # High: 管理者権限 ( 全ての操作権限がある ) ( デフォルト ) # Low: 限られた設定のみ変更可能な権限 # None: ローカル設定の変更を不可状態にした設定 # [LockDown] Low 権限以下での初期化処理 (G-Key リセット ) を不可能にするなどのロックダウン設定 Privilege=High LockDown=yes # ログオン機能 # Yes: WTOS のローカルログオンを有効 ( デフォルト ) # No: ローカルログオンを無効 # NTLM: WTOS のローカルログオンに NTLM 認証を用いる ( 下記補足 NTLM 認証における 参照 ) Signon=No # Citrix PNAgent 機能利用設定 # [PnLiteServer] PNAgent サーバーをホストする Web Interface サーバーを指定 # [DomainList] Web Interface へのログオンで利用するデフォルトのドメイン名 # PnLiteServer=https://VMW2K3SG001.wyselab.com/Citrix/PNAgent/config.xml # DomainList=wyselab # ルート証明書のインストール # Citrix Secure Gateway との SSL 通信を実施する際に利用するルート証明書のインストール # AddCertificate に登録する証明書は.crt 形式である必要がある # 証明書の格納場 : /WNOS/CACERTS AddCertificate=wyselabca.crt # DelCertificate=wyselabca.crt # WTOS ローカルの言語設定 language=jp # WTOS ローカルのタイムゾーン設定 TimeZone="GMT + 09:00" # WTOS の時刻同期サーバー設定 TimeServer=192.168.1.10-17-

# ICA 接続の設定 # [Connect] コネクションの種類 ( ICA もしくは RDP ) # [Description] WTOS 上で表示されるコネクション名 # [Icon] WTOS 上で表示されるアイコン ( 壁紙の格納場 : /WNOS/BITMAP) # [Browserip] 仮想デスクトップ OS の IP アドレス # [LocalCopy] S10/V10L のローカル ROM への接続設定を保存 (FTP 接続無しの場合も利用可能 ) # [Colors] 該当コネクションのセッションの色 # [Fullscreen] 該当コネクションのフルスクリーン表示設定 # [Autoconnect] WTOS 起動時の自動アプリケーション接続機能 (1: 自動接続 0: 自動接続無し ) connect=ica description="cps4.5 Desktop" icon=ica.bmp browserip=192.168.1.26 LocalCopy=yes Colors=true fullscreen=yes autoconnect=1 # ターミナルのシャットダウン設定 # autosignoff: yes : 最後のセッションをクローズした際 自動的にセッションをログオフ # Shutdown yes ICA/RDP のセッションログオフ時に自動的にターミナルの電源を落とす設定 autosignoff=yes Shutdown=yes # ShutdownCount: Shutdown による自動シャットダウン実行前のタイマー (0~60 秒 ) ShutdownCount=0 ####wnos.ini サンプルファイル (EOF)#### 補足 :NTLM 認証における SMB デジタル証明機能を停止する方法 WTOS( バージョン 6.1.0_22 以前注 ) の NTLM 認証を実施する場合 (signon=ntlm) Windows Server 2003 Active Directory の SMB デジタル証明機能を停止する必要があります Active Directory サーバー上で SMB デジタル証明機能が有効になっている場合 下記の二つのレジストリパラメータ (EnableSecuritySignature RequireSecuritySignature) を設定することで SMB デジタル署名機能を明示的に停止することができます 注意 : WTOS バージョン 6.1.0_22 より SMB デジタル証明機能がサポートされます このため 最新の WTOS バージョン 6.1.0_22 以降を利用する場合 本レジストリ設定は不要です レジストリキー HKEY_LOCAL_MACHINE System CurrentControlSet Services LanManServer Parameters 値 :EnableSecuritySignature 種類 :REG_DWORD 値 :0 値 :RequireSecuritySignature 種類 :REG_DWORD 値 :0-18-

3. WTOS ファームウェアのアップデート Rev. 2.00 Wyse Thin OS(WTOS) ベースの Wyse シンクライアント端末 (Wyse S10, V10L, V10L Dual DVI) は FTP/Web サーバーベースのファームウェア /BIOS アップデート方法を基本としています ここ では 前節 2. FTP サーバーを用いた集中管理による構成 で構築した FTP サーバーを利用して ファームウェア /BIOS のアップデート方法を説明します 注意 : Wyse シンクライアントの BIOS アップデートは 通常の場合必要ありません テクニカルサポート等で Wyse 社より必要と判断された場合など 本手順を利用して BIOS のアップデートが可能です ファームウェアアップデートの概要ファームウェアアップデートは FTP サーバー上に配置されているファームウェアイメージを Wyse シンクライアント端末が FTP/HTTP プロトコルを通じて ローカルにダウンロード / インストールします WTOS のファームウェアイメージは 2-7MB のサイズであるため ネットワークに対する負荷非常に限定的です このためメンテナンスコストは非常に軽減されます WTOS ファームアップデートの特徴 ネットワーク帯域への影響が非常に少ない ファームウェアサイズ : S10= 約 2MB, V10L= 約 7MB 容易なファームウェアデータ管理 (FTP/Web サーバーにバイナリを配置するだけ ) 高速なファームウェアアップデート ( アップデート時間は トータル 20 秒程度 ) 図 20 WTOS ファームウェアアップデートの概略 -19-

3.1 WTOS ファームウェアバージョンの確認 WTOS ファームウェアをアップデートする前に WTOS ファームウェアのバージョンを確認します WTOS を起動後 ローカルデスクトップより [ デスクトップ ] [ システム情報 ] をクリックします 図 21 システム情報の確認 システム情報 ダイアログが出力します [ 全般 ] タブをクリックし 内部の情報を調査します ここで システムバージョン をチェックします このシステムバージョンが WTOS のバージョン番号となります Wyse Thin OS は ファームウェアのバージョン番号を確認し ファームウェアのアップグレード ダウングレード等を実行します WNOS.INI ファイルのパラメータ autoload= 設定により ファームウェアのアップグレード ダウングレード 禁止等の操作が可能となります ( 詳しくは 管理者ガイドを参照 ) 図 22 WTOS ファームウェアバージョンの確認 -20-

3.2 WTOS ファームウェアのアップデート設定前節 2. FTP サーバーを用いた集中管理による構成 で設定し WTOS の中央集中管理設定環境が正常に動作していることを確認します WTOS ベースシンクライアントと WTOS 管理サーバーのシステム環境は 図 20 に示すような環境であることを確認し WTOS 管理サーバー (FTP サーバー ) が存在することを確認します WNOS フォルダ上 ( 表 4 FTP サーバー上の主な構成内容 を参照 ) に 入手した WTOS のアップデート用のファームウェアバイナリデータもしくは BIOS データを配置 ( コピー ) します ( 下図参照 ) 図 23 ファームウェアバイナリデータの FTP サーバーへの配置 各システムに対するファームウェア /BIOS のバイナリデータ名を表 6 に示します バイナリデータは 場合によっては異なるファイル名で提供される場合がありますが WTOS ベースのシンクライアントは 常に表 6 に示す名前のファイルを対象としてアップグレードを実施します このため 提供されたファイル名を表 6 に示すファイル名に変更する必要がある場合があります 表 6. ファームウェア /BIOS アップデート シンクライアント端末バイナリ種類ファイル名 S10 WTOS ファームウェア RCA_wnos.jp BIOS バイナリデータ xpress.rom V10L, V10L Dual DVI WTOS ファームウェア VL10_wnos.jp BIOS バイナリデータ VL10_bios.BIN 注意 :WTOS ファームウェアバイナリデータの拡張子.jp は 日本語版ファームウェアを意味します 英語版ファー ムウェアは この拡張子がありません 日本語版 英語版の WTOS シンクライアントに変更したい場合 ファーム ウェアアップデートを試みるシンクライアント端末の言語 / キーボード設定を日本語から英語に変更することで実行 可能です -21-

シンクライアント端末 (Wyse S10/V10L) を起動します シンクライアント起動後に 端末上でファー ムウェア自動アップデートが開始されます ( 下図 ) 図 24 ファームウェアのアップデート ファームウェアのアップデートは トータル約 20 秒程度で完了します 端末が再起動された後 WTOS ローカルデスクトップより システム情報を確認し ファームウェアが正常にアップデートされたことを確認します 図 25 アップデート後のファームウェア確認 補足 : ファームウェアのアップデートは WNOS.INI ファイルの設定無しでも自動的に実行可能です WTOS ファームウェアバイナリデータを WTOS 管理サーバーの WNOS フォルダに配置することで自動アップデートが実行されます これは WTOS のデフォルト設定が ファームウェアアップグレード ダウングレードを許可 (autoload=1) と設定されているためです ファームウェアアップデートの詳細に関しては 時節を参照にします -22-

3.3 アップデートの種類と制御ファームウェアのアップデートの制御 ( アップデート禁止やダウングレード許可など ) は WTOS 管理サーバー上の WNOS.INI ファイル内のパラメータ設定で実現可能です WTOS では デフォルトでファームウェアのアップグレード / ダウングレードの両方が自動的に起動される設定 (autoload=1) となっていますが 表 7 に示すように システムに合わせて様々な設定を wnos.ini 上で実施することが可能です 表 7. ファームウェアアップデート (autoload) 機能設定 Autoload の設定値 設定内容 0 ファームウェアのアップデート機能を無効にします ファームウェアのアップグレード / ダウングレードを有効にします ( デフォルト設 1 定 ) 2 ファームウェアのアップグレードのみを有効にします ファーウェアのアップグレード / ダウングレードを有効にし アップデート前に WTOS ローカルデスクトップ上に [OK]/[ キャンセル ] ボタンを持ったポップア 101 ップメッセージボックスを表示します 完了後 完了メッセージボックスを出力します ファーウェアのアップグレードのみを有効にし [OK]/[ キャンセル ] ボタンを持 102 ったポップアップメッセージボックスを表示します 完了後 完了メッセージボックスを出力します ファーウェアのアップグレード / ダウングレードを有効にし [OK] ボタンのみを 201 持ったポップアップメッセージボックスを表示します 完了後 完了メッセージボックスを出力します ファーウェアのアップグレードのみを有効にし [OK] ボタンのみを持ったポッ 202 プアップメッセージボックスを表示します 完了後 完了メッセージボックスを出力します Autoload=101, 102, 201, 202 の設定を利用することで ファームウェアアップデート時に エンドユーザーに対して警告メッセージを表示させることが可能です これにより 端末電源を投入後に突然ファームウェアがアップデートされてしまうことで エンドユーザーの誤作動などが発生しないようにすることができます 図 26 ファームウェアアップデート前メッセージ (autoload=201, 202) -23-

図 27 ファームウェアアップデート完了後メッセージ (autoload=101, 102, 201, 202) EOF -24-