消費者庁にも苦情相談を行い, 今にも消費者庁が動くであろうこと等を話し, 異議申立人に謝罪及びデータ削除を求めているとのことであった 当初監察部は, 異議申立人に謝罪に応じるよう促したが, 異議申立人が使用しているデータは, 登記事項証明書記載のデータと同一であり 法 を犯していないので謝罪には応じ

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の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

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録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

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諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

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ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

っている以上, 被面接者においてそもそも特別な対応策を採る必要はないといえる ウよって, 本件対象文書の不開示部分は法 5 条 6 号に該当しないといえる (2) 意見書 ( 添付資料省略 ) ア裁判官の場合, 新任判事補志望者カードの全部が開示されている ( 資料 1) ことからすれば, 検事に関

ありどのような証言がなされたのか ( 請求人にとって虚偽と思われる証言が無いか等 ), また産業医が本人の意見を聞かずにどう判断し診療録に記載したのかを知る権利が請求人にはあると考える 3 請求人については, 特定理由等から特定機関等が千葉大学に対して診療録の開示を求める可能性もあり得るが, 千葉大

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

て本学が過去に公表した内容は除く ) 及び 3 当該事故に係る診療科, 機構への報告日その他報告内容に係る情報として事務担当者が加筆したメモ について全部開示を求める 少なくとも患者, 医師の個人情報に係らない部分については開示すべき そもそもこの報告書は同じような事故が起きないようにするために医師

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

問にさらされることはむしろあるべき姿であり, それによって一層公益の増進に資するともいえる 特に, 本件のような面接試験の場合には, 試験結果の開示が, 面接試験以外の事由で受験者を選抜したのではないことを示すといった効果もあり, 面接試験が適正に行われることを確保するに大きく資すると言える したが

おいて開催されていた法の制度運営に関する検討会の報告 ( 平成 17 年 3 月 29 日 ) では, 法の運用に関する改善措置として, 理由付記に関して 特に, 文書不存在を理由とする不開示決定については, 例えば, 請求対象文書をそもそも作成 取得していない, 作成したが保存期間が経過したので廃

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

基づき, 平成 27 年 9 月 29 日付けで, 特定労働基準監督署( 以下 特定署 という ) へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書, 同月 30 日付けで, 特定署に提出された特定事業場の36 協定書 3 年分 に係る開示請求を行った (2) 三重

(1) 農林水産省の事務官である特定個人 Aが職務上作成した行政文書で公にできる行政文書は存在するはずであり, 公開しなければならない ( 諮問第 551 号 ) (2) 本来であれば, 開示できる文書が存在しない, 存否応答しない, 不存在と, 文書の性質によって, 処分内容が異なるはずである 特

り公表されないことが日米両政府間で合意されており, これを公にすることは, 米国との信頼関係が損なわれるおそれがあると認められることから, 法 5 条 3 号に該当するため不開示とする決定 ( 原処分 ) を行った (3) これに対し, 異議申立人は, 国土交通大臣に対して, 原処分の取消しを求めて

(Microsoft Word - 06 \223\232\220\\\217\221\201i\214\210\222\350\201j.doc)

Microsoft Word - 20年度(行情)答申第585号.doc

理の手引 は, 開示の実施においては, 行政文書をありのまま開示する (23 枚目 ) として, 原則として加工はしない ( 同上 ) としている したがって本件対象文書の電磁的記録の開示に当たっては, 当該電磁的記録をそのままのデータ形式で開示すべきである また, 同様な趣旨で本件対象文書の電磁的

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

として本件対象文書にかがみを加えたものを特定した 本件開示請求に対しては, 法 11 条に規定する開示決定等の期限の特例を適用し, まず, 平成 27 年 4 月 20 日付け防官文第 6779 号により, かがみについて開示決定を行った後, 同年 9 月 3 日付け防官文第 号により

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

ターの上司職員に隠匿 ( 隠滅 ) され送付がない為に, 法律に基づいた開示請求により送付をして頂きたいための開示請求であるが, 平成 19 年 10 月 22 日現在, 通帳紛失の郵便貯金 : 総合口座 特定番号 A ( 担保定額定期 : 枝番特定番号 B~Cを含む ):( 口座名義人 ) 開示請

警備の下にあり 仮に本件対象文書が開示されたとしても院内への不法な侵入及び院内での不法な活動は困難であり 犯罪の予防 鎮圧等に支障を及ぼすとは考えられず 合理性を欠いている したがって 本件対象文書は法第 5 条第 4 号には相当せず 規程第 4 条第 3 号に定める事務局不開示情報に該当しないこと

1 審査会の結論平成 30 年 1 月 12 日付けで審査請求人が行政文書公開請求した 深沢地域整備事業に関し J R 東日本の要望 条件 要請 意向等の文書 ( 復命書含む ) 及び前記の記載がある文書 に対して実施機関鎌倉市長が平成 30 年 3 月 12 日付けで行った行政文書一部公開決定処分

ついて その取消しを求めるというものである (2) 異議申立ての理由異議申立人が 異議申立書及び意見書で主張している異議申立ての主な理由は 次のように要約される ア異議申立書における主張異議申立人の配偶者が一方的に有り得ない夫婦間暴力の被害申告 ( 以下 虚偽 DV 被害申告 という ) を 警察署

諮問庁 : 国土交通大臣諮問日 : 平成 30 年 9 月 26 日 ( 平成 30 年 ( 行情 ) 諮問第 424 号 ) 答申日 : 平成 31 年 3 月 29 日 ( 平成 30 年度 ( 行情 ) 答申第 554 号 ) 事件名 : 不動産鑑定士に対する懲戒処分について に係る決裁文書の

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

( 別紙 ) 答申 : 行文第 24 号 諮問 : 行文第 24-1 号 答申第 1 審査会の結論実施機関が行った本件不開示決定処分については適正であったと認める 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求異議申立人は 平成 24 年 5 月 7 日 奈良市長 ( 以下 実施機関 という ) に

第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

エーシーニールセン・コーポレーション株式会社 個人情報保護方針

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

< F2D95F193B98E9197BF D86A D D96B1>

11総法不審第120号

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

第1 審査会の結論

答申第203号(公表用)

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

これを公にした場合には 政府の情勢認識 関心事項 情報収集能力等が明らかとなり 又は推察されると認められる したがって 当該不開示部分を公にすることにより 我が国の安全が害されるおそれ 又は公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき 相当の理由があるとして法 5

個人情報保護規程

ださい との付記があったことから, 処分庁が行政文書の特定を容易にできるよう, 審査請求人において法人設立時に提出されたものと思われる行政文書の名称を列記して記載したところである 本件請求を受けて, 処分庁は, 補正を要する事項があるとして, 平成 27 年 11 月 17 日付け特定記号第 136

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11総法不審第120号

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

文書の探索が不十分であるか, または, 対象文書を情報公開の適用除外か解釈上の不存在と判断することが違法である 本件不開示情報は, いずれも, 法 5 条各号に該当しないか, 例え該当したとしても, 開示を定めたただし書き全てに該当する 本件不開示情報は, いずれも, 法 7 条に該当する とくに,

個人情報保護方針

う 9 枚の行政文書 及び開示すべきとされた 別紙に掲げる部分 の全て について, 民事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意関連文書 ( 以下 文書 1 という ) 及び 合意に係る日米合同委員会議事録 ( 以下 文書 2 という ) を特定し, 前者を開示, 後者を不開示とする各決定 ( 原処分

大情審答申第 号

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Taro-答申第64号

情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

H 刑事施設が受刑者の弁護士との信書について検査したことにつき勧告

個人情報の取り扱いに関する規程

処分済み

個人情報の保護に関する規程(案)

横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

ないことから明らかである イ全体設計書が請負業者の承諾もなく変更され 当初の全体設計書とは異なる工事完成後の出来形数値が記載された全体設計書が会計検査時に用いられており 違法がある ウ全体設計書の保存期間は10 年間とされているが 入札に供した全体設計書が廃棄されていることについて違法がある エ低入

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平成25年2月 日

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

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個人情報管理規程

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

個人情報保護規定

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

を原因としたものであるのか, あるいは処分庁の事務又は事業の在り方自体に内在する問題を原因としたものであるのかを精査した上で4 号該当の適否を判断するべきである 後者を原因とした不都合であるとすれば, 開示情報により処分庁の諸活動を国民に説明する責務が全うされるように, 処分庁の事務又は事業の在り方

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答申第693号

第 1 審査会の結論 第 2 の 1 に記載した個人情報の請求に対して 第 2 の 2 のとおり福井県知事 ( 以 下 実施機関 という ) が一部決定をしたことは 妥当である 第 2 審査請求に至る経過 1 請求の内容審査請求人は 平成 29 年 3 月 24 日付けで 福井県個人情報保護条例 (

書のみが公開されており, 設計書は事前にも事後にも公開されていない 設計書が公開されていないことにより, 測量業務における加減率 ( 耕地, 村落地, 準市街地, 市街地, 過密市街地等のどれに該当するかによる人員や作業時間 ) が不明であり, また, 測量の変化率の諸条件係数 ( 傾斜区分, 視通

財団法人杉並区スポーツ振興財団個人情報保護規程

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

子ファイルを紙に出力する際に, 当該ファイル形式では保存されている情報が印刷されない場合が起こり得る これと同様に当該ファイル形式を他のファイル形式に変換する場合にも, 変換先のファイル形式に情報が移行しない場合が設定等により技術的に起こり得るのである 本件対象文書が当初のファイル形式を変換して複写

個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

11総法不審第120号

別紙 答申 1 審査会の結論 委託事業者の企画提案書 及び 選考会議の資料 について行われた部分公開の決定は 妥当である 2 異議申立ての趣旨 (1) 異議申立人 ( 以下 申立人 という ) は 神戸市情報公開条例 ( 以下 条例 という ) に基づき 以下の公開請求 ( 以下 本件請求 という

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

11総法不審第120号

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

個人情報保護規程例 本文

発信者情報開示関係WGガイドライン

Transcription:

諮問庁 : 消費者庁長官諮問日 : 平成 25 年 3 月 27 日 ( 平成 25 年 ( 行個 ) 諮問第 42 号 ) 答申日 : 平成 26 年 3 月 3 日 ( 平成 25 年度 ( 行個 ) 答申第 109 号 ) 事件名 : 特定会社が本人について消費者制度課個人情報保護推進室に相談した内容に関する文書の不開示決定 ( 存否応答拒否 ) に関する件 答申書 第 1 審査会の結論消費者庁消費者制度課個人情報保護推進室 ( 以下 個人情報保護推進室 という ) に, 異議申立人について, 特定法人 Aが, 平成 24 年度中に相談した内容に関する一切の保有文書 ( 以下 本件対象保有個人情報 という ) につき, その存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定は, 妥当である 第 2 異議申立人の主張の要旨 1 異議申立ての趣旨行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 ( 以下 法 という )1 2 条 1 項の規定に基づく本件対象保有個人情報の開示請求に対し, 平成 24 年 12 月 21 日付け消制度第 163 号により消費者庁長官 ( 以下 処分庁 という ) が行った不開示決定 ( 以下 原処分 という ) について, その取消しを求める 又は早急に異議申立人が開示請求した趣旨の一切の行政文書の開示を求める 2 異議申立ての理由 (1) 消費者庁に相談したという事実関係について異議申立人の経営する法人の従業員は, 平成 24 年 8 月 24 日 ( 金 ) に特定法人 Aから, 異議申立人が発送したDMが 法 に違反しているのではないかとのクレームの電話を受け取った 明けた平成 24 年 8 月 27 日 ( 月 ) に再び異議申立人の経営する法人の従業員が, 特定法人 Aから, 電話を欲しい旨の伝言を受け取った そこで異議申立人が電話を掛けると, 法 に違反していると断定し, データの削除を求められた そこで異議申立人は, 法 に違反していない旨を説明したが, 特定法人 Aは納得いかない様子であった また逆に, 私 ( 特定個人 A) が, 法 を知らないとでも言うのですか? と言いがかりをつけてくる始末であった そこで異議申立人は, 事実なのでそのように考えて下さって差し支えありませんと返答して会話が終了した その後, 何事もなく平穏に時が過ぎたが, 平成 24 年 10 月頃に, 異議申立人が所属する特定法人 Bの綱紀監察部 ( 以下 監察部 という ) から電話を受け取った それによると, 特定法人 Aは, 特定国 A 公認会計士であることや日本と特定国 Bとの間を往復して忙しいことや異議申立人が 法 を犯しているので 1

消費者庁にも苦情相談を行い, 今にも消費者庁が動くであろうこと等を話し, 異議申立人に謝罪及びデータ削除を求めているとのことであった 当初監察部は, 異議申立人に謝罪に応じるよう促したが, 異議申立人が使用しているデータは, 登記事項証明書記載のデータと同一であり 法 を犯していないので謝罪には応じられない旨を述べると, 監察部の顧問弁護士も実は同意見であるとの回答があった そこで監察部に先日確認したところ, 特定法人 Aに, 謝罪には応じられない旨を回答したとのことである (2) 法 14 条 3 号イ及び法 14 条 7 号非該当性について以上のように, 特定法人 Aは当初から異議申立人及び監察部に対して消費者庁に相談した事実を自ら明らかにすることにより強硬に謝罪を要求しており, 当該保有個人情報の存否に関する情報自体が, 法人の権利その他正当な利益を害するおそれがある情報 ( 法 14 条 3 号イ ) に該当しない 異議申立人は, 監察部が認定したように元々 法 に違反するようなことは行っていない 当初から異議申立人及び監察部に対して消費者庁に相談した事実を自ら明らかにすることにより強硬に謝罪を要求している つまり本件処分を取り消したとしても, 将来における国民一般による相談等を委縮させることにならず法の適正な執行の事務又は事業に一切の支障も生じないため, 当該保有個人情報の存否に関する情報自体が, 国の機関が行う事務又は事業に関する情報であって, 公にすることにより, 当該事務又は事業の性質上, 当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの ( 法 14 条 7 号 ) には該当しない 第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件異議申立てに対する意見 (1) 法 14 条 3 号イについてア異議申立人は, 特定法人 Aが 当初から異議申立人及び監察部に対して消費者庁に相談した事実を自ら明らかにすることにより強硬に謝罪を要求しており, 当該保有個人情報の存否に関する情報自体が, 法人の権利その他正当な利益を害するおそれがある情報 ( 法 14 条 3 号イ ) に該当しない と主張する このような異議申立人が主張する, 相談事実を明らかにした上での謝罪要求の事実の存否については不知ではあるが, いずれにおいても, 本件対象保有個人情報の存否に関する情報は, 当該法人 の権利, その他正当な利益を害するおそれがあるもの に該当する イ行政機関に対する相談等がなされる場合, 個人のプライバシーに関するセンシティブな情報や特定他者への苦情 不満等を含めた様々なやり取りがそこには含まれ得るもので, この種のやり取りが相談等の内容に含まれ得ることは, 相談等の事実の存在から一般的に推測されるものであるゆえ, 行政機関に対し特定の者に係ることを相談等したという事実の存在自体が, およそ他者に公開されるべき性質のものではない それにもかかわらず, 2

このような相談等事実の存否が明らかになってしまうと, 当該相談者の信用が毀損されたり, 円滑な事業遂行が妨げられるなどの権利 正当な利益侵害が生ずるおそれがある 特に, 個人情報の保護に関する法律 ( 以下 個人情報保護法 という ) を所管する個人情報保護推進室には, 法に関する種々様々な相談等が日々寄せられ, その過程において様々なやり取りが行われ得るものであり, 特定法人 Aが, 異議申立人に係ることにつき同室に相談等をした事実の存否を応答することで, 特定法人 Aの権利 正当な利益侵害が生ずるおそれがある ウそして, この理は, 相談事実を明らかにした上での謝罪要求の事実が存在する場合であっても異ならない 事実上紛争が生じている一方当事者たる特定法人 Aが, そのやり取りの中で他方当事者たる異議申立人に相談等の事実の存在を述べることと, 行政機関が公的手続に基づいて相談等の事実の存否を応答するのとでは, 相対的にその重み 確度は大きく異なるものであり, 行政機関が応答した相談等の事実の重み 確度の高さに鑑みると, 応答後における特定法人 Aの権利 正当な利益侵害が生ずるおそれは増大する 異議申立人が, このような確度の高い情報を第三者に伝えてしまうと, 特定法人 Aの信用毀損等のおそれは更に増大することになる それゆえ, 相談事実を明らかにした上での謝罪要求の事実の存在により, 特定法人 Aの権利 正当な利益侵害が払拭されるわけではない エしたがって, 法 14 条 3 号イに関する異議申立人の主張は, 妥当性を欠く (2) 法 14 条 7 号についてア異議申立人は, 異議申立人が法に違反していないこと, 特定法人 Aが当初から処分庁に相談した事実を明らかにして強硬に謝罪を要求していることから, 本件処分を取消したとしても, 将来における国民一般による相談等を委縮させることにならず個人情報保護法の適正な執行の事務又は事業に一切の支障も生じないため, 当該保有個人情報の存否に関する情報自体が, 国の機関が行う事務又は事業に関する情報であって, 公にすることにより, 当該事務又は事業の性質上, 当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの ( 法 14 条 7 号 ) には該当しない と主張する このような異議申立人が主張する, 法違反を行っていない事実及び相談事実を明らかにした上での謝罪要求の事実については不知ではあるが, いずれにおいても, 本件対象情報の存否に関する情報は, 開示することにより, 当該事務又は事業の性質上, 当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの ( 法 14 条 7 号 ) に該当する イ行政機関に対して国民が特定の法人に係る事業活動上の問題を相談等するに際しては, そのような相談等の事実の存在が公になること, 特に相 3

談の対象となっている当該特定の者に対して知られることは, およそ想定されてはいない 相談事実の存否を含め, 相談当事者間限りのやり取りでなければ, 国民は安心して行政機関に相談等することができず, 相談等業務の実質が大きく損なわれることになる それにもかかわらず, 特定の者について行政機関に相談等したという事実の存否が応答されれば, 相談者はおよそそのような事態を想定して相談等していないことに鑑み, 行政機関への国民の信頼が失墜するとともに, 今後の行政機関への相談, 通報, 問合せ等の萎縮を招来しかねず, これに伴い, 情報提供者等の必要な協力等が得られなくなり, 端緒情報等の収集活動が妨げられ, 違法行為の発見, 違法行為情報の収集を困難にするなど, 行政事務の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある 特に, 個人情報保護推進室には種々様々な相談等が日々寄せられており, 事業等分野を所管する各省庁と連携を図ることにより, 行政処分等の端緒となり得るところ, 特定の者に係ることについて処分庁に相談等をしたという事実の存否が応答されるに至っては, 処分庁に対する国民の信頼が失墜するとともに, 今後の同室に対する国民からの相談等が萎縮してしまい, 行政処分等の端緒を得る機会が減退することになりかねない また, 処分庁内の個人情報保護推進室に対する信頼の失墜は, 処分庁そのものに対する不信にも繋がり得るものであり, 処分庁の所掌する行政事務全般に対する行政処分等の端緒を得る機会の減退等をも招来しかねず, 個人情報保護法の適正な執行事務に止まらず, 他の消費者行政事務全般の適正な遂行にも支障を及ぼすおそれがある ウそして, この理は, 法違反を行っていない事実及び相談事実を明らかにした上での謝罪要求の事実が存在する場合であっても異ならない 異議申立人の法違反の事実が無くとも, また, 特定法人 Aが当初から処分庁に相談した事実を明らかにして強硬に謝罪を要求していたとしても, 異議申立人に関することについて処分庁に相談等をしたという事実の存否を処分庁が明らかにすれば, 国民の処分庁に対する相談の萎縮, 処分庁への信頼の失墜等を招くおそれは払拭されない エしたがって, 法 14 条 7 号に関する異議申立人の主張は, 妥当性を欠く 2 結論以上のとおり, 本件異議申立てについては何ら理由がなく, 原処分の正当性を覆すものではない したがって, 本件異議申立てについて棄却することとしたい 第 4 調査審議の経過当審査会は, 本件諮問事件について, 以下のとおり, 調査審議を行った 1 平成 25 年 3 月 27 日諮問の受理 2 同日諮問庁から理由説明書を収受 3 同年 10 月 30 日審議 4 平成 26 年 2 月 27 日審議 4

第 5 審査会の判断の理由 1 存否応答拒否の妥当性について (1) 本件対象保有個人情報について本件対象保有個人情報は, 個人情報保護推進室に, 異議申立人について, 特定法人 Aが, 平成 24 年度中に相談した内容に関する一切の保有文書である 処分庁は, 本件対象保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで, 法 14 条 3 号イ及び7 号に該当する情報を開示することになるとして, 法 1 7 条の規定により, 本件対象保有個人情報の存否を明らかにせず, 不開示とする原処分を行っており, 諮問庁も原処分を妥当としている 一方, 異議申立人は, 原処分は不当であるとしている (2) 法 14 条 7 号該当性についてア諮問庁の説明諮問庁は, 以下のとおり, 説明する 行政機関に対して国民が特定の法人に係る事業活動上の問題を相談等するに際しては, そのような相談等の事実の存在が公になること, 特に相談の対象となっている当該特定の者に対して知られることは, およそ想定されてはいない 相談事実の存否を含め, 相談当事者間限りのやり取りでなければ, 国民は安心して行政機関に相談等することができず, 相談等業務の実質が大きく損なわれることになる それにもかかわらず, 特定の者について行政機関に相談等したという事実の存否が応答されれば, 相談者はおよそそのような事態を想定して相談等していないことに鑑み, 行政機関への国民の信頼が失墜するとともに, 今後の行政機関への相談, 通報, 問合せ等の萎縮を招来しかねず, これに伴い, 情報提供者等の必要な協力等が得られなくなり, 端緒情報等の収集活動が妨げられ, 違法行為の発見, 違法行為情報の収集を困難にするなど, 行政事務の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある 特に, 個人情報保護推進室には種々様々な相談等が日々寄せられており, 事業等分野を所管する各省庁と連携を図ることにより, 行政処分等の端緒となり得るところ, 特定の者に係ることについて処分庁に相談等をしたという事実の存否が応答されるに至っては, 処分庁に対する国民の信頼が失墜するとともに, 今後の同室に対する国民からの相談等が萎縮してしまい, 行政処分等の端緒を得る機会が減退することになりかねない また, 処分庁内の個人情報保護推進室に対する信頼の失墜は, 処分庁そのものに対する不信にも繋がり得るものであり, 処分庁の所掌する行政事務全般に対する行政処分等の端緒を得る機会の減退等をも招来しかねず, 個人情報保護法の適正な執行事務に止まらず, 他の消費者行政事務全般の適正な遂行にも支障を及ぼすおそれがある そして, この理は, 法違反を行っていない事実及び相談事実を明らかにした上での謝罪要求の事実が存在する場合であっても異ならない 異議申立人の法違反の事実が無くとも, また, 特定法人 Aが当初から処 5

分庁に相談した事実を明らかにして強硬に謝罪を要求していたとしても, 異議申立人に関することについて処分庁に相談等をしたという事実の存否を処分庁が明らかにすれば, 国民の処分庁に対する相談の萎縮, 処分庁への信頼の失墜等を招くおそれは払拭されない イ検討処分庁における相談業務の性質, 在り方からすると, 諮問庁の説明は首肯することができ, 相談者は相談内容を公にされることは想定しておらず, 特定の者に係ることについて処分庁に相談等をしたという事実の存否が応答された場合, 処分庁に対する国民の信頼が失墜するとともに, 国民からの相談等が萎縮し, 行政処分等の端緒を得る機会の減退や, 処分庁そのものに対する不信にも繋がる可能性も否定できないものであり, 消費者行政事務全般の適正な遂行にも支障を及ぼすおそれがあるといえ, 本件対象保有個人情報は, 国の機関が行う事務又は事業に関する情報であって, 開示することにより当該事務又は事業の性質上, 当該事業又は事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものと認められる したがって, 本件対象保有個人情報の存否を答えることは, 法 14 条 7 号柱書きに掲げる不開示情報を開示することとなるため, 同条 3 号イについて判断するまでもなく, 法 17 条の規定により, 本件対象保有個人情報の存否を明らかにしないで, 開示請求を拒否すべきものと認められる 2 異議申立人のその他の主張について異議申立人は, その他種々主張するが, いずれも当審査会の上記判断を左右するものではない 3 本件不開示決定の妥当性について以上のことから, 本件対象保有個人情報につき その存否を答えるだけで開示することとなる情報は法 14 条 3 号イ及び同条 7 号に該当するとして, その存否を明らかにしないで開示請求を拒否した決定については, 当該情報は法 1 4 条 7 号柱書きに該当すると認められるので, 同条 3 号イについて判断するまでもなく, 妥当であると判断した ( 第 1 部会 ) 委員大野市太郎, 委員池田陽子, 委員下井康史 6