平成 16 年度 一級実験動物技術師認定試験 ( 一般 ) 各論 ( マウス ラット その他の小動物類 ) 試験時間 :10 時 00 分 ~12 時 00 分 解答は答案用紙の該当欄の を鉛筆で黒く塗りつぶして下さい をはみ出したり塗りつぶし方が不十分にならないよう注意して下さい 平成 16 年 11 月 28 日 ( 社 ) 日本実験動物協会 -1-
各論 : マウス ラット その他の小動物類 それぞれの設問について 該当するものを選び 解答用紙の該当欄の を鉛筆で黒く塗りつぶして下さい 問題 1. マウスの分類について 正しい説明は下記のうちどれか 1) マウスは 哺乳動物綱 げっ歯目 ネズミ科 ハツカネズミ属に属し 学名は Mus musculusである 2) マウスは 哺乳動物綱 げっ歯目 ネズミ科 クマネズミ属に属し 学名は Mus musculus norvegicusである 3) マウスは 哺乳動物綱 げっ歯目 ネズミ科 キヌゲネズミ属に属し 学名は Mus musculus auratusである 4) マウスは 哺乳動物綱 げっ歯目 ネズミ科 スナネズミ属に属し 学名は Mus musculus unguiculatusである 2. マウスの地理的な分布に関する下記の説明のうち 正しいものはどれか 1) アフリカ アメリカおよびオーストラリアに生息する野生マウスはヨーロッパに生息しているdomesticusが人の移動に伴ってそれぞれへ移ったものと理解されている 2) アフリカ アメリカおよびオーストラリアに生息する野生マウスは東南アジアに生息しているdomesticusが人の移動に伴ってそれぞれへ移ったものと理解されている 3) アフリカ アメリカおよびオーストラリアに生息する野生マウスはインドに生息しているdomesticusが人の移動に伴ってそれぞれへ移ったものと理解されている 4) アフリカ アメリカおよびオーストラリアに生息する野生マウスはヨーロッパに生息しているnorvegicusが家畜の移動に伴ってそれぞれへ移ったものと理解されている 3.129 系の起源として正しい説明はどれか 1)Dunnが1928 年にイギリスの愛玩マウス由来の有色系とCastle 由来のチンチラを交配して作出した 2)1921 年にStrongはCold Spring Harborの白色マウスとBaggが維持していた白色マウスとの間で交配を開始した 3) 1928 年から1936 年にかけてFurthはペンシルバニアの動物業者からマウスを入手し 白血病好発系育成のための選抜を行った 4)Baggが1913 年に入手し維持していた白色マウスをもとに 1923 年からMacDowellが近親交配を開始した -2-
4.A 系の特徴として正しい説明はどれか 1) ノックアウトマウス作製のため 複数の細胞株がこの系統から作れられている 2) 肺がんの発生率は20% 3) 普通の飼育環境での繁殖は悪く 無菌 SPF 条件下で改善される 4) 肺腫瘍の発生が32% 白血病が67% である 5. 兎唇が散発的に起こる近交系は下記のうちどれか 1)129 2)A 3)AKR 4)BALB/c 6.C57BL/6 系の特徴として正しい説明はどれか 1) 乳がん (C57BL/6HeJ) の発生が繁殖用雌で少し見られるが 未交配雌ではまれである 2) 放射線照射後の肝がん (hepatoma) 発生率が高くなる 3) 尿細管間質病変 (C57BL/6J) が3~22カ月齢で78% 見られる 4) 心臓への石灰沈着が見られる 7.retinal degeneration( 網膜変性 ) の認められる系統は下記のうちどれか 1)C3H 2)C57BL/6 3)DBA/2 4)DDD/1 8.KK 系の特徴として正しい説明は下記のうちどれか 1) 肥満が原因となり繁殖期間が短い (2~4カ月齢) 2) 雄が近くにいると性周期が3 日周期に誘導される 3) 皮膚病にかかりやすい 4) 腎炎が13カ月齢に出始める 9. 抗核抗体陽性率が生後 20 日目より70% 3カ月齢以降 100% となる系統は下記のうちどれか 1)IVCS 2)KK 3)NC 4)NZB -3-
10.B6C3F 1系の特徴として正しい説明は下記のうちどれか 1) 両親系統の皮膚や組織 腫瘍に拒絶反応を示す 2) 雑種強勢により病気に対する抵抗性が弱くなる 3) ストレスに強く 両親系統に比べてリッターサイズが増す 4)F 1同士の交配によるF 2世代は両系統の遺伝子が固定されるので移植実験に最適である 11.CF1 系の起源として正しい説明は下記のうちどれか 1) ミズーリ州の研究者が使っていたマウスコロニーに由来し Carworth Farms Inc. に導入され 20 世代以上近親交配が行われた後 クローズドコロニーとして増やされた 2)Rockefeller Institute(USA) からCarworth Farms Inc. へ導入されたスイスマウスに由来する 3) 秦佐八郎がドイツから導入したマウスを安東洪次が大連 ( 満州 ) の満鉄衛生研究所で維持し その後伝染病研究所 ( 現在の東京大学医科学研究所 ) の小島三郎に送られたものが起源となる 4)Swiss-Websterを起源とする 12.ICR 系の特徴として正しい説明は下記のうちどれか 1) 自然死した個体の場合 雄の54% 雌の75% に肺の腺がん リンパ性網皮腫瘍 血管腫 肝がんなどが観察される 2) 胎子の奇形発生率は89% で 種類としては口蓋裂 早期開眼が多い 3) H2遺伝子座で多型がない 4) 気が荒いが 発育や繁殖は良好である 13. マウスに関する説明として正しいものはどれか 1) マウスの耳介 指趾 尾部を除いた体表は被毛でおおわれており その毛色は系統ごとに特徴があることから 遺伝的特性の指標として利用される 2) マウスは全ての体表が被毛でおおわれており その毛色は系統ごとに特徴があることから 遺伝的特性の指標として利用される 3) マウスの耳介 指趾 尾部を除いた体表は被毛でおおわれており その毛色は白色が多いので系統ごとに毛色による区別が付けにくく 遺伝的特性の指標として利用することが出来ない 4) マウスでは指趾を除いた体表が被毛でおおわれており その毛色は系統ごとに特徴があることから 遺伝的特性の指標として利用される -4-
14. マウスの皮膚に関する説明として正しいものはどれか 1) マウスの皮膚は汗腺の発達が乏しく 温度調節に十分な配慮が必要である 特に 輸送時における高温暴露や給水不足には注意しなければならない 2) マウスの皮膚は汗腺がよく発達しているので 温度調節の配慮は不要であり 輸送時における高温暴露や給水不足にも十分耐える 3) マウスの皮膚は汗腺の発達が乏しいので 温度調節の配慮は不要であるが 輸送時における高温暴露や給水不足には注意しなければならない 4) マウスの皮膚は汗腺がよく発達しているので 輸送時における高温暴露や給水不足には注意しなければならないが 温度調節の配慮は不要である 15. マウスを解剖する際 麻酔から脱血死までの手順として正しい順序はどれか 1) ケージ内でのマウスの行動や外観の異常の有無を観察した後 全身麻酔薬の投与または吸入麻酔を施し 体表の観察を行う 腹腔を開いて後大静脈からの全採血により マウスを脱血死させる 脱血後 皮膚を正中線上で大きく切開し胸腔まで開いて呼吸と心拍の停止を確認する 2) ケージ内でのマウスの行動や外観の異常の有無を観察した後 局所麻酔薬を投与し 体表の観察を行う 胸腔を開いて心臓からの全採血により マウスを脱血死させる 脱血後 皮膚を正中線上で大きく切開し胸腔まで開いて呼吸と心拍の停止を確認する 3) ケージ内でのマウスの行動や外観の異常の有無を観察した後 全身麻酔薬を投与し 体表の観察を行う 腹腔を開いて前大静脈から全採血し マウスを脱血死させる 脱血後 皮膚を正中線上で大きく切開し胸腔まで開いて呼吸と心拍の停止を確認する 4) ケージ内でのマウスの行動や外観の異常の有無を観察した後 吸入麻酔を施し 体表の観察を行う 腹腔を開いて前大動脈から全採血し マウスを脱血死させる 脱血後 皮膚をU 字状に大きく切開し胸腔まで開いて呼吸と心拍の停止を確認する 16. マウスの包皮腺について正しい説明は下記のうちどれか 1) 包皮腺は雌の膣開口部の上 雄では陰茎のつけ根の皮下にある淡黄色の組織で 雌では陰核腺とも呼ばれる 2) 包皮腺は雌の膣開口部の下 雄では陰茎の先端の皮下にある白色の組織で 雌では陰核腺とも呼ばれる 3) 包皮腺は雌の膣開口部の下 雄では陰茎のつけ根の皮下にある赤褐色の組織で 雌では陰嚢腺とも呼ばれる 4) 包皮腺は雌の膣開口部の上 雄では陰茎の先端の皮下にある灰白色の組織で 雌では陰皮腺とも呼ばれる -5-
17. マウスの腸の説明として正しいものは下記のうちどれか 1 ) 腸管の全長は 体長の約 9 倍である 盲腸の大きさは腸内細菌叢の影響を強く受け 無菌マウスでは顕著に大きい マウスには虫垂がない 2 ) 腸管の全長は 体長の約 20 倍である 盲腸の大きさは腸内細菌叢の影響を強く受け 無菌マウスでは顕著に大きい マウスには虫垂がない 3 ) 腸管の全長は 体長の約 9 倍である 盲腸の大きさは腸内細菌叢の影響を強く受け 無菌マウスでは顕著に小さい マウスには虫垂がない 4 ) 腸管の全長は 体長の約 9 倍である 盲腸の大きさは腸内細菌叢の影響を強く受け 無菌マウスでは顕著に大きい マウスには虫垂がある 18. マウスの卵巣について正しい説明は下記のうちどれか 1) 卵巣は左右 1 対存在し 腹腔背側の腎臓直下に位置する 2) 卵巣は左右 2 対存在し 腹腔背側の腎臓直下に位置する 3) 卵巣は左右 1 対存在し 腹腔腹側の腎臓直下に位置する 4) 卵巣は左右 2 対存在し 腹腔腹側の腎臓直下に位置する 19. マウスの精巣の機能として正しい説明はどれか 1) 精子の形成と雄性ホルモンの産生と分泌を行っている 2) 精子の形成はするが 雄性ホルモンの産生と分泌には関与しない 3) 雄性ホルモンの産生と分泌を行っているが 精子の形成には関与しない 4) 精子の形成と雌性ホルモンの産生と分泌を行っている 20. マウスの精嚢の左右結合部にある赤褐色の腺組織を何というか 1) 前立腺 2) 凝固腺 3) 精巣上体 4) 包皮腺 21. マウスの咽頭部と肺を結ぶ蛇腹状の管を何というか 1) 気管 2) 食道 3) リンパ管 4) 甲状腺 22. マウスにおいて骨髄の採取によく使用される骨は下記のうちどれか 1) 大腿骨 2) 坐骨 3) 脛骨 4) 脊椎骨 -6-
23. マウスの摂餌量と摂水量として正しいものは下記のうちどれか 1) 摂餌量は2.8~7.0g/ 日 摂水量は4.0~7.0ml/ 日である 2) 摂餌量は10.0~14.0g/ 日 摂水量は4.0~7.0ml/ 日である 3) 摂餌量は2.8~7.0g/ 日 摂水量は9.0~17.0ml/ 日である 4) 摂餌量は7.0~10.0g/ 日 摂水量は7.0~10.0ml/ 日である 24. マウスの視覚に関する説明として正しいものは下記のうちどれか 1) 薄暗い場所によく順応するが 強い照明では網膜障害を受けやすい 2) 明るい場所によく順応するが 弱い照明では網膜障害を受けやすい 3) 色の識別能力は劣り 特に黒色の識別は出来ないと言われる 4) げっ歯類では視細胞の錐状体細胞が優位である 25. 下記の説明から類推できるマウスの感染症の病原体はどれか 自然感染はマウスのみで起こる 伝播力は強いが 成熟マウスでは不顕性感染に終始し発症することはほとんどない 発見が遅れることが多く マウスで最も汚染率の高い微生物の1つである 2 週齢頃までの幼若マウスでは下痢を呈して死亡することがある ヌードマウス等の免疫不全マウスが感染した場合には 慢性の消耗性疾患を起こし その発症率 死亡率は高い 1) センダイウイルス 2) マウス肝炎ウイルス 3)Mycoplasma pulmonis 4)Clostridium piliforme 26. マウスの取り扱い上 基本的心構えとして正しいものは下記のうちどれか 1) 動物に接触する際には 必ず素手で触る 2) 動物に対し愛情を持って接してはならない 3) 動物を取扱う際に勇気は不要である 4) 逃亡されないよう注意する 27. マウスの体重測定に関して 正しい説明は下記のうちどれか 1) 体重測定は計測時刻を一定に定める必要がある 2) 体重は日内変動し 午後に重く午前中は軽い傾向がある 3) 日内体重差は20~25gのマウスで5~5.5gぐらいである 4) 体重計の秤量は10g 感量は0.01g 程度のものが適当である -7-
28. マウスの術後管理に関して 正しい説明は下記のうちどれか 1) 術後回復するまで 2 回 / 週の頻度で観察する 2) 創傷感染が疑われる場合でも 実験に支障があるので抗生物質の投与をしてはいけない 3) 実験処置によっては マウスが摂餌 摂水しやすいように飼料や飲水の位置を工夫したり 柔らかい飼料を与えたりすると良い 4 ) 術後回復するまでは どんなことがあってもマウスに摂餌 摂水させてはいけない 29. マウスに経口投与する場合 胃ゾンデの長さの目安は下記のうちどれか 1) 口から胃までの距離の約 1/3の長さとする 2) 口から胃までの距離の約 2/3の長さとする 3) 口から胃までの距離の約 1/2の長さとする 4) 口から胃までの距離の約 3/4の長さとする 30. マウスにおける塩酸ケタミンと塩酸キシラジン混合麻酔について正しい説明は下記のうちどれか 1) 用量は塩酸ケタミン :100mg/kg 塩酸キシラジン:9mg/kgである 2) 用量は塩酸ケタミン :9mg/kg 塩酸キシラジン:100mg/kgである 3) 腹腔内に投与すると 120~180 分の麻酔期が得られる 4) 塩酸ケタミンまたは塩酸キシラジン単独でも充分な麻酔状態が得られる 31. 実験用ラットの起源として正しいものはどれか 1) 実験用ラットの起源は 中央アジアである 2) 実験用ラットの起源は 中央アフリカである 3) 実験用ラットの起源は 北アメリカである 4) 実験用ラットの起源は 南アメリカである 32. ラットに関する下記の説明のうち 正しいものはどれか 1) ラットの血液量は体重 10g 当たり約 6mlである 2) ラットの血液量は体重 100g 当たり約 6mlである 3) ラットの1 日当たりの尿量は体重 10g 当たり約 5.5mlである 4) ラットの末梢神経系は30 対の脊髄神経からなる 33. 野生の雄ノルウェーラットを多くの雌ウィスターラットと交配して得た系統で 毛色は黒色または灰色の頭巾斑を持つ系統は下記のうちどれか 1)Wistar 系 2)Sprague-Dawley 系 3)Long-Evans 系 4)Osborne-Model 系 -8-
34.SHRラットの特性として正しいものは下記のうちどれか 1)SHRは生後 2カ月までにほぼ全例が150mmHg 以上の血圧を示す 2)SHRは高血圧は示すが コレステロール代謝異常やインスリン抵抗性はない 3)SHRは東京大学で繁殖維持されていたクローズドコロニーに由来する 4)SHRの由来となり 最初の交配に使用された雄動物は10 匹である 35. 常染色体劣性遺伝により 尿崩症を呈するラットの系統は下記のうちどれか 1)Zucker fatty rat 2)Brattleboro 3)NAR 4)GEPR 36. ラットやマウスに病原性を示す下記のウイルスと それぞれのウイルスが分類上属している属 ( 科 ) との組み合わせで正しいものはどれか 1) センダイウイルス : コロナウイルス 2)SDAウイルス : コロナウイルス 3)HFRSウイルス : パラミクソウイルス 4) マウス肝炎ウイルス : ブニヤウイルス 37. マイコプラズマ病に関する説明として正しい説明はどれか 1) 肺マイコプラズマ病はM.pulmonisの感染による 2) 肺マイコプラズマ病はM.arthritidisの感染による 3) マイコプラズマ関節炎はM.murisの感染による 4) マイコプラズマ関節炎はM.pulmonisとM.arthritidisの混合感染による 38. ラットのマイコプラズマ関節炎に関する説明として正しいものはどれか 1) 肺マイコプラズマによる化膿性関節炎である 2) 関節炎マイコプラズマによる非化膿性関節炎である 3) 発赤 腫脹は前肢の関節部のみに見られる 4) 周辺部の皮膚は青紫色になり 潰瘍化する 39. ラットの交配について正しい説明は下記のうちどれか 1) 雌は発情期から発情後期にかけて雄を許容する 2) 交配は雄のケージに発情前期の雌を入れ 1 晩同居させる 3 ) 交尾が成立していれば 膣垢像に精子を確認出来るので この日を妊娠 1 日とする 4) 受精は卵管上部の卵管狭部で行われる -9-
40. ラットの子の発育に関する説明として正しいものはどれか 1) 出産当日の新生子の体重は1~2gで毛は生えていないが 触毛は認められる 2) 生後 2~3 日齢で耳介が開き 5~6 日齢で全身が産毛でおおわれ 10 日齢頃には密な被毛でおおわれる 3)15 日齢頃には歯が生えてきて ケージ内を動き回るようになり 捕まえようとすると飛び跳ねる 4)12~13 日齢頃には眼瞼と外耳孔が開くが 固型飼料は摂取出来ず 21 日齢で離乳するまで母乳を飲んでいる 41. シリアンハムスターの特性として正しいものは下記のうちどれか 1) 自然発生奇形が多く 奇形発生因子の解析に有用であると言われる 2) 妊娠 8 日目から36 時間の間に胚が急激に発達することが知られている 3)-5±2 以下に暴露すると冬眠する個体が見られる 4) 正常なハムスターでも頬袋に自然発症の腫瘍が認められる 42. シリアンハムスターの一般的特徴として正しいものはどれか 1) 体長は12.5~15cm 程度で 尾は短く1.7~2.2cm 程度である 2) 成熟した雌では 2~3 対の乳頭がある 3) 成熟した雄の横腹部にはエストロジェン支配下の脇腹腺が認められる 4) 左右の頬の内側から肩甲部後方に頬袋があり 頬袋の粘膜の厚さは約 5mmである 43. シリアンハムスターの泌尿器 生殖器に関する説明として正しいものはどれか 1) 雄の陰茎先端部の左右には陰茎嚢がある 2) 雌の膣先端部の左右には膣嚢がある 3) 雄の陰茎嚢内には刺激臭のある分泌物が貯留している 4) 雌の膣嚢内にある分泌液は無臭である 44. ハムスター類の性成熟と繁殖期間に関する説明として正しいものはどれか 1) シリアンハムスターの性成熟は雌雄ともに生後 3~4 週齢で 体重は雄では85~100g 雌で95~100gである 2) シリアンハムスターでは経済性を考慮した繁殖使用期間は繁殖開始から24カ月 (8 週齢からとして ) であり チャイニーズハムスターでは性成熟後 24~36カ月 (8 産次程度 ) 使用可能である 3) 雄チャイニーズハムスターの性成熟は生後 6カ月齢 体重は35~40gである 4) 雌チャイニーズハムスターの性成熟は生後 4カ月齢 体重は25~30gである -10-
45. ハムスター類の麻酔法について正しい説明はどれか 1) 吸入麻酔剤としてセボフルラン イソフルランが用いられる 2) ハムスター類への気管挿管は比較的容易であり 特殊な器具を必要としない 3) シリアンハムスターでは ケタミン( 200mg/kg i.p. ) とキシラジン( 10mg/kg i.p. ) の混合により十分な外科麻酔が得られる 4) シリアンハムスターでは ケタミン( 20mg/kg i.p. ) とキシラジン( 1mg/kg i.p. ) の混合により十分な外科麻酔が得られる 46. スナネズミの特性として正しい説明は下記のうちどれか 1) スナネズミはおとなしく 人に慣れやすく 取り扱いが容易であるが 妊娠中や幼若期は神経質である 2) 動きは緩慢で 音や人の動きなどに対する反応は鈍感である 3) 前肢で立ち上がり 後肢で食べ物を持って食べることが出来る 4) 乾燥を嫌い 濃縮尿や乾燥糞を排泄し 高湿環境下では動きが活発になる 47. モデル動物としてのスナネズミの特性として正しい説明はどれか 1) 両側の頚動脈の閉塞を行うことで 脳梗塞 脳虚血モデルを作ることが出来る 2) てんかん発作は 急激な環境変化などの刺激で引き起こされることから 発作性てんかん と言われる 3) Helicobacter pyloriにより胃炎 胃潰瘍を実験的に再現できる 4) スナネズミでは高コレステロール食を与えるとコレステロールが心臓に蓄積されやすい 48. スナネズミの生理学的特徴として正しい説明はどれか 1) 聴覚は非常によく発達しており わずかな音にも反応する 2) マウスよりはるかに視覚の発達が悪い 3) 嗅覚の発達も悪く テリトリーの嗅ぎ分けが出来ない 4) 背部中央の皮脂腺による臭いづけを行うという習性を持つ 49. スナネズミの繁殖に関して正しい説明はどれか 1) スナネズミの性周期は規則的で4 日間隔である 2) 繁殖方式は通常雄 1: 雌 4のハーレム方式が用いられる 3) 妊娠期間は24~26 日で初交配は80~100 日齢で行うと良い 4) 後分娩発情はない -11-
50. スナネズミの成長に関して 正しい説明はどれか 1) 出生時の体重はラットに近く6g 程度である 2) 離乳時の体重は18~21gである 3)3カ月齢で雌雄ともに150~160gに達する 4) 体重は離乳後に著しく増加する傾向があり 成長期から成熟期にかけては摂餌量も急激に増加する -12-