ホワイト ペーパー Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションについて 2007 年 1 月 - 1 -
はじめに サブスクリプションとは 一般的に雑誌の定期購読権を指しますが 同様にソフトウェアのサブスクリプションとは ある一定期間でのアップデート ダウンロード サポートなどを提供するサービスを意味します Red Hat Enterprise Linux ならびに Red Hat Enterprise Linux Plus シリーズでは サブスクリプションによるサービスを提供しています 契約を更新することで 製品の信頼性の維持や 適切なソフトウェア管理を継続することが可能です この White Paper では サブスクリプション契約を更新することで提供されるサービス について 事例を取り入れて分かりやすく説明をしています サブスクリプションとは何か? 更新する意味はあるのか? など 疑問を持たれた場合には 本資料をご参考にしてください なお 本資料中の下線がついた用語については 10 ページに解説を記載しております - 2 -
Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプション サブスクリプション ( 購読権 ) Red Hat Enterprise Linux は プログラムに課金はしておりません Red Hat Enterprise Linux に対する 動作保証 サポート ( 問合せ Errata 提供配布の仕掛け サポート期間の保証 ハードウェア アプリケーションの動作確認 バージョンアッププログラムの提供など ) に対し 課金を行っています これを Red Hat 社ではサブスクリプション ( 購読権 ) と呼んでいます サブスクリプションとはご契約年数に応じて 1 年もしくは複数年 Red Hat Enterprise Linux Plus として提供されるサポートサービスのご利用ができる権利です 契約が終了しましたら サポートサービスのご利用ができなくなりますので あらためて契約の更新が必要となります ご利用できる権利は 大きく分けて 以下の 4 つとなります I. Errata の入手 / 自動アップデートの利用 II. テクニカルサポート III. ソフトウェアの入手 IV. 著作権侵害に対する対応 また Red Hat Enterprise Linux Plus 更新のメリットにつきましてもご紹介します - 3 -
Ⅰ. Errata の入手 / 自動アップデートの利用 Ⅰ-Ⅰ. セキュリティ対策 ウイルス対策 情報漏洩対策 クラッキング対策 ファイルやデータの破壊などを行う不正プログラムであるコンピュータウイルスは 自身のシステムを破壊する可能性があるほか 他のシステムを破壊する可能性もあります セキュリティの Errata を適用することにより ウイルス被害の予防をする手助けができます ネットワークに接続されるシステムにおいては 必要不可欠になります 2005 年 4 月に施行される個人情報保護法などにより 顧客情報の取り扱いについては 慎重に管理しなければなりません もし 情報が漏洩するような事態になれば 企業の信頼にも及ぼす影響が大きくなってきています セキュリティ対策を施さない場合に クラッキング手法により情報を改ざんや盗まれる恐れがあります セキュリティのErrata を適用することにより 情報漏洩に対するひとつの予防となります クラッキングの主な被害には システムの乗っ取りや破壊のほか 踏み台として 加害者の立場になる可能性もあります クラッキングは ソフトウェアの脆弱性を利用するものが多いので 予防するには ソフトウェアを最新のものにバージョンアップすること (Errata を適用 ) が必要となります Ⅰ-Ⅱ. バグフィックス バグ ( 不具合 ) の認知アプリケーションとの依存関係の解消アプリケーションのサポート問題の解消 バグフィックスのためにサイト (Bugzilla) を立ち上げて コミュニティへ還元しています バグフィックスの必要性に応じて Errata の提供や次期バージョンでの修正を行います 提供形態がrpm 形式のため インストール時に依存関係を簡単に判断することができます また 自動アップデートでは 依存関係のあるアプリケーションも同時にインストール可能になります それにより システムの管理者の負担を軽減します ソース (.tar など ) にて インストールを行ったアプリケーションの場合は サポート対象外になってしまうため 障害発生時などに自己責任で対応しなければなりませんでした 本サブスクリプションプションで提供されるアプリケーションは 事前に検証を行いサポート対象となるため 障害発生時にサポートを依頼することが出来ます - 4 -
Ⅰ-Ⅲ. アップデート ( 機能強化 ) 限定付きでの使用が可能な機能などが 提供されるErrata を適用することにより 限定が解除されることがあります 性能向上 ( 例 )2002 年 8 月に公開されたftp パッケージのアップデートでは 今まで FTP クライアントにおいてサイズの大きいファイルをサポートしていなかったが このパッケージによりサポートされるようになった 使いやすさの向上 使用できていた機能も使用感を変更して 使いやすくなります それまで なかった機能などを提供されるErrata にアップデートすることにより 使用可能になります 新機能への対応 ( 例 )2003 年 2 月に公開されたkernel パッケージでは Intel E8870 チップセット (64 ビット ) のサポートが追加され 32 ビットPCI カードの正式なサポートも含まれています また 同時にカーネルの最適化も行っています - 5 -
Ⅱ. テクニカルサポート 既存環境に問題が発生したとき新規 再インストールのとき既存環境に機能を追加するとき Errata/Update に起因する問題が発生したとき別ハードウェア環境へインストールするとき 既存のシステムに障害などの問題が発生したときなどに テクニカルサポートの窓口にて障害復旧の手助けをさせていただきます 新規インストールや再インストールが発生したときなどに 設定方法などテクニカルサポートの窓口にて 対応させていただきます Errata で提供されたパッケージについて インストールや設定方法について テクニカルサポートの窓口にて 対応させていただきます Errata で提供されたパッケージについて インストール時に発生した依存関係などの問題についてテクニカルサポートの窓口にて 手助けさせていただきます ハードウェア自体のアップデートなどによりインストールが発生したときなどに 設定方法などテクニカルサポートの窓口にて 対応させていただきます - 6 -
Ⅲ. ソフトウェアの入手 Ⅲ-Ⅰ. 最新版データの入手 インストールの際に Errata の適用の手間削減 四半期に一度 Red Hat Network よりそれまでに提供されたErrata を含むアップデートCD イメージの提供をしています 新規インストールや再インストールなどのときに このCD イメージを使用してインストールいただきますと 一からErrata を適用する手間が省けます セキュリティの標準化への対応 セキュリティポリシーなどを策定している会社では すべてのシステムを最新の状態に保つことを推奨している場合があります バージョン統一などの管理として 提供されるCD イメージを適用することにより アセットマネージメントの手間が削減します Ⅲ-Ⅱ. 旧バージョンの入手 販売終了バージョンの入手 販売を終了したバージョンを Red Hat Network よりCD イメージをダウンロード可能です ( サポート期間内のみ ) 旧バージョン対応アプリケーションの使用 商用アプリケーションなどの新バージョンへの対応は すぐに行っていないのが現状です また 既存のハードウェアでは旧バージョンしかサポートされていないこともあります 上記に示すように 販売終了している旧バーションもダウンロード可能ですので 引き続き商用のアプリケーションや既存のハードウェアをご使用いただけます Ⅲ-Ⅲ. 次期バージョンの入手 ハードウェア / ソフトウェアの早期からの検証新規機能の早期からの検証 IT リソースの確保 / スケジューリング 販売開始前にRed Hat Network より最新版のCD イメージが入手可能です これにより 移行を考える場合にハードウェアやソフトウェアの検証を事前に行うことが出来ます また ISV/IHV においては 自社製品の動作検証を早期に行うことが可能です 上記に示すとおり 最新版のCD イメージが入手可能ですので 新機能を事前に検証することが可能です ( 例 ) 次期バージョンとして提供されるバージョン4 に搭載される ( 予定 ) のSE Linux の機能検証を事前に行うことにより 新規機能の導入を速やかに行うことが出来ます 事前にシステムの概要が分かるため システムに携わるリソースの確保や今後のシステム導入計画などのスケジューリングも早期に開始することが可能です - 7 -
Ⅳ. 著作権侵害に対する対応 Linux にUNIX のソースコードを使用していると米 SCO Group が訴訟した問題が話題になり Linux の利用者にとっても今後の不安要素となっています Red Hat 社では このような不安に対応するべく 著作権の侵害するコードが見つかった場合 問題のないコードと入れ替えて提供することを保証しています これは Open Source Assurance Program という新プロジェクトの一環として Red Hat Enterprise Linux を使う既存および将来の顧客に向けて提供されます Red Hat Enterprise Linux Plus ユーザも対象となします - 8 -
Red Hat Enterprise Linux Plus の優位性 今までにご案内したサブスクリプション契約をする場合 サイオステクノロジーでは以下のメリットをご提供させていただきます 1. 更新価格が新規価格 ( 買い直し ) よりお求めやすい価格にて提供サブスクリプションのサポート契約は 1 年目と同額にて更新することが通常でしたが 弊社が提供するサブスクリプションのサポート契約は 1 年目より10% 安く提供させていただいております 2. 複数年契約が可能新規契約時には1~4 年の契約年数をご用意しております 複数年契約は 単年度契約や更新よりお安くご提供させていただいております また 更新時の手続きなどの煩わしさも解消します 3. 切替えも更新価格と同等にて購入可能弊社のサポートへ切り替えていただく際には 更新と同価格にて提供させていただきます 4. バンドルパックでソリューションをお求めやすい価格にて提供 HDE Linux Controller ProfessionalバンドルやServerProtectバンドルをご用意しております 単体購入より お求めやすい価格にて提供させていただいております 5. Plus の既存ユーザ向けの優待版もお求めやすい価格にて提供 Red Hat Enterprise Linux Plus を既にお持ちの方には 優待版として HDE Controller Professional とServerProtect をお求めやすい価格にて提供しております - 9 -
用語集 ソースコード Errata クラッキング Bugzilla コミュニティ rpm 自動アップデート C や Perl などの言語を用いて 開発したソフトウェアの基礎となるものです そのままでは 使用できないため 使用用件にあった形に変換して使用します ソフトウェアプログラム上の誤りや不具合 (bug) のことをさします ここでは その誤りや不具合を修正するパッチ ( ソフトプログラムの一部 ) を総称しています 違法にコンピュータに進入や改ざんを行う行為をいいます Bug 情報を管理するツールです Red Hat 社では 独自にサイトを公開して バグなどの情報をコミュニティに還元しています 一般的に地域の共同団体などをいいます ここでは Linux に携わる人たちの共同団体などを指します Red Hat Package Manager の略です Red Hat 社によって開発された Linux のパッケージ管理をするツールです 設定した時間等に自動で Errata 情報を確認して 適用するツールです SELinux Security-Enhanced Linux の略です Linux のセキュリティ拡張モジュールです Red Hat Network CD イメージ セキュリティポリシー アセットマネージメント ISV/IHV Errata を Red Hat 社より直接ダウンロードできるシステムです CD-ROM のデータ形式を そのままデータの塊として扱うことができるファイル形式です ISO イメージなどが一般的によく使われています 企業のセキュリティ対策基準になる指針のことをいうことが多いです 最近では 多くの企業でこのポリシーを作成し 実行しています 一般的に 資産の管理や運用を効率的に行うことをいいます ここでは IT 情報資産の管理 運用をさしております Independent Software Vendor と Independent Hardware Vendor の略です 一般的に ISV はソフトウェア会社を指し IHV はハードウェア会社を指します - 10 -
参考 本内容は 筆者の認識による内容に基づいています Linux のライセンス Linux カーネルは GPL (GNU General Public License) という Linux でポピュラーなライセンス形態をとっています GPL(GNU General Public License) とは GPL とは GNU プロジェクトが提唱しているフリーソフトウェアのライセンスを継承するライセンス形態です 主な GPL の内容は ソフトウェアの入手 複製 使用が自由 ソフトウェアの再配布が自由 ソフトウェアの変更 転用の自由 ソフトウェアの改変の自由 ただし 改変後のライセンスは GPL を継承 上記には ソースコードが入手可能であることを前提とする です 詳細は GNU プロジェクトのサイトをご覧下さい 105-0001 東京都港区虎ノ門 4-1-28 TEL:03-6860-5111 FAX:03-6860-5134 E-mail:el-sales@sios.com すべての商品名 サービス名 会社名およびロゴは 各社の商標 または登録商標です 本資料に記載された内容は 予告なく変更されることがあります 本資料に関する問い合わせは 本資料記載の上記までご連絡いただけますようお願いします Copyright 2007 SIOS Technology. Inc All rights reserved. この白書の内容は全て著作権で保護されています www.sios.com 文書番号 :wp200701-1 - 11 -