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INTRODUCTION 各人が被験者となり 脳波の測定を実際に経験することで 測定方法や 得られたデータの評価方 法などを学ぶ METHODS 頭部の皮膚の所定の部位をアルコールでよく拭き ペーストをつけて電極を接着する 電極の位置は国際 10-20 法に従う 増幅器の時定数は 0.3 秒にする 感度は 50µV/5mm チャート速度は 3cm/sec が標準である 50µV の較正電圧を加えてペンが 5mm 動くようにする EXPERIMENTS 1. 基礎律動の記録被験者は仰臥位となり頭部の筋肉を緊張させないようにする 安静な状態でまず閉眼のまま脳波を記録する 被験者がリラックスして無念無想の状態にあるとき 8~13Hz のα 波が現れる α 波の出やすさには個人差がある 被験者のα 波の周波数およびその分布や左右差を観察する 2.α 波の blocking 閉眼でα 波が観測される状態で 測定者が開眼するように合図を送る このタイミングをチャートに記録し さらに数秒後に閉眼させる 開眼 閉眼のタイミングと波形の変化とを対応づけて観察する 同様にα 波を出した状態で 3~5 秒かかる暗算を開始するように測定者が合図を送る そのときの脳波の変化を観察する 3. 賦活実験異常脳波を賦活するための手法を体験する 過呼吸賦活法 ( 毎分 20 回の呼吸を 3~5 分 ) や 閃光刺激賦活法 (10~20Hz 約 10 秒 ) をこころみる 4. 睡眠時の脳波可能なら被験者が睡眠し そのときの脳波を記録してみる RESULTS 1. 基礎律動の記録脳波の記録開始直後には 被験者の筋肉の緊張を示す筋電位のノイズなどによって脳波は乱れたが 被験者が閉眼しリラックスするにつれ脳波の乱れは落ち着き ついには 10Hz 程度の特徴的な形状のα 波が 頭頂部後部 (5,6 チャンネル ) から後頭部 (7,8 チャンネル ) で観察された ( 次項図 1) 2.α 波の blocking 被験者の閉眼時にみられたα 波は 開眼によって見られなくなった また 再び閉眼することによってα 波が再びみられた ( 次項図 1)

図 1 開眼 閉眼時の脳波 被験者が比較的計算が得意であったようで 簡単な暗算 5+6=11 など によるα波の blocking はほとんど観察されず むしろα波が多く観察された しかし やや複雑な暗算 6 8 12=4 の出題時 特に験者が 12 と言った時 に 一箇所だけα波の blocking を観察することがで きた 図 2 図 2 α波の blocking 3 賦活実験 過呼吸賦活法では 特に異常脳波を観察することはできず むしろα波が多く観察された 1 2 チャンネルでは吸息 呼息のリズムに合わせた明らかな筋電位のノイズが観察された 閃光刺激賦活法では 閃光刺激の周波数と一致した異常脳波が 頭頂部後部 5 6 チャンネル から後頭部 7 8 チャンネル に観察された 図 3 4 図 3 閃光刺激賦活法 3Hz 図 4 閃光刺激賦活法 12Hz

4. 睡眠時の脳波 短い実験時間の間では 被験者が完全に睡眠することはなかった しかし 低振幅な徐波や α 波の徐波化 頭頂部 (3,4 チャンネル ) 付近で見られる鋭い瘤波様の波が観察された ( 図 5) 図 5. 睡眠時の脳波 DISCUSSION 1. 基礎律動の記録覚醒時で主として閉眼状態において 後頭部優位にみられる正弦波様の 8~12Hz の脳波律動を α 波と呼ぶ 実験では 被験者が閉眼しリラックスした状態の時に α 波が観察された ( 図 1) 振幅や周波数などに著明な左右差は見られなかった 通常 α 波に左右差は見られないようなので正常な状態だといえる 2.α 波の blocking 何かあるものに注意を集中すると αリズムは消失して 速いリズムのいくぶん不規則な低振幅の電気活動が代わって現れる この現象を αブロックという αブロックはそのほかにどのような感覚刺激でも起こり 計算問題を解くというような精神集中によっても起こる 開眼によるαブロックは 開眼によって生じる視覚刺激が後頭部にある視覚野に入り 後頭部のα 波をブロックしていることによると考えられる 暗算によるαブロックは 暗算などの精神活動によりα 波がブロックされβ 波に置き換わる 実験では暗算時にβ 波はみられず α 波がみられた これは被験者が比較的暗算が得意であったことや 暗算が簡単なものであることを確認してリラックスしたためと考えられる 3. 賦活実験過呼吸賦活法では 呼吸性アルカロシースにより脳血管が収縮し 徐波化 (build up) が起こる 徐波化しても大体 1 分以内に元の背景活動に戻り 遷延するときは 脳機能低下があると考えられている 今回の実験ではこの徐波化を観察することはできなかった 吸息 呼息のリズムをもっと速くする事で徐波化の結果を得ることができたかもしれないが 被験者の負担が大きいので慎重に行うべき検査方法である

閃光刺激賦活法では 光駆動 (photic driving) が起こる 視覚誘発反応であり 刺激頻度と同じか その倍あるいは 3 倍の反応がみられる 脳の一側で光駆動が欠如する場合は その半球の機能異常が示唆される 今回の実験では 閃光刺激の周波数とほとんど一致した脳波が観察された 頭頂部後部 (5,6 チャンネル ) から後頭部 (7,8 チャンネル ) で光駆動が観察されるのは 脳の後部に視覚野が存在することによると考えられる 4. 睡眠時の脳波睡眠の時期を脳波で判断されるその深度に従って 4 段階に分ける Stage1 はうとうとしている状態で 低振幅の序波が増えてきて それに時々頭頂部を中心に瘤波 hump と呼ばれる鋭波が混じる Stage2 は浅い睡眠相で あまり振幅の高くない徐波が連続するようになり それに 12~14Hz の紡錘波が混じったり K-complex といわれる群発波が現れたりする Stage3~4 は深い睡眠相で 高振幅徐波 (δ 波 ) が現れる Stage REM のときは覚醒時に似た低振幅の脳波になるが 覚醒時とは筋電図が消失することで区別できる また 眼球電図も特徴的な眼球運動を示す 今回の実験では 実験時間が短かったことや 被験者が完全なリラックス状態になれなかったことなどからか 被験者が完全に睡眠することはなかった しかし 低振幅な徐波や α 波の徐波化 頭頂部 (3,4 チャンネル ) 付近で見られる比較的に鋭い瘤波様の波が観察され 睡眠の Stage1 の初期段階には達していたと考えられ 実験時間を延長することで睡眠時の脳波を得ることができた可能性がある

Q1: 筋肉を緊張させてはいけないのはなぜか? 筋肉を緊張させると 振れ幅が大きく周期も短い筋電位がノイズとして混入してしまい 正確な脳波を測定することができなくなってしまうから 今回の実験では被験者が奥歯を噛むことで明らかな筋電位によるノイズの混入を観察した また閉眼 開眼の実験でも 眼のすぐ上の 1 番 2 番のチャンネルはまぶたの筋肉の筋電位によるノイズの混入が現れている D1:α 波の周波数はいくらか? 脳波の成分は周波数によって遅い波からδ 波 (4Hz 以下 ) θ 波 (4~8Hz) α 波 (8~ 13Hz) β 波 (13Hz 以上 ) に分けられる 一般に 大脳が盛んに活動しているときは低振幅速波 (β 波成分が中心 ) 活動が低下しているときは高振幅徐波 (δ 波成分が強く混在 ) がみられるが 安静状態で眼を閉じているときには後頭部を中心にα 波が持続し これは開眼や暗算などの脳活動によって低振幅速波に置き換えられる (α-blocking) D2:α 波の分布に特徴は見られたか? 左右差は? 実験では α 波は主に頭頂部後部 (5,6 チャンネル ) から後頭部 (7,8 チャンネル ) に観察された また 明らかな左右差は見られなかった α 波は 振幅や周波数などに通常 著明な左右差はないとされる REFERENCES 九州大学大学院医学研究院脳神経病研究施設臨床神経生理学教室 ; 脳波判読のポイント http://www.med.kyushu-u.ac.jp/neurophy/ 香山雪彦: 大脳皮質活動とその調節 標準生理学第 5 版 p426-436 株式会社医学書院 東京 2003 中村嘉男: 覚醒機構 睡眠および脳の電気的活動 医科生理学展望原書 18 版 p198-207 株式会社丸善 東京 1998 南山堂医学大辞典第 18 版 : 鈴木肇 株式会社南山堂 東京 1998 最新医学大辞典第 2 版 : 後藤稠 株式会社医歯薬出版 東京 1997