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自己紹介 経歴 入社当時は 金融端末のソフトウェア開発に従事 2000 年頃より Linux/OSS のビジネス開発を担当 2012 年より オープンソース技術開発センタセンタ長 現在の業務 OSS を活用するビジネスのための支援 新しい技術 /OSS の発掘 評価検証 ビジネス ソリューションの立ち上げ支援 現在特にフォーカスしている領域 クラウド 業務バッチ処理基盤 クラウドの運用自動化 (CloudStack, OpenStack, ) 仮想デスクトップ (VERDE, RHEV-D, ) 既存 COBOL 資産の活用 (OpenCOBOL) 業務バッチ処理の高速化 (Asakusa Framework) 社外活動 OSS コンソーシアム副会長兼クラウド部会リーダ オープンソースビジネス推進協議会 (OBCI) 理事 ( セミナー担当 ) Linux Foundation SI Forum リーダ他 1

目次 1. オープンソース (OSS) とは? 2. オープンソースの状況 3. オープンソースライセンス 4. オープンソース導入時のポイント 2

1. オープンソース (OSS) とは? 3

1-2 オープンソースの定義 OSI( 1) が定めるオープンソースの定義 1 Open Source Intiative( オープンソース文化の啓蒙を目的に設立された国際 NPO 法人 ) 1. 自由な再頒布が出来ること 2. ソースコードを入手できること 3. 派生物が存在でき 派生物に同じライセンスを適用できること 4. 差分情報の配布を認める場合には 同一性の保持を要求してもかまわない 5. 個人やグループを差別しないこと 6. 適用領域に対する差別をしないこと 7. 再配布において追加ライセンスを必要としないこと 8. 特定製品に依存しないこと 9. 同じ媒体で配布される他のソフトウェアを制限しないこと 10. 技術的な中立を保っていること ポイント オープンソース 著作権を放棄されたソフトウェア ソースコードがインターネット等で公開されている 再配布の自由と改変の自由がある 4 4

1-3 オープンソースの目的 なぜ ソースコードを公開するのか? ソースコードを公開し 世界中の技術者が同じソフトウェアの開発に取り組むことで 機能 品質を継続的に向上していくことができる 機能向上 オープンソース 品質向上 改良 公開 世界中の開発者達 フィードバック 世界中の利用者達 5 ポイント オープンソースの目的はソフトウェアの機能 品質の向上 5

1-4 オープンソース関連組織 団体の全体像 (1) 関連組織 団体の全体像 開発コミュニティ アプリケーションソフトウェア (Apache などの OSS) GNU ソフトライブラリコマンド Linux カーネルドライバ ISV 日本語フォント / オフィススイート等の商用ソフトウェア ディストリビュータ インストーラ 他 ディストリビューション PF ベンダ ハードウェア 動作確認済みマシン 非 Linux マシン 業務アプリ SIer 構築システム ユーザ 6 運用管理ソフト等の商用ソフトウェア 動作確認済み商用ソフトウェア 統合ベンダ ( 出典 : 日本 OSS 推進フォーラム オープンソースソフトウェアが開発コミュニティからユーザに届くまでの仕組み より 6

1-4 オープンソース関連組織 団体の全体像 (2) 開発コミュニティ以外によるサポート提供形態 ユーザ 1 2 3 4 SIer PF ベンダ ディストリビュータ 5 総合ベンダ 開発コミュニティ / 開発企業 作業役割 ( 例 ) 1 2 3 4 5 ディストリビューションの作成 ターゲットマシンへのインストール ターゲットマシンでの動作確認 様々な機器やソフトウェアを利用したシステムの提案 システム構築 評価 運用時の問題切り分け等 ユーザ ディストリビュータ ディストリビュータ ユーザ ユーザ PFベンダ ( ディストリ ビュータ ) ディストリビュータ PF ベンダ (SIer) ユーザ ユーザ ユーザ PFベンダ (SIer) ディストリビュータ 総合ベンダ 総合ベンダ ユーザユーザユーザ SIer 総合ベンダ ユーザユーザユーザ SIer 総合ベンダ ユーザ ユーザ ユーザ SIer ( ユーザ ) 総合ベンダ ( ユーザ ) ( 出典 : 日本 OSS 推進フォーラム オープンソースソフトウェアが開発コミュニティからユーザに届くまでの仕組み より 7 ポイント ユーザが自己責任の範囲を選択することが可能 7

1-5 コミュニティとは? オープンソース コミュニティ 一般的な コミュニティ は 共同体 集団 地域社会 特定のオープンソース ソフトウェアの開発や普及活動を行うことを目的とした 人々の集まり 開発コミュニティ オープンソースを開発するコミュニティ ( 例 )Seasar プロジェクト Ruby 開発コミュニティ 企業がコミュニティを主導する場合もある ( 例 )MySQL(Oracle) JBoss(RedHat) ユーザーコミュニティ オープンソースを利用するにあたり 情報交換を行ったり 日本語ドキュメントの作成を行ったりするコミュニティ ( 例 ) 日本 JBoss ユーザ グループ 日本 MySQL ユーザ会 日本 PostgreSQL ユーザ会 日本 JasperServer ユーザ会 8 8

1-6 オープンソースは大丈夫? オープンソースの 3 つ (+1) の誤解 オープンソースは品質が悪い? 誤解です むしろ 商用製品よりも品質が高いケースもあります 大規模システムへの導入実績も豊富です オープンソースは実は高い? 誤解です 利用ノウハウがない場合は 有償サポートサービスを活用することで リスクを低減しつつ 確実にソフトウェアコストを削減できます オープンソースを扱えるエンジニアがいない? 誤解です 商用製品を扱えるエンジニアであれば オープンソースも簡単に扱えます ソースコードレベルのサポートは 有償サポートサービスのご利用をお勧めします オープンソースは自己責任? 様々な有償サポートサービスがあります 有効に活用しましょう! 9 9

2. オープンソースの状況 10

2-1 国内市場動向 国内ソフトウェア市場動向 2010 年の国内ソフトウェア市場は 2 兆 1,337 億 2,300 万円 売上額 1 位はマイクロソフト ( シェア 18.3%) 2 位は富士通 (10.0%) IBM と日立が同率 3 位 (6.9%) 2011 年の国内ソフトウェア市場は 2 兆 1,235 億 800 万円 前年比成長率マイナス 0.5% 2011 年 5 月時点の予測から 7.6 ポイント上方修正 公共 / 教育向けやメインフレーム向けで震災の影響を強く受けるも 事業継続面からのインフラ補強や企業のグローバル対応の加速が成長材料 2010 年 ~2015 年の年平均成長率は2.5% 2015 年市場規模は2 兆 4,168 億 9,700 万円と予測 2013 年には2008 年時ピークの2 兆 2,572 億 8,000 万円を超える見込み 出典 :IDC 国内ソフトウェア市場動向および予測 国内オープンソースソフトウェア利用実態 ユーザー企業におけるオープンソースソフトウェア (OSS) の最大メリットはコスト削減 ソリューションプロバイダーの 30% 以上は OSS プロジェクトが増加傾向 OSS の使用実績の多さが IT ビジネス売上高の増加に繋がっている サポートに対する懸念やエンジニア不足の課題を業界挙げて解決していくことが必要 出典 :IDC 国内オープンソースソフトウェア利用実態調査結果 11

2-2 OSS 導入実績調査 (1) Linux Foundation SI Forum が実施した 2011 年度オープンソースソフトウェア導入実績調査から 1 調査概要 調査期間 :2012/3 ~ 2012/4 調査対象期間 :2011 年度 (2011/4~2012/3) 参加企業 (8 社 ) : 株式会社日立製作所 ( 日立 Gr は 日立で纏めて回答 ) 株式会社アシスト 日本電気株式会社 /NEC ソフト株式会社 日本電信電話株式会社 / 株式会社 NTT データ デル株式会社 東芝ソリューション株式会社 日本ヒューレット パッカード株式会社 富士通株式会社 / 株式会社 PFU 12

2-2 OSS 導入実績調査 (2) 分野結果 OS / Distribution 仮想化 / クラウド DB 関連ツール 調査結果 全体概況 クラウド / 仮想化 / ビッグデータ関連 OSS の導入実績が急速に進んでいる 本年度 検証実績がある CloudForms CloudFoundry などは来年は導入実績が予想される Android Debian Ubuntu などが導入され OS 利用の多様化が進行 導入実績多数 : CentOS, Fedora, Android, Debian, Ubuntu 等 導入実績あり : LKST, opensuse, Vine Linux クラウドビジネス との融合により 大規模な仮想化環境の導入が必要 クラウドインフラの費用を圧縮するため OSS のツールへの移行が進展 導入実績多数 : KVM, Xen, OpenStack 導入実績あり : ovirt, VirtualBox, CloudStack, QEMU 等 昨今のクラウド ビッグデータビジネスの影響を色濃く反映 Hadoop の導入実績の増加に合わせ 関連ツール類も増加 導入実績多数 : PostgreSQL MySQL 導入実績あり : CDH memcached 13

2-2 OSS 導入実績調査 (3) 最も積極的に投資が進む分野で OSS の活用が活発 クラウド ビッグデータ 分野 OSSツール 導入実績社数 クラウド OpenStack 3 CloudStack 2 Eucalyptus 3 ビッグデータ Apache Hadoop 4 Apache Hbase 5 IT のトレンドは OSS が主導し ベンダが追従する 14

(*) 代表的な OSS の一覧 代表的なOSSの一覧カテゴリ OS 仮想化ネットワークセキュリティファイルサーバ運用 管理開発 テスト DB 関連ツール Web APサーバ Desktop OSS Linux FedoraCore CentOS Android opensuse Debian KVM Xen DHCP Asterisk OpenSSH OpenSSL Squid BIND FreeRADIUS OpenSSH OpenSSL Samba NFS WebDAV Samba SWAT Hinemos MRTG OpenLDAP OpenSSO Zabbix Hibernate Perl PHP RubyStruts exo Platform Apache DB OpenOLAP MySQLPostgreSQL Apache Jboss Tomcat zimbra exo Platform Firefox openoffice.org Thunderbird OSS はたくさんの種類があり 上記は代表的な OSS の一部 Linux の普及促進団体である The Linux Foudation が 安心して活用できるオープンソースソフトウェアとして 現時点で選別しているものだけでも約 400 種類存在 15

(*)2008 年 ~2010 年まで継続的に使われているOSS Apache Ant Python Dbunit PukiWiki Apatche Samba Eclipse WTP qmail BIND Squid fml qpopper CentOS Apache Struts GanttProject RRDTool CVS Subversion gimp Seasar (S2DAO) Eclipse Apache Tomcat Hibernate Selenium FedoraCore Trac Apache Jakarta sendmail Firefox vsftpd Apache Log4J SQLite Apache JMeter Xen MRTG swatch MySQL rsync MySQL Thunderbird Administrator OpenLDAP ab (apachebench) Nagios Tortoise SVN OpenSSH analog Namazu Ubuntu OpenSSL Apache XML NET-SNMP Ultra Monkey Perl bonnie Openoffice.org VNC PHP Bugzilla OpenOLAP webmin Postfix CACTI OpenPNE WIRESHARK PostgreSQL Courier-IMAP pgadmin III Xoops 企業が中心となって支援している OSS 団体が中心となっている支援している OSS 16

2-3 オープンソースの利用状況 各業界の トップ企業グループ での利用状況 業種大手銀行 地銀 信用金庫大手証券会社大手自動車メーカー大手自動車部品メーカー大手電子機器メーカー大手家電メーカー大手化学メーカー通信会社電力会社 電力会社グループ企業大手流通業大手商社大手メディア企業大手システムインテグレーター 利用しているオープンソース Tomcat / JBoss 他 JBoss / MySQL 他 PostgreSQL 他 Apache / Tomcat / JBoss / OpenAM / Liferay 他 Tomcat / JBoss / MySQL / OpenAM / Liferay 他 Tomcat / Subversion / OpenAM 他 Tomcat / PostgreSQL 他 Tomcat / JBoss / OpenLDAP 他 JBoss / PostgreSQL / OpenAM / Liferay 他 Apace / JBoss / Liferay 他 JBoss / MySQL 他 JBoss / MySQL 他各種 OSS 事例多数 17 (OBCI オープンソースカンファレンス 2013 Tokyo/Spring OSS 超 入門 )

2-4 オープンソースの適用状況 OS からミドルウェア 業務アプリケーションの領域へ アプリケーション領域 CRM SugarCRM ERP Compiere / ERP5 オフィススイート シングルサインオン OpenSSO ポータル Liferay Bi Jaspersoft OpenOffice ミドルウェア領域 アプリケーションサーバー Tomcat / JBossAS データベース MySQL / PostgreSQL Web サーバー Apache スマートフォン用プラットフォーム Android オペレーティングシステム オペレーティングシステム Linux 情報家電向け Linux サーバ領域 端末領域 18 (OBCI オープンソースカンファレンス 2013 Tokyo/Spring OSS 超 入門 )

3. オープンソースライセンス 19

3-1 オープンソースライセンスの重要キーワード (2) コピーレフト Copyright - all rights reserved - Copyleft - all rights reversed - FSF(Free Software Foundation, Inc.) の Richard Stallman 氏が提唱 プログラム ( もしくはその他の著作物 ) を自由とし 加えてそのプログラムの改変ないし拡張されたバージョンもすべて自由であることを要求するための 一般的な手法の一つ オープンソースを入手した者が それを再頒布したり 改変したりできる自由を保証するもの ポイント コピーレフトとは すべてのソフトウェアは誰でも自由に利用 再配布 改変できるべきであるという考え方 20

3-2 オープンソースライセンスの類型 (1) オープンソースライセンスの類型 ( ソースコード公開条件とライセンス波及度合いの観点から分類 ) コピーレフト型 GPL(GNU General Public License) 類型 コピーレフト性の最も強いライセンス 改変部分のソースコード公開が必要 ライセンス条件の伝播があり オープンソースと組み合わせたオープンソース以外のソースコード公開の義務がある 準コピーレフト型 MPL(Mozilla Public License) 類型 改変部分のソースコード公開が必須 ライセンス条件の伝播なし 準拠法 裁判管轄 特許権への対応が明示されており法的解釈が明確 非コピーレフト型 BSD ライセンス類型 ソースコードの開示義務がないため 利用者にとっては都合が良い 商用ソフトウェアへの組込みが可能 21

3-2 オープンソースライセンスの類型 (2) 代表的なオープンソースライセンス ライセンス類型代表的なライセンス特徴 コピーレフト型 (GPL 類型 ) 準コピーレフト型 (MPL 類型 ) 非コピーレフト型 (BSD ライセンス類型 ) GPL (GNU General Public License) AGPL (GNU Affero General Public License) European Union Public License LGPL (GNU Lesser General Public License) MPL (Mozilla Public License) Common Development and Distribution License Apple Public Source License Eclipse Public License Common Public License BSD License MIT License ZPL (Zope Public License) V2.0 Apache License Artistic License (Perl License) コピーレフト ソースコード公開義務 ( 組合わせたコードにも伝播 ) 企業開発のオブジェクトコードを企業独自のライセンスで頒布 ソースコード公開義務 最も制約が弱く 開発したソフトウェアの権利が守れない ソースコード公開の義務なし 22 ( 出典 :< 日本 OSS 推進フォーラムビジネス推進 WG 監修 > ビジネスユースにおけるオープンソースソフトウェアの法的リスクに関する調査 )

3-2 オープンソースライセンスの類型 (3) オープンソースライセンス類型の比較 オープンソース ライセンス類型 GPL 類型 MPL 類型 BSD ライセンス類型 フリーウェア (*)/ シェアウェア 複製 再頒布可能 改変可能 改変部分のソース公開要 他のコードと組合せた場合 他のコードのソース公開要 - - 商用ソフト - - ( 出典 :< 日本 OSS 推進フォーラムビジネス推進 WG 監修 > ビジネスユースにおけるオープンソースソフトウェアの法的リスクに関する調査 ) ポイント 利用 改造 再配布の方法などがライセンスにより異なる 23

3-2 オープンソースライセンスの類型 (4) オープンソース利用状況 1.81% 1.13% 6.86% GNU General Public License (GPL) 2.0 2.41% 4.96% Artistic License (Perl) MIT License GNU Lesser General Public License (LGPL) 2.1 6.25% 6.77% 7.97% 8.22% 8.50% 45.12% GNU General Public License (GPL) 3.0 BSD License 2.0 Apache License 2.0 Code Project Open 1.02 License Microsoft Public License (Ms-PL) Mozilla Public License (MPL) 1.1 Others 24 ( 出典 : Black Duck Software. Open Source License Data

4. オープンソース導入時のポイント 25

4-1 開発工程ごとのポイント (1) オープンソース利用のデメリット 緊急時の技術サポートが受けられない オープンソースに詳しい技術者が少ない OSS 導入時のポイントを考慮した選定 OSS 選定ガイドラインの参照 システム構成 ライセンス 性能 品質 etc オープンソース利用のメリット 調達コストの低減 開発効率向上 ベンダロックインの回避 ポイント ポイントを考慮して選定することで デメリットを抑えられる 26

4-1 開発工程ごとのポイント (2) システム要件の定義 ハードウェアソフトウェアの選定 基本設計 詳細設計 構築 OSS 製品選定 / 評価 システム構成 ( ) ライセンス ( ) 性能 品質 ( ) ライフサイクル ( ) 情報量 ( ) 保守性 ( ) 設計 導入 正しい設計 設定 テスト テストの粒度の調整 ( ) 27 テスト 運用 保守時の情報収集 コミュニティのチェック ( ) サポート ( ) OSS 特有の選定ポイントを含む箇所

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (1) (1) システム構成 複数の OSS 製品を組み合わせる場合 バージョン依存の問題が発生し得る Apache HTTP Server (Web サーバ ) ロジック Struts (P 層フレームワーク ) Tomcat (Servlet コンテナ ) MySQL Connector/J (Database コネクタ ) MySQL (Database) Apache Commons( ユーティリティ ) J2EE J2SE : コンポーネントのバージョンによって問題が発生し得る箇所 28 ポイント OSS 内で利用されているコンポーネントのバージョンを調査し バージョン依存の問題が発生しないコンポーネントを選定する

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (2) (2) 性能 品質 OSS を利用して 十分な性能が出るか検証が必要 オープンソース = OK! 性能十分 オープンソース + = NG 性能不足 バグやセキュリティ脆弱性の発生頻度と修正状況 安定して動作するバージョンを調査する 異常処理には注意 負荷テストは必須 評価情報の有効利用 ポイント 従来の製品選定と同様に 単体で十分な性能が出るか 前提ソフトウェアと組合わせて十分な性能が出るか 検証する 29

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (3) (3) ライフサイクルシステム全体のライフサイクル 運用中のシステムで利用しているOSSの開発が停止する可能性があるそのため どれくらいの期間システムが利用されるのか顧客要望を聞く 1~2 年間しか利用されないシステム OSS コミュニティ アップデート修正パッチ OSS 保守担当 コミュニティ活動が活発 情報が豊富 Q&A の反応が早い 不具合の修正が早い 5 年間以上利用されるシステム OSS コミュニティ活動が停止 バグ修正のコスト増 バグ修正が不可能 30 OSS コミュニティ EOL(OSS 寿命 ) 保守担当 * EOL:End Of Lifecycle

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (3) OSS のライフサイクル OSSでは 新機能の追加やUI 変更の際にメジャーバージョンアップを行うその際 前バージョンの開発は一定期間で終了することが多いため注意が必要である OSSのライフサイクルの一例 旧バージョン メジャーバージョンのリリース直後 安定期 EOL 後 リリース EOL 次期バージョン 31 * ライフサイクルポリシーはOSSそれぞれで異なるため 確認する OSSのライフサイクルは主に次の3つに分けられる メジャーバージョンのリリース直後 安定期 EOL 後

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (3) ライフサイクルの時期ごとのリスク メジャーバージョンのリリース直後 新たな機能の追加を目的とした大きなバージョンアップの直後の状態 旧バージョン メジャーバージョンのリリース直後 安定期 EOL 後 リリース EOL 次期バージョン 問題点 機能追加や再実装の際に入り込んだ不具合が残っている UI の変更により 求めている機能がどこにあるか分からない API や実装の変更により 旧システムとの連携に失敗する メジャーバージョンリリース直後の OSS の利用は避ける 32

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (3) 安定期 実装が安定し 不具合があまり発生しなくなった状態 旧バージョン メジャーバージョンのリリース直後 安定期 EOL 後 リリース EOL 次期バージョン 33 メリット 前提ソフトウェアとの連携で発生する不具合が少なくなる インターネット上の情報や技術書が出回り 学習が容易になる マイナーバージョンを見直すことが少なくなる 利用時のリスクが少ない

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (3) EOL 後 次期バージョンの開発が活発化し 現行バージョンのリリースが打ち切られた後の状態 旧バージョン メジャーバージョンのリリース直後 安定期 EOL 後 リリース EOL 次期バージョン 問題点 不具合や脆弱性が見つかった場合でも対応されない EOL を過ぎた OSS を利用する場合は 対策が必要 34

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (4) (4) 情報量 OSS ごとに情報量に格差があるため 学習コストを考慮する必要がある 実績のある製品 実績のある OSS( 有償サポート契約済み ) 学習コストは低い 製品マニュアル 技術サポート窓口を備えている 35 実績のある OSS( サポートなし ) 学習コストは比較的低い インターネット上の情報 日本語の解説書が豊富にある 利用経験のある社内の部署とノウハウを共有できる 実績のない OSS 学習コストは高いため OSS に詳しい人がいない場合は利用を避ける 英語のドキュメントしか公開されていない ソースコードを読まないと仕様が分からない 技術的な問い合わせ先がない

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (4) 問題解決ソースの確保 システム構築 運用に必要な手順 1 インストール手順 2 各種環境を構築するための手順 3 サービスなどの起動 / 停止手順 4 ライブラリ /API のリファレンス 5 Q&A 情報の主な提供元 コミュニティの Web サイト メーリングリスト ニュースグループ等 システムの安定稼動に関わる情報 1 バグ / セキュリティ関連情報 サポート情報 2 リリース情報 3 開発者向け情報 4 更新履歴 ( 修正内容の明記も含む ) 36

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (4) OSS コミュニティが公開する情報 OSS コミュニティが公開している情報 ( バグ セキュリティ脆弱性の発生状況と修正状況 ) を参照することで OSS の品質の判断基準にできる 37 ポイント OSS の品質の判断基準の 1 つとして オープンソースコミュニティが公開している情報を利用できる

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (5) (5) 保守性 OSS に詳しい開発者がいない場合 OSS として公開されている製品 や 有償サポート契約 の利用も検討する OSS として公開されている製品を利用する場合 OSS として公開されている製品を利用する ex. Red Hat Enterprise Linux 第三者 OSS として公開 パッケージ購入 アップデート 物理媒体 マニュアル Q&A 対応 パッチ OSS 開発元 バグ情報 技術的な質問 保守担当 38 メリット OSS の品質は開発元が保証する 開発元にバグ情報を提供することで パッチを入手できる マニュアルなどの技術情報が豊富である

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (5) 有償サポート契約を結ぶ場合 有償サポートサービスを提供するベンダとサポート契約を結ぶ 有償サポート契約 パッチ Q&A 対応 OSS ベンダ バグ情報 技術的な質問 保守担当 メリット OSS の品質はベンダが保証する ベンダにバグ情報を提供することで パッチを入手できる コミュニティの動向を常に調査する必要がない ベンダ経由で OSS コミュニティに働きかけてバグを修正するよう促すことができる 顧客は問題解決の支援を受けることができる 39

4-2 OSS 製品選定 / 評価 (5) 有償サポート契約を結ばない場合 OSS コミュニティが提供している情報 ( パッチ 掲示板 メーリングリスト ) を参照して 開発 運用を行う パッチ Q&A 対応 OSS ベンダ バグ報告 技術的な質問 保守担当 問題点 コミュニティの動向を常にチェックし続ける必要がある 品質の保証がない コミュニティの活動状況に左右される ex. 質問に対して回答がない バグが修正されない 40

4-3 設計 / 導入 (1) OSS の利用範囲を明確にする OSS の利用範囲を明確にしないまま開発作業を行った場合 問題が発生した場合の原因の切り分けが困難になる ポイント 開発 / 保守作業を効率化するため クラス図 シーケンス図を作成する際に OSS の利用範囲を明確にしておく 41

4-4 テスト (1) テストの粒度 実績のない OSS を利用する場合 テスト工程で綿密なテストを実施することで 性能 品質を確保する必要がある OSS の実績テスト項目ありなし 単体テスト 結合テスト : 実施する : 利用実績がない場合は実施する 単体テスト 結合テスト 実績のある OSS: プロジェクトの特性や顧客要望を考慮して実施する 実績のない OSS: 利用する機能のみを単体テストする 自社開発部分と組み合わせる部分を中心に必ず実施する 42

4-5 運用 (1) 保守時の情報収集製品と OSS で不具合発生時に必要になるコストが異なる 種別 製品 OSS 評価項目 ソフトウェア保守契約 サポートサービス ( 情報提供 問題解決 ) ソフトウェアの不具合修正 結ぶ 開発元が修正する 結ばない 修正されない 結ぶ ベンダから支援を受けて独自に修正する 結ばない独自に修正する ポイント OSS の有償サポート契約を結ばなかった場合 OSS コミュニティの情報を元に利用者が自力解決する必要がある 43

4-6 その他の考慮点 (1) (1) プロジェクトの継続性チェックコミュニティがプロジェクトを継続して活動させていく意思があることを確認 # 項目指標 1 最新バージョンのリリース時期 2 コミュニティ設立からの期間 3 リリース計画およびサポートポリシー 6 ヶ月前以降 1 年以上 設立時期が不明な場合は初期バージョンのリリース時期を参考にする 終了予定日の明示 平均的なサポートサービス 期間の明示 44

4-6 その他の考慮点 (1) ( 御参考 ) プロジェクトの継続性チェック (1) 45

4-6 その他の考慮点 (1) ( 御参考 ) プロジェクトの継続性チェック (2) 46

4-6 その他の考慮点 (2) ( 御参考 ) OSS レーダースコープ (http://radar.oss.scsk.info/) 47

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