第 4 回次世代ブロードバンド技術の利用環境整備に関する研究会資料 4-2 DSL の技術と動向 2007 年 3 月 23 日 ソフトバンクテレコム株式会社専務取締役 CTO 弓削哲也 tetsuya.yuge@tm.softbank.co.jp
ADSL 方式
ルーラル地域へのブロードバンドサービス提供 お客様宅と収容局の距離によってブロードバンドサービスの使い分けが必要 収容局 ~2,3km FTTN ADSL ~10km リーチ DSL 通常の ADSL では遠すぎる場所はリーチ DSL が有効 10km 以上 10km 以上は光ファイバーとメタリックのハイブリッドが有効 3
ADSL のスピード分布 (2001 年当時 ) ADSL の登場間もない 2001 年頃 最大 8M の ADSL の実効速度は平均 3M 程度 数十 kbps の速度のユーザーを数百 kbp に高速化する為に リーチ DSL が登場 (2001 年 ) 4
DSL サービスの速度と距離の関係 収容局舎からの距離とスピード相関イメージ 下り 上り 収容局舎 収容局舎 5
Yahoo!BB リーチ DSL 下り最大 960kbps 上り最大 960kbps リーチ DSL(Reach DSL) とは パラダインネットワークスが開発した方式で 従来の ADSL サービスに比べ 使用する周波数帯域を低くして最大速度を抑える代わりに 長距離回線やノイズの進入が多発する回線でも安定した通信品質を確保できる方式 適用領域 1. 収容局舎から 4km 以上距離のあるお客様 2. 回線における伝送損失が 50db 以上のお客様 6
リーチ DSL の適用例 愛知県大口町との共同実験 Cyber Town Plan 実験期間 :2001 年 ~2003 年 全世帯である 6810 世帯 法人 公共施設を対象に YahooBB および BB フォンを 2 年間無料で提供 (Y!BB コンボモデムを配布 ) 路線長や回線速度に応じて 長距離対応のリーチモデムを利用し ADSL のみによって町内全域をブロードバンド化する実験 ( 大口町は南北で 6km 以上の広さがある ) 7
ハイブリッド方式 (FTTN)
FTTN のネットワーク構成 Legacy Solution New Solution 22.8 ~ 100 Mbps 40 ~ 100 Mbps 9
FTTNのノード装置 SBB FTTN Pole Type Cabinet -24port Subscriber per per Cabinet -Splitters and and 3h 3h Battery in in same Cabinet -W500 x H 250 250 x D200 (mm) 10
FTTN の CPE IP Phone IP TV SBB FTTN CPE -High-Integrated CPE CPE Data, VoIP VoIP & Wireless -Support VDSL2 Maximum 100/50Mbps Long Long Reach VDSL Support -Support 11n 11n Wireless for for IPTV IPTV Maximum throughput over over 80Mbps Best Best Wireless Technology for for Video Support 300m reach High Speed Internet 11
ハイブリッド方式の適用例 (FTTH+CATV) 岡山県新見市の ラストワンマイル事業 に参画デジタルデバイド解消を目的として新見市が市内の光ファイバ網を整備し 民間の放送 通信事業者がそれらの設備を利用して市全域で均等な放送 ブロードバンドサービス提供する事業 電子自治体オンライン利用農水省 u-japan 推進 総務省 u-japan 光ファイバー敷設工事業者 岡山県新見市岡山県新見市 支援 CATV 難視聴対策 政府自治体合併 電子入札電子投票電子決済電子印鑑電子申告 - 文化 スポーツ施設利用予約 - 図書貸出し予約 - 研修 イベント予約公的個人認証 - 住民基本台帳 IC カード防災支援介護 医療支援教育支援 12
新見市のネットワークの構成 ネットワーク整備とサービスの分担範囲 新見センター 加入者宅 ソフトバンクのバックボーン 通信用拠点設備 GE-PON 通信用ファイバー 日本最大級のネットワーク その他局設備センター設備 CATV 用ファイバー POI ONU WMTA 新見市 ネットワーク整備 サービス提供 運用 保守 13
本事業の目的と特徴 1. 新見市ネットワークの概要 新見市が市内光ファイバ網を整備し SBG がそれを利用して市内全域でブロードバンドサービスを提供 サービス開始時期 : 2007 年 9 月 ~ ( 市内全域は 2008 年 4 月 ~) サービス提供範囲 : 市内全域 約 12,500 世帯 提供サービス : 光ブロードバンドアクセスサービス 0AB-J IP 電話 2. 新見市ネットワークの目的 デジタルディバイドの解消 地上デジタル放送の難視解消 行政サービスの充実 ( 告知放送 電子投票 水道検針 在宅医療 独居老人対策 etc.) 3. 新見市ネットワークの特徴 公設民営型ネットワーク ( いわゆる芯線貸借による IRU 契約ではない ) 通信 放送問題を回避 ( センター ~ 個宅は 2 芯構成 ) 将来の行政サービスを考慮し V-LAN によるセキュリティー確保 通信は通信会社 CATV は CATV 会社がサービスを提供 14
FTTN 普及の為に FTTN サービスのトライアルによって安価に提供する方策を積極的に模索 トライアルにおける実測値の例 下り速度 (Mbps) 71.1 ~ 96.5 上り速度 (Mbps) 30.2 ~ 42.8 FTTH と同等の回線速度を実現! FTTN サービスの商用化に向けて 1 メタル POI と VDSL 装置の同一電柱における併設 2 DSL 等接続専用サービスの き線点でのアンバンドルメニューの設定 3 一定の品質を満たした場合の 0AB~J 番号の利用 15
ADSL サービスの高速化
ソフトバンクが提供する DSL サービス Yahoo!BB 50M Revo Yahoo!BB 50M Yahoo!BB 26M Yahoo!BB 12M Yahoo!BB 8M Yahoo!BB リーチDSL 下り最大 50.5Mbps 上り最大 12.5Mbps 下り最大 50Mbps 上り最大 3Mbps 下り最大 26Mbps 上り最大 1Mbps 下り最大 12Mbps 上り最大 1Mbps 下り最大 8Mbps 上り最大 900kbps 下り最大 960kbps 上り最大 960kbps 17
ADSL の高速化 ( オーバーラップ ) 上りの周波数を下りにも使用すること ( オーバーラップ ) で 使用周波数が増加し高速化を実現する (8M 12M) エコーキャンセラーによって上りと下りの周波数を分離 18
ADSL の高速化 ( ダブルスペクトラム クワッドスペクトラム ) 使用する周波数を拡大することによって通信速度の高速化を実現するのが ダブルスペクトラム方式やクワッドスペクトラム方式 高い周波数ほど信号の減衰が大きいため 収容局舎に近いユーザーでなければ高速化の恩恵は受けられない 19
サービス例 (Yahoo!BB 50M) 下り最大 50Mbps 上り最大 3Mbps クアッドスペクトラム方式により 下りの周波数帯域を拡大 Yahoo!BB 8M 下り Yahoo!BB 12M Yahoo!BB 26M 上り 8M,12M 26k 138k 1.1M 26M 2.2M 周波数 (Hz) 下りの周波数帯域を拡大 Yahoo!BB 50M 上り 26k 138k 下り 1.8M 2M 下り 3.5M 周波数 (Hz) Quad Spectrum 20
サービス例 (Yahoo!BB 50M Revo) 下り最大 50.5Mbps 上り最大 12.5Mbps SUQ(Super Upstream Quad) 技術により 上りの速度が最大 3Mbpsから最大 12.5Mbpsに向上 ( 下りはクアッドスペクトラムを使用 ) SUQは4000KHz~5200KHzの周波数域を上りのデータ転送で占有し 上り最大 12.5Mbpsを実現する技術 ( ただし 上り最大 12.5Mbpsの高速通信を期待できるのは 収容局舎からおよそ800m 弱まで ) 下り 下り 上りは全て高い周波数帯にシフト 上り 26k 1.8M 2M Super Upstream Quad 3.5M 4M 5.2M 周波数 (Hz) 21
ご清聴ありがとうございました End of presentation