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次世代移動体網のフロントホール / バックホールにおけるアクセス網の課題に関する調査報告書 第 1.0 版 2017 年 3 月 31 日 一般社団法人情報通信技術委員会 THE TELECOMMUNICATION TECHNOLOGY COMMITTEE

本書は 一般社団法人情報通信技術委員会が著作権を保有しています 内容の一部又は全部を一般社団法人情報通信技術委員会の許諾を得ることなく複製 転載 改変 転 用及びネットワーク上での送信 配布を行うことを禁止します - 2 -

目次 < 参考 >... 4 1. 本報告書の目的... 5 2. 用語... 5 3. 次世代移動体通信網のフロントホール / バックホールにおけるアクセス網に対する要件... 6 4. アクセス網の課題... 8 4.1 ITU-T における議論... 8 4.2 セル毎の大容量伝送技術... 8 4.3 スモールセルへの効率的伝送技術... 10 4.4 新たな伝送方式... 16 4.5 アクセス網への仮想化技術の適用... 16 5. アクセス網の課題に対する解決策の検討状況... 18-3 -

< 参考 > 1. 国際勧告等との関連 特になし 2. 上記国際勧告等に対する追加項目等 2.1 オプション選択項目 特になし 2.2 ナショナルマター項目 特になし 2.3 原標準に対する変更項目 特になし 3. 改版の履歴 版数公開日改訂内容 第 1 版 2017 年 3 月 31 日初版制定 4. 工業所有権 本技術報告に関わる 工業所有権等の実施の権利に係る確認書 の提出状況は TTC ホームページ (http://www.ttc.or.jp/) 参照のこと 5. 参照する主な勧告 標準 [1] 3GPP TR 38.801, Study on New Radio Access Technology. [2] IEEE 1914.3 Radio over Ethernet [3] FG IMT-2020: Report on Standards Gap analysis [4] ITU-T Recommendation G.989.3 40-Gigabit-capable passive optical networks (NG-PON2): Transmission Convergence Layer Specification Amendment1 (11/2016) [5] ITU-T G Suppl. 51: Passive optical network protection considerations [6] ITU-T Recommendation G.989.1: 40-Gigabit-capable passive optical networks (NG-PON2): General requirements [7] ITU-T G Suppl.55 Radio-over-fibre (RoF) technologies and their applications 6. 作成部門 アクセス網専門委員会 7. 制作体制 本技術報告は アクセス網専門委員会 (WG2400) の次世代光アクセス網 SWG (SWG2401) において作成 されたものである - 4 -

1. 本報告書の目的 本報告書は 次世代移動体通信網のフロントホール / バックホールにおけるアクセス網に対する要求条件 ついての ITU-T における議論と 課題および解決策の検討状況をまとめたものである 2. 用語 用語 解説 BBU Base Band Unit CPE Customer Premises Equipment CPRI Common Public Radio Interface CU Central Unit DBA Dynamic Bandwidth Allocation DU Distribution Unit FG Focus Group IMT-2020 International Mobile Telecommunication system for Year 2020 LTE Long Term Evolution MBH Mobile Backhaul MFH Mobile Fronthaul MIMO Multiple Input Multiple Output NG-PON2 Next Generation PON2 NFO Network Function Optimization PON Passive Optical Network ODN Optical Distribution Network OLT Optical Line Terminal ONU Optical Network Unit P2P Point-to-point P2MP Point-to-multipoint QoS Quality of Service RF Radio Frequency RRH Remote Radio Head TDM Time Division Multiplexing WDM Wavelength Division Multiplexing RoF Radio-over-Fiber SDAN Software Defined Access Network ToR Terms of Reference - 5 -

3. 次世代移動体通信網のフロントホール / バックホールにおけるアクセス網に対する要件 ITU-T Q2/SG15 では モバイル光アクセスへの具体的な要求条件についての議論はまだ行われていないので 今後 決めるべき項目とパラメータを記載すると共に 他の標準化団体で議論されている内容を踏まえた要求条件について述べる 決定すべき項目及びパラメータとして 上り下りそれぞれの (1) 伝送帯域 送信電力 受信感度 伝送ペナルティなどの送受信規定 (2) 許容遅延やジッタなどの遅延規定 (3) CU や DU との外部インターフェース規定 (4) 効率的なモバイル信号収容規定 (5) 時刻同期インターフェース規定, マクロセルやスモールセルの効率的な収容を見据えた (6) 最大伝送距離や収容範囲 ( 最大と最小の伝送距離差 ) などの伝送距離規定や (7) 分岐規定 (PON の場合 ) (8) モバイルシステムに適した高信頼化規定 アクセス網への多種多様なサービスの効率的収容を実現する (9) QoS 規定や (10) NW スライスへの対応があげられる 今後フロントホールインターフェース規定や スモールセルやマクロセルによるモバイル NW 規定が具体化されて行くと これらの項目やパラメータも具体化される見込みである モバイルシステムの広帯域化に伴い MFH に用いられる光アクセスシステムも 10Gbps 超の広帯域化が求められている また低遅延性が求められている 基地局の機能分割点 [1] を図 1 に示す モバイル光アクセスシステムの要求伝送帯域および許容遅延は 基地局機能分割点 (CU と DU の機能分担 ) によって異なり RF 側に近いほど要求伝送帯域が高く 許容遅延条件が厳しくなる 機能分割点が MAC-PHY 間 ( 図中 Option 6) より下位 (RF 側 ) の場合 要求伝送帯域は 10Gbps を超え (CPRI と同様に Option 8 で分割する場合 160Gbps 程度の帯域が必要 ) 許容遅延は 250us 以下であることが求められる RRC PDCP High- RLC Low- RLC High- MAC Low- MAC High- PHY Low-PHY RF Data Option 1 Option 2 Option 3 Option 4 Option 5 Option 6 Option 7 Option 8 RRC PDCP High- RLC Low- RLC High- MAC Low- MAC High- PHY Low-PHY RF Data 図 1 Function Split between central and distributed unit [1] モバイル NW の構成を図 2 に示す 5G 無線システムでは 比較的広い範囲を無線基地局がカバーするマクロセルと 比較的狭い範囲をカバーするスモールセルで構成されており スモールセルはユーザデータ転送 マクロセルは端末制御及びユーザデータ転送に用いられる モバイル NW を光アクセス装置で構成する場合 OLT と ONU は,MFH 信号を Ethernet フレームやパケットに収容するためのインターフェースが必要である モバイル光アクセス NW を安価な Ethernet 装置 ( メディコンや PON) で構成するための無線信号収容技術の検討 [2] が行われておりモバイル光アクセスシステムへの適用が期待されている また モバイル NW では 基地局間の時刻同期が必須であるため OLT と ONU にも時刻同期信号を転送するインターフェースの具備が求められる また モバイル光アクセスシステムは 割と短距離で狭い範囲に点在するスモールセル および割と長距離で広範囲に点在するマクロセルを効率良く収容することが求められる - 6 -

図 2 Schematic of Mobile Access Network - 7 -

4. アクセス網の課題 4.1 ITU-T における議論 ITU-T では FG IMT-2020 において第 5 世代移動通信システムを支えるネットワーク技術に関する課題を FG IMT-2020: Report on Standards Gap analysis としてまとめた IMT-2020 の要件を満たすために セル毎の大容量伝送技術 スモールセルへの効率的伝送技術 新たな伝送方式 の3つが重視すべき課題とされた FG IMT-2020 ではモバイルフロントホール / バックホール構成を検討しており システム要件と現在の技術の間の GAP を以下としている 1スモールセル化に伴う配線数の増大に対するコスト抑制のために PON システムまたは ODN の活用が有効であり 帯域割当方式の低遅延化や機能分割の見直しが必要 2 多種多様の端末 トラヒック ネットワークを収容するためにはネットワークの仮想化が重要であり モバイルフロントホール / バックホールの仮想化 ( スライス ) に対応する機能が必要アクセス網の課題を議論する Q2/SG15 では FG IMT-2020 にて抽出された課題について 以下の議論を行うことが奨励されている 1PON の遅延を最小化する方法 2 次世代フロントホールへの PON の適用 3PON プロテクションにおけるリソース割当 4SG13 または FG との連携を想定したフロントホール / バックホール仮想化 4.2 セル毎の大容量伝送技術 TTC 将来のモバイルネットワーキングに関する検討会 で以下のようなホワイトペーパーが公開されており 次世代フロントホールの課題と対策 ( 実現方式 ) 案が記載されている 図 3 にモバイルフロントホールの構成を示す モバイル端末のデータレート高速化 ( セルの大容量化 ) に伴い モバイルフロントホールに使われている回線容量の増大が必至である 例えば 端末側で 10 Gbit/s の速度を実現するには 現状の CPRI を用いたモバイルフロントホールでは 約 160 Gbps (16 倍程度 ) 注 1 の伝送容量が必要となる 注 1 : LTE ( 下り 150 Mbps) に適用した場合のモバイルフロントホール光伝送容量 (20 MHz, 2x2 MIMO, CPRI 転送 ) は以下の式にて算出できる つまり 端末通信速度に対して 16 倍の MFH 容量が必要となる 20 [MHz] 15(sample width) 1.536 (over sampling) 2 ( I Q ) 16 10 (control OH) 15 8 (8B10B) 2(2x2 MIMO) = 2.47576 [GHz] 図 3 モバイルフロントホールの構成 また モバイル通信の高速 大容量化に対応するために セルの小型化が進むとみられており 半径数 km - 8 -

程度のマクロセルに加えて数十 ~ 数百 m 程度のスモールセルが共存することが検討されている 例えば 2 km のマクロセルを 200 m のスモールセルに置き換えると仮定すると 表面積から換算してセル数は 100 倍にもなり 現在のフロントホールで用いられている 1 対 1 接続 (P2P) 構成ではリンク数増に伴う NW コストの高騰が懸念される 図 4 および図 5 にマクロセルとスモールセルのリンク数を示しているが マクロセル ( 半径 2 km) をスモールセル ( 半径 200 m) に置換えた場合 以下が想定される スモールセル数は 100 倍 スモールセル数の増加に伴い ファイバ数 MFH 光伝送装置も 100 倍必要 MFH 光伝送容量の大容量化に伴うコスト増の考慮が必要 図 4 マクロセルのリンク数 図 5 スモールセルのリンク数 これらの議論を踏まえ モバイルフロントホールに対する課題を整理すると 1100 Gbit/s 以上の大容量伝送 および 2リンク数の増大 が挙げられる 1 100 Gbit/s / セル以上の大容量伝送については 伝送データ量の削減や伝送データの圧縮による効率化が考えられるが 現状の CPRI 伝送の場合 利用されている無線信号を光レイヤで識別できないため 無線信号全ての送信が必要となる また 利用されている帯域幅を光レイヤで識別できないため ピークレートを想定した算出となっているといった課題が挙げられる 2 リンク数増大については P2P 構成を使用しているため ファイバ数や装置数が多くなり そのままの構成ではコストが増大する事が想定される そこで P2MP への変更が考えられ 具体的な実現方式としては PON (TDM 方式や WDM 方式等 ) が挙げられる - 9 -

4.3 スモールセルへの効率的伝送技術 (1) PON の遅延を最小化する方法の議論 ITU-T Q2/SG15 では PON の遅延を最小化する方法について いくつか提案が行われている 一つは 低遅延サービスのための連携 DBA に関するもので PON による効率的な 5G スモールセル収容を実現するため OLT において 低遅延での上り帯域割当を実現するための外部システムとの連携制御方式及び機能分割点に関する提案が行われ NG-PON2 の TC 層標準化勧告の改訂において Appendix として記載されることになった [4] もう一つは 低遅延サービスのための最大 Burst Allocation Series 数拡充に関するもので 上り方向の遅延の低減化のため Burst Allocation series 数を 4 から 64 に変更する提案が行われ 同勧告の改訂に盛りこまれた [4] (2) 次世代フロントホールに PON を利用するための議論将来のモバイルネットワークでは 収容トラヒックや IoT を含む収容端末の増加が予想され 社会インフラとしての重要性がより高まっている これに伴い 災害やファイバ断などによる障害へ対応可能な 堅牢なネットワーク構築が必要になる 現在のネットワークでは輻輳時の一時的なリソース割当にとどまり 緊急時に十分なリソースを確保できない 将来のネットワークではこれら高信頼ネットワーク構築に関する根本的な解決策が必要となる ITU-T で議論されている PON における障害切替について紹介する G.Sup51 [5] では Passive optical network protection considerations として 3 種類の PON Protection が提案されている 図 6 Type A Protection (ITU-T G.sup51) 図 7 Type B Protection (ITU-T G.sup51) - 10 -

図 8 Type C Protection (ITU-T G.sup51) Type A 方式では幹線ファイバのみを冗長構成とする Type B 方式では OLT と幹線ファイバを冗長構成 とする Type C 方式では OLT ONU 幹線ファイバを冗長構成とする また Type B 方式にはメンテナン ス時に手動での切り替えを想定した Type B with N:1 方式も提案されている 図 9 Type B with N:1 using optical switch (ITU-T G.sup51) - 11 -

また 複数波長を用いた PON システムの規格である G.989.1 40-Gigabit-capable passive optical networks (NG-PON2) : General requirements [6] において G.989.1 Amd.1 (08/2015) としてビジネス用途を想定した Type B, Type C 方式の拡張構成および波長切替を使用した Type W 方式が記載されている 図 10 Type B protection 1:1 model with dual homing (ITU-T G.989.1 Am1) 図 11 Type B protection 1:1 model with single backup CT (ITU-T G.989.1 Am1) - 12 -

図 12 Type B protection 1:n model (a) CT failure, (b) feeder fiber failure (ITU-T G.989.1 Am1) - 13 -

図 13 Type B protection 1:n model with dual parenting (ITU-T G.989.1 Am1) 図 14 Type C protection 1+1 model with two tunable transceivers in ONUs (ITU-T G.989.1 Am1) - 14 -

図 15 Type C protection 1+1 model with one tunable transceiver and one fixed transceiver in ONUs (ITU-T G.989.1 Am1) 図 16 Type W protection 1:n model with backup OLT CT (ITU-T G.989.1 Am1) 図 17 Type W protection 1:n model with all active OLT CTs (ITU-T G.989.1 Am1) - 15 -

図 18 Type W protection (n+1) model (ITU-T G.989.1 Am1) 図 19 Type W protection 2n:n model with dual parenting (ITU-T G.989.1 Am1) 4.4 新たな伝送方式 ITU-T SG15 Q2 では モバイルフロントホール等への適用が可能な光ファイバ無線 (RoF: radio-over-fiber) 技術の標準化に関して議論を進めている 2015 年 7 月の SG15 全体会合において RoF 技術に関する補助文書 (G Suppl.55 Radio-over-fibre (RoF) technologies and their applications ) [7] の正式合意とともに,RoF システムに関する勧告 (G.RoF Radio-over-fibre systems ) の文書作成作業を開始した これまでのところ 一般要求条件やシステムアーキテクチャなどについて様々な寄書が寄せられているが まだ統一的な見解が得られておらず 現在も議論中である 4.5 アクセス網への仮想化技術の適用 2015 年 4 月の SG13 会合において 5G モバイル NW に関する検討促進を目的に フォーカスグループ (FG IMT-2020) の設置が提案 合意された (FG IMT-2020 の検討範囲は 非無線区間のネットワーク ) Phase1 は 2015 年 6 月 ~2015 年 10 月の間に 4 回 ( 第 1 回 ~ 第 4 回 ) の会合を開かれ 予定通りギャップ分析を完了させ 最終成果文書を合意 その後 ITU-T SG13 12 月会合において FG IMT-2020 の成果確認を行うと共に ToR を改訂し FG IMT-2020 Phase2 として継続検討を行うことが承認された Phase2 は 2016 年 3 月 ~2016 年 12 月の間に 4 回 ( 第 5 回 ~ 第 8 回 ) の会合が設けられた 検討は 5 つのグループ (Working group:wg) に分かれて開始され MFH/MBH の仮想化 / スライス化に関しては そのうちの 1 つである Network Softwarization の WG にて扱われた 2016 年 12 月の最終会合において - 16 -

FG の成果として 勧告草案のベースとなる基本検討文書 (Baseline document) が作成されたが 特に MFH/MBH については 仮想化 / スライス化に関する管理 制御に必要なインターフェースとして 抽象化リソースの割り当て制御を実現するための論理的な参照点と機能要件および参照点で交換されるメッセージを検討結果が盛り込まれた 図 20 では 基本検討文書の盛り込まれている仮想化 / スライス化のためのコンセプトモデルを示している 図 20 仮想化 / スライス化のためのコンセプトモデル図 (ITU-T FG IMT-2020 Baseline document より ) 一方 BBF においても これまで 1 つの箱として提供されていたアクセスノードを フォワーディング プレーン 制御プレーン 管理プレーンといった様々なレイヤで分離することにより ソフトウェア化 仮想化していく可能性を検討している 特にアクセスノードは ハードウェアの観点からは 物理的にアクセス方式にひもづき 個別 固有に持たなければならない部分 (Purpose-build HW) と フォワーディングやアプリケーション機能提供など サーバーのような汎用ハードで提供できる部分 (Common off-the-shelf HW) に分けて考えることができる このような仮想化環境では ハードとソフトを分離され さらにソフトが機能ごとに分離されるようになるが これらによって構成されたアクセスネットワークを Software Defined Access Network (SDAN) と呼ぶことにする SDAN には今後 開発分野として 主に 4 つの分野があると考えられる 仮想化 CPE SDN イネーブルメント部 NFO (Network Function Optimization) 基盤部 そして SDAN 管理部である まず 仮想化 CPE では CPE を仮想化して 遠隔制御や自動化することにより 運用が簡略化できるようになる また SDN イネーブルメント部では 装置やネットワークの管理に YANG モデルや NETCONF フォワーディング プレーンには OpenFlow といったオープンインターフェースを導入する そして NFO (Network Function Optimization) 基盤部はネットワークを最適化して経済化し ベストな性能を出せるようにする さらに SDAN 管理部では 従来の管理機能だけでなく 設定を自動化したり 運用をプログラマブルにしたりするための環境を提供する 今後 様々なサービスが生まれ データ量も増えていき 複雑性が増していく中で 通信事業者やサービスプロバイダは様々な困難に直面していくが こういった SDAN の構想の中 インターフェースにオープン API オープンプロトコル 標準管理モデルなどを使うことにより ハードウェアは A 社 ミドルウェアは B 社 アプリケーションは C 社 といった部品化による分離調達ができるようになる これにより各事業者は システムのサービス要求やネットワーク要求を最適化し 市場に求められるサービスを短期間で導入で - 17 -

きるようになる 5. アクセス網の課題に対する解決策の検討状況日本から ITU-T Q2/SG15 参加メンバーは PON システムを無線基地局に適用するために アクセス網での遅延を低減するための PON システムと無線基地局との連携インターフェースに関する技術などの寄書提案を行っており また 無線信号を光ファイバで伝送する技術である RoF 技術の標準化を主導している 将来 世界各国で導入が進む次世代移動通信網にて 日本が主導権を握るためには 国内で普及する PON システムなどの光アクセス技術を MFH/MBH へ適用可能であることを国際標準化の場で訴えかけることが重要と考えられる 次世代移動体通信網の MFH/MBH におけるアクセス網に対する要求条件および国際標準化 今後さらに詳細な検討が進む見込みである 次世代光アクセス網 SWG (SWG2401) では 継続して調査を行う - 18 -