日本 APEC 開催 平成 22 年 8 月 外務省 経済産業省
目 次 1. 日本 APEC のテーマ 2.APEC の位置付け 3.APEC 参加メンバー 4. アジア太平洋をめぐる国際的枠組み 5.APEC の重み 6.APEC の組織 7. ビジネス界との協力 8. 日本 APEC 関連会合日程 9.2010 年日本 APEC の歴史的意義 1
1. 日本 APEC のテーマ Change and Action ( チェンジ アンド アクション ) 世界の政治 経済の構造が大きく変化している時代の中で APECがこれまでの実績を土台としつつ 21 世紀にふさわしい形で今後も重要な役割を果たし続けることができるよう 必要な チェンジ を構想し それを具体的な アクション に移していく 2
2.APEC の位置付け 基本的位置付け 東アジアと米州をつなぐために造られた枠組み アジア 太平洋の持続可能な発展を目指し 経済統合と域内協力の推進を図る 日米中 という世界の三大経済国が参加する唯一の地域経済協力枠組み 特色 APEC の活動は経済に限定 オバマ政権は APEC を重視 アジア太平洋地域経済への米国の関与を確保 ビジネス界とも緊密に連携 APEC ビジネス諮問委員会 (ABAC) を構成し 首脳に対して積極的提言 アジア太平洋地域のビジネス展開を容易にする環境作り ( 注 :APEC ビジネストラベルカードの実施等の具体的な成果 ) 3
3.APEC 参加メンバー ( 計 21 ヶ国 地域 ) アジア太平洋地域の計 21 ヶ国 地域が参加 中国 中国香港及びチャイニーズ タイペイが同時参加しているのも大きな特徴 ロシア 韓国 カナダ 中国 日本 米国 タイ 中国香港 チャイニーズ タイペイフィリピン メキシコ ベトナム マレーシア パプアニューギニア シンガポール インドネシア ペルー ブルネイ オーストラリア チリ ニュージーランド 4
4. アジア太平洋地域をめぐる国際的枠組み APEC ASEM ASEAN EAS ブルネイ インドネシア マレーシア フィリピン シンガポール タイ ベトナム ラオス ミャンマー カンボジア インド パキスタンモンゴル EU 欧州委員会 日本 中国 韓国 オーストラリア ニュージーランド ASEAN+3 米国 カナダ ロシア パプアニューギニア ARF 北朝鮮 中国香港 チャイニーズ タイペイ メキシコ チリ ペルー 5
5.APEC の重み 各地域枠組みにおける域内貿易依存度 ASEAN+3 EAS 参加国 APEC 域内貿易域外貿易 43.1% 域内貿易域外貿易 32.9% 25,338 億米ドル域外貿易 42.8% 域内貿易 56.9 % 台湾 香港 57.2% 28,403 億米ドル 67.1% 84,695 億米ドル を含めると 52.0% 合計 :58,806 億米ドル合計 :66,397 億米ドル合計 :126,133 億米ドル 参考 NAFTA 域内貿易 EU 域外貿易 域内貿易 域外貿易 58.3% 41.7% 18,241 億米ドル 34.2% 65.8% 71,200 億米ドル 合計 :43,738 億米ドル 合計 :108,161 億米ドル データ :2007 年 6
日本から見た APEC 地域との経済関係 日本からの輸出 日本からの輸入 APEC 地域 75% APEC 地域 75% APEC 地域 60% 日本からの直接投資 外国に住んでいる日本人 APEC 地域 53.62% APEC 地域 79 万人 72.7% 7
6.APEC の組織 首脳会議 APEC ビジネス諮問委員会提言 (ABAC) 閣僚会議 ( 外務 経済産業大臣 ) 財政管理委員会 (BMC) APEC 事務局 助言 勧告 指示 指示 報告 高級実務者会合 (SOM) 指示 報告 分野別担当大臣会合 貿易 財務 観光 海洋 教育 運輸 環境 中小企業 保健 人材養成 科学技術協力 女性問題 エネルギー 鉱業 電気通信 情報産業 食料安全保障 経済委員会 (EC) 競争政策 法グループ (CPLG) 貿易 投資委員会 (CTI) 市場アクセス ク ルーフ (MAG) 税関手続小委員会 (SCCP) 基準 適合性小委員会 (SCSC) サービス グループ (GOS) 政府調達専門家会合 (GPEG) 投資専門家会合 (IEG) 知的所有権専門家会合 (IPEG) ビジネス関係者の移動に関する専門家会合 (BMG) 電子商取引運営グループ (ECSG) 自動車対話 化学対話 経済 技術協力運営委員会 (SCE) 作業部会 (WG) 保健 (HWG) エネルギー (EWG) 中小企業 (SMEWG) 人材養成 (HRDWG) 電気通信 (TELWG) 観光 (TWG) 運輸 (TPTWG) 産業科学技術 (ISTWG) 農業技術協力 (ATCWG) 漁業 (FWG) 海洋資源保全 (MRCWG) 緊急事態の備え (EPWG) テロ対策 タスク フォース (CTTF) 腐敗対策 透明性タスク フォース (ACT) APEC 男女共同参画担当者ネットワーク (GFPN) 生命科学イノヘ ーションフォーラム (LSIF) 鉱業タスク フォース (MTF) 8
7. ビジネス界との協力 ABAC:APEC ビジネス諮問委員会 (APEC Business Advisory Council) 95 年の大阪閣僚会議 首脳会議において設立が決定された APEC の正式な諮問機関 APEC の活動状況をモニタリングし ビジネス部門の優先事項等に関して APEC に助言する役割 日本委員は以下の3 人 相原 元八郎 三井物産株式会社顧問 (2010 年 ABAC 議長 ) 渡辺 喜宏 三菱東京 UFJ 銀行顧問 森本 泰生 東芝常任顧問 毎年 4 回の総会を開催し 提言を首脳に提出 毎年 APEC 首脳会議において 首脳と ABAC 委員の対話を実施 9
APEC は 21 の国 地域の産業界が支援ネットワークを形成 (ABAC:APEC ビジネス諮問委員会 ) アジア太平洋地域には 日本企業の主要な生産拠点と市場が存在 APEC を通じ 自由な事業環境の整備を促進 人の移動 産業界の関心 : ビジネス関係者の移動を促進 (09 年 ABAC APEC 首脳への提言 ) APEC における取組例 96 年 ~ APEC ビジネストラベルカード (ABTC) を導入 - 現在 18 ヶ国が導入 ( レーンのみ利用可能な米 加を含めれば 20 カ国 地域 ) - 約 6 万 9 千枚発行 ABTC のメリットは 1 短期商業ビザ免除 2 専用レーン ( 参考 ) 産業界の関心と APEC における取組 貿易 産業界の関心 : 貿易自由化 円滑化と安全確保の両立 (09 年 ABAC APEC 首脳への提言 ) APEC における取組例 08 年 ~ 途上国 地域に対して AEO( 認定事業者 ) 制度 を啓蒙 普及 ( 認定された貿易関連事業者の輸出 輸入申告を簡易化 ) 日本は既に米国 NZ と相互認証を実施中 ( 加 星 馬 中 韓と協議 研究中 ) 知識 技術の移転 産業界の関心 : イノベーションの促進 効率性の高い特許手続 (08 年 ABAC APEC 首脳への提言 ) 資金の流れ 産業界の関心 : 金融インフラ整備 中小企業金融円滑化 (09 年 ABAC APEC 首脳への提言 ) APEC における取組例 金融危機に対応し 08 年 ~ アジア太平洋貿易保険ネットワーク を拡大 ( 輸出信用機関が相互に再保険を実施 人材育成で協力 ) 既に 米 加 星 馬 尼 泰が参加 ( 墨と協議予定 ) APEC における取組例 特許審査ハイウェイ の導入促進 ( 他国と審査結果等を共有 早期審査を実現 ) 日本は既に米国 韓国と実施 星 露 豪 加と試行実施 10
8. 2010 年日本 APEC 関連会合日程 2010 年日本 APEC シンポジウム (2009 年 12 月 9~10 日 東京 ) 非公式高級実務者 (SOM) 会合 (2009 年 12 月 11 日 東京 ) 第 1 回 SOM 会合及び関連会合 (2 月 22 日 ~3 月 7 日 広島市 ) 観光大臣会合 (9 月 22~23 日 奈良市 ) 中小企業大臣会合 (10 月 2~3 日 岐阜市 ) 食料安全保障担当大臣会合 (10 月 16 日 ~17 日 新潟市 ) 札幌市 特別 SOM 会合 (4 月 20 日 ~21 日 東京 ) 電気通信 情報産業大臣会合 (10 月 30 日 ~31 日 名護市 ) 財務大臣会合 (11 月 6 日 京都市 ) 第 2 回 SOM 会合及び関連会合 (5 月 26 日 ~6 月 4 日 札幌市 ) 仙台市 最終 SOM 会合 (CSOM) (11 月 7~8 日 横浜市 ) 貿易担当大臣会合 (6 月 5~6 日 札幌市 ) エネルギー大臣会合 (6 月 19 日 ~20 日 福井市 ) 成長戦略ハイレベル会合 (8 月 7 日 ~8 日 別府市 ) 第 3 回 SOM 会合及び関連会合 (9 月 15~26 日 仙台市 ) 別府市 広島市 京都市 福井市 岐阜市 奈良市名護市 新潟市 東京 横浜市 APEC 閣僚会議 (11 月 10~11 日 横浜市 ) APEC 首脳会議 (11 月 13~14 日 横浜市 ) ABAC 会議 (11 月 横浜市 ) SME サミット (11 月 横浜市 ) CEO サミット (11 月 横浜市 )
9. 2010 年日本 APEC の歴史的意義 世界経済の転機に新たな行動ビジョンを提示 : チェンジ アンド アクション 米国 ( シアトル ) 1993 1994 1995 インドネシア ( ボゴール ) 日本 ( 大阪 ) 2009 2010 2011 2012 2013 シンガポール日本 ( 横浜 ) 米国 ( ホノルル ) ロシア ( ウラジオストク ) インドネシア ボゴール目標設定 目標達成に向けた貿易 投資自由化 円滑化 ボゴール目標の先進国 地域の達成期限 グローバル化 の胎動 国際貿易 投資の拡大 アジアの貿易黒字拡大 経済の相互依存関係が進捗 危機のグローバル化 新興国の急成長とインバランスの拡大 通商摩擦の激化 アジア 米欧間の対立 ブロック化への懸念 グローバル化 を成長エンジンとすることへの懸念 保護主義の顕在化 エネルギー環境制約 様々な格差の存在 長期ビジョンの提示 ボゴール目標 : 自由で開かれた貿易 投資の実現 ( 先進国 地域は 2010 年 途上国 地域は 2020 年まで ) 2010 年の課題 1 ボゴール目標 達成評価 2 新たな長期ビジョン 地域経済統合の深化 成長戦略の策定 人間の安全保障 の促進等