H25 年 4 月 10 日訂正北条砂丘風力発電所電気主任技術者魚住 北条砂丘風力発電所の接地設計 <key-word> ( ア ) PC 杭は接地電極棒としては固有抵抗が高いことから 期待できない ( イ ) 風車間の連接接地は雷サージに対してはサージインピーダンスの関係でさほど期待できない < 第 1 章 > ( 要約 ) Key-Word ( ア ) を私見として持っているが 当 WFで委託設計から接地設計をどの様に変更していったかを取りまとめる 1. 委託設計 : 風車の接地設計 ( 着任前 ) * 1 メッシュ接地 + 2 基礎杭 +3 針状電極 * 目標接地抵抗値は単基で 2Ω 以下 2. 委託設計内容に対する私見 * 2の基礎杭はPC 杭であり 基礎コンクリートやMC 杭 RC 杭と違い固有抵抗が高く設計通りの様な接地抵抗は期待出来ない ( 参考 ) PC 杭は電気的には限りなく石に近く 固有抵抗は高い * 原設計で 目標の接地抵抗値の単基で2Ωは難しい 3. 北条砂丘 WFの地形上の特徴海岸近くに設置され 基礎底板から海水面までの深度は浅く接地設計には極めて有利である 一方土壌は砂地で大地固有抵抗は高く砂地部分では接地抵抗値は下げにくい GL GL 4G 9G ( 断面 ) 基礎 2G 4.3m. 4.8m 1G 3G GL 5G 8G 1.3m 2.1m 3.1m 0.9m 6G 7G 0.9m 0.6m 0.5m 基礎底板から海水面までの深度地下海水位面 ( 地層断面 ) 固有抵抗値 [Ω-m] 基礎 GL 100~200 1.7m 砂層 1000 PC 杭 0.5~4.8m 地下海水面 500~700 砂層 ( 水 )50 (1/5)
3. 施工途上での接地設計の変更 各ステップで 接地抵抗計 にて測定 確認し 次ステップへと進めた 1 原設計のままで NG : 接地抵抗計で測定 4 基を施工 : 電圧降下法で測定 2 接地電極棒 (16Φ) を メッシュ外周に打込む 1.5Ω 程度 ( 仮 ) 深埋電極ナシ 3 全基測定深埋電極棒を 1Ω 以下メッシュ外周に打込 4 深埋電極棒の追加 1Ω 以下 最終接地抵抗値 1 基礎打設前 原設計のPC 杭 を接地電極棒として施工する (4.6.7.9G) メッシュ (ADCC 60Sq) と針状電極 ( 下写真参照 ) は原設計通りの施工とした 接地抵抗計による接地抵抗値は5Ω 以上で私見が正しい事を確認した ( 参考 ) 異種金属の接続の場合 長期的には電食障害による接続部の断線が予測される PC 杭とメッシュ網との接続は銅の圧縮端子を金属部と点溶接でなく面溶接での施工とし 電食障害を少しでも遅くなるよう配慮した 上記以外での接続部は全て圧縮接続による施工である PC 杭電極棒 L=17m L=27m L=15m L=18m メッシュ 194 m2 176 m2 186 m2 150 m2 182 m2 153 m2 194 m2 176 m2 194 m2 針状電極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 ( 注 )PC 杭電極棒で4G.9Gは800φ 他は700φ (2/5)
2 基礎打設前 ( 原設計からの変更 ) PC 杭の接地電極棒は上記 1を除く全基 4 隅の4 本とした GL PC 杭接地の施工費用減と相殺できる範囲でメッシュ次の設計変更を行なった ( 予算内設計変更 ) 地下水位を考慮して電極棒 (16Φ 1.5mを数本連結 ) 電極棒をメッシュ接地の外周に掘削地盤 (GL-1.7m) から打込むように設計変更する 地下水位より下は接地効果大 PC 杭 L=26m L = 15m L=20m L = 1 7 m L=29m L =2 7m L=15m L=15m L=18 m 電極棒 4 本 4 本 4 本 4 本 4 本 メッシュ 194m2 176m2 186m2 150m2 182m2 153m2 194m2 176m2 194m2 針状電極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 4 極 電極棒 6m 11 本 6m 8 本 6m 8 本 6m 16 本 6m 8 本 4.5m *8 1.5m*8 6m16 本 6m16 本 16Φ 1.5m *4 地下水 1.3m 2.1m 3.1m 4.3m 0.9m 0.6m 0.5m 0.9m 4.8m ( 注 )PC 杭電極棒で4G.8G.9Gは800φ 他は700φ ( 注 ) 地下水の深度 (m) は基礎底板から 3 基礎打設後 基礎打設 埋戻し後に 接地抵抗計 に依る接地抵抗測定を2 方向で行った 測定はH17 年 6 月 1 日から6 月 17 日までの期間で 測定予定前 3 日間の天候も記録した 結果 3 4 8.9Gは別途対策が必須と判断し ボーリングに依る深埋電極棒 を打込むことにした 深埋電極棒はボーリング工法で 近傍でよく用いられている 井戸用 SGP 管 48.6φ を用いGLから打ち込む SGP 管 ADCC 100sq パイプの中には100mm 軟銅線をその深さまで挿入している この軟銅線とメッシュとは圧縮接続しているが ボーリング電極棒 (SGP 管 ) とメッシュは接続していない メッシュ ( 長期的には異種金属に依る電食が考えられる ) 地下水位で浸されている部分では電極棒は挿入されている 地下水位 軟銅線と間接的に接続されている 深埋電極 (SGP 管 ) 24m 1 本 24m 1 本 20m 2 本 24m 2 本 接地抵抗 0.36Ω 1.54Ω 1.27Ω 1.02Ω 0.36Ω 0.29Ω 0.53Ω 0.5Ω 0.89Ω 深埋電極棒を施工後に接地抵抗値を同年 8 年 10 日 17 日に 電圧降下法 で測定する この時点での目標接地抵抗値を1.0Ω 以下とし それを超えるものは追加で ボーリングに依る 深埋電極棒 を打込むことにした (3/5)
( 参考 ) 接地抵抗の測定方法は 接地抵抗計 と 電圧降下法 がある 電圧降下法に依る接地抵抗値はより真値に近く 接地抵抗計の測定値が 3~5 割高めに出るとの経験則を加味し接地設計の判断材料とした 今回は接地抵抗計の値を 1.5Ω 程度 を目標とした 電流流入点 電圧測定点は数 100m 離れた隣接基等としており 誤差の少ない値が得られている 4 深埋電極棒の追加 目標接地抵抗値より高い2G.3Gは深埋電極棒を前記 3と同じ方法で施工した 接地抵抗 1.54Ω 1.27Ω 深埋電極 (SGP 管 ) 16m 2 本 16m 1 本 接地抵抗 0.36Ω 0.28Ω 0.27Ω 1.02Ω 0.36Ω 0.29Ω 0.53Ω 0.5Ω 0.89Ω 2Gと3Gの接地抵抗値 (H17.9.14) を含め上記を 法定自主検査 の最終の接地抵抗値とした 4.66kV 受電設備他の接地設計 1 66kV 受電設備 ( 変電所 ) の接地 委託託設計の接地設計 ( メッシュ=135m2 電極棒 =1.5m 2 連 13 本 針状電極 4 本 ) と基本的に同じとした 変更点は針状電極 4 本の内 2 本を北条川横断のコン柱に流用した 接地抵抗計 に依る接地抵抗値は 3.4Ω であった (H17.8.11. 測定 ) 推定地下水位はGL-3m 2 22kV 電線路北条川横断コン柱の接地 架空 地中電線路の接続点になり 対象設備は22kV 避雷器他である 電極棒 (1.5m 数連結 ) 針状電極 1 本の設計 接地電極棒の本数は 接地抵抗計 の測定値 5Ω に達するまで打ち込んだ (H17.8.17. 測定 ) 推定地下水位は推定 GL-3m 3 外柵の接地 66kV 変電所 各風車の外柵の接地は 夫々のメッシュとは切り放し単独接地とした 接地抵抗計 の測定値 30Ω 程度 であった < 第 2 章 > ( 要約 ) 各設備の連接接地に関する施工状況 並びに Key-Word ( イ ) の私見について取りまとめる 1.66kV 変電設備の連接接地 法定自主検査 の単独での接地抵抗測定を終えた後 隣接の9Gと22kVケーブル外装で接地線の連接をしている 受電前に隣接する66kV 鉄塔 ( 受電 ) のカウンターポイズと1 点接続している また 連接予定の既設鉄塔の接地抵抗値は事前に 1Ω 以下 と確認している (4/5)
2. 風車間の連接接地とその効果 66kV 変電所 ~ 9G ~ 5G ~ 北条川横断架空 ~ 4G ~ 1G 間の接地は22kVケーブル外装を通して全て連接接地している 連接接地の方法として1 単独で裸銅線あるいは被覆銅線で 2 当所のようなケーブル外装を利用 の方法がある この連接接地後の一括接地抵抗値は測定機器の制約から測定出来なかったが 雷サージ H17.8.11. 5G~9G 一括で 0.18Ω H17.8.17. 1G~4G 一括で 0.19Ω であった 上記の測定結果から 50 60Hzクラスの事故電流に対しては連接接地の効果は出ている しかし 雷サージについては 時間軸を長くすれば上記の接地抵抗値に依存されるが μsオーダーではサージインピーダンスに支配される 隣接側のサージインピーダンスは 40~60Ω であろうが 隣接基へ分流自基のサージインピーダンスは私の知見は?Ω である 数 Ω と仮定すると分流効果は 10% 程度 と想定している 自基の接地系から大地に H24 年度にNEDO 関連で 当所で分流効果確認の測定を行ったが 測定器の不具合他で結果が得られなかった 今後に期待したい 3. 北条川架空電線路の連接接地 耐雷設計で布設している架空地線 (GW) は隣接基への 22kV ケーブル外装で連接接地している < 参考 > 1 ) 北条 WFの各地点の土壌は砂状で大地固有抵抗は高く 接地抵抗値は下げにくい環境である 反面 地下水位が各発電機地点でGL 2.2~6.5mの深度で好条件であった すなわち 接地電極棒は地下水位 (= 海水位 ) より深い部分で効いている 2 ) 季節 (= 土壌温度等 ) によって接地抵抗値が変化する 冬季よりも夏季の方が接地抵抗は低い また 地下水位 ( 海水面 ) が上がれば接地抵抗は低くなる 日本海の潮位変動は大きくなく この面で 北条砂丘 WF の接地抵抗は大きく変わることはない と思っている 3 ) 耐雷設計面での接地設計は接地抵抗値を下げるばかりでなく サージインピーダンス を下げる必要がある 針状電極はサージインピーダンスの低減効果がある 4 ) 別件にて H18.7. に 4G(L=28m 1 本 ) と 9G(L=24m 1 本 ) で深埋電極棒の追加をした 電圧降下法での接地抵抗値は 4G= 0.37Ω 9G= 0.75Ω であった 4 ) 保安規定別表 (= 巡視 点検及び測定基準 ) による接地抵抗測定は実施しない事としていた 平成 22 年 9 月の保安監督部の 立入検査 で定期的実施を指導された 以降 3 年毎に連接状態 ( ありのまま ) で 接地抵抗計 に依る測定を実施するようにしている (5/5) 以上
( 付 ) 接地工事概要と接地抵抗値 地下水位 GL メッシュ ADCC 60sq GL-1.7m 基礎杭電極 700Φ *800Φ 1G -3.04m 194 m2 26m 2G -3.84m 176 m2 15m 3G -4.17m 186 m2 20m 4G -5.98m 150 m2 *17m 北条川架空 -3.00m 西 (4G 側 ) ( 推定 ) 北条川架空 -3.00m 東 (5G 側 ) ( 推定 ) 5G -2.63m 182 m2 29m 針状電極 電極棒 (16Φ) メッシュ面から 深埋電極棒 SGP 管 (48.6Φ) GL 面から 接地抵抗 [Ω] 4 極 6mX11 本 0.36 4 極 6mX8 本 16m 2 本 0.28 4 極 6mX8 本 24m 1 本 0.27 16m 1 本 4 極 6mX16 本 24m 1 本 0.37 28m 1 本 * ア 1 極 4.5mX10 本 5.0 7.5mX 2 本 (GL から ) 1 極 4.5m 11 本 5.0 7.5m 2 本 (GL から ) 4 極 6mX 8 本 0.65 6G -2.26m 153 m2 27m 4 極 4.5mX 8 本 0.29 1.5mX 4 本 7G -2.23m 194 m2 15m 4 極 1.5mX 8 本 0.53 8G -2.64m 176 m2 *15m 4 極 6mX 16 本 20m 2 本 0.5 9G -6.52m 194 m2 *18m 4 極 6mX 16 本 24m 2 本 0.75 24m 1 本 * ア 66kV -3.00m 135 m2 - - - 2 極 1.5mX 13 本 3.4 変電設備 ( 推定 ) * ア = 追加でボーリング電極棒を H18.6/.7 施工 66kV 変電所 ~9G~5G~ 北条川横断架空 ~4G~1G 間の接地は全て連接接地している ( 付 )