Oracle DatabaseとIPv6 Statement of Direction

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Transcription:

Oracle ホワイト ペーパー 2011 年 2 月 Oracle Database と IPv6 Statement of Direction

免責事項 以下の事項は 弊社の一般的な製品の方向性に関する概要を説明するものです また 情報提供を唯一の目的とするものであり いかなる契約にも組み込むことはできません 以下の事項は マテリアルやコード 機能の提供をコミットメント ( 確約 ) するものではなく 購買を決定する際の判断材料とはなりえません オラクルの製品に関して記載されている機能の開発 リリース および時期については 弊社の裁量により決定されます

概要... 2 はじめに... 2 Oracle Database 11g Release 2とIPv6... 3 サポートされるホストとネットワーク構成... 3 Oracle Net Listener... 3 TNS 接続アドレス... 3 簡易接続ネーミング... 4 TCP 接続タイムアウト... 4 Oracle DatabaseのIPv6ロードマップ... 5 まとめ... 5

概要 Oracle Database 11g Release 2では 単一インスタンス モードでのすべての機能とコンポーネントでIPv6がサポートされています 本書では Oracle Database 11g Release 2で提供されているIPv6 サポートと 将来的なIPv6サポートに向けたロードマップについて説明します はじめに Internet Protocol Version 6(IPv6) はパケット交換ネットワーク用のネットワーク レイヤー (OSI モデル ) のプロトコルであり 現在使用されているInternet Protocol Version 4の欠点を解決するために作られています IPv6の大きな利点は 128ビットのアドレスを使用した無限に近いアドレス空間です Oracle Database 11g Release 2は RFC2732で規定された標準のIPv6アドレス表記をサポートしています 128ビットのIPアドレスは通常 4 桁の16 進数を : で区切り 8つ並べて表記します 4 桁の16 進数の先頭のゼロは省略されます たとえば 1080:0:0:0:8:800:200C:417Aは有効なIPv6 アドレスです ゼロが連続するフィールドは 任意で :: を使用して短縮できます 短縮して表記すると 1080::8:800:200C:417Aとなります もう1つのIPv6アドレス形式は 下位の4つの8ビットを標準 IPv4 表記で表し 6つの上位 16ビットを標準のIPv6 表記で表します この形式で表記すると ::FFFF:129.144.52.38となります URL 内では IPv6アドレスは [ と ] で囲んで表記します たとえば 標準 URL 文字列には [1080:0:0:0:8:800:200C:417A] が使用できます 2

Oracle Database 11g Release 2 と IPv6 このセクションでは Oracle Database 11g Release 2 での IPv6 の使用方法について説明します サポートされるホストとネットワーク構成次の表に クライアント / サーバー接続に使用されるプロトコルと 各種ホストおよびネットワーク構成をまとめます 以下の場合に ホスト ( クライアントまたはサーバー ) はIPv6 対応として記載されます 1. IPv6インタフェースが構成されている場合 2. IPv6( ネットワークおよびルーティング サポート ) を使用して別のホストに接続できる場合 IPv4とIPv6 の両方で接続をサポートしている場合は ホストはデュアル スタックとして記載されます IPv4 のみ対応のサーバー デュアル スタックの サーバー IPv6 のみ対応のサーバー IPv4のみ対応のクライアントデュアル スタックのクライアント IPv6のみ対応のクライアント サポートあり (v4) サポートあり (v4) サポートなし サポートあり (v4) サポートあり (v4 v6) サポートあり (v6) サポートなしサポートあり (v6) サポートあり (v6) Oracle Net Listener Oracle Net Listenerは listener.oraのtcpプロトコルにデフォルトのホスト名が使用されている場合 すべてのネットワーク インタフェースで受信された接続リクエストをリスニングします IPv4と IPv6で別々のリスニング エンドポイントをリスナーに設定する必要はありませんが 必要に応じて設定することが可能です listener.oraのaddressセクションでは 任意でIPパラメータを指定できます このパラメータによって ホスト名が使用された場合にリスナーがリスニングするIPアドレスが決定されます 指定できる値は FIRST V4_ONLY およびV6_ONLYです IPパラメータが指定されていなく デフォルト ホスト名が使用されている場合は ホスト名に相当するIPアドレスがすべてリスニングされます TNS 接続アドレス 11g Release 2バージョンのOracleクライアント スタックを使用したクライアントまたは中間層アプリケーションでは IPv6アドレスとIPv6アドレスに解決されるホスト名を TNS 接続アドレスのHOST パラメータで使用できます TNS 接続アドレスは サポートされている任意のOracle Netネーミング メソッドで取得できます 3

クライアントは 接続に成功するか すべてのアドレスへ接続の試行が終わるまで ドメイン ネーム システム (DNS) の名前解決によって返されるすべてのIPアドレスへ接続しようと試みます たとえば デュアル スタック ホスト上で実行されているクライアントが簡易接続記述子 sales-server/sales.us.example.comを使用する際に sales-serverがipv4のみに対応するホストとして構成されているとします そしてDNSは sales-serverを以下のipアドレスにマッピングしているとします 1. IPv6アドレス 2001:0DB8:0:0::200C:417A 2. IPv4アドレス 192.168.2.213 この場合 Oracleクライアントは最初にDNSリストの先頭にあるIPv6アドレスへの接続を試みます この例では sales-serverはipv6 接続をサポートしていないため この試行は失敗します 次に OracleクライアントはIPv4アドレスへの接続を試み これは成功します 簡易接続ネーミング簡易接続ネーミングは IPv6のホスト名およびアドレスをサポートするために拡張されています 構文は 上述のIPv6のURL 構文に準じます 簡易接続文字列の形式は ホスト名およびIPv4アドレスの形式と同じです 構文は次のとおりです hostにはホスト名またはipv4アドレスを指定し その他のパラメータは任意で指定できます [//]host[:port][/[service_name[:<server>]][/instance]] この構文はIPv6アドレスにも使用できます この場合 hostを [ と ] で囲まれたIPアドレスで置換します この新しい構文はホスト名およびIPv4アドレスにも使用できます たとえば [2001:fe8::12]:1522/sales.us.example.com この簡易接続文字列は 以下のtnsnames.oraのTNS 接続文字列に相当します salesdb = (DESCRIPTION = (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=2001:fe8::12)(PORT=1522)) (CONNECT_DATA=(SERVICES_NAME=sales.us.example.com))) TCP 接続タイムアウト接続記述子に含まれるすべてのIPアドレスには デフォルトで60 秒のTCP 接続タイムアウトが適用されます これには ホスト名から解決されるIPアドレスも含まれます このタイムアウトの時間を変更する場合 tnsnames.oraの接続文字列レベルで個々に指定するか (TRANSPORT_CONNECT_TIMEOUT) またはsqlnet.oraレベルですべての接続文字列に適用することができます (TCP.CONNECT_TIMEOUT) 4

Oracle Database の IPv6 ロードマップ Oracle Database 11g Release 2では 以下を除くすべての機能およびコンポーネントでIPv6がサポートされています 1. Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC) およびOracle Clusterware 2. Oracle Fail Safe また Windows 上で実行されるOracle Database 11g Release 2で ASMとONSベースのFAN 通知はサポートされていません 2011 年以降にリリースされるOracle Databaseでは これらのコンポーネントに対する制限が解除される予定です まとめ Oracle Database 11g Release 2 では 単一インスタンス モードでのすべての機能とコンポーネントで IPv6 がサポートされています RAC 環境における IPv6 は今後リリースされる Oracle Database でサポー トされる予定です 5

Oracle DatabaseとIPv6 Statement of Direction 2011 年 2 月著者 :Kant Patel Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問い合わせ窓口 : 電話 :+1.650.506.7000 ファクシミリ :+1.650.506.7200 www.oracle.com Copyright 2011, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. 本文書は情報提供のみを目的として提供されており ここに記載される内容は予告なく変更されることがあります 本文書は一切間違いがないことを保証するものではなく さらに 口述による明示または法律による黙示を問わず 特定の目的に対する商品性もしくは適合性についての黙示的な保証を含み いかなる他の保証や条件も提供するものではありません オラクル社は本文書に関するいかなる法的責任も明確に否認し 本文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします 本文書はオラクル社の書面による許可を前もって得ることなく いかなる目的のためにも 電子または印刷を含むいかなる形式や手段によっても再作成または送信することはできません Oracleは米国 Oracle Corporationおよびその子会社 関連会社の登録商標です その他の名称はそれぞれの会社の商標です 0109