HP Z Turbo ドライブ (PCIe SSD) のパフォーマンス評価 Samsung XP941 テクノロジを搭載 評価の実施者 ( 独立した評価機関 ) Hamid Taghavi シニアテクニカルコンサルタント 2014 年 6 月 後援
ページ 2 目次 はじめに... 3 SSDとは... 3 HP Z Turboドライブに搭載されたSSDについて... 4 ベンチマークの設定およびシステム構成... 5 評価対象のストレージデバイス :... 5 使用したベンチマークプログラム :... 6 ベンチマークの結果... 10 分析... 14 まとめ... 14 付録... 15 参考資料... 16
ページ 3 はじめに コンピューターが初めて市場に登場したとき コンピューターに保存される情報はすべてハードドライブ (HDD) に書き込まれていました テクノロジの進化に伴い ソリッドステートドライブ (SSD) がHDDに取って代わるようになりました SSDは HDDに比べてはるかに高速なストレージです SSDはさまざまなインターフェイスに対応しますが 現時点での市場の標準はSASとS ATAです 現在 HPとサムスンが提携して PCIeバス上で動作する新しい形態のメモリを提供しています PCI-Expressインターフェイスは帯域幅がSATAとSASのどちらよりも大きく さらにPCIeベースのSSDはホストバスアダプターとそれに付随するオペレーティングシステムドライバースタックをバイパスします この2 点により 複数のレベルでマザーボードへのパスが短くなります その結果 PCIeベースのSSDは非常に高速で動作することが期待できます データ量の多い操作 ( ビデオ処理 データセンターのサービス クラウドストレージなど ) では パフォーマンス向上によって大きな利点が得られます OTSIは ストレージ業界で一般的に使用されるベンチマークツールを使用して HDDとSSDの代表的なストレージデバイスを多数調査し その結果をHP Z Turboドライブ (PCIe SSD) のパフォーマンスと比較しました SSD とは SSDドライブは 長期保存データを集積回路アセンブリに格納するソリッドステートストレージデバイスです データを回転ディスクに格納する従来のHDDとは異なり ディスク やその他の可動部品がありません HDDに勝るSSDの主な利点は 非常に高速であることです SSD テクノロジではデータの記憶方法は異なりますが システムへの組み込みには引き続き既存または新しい標準 I/Oインターフェイスを使用します サポートされているインターフェイスには SATA S AS USB escsi PCIeなどがあります 高速化のためにRAMメモリを使用するSSDもありますが ほとんどのSSDはNANDベースのフラッシュメモリを使用してデータを格納します RAMストレージは恒久的ではないため 格納されたデータを保持するには別個の電源が必要です NANDメモリは格納されたデータを保持するための電源を必要としないため データ永続性の点で優れています NANDメモリはUSBフラッシュドライブや携帯電話で広く使用されています Samsung 240 SSD
ページ 4 HP Z Turbo ドライブに搭載された SSD について HP Z Turboドライブは ハーフハイト ハーフレングスのPCIeベースの拡張ボードであり PCIeスロットに直接差し込みます HPが設計したこのアダプターカードは 現時点でSamsung XP941(M.2フォームファクター ) の SSDテクノロジを搭載しています XP941には サムスン社のプロフェッショナルクラスのMLC NANDフラッシュメモリ トリプルコア 8チャネルU AXコントローラー (PCIe 専用に設計 ) およびファームウェアが組み込まれています サムスン社は世界最大のSSD 製造企業であり NANDメモリ ファームウェア コントローラーなどSSD 内部のすべての部品を製造しています XP941には2つまたは4つ (256 GBのドライブでは2つ 512 GBのドライブでは4つ ) の128 GB Samsung MLC NANDフラッシュメモリモジュールが搭載されています XP941ではサムスン社の10nmクラスのMLCを使用しており これは定評あるSamsung 840 Pro SSDで採用されている前世代の2 0nmクラスのMLCを継承するものです HP Z Turboドライブ (PCIe SSD)512 GB SSDはどんどん高速化しています 長い間 SSDでもHDDでも最も一般的なインターフェイスはSATAでした しかし SSDが速くなりすぎてSATA 3.0インターフェイスでは追いつかなくなっています そのため 高性能 SSD 向けのインターフェイスとして PCIeが有望な代替手段となっています PCIeベースで設計されたHP Z Turboドライブは SATA 3.0の600 MB/sのパフォーマンスボトルネックを克服し より高いスループットを達成できます Samsung XP941
ページ 5 ベンチマークの設定およびシステム構成 均一なテストを行うため このベンチマークのテストはすべてHP Z420 Workstation( 英語 ) で実施しました サイドバイサイド比較のベンチマークには 同一の2 台のHP Z420 Workstationを使用しました HP Z Turboドライブは ほかの多くのSSDと同様にブートドライブまたはデータドライブとして機能し 2つを同じシステム上で同時に使用する場合はこの両方として機能できるため 両方のベンチマークを実施しました 完全なシステム構成の一覧は付録に記載されています テストはすべて2 回実施しました 1 回目は1 台のドライブをブートデバイスとして使用し 2 回目は2 台の同一のドライブを1 台はブートドライブとして もう1 台はデータストレージドライブとして使用しました 2ドライブ構成の場合 ベンチマークの数値は データドライブに対する数値のみです 均一なパフォーマンスを確保するため システムはネットワークからの接続を解除し システムの電源プランは高パフォーマンスに設定し デバイスはすべてスリープまたは休止状態にならないよう設定しました また ファイアウォールは無効にし アンチウィルスソフトウェアはオフにしました ( 注 : このテストで使用したほかのデバイスと同様に HP Z Turboドライブ (PCIe SSD) はブートとデータストレージの両方のデバイスとして機能できますが すべてのSSDが両方のデバイスとして機能するとは限りません SSDの中には データストレージデバイスとしてしか機能しないものがあります (Fusion-io 社のioExtreme PCI Expressなど ) ) 評価対象のストレージデバイス : テストしたのは9つのストレージのオプションです SSDドライブは 256 GBおよび512 GBの2 台のHP Z Turboドライブ 128 GB 256 GB 512 GBの3 台のMicron M550 そしてSamsung SM843Tnが1 台です HDDドライブは Western Digital 500 GB 7200 R PM SATA Western Digital SATA 10K 500 GB HP SAS 15K 300 GBの3 台です ベンチマークを実施したストレージデバイスの一覧 : HP Z Turboドライブ (PCIe SSD)256 GB(PCIe) HP Z Turboドライブ (PCIe SSD)512 GB(PCIe) Micron M550 128 GB SSD(SATA) Micron M550 256 GB SSD(SATA) Micron M550 512 GB SSD(SATA) Samsung Enterprise SM843Tn 240 GB SSD(SATA) Western Digital 500 GB 7200 HDD(SATA) Western Digital 10K 500 GB HDD(SATA) HP 15K 300 GB HDD(SAS)
ページ 6 使用したベンチマークプログラム : 使用したベンチマークプログラムは次のとおりです ベンチマークの一覧 : ATTO AJA System Test BlackMagic Disk Speed Test IOMeter Passmark SPECwpc ATTO AJA BlackMagic IOMeterはストレージ専門のベンチマークツールです PassmarkとSPECwpcには ストレージだけでなくその他の領域向けのコンポーネントが含まれています 可能な場合 ここで示すベンチマークでは 小さいサイズと大きいサイズの両方のサンプルストレージを使用して さまざまなテスト条件をシミュレートしました ベンチマークツールはテスト対象のドライブにインストールし ドライブから起動しました ほとんどの場合 すべてのベンチマークで データドライブがブートドライブと同等以上に適切に動作することを示しました これは予想どおりです 大量の空き領域を必要とするIOMeterでは Mi cron M550 128 GBのテストケースで システムディスクの大きさが十分ではないためにベンチマークのサンプルサイズを小さくする必要がありました サンプルサイズを小さくしたことで Mi cron M550 128 GBについてのIOMeterのベンチマークの数値が向上した可能性があります ATTO Disk Benchmark BlackMagic Disk Speed Testは ビデオ関連の操作に対するストレージデバイスのスループットのテストに広く使用されているツールであり さまざまなビデオフォーマットに対するストレージデバイスの対応能力をテストします ベンチマークは最大 5 GBのサンプルサイズで実行し 結果の平均が表で示されました 最適な結果を得るためには 安定した結果を蓄積するためにドライブを10 分以上作動させる必要がありました BlackMagic Disk Speed Test
ページ 7 Passmark Performance Testには 2Dおよび3Dグラフィックス メモリ CPU およびストレージの速度を評価するためのモジュールがあります ( ストレージのベンチマークは Disk Mark と呼ばれていますが ディスク以外のデータストレージメディアにも使用できます ) 可能な限り最長のオプションを選択し 構成ごとに3 回繰り返し実行しました 結果の平均は表で示されました Passmark Performance Test AJA System Testは AJA Video Systems 社が提供するシンプルなツールであり ビデオ処理パフォーマンスの最大化を評価する一環として システム上のストレージデバイスのパフォーマンスを調べます テストは3つのモード ([Disk Read + Write] [Sweep Video Frame Sizes] [Swe ep File Sizes]) で実施し 各モードで 1280 x 720 1920 x 1080 2048 x 1556ピクセルのビデオ解像度 および1 4 8 16 GBのサンプルサイズでテストしました 全体で 各構成を20 種類の異なる動作について測定しました AJA System Test
ページ 8 IOMeterは 単一構成とクラスター化された構成の両方について I/Oサブシステムの測定および特性評価を行うパワフルなツールです Intel 社によって開発され その後オープンソースコミュニティに提供されました 業界で広く使用されており ユーザーインターフェイスで表示されるパラメーターを使用して 多種多様なストレージ使用状況プロファイルをシミュレートするように設定できます ストレージのスループットと1 秒あたりのI/O 操作 (IOPS) 回数の両方を測定できます IOMeter ベンチマーク
ページ 9 SPECwpcは ワークステーションパフォーマンスのあらゆる重要な側面を測定するために設計された複数の専門的アプリケーションとツールで構成される大規模なベンチマークスイートです 主要なハードウェアベンダー (HP AMD 富士通 Dell Intel Lenovo NEC NVIDIAなど ) を代表するスタッフによって開発されました 32の作業負荷を使用して 6つの主要な業種カテゴリ ([Media & Entertainment] [Product Development] [Life Sciences] [Financial Services] [Energy] [General Operations]) についてのさまざまなコンピューティング領域をテストしました 個々のテストのスコアを総計して 6つの業種カテゴリの正規化されたスコアが計算されます Passmarkと同様に SPECwpcではストレージのパフォーマンスだけでなく多くのことを測定するため ストレージのみのパフォーマンスと一般的なパフォーマンスの両方の数値が示されます SPECwpcを適切に実行するには いくつかのシステム要件を確認してからインストールする必要があります これにはMS HPC Pack 2008 R2 MS-MPI 再頒布可能パッケージが必要であり まだインストールされていない場合はインストールされます このベンチマークは 初めから終わりまですべて初期値で実行しました ただし 初期値の多くはストレージのパフォーマンスを測定せず 完了までに数時間かかります SPECwpc ベンチマークスイート
ページ 10 ベンチマークの結果 すべてのベンチマークの未加工の元の数値を合算したものを表にしました 総合的なスコアを出すために 未加工の数値を均等に合算しています すべてのテストスコアを最も低速なドライブに対して正規化しました 正規化は値を単純化するだけで 特定のドライブを別のドライブより優遇するものではありません 総合的なストレージのスコア : すべてのテストのストレージのみのベンチマークの正規化した数値を合算して ドライブの種類ごとに示しています ( 図 1) 図 1: ストレージのスコア ( ブートドライブとデータドライブの両方についてすべてのストレージ関連のベンチマークを合算したもの )
ページ 11 合計スコア : すべてのテストのスコアを合算して 1つの正規化された数値にしています これらのテストには ストレージだけでなく CPU RAM およびグラフィックスの結果が含まれています ( 図 2) 図 2: ブートドライブとデータドライブの両方の正規化された合計スコア
ページ 12 1 秒あたりのI/O 操作 (IOPS) 合計 : ブートドライブとデータドライブの両方について IOMeterベンチマークによるIOPS 回数を示しています ( 図 3) 図 3: ブートドライブとデータドライブの両方の IOPS(1 秒あたりの I/O)
ページ 13 読み取りスループット (MB/ 秒 ): データドライブとブートドライブの両方について ATTOベンチマークによるすべての読み取り / 書き込みテストの平均を示しています ( 図 4) 図 4: ブートドライブとデータドライブの両方の ATTO 読み取り (MB/ 秒 )
ページ 14 分析 グラフに示すとおり 2 台のHP Z Turboドライブ (PCIe SSD) はすべてのテストケースで最速のストレージであることが立証されました データを複数の方法でグラフ化することにより このことが裏付けられました ベンチマークの実施中には PCIeスロット4が最速のパフォーマンスを示し HP Z Turboドライブ (PCIe SSD) に推奨されるスロットであることがわかりました HP Z Turboドライブは256 GBも512 GBも テストしたほかのSSDおよびメカニカルドライブよりもはるかに速く動作します 場合によっては 読み取りおよび書き込みのパフォーマンスは 鍵となる1 GB/ 秒のしきい値を上回ります 未加工のベンチマークデータは CPU グラフィックス およびRAMコンポーネントがストレージの速度の影響を受けなかったことを示しています ストレージ関連のベンチマークは一貫した結果を示しています テストしたSAS HDDドライブはすべてのストレージテストでSATA HDDドライブ (1つの例外あり) よりも概して高速でした SSDドライブはSASおよびSATA HDD よりも高速で PCIeの数値はほかのものよりもほぼ100% 高速でした ストレージのパフォーマンスは SATA HD D SAS HDD SATA SSD そしてPCIe SSDドライブ (HP Z TurboドライブPCIe SSD) の順番で向上するパターンになっています ほとんどの場合 データドライブのパフォーマンスはルートドライブと同等またはそれ以上に良好です HP Z Turboドライブ512 GB(PCIe SSD) には複数のNANDモジュールがあり 並行 IO 操作が可能なため HP Z Turboドライブ256 GB(PCIe SSD) よりも高速です まとめ このベンチマークでは HP Z TurboドライブPCIe SSD(256 GBおよび512 GB) がテスト対象の中で最速のドライブであることがわかりました このドライブは さまざまなストレージトランザクションやファイルサイズで テスト対象のほかのドライブよりも非常に優れたパフォーマンスを示しています HP Z TurboドライブPCIe SSDは ビデオ処理 データセンター クラウド CAD アプリケーションなどのストレージ使用量の多いアプリケーションでは速度の点で大きなメリットがあります
ページ 15 付録 テストシステムの構成 :HP Z420 コンピューターの種類 : デスクトップ 製造元 : Hewlett-Packard ベースボード ID: 1589 シリアル番号 : us42030016 BIOS バージョン : 3.69 プロセッサ : Intel(R) Xeon(R) CPU E5-1660 v2 @ 3.70 GHz 有効なプロセッサ数 : 12 メモリの合計 : 32 GB グラフィックスカードおよびドライバー : Quadro K5000 -- ドライバーバージョン 331.82 オペレーティングシステム : Windows 7(64 ビット ) 現在のカルチャ : en-us HP Z Turbo ドライブ (PCIe SSD) の公開されている仕様 : HP Z Turbo ドライブ (256 GB) HP Z Turbo ドライブ (512 GB) NAND の種類 : MLC MLC 読み取り帯域幅 (128 KB): 1.08 GB/s 1.17 GB/s 書き込み帯域幅 (1 MB): 800 MB/s 930 MB/s ランダム読み取り IOPS(4 KB): 120K 122K ランダム書き込み :IOPS(4 KB) 60K 72K 耐久性 ( 合計書き込みバイト数 ): 146 TB 292 TB 質量 : 51 g 51 g フォームファクター : ハーフハイト ハーフレングスハーフハイト ハーフレングス サポートされているプラットフォーム : HP Z230 HP Z420 HP Z620 およびHP Z820(256 GBと512 GBの両方 ) を含むすべてのデスクトップワークステーション
ページ 16 参考資料 HP Z Turbo ドライブの仕様 :http://h20195.www2.hp.com/v2/getpdf.aspx/4aa5-1884enw( 英語サイト ) HP Z420 Workstation:http://h10010.www1.hp.com/wwpc/pscmisc/vac/us/product_pdfs/Z420_datasheet-highres.pdf( 英語サイト ) HP Z Turbo ドライブのプレスリリース :http://www8.hp.com/us/en/hp-news/press-release.html?id=1613282#.u2_thfldv8e/ ( 英語サイト ) BlackMagic Speed Test:https://www.blackmagicdesign.com/jp/ ATTO テスト :http://www.attotech.com/disk-benchmark/ ( 英語サイト ) Passmark テスト :http://www.passmark.com/japanese/index.htm AJA System Test:https://www.aja.com/jp/family/software/ IOMeter テスト :http://www.iometer.org/doc/matrix.html( 英語サイト ) SPECwpc スイート :http://www.spec.org/gwpg/wpc.static/wpcv1info.html( 英語サイト ) Copyright 2014 Object Technology Solutions Inc. hpはhewlett-packard Corporationの商標または登録商標です SamsungはSamsung Corporationの商標です IntelはIntel Corporationの商標です 他のすべての商標はそれぞれの所有者に帰属します