Oracle Database 10g Release 2: Maximum Availability Architecture へのロードマップ Oracle Maximum Availability Architecture ホワイト ペーパー 2006 年 4 月 Maximum Availability Architecture 高可用性の Oracle ベスト プラクティス
Oracle Database 10g Release 2: Maximum Availability Architecture へのロードマップ はじめに... 3 MAA のバックグラウンド... 3 MAA の機能... 4 MAA の利点... 4 MAA による計画停止時間と計画外停止時間の最小化... 5 MAA ベスト プラクティスの関連資料を使用するためのロードマップ... 6 参考資料... 9 Oracle Database 10g Release 2:Maximum Availability Architecture へのロードマップ 2
Oracle Database 10g Release 2: Maximum Availability Architecture へのロードマップ はじめに Oracle Maximum Availability Architecture (MAA) [1] は オラクルの実証済み高可用性テクノロジと推奨事項に基づくオラクルのベスト プラクティスの青写真です MAAの目標は 最適な高可用性アーキテクチャの設計から複雑さを排除することです このホワイト ペーパーでは 次のトピックに焦点を当てます MAA の機能 MAA の利点 ベスト プラクティスによる さまざまな計画停止および計画外停止のためのリカバリ時間の予測 MAA 関連資料活用のロードマップ MAA には アプリケーション全体とさまざまなレイヤーが含まれますが このホワイト ペーパーでは MAA の利点と Oracle Database のベスト プラクティスに重点が置かれています MAA のバックグラウンド 企業は 高度にネットワーク化されたグローバル経済において 休むことなく稼動しています 業務を停止する余裕はありません 現在のビジネスを支える IT システムでは 信頼性と常時利用可能であることが要求されています しかし 導入されるシステムの機能が増えるにつれ IT 管理者 アーキテクト および管理者には 一連の適切な機能を統合してビジネス要件のすべてを満たす統一された高可用性 (HA) ソリューションの構築が困難になっています 一本化された明確な方向性がない場合 IT 管理者は外部のコンサルタント チームに依存し 適切な HA システム構成を決定するために何百ページものドキュメントを検討することになります しかも その構成が企業固有のニーズを満たすかどうかはわかりません そこで MAA の登場です MAA は 高可用性システムの設計は複雑であってはならない 憶測を伴ってはならないという考えに基づいて概念化されたものです そのため MAA フレームワークでは 企業がシステムから最大可用性を引き出し 最も厳しい品質保証契約 (SLA) 要件を満たすために オラクルの実証済み高可用性テクノロジおよびグリッド コンピューティング テクノロジを使用した 綿密なベスト プラクティスが多数提供されます Oracle Database 10g Release 2:Maximum Availability Architecture へのロードマップ 3
MAA の機能 MAA には Oracle Database Oracle Application Server Oracle Applications Oracle Collaboration Suite Oracle Grid Control など 包括的な一連の Oracle 製品を対象とする高可用性ベスト プラクティスの推奨事項が組み込まれています これらのベスト プラクティスには アーキテクチャ 構成 運用のベスト プラクティスが含まれています このホワイト ペーパーではデータベースのみを取り上げます MAA では さまざまな業務の品質保証契約 (SLA) を考慮して これらのベスト プラクティスをできるだけ広範囲に適用できるようにしています MAA は グリッドの概念を活用してコモディティ サーバーを使用し リジリエンスがある低コストのストレージを活用してリジリエンスに優れた低コストのコンピューティング インフラストラクチャを提供し 従来のコンピューティング アーキテクチャよりも高品質のサービスを実現します MAA は オラクルの新バージョンと機能とともに進化します MAA は ハードウェアやオペレーティング システムに依存しません MAA の利点 MAA は 詳細な構成ガイドラインを提供して 可用性の高い Oracle システムの実装コストを削減します さまざまな構成におけるパフォーマンス インパクトの調査結果では 選択された高可用性アーキテクチャが企業のニーズに応じて 継続的に機能し拡張できることがはっきりと示されています また MAA は 標準的な Oracle 機能を使用して 従来のオラクル以外のテクノロジ ( たとえば サード パーティのファイル システム ボリューム マネージャ クラスタ ソフトウェア リモート ミラーリング バックアップとリカバリ システム管理など ) が提供した強化機能を置き換え 提供することによって 可用性の高い Oracle システムの調達や管理 サポートにかかる費用を削減します MAA は 人的エラー システム障害 クラッシュ 保守 アップグレード データ障害 破損 災害などの計画停止および計画外停止による停止時間をゼロまたは最小限に抑えるためのベスト プラクティスを提供して 停止時間のコストを削減します MAA は 障害発生時に 停止からの復旧時間の長さと容認できるデータの損失量を管理する機能を持っているので 特定のビジネス要件に合わせて平均リカバリ時間 (MTTR) をカスタマイズできます MAA は 計画外停止を検出し 数秒で修復する機能を備えています MAA では 計画的な保守による停止時間をゼロにするか または短縮するためのソリューションとプラクティスを提供します また MAA は運用のベスト プラクティスを推奨し 停止時間を最小限に抑えます 主な運用のベスト プラクティスは次のとおりです Oracle Database 10g Release 2:Maximum Availability Architecture へのロードマップ 4
品質保証契約 (SLA) を記録し 伝達します システムの安定を維持するために 変更管理およびセキュリティのプロシージャを確立します 本番システムに影響を及ぼす前に 変更をテストして問題を防ぐため 本番アクティビティを正確に模倣できるテスト環境を作成します グリッド コントロールを活用して 潜在的な障害や問題を検出し 積極的に対処します MAA 推奨の修復方法を活用し 推奨された MAA マトリクスを使用して 緊急シナリオ用の停止と修復の決定木を作成します MAA ベスト プラクティスに従うことによって 修復プラクティスを自動化および最適化して 停止時間を最小限に抑えます MAA による計画停止時間と計画外停止時間の最小化 表 1 では MAA ベスト プラクティスを使用した場合に達成可能な計画外停止の リカバリ時間を示します 表 1: 計画外停止の達成可能なリカバリ時間 停止の種類 MAA 実現テクノロジ コンピュータ障害 停止時間なし Real Application Clusters (RAC) ストレージ障害 停止時間なし Automatic Storage Management (ASM) 人的エラー 30 分未満 フラッシュバック テクノロジ データの破損 停止時間なし 30 秒未満 適切であれば Hardware Assisted Resilient Storage (HARD) Data Guard サイト障害 30 秒未満 Data Guard 表 2 では MAA に関する全種類の計画停止時間の達成可能なリカバリ時間を示し ます Oracle Database 10g Release 2:Maximum Availability Architecture へのロードマップ 5
表 2: 計画停止の達成可能なリカバリ時間 停止の種類 MAA 実現テクノロジ システムの変更 停止時間なし 動的なリソースのプロビジョニング システムの変更 - ローリング アップグレード システム レベルのアップグレードクラスタまたはサイト全体のアップグレード 停止時間なし 数秒 ~5 分 RAC Data Guard ストレージの移行停止時間なし ASM データベースの 1 回限りのパッチデータベースのパッチ セットおよびバージョンのアップグレード 停止時間なし 数秒 ~5 分 適切であれば RAC 適切であれば ロジカル スタンバイを持つ Data Guard プラットフォームの移行 数分 ~ 数時間 トランスポータブル データベース トランスポータブル表領域またはストリーム データの変更 停止時間なし オンラインの再編成および再定義 MAA ベスト プラクティスの関連資料を使用するためのロードマップ MAA に関する資料は さまざまな Oracle テクノロジでのアーキテクチャ 構成 運用に関する高可用性ベスト プラクティスの青写真で構成されています たとえば 図 1 は Oracle Database と Oracle Application Server を含む高可用性アーキテクチャを示しています Oracle Database 10g Release 2:Maximum Availability Architecture へのロードマップ 6
図 1:Oracle Maximum Availability Architecture クライアントクライアントクライアント Oracle Application Server WAN Traffic Manager Oracle Application Server 専用ネットワーク インスタンス 1 インスタンス 2 インスタンス 1 インスタンス 2 Oracle Data Guard RAC 本番データベース プライマリ サイト RAC スタンバイ データベース セカンダリ サイト ハートビート 図 1 で示しているアーキテクチャには まったく同じように構成されたプライマリ サイトとセカンダリ サイトが含まれています プライマリ サイトには ホスト障害およびインスタンス障害から保護するために 複数のアプリケーション サーバーと Oracle Real Application Clusters (RAC) を使用した本番データベースが含まれています セカンダリ サイトも同様に 構成されたアプリケーション サーバーと Oracle Data Guard によるプライマリ データベースとの同期を維持したフィジカル スタンバイ データベースまたはロジカル スタンバイ データベースが それぞれ含まれています クライアントは最初にプライマリ サイトにルーティングされます 重大な障害がプライマリ サイトに影響を及ぼした場合 Data Guard は本番データベース ロールをスタンバイ データベースにフェイルオーバーします その後 クライアントをセカンダリ サイトの新しいプライマリ データベースに切り替えることができるので ビジネスの可用性が復旧されます Oracle Database 10g Release 2:Maximum Availability Architecture へのロードマップ 7
最新のMAAに関する資料については MAA OTN website [1] を参照してください Oracle Database 10g Release 2 のMAAに関する資料の使用についての推奨ロードマップを以下に示します Oracle Database 高可用性概要 [2] 高可用性の概要を提供します 使用可能なオラクルの高可用性ソリューションおよび機能について説明します 高可用性の要件と品質保証契約について説明します 可用性の高い推奨アーキテクチャについて説明します 推奨されている高可用性アーキテクチャを選択する方法について説明します それぞれの高可用性アーキテクチャについて 計画停止および計画外停止に対する高レベルの停止および修復マトリクスを提供します サード パーティのアーキテクチャと比較します Oracle 高可用性アーキテクチャおよびベスト プラクティス [3] 構成のベスト プラクティスを提供します 管理のベスト プラクティスを提供し 最適な方法で停止を検出 管理 および修復するか 停止時間を最小限に抑えます Focused HA Best Practice papers and presentations [3] 次の MAA トピックに関する詳細 比較 および分析 障害時リカバリ ( ネットワーク フィジカル スタンバイ ロジカル スタンバイ ) バックアップとリカバリ ストレージ管理 低コストのストレージ クライアント フェイルオーバー 中間層の高可用性 Oracle Applications Oracle Collaboration Suite および Oracle Enterprise Manager の高可用性 カスタマ エクスペリエンスとケース スタディ High Availability Case Studies [4] Data Protection:Oracle Data Guard, It s Not Just About Disasters [5] Implementing the Maximum Availability Architecture on Dell PowerEdge Servers and Dell/EMC Storage over Wide Area Networks [6] Oracle Database 10g Release 2:Maximum Availability Architecture へのロードマップ 8
参考資料 1. Oracle Maximum Availability ArchitectureのOTN Webサイト http://otn.oracle.co.jp/products/availability/htdocs/maa.html 2. Oracle Database 高可用性概要 (B19206-01) http://otndnld.oracle.co.jp/document/products/oracle10g/102/doc_cd/nav/portal_4. htm 3. Oracle 高可用性アベスト プラクティス (B31489-01) http://otndnld.oracle.co.jp/document/products/oracle10g/102/doc_cd/nav/portal_ 4.htm 4. High Availability Case Studies( 英語 ) http://www.oracle.com/technology/deploy/availability/htdocs/ha_casestudies.html 5. Data Protection:Oracle Data Guard, It s Not Just About Disasters ( 英語 ) http://www.oracle.com/technology/deploy/availability/htdocs/dataguardprotection.html 6. Implementing the Maximum Availability Architecture on Dell PowerEdge Servers and Dell/EMC Storage over Wide Area Networks ( 英語 ) http://www.dell.com/downloads/global/power/ps2q05-20040265-rad.pdf 7. Hardware Assisted Resilient Data (HARD) Initiative: Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters 管理およびデプロイメント ガイド (B19198-03) http://otndnld.oracle.co.jp/document/products/oracle10g/102/doc_cd/nav/po rtal_16.htm Oracle Database 高可用性概要 (B19206-01) http://otndnld.oracle.co.jp/document/products/oracle10g/102/doc_cd/nav/po rtal_4.htm 8. Oracle Data Guard 概要および管理 (B19233-02) http://otndnld.oracle.co.jp/document/products/oracle10g/102/doc_cd/nav/portal_4. htm Oracle Database 10g Release 2:Maximum Availability Architecture へのロードマップ 9
Oracle Database 10g Release 2:Maximum Availability Architecture へのロードマップ 2006 年 4 月著者 :Lawrence To Joseph Meeks 共著者 :Viv Schupmann Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口 : 電話 :+1.650.506.7000 ファクシミリ :+1.650.506.7200 oracle.com Copyright 2006, Oracle.All rights reserved. 本文書は情報提供のみを目的として提供されており ここに記載される内容は予告なく変更されることがあります 本文書は一切間違いがないことを保証するものではなく さらに 口述による明示または法律による黙示を問わず 特定の目的に対する商品性もしくは適合性についての黙示的な保証を含み いかなる他の保証や条件も提供するものではありません オラクル社は本文書に関するいかなる法的責任も明確に否認し 本文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします 本文書はオラクル社の書面による許可を前もって得ることなく いかなる目的のためにも 電子または印刷を含むいかなる形式や手段によっても再作成または送信することはできません Oracle JD Edwards および PeopleSoft は オラクル社およびその子会社 関連会社の登録商標です その他の名称はそれぞれの会社の商標です