Autodesk Simulation Moldflow を活用したプラスチック材料代替による軽量化 オートデスク株式会社製造営業本部アカウント営業部アカウントマネージャ堀内達司 Image courtesy of AutoHorizons Foundation and Delineate Sponsored by
トピックス 自動車には多くのプラスチックが使用されている プラスチック産業の成長に大きな影響がある 解析によりモデルの修正 改善 最適化が行われている 射出成形が用いられている 事前に Moldflow で検証を行い 不具合を予測する事はトライ & エラーの回数を削減出来るなどメリット大きい
金属の絞り加工 電気設計 デザイン内容 成形品 複雑なメカニズム 機械加工
プラスチック市場の成長 300 World Production in million tons * 250 200 150 100 Steel Plastics 50 0 * Source BASF
自動車におけるプラスチックの使用 軽量素材を広範囲に使用
プラスチックにおいて 何故射出成形のシミュレーションを使用するのか? 設計通り意図したものが得られるとは限らない あるべき姿 実際
不良予測回避生産時に発生する問題を回避する ウェルドライン 反り 過度のストレス ウェルドライン = 強度懸念箇所
早期段階で頻繁にシミュレーションプロセスを効果的に変更 1 2 シミュレーション 4 3 1 2 3 4 機能への影響力設計変更に要するコスト従来の設計プロセス理想的な設計プロセス コンセプト設計設計とエンジニアリング 試験 製造 現場 時間
Autodesk Simulation Moldflow ソリューションプラスチック射出成形ポートフォリオ Autodesk Simulation DFM リアルタイムフィードバックターゲット : 部品設計者 コンセプト 部品設計エンジニアリング金型設計成形 Autodesk Simulation Moldflow Adviser 基本的な射出成形解析ターゲット : 成形 & 金型設計者 Autodesk Simulation Moldflow Insight 高度な射出成型解析向けターゲット : プラスチックスエンジニア ( 解析専任者 )
Autodesk Simulation 360 課題 大規模な製品や最適化の解析を実施するには ハイスペック PC が必要になるが投資金額を抑えたい メリット大規模なモデルや最適化により複数解析を行う場合は クラウド上で解析処理を行う事でハイスペック PC の投資を押させることが出来る Autodesk Simulation ハードウェア環境 クラウドベースシミュレーション
Autodesk Simulation Moldflow 360 最適化と DOE( 実験計画法 ) 解析の為にクラウドを使用! Autodesk Simulation Moldflow Insight ベース 全てのメッシュ生成と解析処理はクラウド上で行う ( 無限のコンピューティング ) ローカル PC にインターフェースをインストール 全ての解析結果はローカル PC に転送
プラスチック充填解析 ウェルドライン エアートラップ ヒケ等 不良現象を予測 機能 ゲート位置解析 充填解析 モールディングウィンド解析 ウェルドライン エアートラップ ヒケ解析
ランナーシステムデザイン あらゆるタイプのホット / コールドランナーシステムとゲート設定を簡単にモデリングし バランスを調整 Unbalanced Balanced
金型冷却解析 金型の冷却システムの最適化成形品の外観 反り サイクルタイム改善
保圧 反り解析 成形後の収縮と反りを予測 コントロールし成形品の構造の完全性を評価 機能 反り予測 冷却システムの分析 冷却システムのモデリング 反りの要因解析 異なる冷却スピードDifferential Cooling 肉厚さによるアンバランスな収縮 異方性収縮 構造解析との連成
不良現象の可視化 成形不具合が発生した時 不良個所にシボにする事によりヒケを目立たなくする等 設計や製造工程を見直しを行う 機能 Autodesk Showcase で予測される不良現象をフォトリアルにビジュアル化 ヒケと反りを可視化
新たな市場要求 軽量化 / 新材料採用 マツダ自動車 News from Mazda http://www.mazda.co.jp/ 記者ブログ 自動車材料 http://www.kagakukogyonippo.com/ より抜粋
軽量化するためのリスク 成形手法 薄肉設計充填可否 反り変形など 金属からプラスチックへの置換 部品強度の問題 ガラス繊維入り材料による反り ガラスからプラスチックへの置換 射出圧縮成形 SRIM/RTM 成形
バンパーの肉厚検討 肉厚を何ミリまで薄く出来るのか検討したい成形の知識が無いのでよくわからない インジケータ 製造性 コストサステナビリティ
インジケータによる生産性の確認 製造可能性インジケータ コスト効率性インジケータ プラスチック材料影響 インジケータ 肉厚 アンダーカット 抜き勾配 ウェルドライン ヒケ 充填 金型費 材料費 生産コスト カーボンフットプリント 総エネルギー消費量 リサイクル性 総使用水量
バンパーの薄肉化 Autodesk Simulation Moldflow Insight で反り解析を実施
バンパーの肉厚検討 肉厚 1.8mm 肉厚 2.2mm 肉厚 2.5mm 充填 NG 充填 OK 充填 OK 反り NG 反り OK
長繊維 短繊維の成形品 幅広く利用生産性高い低強度 強堅射出成形シミュレーションが確立 中度に利用 急成長生産性高い低強度 強堅射出成形 圧縮成形シミュレーションを開発中 利用少ない生産性低い低強度 強堅新興プロセス シミュレーション 短繊維成形品 長繊維成形品 長繊維合成物
繊維材の分布図 10h 熱硬化性 + ファイバーマット サイクルタイム 10min 熱硬化性 + 長繊維 10s 熱可塑性 + 短繊維 熱可塑性 + 長繊維 High Medium Low 生産用途
繊維配向分布 プラスチック中に繊維を入れて射出成形を行うと 充填の影響により繊維の向きが変わってしまう
繊維配向予測の歴史 Charles L. Tucker III, Department of Mechanical Science and Engineering University of Illinois at Urbana-Champaign Jeffrey Equation - 1922 Advani-Tucker fiber tensor theory 1980s Folgar-Tucker Model - 1980s IMUG 2008: Improvement of Fiber Orientation Theory RSC = Reduced Strain Closure : Wang-Tucker model ARD = Anisotropic Rotary Diffusion : Phelps- Tucker model
新繊維配向解析ソルバー :ARD-RSC ソルバー Autodesk Moldflow 特許 独占的商業化権利有 自動車業界などプラスチック製品の軽量化に向け 長繊維入り材使用量が増加 これらの業界ニーズに合わせた ソルバー開発 材料データ更新 長繊維入り材の配向特長 短繊維入り材に比べコア配向領域が大きい Moldflow Insight では 主に 1mm 以上の繊維長入り材に本ソルバーを適用 短繊維 長繊維
自動車業界のトレンド 軽量化 単一部品化 コストダウンを目的として今後ますますプラスチック化が進むと結論づけている Plastics Info World 2009 年 8 9 月号より
現状製品と新たな開発テーマ 製品重量 111.4g テーマ : 軽量化する! 但し 成形品の品質 製品強度が現状品と同等かそれ以上であること
成形品の品質 反り変形極力なきこと 現状の製品と同等かそれ以下のこと 平面 回転部基準 目安としてペダルの回転に影響をおよぼす横方向の反り変形 ( 平面度 ) を確認 平面
設計案の検討 初期形状 リブ厚 2mm 改善案 : 体積 :72.8cm^3=8.5% 削減 リブ高さ変更を検討 リブ高さ UP 反り変形と強度は大丈夫?
改善案の流動解析結果 充填パターン 非常にスムース
改善案の反り変形確認 現状製品と設計案 2 の反り変形の比較現状製品 OK 改善案製品 最大基準変位量 0.35mm を満たしている 変位量 0.344mm 変位量 0.304mm
デジタルプロトタイピング 連携 :Moldflow と Simulation 樹脂流動解析ソフトウェア 構造解析ソフトウェア Moldflow の変形後の形状や繊維配向結果を Simulation へ受け渡し! 繊維配向については メッシュマッピング技術を使用
現状品の強度確認 現状製品の構造解析を実施 Moldflow の異方性 ( 繊維配向 ) のデータをSimulationへ受け渡し Moldflow 拘束 約 10kgf
軽量化案の強度確認 現状製品と設計案 2 の相当応力の比較現状製品 OK 軽量化案製品 最大基準相当応力 100MPa を満たしている 最大相当応力約 94.9MPa 最大相当応力約 84.2MPa 相当応力表示 :0~100MPa のスケール表示にて統一
開発テーマを満たした結果 PA66 GF 入り材料 約 12.5g の軽量化に成功 (11.2% 減 ) 現状 111.42g 新規 98.90g
費用対効果 品質 UP 設計時に事前検討することによりウェルドライン 反りなど形状から発生する不具合を回避できます 納期短縮 金型修正 度重なる試作 最終的には設計変更 市場投入のタイミングに間に合ってますか? 流動解析を使って自身の設計品質を高めてより高品質な製品を作ることが可能です!! コストダウン 今回のケースで 12.5g/st の材料 Down 800/kg として 100 万個成形とすると 1,000 万円の材料費削減が可能 流動解析を使って材料費 サイクルタイム 成形機サイズダウンなどコストを考慮した設計が可能です!! 流動解析を使って各部署 各工程間で情報共有をして フロントローディングを行うことが可能です!! 競合他社との差別化 経験や勘は重要ですが それだけで顧客は納得してますか? アイディアを可視化して受注に利用も可能です 流動解析を使って顧客への提案を可視化させて信頼を得たり 営業的なツールとした活用が可能です!! 流動解析は上手に活用することにより 大きなメリットを生み出します!
長繊維ファイバーマット成形 : Structural Resin Transfer Molding (SRIM) Low production volumes!
SRTM(Structural Resin Transfer Molding) 強化材であるファイバーマットを液状熱硬化性材料で成形し 高品質な外観を得る事 が出来る 金型成形工程において低圧で成形を行う
RIM 工程 成形金型内に強化材を設置し 金型を閉締した後 樹脂注入口より樹脂を注入して 強化基材に含浸させて成形する方法です
使用用途 特徴 : 軽量でありながら高い強度を有する 更なる強度 / 軽量化の考慮がしやすい エポキシと高強度カーボンファイバーマットを使用 Material E1 (MPa)* E2 (MPa)* Density (gr/cm^3)* Unfilled Nylon 1400 1400 1.1339 Nylon with 30% Short Glass fibers 8500 5000 1.3725 Nylon with 30% Long Glass fibers 9500 6500 1.3941 Epoxy with Carbon fiber mat 80000 80000 1.58 * Ball park numbers
課題 自動車における RTM ファイバーマットの使用は ごく限られた用途で使用されており課題も多く有する 材料コスト 堅い部分は歩行者衝撃試験に合格しない可能性 大量生産するには生産性が悪い ( サイクルタイムが 12~90 分 )
これからも進化していく分野 ファイバーマットを用いた軽量化の必要性は注目をあびており 今後も改良が進められていく領域である 改善された新しいプラスチック材料はサイクルタイムと汎用性が高い より柔軟性のある材料は発展に影響を与える 生産性 & 汎用性に対して新たにプロセス改善が進められている
Process simulation Autodesk Simulation Moldflow は 10 年前から SRIM 解析に対応しています この事は私たちが積極的に開発を進めていた証です
まとめ 我々は射出成形 CAE と他の製造系ソフトウェアとのシームレスな連携によるシナジー効果で新たな付加価値をユーザーに提供していきます Autodesk には製造業の企業活動を広くカバーできる商品群が用意されています