S1-1 Reduced Port Laparoscopic Cholecystectomy の手技と成績 S1-2 発症早期に行う急性胆嚢炎に対する Reduced port surgery の有用性 獨協医科大学越谷病院外科菅又嘉剛 多賀谷信美 山口夏希 箱﨑悠平 嶋田まゆか 松永慶廉 立岡哲平

Size: px
Start display at page:

Download "S1-1 Reduced Port Laparoscopic Cholecystectomy の手技と成績 S1-2 発症早期に行う急性胆嚢炎に対する Reduced port surgery の有用性 獨協医科大学越谷病院外科菅又嘉剛 多賀谷信美 山口夏希 箱﨑悠平 嶋田まゆか 松永慶廉 立岡哲平"

Transcription

1 symposium シンポジウム 37

2 S1-1 Reduced Port Laparoscopic Cholecystectomy の手技と成績 S1-2 発症早期に行う急性胆嚢炎に対する Reduced port surgery の有用性 獨協医科大学越谷病院外科菅又嘉剛 多賀谷信美 山口夏希 箱﨑悠平 嶋田まゆか 松永慶廉 立岡哲平 平野康介 齋藤一幸 大矢雅敏 はじめに 胆嚢疾患に対し Reduced port surgeryとしてsingle-incision cholecystectomy(sic) を260 例 Needlescopic cholecystectomy(nc) を192 例の計 452 例に施行した 術前に癌が強く疑われる症例以外は本手技で望んでおり 我々の手術手技と成績について報告する 方法 SICは臍部からの5mmポート3 本の手袋法で施行している Endo-Grabで胆嚢を把持挙上し 屈曲鉗子で胆嚢頸部を受動し 超音波凝固切開装置を用いて胆嚢管および胆嚢動脈を剥離同定する NCは mmの4ポートで 2 3mmの細径鉗子と3.3mm 内視鏡を使用した 結果 SICでportの追加が17 例 (6.5%) 開腹移行が 4 例 (1.5%) NCで 5mm portへ交換が8 例 (4.2%) に認められた 術中偶発症として気胸を2 例 (0.4%) 胆管損傷( 右肝管 ) を1 例 (0.2%) に経験した 急性炎症 萎縮胆嚢 上腹部手術既往 病的肥満例などは 適応外の条件とはならなかった 結語 Reduced Port Surgeryは 狭い切開創からの手技の困難性や鉗子の操作性 画質の低下は免れないものの 術式の定型化により高い完遂率が得られた 西陣病院外科小泉範明 小林博喜 髙木剛 福本兼久 はじめに 当院では2mmの細径鉗子を併用した単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を非炎症性胆嚢良性疾患に対して定型化して施行しているが Tokyo Guideline 2013 (TG13) が改訂されて以来 急性胆嚢炎に対する緊急手術としても本術式を積極的に施行するようになった 今回 過去に行った急性胆嚢炎に対する単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の治療成績について検討した 対象 方法 2011 年 1 月から2016 年 3 月までに単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った急性胆嚢炎症例 55 例を対象とした 発症後 72 時間以内に緊急手術を行った群 (E 群 ) とそれ以外 ( 非 E 群 ) に分け それぞれの治療成績について比較検討した 結果 患者の平均年齢は69.9 歳 重症度は軽症 30 例 中等症 25 例であった E 群は21 例 非 E 群が34 例であった 手術時間の平均はE 群 127 分 非 E 群 167 分とE 群で有意に短く (p=0.005) 平均出血量は E 群 154g 非 E 群 319gでE 群で有意に少なかった (p=0.01) ポート追加はE 群で19.0% 非 E 群 35.5% 開腹移行率はE 群で9.5% 非 E 群 26.5% 術後合併症の頻度はE 群 14.3% 非 E 群 23.5% といずれも非 E 群に多い傾向を認めた 術後在院日数はE 群 7 日 非 E 群 8.5 日であった 考察 まとめ E 群の治療成績は比較的良好であり TG13の推奨症例に対しては本術式は適切な治療法と考えられた 一方 非 E 群では慎重に適応を判断するとともにポート追加や開腹移行のタイミングを逸しないことが重要である S1-3 当科における単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術安全性に関する検討 S1-4 2 人で行う単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術における硬性鏡と湾曲可変型鉗子の操作 国家公務員共済組合連合会斗南病院外科佐藤大介 北城秀司 川原田陽 鈴木善法 才川大介 山本和幸 河合典子 森大樹 花城清俊 奥芝俊一 背景 一般認知度の高まりと共に単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(SPA-C) への患者 needsは増大している 当院ではほぼ全ての胆嚢疾患を適応に含め 患者希望と術中所見で施行を決定している しかし 炎症 肥満症例など適応を躊躇する場合もある 当院のSPA-C 300 例を後ろ向きに解析し困難症例におけるSPA-Cの安全性を検証した 結果 対象は SPA-C 完遂例中 他領域手術併施を除く297 例 手術手技は臍部を cmの縦切開 トロッカーを直接臍創内に穿刺するmultiple trocar 法を基本としている 対照疾患は胆嚢炎急性期 4 例 保存的加療後 14 例 279 例が胆石 胆嚢腫瘍など無炎症症例 患者背景は年齢中央値 57.3 歳 (21-86) 男女比 120:177 BMI 中央値 23.9( ) 術前 CRP 最大値は中央値 0.1(0-25.2) であった Clavien-Dindo 分類 Ⅲ 以上の合併症は4 例で認めた CRP BMI 腹部手術既往有無によって解析すると CRP>1 BMI>25で有意に手術時間が延長し (p= p=0.0003) CRP>1で有意に出血量が増加した (p=0.0064) 合併症の発生にはいずれも有意差認められなかった 結語 手術時間の延長や出血量の増加はみられるものの 炎症 肥満症例においても SPA-Cは安全に施行可能と考えられる メディカルトピア草加病院外科谷田孝 金平永二 中木正文 亀井文 背景 我々は x-gate R とBJニードル R を用いて行う単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 ( 以下 SILC) を標準術式としており 良好な成績を報告してきた SILCは2 人で行い 助手は左手で硬性鏡を 右手で湾曲可変型鉗子を操作する特徴がある 今回は助手の器具操作法に関する検討を行い報告する 方法 患者は開脚位 術者は脚間に立ち 助手は患者左側尾側 ナースは左側頭側に立つ 臍にx-Gate R を装着し BJニードル R は右側腹部から挿入する Calot's 三角を展開して胆嚢管 胆嚢動脈を切離した後 底部より剥離し 摘出する 助手は左手で5mm30 硬性鏡を操作し 背側剥離の際は左手 1 本でライトガイドを倒す 右手では底部を把持した湾曲可変型鉗子を操作する 結果 2012 年 2 月より2016 年 3 月までのSILC 症例は266 例であった 手術時間は 分 ( 平均 60.3 分 ) 平均出血量は7.8ml 術後合併症はSSI が1 例 腹壁瘢痕ヘルニアが2 例で 術後平均在院日数は2.9 日であった 助手の操作は左手でライトガイドを動かすことに慣れれば 問題なく行えた 考察 SILCの利点は2 人で行えること 器具の干渉を回避できることであると考える 助手は片手でのライトガイド操作に習熟すれば 特別な技術は必要なかった ただし 軟性鏡では困難と思われた 手技は円滑 迅速であり 安全に施行可能であった 38

3 S1-5 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の手術時間に影響する因子の検討 S1-6 単孔式胆嚢摘出術 (RPS) のスタンダード化について 四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター北川美智子 梅澤昭子 宇野耕平 若松高太郎 関洋介 笠間和典 黒川良望 目的 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術(T LC) における手術時間と BMIや炎症の因子との関係を検討する 方法 2011 年 3 月から2016 年 5 月までに施行したT LC268 例中 初期の 50 例を除いた218 例を対象とし 胆嚢床の炎症所見 胆嚢および胆嚢管周囲の炎症所見 BMI 手術時間を検討した 手術時間はskin to skinで計測した T LCの適応は患者の希望があり 経静脈的胆道造影にて胆嚢陽性で急性胆嚢炎既往のない症例とした 手術は臍部および右季肋部の細径ポートのいわゆる単孔 +1で施行した 結果 218 例の内訳は男性 32 人 女性 186 人 平均手術時間 ( 分 ) は 平均 BMIは20.95であった BMI<20の89 例とBMI 20の129 例の手術時間はそれぞれ で有意差を認めた (P=0.024) 胆嚢床の炎症あり14 例と なし204 例における手術時間はそれぞれ で差はなかったが 胆嚢および胆嚢管周囲の炎症の有無では 胆嚢に炎症あり22 例 なし197 例 (P=0.002) 胆嚢管周囲に炎症あり69 例 なし150 例 分 P<0.01となり 有意差を認めた 結語 BMI 20 胆嚢および胆嚢管周囲の炎症は T LCの手術時間に影響を及ぼす因子になると思われた 福岡輝栄会病院外科山本純也 はじめに 単孔式胆嚢摘出術(RPS) は整容性に優れた低侵襲手術である キズが目立たないだけでなく 術後癒着や創出血などのリスクも少なく 肥満患者に対してもとても有効である 当院では胆嚢摘出術全症例にアクセスポートを用いたRPS( マルチチャンネルポート法 ) を標準術式としている 手術手技 臍部切開は1.5-2cmを基準とし 45cmのロングスコープ (30 斜視 ) とロング胆嚢把持鉗子を用いている ポート配置は 右下よりスコープ 左下よりロング胆嚢把持鉗子 右上より可変弯曲型把持鉗子 左上より電極付洗浄吸引器を挿入する 術者は右手にて可変弯曲型把持鉗子を 左手にて電極付洗浄吸引器や超音波凝固切開装置を用いて胆嚢剥離操作を行う 手術方針として まず臍部からアプローチし 必要に応じてニードル型鉗子やポートを追加するようにしている 結果 胆嚢摘出術 750 例中 726 例 ( 完遂率 96.8%) にRPSを施行しえた ( 純単孔 338 例 ニードル型鉗子使用 388 例 ポート追加 17 例 開腹移行 7 例 ) 考察 RPSの適応基準は基本的に胆嚢疾患全症例である 手術を行うタイミングが特に重要であり 急性胆嚢炎重症例に対してはPTGBD 等を行い 炎症が落ち着いてから手術を行っている またRPSは安全に行うことが第一であり 単孔にこだわり過ぎないことも大切である RPSは従来法と比べて手術成績に大きな差はなく 胆嚢摘出術の標準術式の一つとして良いのではないかと考える S2-1 5mm flexible scope を安全 有効に使うためのポート開発 ( 先端平坦型 E Z トロッカー ) 高知赤十字病院外科 呼吸器外科 山井礼道 吉田千尋 桑原道郎 大西一久 浜口伸正 フレキシブルスコープは画像システムの向上 教育システムの向上 reduced port surgery( 以降 RPS) の導入によって 使用頻度は年々増加している 当院でもTANKO RPSの増加によって 5mm フレキシブルスコープの使用頻度が増加し 同時にフレキシブルスコープの修理費も増加している 破損の一番大きな原因は可動部の損傷で 年における可動部の平均修理費は2,688,705 円となる 可動部の破損原因に 5mm portの先端が鋭となっていることや曲がった状態でスコープを引き抜くことで 鋭になっている部分と可動部が接触し 損傷されることが推測される スコピストは数ヶ月ごとに交代する初期研修医や若手医師が担当することも多く 取り扱い注意事項の伝達による注意喚起での破損減少にも限界が感じられた また 先端が斜めになっているポートは斜めになっている部位でフレキシブルスコープを動かすと 斜め方向での可動は最大域まで可動できるが 一方 その対側に可動しようとすると最大域までは可動できない 10mm blunt portは先端が平坦となっているが 5mm portでは先端が平坦となったportが少なく 以上の点から 5mm E Z トロッカーの先端が平坦となったポートを作成し 倫理委員会の承認を得て 単孔式腹腔鏡下虫垂切除術で応用したので報告する 少数例での臨床経験ではあるが 今後更なる検討を重ねていきたい S2-2 オプティカル法のための細径トロッカーの研究開発 慶應義塾大学医学部一般 消化器外科 慶應義塾大学医学部腫瘍センター 和田則仁 矢作直久 (1,2) 北川雄光 背景 ファーストポート挿入時にオプティカル法を用いる場合 12mm な いし5mmポートを使用する必要がある また気腹針はブラインド操作で腹壁に刺入するため内臓を損傷するリスクや腹膜前腔に送気することが懸念される 我々はReduce port surgery(rps) において有用な内視鏡装着可能な細径トロッカーを開発したので報告する 方法 外径 2.3mmのトロッカーに細径内視鏡を装着し液晶モニターに表示された画像を見ながら ブタの腹壁に刺入した 腹腔内に到達したことを確認した後 10mmHgで気腹を行った 結果 2 頭のブタに対して計 10 回の刺入を行い すべて内臓を損傷することなく安全に気腹が可能であった 結語 本細径トロッカーはRPSの際ファーストポート造設に有用性が期待された またこれまでブラインドで行われていた様々な刺入手技にも応用が可能と考えられ 今後さらに開発を進める予定である 39

4 S2-3 RPS において簡便に縫合結紮手技が行える pre-loop knot 法の開発 S2-4 FJ(Free Jaw)Clip と F loop Plus その開発の問題点と克服 東京慈恵会医科大学附属柏病院外科 東京慈恵会医科大学消化器外科 藤岡秀一 三澤健之 北村博顕 斎藤良太 秋葉直志 矢永勝彦 背景 目的 RPS における結紮手技は鉗子の交差による操作制限のた め煩雑である 一方 緩まない結紮にするためには結紮の最終過程で square knotにする必要がある 今回これらの問題を解決するため RPS でも簡便に行える Pre-loop knot 法 ( 以下 本法 ) を新規に開発した 方法 本法ではlong tail 上に4つのループを作成し 1 2 番目のループ内にshort tailを通す 4つのループに持針器を通し 針近傍を把持した状態でトロッカーより腹腔内に挿入する 縫合後 long tailをループ内に引き抜きknotを締め込む 次にshort tailを引きながらknotを押し込むと4つのループの中央でlong tailが180 度折れ曲がり square knotの形に変形し 結紮が完成する 本法では縫合糸を引く knotを押し込む の2つの操作の組み合わせで結紮が完了できる 結果 腹腔鏡下胆嚢摘出術 腹腔鏡下肝部分切除術において本法を用いた計 18 回の縫合結紮手技 ( 内訳 : 単結節縫合 11 回 Z 縫合 7 回 ) を行った 全例で問題なく結紮が行え 結紮に要した時間は平均 56±12 秒であった 結語 本法では操作鉗子と補助鉗子のみで簡単に結紮を行え RPSにおいて有用な方法であると考える 福井赤十字病院外科藤井秀則 はじめに 医工連携にはマッチング 公的資金の使い方や知的財産の問題など数々の課題もあるが最近ではそれらを克服するために学会や医師会などで多くの機会が設けられている また池井戸潤原作の 下町ロケット2ガウディ計画 に出てくる人工心臓弁を開発する繊維メーカー 桜田経編 とその子会社 サクラダ のモデルは福井市の福井経編興業で 医療機器開発や知的財産 PMDAのことなどが取り上げられ 医工連携は社会的にも認知されてきている しかし 地方の病院勤務医師にとってアイデアを製品化しある程度売り上げるには多くの問題がある 今回は開発機器を通して実際の問題点など開発の裏側を報告する 手術機器開発 福井県鯖江市の眼鏡枠は全国シェアの96% を占め CHARMANT 社は機能性とデザインに優れ精密で耐久性のある商品を作り 最近では手術器具の分野にもその技術を活かしてきている 結果 我々は Reduced port surgery に有用な腹腔内での臓器把持用の機器 FJ(Free Jaw)Clipと腹腔内の糸を体外に引き出すための機器 F loop Plusを共同開発した いずれも発案から販売までわずか9か月と短期間であった 結語 地元の優れたもの作り企業との機器開発はお互いに顔の知れた連携ができ現場の近さからスピード感のある開発が可能であった 我々のケースが機器開発に少しでも役に立てばと考えている S2-5 音声認識電動内視鏡ホルダを用いた Reduced port surgery による腹腔鏡下胆嚢摘出術 JCHO 下関医療センター消化器外科 近藤潤也 はじめに 我々の施設では 2015 年に音声認識で作動する電動内視鏡ホ ルダ (ViKY EP System) を採用し reduced port surgery による腹腔鏡下 胆嚢摘出術にも導入してきた 本器具を使用することで 腹腔鏡下胆嚢摘出術はソロサージェリーにて完遂可能であり 外科医不足を補う有益なツールとなり得る 手技 ViKY EP Systemとは 手術台のサイドレールに固定した専用アームに保持されたドライバによって電動で上下 左右 近接 遠景の動作が可能となるスコープホルダーで 事前に術者の音声を登録することで 音声指示を認識し スコープのワイヤレス操作を可能とする器具である 当施設で合計 4 例の腹腔鏡下胆嚢摘出術症例に使用し いずれもソロサージェリーにて完遂し得た 術者は2 名の外科医が経験し 手術時間の平均は112.3 分 ( 分 ) 出血量の平均は3.8g(0-5g) ViKY EP Systemを使用することに起因する合併症等は認めなかった 考察 本器具の利点としては 手ブレのない画像を確保できること 術者の意図する視野を捉えられること 遠景でもクリアな画像を確保できることでカメラが曇りにくいこと等が挙げられた また 課題としては 迅速な展開を要する場面では手動操作に及ばないことや若手外科医がカメラ助手をすることで術野展開を勉強するといった教育効果が得られない点が挙げられた S2-6 単孔式腹腔鏡下 S 状結腸切除における自動縫合器挿入方法の工夫 順天堂大学医学部附属浦安病院外科 低侵襲外科 勝野剛太郎 福永正氣 福永哲 永仮邦彦 飯田義人 吉川征一郎 大内昌和 神田聡 石橋雄次 平崎憲範 背景 目的 比較的導入しやすい単孔式腹腔鏡下 S 状結腸切除において 自動縫合器での腸管切離は難易度が高い 着脱式クランプ鉗子や自動縫合器の右側ポートよりの挿入は 剥離 郭清の作業と比較して左右の動きが大きくなるため術者左手およびカメラポートと干渉してトラブルになりやすい 今回 私たちが行っているセッティングの工夫を提示する 基本セッティング アクセスプラットフォームとして主にEZアクセス 腸管切離デバイスはiDriveを使用 手技 方法 直腸の十分な授動後 切離予定部位の間膜処理までは基本セッティングのままで対応を行う 間膜処理後 術者左手 5mmポートを 12mmポートに変更する そのまま左手 12mmポートから着脱式鉗子を挿入し腸管クランプを行う クランプ鉗子は屈曲角度が大きく 自動縫合器より本体の干渉が少ないため 左側からの挿入であれば容易に装着可能 直腸洗浄後 プラットフォームを反時計回りに90 度回転し 追加の 12mmポートが6 時方向に位置するようにセッティング これで他のポートとの干渉が軽減されるので 結腸授動が十分に完了していれば比較的スムースに予定切離ラインへの自動縫合器挿入が可能となる 成績 大腸癌に対するSPS 全 280 症例のうち S 状結腸癌症例は95 例 吻合の際の術中トラブルや縫合不全の経験はない 結語 単孔式腹腔鏡下 S 状結腸切除における自動縫合器挿入 切離の難易度はセッテイングの工夫で改善する 40

5 S2-7 新規大型プラットフォーム E Z Access 楕円型 (FF1010D 用 ) の開発と有用性 産業医科大学第 1 外科 柴尾和徳 佐藤永洋 荒瀬光一 井上譲 勝木健文 田村利尚 杉山良太 佐藤典弘 鳥越貴行 平田敬治 臍部は腹直筋の影響により開創部が縦長になるため より横方向に広く開創可能で十分なトロッカー間隔を確保できる楕円型プラットフォームは Reduced port surgery (RPS) において有用である これまでにわれわれはE Z Access 楕円型 (EZ Access FF0707D 用 : 八光 ) を開発し 皮切が 1.5cmから3cmまでの胆嚢摘出術などで有用であることを報告してきた しかしながらより大きな切開創を必要とするRPS 用の楕円型デバイスはこれまでなかったため 皮切 3cmから6cmに対応する楕円型デバイスE Z Access 楕円型 (FF1010D 用 ) とその専用開創器 LAPPROTECTOR 楕円型 (FF1010D) を ( 株 ) 八光と共同開発した LAPPROTECTORはシリコンゴム膜とワイヤーフレームからなる開創器であるが 従来のものはシリコンゴム膜が薄く 時に鉗子が接触し 破損することがあった そのため 今回はシリコンゴムを2 倍厚く ワイヤーフレームを2 倍太くすることで開創力と耐久性を向上させた 対象と方法 : 当科で腹腔鏡下手術を施行した2 症例を対象に臍部 3.5 cm 縦切開でAlexis wound retractor(applied medical) FF1010( 正円型 ) FF1010D( 楕円型 ) をそれぞれ装着し 開創部の横径を測定し比較した 結果 :Wound retractor FF1010 FF1010Dの開創部横径はそれぞれ22mm 26mm 38mmでFF1010Dが最大となった 結語 : E Z Access 楕円型 (FF1010D 用 ) は 比較的大きな皮切を要するRPSにおいて有用である S2-8 Needle 手術器具の把持力向上に関する先端形状の工夫 山本英博クリニック呼吸器外科 山本英博 現時点におけるNeedle-surgery 用の手術器具は 一般の内視鏡手術器具に比較し種類が少ない 手術操作に合わせたNeedle-surgery 手術器具が乏しい状況である 演者は 新規に開発したNeedle-surgery 手術器具の演題で2000 年にCarl Storz 賞を拝受した この器具で1 万件以上の胸腔鏡下胸部交感神経節切除術を行った この臨床応用の間も手術器具の先端形状に工夫 改良を加え本会に報告してきた Needle-surgery 手術器具は細径であるがために 構造を複雑にしようとすると剛性 強度 金属疲労 磨滅が問題となり実用に耐えられなくなる 特に手術操作において 組織の把持を行う際に細径器具は把持部分の面積が小さいため 把持力が乏しいことが問題となる これらの課題を意識したうえで 今回は細径手術器具の先端形状の変更を行った 外径 2.8ミリと細径であるが 構造的に3 軸とした手術器具を作成した 演者が従来使用していた細径手術器具に比較し組織の牽引把持力の改善が得られ 手術の操作性が高まった 本手術器具の使用実例を供覧し 手術成績を報告する S2-9 Reduced Port Surgery のトレーニングに対するアンケート結果の解析 九州大学病院先端医工学診療部 九州大学大学院先端医療医学 富川盛雅 植村宗則 大内田研宙 赤星朋比古 橋爪誠 はじめに 九州大学病院では全国の外科医を対象に Reduced Port Surgery(RPS) に対するアドバンストトレーニングも実施している 受講者に対するアンケートよりRPSトレーニングのニーズの洗い出し さらにトレーニングの指針について考察した 方法 2004 年 1 月より現在までにRPSトレーニングは9 回開催され のべ 102 名が参加した 午前中はRPSの特性を理解し手術を上手く行うためのコツを学ぶ講義 およびドライボックスによるトレーニングを行い 午後からは動物を用いた実践的トレーニングを行った セミナー終了後 受講者に対するアンケートを実施した 結果 セミナー全体の進行 講義内容 ボックストレーニング内容 動物トレーニング内容に対し それぞれ97% 100% 73% 91% の受講者が 大変よい もしくは よい と回答した RPS 特有のテクニックに対する理解がすすみ導入に対する不安が解消されたという意見も見られた一方 受講料やトレーニング時間に対する要望も多かった 結論 RPSトレーニングに対するニーズは多い一方で とくにボックストレーニング内容の改善や運営上の工夫を要することが示唆された S3-1 大腸癌に対する Reduced port surgery 帝京大学医学部附属溝口病院外科 福井県立病院外科 平能康充 服部昌和 道傳研司 平沼知加志 島田麻里 橋爪泰夫 はじめに 大腸疾患に対する Reduced port surgery では 一般的には細 径鉗子や internal organ retractor などを使用し従来法の術野展開に近づ ける試みがなされることが多い 当科では 術野展開は術者の左手の鉗子のみで行いトラクションのいらないエネルギーデバイスを使用したone hand surgeryを多用し手術を施行している 当科における本術式の手技を供覧するとともに 大腸癌に対するReduced port surgeryの成績に関して報告する 方法 結腸癌症例では 臍部に約 2.5cmの縦切開を置きEZアクセスにトロカールを3 本挿入し手術を施行 (Pure TANKO) 直腸癌に対しては 右下腹部にトロカールを挿入 (TANKO+1) 手術創を可能な限り減じること 癌の手術のとしての質を担保すること Solo Surgeryで基本的には行うことという3つのこだわりをもって手術を行っている 結果 2015 年 12 月までに施行したRPS 症例 675 例での検討では 手術の平均切開創長は2.8cm 開腹移行症例のうち手術手技に関した移行は8 例 (1.2%) のみであった また Stage1 3 結腸癌症例 344 例での平均観察期間 29か月での再発が21 例 (6.1%) であった まとめ 大腸癌に対するRPSは優れた整容性を有しつつ癌の手術としても安全に施行可能である 41

6 S3-2 下部直腸癌に対する TAMIS/TME 併用 RPS の試み S3-3 恥骨上小切開を用いた大腸がんに対する単孔式手術 東邦大学医療センター大森病院消化器外科小池淳一 船橋公彦 塩川洋之 牛込充則 金子奉暁 鈴木孝之 栗原聰元 甲田貴丸 吉田公彦 金子真弘 はじめに 下部直腸癌に対するRPSは 限られた方向から狭い骨盤内操作になる為に難易度が高く 適応外とする施設も多い 今回 会陰操作を TAMIS TMEで行い 腹腔操作をRPSで行ったので報告する 対象 2013 年 10 月からこれまでに10 例でTAMIS TMEを行った 肛門操作 直視下で内外括約筋間切離を全周性に行った後 前壁は直腸尿道筋 後壁は尾骨直腸靭帯切離後 EZアクセスを装着し 後壁側から壁側骨盤筋膜の内側の疎性結合織に達し 左右に剥離層を広げ頭側に進む 側方向は骨盤内臓神経をlandmarkとしながら剥離を進めると 岬角近傍までのTMEが可能である 男性の前壁はNeurovascular Bandle(NVB) の損傷を避けるために前立腺正中でまず剥離を進め Denonvillier's fascia の直腸側で左右にハの字状に剥離を行いながらダグラス窩の腹膜反転部に到達することが可能である 腹腔操作 stoma marking 創のマルチポートに5mmポートをプラスして開始する 前壁 後壁は容易に肛門側の剥離層と連続が可能となり 側方向は下腹神経に注意しながら切開創を連続させることで腫瘍の摘出が完了する 結果 R0 手術は100% で 手術時間中央値は447m 出血量中央値は 97ml 術後鎮痛注射剤は1 例 ( 同時 LADG) 術後排尿障害 2 例 術後平均在院日数は18 日であった まとめ 下部直腸癌に対する TAMIS-TMEによるISRは安全で腹腔操作が軽減でき有用と考えられた 立川綜合病院外科蛭川浩史 目的 Reduced port surgery(rps) では整容性のため臍を切開する場合がほとんどである しかし当科では臍切開を小さくする事でより低侵襲性を追究できるのではないかと考え 臍切開創を縮小すべく2014 年より恥骨上小切開を用いたRPSを導入し これまで7 例に恥骨上切開を用いた単孔式手術を行った 当科の成績を報告する 手術手技 恥骨上 3cmに3 4cmの横切開をおく 筋膜は横切開し 筋層は正中で開排し腹腔内に至る マルチポートデバイスを装着 2ないし3 本の5mmポートを刺入 腹腔鏡は5mmのフレキシブルスコープを使用 鉗子は 通常の腹腔鏡用の鉗子を使用した 腔内切離吻合を行い標本を恥骨上より摘出した 左側では恥骨上切開から切離 アンビルを装着しDST で吻合した 結果 平均年齢は72 歳 すべて女性だった 局在はA 2 例 S 4 例 T 1 例だった 郭清度はすべてD3 手術時間は平均 242 分だった 病日の平均 VASスコアはそれぞれ と疼痛は少なかった 同時期の臍切開の症例と比較すると 排便までの日数は有意に短かかった また 第 7 病日のCRP 値は 3.3mg/dlと 1.3mg/dlと有意に低値だった 術後合併症はなく術後平均在院期間は9.5 日だった 結語 RPSの低侵襲性の追求のためには 恥骨上小切開を用いた術式も検討されるべきである S3-4 直腸癌に対する経腹経肛門同時開始で行う Transanal TME 鹿児島大学消化器 乳腺甲状腺 鹿児島市立病院消化器外科 盛真一郎 喜多芳昭 馬場研二 柳政行 田辺寛 前村公成 夏越祥次 背景 直腸癌に対して直腸間膜全切除 (TME) が行われるようになって以 来 不完全なTMEが施行された患者では 局所および全身再発のリスクが増加することが報告されてきた Transanal TMEは 単孔式で内視鏡手術用の器具を用いることによって 肛門側から腹腔側に直腸を受動するという新しい術式である この術式は 手術時間の短縮やTMEの質を改善する可能性があり 日本でも導入が進んでいる 今回われわれは 直腸癌に対し 経腹経肛門同時開始にてTransanal TMEを行った症例を経験したので報告する 対象と方法 対象は2014 年 11 月から2016 年 4 月にTransanal TMEを施行した20 例中 腹腔鏡下手術とTransanal TMEを同時開始で手術を行った9 例 ( 平均年齢 66 才 ) 全手術時間 TME 終了時間 出血量 TMEの完遂率 合併症などを検討し 経腹経肛門同時開始によるTransanal TMEの安全性と有用性を考察した 結果 全手術時間は322 分 ( 分 ) TME 終了時間は144 分 ( 分 ) 出血量は60ml TMEの完遂率は100% 術中 術後合併症なしなどであった 考察と結語 症例数が少なく ラーニングカーブの途中であるが 経腹経肛門同時開始によるTransanal TMEは 手術時間の短縮に寄与する可能性が高く 安全で 有用な手術方法と思われた S3-5 TAPP252 の適応拡大と手術成績 メディカルトピア草加病院外科亀井文 金平永二 中木正文 谷田孝 背景 我々は2013 年より成人鼠径ヘルニアに対して 2mmの細径鉗子を用いて行うreduced port TAPPを施行している 最小創 2mm 5mm 2mmの創で行う術式をTAPP-252とし 整容性の向上と腹壁破壊の軽減を目的に施行している 本発表ではTAPP-252の適応拡大にむけた我々の工夫と手術成績を報告する 方法 導入当初は適応をやせた女性に限定していたが 徐々に適応を拡大し現在では標準的なBMIの男性にも施行している 手術に用いる2mm 器具はNiti-On 社と共同で開発した2mm 把持鉗子 BJニードル R の他に 2mm ポートBJポート R 2mmフック型電気メスBJフック R 2mmメッシュプッシャー BJプッシャー R 2mmスコープBJスコープ R 2mm 持針器 BJピコ R 2mm 剪刃 BJシザーズ R を駆使して行う 結果 2016 年 4 月までに77 例のTAPP-252を施行し うち男性は29 人 女性は48 人であった BMIの最大値は26.2 身長の最大値は170cm 体重の最大値は74kgであった 手術の平均時間は片側 46.4 分 両側 70.2 分で 周術期の合併症は認めていない 術後 1 日目の疼痛はVASで1.7であった 経過観察内での再発は認めていない 結論 TAPP-252の手技を標準化し 徐々に適応を拡大することによって比較的体の大きな患者にも施行可能となった 42

7 S3-6 臍 5mm2 本でできる小切開単孔 立体機動型吊り上げ法と UFO キャッチャー型回収法 S3-7 鼠径ヘルニアに対する高位腹膜切開アプローチによる単孔式 TAPP 手術 倉敷成人病センター産婦人科羽田智則 安藤正明 太田啓明 海老沢桂子 尾山恵亮 小島龍司 菅野潔 白根晃 柳井しおり 中島紗織 緒言 臍輪を越えない小切開単孔式腹腔鏡下手術を紹介する 方法 臍輪を超えずに臍底部を縦切開し 5mmポート2 本を挿入 ポートをカメラ用と操作鉗子用とし 付属器手術を6 例行った 新たに考案した立体機動型吊り上げ法で術野を確保した 本法は右側腹部より直針を挿入し 摘出付属器の周囲に2 回牽引糸を穿刺してから結紮して固定性を高め 左側腹部から穿刺針を出す方法である 左右から組織を牽引でき かつ双方を引っ張れば腹側へも牽引が可能であり 従来の一方向への吊り上げ法と比較して 多方向への牽引が可能である 上部靭帯および子宮広間膜はエンシールART R で焼灼切離した 切離された腫瘍は腹壁側に吊り上げたままにし 回収袋をダグラス窩に広げ UFOキャッチャーのような要領で腫瘍を開いた回収袋に落とし入れた後 回収した 結果 従来の単孔式手術は種々のアクセスポートかMultiple Trocar 法で行われていたが 臍の形態によっては臍輪を超える創となり整容面のデメリットとなっていた 臍から5mmポート2 本の穿刺であれば臍輪を超えることはなく 12mmポートと同等レベルの創で行えた エンシール ART R は体腔内で屈曲可能であるため思った方向へ焼灼切断でき 単孔式手術の自在性が高まった 本方法で可能な手術は限られているが 工夫により 操作鉗子用ポート1 本でも十分に付属器手術が行えた Reduced Port Surgeryの新たな一歩となる術式と考える 上野外科胃腸科病院外科田上和夫 沖野秀宣 金澤昌満 上野毅一郎 背景 鼠径ヘルニアに対する治療は 前方切開法の筋縫合およびメッシュ法や TAPPやTEPなどの腹腔鏡法が導入され 大きく変遷してきている さらに最近では より手術創を少なく小さくして低侵襲を目指す単孔式手術で行う施設も増えている 当院では ヘルニアタイプの理解が容易 対側の観察が可能 術野が広く解剖の理解が容易 腹膜閉鎖が容易などの理由により高位腹膜切開アプローチによる単孔式 TAPP を導入し これまでに222 例 246 病変に行った 方法 手術は臍正中切開 原則 Multiple trocar 法にて行う 上前腸骨棘の高さで腹膜を切開して腹膜外腔に入り 外腔の剥離とヘルニア嚢周囲の剥離を行う ヘルニア嚢はpre-tied knot 法にて体外結紮後切離する 補強はヘルニア用メッシュを用い吸収性体内固定用組織ステープルにて4 5 箇所固定する 腹膜はステープルで腹膜断端を重ねるように吸収性体内固定用組織ステープルを打針して閉鎖する 結果 1 例にポート追加が必要であった 術中術後で重篤な合併症は認めなかった 手術時間は片側 89.3±28.5 分 両側 131.4±27.9 分 出血量は少量であった 再発 1 例 (0.4%) 漿液腫 13 例 (5.3%) 血腫 2 例 (0.8%) 大腿皮神経領域の一時的な知覚鈍麻 2 例 (0.8%) を認めた 結語 我々が行っている単孔式 TAPP の手術成績は短期間において従来式と比べて遜色なく 整容性にも優れていると考えられるが さらなる工夫や検討が必要であると考えられた S3-8 当院における腹腔鏡下ヘルニア手術 (POP-TANKO-Hernia) 国立宇都宮病院外科 群馬大学大学院病態総合外科 滝田純子 芳賀紀裕 増田典弘 尾形英生 柴崎雄太 桑野博行 はじめに 当院では平成 26 年 4 月より細径鉗子を併用した TANKO 式腹腔 鏡下鼠径ヘルニア手術 (POP-TANKO-Hernia) を導入し 全身麻酔の適応が可能な患者には基本的にこの方法を用いて手術を行っている 術式 1 患者は手術台に対し右斜めとし 左手入れの体位で固定する 2 臍部縦切開にてEZ access Mini-miniを装着 5mm portを2 本挿入し そのうち一方から5mmフレキシブルカメラを挿入 他方を術者の右手鉗子用として使用する 3 左側腹部よりEndo-Relief ( 持針器型 ) を刺入し術者左手のworking portとして使用 ( これを +1 puncture (POP) と定義 ) する 4 腹膜の縫合は3 0のモノフィラメント糸を用いた連続縫合で行う 特徴としてエネルギーデバイスは右手でしか使用できない一方で フレキシブルスコープを使用することによりtriangulationを保った視野を確保できる また 持針器型のEndo-Reliefを使用することで針の保持は容易に行え かつ剥離にも問題はない 結果 現在まで110 症例に対して上記の手技で手術を行い 完遂しているが 手術時間 合併症 術後在院日数については POP-TANKO 法と従来法の間で有意な差を認めなかった 考察 POP-TANKO 法は手術手技に習熟するにしたがって従来法と変わらない手術結果を得ることができる 今回はこの手技を動画で供覧するとともに 難治例についても検討したので現状を報告する S4-1 脾疾患に対する単孔式脾臓摘出術 大阪医療センター外科池田正孝 関本貢嗣 植村守 三宅正和 濱直樹 西川和宏 宮本敦史 宮崎道彦 平尾素宏 中森正二 はじめに 脾疾患に対する脾臓摘出術は 脾腫のない症例においてはその低侵襲性ならびに整容性より腹腔鏡手術が標準となっている 近年 手技の安定化が図られ さらに整容性を必要とする若年症例に対しては単孔式手術が行われている 方法 2009 年から2016 年にわれわれが経験した単孔式脾臓摘出術症例 28 例を検討した 単孔式脾臓摘出術の適応は術前の画像診断から脾重量が500g 以下と予想される症例で過度の肥満のない症例とした 結果 疾患はABO 不適合腎移植レシピエントが16 例と最多で ITPが9 例 脾腫瘍 2 例 遺伝性球状赤血球症 1 例であった 男性 9 例 女性 19 例 年齢中央値 44 歳 (11 73 歳 ) BMI 中央値 20.6( ) 手術時間中央値 144 分 (80 241) 出血量中央値 30ml(0 1300) 摘出脾重量中央値 205g(78 410g) であった BMI22 以上の症例 7 例中開腹移行 1 例 追加ポートを必要とした症例が3 例 臍部ではなく左側経腹直筋に小切開をおいた症例が1 例あった BMI22 未満の症例 21 例では4 例に追加ポートを必要とした 追加ポートは脾上極の視野確保 鉗子の干渉鉗子の干渉のために必要であった 結語 単孔式脾臓摘出術は脾腫のない症例において施行可能と考えるが 肥満症例や脾上極の視野確保が難しい症例では安全に行うためには追加ポートが必要である 43

8 S4-2 単孔式腹腔鏡下膵体尾部切除術 (Single Port plus One Port Distal Pancreatectomy SPOP-DP) の実際 大阪医科大学一般 消化器外科 朝隈光弘 清水徹之介 井上善博 廣川文鋭 林 道廣 内山和久 腹腔鏡下体尾部切除術が保険適応となった2012 年以降は良性疾患に適応を厳密に限って行ってきた また 当科では2009 年より手袋法を用いた単孔式手術を導入しており この経験を膵臓内視鏡外科領域にも生かすべく 腹腔鏡下膵体尾部切除術の臍部に手袋ポートを用いてきた また 2015 年より単孔式 +oneポートで膵体尾部切除を11 例 ( 脾合切 8 例 Warshow2 例 脾動静脈温存 1 例 ) 行っている 結果 右半側臥位の開脚位で術者は脚間に立つことを基本としている 臍部に5mmポート3 本の手袋ポートを作成し 5mmポートを1 本左季肋部に使用する 胃の挙上は腹壁よりナイロン糸をもちいてカーテン状に釣り上げ 膵の離断は腹腔鏡用腸鉗子を用いて離断に先行して膵切断予定線で腸鉗子をかけ少なくとも10 分以上圧迫を行った後にEndoGIA purple カートリッジで切る 標本は症例によって臍部の創を延長するか恥骨上横切開をおいて摘出している 考察 大腸 胃外科の領域で経験してきた 腹腔鏡手術の標準化から単孔式手術 ロボット手術の導入などの流れが膵領域にも今後見られると予想する しかしながら膵手術は合併症発生時の重大さや 適応を限るために症例数が限られ経験の蓄積が他領域より遅い などの問題点がある それでも少しずつでも進むべきであり当科では胆嚢摘出術の定型化を目指して進んできた単孔式手術の経験を膵内視鏡分野に還元するように努力している S4-3 腹腔鏡下尾側膵切除での Needlescopic surgery 北里大学医学部外科 田島弘 隈元雄介 西山亮 河又 寛 海津貴史 渡邊昌彦 背景 良性 低悪性度腫瘍に対し腹腔鏡下尾側膵切除 (LDP) は標準治療 となってきているが 安全性を担保しながらの Reduce port surgery が求 められている 目的 我々は LDP を 2004 年より行い 現在まで 60 例に施行し その短期 成績を報告する 細径鉗子と細径リトラクターをLDPに使用した手技をビデオで供覧する 手術手技 安全な手技を目的に術野展開は 止血時に対応できるようなるべく術者の両手が視野に使用されないように心がけ エネルギーデバイスの軸を意識するようになり 5ポートと心窩部からリトラクターを使用し定型化している そこに現在は 3mm 鉗子と3mmリトラクターを使用し Needlescopic surgeryを行っている ポート配置を臍部 12mmと右側腹部 12mm 臍左側に5mmのポートと右季肋部と左側腹部を3mmポートとし 心窩部に胃や肝臓を挙上するため3mmリトラクターを使用している 結果 LDPの短期成績は 手術時間 median(range)297.5( ) 分 出血量 median(range) は175(0-1700)mlであり ISGPF GradeB 以上の膵液瘻発生は5 例 (8.3%) と比較的良好な結果であった 結語 LDPでは定型化と安全性が重要と考えるが 細径鉗子や細径リトラクターを使用したNeedlscopic Surgeryは十分それを担うと考える S4-4 単孔式腹腔鏡下肝切除の安全性と適応拡大 S4-5 腹腔鏡下肝切除における Reduced Port Surgery(RPS) の試み 東京医科歯科大学肝胆膵外科石川喜也 伴大輔 巌康仁 小野宏晃 松村聡 光法雄介 藍原有弘 落合高徳 工藤篤 田邉稔 背景 腹腔鏡下肝切除が広く行われるようになり 昨今の保険収載の適応拡大もあり今後ますます普及が進んでいくと思われる 一方でその難易度から単孔式手技の導入が倦厭される傾向にあるが 我々は単孔式手技が適応を選んだ上で十分に施行できることを報告してきた 単孔式手技の観点から考えると 特に外側区域切除の離断面は臍部からアクセスすると直線的 かつ平面的な離断面であり単孔式腹腔鏡下手技との親和性が高い 我々の単孔式腹腔鏡下外側区域切除の手技を供覧する 方法 2013 年 4 月から2016 年 4 月までに腹腔鏡下肝切除を74 例に行い 単孔式肝切除を17 例 ( 肝外側区域切除を9 例 肝部分切除 8 例 [S3:6 例 S4:1 例 S6:1 例 ]) に施行した 臍部からマルチアクセスポートを挿入し 肝切除部の視野を確保するための展開子としてニードルを挿入し腹腔内組み立て式の綿球を装着する ( ドラムスティック法 ) 結果 単孔式腹腔鏡下肝外側区域切除の手術時間中央値 231 分 ( 分 ) 出血量中央値 20mL(1 265mL) であった 単孔式腹腔鏡下肝部分切除の手術時間中央値 203 分 ( 分 ) 出血量中央値 15 ml(1 140mL) であった 単孔式肝切除の術後合併症なし 術後在院期間中央値 7 日 (3-9 日 ) であった 多孔式と比較してすべての手術成績で有意差を認めなかった 結語 単孔式肝切除は単孔式腹腔鏡手技に習熟し 適応を選択することで安全に施行することが可能である 北里大学医学部外科中本修司 海津貴史 隈元雄介 田島弘 西山亮 河又寛 渡邊昌彦 背景 当教室は 2016 年 4 月までに222 例の腹腔鏡下肝切除 (LH) を行った LHの際 良好な術野確保のため術者 助手ともに両手を使う5portが基本である よってLHにおけるRPSの適応はかなり限定的にならざるを得ない 目的 LHにおけるRPSの試みを紹介する 方法 以下の3つのRPSを施行:1 術野展開に必要な術者左手および助手右手に3mm port-3mm 鉗子を使用した 難易度の低い部分切除 (S3 S4a S5 S6) や外側区域切除に限定した 2 5portプラスワンとして挿入した3mm port-ラチェット付 3mm 鉗子で 右肝静脈根部をencircleしたテープを把持してネラトンターニケットとする 右肝静脈根部近傍の腫瘍に対するS7 部分切除の際に施行した 3 Pringle 法でテトロンテープ (5mm 幅 ) を用いたネラトンターニケットを行う際 10mm 径のネラトンを皮膚に直刺しするか 12mm portを1か所犠牲にする体外法を行っていたが ネラトンを体内に残してテープのみを体外に引き出す体内法に変更した テープ引き出し部位から 肝十二指腸間膜までの距離に合わせてネラトンの長さを調節することがコツである 結果 方法 1 2は対象症例がかなり限定されるが 3( ネラトン体内 Pringle 法 ) は ほとんどすべての症例で施行可能で 安全かつ簡便であった 結語 LHにおけるRPSは 症例を選べば安全に施行可能である 44

9 S5-1 当施設における虫垂炎に対する Reduced Port Surgery S5-2 当科における単孔式腹腔鏡下虫垂切除術の成績 奈良県西和医療センター外科池田直也 上野正闘 金村哲宏 榎本浩士 中村広太 上野浩嗣 目的 方法 虫垂炎に対する腹腔鏡下手術は標準的な術式の一つとなりつつあるが さらに審美性を高めたReduced Port Surgery(RPS) は患者にとって非常に利点のある手術手技である 当施設では非穿孔性虫垂炎に対するRPSとして吊り上げ法で行う経臍的単孔式手術手技 (TUSILAA) を独自に開発し報告してきた (Langenbecks Arch Surg; ) その後症例数を重ね 今回は 月までに施行したTUSILAA 141 例につき報告する 当施設では非穿孔性虫垂炎に対しては全例 TUSILAA を第一選択とし 完遂困難な場合は気腹を行い必要最小限数のポート追加としている 成績 141 例の非穿孔性虫垂炎に対する本手技の成績は手術時間 82.2 分 術後在院日数 4.9 日であった 創延長 14 例 気腹移行 14 例であった 術中及び術後に問題となる合併症は認めなかった TUSILAA は下腹部を吊り上げて術野を確保するため 体型と虫垂の存在位置に大きく影響を受ける 気腹移行例 14 例中 BMI25.0 以上の症例は7 例認め また Retrocecal appendicitisは14 例中 9 例に認めた BMIが25.0 以上の7 例中 5 例にRetrocecal appendicitisを認めた 結語 TUSILAAは整容性の観点から患者に喜ばれ また コスト軽減にて病院に利益をもたらし 尚且つCO2やディスポーサブル製品を用いないため地球環境にも優しい 三方よし の手術手技であるが BMI25.0 以上 且つRetrocecal appendicitisはtusilaaの適応外とすべきと考える 市立函館病院消化器外科笠島浩行 はじめに 急性虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術( 以下 LA) は標準的術式となりつつあり 当院でも導入しているが 近年 特に若年者を中心に単孔式腹腔鏡下虫垂切除術 ( 以下 SILA) を導入している 成績について検討する 術式の実際 臍部縦切開して3ポート(5mm) を刺したEZアクセスを装着して手術を行う 対象と方法 当科で2012 年から2016 年 4 月までに急性虫垂炎にSILAを施行した27 例 ( ドレーン留置例 0) と 同時期のLAをドレーンなしLAND 群 119 例 洗浄ドレナージを併施 LALD 群 28 例に分けて比較した 結果 SILA 群は平均 24.7 歳 ( 男 18: 女 9) LAND 群は平均 32.1 歳 ( 男 72: 女 47) LALD 群は平均 38.8 歳 ( 男 21: 女 8) 手術時間はSILA 群 48.8 分 LAND 群 61.1 分 LALD 群 92.9 分 出血量はSILA 群 3.4ml LAND 群 7.3ml LALD 群 9.2ml 術後在院日数はSILA 群 2.7 日 LAND 群 3.9 日 LALD 群 8.5 日 術後合併症はSILA 群なし LAND 群 4 例 ( 表層 SSI 2 例 麻痺性イレウス2 例 ) LALD 群 5 例 ( 表層 SSI 3 例 麻痺性イレウス2 例 ) 考察 当院のSILAは標準的 LAに比して有意に成績良好であった まとめ SILAがLANDに劣っていないことから 洗浄ドレナージを要する症例ではSILAの適応は考えていないが 術前診断で汎発性腹膜炎のない症例ではまずSILAで入り 困難症例や穿孔症例ではポートを追加するという方針は許容されるのではないかと考える S5-3 当院での小児虫垂炎に対する細径鉗子併用腹腔鏡下虫垂切除術に関する検討 福井赤十字病院外科 川上義行 藤井秀則 大西竜平 吉田 誠 吉羽秀麿 土居幸司 青竹利治 田中文恵 廣瀬由紀 当科では平成 21 年 4 月より単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を導入 高度炎症例 小児例に適応を拡大した 今回 小児虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除症例について検討した 目的 現在当科での小児虫垂炎に対する絶対的手術適応は穿孔性汎発性腹膜炎症例で 軽度炎症例 膿瘍形成例ではInterval appendectomyが考慮される 腹腔鏡手術適応は年齢 5 歳 体重 15Kg 以上としているが 体格の小さい小児例において術野展開を容易とするために細径トロッカーを臍部ポートに併用した 方法 腹腔鏡手術では臍部 5-6mmポート2 本 恥骨上 2-3mm 細径トロッカー 1 本 ( 細径法 ) 成績 平成 21 年 4 月 -27 年 11 月の急性虫垂炎症例 678 例中 小児 164 例 手術治療群 130 例 腹腔鏡手術 75 例 ( 男 38 女 37) 開腹術 55(34 21) 腹腔鏡手術群の年齢平均 11.7 歳 手術時間平均 77.7 分 在院日数中央値 5 日で開腹術の と較べて手術時間はやや延長した 短期合併症は腹腔内膿瘍 術後イレウス 保存的治療群 34 例 ( 男 13 女 21) 年齢平均 10.7 歳 在院日数中央値 1 日 病理所見では壊疽性虫垂炎は腹腔鏡手術群 25 例 (33.3%) 開腹術 12 例 (21.8) で高度炎症例にも適応された 結論 当院での小児急性虫垂炎に対する手術治療において細径鉗子併用腹腔鏡手術は 開腹手術と較べて手術時間は延長したが 整容性に優れていることより 小児高度炎症性虫垂炎に対する適応拡大において有用な手技となるものと考えられた S5-4 虫垂切除におけるコスト 教育を意識した術式変遷と治療の標準化 多孔式から単孔式へ 群馬大附属病院小児外科 群馬大大学院病態総合外科学 大竹紗弥香 (1,2) 内田康幸 (1,2) 大串健二郎 (1,2) 鈴木信 (1,2) 桑野博行 はじめに 小児外科領域における鏡視下症例は極端に少なく多岐にわた るため 技術習得まで長い時間を要する そのため虫垂切除術は剥離等の鉗子操作 凝固切開装置の使用法 カメラワーキングなどの鏡視下基本手技の習得のため重要な疾患と考えるが 整容性の観点から当施設では単孔式を標準手術としている 手技の標準化に際しては高額な手術材料を用いた手技の標準化では採算が取れなくなるのが現状であり 教育面および整容性を考慮したコストダウンのための改良を重ねてきた 方法 現在までの手術手技および周術期管理の変遷を比較検討した 標準化 穿孔を伴わない本疾患に対しては通常鉗子を用いた単孔式完全体腔内虫垂切除を基本とし 炎症の程度によって追加鉗子 (2 3mm 細径 ) を考慮することとしている 虫垂収容に費やす時間を開腹法と同等にするべくEZアクセスミニミニを用い 更なるコスト削減のために再利用可能なポートを使用 間膜処理はリユース可能な超音波凝固装置で 根部処理はエンドループ1 重結紮にて行う 虫垂の回収にはバッグは用いず ドレーン留置もしない 術後は早期退院を目的とし 術後 3 時間経過より水分摂取開始し その直近の食事 ( 常食 ) を2 食分摂取し退院とする 結果 ディスポ製品の使用は最小限に抑えられ 早期退院がなされていた 考察 単孔式における安全性と質を確保し 教育面および経済性考慮した術式の標準化が必要である 45

10 S5-5 当科における小児急性虫垂炎に対する腹腔鏡手術の術式 教育 長崎大学病院小児外科 山根裕介 森くるみ 吉田拓哉 田浦康明 小坂太一郎 高槻光寿 江口晋 永安武 背景 当科では急性虫垂炎 (AA) に対する腹腔鏡下虫垂切除術 (LA) を標 準術式としており 2013 年から後期研修医に対する教育として単孔式 LA (SILA) および根部体内縫合結紮処理の術式を導入した 安全性の担保と してボックストレーナーでの縫合トレーニングを必須とした 当科の取り組みおよび成績を報告する モデル ボックストレーナーにSILSポート TM を装着し 3-0マルチフィラメント吸収糸 15cmでの縫合結紮を行い 手技に要した時間を計測した 術式 臍部縦切開 1.5 2cmで開腹した ラッププロテクター 0504S R と EZアクセス R を用いたマルチチャンネルポート法で 5mmポート2 本 3mmポート1 本を用いた 虫垂間膜処理は超音波凝固切開装置を使用し 虫垂根部処理は3-0マルチフィラメント吸収糸による体内縫合結紮を行った 対象 2013 年 4 月から2015 年 12 月で 腹部超音波検査 (US) で粘膜肥厚像を認め 蜂窩織炎性以上のAAと判断した症例を対象とした 術者は主に後期研修医が担当し 小児外科専門医が指導を行った 結果 16 例 ( 平均 10 歳 ) に対しSILAを施行した 手術時間は平均 91.6 分 根部処理に有した時間は平均 17 分であった モデルで6 分を切る術者の場合は平均 13 分 6 分を超える術者の場合は平均 22 分であった (p<0.05) 術後遺残膿瘍などの合併症を認めなかった 結語 モデルでのボックストレーニングを行うことで安全にSILAを行うことができた S5-6 当科における小児急性虫垂炎の治療方針 近畿大学医学部外科学教室小児外科部門前川昌平 澤井利夫 吉田英樹 八木誠 目的 当科では1 虫垂腫脹のみで腹膜刺激症状の乏しい症例は保存的治療 2 腫瘤形成症例は保存的治療後に待機的に単孔式腹腔鏡下虫垂切除術 (interval appendectomy:ia) 3 高度な炎症を伴った虫垂炎や汎発性腹膜炎症例に対しては緊急で単孔式腹腔鏡手術を基本方針としている 手術適応のある急性虫垂炎は虫垂切除が望ましいが切除困難な場合には洗浄ドレナージを施行した後にIAを施行している IAの有用性について検討した 方法 2006 年 4 月から2016 年 4 月まで当院で経験した汎発性腹膜炎を伴った虫垂炎ないしは腫瘤形成性虫垂炎 26 例を対象とした 16 例に対してIAを施行 10 例に対して緊急手術 (emergency appendectomy:ea) を施行しそれぞれ検討した 結果 IAの待機期間を除く総入院日数はIA 23.2±10.1 日に対しEA 25.3 ±13.7 日であった 16 例中 11 例はIAが可能であったが5 例 (31.2%) は再燃を認めた EAでは70.0% に合併症を認めた IA 待機中再燃を来たした5 例中 1 例は再燃時に単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を施行 4 例は洗浄ドレナージ術を施行した後退院後 3ヶ月待機し単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を施行した 虫垂切除術時間はIA 88.3±34.9 分 EA 148±45.7 分であった 結語 IAにより虫垂切除術時間の短縮や術後合併症の軽減が可能であった IA 待機中に再燃を認めた虫垂炎に対し腹腔内洗浄ドレナージ術を先行することにより単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を全例に施行することができた S5-7 当院における急性虫垂炎保存的加療後に対する Reduced Port Surgery による腹腔鏡下虫垂切除術についての検討 聖マリアンナ医科大学消化器 一般外科 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器 一般外科 (3) 聖マリアンナ医科大学東横病院消化器病センター 根岸宏行 牧角良二 小倉佑太 福岡麻子 朝野隆之 花井彰 月川賢 國場幸均 宮島伸宜 (3) 大坪毅人 はじめに 当院では急性虫垂炎に対する保存的加療後にInterval appendectomyを行っており それに対するReduced Port Surgery( 以下 RPS) を導入している 3ポートで行う従来法群 (C 群 ) とRPS 群との手術成績を比較し検討する 対象 2012 年 1 月から2015 年 12 月までに急性虫垂炎に対し保存的加療後に待機的に腹腔鏡下虫垂切除術を施行した66 例について C 群とRPS 群とに分けて検討した 結果 C 群では平均年齢は51.2 歳 男 : 女 =30:23 であった 平均手術時間は87 分 平均出血量は13mlであった 一方 RPS 群では平均年齢は 31.1 歳 男 : 女 =3:10であった 平均手術時間は77 分 平均出血量は6ml であった 両群とも術後合併症は認めなかった 年齢 (p<0.01) および男女比 (p<0.05) 出血量(p<0.05) において有意差を認めた 手術時間 術後合併症については有意差を認めなかった まとめ RPSは整容性について優れた手術であり 有意に平均年齢が低く 女性に多く施行されていた 急性虫垂炎保存的加療後に対するRPSによる腹腔鏡下虫垂切除術について 安全に施行することが可能であることが示唆された 46

11 sponsored symposium スポンサードシンポジウム 47

12 SS1-1 RPS による小腸切除術の治療戦略 小腸 NET に対するリンパ節郭清術の経験を通して 鹿児島大学消化器 乳腺甲状腺外科 鹿児島市立病院外科 馬場研二 盛真一郎 喜多芳昭 田辺寛 伊地知徹也 柳政行 前村公成 夏越祥次 小腸は腹腔内遊離臓器であり 体外への挙上が容易であるため 小腸切除術はReduced port surgery( 以下 RPS) は良い適応と考える 当科では 2009 年 9 月よりRPSにより小腸切除術を導入し これまで小腸憩室症 6 例など計 10 例に施行した いずれもリンパ節郭清を伴わない小腸部分切除で 単孔式または2 孔式で合併症なく安全に施行可能であった 今回われわれは 小腸 NETに対するリンパ節郭清を伴う小腸切除術の経験を通じ RPSによる小腸切除術の治療戦略を考察する 症例は70 代男性 4cm 大の腹部腫瘤の精査で当科紹介 小腸ダブルバルーン内視鏡にて回盲部より25cmの回腸から口側約 200cmにかけて多発する粘膜下腫瘍を認め 生検でNETの診断 最も口側の病変に点墨でマーキング施行 腹部腫瘤はリンパ節転移と診断し 手術の方針となった 臍にGelpointを装着し 左側腹部と恥骨上に5mmポートを挿入するRPSで手術を施行した 回腸の腸間膜付着部及び上行結腸を後腹膜より剥離した 中枢側は #203 を鏡視下でサンプリング郭清したが 小腸間膜内リンパ節が上腸間膜動脈の第 4/5 番目の回腸枝を巻き込んでいたため 血管処理は直視下とし Gelpointより体外へ挙上した ICG 静注し 蛍光内視鏡で残存腸管の血流を確認した後に血管処理 回腸を190cm 切除し吻合した 術後合併症なく経過良好であった リンパ節郭清を伴う小腸切除術は ポート数を増やすことで操作性が向上しRPSでも施行可能になると思われた SS1-2 通常ポート LAG の技術 手技でできる胃癌 Reduced Port Surgery 愛知県がんセンター中央病院消化器外科 三澤一成 伊藤誠二 伊藤友一 夏目誠治 木下敬史 千田嘉毅 安部哲也 小森康司 清水泰博 木下 平 はじめに 胆石症や大腸癌に対する Reduced Port Surgery(RPS) が広く 行われる一方 胃癌に対するRPSは術野展開や術中操作の煩雑性などから一般に普及しているとは言えない 当院では使用器具やポート配置の工夫により すでに定型化された通常ポート腹腔鏡下胃切除術 (LAG) と同様の鉗子数と手技で施行可能な胃癌 RPSを考案し行ってきた 方法 臍の横切開またはジグザグ切開にGelPOINTを装着 軟性鏡を挿入しホルダー ( ロックアーム ) で固定 術者 ( 患者右 ) は臍のenergy deviceと右腹壁の2.4mm 細径鉗子 (EndoRelief) 助手( 患者左 ) は臍の彎曲鉗子と左腹壁細径鉗子を使用する 現時点では臍からの鉗子が膵上縁に無理なく届く女性や太っていない男性を良い適応としている 結果 胃癌症例 54 例に対しRPS (TG:10 例 PG:2 例 DG:36 例 PPG:6 例 ) を行った 手術時間中央値 309 分 出血量 2.5g 患者背景に差はあるが同時期の通常 LAGと比較し遜色のない成績であった 考察 通常 LAGとほぼ同様のポート配置で4 本の鉗子を使用し 同様の術野展開と手技ですべての術式が施行可能である 術者の両手の鉗子を単一切開創から挿入しないため操作に難渋することはなく 軟性鏡とホルダーの使用は器具間の干渉回避と術中視野の安定に有用である また 2.4mm 細径鉗子の刺入部は術後疼痛や瘢痕がほぼない 本術式は通常 LAGの根治性と安全性 単孔式手術と同等の疼痛軽減と整容性を両立できる胃癌 RPSといえる SS1-3 単孔式胃切除術の経験 solo surgery に向けた取り組み SS1-4 TANKO と NEEDLE の synergy で定型化する Reduced Port Gastrectomy 大阪赤十字病院外科川田洋憲 金谷誠一郎 伊藤剛 岡田俊裕 三浦晋 下池典広 赤川進 有本明 背景 単孔式胃切除術は整容性には優れているものの 手技的困難性と根治性の問題からごく一部の限られた施設でのみ行われている 最も大きな問題は 小さな創部から全ての器具を挿入する必要があるため 助手およびスコピストと協調して視野展開を行うことが難しくなることである 当院では 助手 スコピストを廃し オーガンリトラクターとスコープホルダーを用いて視野展開を行う solo surgeryによる単孔式胃切除術の試みを行っている 今回 その初期成績を報告する 手技 臍部に2.5cmの縦切開をおきアクセスポートを挿入 オーガンリトラクターのクリップ先端に糸をつけておきこれを側腹部から体外に導出しておき 体腔内で誘導することで好きな方向に挟んだ臓器を牽引することができる オーガンリトラクター 2 個と術者左手の鉗子で術野を展開する 結果 2015 年 12 月から現在までに胃癌に対する幽門側胃切除術 (SIDG) 2 例 GISTに対するLift&Cut 法による胃部分切除術 1 例を単孔式に行った 術後は全例において合併症なく経過し SIDGは平均 9.5 日後 GIST 症例は5 日後に軽快退院となった 結論 依然課題はあるものの solo surgeryによる単孔式胃切除術は一つの選択肢になり得ると考える 石川県立中央病院消化器外科稲木紀幸 辻敏克 崎村祐介 磯和賢秀 はじめに 胃癌手術へのReduced Port Surgery (RPS) の導入は 技術的要求と若手外科医の教育が課題とされる われわれは TANKOの整容性を限りなく尊重しつつ NEEDLE 鉗子でアシストするNeedle Assisted Single Incisional Laparoscopic Gastrectomy: (NASILG) を確立し 良好な成績を得ているので紹介する 適応と手術手技 早期胃癌 内臓脂肪が少なく小柄な体型が好ましい 患者希望に応じ 十分な説明と同意のもとに適応拡大はあり得る 臍 2.5cm 切開しラッププロテクターミニを挿入し 12mm ポートを均等に2 本 ( 長 & 短 ) を挿入したEZアクセスを装着して気腹する ニードル鉗子 (2.1mm) 用の穿刺ポート (2.2mm) を右側腹部に1 本 左側腹部に2 本刺入する 術者は終始患者右側に立ち 左手にニードル鉗子 右手にエネルギーデバイス ステープラー等を ( 臍アクセスポートより ) 挿入し操作を行う 助手は終始患者左側に立ち2 本のニードル鉗子で従来の手術と同様の展開を行う スコピストは終始患者脚間に立ち 術者右手と同じアクセスポートよりカメラを挿入する 結語 適応を選択したNASILGは 安全性 根治性と低侵襲性が融合した胃癌に対するRPS として確立され得る 技術的 教育的観点からも容認され 胃癌に対するRPS の標準的手技となり得る 48

13 SS1-5 減量外科における RPS 四谷メディカルキューブ減量 糖尿病外科センター 四谷メディカルキューブ外科 笠間和典 関洋介 梅澤昭子 宇野耕平 若松高太郎 黒川良望 SS2-1 右側結腸癌に対する SPS と直腸癌に対する RPS 北里大学医学部消化器外科 北里大学医学部外科石井良幸 (1,2) 矢作雅史 渡邊昌彦 2014 年より腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が日本でも保険適当となった しかし まだ減量外科領域におけるRPSは日本では多く行われていない 減量手術は基本的にBMI35 以上が適応であり 通常のmulti-portで行っても術野展開が難しいため TANKOやNeedle scopicで行うとさらに展開が困難となるからである 我々は臍から2-3 本のポートをEZアクセスを用いて挿入して 左脇に5mmのポートを挿入 肝臓はLiver hanging 法で RPSを行っている 症例を選べば 従来のMulti-port 法と遜色ない士や展開でおこなえ 同様の縫合によるステープルラインの補強も可能である ただし ひとたび出血などが起こると視野展開の補助がないために止血に難渋するため 早期にポートの追加に踏み切る必要がある 今回我々の行っているRPSによるスリーブ状胃切除術および同手術時に起こった出血によりポートを追加して対処した症例を供覧する 目的 右側結腸癌に対する single port surgery (SPS) と直腸癌に対する reduced port surgery (RPS) の手技を供覧するとともに その治療成績から有用性について検討する 方法 右側結腸癌 : 臍部に3 cmの縦切開を置きmultiple instrument access port (MIAP: 3 channels) を装着する 腹腔鏡は細径 5 mmの flexible typeを使用し 術者は単独で視野展開と剥離操作を行う 内側アプローチで上腸間膜血管を露出し結腸血管根部を郭清する 結腸を授動後 回腸末端を鏡視下にてlinear stapler (LS) で切離し 臍部創より病変部を露出し器械吻合する 直腸癌 :SPSにportを1つ右側腹部に追加する 術者は主にMIAPの1channelと右側腹部のportを用いてtriangulationを形成して操作を行う 内側アプローチで下腸間膜動脈根部を郭清し S 状結腸 直腸を剥離する 直腸切離はMIAPまたは右側腹部のportよりLSを挿入して行う 吻合後 右側腹部のportよりドレーンを挿入する 結果 SPS( 右側結腸癌 )41 例およびRPS( 直腸癌 )47 例では それぞれ 手術時間 *221/270 分 出血量 *10/10 ml リンパ節郭清個数*23/23 個 術後合併症 2/8 例 術後在院日数 *7/9 日であった (*: 中央値 ) 考察 本術式の手技的難易度は高く手技の向上や器機の開発は必須であるが 症例を選択すれば短期成績は良好であり 整容性と低侵襲性を追求した術式の1つと考えられる SS2-2 腎疾患に対する Reduced Port Surgery 大分大学医学部腎泌尿器外科学講座佐藤文憲 背景と目的 泌尿器科領域の単孔式腹腔鏡手術は一定の普及をみるが 摘出臓器が小さい副腎摘除術や尿膜管摘除術等には臍部単孔式腹腔鏡手術が適しているものの 5-7cmの切開を要する腎摘出術では臍の単一切開は整容性の面から理想的とは言い難い われわれは 手術を要する腎疾患に対して単孔式手術とminilaparoscopyを融合させたreduced port surgery (RPS) に取り組んでおり その有用性について検討する 方法 腎摘出術では摘出創を下腹部に置き 臍部からのアプローチを避けるかトロカール1 本に留め 上腹部に3mmポートを2 本挿入した 腎部分切除術では 3mmポート2 本と臍部 15mmの切開創より5mmと12mmトロカールを挿入して行った いずれの術式も5mmフレキシブルスコープを用いた 腎摘出術および腎部分切除術の手術成績を検討した 結果 RPSによる腎摘出術では手術時間がやや延長するものの 安全に施行可能であった また 3mm 鉗子単孔式手術では困難であった腎部分切除術も可能であり 腎摘出術では摘出創を下腹部に置くことで臍部の pure LESS surgeryと比較して良好な整容性が得られた 結語 腎疾患に対する細径鉗子を用いたRPSは 従来の腹腔鏡手術に習熟した泌尿器科医にとって取り組みやすい低侵襲手術と考えられる RPS における5mmフレキシブルスコープの使用法を含めてわれわれの取り組みを紹介し 今後の泌尿器腹腔鏡手術の展望についても触れたい SS2-3 5mm 4K スコープを用いた腹腔鏡下噴門側胃切除術における Reduced port surgery 産業医科大学第 1 外科柴尾和徳 合原雅人 天池孝夫 田島健秀 佐藤永洋 井上譲 田村利尚 村山良太 佐藤典宏 平田敬治 噴門側胃切除術の再建法には食道残胃吻合 空腸間置 Double-tract 法などがあるが 術後の逆流性食道炎や術後の残胃観察が問題となり 標準術式はいまだ定まっていない 上川法 ( 観音開き法 ) は 食道残胃吻合に形態的 機能的な噴門形成術を付加する再建法であり 吻合部の柔軟性を保ちつつ逆流を防止する優れた再建法である しかしながら上川法では術野の深い部位で多くの手縫い吻合が必要となり 特に下部食道切離が必要な症例では 手技に難渋することもある そこでわれわれは可能な限り簡便かつ高位吻合にも対応可能な上川法を目指し ナイフレス自動縫合器を用いて食道左側と残胃前壁間の固定を先行し 引き続き食道残胃吻合を連続縫合で行っている 前述のように腹腔鏡下噴門側胃切除術では 術野が深いため鉗子とスコープとの干渉が生じやすく術者のストレスとなる 細径鉗子 細径スコープは干渉を低減するために有用であるが 従来の細径スコープでは解像度 明度が不十分で 郭清を伴う癌の手術では 導入困難であった しかしながら 今回使用したオリンパス4Kスコープでは5mmスコープでもフルハイビジョンの画質を確保できるため 従来の細径スコープでは困難であった癌の手術にも十分導入可能で 非常に有用である 5 mm 4Kスコープと細径鉗子を用いた腹腔鏡下噴門側胃切除術における手技のポイントと細径スコープの有用性についてビデオを供覧する 49

14 SS2-4 ENDOEYE FLEX 5 が可能にする PURE 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 大阪医科大学医学部一般 消化器外科朝隈光弘 単孔式腹腔鏡手術が登場して約 7 年が経過した 当科では現在は胆嚢摘出術の標準は単孔式胆嚢摘出術と認識しているが 関連病院を含めた各施設での事情は様々である 本セッションではあえて pure-tanko 胆嚢摘出術を勧めてみたい 臍の傷のありかた 従来式腹腔鏡下胆嚢摘出術との術後疼痛の比較を行い 有意に単孔式群で疼痛の軽減を認めることを報告した (Br J Surg. 2011) 我々は臍部を完全に反転し 正確に 臍のへそ を狙った1.0cm 以下の切開を使用することで 臍部直下の筋膜欠損孔を活用したポート挿入を行っている アレキシスXSサイズと手袋法を用いているが その主な理由は創部を最小化出来ることである 標準化への取り組み なるべく手術をシンプルにするために場面を2 場面に定型化することで カメラ助手と術者の意思疎通が良好になった 2 場面の定型化にはオリンパス社のENDOEYE FLEX 5の使用が必須である FLEX 5の最大の価値として 上から見下ろす場面と横から覗き込む場面ともに術者の手元を避けることが出来る事があげられる 現在では後期レジデント以下の研修医の胆嚢摘出術の教育にも使用しており その平均手術時間は2 時間以内である 結語 本方法は細径鉗子を足す必要はなく 傷を減らす努力をしている外科医なら胆嚢摘出術はpureTANKOで行うとその最大効果を得られると考える SS3-1 単孔式腹腔鏡下右半結腸切除の手術手技 大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学松田宙 高橋秀和 原口直紹 西村潤一 畑泰司 水島恒和 山本浩文 土岐祐一郎 森正樹単孔式腹腔鏡下手術 (TANKO) Reduced Port Surgery(RPS) は Conventional Laparoscopic Surgeryと比較して 腹壁破壊を減弱し更なる低侵襲性が期待されている 当科では下部直腸癌以外の大腸癌手術は原則 TANKOまたはRPSで行っている なかでも中結腸動脈根部のD3 郭清を伴う腹腔鏡下結腸切除においては 郭清に関与する動静脈にバリエーションが多く 難易度が高いといわれている そのためTANKO 手術ではさらに難易度が増すと考えられる 当教室では術前に3 次元再構築画像による解剖把握を行い 郭清のシュミレーションをして手術の安全性と根治性を確保している その上で術中にそれぞれの血管を確実に同定し 郭清を行うことが重要と考えている それぞれの血管の同定するコツを紹介し 単孔式結腸右半切除の手術手技を供覧する SS3-2 左側結腸癌に対する単孔式腹腔鏡下手術の手技の定型化 国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院外科 横浜市立大学市民総合医療センター消化器病センター (3) 横浜市立大学医学部消化器 腫瘍外科学渡邉純 大田貢由 諏訪雄亮 (3) 中川和也 諏訪宏和 樅山将士 (3) 石部敦士 (3) 舛井秀宣 長堀薫 (3) 遠藤格 背景 大腸癌に対する単孔式腹腔鏡下手術 (SPS) は標準化されていない術式であり その治療成績のエビデンスはない 目的 左側結腸癌に対するSPSの定型化を目指した手術手技を供覧する 手技 EZアクセス (10mm 1 scope 5mm 2 鉗子 ) 超音波凝固切開装置を使用 SPSの技術的問題点は1. 鉗子の干渉 2.tangent view 3. 視野展開の克服さらに4. 直腸の垂直切離の克服である 1. 鉗子の干渉を防ぐには 左右鉗子のcross motionと場面に応じて適切な位置にポートを回転させ干渉の少ないpositionをとることが重要 2.tangent viewの克服にはカメラのアングルを最大限に利用し 内側アプローチでは背側方向から見上げる方向 中枢側郭清や外側アプローチやでは腹側方向から見下ろす方向にscopeを配置する 3. 視野展開には体位変換を十分に活用し カウンタートラクションのかかる部位をこまめに持ち替える 4. 直腸切離はLinear staplerを用いた臍からの切離は難易度が高く 特に腹膜翻転部付近の切離は困難であり右下腹部にplus one punctureが必要となるが TM Radial Reloadを臍から使用することによって垂直切離が可能となる 手術成績 大腸癌を対象に多孔式腹腔鏡手術(MPS) とSPSのランダム化比較試験 (UMIN )(MPS 群 100 例 /SPS 群 100 例 ) を施行し 短期成績は手術時間 出血量 開腹移行率 術後排ガス日 oncological clearance 術後合併症発生率 再手術率 術後在院期間に差はなかった 結語 左側結腸癌に対する SPSの定型化を目指した手術手技を供覧し ランダム化比較試験の結果について報告する SS3-3 当科における S 状結腸と直腸 S 状部の癌に対する Reduced Port Surgery 京都府立医科大学消化器外科中西正芳 栗生宜明 村山康利 有田智洋 大辻英吾 背景 当科ではS 状結腸と直腸 S 状部癌に対して細径鉗子を用いた Reduced Port Surgery(RPS) を導入している 現在我々が導入している RPSについて その手技と成績を報告する 手術手技 臍部に約 3cmの小切開をおいてEZ accessを装着 12mmと 5mmのポートを挿入する 右側腹部から3mm 右下腹部から5mm 左下腹から2mmのportを挿入 助手は5mm 鉗子とシャフトが2mmの EndoReliefを使用 術者は左手にStorz 社の3mm 鉗子を使用する 腸管切離に際しては小切開創から自動縫合器を挿入して切離する 対象 2013 年 4 月から56 例に対してRPSを行った 年齢中央値は68 手術時間中央値が211 分 開腹移行 1 例 縫合不全 0 例 術後在院日数中央値は11 日であり Multiport surgery 症例と比較して特に遜色のない結果であった 考察 単孔式手術では鉗子が少ないためにテンションや視野展開に制限があり 術者のストレスは増加する それに対してRPSではmulti port surgeryと変わらないテンションや視野展開が可能である とは言え 細径鉗子にも剛性や把持力などに特徴があり それぞれの鉗子の特徴を理解して手術を行うことが重要である 我々は2mm 鉗子を助手左手 3mm 鉗子を術者左手に持つことが最適と考えている 当科における手術手技とその成績を供覧する 50

15 SS3-4 直腸癌に対する Single-port surgery 埼玉医科大学国際医療センター下部消化管外科 田代 浄 直腸癌に対するSingle-port surgery(sps) を安全に行う工夫と今後の展望を報告する SPSの適応は原則 前方切除術までとしているが 病的肥満症例と高度他臓器浸潤は適応外とした SPSは術者と助手の2 人法で行ない プラットフォームはFree Access R を使用 超音波凝固切開装置はコードレスのソニシジョン R を使用することで操作性の向上と簡便なデバイスの出し入れが得られた 自動縫合器は 彎曲型ステープラーを用いて直腸の一回切離を心掛けた 手技は 直腸の授動 間膜処理 切離を先行する 直腸切離を先行する手順 を用いた これはIMAの連続性を保ったまま直腸間膜の緊張を保持することで 術者の非優位鉗子のみによる視野展開が安定した 腸管の落ち込みによる視野妨害が少ない利点もあった 直腸間膜処理後 ステープラーはFree Access R に直接挿入し直腸切離を行った 郭清後に標本摘出 吻合を行い 臍部よりドレーンを挿入し終刀した 他臓器合併切除や骨盤深部の直腸切離などSPSが難渋する症例では 癌の根治性と安全性を最優先しポートの追加は躊躇していない そのポート創は 太径のマルチチャネルドレーン挿入孔として利用可能となる 肥満症例や低位前方切除症例などSPSの弱点を克服するアプローチとして 倫理的配慮をした上で経肛門低侵襲手術の併用 TAMIS+SPS が有効な手段として期待される 51

16 52

17 panel discussion パネルディスカッション 53

18 P1-1 当院における大腸癌に対する Reduced Port Surgery P1-2 単孔式腹腔鏡下大腸切除術における体腔内吻合 京都府立医科大学消化器外科栗生宜明 中西正芳 有田智洋 村山康利 大辻英吾 はじめに 大腸癌に対する腹腔鏡下大腸切除術は現在標準手術となりつつある 従来の開腹手術に比して腹腔鏡下手術には様々な利点があるが 中でも整容性に優れていることもそのひとつである 最近ではさらに整容性の向上を図るため単孔式手術も行われているが 単孔式手術は鉗子間の干渉など手術操作が難しく 技術的に克服すべき課題も多い そこで当科ではポート数を減らし 細径鉗子を用いて従来の腹腔鏡下手術とも技術的には同等で 整容性に配慮した大腸切除術を行っている 対象 07 年 6 月から16 年 3 月までに当科で手術を行った原発性大腸癌は 1226 例で そのうち腹腔鏡下手術は1060 例であった このうちCから RSまでの症例で 腹腔鏡で原発巣切除を行った686 例で検討を行った 2mmと3mmの細径鉗子を使用したRPSは13 年 4 月から導入し RPS 群 140 例とMPS 群 546 例で短期成績について比較検討した 手術手技 技術的には従来の腹腔鏡手術と大きな差はなく 術者 助手ともにストレスなく安全に操作が行えると考えている 2mm 3mmポート創については術後 1か月ほどでほとんど確認できない程度まで治癒することが多い 以上の手術手技を動画で供覧する 結果 手術時間 術中出血量 術後在院日数 全合併症率でいずれも有意差を認めなかった まとめ 細径鉗子を用いたRPSは単孔式手術とも整容性の面で遜色なく 技術的にも安全に手術操作が行え 優れた術式であると考えられた 沖縄協同病院外科加藤航司 嘉藤小枝子 小野武 永田仁 比嘉聡 川上浩司 有銘一朗 仲地弘美智 屋良敏男 目的 単孔式腹腔鏡下大腸切除術は優れた整容性を背景に徐々に拡がりを見せており 当院でも2015 年 4 月以降同術式を導入している 単孔式手術に必要な創長は腫瘍径や 切除 再建手技により規定される 当院ではさらなる創長の縮小を目指し 腫瘍径の小さな症例において体腔内吻合を施行しており その手術手技を紹介する 手術手技 臍部に単孔用プラットフォームを装着し 再建は体腔内で機能的端端吻合を行う 結腸の授動 郭清後に 自動縫合器を用いて腹腔内で腸管を切離し臍部から標本を摘出する 口側 および肛門側切除断端を寄せて切除端から6cmの腸間膜対側に縫合糸をかけ腹壁を貫いて体外から牽引する 口側 肛門側切除断端に小孔を作成し それぞれ全層で縫合糸をかけ 12mmトロッカーから体外に出す 自動縫合器をそれぞれの腸管に片方ずつ挿入しトロッカーから出しておいた縫合糸を牽引し 腸間膜対側で側側吻合する 吻合口がV 字に開くよう挿入口に数針縫合糸をかけ仮閉鎖し 体外から牽引する 最後に仮閉鎖した挿入口を自動縫合器で閉鎖し吻合を終了する 結果 これまでに同術式を3 例に施行した 創長は平均 26.7mm(25-30mm) 吻合に要した時間は平均 42 分 (40-43 分 ) であった 1 例に創感染を認めたが 縫合不全や腹腔内膿瘍は認めなかった 結語 単孔式腹腔鏡下大腸切除術における体腔内吻合は安全に施行であり さらなる整容性の向上に寄与する可能性がある P1-3 RPS が変えた multi-port surgery について 東京慈恵会医科大学附属柏病院外科 東京慈恵会医科大学外科 河原秀次郎 渡辺一裕 北條誠至 石田航太 三澤健之 秋葉直志 矢永勝彦 緒言 我々は 2009 年より RPS を意識して multi-port surgery においても臍 部の創より標本を切除することで臍部以外に小切開創を造設しない術式を行ってきた (MPS) また結腸癌症例では腸管再建を自動縫合器で行い ドレーン留置を行ってこなかった 今回それらの有用性について検討したので報告する 対象および方法 2009 年から2011 年の3 年間に当科で経験した大腸癌に対する腹腔鏡下手術 169 例 (MPS 110 例 SPO 35 例 SILS 24 例 ) を対象とし 術直後および術後 1 年と3 年の手術創の大きさと整容性を検討した また術後合併症についても検討した 成績 臍部の手術創が4cm 未満であった128 例は創部を埋没縫合することで創が臍のくぼみに隠れ目立たなくなっていた 手術創が4cm 以上であった41 例のうち6cm 未満であった21 例は創の瘢痕拘縮化のため術後 1 年経過して創が臍のくぼみに隠れ目立たなくなっていた 手術創が6cm 以上あった20 例は術後 3 年経過しても創の存在が認識できたが 創の大きさに不満を抱いていた患者はいなかった 自動縫合器で再建した結腸癌症例 109 例では 術後縫合不全はみられなかった 考察 手術創が6cm 未満であれば長期的な整容性に優れていた 進行大腸癌症例では多少臍部の創が目立っても 別に目立つ手術創がなければ創に対する不満はみられなかった 結腸癌手術例ではドレーンの必要性がみられなかった 結語 RPSのMPSに与えた影響は大きかった P1-4 当院における右側結腸癌に対する Reduced port surgery の成績 西陣病院外科 髙木 剛 小林博喜 小泉範明 福本兼久 はじめに 良性疾患 ( 虫垂切除 胆嚢摘出術 ) に対する単孔式腹腔鏡下手術 を2009 年より開始し 2010 年 4 月から開発したEZアクセスポートを使用し手技の定型化を行った 大腸悪性疾患に対しても単孔式をはじめとしたReduced port surgery(rps) を導入している 特に回盲部切除術となる右側結腸癌は単孔式腹腔鏡下手術の適応として行っている 方法 臍頭側から臍輪尾側端まで約 30mm 縦切開後に5mmトロッカー 2 本と12mmトロッカーを使用した当院オリジナルのEZアクセスポート (F10) を使用している 使用する鉗子や腹腔鏡 体位 機器配置は当院で行っている4ポートでの従来法と同様である 手法は 内側アプローチである 結果 回盲部切除術:21 例 右半結腸切除術 :2 例施行 高度の癒着を認めた回盲部切除術 1 例に対して5mmポートを一本追加 右半結腸切除術にはorgan retractorを使用した それら以外は単孔式にて完遂可能であった 完遂例の平均手術時間は168.6 分 ( ) 出血量は29.5 g ( 少量 - 135) であった 高度癒着 高 BMI 症例では手術時間の延長と出血量増加の傾向を認めたが 術中ならびに後合併症は認めなかった まとめ High volume center でない施設でも 良性疾患の単孔式を始めとしたReduced port surgeryの経験を積むことで 右側結腸癌に対して特に回盲部切除は従来腹腔鏡下手術と同等の手技を安全にReduced port surgeryで行うことが可能であると考える 54

19 P1-5 早期胃癌に対する SPIDER 法を用いた単孔式腹腔鏡下幽門側胃切除術の工夫と短期手術成績 P1-6 小切開を必要としない Needlescopic Surgery の手技と疼痛評価 conventional との比較 大阪府立成人病センター消化器外科柳本喜智 大森健 杉村啓二郎 文正浩 宮田博志 藤原義之 矢野雅彦 左近賢人 はじめに 単孔式腹腔鏡下幽門側胃切除術(SLDG) は多孔式手術 (MLDG) と比較して 手術手技が難しく 手術手技が定型化されていない その理由として 使用可能鉗子数や鉗子間の干渉による操作制限と視野展開の困難性がある 今回 われわれは直針付きOrgan retractor 2 本を用いて視野展開を行うSPIDER 法を開発した 目的 SPIDER 法を用いたSLDGの手術手技を供覧し 安全性 実現可能性を評価 対象 早期胃癌に対してSLDGが行われた20 例を対象に 年齢 性別 BMI 手術時間 出血量 術後合併症( Clavien-Dindo Grade 2) 術後在院日数 リンパ節廓清個数について検討 手術手技 臍部小切開にポート4 本を留置したEZ access portを設置 術者鉗子 助手鉗子は組織の頭側方向への展開を行い Organ retractorは 組織の尾側方向への牽引することで それぞれの干渉を予防し MLDGに遜色ない術野の展開を行う 結果 年齢 :61(48-76) 歳 性別 : 男 / 女 =10/10 BMI:19.9 ( ) 手術時間:212.5( ) 分 出血量 :0(0-100)g 術後合併症 :0 例 術後在院日数 :8(7-21) 日 リンパ節廓清個数 :39.5(8-114) 個 結語 早期胃癌に対する SLDGは安全かつ実現可能であり SPIDER 法はSLDGの手術手技困難性を軽減する可能性がある がん研究会有明病院消化器センター消化器外科福岡宏倫 福長洋介 三城弥範 日吉幸晴 小倉淳司 長嵜寿矢 秋吉高志 藤本佳也 長山聡 上野雅資 はじめに 当院では2011 年 9 月より細径鉗子を用いたReduced Port Surgery(RPS) の一つとしてNeedlescopic Surgery(NS) を導入している 会陰創から標本の摘出を行うLaparoscopic Abdominoperineal Resection(Lap-APR) Laparoscopic Intersphincteric Resection(Lap- ISR) はNSのよい適応となる術式と思われる 対象 方法 2015 年 1 月から2015 年 11 月までに当院で施行したNS- APR/ISR18 例 conventional-apr/isr78 例の合計 96 例を対象とした Conventionalと比較してNSでは5mmの斜視鏡を用いることで臍 右下腹部の12mmポートを省略して5mmと3mmのポートのみ使用している 術後鎮痛抑制目的の硬膜外麻酔を使用している症例は術後 2 日目に抜去している 術後 1 日目から7 日目までの創部痛を点数化して解析した また 術後隔日に採血を行い 白血球 CRPの最大値を解析した 結果 NS 群とconventional 群では 手術時間 出血量 術後合併症において有意差はなかった NS 群は 術後 日目で有意に疼痛スケール値が小さかった ( 術後 2 日目 :p=0.040 術後 5 日目 :p=0.008 術後 7 日目 :p=0.043) WBCmax CRPmaxについては NS 群とconventional 群で有意差は認められなかった 3mmの細径鉗子を用いたポート創は術後 30 日目にはほとんど指摘できないほど目立たなくなっていた 考察 当院でのLap-APR/ISRの中で NSは優れた整容性だけでなく 術後疼痛の軽減に寄与していると考えられた P1-7 大腸癌に対する単孔式内視鏡手術の成績 大阪警察病院消化器外科鄭充善 目的 当施設で施行された大腸癌に対する単孔式内視鏡手術 (SPS) の成績を報告する 対象 2008 年から2015 年の間にSPSを施行したStage 0-IIIの大腸癌 700 例 結果 年齢 ;69(37-96) 歳 男 / 女 ;370/330 例 結腸癌 / 直腸癌 ;659/41 例 c stage 0/I/II/III;45/225/216/214 手術時間 ;197(65-549) 分 出血量 ;0(0-1300) リンパ節廓清度 ;D2/3:200/500 リンパ節廓清個数 ;23(4-109) 個 conversion 42 例 (1ポート追加:25 例 多孔式手術 :17 例 ) 短期成績 ; 縫合不全 23 例 創感染 40 例 腸閉塞 24 例 肺炎 1 例 再手術 16 例 術後在院日数 8(3-110) 日 病理結果は 組織型 ;well/ mod/por/sig/muc: 309/342/14/4/31 深達度 ;Tis/1/2/3/4a/4b: 60/123/84/292/130/11 リンパ節転移;N0/1/2:430/181/89 f stage 0/ I/ II/ III;60/170/199/271 観察期間中央値は35か月 再発 78 例 ( 肝 ;36 例 肺 ;16 例 リンパ節 ;15 例 腹膜 ;17 例 その他 ;9 例 重複あり ) 3 年 RFS;stage 0/ I/ II/ III:100/98.5/92.0/72.5% 5 年 OS; stage 0/ I/ II/ III:91.2/92.5/90.0/72.0% 5 年 CSS;stage0/ I/ II/ III: 100/99.2/95.1/74.3% 結語 大腸癌に対する単孔式内視鏡手術は短期 長期成績の点からも妥当と考える P1-8 細径鉗子及び organ retractor を用いた腹腔鏡下大腸切除術の工夫 ( 右半結腸切除術 SRA 温存 S 状結腸切除術 ) 鳥取市立病院外科 加藤 大 大石正博 小寺正人 山村方夫 池田秀明 水野憲治 谷 悠真 腹腔鏡下右半結腸切除術において 膵臓損傷 十二指腸損傷は大きな合併症のひとつであり 回結腸動脈根部 surgical trunkの郭清は大出血の危険性を含んでいる 我々は横行結腸間膜を十二指腸および膵頭部より授動することを先行させることにより 後のリンパ節郭清を確実に施行できる手技を定型化し行っている この手技は 血管の分岐形態を認識しやすく解剖の誤認による間違った血管切離を回避でき 膵前筋膜を確実に温存しながら確実なリンパ節郭清術を血管損傷なく行える優れた手技であると考えている その際横行結腸の尾側への大きな展開は非常に重要な要素である この操作においてorgan retractorであるfjクリップを用いると 非常に安定して安全な展開が可能になる また 左側結腸癌に対して上直腸動脈 (SRA) を温存した手技を行う場合 SRAの尾側への牽引は愛護的にかつ安全性が求められる この操作においてもFJクリップを用いると SRA 損傷のリスクが軽減し 非常に安定した安全な展開が可能になる そのため 左結腸動脈切離 S 状結腸動脈切離や #253 郭清が安定した視野で行うことが可能となる この二つの術式における細径鉗子とFJクリップを用いた我々の手術手技を供覧する 55

20 P1-9 大腸癌に対する Needlescopic Surgery の短期治療成績について 国立がん研究センター東病院大腸外科 池田公治 西澤祐吏 伊藤雅昭 目的 大腸癌に対する Needlescopic Surgery:NS の短期治療成績につい て retrospective に解析した 方法 腫瘍占拠部位が 盲腸 横行結腸 S 状結腸 直腸 S 状部 Stage0- II 2011 年 4 月 1 日 2015 年 7 月 31 日までに手術したNS 群 :34 例 CLA 群 : 74 例 2 群間で手術成績 術後経過 Visual Analogue Scale:VASを用いた疼痛評価を比較検討した 結果/ 成績 NS 群 :CLA 群の2 群間で腫瘍占拠部位は 右側結腸が14 例 : 17 例 左側結腸が20 例 :56 例 手術時間は中央値で150 分 :172 分 出血量は中央値で0ml:21ml 開腹移行は0 例 :1 例 Clavien-Dindo Grade3 以上の合併症は2 例 :3 例 再手術は1 例 :2 例であった これらの項目で手術時間 (p=0.025) 以外は2 群間に有意な差を認めなかった また 全例において病理学的根治度はpCurAであった 疼痛評価である安静時 VAS は年齢 性別 腫瘍占拠部位を因子としたMixed effect modelで解析 術後 0-1 日目ではNS 群の疼痛スコアが低い傾向にあったが 術後 0-7 日目で2 群間に有意な差は認めなかった 考察 NS 群は適切な症例選択により CLA 群と同等の根治性 安全性を期待できる術式であると考えられる 疼痛評価においては2 群間で明らかな有意差は見られなかった P2-1 小児嚢胞性肺疾患に対する細径光学視管を用いた Reduced Port VATS の適応と限界 北海道大学循環器 呼吸器外科 北海道大学消化器外科学 Ⅰ 加賀基知三 樋田泰浩 臼井葉月 椎谷洋彦 中田 ( 久保田 ) 玲子 新垣雅人 本多昌平 松居喜郎 先天性肺気道奇形 Congenital Pulmonary Airway Malformation (CPAM) は 出生直後の呼吸障害や乳児期では肺炎を繰り返す先天性嚢胞 性疾患で 治療は外科的肺葉切除である 一方 小児に対する胸腔鏡手術は 対象が小さいが故に通常の3 portでは低侵襲としての恩恵が小さい 小児肺嚢胞性疾患に対するReduced Port VATS(RP-VATS) の適応と限界を検討した 対象 2005 年から5 歳以下の小児嚢胞性肺疾患に対して手術をおこなった11 例を対象とした 手術時日齢中央値は548 日 ( 日 ) 体重 9Kg (2.5-18Kg) 胸腔鏡手術は 1つの創部と3mm 細径光学視管を用いたRP- VATSを基本とした 全例肺葉切除を施行した 結果 胸腔鏡で完遂したのは 7 例 (VATS 群 ) で 他の4 例は開胸を必要とした ( 開胸群 ) 両群に年齢 性別 出生前診断の有無 術前肺炎の有無に差を認めなかった 考察 嚢胞の最大径/ 胸郭径より求めた嚢胞 / 胸郭比 (C/T 比 ) は VATS 群 0.4 対開胸群 0.8で有意差を認めた (p=0.002)c/t 比 0.6 以上は全例開胸を要したが 0.6 未満は術前に肺炎を併発していてもRP-VATS にて完遂できた 結論 病巣の小さなものであれば 小児であってもRP-VATS が可能である 56 P2-2 小児腹腔鏡手術における Trocar-less single incision laparoscopic surgery (TLSILS) 法の安全性の検討 近畿大学外科学教室小児外科 近畿大学外科学教室内視鏡外科 八木誠 澤井利夫 吉田英樹 前川昌平 今本治彦 目的 小児の腹腔鏡手術では その低侵襲性とともに創の整容性が重要で ある この点からは臍部からの単孔式腹腔鏡手術は非常に有用であるが その安全性はあまり論議されていない われわれは1998 年に1 本のtrocar に腹腔鏡と鉗子を挿入して行うSTLS 法を行ってきたが 操作性に問題があった このため2009 年に2 本の鉗子を使うことのできるTLSILS 法を開発した 今回 TLSILS 法の安全性について検討した 方法 TLSILS 法では臍の切開創にwrap protectorを被せ中央に径 1cm の穴 3 個を配置したdiskを置き 手袋を装着する 手袋の指の先端部分に 3 個の一方弁をつけ この一方弁とdiskの穴に鉗子 腹腔鏡を通して手術する 今回 2009 年以降本法を用いて手術を行った113 例を対象に検討を行った 結果 1)TLSILS 法にて手術施行した患児の年齢は生後 3 日から16 歳 体重は2.8kgから91kg 疾患は虫垂炎手術( ドレナージを含む )98 例 先天性小腸閉鎖症 2 例 Meckel 憩室 2 例 胆摘術 腸重積症 腸間膜嚢腫 回盲部切除 Hirschsprung 病手術などであった 術中合併症としては開腹手術への移行 1 例 ポートの追加 1 例あったのみであった 術後合併症として遺残膿瘍 創部感染が各 1 例みられた 結語 TLSILS 法は腹腔容積の小さい小児においても視認性が良好であり 弯曲鉗子を利用することが可能で 鉗子相互間の干渉をなくすことにより より安全な単孔式腹腔鏡手術が可能になると考えている P2-3 小児における単孔式脾臓摘出術 技術認定基準に照らし合わせて 群馬大附属病院小児外科 群馬大大学院病態総合外科学 鈴木信 (1,2) 内田康幸 (1,2) 大串健二郎 (1,2) 大竹紗弥香 (1,2) 桑野博行 目的 日本内視鏡外科学会における技術認定制度 ( 小児外科領域 ) は 2009 年より開始され その評価術式が噴門形成術に限定されていたが 本年より脾臓摘出術が加わることとなった 当科における脾臓摘出術は単孔式を標準術式としているため この新しい技術認定基準と照らし合わせ 単孔式が技術認定評価に与える問題点を検討する 評価項目 技術認定制度においては総論( 手術の進行 助手との連携 器具の干渉 モニター中央での手術 術野の汚れと安定性 スコープの操作 助手の器具の使用法 術者の器具の使用法 エネルギー源の選択と使用法 手術手技 ) および各論 ( ポート挿入 抜去 結腸脾間膜の処理 脾の剥離と受動 脾門部の処理 脾の収納 脾に対する愛護的操作 ) における各々の項目が評価される 今回 自験例ビデオを本評価項目に照らし合わせ評価した 結果 考察 総論においては 単孔式の欠点である器具の干渉は必ず生じており 場合により故意に手術部位を画面中央から外した状態でスコープとの干渉を避け手術操作を行っているため減点の対象となり得ると考えられた また 干渉を避けるため牽引糸を用いるなどの助手の鉗子を削減する傾向にあり 助手との連携の評価が難しい傾向にあった 各論においては脾門部処理と周囲の間膜処理の操作は多孔式と同様に行っており 特に評価上における影響はないと考えられた

21 P2-4 小児腹腔鏡下脾摘術に対する reduce port surgery P2-5 小児の Reduced port surgery を変えた & 変える? デバイス 岩手医科大学外科学講座 小林めぐみ 水野 大 佐々木章 岩手医科大学外科 水野大 小林めぐみ 有末篤弘 佐々木章 はじめに 小児腹腔鏡下脾摘術は 安全かつ低侵襲に行うことができ 患児への負担が少ない 一方 内視鏡手術に伴う小児特有の問題点として 組織の脆弱さ 視野の狭さ 機器 機材の大きさなどが挙げられる 当科における小児腹腔鏡下脾摘術は 以前は多孔式で脾門部血管の処理は成人同様に自動縫合器で行うのが一般的であった しかし そのためには体格に関わらず左側腹部に10mm 以上のポート挿入を要するとともに 組織の薄い乳幼児では止血効果に不安が残るという問題があった 近年では 臍右縁に約 2cmの切開創を置きEZ access portを装着 左前腋窩線上に5mm portを挿入する術式を定型手術として行っている 当科で行ってきた小児腹腔鏡下脾摘術の変遷を ビデオを供覧し報告する 症例 1 歳から10 歳までの球状赤血球症 6 例で 輸血を頻回に要したため脾摘の適応と判断され当科紹介となった 全例で脾腫を認めるが 脾動静脈の異常拡張無く 胆道系に結石は認めなかった 結果 手術時間 出血量 整容性は良好であった 手技 脾門部血管の処理は臍創部より自動縫合機を挿入しているが 1 歳児症例では脾門部血管 靱帯等の切離はすべて Sealing Deviceにて処理可能であった 結語 単孔式デバイスも取り入れた小児腹腔鏡下脾摘術は整容性もよく Sealing Systemは小児の脾摘において安全かつ有用なdeviceである 日々進歩する内視鏡器具の特徴を理解し応用することで さらなるRPSを目指したい 近年 成人領域ではReduced port surgery( 以下 RPS) は適応も拡大し市民権を得ているが 多くの術式では臍をメインポートに使用している 一方 小児においては以前より臍の小切開から直視下に操作する各種術式が普及していた 我々は臍からのアプローチという点を融合させれば小児でもRPSは安全に施行可能と考え 2009 年より小児にもRPSを導入している 当初は外鼡径ヘルニア根治術や虫垂切除術といった比較的難易度が低い術式から開始したが その後 噴門形成術や脾臓摘出術といった難易度が高い疾患にも積極的に適応を拡大している RPSにおいて安全性を保ちつつ適応を拡大するには各種内視鏡化手術器具の進歩は必須で なかでもマルチチャンネルトロッカーと屈曲可能な操作デバイス類は極めて重要である 幸い当科はすべてのグループが内視鏡手術に力を入れており 早い時期から新たなデバイスを見たり触れたりすることができる環境にあり 多くのデバイスを試用することができた 新たなデバイスの出現により消えたデバイスも少なからずあるが 我々の小児 RPSを変えたデバイスを紹介し 今後実用化が期待される ( 小児 RPSを変える?) デバイスについても言及したい P2-6 当科で腹腔鏡下核出術を施行した小児卵巣腫瘍の 3 例 P2-7 小児外科領域における臍を経路とした単孔式手術の工夫 長崎大学病院小児外科森くるみ 山根裕介 吉田拓哉 田浦康明 小坂太一郎 高槻光寿 永安武 はじめに 小児の卵巣腫瘍は体格に比し腫瘍径が大きいため 一定の大きさの標本摘出創を必要とする場合が多い しかしほとんどは良性腫瘍であるため高い整容性が求められる 当科での経験を報告する 手術手技 当科の腹腔鏡下卵巣腫瘍核出術( 本術式 ) では 整容性に優れた臍部創を標本摘出創に定め はじめに臍部先行切開 ( 臍切 ) を行い ラッププロテクター 0504S R およびEZアクセス R を装着するマルチトロッカー法を行っている 臍切の利点は Reduced Port Surgery(RPS) により整容性が保たれるだけでなく 腫瘍内容液の除去による腫瘍縮小化や 体腔外法での直視下手技が可能になることである 対象 2013 年 10 月から2016 年 3 月で 小児卵巣腫瘍に対し 臍切による本術式を施行した3 症例を対象とした 結果 年齢は平均 4 歳 1か月 (2ヶ月 6 歳 11ヶ月 ) 腫瘍局在は全例片側性 ( 右側 1 例 左側 2 例 ) 腫瘍最大径は平均 50mm(30 65mm) であった 全例で捻転 ( ) を伴っていたが 血流障害を認めなかった 手術時間は平均 103 分 ( 分 1 例は鼠径ヘルニアの附随手術あり ) であった 病理診断はMature cystic teratoma 2 例 Benign simple cyst and follicle cyst 1 例であった まとめ 臍切を利用したRPSは整容性が高く 創を利用した手技の追加もできるため有用であると考えられた 兵庫県立尼崎総合医療センター小児外科高田斉人 江里口光太郎 渡邉健太郎 片山哲夫臍を手術経路として利用する時 その術式は臍窩切開 腹腔内 ( 外 ) 手術と臍窩切開 腹腔鏡手術の大きく2つに分けられる 場合によっては両者を併用することも珍しくはない いずれにせよ 臍を利用した手術で 術中に最も苦心することは良好な術野展開につきると思われる 今回 我々は成人の単孔式腹腔鏡手術で報告されている蜂須賀らが考案した臍窩 Zigzag 切開法を小児にアレンジし Z 型切開法として種々の小児外科手術において試行してみた 2014 年 8 月から2016 年 3 月までに当科で本法を施行した計 10 例について後方視的に検討を加えた 年齢別では新生児 1 例 乳児 1 例 1 歳以上 8 例であった 性別では男児 3 例 女児 7 例であった 疾患内訳では回腸閉鎖症 1 例 胆汁鬱滞 1 例 腸重積症 1 例 毛髪胃石 1 例 卵巣腫瘍 4 例 ( 成熟奇形腫 3 例 粘液嚢胞腺腫 1 例 ) 卵巣出血 1 例 神経芽腫 1 例であった 6 例が ( 準 ) 緊急手術であった 卵巣腫瘍 4 例中 2 例で茎捻転を生じていた また摘出しようとした腫瘍が大きかったために Z 型切開からZigzag 切開に移行したものが2 例あった 本法に関連する合併症として創部出血を1 例認めた 本法は臍を経路とした単孔式手術を行ううえで 従来の臍窩縦切開や臍窩弧状切開にまさる術野展開をえられる点で有用と考えられた 57

22 P2-8 当院における reduced port surgery の試み P3-1 当院における単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 212 例の経験 北野病院小児外科鈴木久美子 遠藤耕介 佐藤正人小児外科領域ではでは内視鏡手術に当たりworking spaceが小さく 複数の鉗子が術野に存在することで カメラとの干渉や手術操作の妨げとなることを経験する われわれは 小さな体腔で安全に手術を行うため port 数を減らし かつ安全な手術操作を行うため reduced port surgery に取り組んできたのでその結果を術式別に報告する 1. 腹腔鏡下噴門形成術 69 症例 : 当初 5ポートで手術を開始した 年長児症例や成人症例では問題にならなかった 器具の干渉を経験するようになってきた 41 例目から食道裂孔腹側に縫合糸をかけ 腹壁から肝を挙上した これにより器具の干渉頻度が激減し 安全な手術操作が可能となった 2. 腹腔鏡下総胆管拡張症手術 9 症例 : 当初 5ポートで手術を行った 肝門部の展開のため胆嚢挙上目的で鉗子を挿入していた 肝管空腸吻合に際し 肝挙上用の鉗子が術者鉗子と干渉した ミニループリトラクターで胆嚢を頭側に挙上することで 4ポートでの手術が可能となった 3. 先天性十二指腸狭窄症 1 例 :Diamond 吻合に際し 口側十二指腸にstay sutureをおき これを体外に誘導する 3ポートでの手術が可能となった 小児外科領域においては 小さなワーキングスペースでの手術操作を要求されることから reduced port surgeryは整容性のみならず 手術器具の干渉を防止できるので 手術の安全性を向上にもつながる 大阪府済生会泉尾病院外科 消化器外科山道啓吾 橋本祐希 菱川秀彦 田中宏典 松浦節 田中義人 はじめに われわれは2009 年 8 月に単孔式腹腔鏡手術を導入し 様々な症例に適応を拡大してきた 単孔式腹腔鏡下胆摘術 (TANKO-LC) は 導入当初 炎症が軽微な症例に限定していたが 徐々に適応拡大し 現在は胆嚢良性疾患に対する術式の第一選択としている 今回 術式の工夫を紹介するとともに治療成績について報告する 術式 従来機器を用いたマルチトロッカー パラレル法を施行している 操作性と整容性に優れた臍窩 Y 字切開後 トロッカーは12mm 径 1 本と 5mm 径 2 本を挿入 フレキシブル腹腔鏡で観察し カメラポートを除いた 2ポートのみで手術を行い 整容性と経済性の面から基本的には鉗子の追加は行わない 結果 212 例のTANKO-LCを ( 同時期胆摘術の66.7%) 12 名の術者が施行した 手術時間は平均 125(54-225) 分で同時期の従来 LCや開腹 LCより短かった 症例の内訳は胆石症 186 例 胆嚢ポリープ8 例 胆嚢腺筋症 8 例 慢性胆嚢炎 38 例 急性胆嚢炎 21 例 総胆管結石 EST 後 65 例 総胆管結石 1 例 広範開腹既往症例 8 例であった ( 重複あり ) ポート追加は8 例 (3.8%) 開腹移行が3 例 (1.4%) あり すべて胆嚢炎症例であった また 11 例に他疾患手術を同時施行した 術後合併症は創部 SSI7 例 (3.3%) 肺炎 2 例 (0.9%) 膵炎 麻痺性イレウス 臍ヘルニア 脳梗塞が各 1 例 (0.5%) であった 結語 整容性に優れたTANKO-LCの成績は概ね良好で 高度炎症例を含め 胆摘術の標準術式になり得ると思われた P3-2 最小創を目指した単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 P3-3 腹腔鏡下胆嚢摘出術はどう変わったか 単孔式から始める LC の手術手技 立川病院外科亀山哲章 田渕悟 瀬尾雄樹 岸田憲弘 山下俊樹 秋山芳伸 2009 年 5 月に単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行して以来現在までに850 例を超える単孔式腹腔鏡手術を行ってきており その中で胆嚢摘出術は約半数を占めている 初例から10 例までは細径鉗子を使用していたがその後は基本的にはpure single port sugeryを行っている より低侵襲な手術を目指し 徐々に臍部皮膚切開は小さくなり 現在では臍窩に1 1.5cm の皮膚切開で行っている 切開創が小さくなればなるほど手術操作はやりにくくなるが グローブ法を用いることで鉗子の自由度が上がり 難易度は下がると考えている この皮膚切開はウンドリトラクターを挿入できる最小限の大きさであり 指を入れて腹腔内を確認することはできない そのため 臍周囲に手術既往がある場合などは皮膚切開を大きめにし腹腔内を確認することが必要になる また結石が大きい場合や炎症などにより胆嚢壁が肥厚している場合などは胆嚢を体外へ取り出すことができないことがあるため 摘出時に皮膚に切開を追加することがある 手術成績は良好であり 術後死亡例や再手術例はなく合併症発生頻度は3.2% ( 胆汁漏 1 例 創感染 4 例 脂肪融解 7 例 臍ヘルニア1 例 ) であった ポートの追加例は7.0% に認め そのうち1 例が開腹手術へ移行した 小さな皮膚切開で行う単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術の工夫をビデオを供覧し紹介する 千葉市立青葉病院外科清水康仁我々は新たなる腹腔鏡下胆嚢摘出術を追求すべく LCは puretankoから始める ことを基本方針として症例の蓄積を行っている 基本術式 腹腔鏡は5mmの軟性鏡を使用 臍部を約 2.5cm 程縦切開し マルチチャンネルポートを使用 従来のストレート型鉗子類のみを用いてpureTANKOで手術を開始している スペーサーの活用 肝円索の釣り上げ等工夫し手術を遂行する 困難症例や術者の技量に合わせて無理なく補助鉗子類を追加挿入するようにしている 対象および結果 2016 年 4 月までに423 例を経験した 内訳は 年齢 58 歳 (21-87 歳 ) BMI 23.7 ( ) 手術時間は113 分 ( 分 )( すべて中央値 (range-)) 全症例中 376 例 (89%) をpureTANKOとプラスニードル ( 導入時の50 例はルーチン ) で完遂 46 例に追加ポートを要し 高度炎症例の1 例は開腹移行した 術後合併症は 微熱遷延 1 例 腹腔内膿瘍 1 例 創感染 6 例と腹壁瘢痕ヘルニア1 例を経験 胆道損傷は1 例も経験していない まとめ 単孔式から始める腹腔鏡下胆嚢摘出術は安全に遂行可能であった 困難症例に対してもプラスニードルかプラス1でほとんどの症例に対応できた 58

23 P3-4 Reduced Port Surgery で行った Mirrizi 症候群の一例 確実な運針縫合閉鎖 京都府立医科大学消化器外科 生駒久視 庄田勝俊 小西博貴 森村玲 栗生宜明 中西正芳 大辻英吾 はじめに 胆嚢胆管瘻を伴う Mirrizi 症候群に対して臍部切開創 +2Port で 治療したので報告する 症例 80 歳代 女性 黄疸と発熱を主訴に近医受診 肝機能障害 超音波検査 CT MRI でMirrizi 症候群による閉塞性黄疸 急性胆管炎と診断され ERCP ENBD 留置による治療を受けた 炎症が治まった後 ERBD 入れ替え後 手術目的に当院を受診した 全身麻酔下に臍部切開創 +2Port( 心窩部 右下腹部 ) で腹腔鏡下に胆嚢を胆嚢頚部で切離 下流側の胆嚢頚部を切開し嵌頓結石を除去した 総胆管内にERBDチューブが残存していたことを鏡視下に確認できたので切開部は4 0PDSⅡで縫合閉鎖した 合併症なく術後 10 日目に退院した 考察 Mirrizi 症候群では周囲の炎症性変化や癒着が強く 解剖学的位置関係の把握が困難な場合が多い 癒着を完全に剥離し胆嚢を完全に切除しようとすると胆管損傷の危険性が存在する 従って 外科的処置は胆嚢前壁を切開し結石を取り出し 切開部の閉鎖 胆管内の減圧が原則である 腹腔鏡でこれらの手技を完遂するのは困難が予想される 特に切開部の不確実な縫合閉鎖は術後の胆汁瘻や狭窄と行った合併症につながる 本症例では 切開部の縫合の軸と鉗子の軸が一致するように臍部切開創に2つの5mmポートを追加し こちらから行うことで比較的少ないストレスで縫合を行うことができた 結語 ポートの数を減らすことによる低侵襲性を追求することも重要であるが 難易度の高い局面では 確実な腹腔内操作を行うためにPortの追加を躊躇しないことも重要である 本症例では臍部切開創を利用することでReduced Portによる低侵襲性とAdditional portによる手技の確実性の両方を実践することができた P3-5 Plus two puncture TANKO 式腹腔鏡下胆嚢摘出術 (PTP-TANKO LC) の有用性 国立病院機構宇都宮病院外科 獨協医科大学第一外科 (3) 群馬大学病態総合外科 増田典弘 (1,3) 滝田純子 (1,3) 芳賀紀裕 (1,3) 柴崎雄大 (1,3) 尾形英夫 (1,2) 中島政信 (1,2,3) 山口悟 (1,2,3) 加藤広行 (3) 桑野博行 目的 当院では 2005 年より Reduced port LC(R-LC) を開始 2011 年か ら PTP-TANKO LC を導入 2013 年より重症胆のう炎も含め本術式を first choice としている 今回我々は本術式の有用性と限界を検討した 対象 2013 年 1 月以降 3 年間に本術式にて手術を開始した 197 例 ( 急性胆嚢炎 107 例 非炎症 90 例 ) を対象とし ポート追加 炎症の程度 合併症に関し検討 手術手技 1 臍部縦切開にて EZ access XS を装着 同部より 5mm port を 2 本留置 hemi-パラレル法で行う 2 胆嚢牽引のMLRを剣状突起下に刺入 3 右側腹部にEnd-Reliefを刺入しworking portとする 遂行不能な場合 portの追加挿入を行う 結果 197 例中 PTP-TANKO 遂行例は169 例 (85.8%) で内訳は非炎症 85 例 急性胆嚢炎 84 例 うち24 例は壊死性胆嚢炎 追加ポートは28 例 (14.2%) に必要とした 追加の理由は21 例が壊死性胆嚢炎 術中出血 1 例 他手術の併施 1 例 既往手術の広範な癒着 3 例 PEG 後 + 拘縮 2 例であった 合併症は門脈からの出血で開腹移行 1 例 臍感染 1 例 何れも追加ポート例で PTP TANKO 例に臍ヘルニア1 例を認めた 術後腹腔内膿瘍はなし 考案 1)PTP-TANKO 法は急性胆嚢炎症例でも遂行可能であり 的確に追加ポートを行えば合併症の増加もなく有用な方法である 2) 壊死性胆嚢炎においては21/45 例 (46.6%) で追加ポートを必要とし 炎症が高度な場合合併症を呈する前に適切にポートを追加する必要があるといえる 59

Vol.52 2013夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から 胃癌 大腸癌に対する腹腔鏡下手術を本格導入しており 術後の合併症もなく 早期の退院が可能となっています 4月からは 内視鏡外科技術認定資格を有する 日比健志消化器外科部長が赴任し 通常の腹腔 鏡下手術に

Vol.52 2013夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から 胃癌 大腸癌に対する腹腔鏡下手術を本格導入しており 術後の合併症もなく 早期の退院が可能となっています 4月からは 内視鏡外科技術認定資格を有する 日比健志消化器外科部長が赴任し 通常の腹腔 鏡下手術に とうかい Vol.52 公 立 学 校 共 済 組 合 東 海 中 央 病 院 各 務 原 市 須 衛 会 本 新 池 ( 稲 田 園 前 )です INDEX 表 紙 写 真 募 集 のお 知 らせ 過 去 のとうかいはこちらからご 覧 になれます http://www.tokaihp.jp/tokai/ Vol.52 2013夏号 最先端の腹腔鏡下手術を本格導入 東海中央病院では 平成25年1月から

More information

本文/開催および演題募集のお知らせ

本文/開催および演題募集のお知らせ 80 QOL QOL VAS Score MRI MRI MRI Ra Rb MRI 81 お 名 前 VAS VAS Score 82 奥ほか 症例 手術時間 出血量 食事開始日 術後入院期間 分 ml 日 日 平均 SD 9 備考 排尿障害 創部感染 図 直腸子宮内膜症症例の MRI ゼリー法によ る画像所見 図 当院で直腸子宮内膜症に対して直腸低位前方切 除術を施行した症例の内訳 子宮内膜症では

More information

腹腔鏡下前立腺全摘除術について

腹腔鏡下前立腺全摘除術について ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術を受けられる方へ 前立腺がんの治療法 前立腺がんには様々な治療法があり 年齢や癌の広がり具合に応じて治療法が選択されます がんが前立腺にとどまっていて治癒 ( 根治 ) が期待される場合に推奨される治療法の一つが根治的前立腺摘除術です この根治的前立腺摘除術にはいくつかの方法 ( 手術方法 ) がありますが大きく分けて 開放手術と腹腔鏡下手術があります 当科における根治的前立腺摘除術

More information

目次(下部).indd

目次(下部).indd ビジュアルサージカル消化器外科手術下部消化管 は動画がある項目です 1 章腸 1 1. 腸の解剖 / 松山貴俊, 絹笠祐介 2 腸の区分 2 腸の動脈 静脈 4 大腸のリンパ流 11 大腸周囲の自律神経 12 直腸周囲の筋膜構成 13 肛門管の解剖 15 2. 虫垂切除術 ( 開腹 )/ 正木忠彦, 吉敷智和 18 手術手技 22 皮膚切開 開腹 22 創縁の保護 22 術野の確保 23 虫垂の同定

More information

13120701PDF_Œ{Ł¶PDF.pdf

13120701PDF_Œ{Ł¶PDF.pdf 北勤医誌第 35巻 2013年 12月 1Y 2Y8M 図 1 ストーマの経時変化 直後から 2Y8M まで) こで低侵襲で 余剰腸管の切除とメッシュによ 術後経過 数日して腹痛を訴え CT をとった る補強とストーマ孔の拡大防止をストーマ孔か ところイレウスはないがストーマ孔に小腸が陥 らのアプローチで行なう術式を計画した 入していると診断し再手術を行った 前回腹腔 術式 2層メッシュComposix

More information

U 開腹手術 があります で行う腎部分切除術の際には 側腹部を約 腎部分切除術 でも切除する方法はほぼ同様ですが 腹部に があります これら 開腹手術 ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を受けられる方へ 腎腫瘍の治療法 腎腫瘍に対する手術療法には 腎臓全体を摘出するU 腎摘除術 Uと腫瘍とその周囲の腎

U 開腹手術 があります で行う腎部分切除術の際には 側腹部を約 腎部分切除術 でも切除する方法はほぼ同様ですが 腹部に があります これら 開腹手術 ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を受けられる方へ 腎腫瘍の治療法 腎腫瘍に対する手術療法には 腎臓全体を摘出するU 腎摘除術 Uと腫瘍とその周囲の腎 U 開腹手術 があります で行う腎部分切除術の際には 側腹部を約 腎部分切除術 でも切除する方法はほぼ同様ですが 腹部に があります これら 開腹手術 ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を受けられる方へ 腎腫瘍の治療法 腎腫瘍に対する手術療法には 腎臓全体を摘出するU 腎摘除術 Uと腫瘍とその周囲の腎組織のみを摘出するU U 2つの手術法のどちらを行うかは 腫瘍の大きさや位置 年齢 手術前の腎機能などにより総合的に決定します

More information

Vol.56 2014夏号 最先端の腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術を導入 認定資格 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会指導医 専門医 消化器がん外科治療認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 外科医長 渡邉 卓哉 東海中央病院では 3月から腹腔鏡下鼠径ヘルニ ア修復術を導入し この手術方法を

Vol.56 2014夏号 最先端の腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術を導入 認定資格 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会指導医 専門医 消化器がん外科治療認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 外科医長 渡邉 卓哉 東海中央病院では 3月から腹腔鏡下鼠径ヘルニ ア修復術を導入し この手術方法を とうかい Vol.56 公 立 学 校 共 済 組 合 東 海 中 央 病 院 いぎやま こみち 鵜 沼 小 伊 木 町 伊 木 山 のふもと あじさいの 小 径 です 表 紙 写 真 募 集 のお 知 らせ 過 去 のとうかいはこちらからご 覧 になれます http://www.tokaihp.jp/tokai/ INDEX Vol.56 2014夏号 最先端の腹腔鏡下鼠径 ヘルニア修復術を導入

More information

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病

密封小線源治療 子宮頸癌 体癌 膣癌 食道癌など 放射線治療科 放射免疫療法 ( ゼヴァリン ) 低悪性度 B 細胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫 血液 腫瘍内科 放射線内用療法 ( ストロンチウム -89) 有痛性の転移性骨腫瘍放射線治療科 ( ヨード -131) 甲状腺がん 研究所 滋賀県立総合病 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 大腸がん 消化器内科 造血幹細胞移植 造血器腫瘍 骨髄不全 血液 腫瘍内科 大腸がん 早期胃がん 肝臓がん ( 一部 ) 前立腺がん 腎細胞がん 副腎がん腎盂尿管がん 膀胱がん 食道がん子宮体がん 外科泌尿器科婦人科 胸腔鏡下手術 肺がん 呼吸器外科 気道狭窄 閉塞病変に対する気管支鏡下レーザー治療 肺がん 呼吸器外科 定位放射線治療 原発性肺がん 転移性肺がん 原発性肝がん

More information

平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 -

平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 ,034 平成 28 年度 - 平成 29 年度九段坂病院病院指標 年齢階級別退院患者数 年代 10 代未満 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 80 代 90 代以上 総計 平成 29 年度 - 23 45 113 265 358 597 977 585 71 3,034 平成 28 年度 - 31 53 123 272 369 657 963 550 67 3,085 平成 27 年度 - 16

More information

Microsoft Word - todaypdf doc

Microsoft Word - todaypdf doc 2014 年 4 月 9 日放送 急性急性胆管胆管炎 胆嚢炎胆嚢炎診療診療ガイドライン 2013 の活用法活用法 帝京大学外科准教授三浦文彦はじめに 2013 年 1 月に改訂 出版された急性胆管炎 胆嚢炎診療ガイドライン (Tokyo Guidelines 2013 以下 TG13) について お話しさせていただきます 急性胆管炎 胆嚢炎診療ガイドラインは 2005 年 9 月に日本語版第 1 版が

More information

2. 予定術式とその内容 予定術式 : 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 手術の内容 あなたの癌は胃の出口に近いところにあるため 充分に切除するためには十 二指腸の一部を含め胃の 2/3 もしくは 3/4 をとる必要があります 手術は全身麻酔 (+ 硬膜外麻酔 ) の下に行います 上腹部に約 25cm の

2. 予定術式とその内容 予定術式 : 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 手術の内容 あなたの癌は胃の出口に近いところにあるため 充分に切除するためには十 二指腸の一部を含め胃の 2/3 もしくは 3/4 をとる必要があります 手術は全身麻酔 (+ 硬膜外麻酔 ) の下に行います 上腹部に約 25cm の 胃癌の手術に対する説明書 1. 病名と病状 これまでの諸検査の結果 病名は胃癌であると診断されます 胃癌は粘膜より発生し 徐々に大きくなり進行していきます 進行の形式に は 1 胃壁を壊し徐々に深く浸潤して ( 壁浸潤 ) さらに進行すると腸壁を貫い て他の臓器へ直接浸潤する形式 ( 直接浸潤 ) 2 リンパ管を経由して転移してい くリンパ節転移 3 血流に乗り他の遠隔臓器へ転移していく血行性転移

More information

遠隔転移 M0: 領域リンパ節以外の転移を認めない M1: 領域リンパ節以外の転移を認める 病期 (Stage) 胃がんの治療について胃がんの治療は 病期によって異なります 胃癌治療ガイドラインによる日常診療で推奨される治療選択アルゴリズム (2014 年日本胃癌学会編 : 胃癌治療ガイドライン第

遠隔転移 M0: 領域リンパ節以外の転移を認めない M1: 領域リンパ節以外の転移を認める 病期 (Stage) 胃がんの治療について胃がんの治療は 病期によって異なります 胃癌治療ガイドラインによる日常診療で推奨される治療選択アルゴリズム (2014 年日本胃癌学会編 : 胃癌治療ガイドライン第 胃がんとは 胃がんの発生 進行について胃がんは胃の粘膜から発生し 年月をかけて診断可能な大きさになるといわれています 胃の壁は 粘膜 粘膜下層 筋層 漿膜 ( しょうまく ) にわかれています 胃壁におけるがんの浸潤の程度を深達度と呼びます 粘膜下層までの浸潤でとどまっているものを早期胃がんとし 筋層まで浸潤しているものを 進行がんとしています 早期がんであっても 粘膜下層まで浸潤すると血管やリンパ管から転移していく可能性があります

More information

執刀前用意 体位テストの際 手台からの腕脱落 側板へ直接体が当たっていないか確認 またバルーン 空気圧迫機器などの損傷に注意 ハーモニックを使用する際はプライミング要 電気メス設定は blend mode 記録用の DVD を録画機器にセット S 状結腸 直腸手術の場合は執刀開始とともに

執刀前用意 体位テストの際 手台からの腕脱落 側板へ直接体が当たっていないか確認 またバルーン 空気圧迫機器などの損傷に注意 ハーモニックを使用する際はプライミング要 電気メス設定は blend mode 記録用の DVD を録画機器にセット S 状結腸 直腸手術の場合は執刀開始とともに 腹腔鏡補助下 S 状結腸 直腸切除術マニュアル 2012/2/25 ver1.1 術前用意器具 ラパコロン鉗子セット( 把持鉗子が円滑に動くか確認要 ) ポート: 12mm カメラポート 1 12mm 穿刺ポート 1 5mm 穿刺ポート 3(TANKO の場合は SILS port あるいは Gelpoint) 12mm フレキシブルファイバースコープ (TANKO の場合は 5mm フレキシブル用意

More information

腹腔鏡補助下膀胱全摘除術の説明と同意 (2) 回腸導管小腸 ( 回腸 ) の一部を 導管として使う方法です 腸の蠕動運動を利用して尿を体外へ出します 尿はストーマから流れているため パウチという尿を溜める装具を皮膚に張りつけておく必要があります 手術手技が比較的簡単であることと合併症が少

腹腔鏡補助下膀胱全摘除術の説明と同意 (2) 回腸導管小腸 ( 回腸 ) の一部を 導管として使う方法です 腸の蠕動運動を利用して尿を体外へ出します 尿はストーマから流れているため パウチという尿を溜める装具を皮膚に張りつけておく必要があります 手術手技が比較的簡単であることと合併症が少 腹腔鏡補助下膀胱全摘除術の説明と同意 - 1 - 腹腔鏡補助下膀胱全摘除術について 秋田大学医学部泌尿器科 科 長 : 羽渕友則 担当医 : 1 膀胱がんの治療法について膀胱がんに対しては病期 ( 腫瘍の進み具合 ) により様々な治療法があります 一般に腫瘍の悪性度が低いもの 膀胱の表層に留まっているものは内視鏡的に膀胱を温存する治療が行われます 腫瘍の悪性度が高い場合や 腫瘍が膀胱の壁の深くまで及んでいる場合

More information

<924A814092BC8EF72E656339>

<924A814092BC8EF72E656339> @ 膵分節切除を施行した膵 の 例 α 本邦報告 例の発生部位および手術術式 膵内分泌機能の低下は膵切除量に応じて発生リ スクが高まる イヌを用いた実験的検討では糖 尿病発現からみた膵切除率の限界は正常膵の場 合で 慢性膵炎などの線維化膵で と されている 本症例を門脈上で切離する体 尾部切除を行うと仮定し術前 を用いてボ リューメトリーで解析したところ 社製 膵全体の体積は約 で膵切除 体尾部の体積が約

More information

食道癌に対する低侵襲手術と成績向上への取り組み 門 開胸手術から鏡視下手術 VTS-Eへ 85 を及ぼす肺炎などを含む呼吸器合併症は関胸群での発 門 667 後期 症率が %であったのに対し胸腔鏡群では前期 3 E 結果 これら とも %と半減していた いずれかの合併症を発症した率は 胸腔鏡前期群では 開胸群と同等であったが後期群では有意に減少してい 6 5/45%=3 3 た D 5 4 - 開胸

More information

< A815B B83578D E9197BF5F906697C38B40945C F92F18B9F91CC90A72E786C73>

< A815B B83578D E9197BF5F906697C38B40945C F92F18B9F91CC90A72E786C73> がんに対する診療機能 各領域の専門医に加え 認定看護師 専門 認定薬剤師等とともにチーム医療を展開しており 標準的かつ良質 適切な医療の提供に努め 又 他の医療機関との連携を推進しております. 肺がん 当該疾患の診療を担当している 医師数 当該疾患を専門としてい 腫瘍内科 4 4 2 腫瘍外科 ( 外科 ) 5 4 3 腫瘍放射線科 実績実績実績 開胸 治療の実施 (: 実施可 / : 実施不可 )

More information

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専 がんに対する診療機能 各領域の専門医に加え 認定看護師 専門 認定薬剤師等とともにチーム医療を展開しており 標準的かつ良質 適切な医療の提供に努め 又 他の医療機関との連携を推進しております 平成 29 年 9 月 1 日現在 1. 肺がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 1 腫瘍外科 ( 外科 ) 6 3 開胸 胸腔鏡下 定位 ありありなしなしなしなし なしなしなしありなしなし 2.

More information

7 1 2 7 1 15 1 2 (12 7 1 )15 6 42 21 17 15 21 26 16 22 20 20 16 27 14 23 8 19 4 12 6 23 86 / 230) 63 / 356 / 91 / 11.7 22 / 18.4 16 / 17 48 12 PTSD 57 9 97 23 13 20 2 25 2 12 5

More information

外科領域の専門医共通 領域講習の開催一覧 (2018 年 5 月現在 ) ( 現行制度下の外科専門医更新の研修実績としては 一律 1 回あたり 3 単位を算定します ) 開催日 主催学会 講習会名称 開催地 種別 単位 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 特別企画 外科医に求められる医療安全

外科領域の専門医共通 領域講習の開催一覧 (2018 年 5 月現在 ) ( 現行制度下の外科専門医更新の研修実績としては 一律 1 回あたり 3 単位を算定します ) 開催日 主催学会 講習会名称 開催地 種別 単位 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 特別企画 外科医に求められる医療安全 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 特別企画 外科医に求められる医療安全 大阪府 共通 ( 医療安全 ) 2 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 ワークショップ 多発外傷に対する集学的外科治療 大阪府 領域 2 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 ワークショップ 中心静脈カテーテル管理における安全対策 大阪府 領域 2 2016 年 4 月 14 日日本外科学会 シンポジウム

More information

5th Reduced Port Surgery Forum 206 in Osaka シンポジウム 3: 最先端の RPS 0:00 :20 司会足立共済病院院長山本学 国立病院機構相模原病院病院長金田悟郎 S3- 大腸癌に対する Reduced port surgery 帝京大学医学部附属溝口病

5th Reduced Port Surgery Forum 206 in Osaka シンポジウム 3: 最先端の RPS 0:00 :20 司会足立共済病院院長山本学 国立病院機構相模原病院病院長金田悟郎 S3- 大腸癌に対する Reduced port surgery 帝京大学医学部附属溝口病 5th Reduced Port Surgery Forum 206 in Osaka 日程 8 月 5 日金 8 月 5 日金 第 会場 [ 会議室 F] シンポジウム : 胆嚢 9:00 0:00 司会獨協医科大学越谷病院外科多賀谷信美 四谷メディカルキューブきずの小さな手術センター外科梅澤昭子 S- Reduced Port Laparoscopic Cholecystectomyの手技と成績獨協医科大学越谷病院外科菅又嘉剛

More information

腹腔鏡下前立腺全摘除術について

腹腔鏡下前立腺全摘除術について ロボット支援腹腔鏡下根治的膀胱摘除術を受けられる方へ 秋田大学医学部附属病院泌尿器科 膀胱がんの治療法 膀胱がんの手術療法は大きく分けて 2 つの方法があります ひとつは 尿道か ら内視鏡を入れで膀胱内のがんを電気メスで切除する方法 ( 経尿道的膀胱腫瘍 切除術 :TURBT) もうひとつは 全身麻酔下に膀胱を摘出する方法 ( 膀胱摘除 術 ) です がんが膀胱の壁に深く入り込んでいる場合 ( 浸潤性膀胱がん

More information

untitled

untitled 1 日目 10 月 27 日 木 第 1 会場 国際会議室 開会の辞 12 15 12 20 ランチョンセミナー 1 12 20 13 10 共催 大鵬薬品工業株式会社 LS- 1 座長 齊藤 博昭 鳥取大学医学部 病態制御外科学分野 今度どうなる 胃癌の術後補助化学療法 小寺 泰弘 名古屋大学大学院医学系研究科 消化器外科学 主題 1 高齢者進行胃癌に対する治療戦略 定型か縮小か 13 20 14

More information

膵臓癌について

膵臓癌について 胆 膵領域の悪性腫瘍 ~ 外科の立場から ~ 尾道市立市民病院外科 村田年弘 膵臓癌について 2009 年の死亡数が多い部位は順に 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 男性 肺 胃 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は3 位 女性 肺 胃 結腸 膵臓 乳房 結腸と直腸を合わせた大腸は1 位 男女計 肺 胃 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は3 位 年々 膵臓癌の罹患患者は増加している

More information

1)表紙14年v0

1)表紙14年v0 NHO µ 医師が治療により回復が期待できないと判断する 終末期 であると医療チームおよび本人 家族が判断する 患者の意志表明は明確であるか? いいえ はい 意思は文書化されているか? はい 患者には判断能力があるか? 医療チームと患者家族で治療方針を相談する 患者の意思を推量できる場合には それを尊重する はい はい 患者の意思を再確認する はい 合意が得られたか? はい いいえ 倫理委員会などで議論する

More information

( 7 5) 虫垂粘液嚢胞腺癌の 1切除例 F g 5 H s t l g lf d g sshwdm s y s t d r m ( H E s t ) 考 型度粘液腫蕩で再発リスクが低い ) C I低異型度を示 察 す粘液産生腫蕩で 腫蕩成分を含む粘液が虫垂以外に 原発性虫垂癌は全大腸癌手術件数の 8 3 %で 大 存在する群(低異型度粘液腫蕩で再発リスクが高い ) 腸癌取扱い規約 却によると

More information

Microsoft PowerPoint - komatsu 2

Microsoft PowerPoint - komatsu 2 Surgical Alternatives to Hysterectomy in the Management of Leiomyomas 子宮摘出術に代わる子宮筋腫の外科的選択肢 ACOG PRACTICE BULLETIN 2000 M6 31 番小松未生 子宮筋腫 女性の骨盤内腫瘍で最も頻度が高い 大部分は無症状 治療は子宮摘出術が一般的 挙児希望 子宮温存希望の女性も多い 治療法の選択肢は増えているが

More information

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or 33 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 2015 年第 2 版 NCCN.org NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) の Lugano

More information

Transanal Minimally Invasive Surgery (TAMIS) は 最新のアクセスプラットフォームと従来の腹腔鏡用器具を用いて 遠位 中位直腸の良性腫瘍 および慎重に選択された悪性腫瘍の切除を目的としています Matthew Albert 先生 (Florida Hospi

Transanal Minimally Invasive Surgery (TAMIS) は 最新のアクセスプラットフォームと従来の腹腔鏡用器具を用いて 遠位 中位直腸の良性腫瘍 および慎重に選択された悪性腫瘍の切除を目的としています Matthew Albert 先生 (Florida Hospi TRANSANAL ACCESS PLATFORM 経肛門的低侵襲手術 (Transanal Minimally Invasive Surgery: TAMIS) 手順ガイド Featuring Tips & Tricks from Dr. Matthew Albert, Florida Hospital Transanal Minimally Invasive Surgery (TAMIS) は

More information

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座 このコンテンツは 頸動脈エコーを実施する際に描出される甲状腺エコー像について 甲状腺の疾患を見逃さないためのコツと観察ポイントを解説しています 1 甲状腺エコー検査の進め方の目次です 2 超音波画像の表示方法は 日本超音波学会によって決められたルールがあります 縦断像では画面の左側が被検者の頭側に 右が尾側になるように表示します 横断像は 被検者の尾側から見上げた形で 画面の左側が被検者の右側になるように表示します

More information

先 - 3 参 考 資 料 診調組技 -2-1 参考 2 鼠径又は腹壁ヘルニア術後の入院期間の比較 P= 日 日 入院期間 ( 日 ) 腹腔鏡手術 (N=21) 開腹手術 (N=23) 出典 : Laparoscopic

先 - 3 参 考 資 料 診調組技 -2-1 参考 2 鼠径又は腹壁ヘルニア術後の入院期間の比較 P= 日 日 入院期間 ( 日 ) 腹腔鏡手術 (N=21) 開腹手術 (N=23) 出典 : Laparoscopic 先 - 3 参 考 資 料 2 4. 1. 1 9 診調組技 -2-1 平成 24 年改定における胸腔鏡下 腹腔鏡下手術の保険導入検討に当たっての取扱いについて ( 案 ) 1. 背景 (1) 新たな腹腔鏡下等手術の保険上の取扱いについて 既に保険適用されている腹腔鏡下手術以外の手術で腹腔鏡を用いる場合については その都度 当局に内議し準用が通知されたもののみを保険給付の対象としている ( 胸腔鏡についても同様

More information

手術予定登録_入力マニュアル

手術予定登録_入力マニュアル 消化器外科 + 肝胆膵外科 腹腔鏡下肝切除術 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術の手術予定登録操作マニュアル 3.02 版 一般社団法人日本消化器外科学会一般社団法人 National Clinical Database はじめに 平成 28 年診療報酬改定により 腹腔鏡下の肝切除術 腹腔鏡下の膵頭十二指腸切除術 の 2 術式が診療報酬に採択されました それに伴い 該当術式について NCD データベースへの症例登録が必須となります

More information

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性 2018 年 12 月 19 日放送 急性胆管炎 胆嚢炎診療ガイドライン 2018 国際医療福祉大学消化器外科教授吉田雅博ガイドラインの作成経過急性胆道感染症 ( 急性胆管炎 急性胆囊炎 ) は急性期に適切な対処が必要であり 特に 急性胆管炎 なかでも重症急性胆管炎では急性期に適切な診療が行われないと早期に死亡に至ることもあります これに対し 2005 年に出版されたガイドライン初版によって世界に向けて診断基準

More information

巽病院で大腸癌 巽病院で大腸癌手術をお受けになる方に 大腸癌手術をお受けになる方に 巽病院では,患者さんの人権を尊重し,患者さんにご満足頂け,喜んで退院して頂け るような治療を目指しています 手術前には十分な説明をし,ご納得頂いた上で,最も 良いと思われる治療法を選択して頂くことにしております 大腸

巽病院で大腸癌 巽病院で大腸癌手術をお受けになる方に 大腸癌手術をお受けになる方に 巽病院では,患者さんの人権を尊重し,患者さんにご満足頂け,喜んで退院して頂け るような治療を目指しています 手術前には十分な説明をし,ご納得頂いた上で,最も 良いと思われる治療法を選択して頂くことにしております 大腸 Medical corporation of Saving Your Life 563-0031 池田市天神 1-5-22 TEL 072-763-5100 FAX 072-763-5145 巽病院で大腸癌 巽病院で大腸癌手術をお受けになる方に 大腸癌手術をお受けになる方に 巽病院では,患者さんの人権を尊重し,患者さんにご満足頂け,喜んで退院して頂け るような治療を目指しています 手術前には十分な説明をし,ご納得頂いた上で,最も

More information

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」 周術期看護エキスパートナース育成計画 作成者 : 高橋育代 1. 目的江南厚生病院に通院あるいは入院している手術を受ける患者に質の高いケアを提供できるようになるために 看護師が周術期看護分野の知識や技術を習得することを目的とする 2. 対象者 1) レベル Ⅱ 以上で手術看護分野の知識と技術習得を希望する者 2) 期間中 80% 以上参加できる者 3. 教育期間 時間 1 年間の継続教育とする 10

More information

BMP7MS08_693.pdf

BMP7MS08_693.pdf 106 第IX章 写真 1 胆囊捻転症症例 1 重症胆囊炎) ab cd a. 術中写真 1 b. 術中写真 2 c. 腹部超音波検査 d. 浮遊胆囊 Gross の分類 写真 2 胆囊捻転症症例 2 重症胆囊炎) ab c a. CT 胆囊壁の肥厚と造影不良(A) 胆囊周囲液体貯留(B) b. MRI T 2強 調 像 に お け る pericholecystic high signal 矢 印

More information

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外 がんの診療に関連した専門外来の問い合わせ窓口 記載の有無 あり とするとデータ抽出の対象となります 記載する内容がない場合は なし としてください なし の場合は以下について記入の必要はありません 病院名 : 岐阜大学医学部附属病院 平成 9 年 9 月 1 日現在 あり がん診療に関連した専門外来の の項目は 以下の表の疾患名を用いて記載してください 表の中に 該当する病名がない場合は その病名を直接記載してください

More information

4 月 20 日 2 胃癌の内視鏡診断と治療 GIO: 胃癌の内視鏡診断と内視鏡治療について理解する SBO: 1. 胃癌の肉眼的分類を列記できる 2. 胃癌の内視鏡的診断を説明できる 3. 内視鏡治療の適応基準とその根拠を理解する 4. 内視鏡治療の方法 合併症を理解する 4 月 27 日 1 胃

4 月 20 日 2 胃癌の内視鏡診断と治療 GIO: 胃癌の内視鏡診断と内視鏡治療について理解する SBO: 1. 胃癌の肉眼的分類を列記できる 2. 胃癌の内視鏡的診断を説明できる 3. 内視鏡治療の適応基準とその根拠を理解する 4. 内視鏡治療の方法 合併症を理解する 4 月 27 日 1 胃 日付 時限 4 月 6 日 1 食道腫瘍の病理 GIO: 食道腫瘍の病理学的所見を理解する SBO: 1. 食道の構造を説明できる 内 容 2. 食道の良性上皮性腫瘍の分類と病理所見を説明できる 3. 食道の悪性上皮性腫瘍の分類と病理所見 ( 肉眼所見 組織所見 ) を説明できる 4. バレット食道 バレット腺癌について説明できる 5. 食道の非上皮性腫瘍を良性病変と悪性病変と分けて説明できる 4

More information

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 ) 食道がん胃がん小腸がん大腸がん GIST 消化管 肝臓 / 胆道 / 膵臓 病院名 : 大阪大学医学部附属病院 期間 : 平成 6 年 月 日 ~ 月 3 日. がんに関する臨床試験 治験の昨年度の実施状況 ( 平成 6 年 月 日 ~ 月 3 日 ) 担当診療科 プロトコール件数 対象疾患名 泌尿器科 9 前立腺癌 腎細胞癌 臨床試験 治験の実施状況および問い合わせ窓口 対象疾患名 の項目は 以下の表の疾患名を用いて記載してください

More information

頭頚部がん1部[ ].indd

頭頚部がん1部[ ].indd 1 1 がん化学療法を始める前に がん化学療法を行うときは, その目的を伝え なぜ, 化学療法を行うか について患者の理解と同意を得ること ( インフォームド コンセント ) が必要である. 病理組織, 病期が決定したら治療計画を立てるが, がん化学療法を治療計画に含める場合は以下の場合である. 切除可能であるが, 何らかの理由で手術を行わない場合. これには, 導入として行う場合と放射線療法との併用で化学療法を施行する場合がある.

More information

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ 15 年 12 月時点 院内がん登録統計 (13 年 ) 登録対象 当院で診断された または治療された がん 当院で がん と判明した場合や他施設から がん の治療のためにされた場合に登録 診断された時点で登録を行うため 治療実績 手術件数などとは件数が異なります 例 )A さんは X 医院で胃がんと診断され 治療のために当院に来院された 胃がん を登録 1 腫瘍 1 登録 1 人が複数の部位に がん

More information

日本消化器外科学会教育集会

日本消化器外科学会教育集会 図 1 健常人における消化管の働き 図 2 胃の運動機能 図 3 胃切除術 ( 幽門側胃切除 Roux-en-Y 再建 ) が消化管機能に及ぼす影響 図 4 胃切除術が他の消化器に及ぼす影響 I. 病因論的 1) ダンピング症候群 2) 術後吻合部潰瘍 3) 貧血 4) 栄養障害 5) 下痢 6) 乳糖不耐症 7) 骨代謝障害 8) 残胃胃炎 9) 逆流性食道炎 10) 輸入脚症候群 11) 胃切除後胆石

More information

<303491E592B BC92B08AE02E786C73>

<303491E592B BC92B08AE02E786C73> ( 注意 ) : 複数選択 : 単一選択 * 複数治療がある場合は 別シートをご利用下さい 担癌状態の評価 今回の血清採取時 ( 登録時または追跡調査時 ) に担癌状態 ( がんが存在する状態 ) か ( 医師への確認を はい いいえ 前提として下さい ) はい の場合( 複数回答可 ) 手術前 非根治手術後 手術不能 化学療法または放射線治療中 もしくは治療後 ホルモン療法中もしくは治療後 治療後の再燃

More information

5. 腹腔鏡下内外括約筋間隙剥離の視野展開 6. 腹腔鏡下手術が奏功した多発消化管瘻合併の急性膵炎後膵膿瘍の 1 例 石川県立中央病院消化器外科 伴登宏行 腫瘍の下縁が外科的肛門管にかかるような直腸癌に対しても 内括約筋切除により肛門を温存できるようになってきた われわれは腹腔鏡下に腹腔側から内外括

5. 腹腔鏡下内外括約筋間隙剥離の視野展開 6. 腹腔鏡下手術が奏功した多発消化管瘻合併の急性膵炎後膵膿瘍の 1 例 石川県立中央病院消化器外科 伴登宏行 腫瘍の下縁が外科的肛門管にかかるような直腸癌に対しても 内括約筋切除により肛門を温存できるようになってきた われわれは腹腔鏡下に腹腔側から内外括 第 43 回北陸内視鏡外科研究会抄録集 一般演題 Ⅰ 1. 当院における胃 GIST に対する手術術式の検討 八尾総合病院外科 根塚秀昭 笹原のり子 渡邉利史 藤井久丈 はじめに 胃 GIST の手術は確実な切除と臓器機能温存が重要である 今回我々は胃 GIST に対する腫瘍の大きさに適した術式の選択について考察する 対象 過去 5 年間に切除した胃 GIST 症例 7 例 年齢 68-78 歳 (73.5)

More information

2.IPMN はどうして重要なの? いわゆる 通常の膵臓がん は先に説明したように 非常に悪性度が高く治療成績が悪いとされており 発見時すでに進行癌ということが多い疾患です それに比べて同じ膵臓の腫瘍といっても IPMN では 良性の段階 ( 過形成や腺種と呼びます ) から悪性の段階 ( 通常型の

2.IPMN はどうして重要なの? いわゆる 通常の膵臓がん は先に説明したように 非常に悪性度が高く治療成績が悪いとされており 発見時すでに進行癌ということが多い疾患です それに比べて同じ膵臓の腫瘍といっても IPMN では 良性の段階 ( 過形成や腺種と呼びます ) から悪性の段階 ( 通常型の 膵のう胞性腫瘍 (IPMN MCN) 1. 膵のう胞 と IPMN とは? 図 1 : 矢印で示したところが膵臓内の IPMN 膵嚢胞 ( すいのうほう ) とは 膵臓の内部や周囲にできる様々な大きさの 袋 のことで 症状はなく CT や MRI 検査などにより偶然発見されることの多い病気です ( 図 1) 急性膵炎や慢性膵炎に伴ってできる嚢胞はもちろん良性疾患となりますが 一方で

More information

「腎盂尿管がんに対する手術」説明および同意書

「腎盂尿管がんに対する手術」説明および同意書 腎盂尿管がんに対する手術 説明および同意書 四国がんセンター泌尿器科 患者氏名 ( ) さん 御本人さんのみへの説明でよろしいですか? ( 同席者の氏名をすべて記載 ) ( ( はい ) ) < 病名 > 腎盂尿管がん ( 右 左 ) 臨床病期 T N M ステージ (Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ) < 治療 > 手術部位 ( 原発巣 転移部位 ) 手術方法 :( 腎尿管全摘除術 尿管部分切除術 ) ( 開腹手術

More information

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを がんの診療に関連した専門外来の問い合わせ窓口 記載の有無 あり とするとデータ抽出の対象となります 記載する内容がない場合は なし としてください なし の場合は以下について記入の必要はありません 病院名 : 公立大学法人横浜市立大学附属病院 平成 9 年 9 月 1 日現在 あり がん診療に関連した専門外来の の項目は 以下の表の疾患名を用いて記載してください 表の中に 該当する病名がない場合は

More information

χ 嶋 寺 伸 一 図 図 初発年齢 歳未満の乳児期発症例が最も多く しだ いに減少した 嵌頓時月齢 嵌頓は2 か月以下の2 例に発生し うち8 例に緊急手術が行われた その月齢は生後 か月に小さな peak を 8か月に大きな peak を認め 乳児期においてほぼ二峰性 のグラフを示した 表2 図2 嵌頓に関わる因子の検討 性別 男 女 患側 R L B 初発年齢 か月 手術時年齢 か月 手術時体重

More information

平成 30 年 8 月 15 日作成第 1.2 版 ホームページ公開文書 本研究は大分大学医学部倫理委員会で審議され, 大分大学医学部長の許可を得ています 倫理委員会では 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 に基づき, 外部委員を交え, 倫理的 科学的観点から審査を行います 1. 研究の名称

平成 30 年 8 月 15 日作成第 1.2 版 ホームページ公開文書 本研究は大分大学医学部倫理委員会で審議され, 大分大学医学部長の許可を得ています 倫理委員会では 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 に基づき, 外部委員を交え, 倫理的 科学的観点から審査を行います 1. 研究の名称 ホームページ公開文書 本研究は大分大学医学部倫理委員会で審議され, 大分大学医学部長の許可を得ています 倫理委員会では 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針 に基づき, 外部委員を交え, 倫理的 科学的観点から審査を行います 1. 研究の名称 肥満大腸癌患者に対する腹腔鏡下手術の腫瘍学的安全性を評価する後ろ向き試験 2. 研究の対象 この研究は以下の方を研究対象としています 2009 年 1 月

More information

NCDデータを用いた全国消化器外科領域内視鏡手術の現況に関する調査結果(速報)

NCDデータを用いた全国消化器外科領域内視鏡手術の現況に関する調査結果(速報) 2014.12 NCD データを用いた全国消化器外 科領域腹腔鏡手術の現況に関する 緊急調査結果 ( 速報 ) 日本外科学会 日本消化器外科学会 Na&onal Clinical Database 1 目的 腹腔鏡手術を受けた患者が合併症などにより残念な結果となったという昨今の報道を受け わが国の腹腔鏡消化器外科手術の症例数の現状と安全性を緊急調査する 2 方法 2011-2013 年の 3 年間に

More information

がん登録実務について

がん登録実務について 平成 28 年度東京都がん登録説明会資料 2-1 がん登録届出実務について (1) 1. 届出対象 2. 届出候補見つけ出し 3. 診断日 4. 届出票の作成例示 東京都地域がん登録室 1 1. 届出対象 1 原発部位で届出 2 入院 外来を問わず 当該腫瘍に対して 自施設を初診し 診断あるいは治療の対象 ( 経過観察を含む ) となった腫瘍を届出 3 届出対象となった腫瘍を 1 腫瘍 1 届出の形で届出

More information

沖縄医報 Vol.44 No.1 2008 生涯教育 超音波所見 c 胎盤と子宮壁の間に見られる低輝度境界線 a 胎盤が虫食いまたはスイスチーズ様を示す placental lacuna の存在 脱落膜エコー の欠落 d 子宮漿膜面と膀胱壁の間に血管増生 拡張 b 胎盤付着部の子宮筋層の菲薄化 以上の所見が認められる 写真 1 2 経膣超音波による診 断の精度は高く 特に 妊娠 20 週以降にこれら

More information

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ 福島県のがんの死亡の特徴 2012 年の別は 全でみると 性は 179.5 女性は 86.0 に対し 全国は性 175.7 女性は 90.3 であった 別にみると いずれもわずかであるが 性の胃や大腸 女性では膵臓や卵巣が全国より高く 肺は女とも全国より低くなっている ( 図 15) 図 15. 別 ( 人口 10 万対 ) 標準集計表 9 から作成 - 2012 年 ( 平成 24 年 ) - 性

More information

cover

cover 日本心臓血管外科学会雑誌 (1998.09) 27 巻 5 号 :293~296. 腹部大動脈, 腸骨動脈領域における傍腹直筋切開と腹部横切開との比較 羽賀將衛, 大谷則史, 清川恵子, 川上敏晃 293 腹部大動脈, 腸骨動脈領域における 傍腹直筋切開と腹部横切開との比較 羽賀將衛大谷則史清川恵子川上敏晃 過去 3 年間に当科において, 破裂 ' 性腹部大動脈瘤を除く, 腹部大動脈および腸骨動脈領域の血行再建術は,

More information

食道癌手術さて 食道は文字どおり口 咽頭から胃まで をつなぐ管状の器官でまさに食物を運ぶ道です そして縦隔と呼ばれる背骨の前方の狭い領域にあり 大動脈 心臓そして気管などと密に接しています さらに 気管とは私たちの身体が構成される過程で同じところから発生し 非常に密な関係にあります さらに発生の当初

食道癌手術さて 食道は文字どおり口 咽頭から胃まで をつなぐ管状の器官でまさに食物を運ぶ道です そして縦隔と呼ばれる背骨の前方の狭い領域にあり 大動脈 心臓そして気管などと密に接しています さらに 気管とは私たちの身体が構成される過程で同じところから発生し 非常に密な関係にあります さらに発生の当初 2015 年 9 月 16 日放送 胸腔鏡で食道癌手術後の肺炎は激減した 大阪市立大学大学院 消化器外科教授 大杉 治司 本日は食道癌手術における肺炎についてお話しいたします 食道癌は他の消化器癌に 比べて治療成績が悪く また術後の肺炎が高頻度で発生します 食道癌の疫学まず 食道癌とは 本邦では年間 2 万人強の人に発生が認められ 全体としては 11 番目に多い癌です 女性 1 に対し男性 6 と

More information

5. 当院における巨大食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡手術 国立病院機構福井病院外科 田畑信輔 上田有紀 戸川保 恩地英年 木村俊久 食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡手術の報告は徐々に増加してきている 当院では胃の 1/2 以上あるいは 1/3 以上が脱出しているものや upside down stom

5. 当院における巨大食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡手術 国立病院機構福井病院外科 田畑信輔 上田有紀 戸川保 恩地英年 木村俊久 食道裂孔ヘルニアに対する腹腔鏡手術の報告は徐々に増加してきている 当院では胃の 1/2 以上あるいは 1/3 以上が脱出しているものや upside down stom 第 42 回北陸内視鏡外科研究会抄録集 一般演題 Ⅰ 1. 腹腔鏡下胃全摘脾合併切除術における脾門部処理 体腔内再建の工夫 伊藤鉄夫 菅野元喜 相馬俊也 田中祟洋 西川徹 鎌田泰之 三原聡仁 服部泰章 我々は D2 郭清を要する胃上部の進行癌に対しては脾合併切除を伴う腹腔鏡下胃全摘術を行っており その際の脾門部処理の工夫 加えて食道空腸機能的端々吻合による体腔内 R-Y 再建の際の工夫について述べる

More information

大腸外科手術説明書

大腸外科手術説明書 大腸癌手術説明書 この冊子は大腸癌の手術を受ける方に知っていただきたい情報をまとめたものです 全部で 1~10 ページあります 乱丁 落丁等無いことをご確認ください ご自宅でよくお読みいただき 手術の説明時はこの冊子をお持ちください ( 手術の説明はこの冊子をもとに行います ) 内容でご不明な点がございましたらスタッフにお問い合わせください この冊子の以下の項目つき お読みになったものにチェック (

More information

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73>

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73> 院内がん登録集計 登録対象 28( 平成 2) 年 1 月 1 日より 12 月 31 日までの 1 年間に当院で診断された悪性新生物の件数です 登録対象は新規の診断症例または他院で診断された初診症例であり 入院患者および外来患者を対象としています 1 腫瘍 1 登録の原則に基づき同一患者に別のがん腫と判断されるがんが生じた場合には腫瘍毎の登録 ( 複数登録 ) となります

More information

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73>

< E082AA82F1936F985E8F578C768C8B89CA816989FC92F994C5816A2E786C73> 院内がん登録集計 登録対象 27( 平成 19) 年 1 月 1 日より 12 月 31 日までの 1 年間に当院で診断された悪性新生物の件数です 登録対象は新規の診断症例または他院で診断された初診症例であり 入院患者を対象としています 1 腫瘍 1 登録の原則に基づき同一患者に別のがん腫と判断されるがんが生じた場合には腫瘍毎の登録 ( 複数登録 ) となります 登録項目の内容院内がん登録を行うにあたって

More information

外来在宅化学療法の実際

外来在宅化学療法の実際 平成20年度第1回高知医療センター 地域がん診療連携拠点病院 公開講座 食道がんの放射線 化学療法について 高知医療センター 腫瘍内科 辻 晃仁 がん薬物療法専門医 がん治療認定医 2008.7.19. 高知市 ウエルサンピア高知 レインボーホール 食道の構造 食道がんの進行 食道の内面の粘膜から発生したがんは 大きくなると粘膜下層に広がり さらにその下の筋層に入り込みます もっと大きくなると食道の壁を貫いて食道の外まで広がっていきます

More information

TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他

TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他 CONTENTS 1 2 3 4 5 6 7 8 2008 8 980-8574 1 1 T E L 022 717 7000 T E L 022 717 7131 FAX 022 717 7132 SPECIAL 1 TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います

More information

限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する ( 手術と同

限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する ( 手術と同 限局性前立腺がんに対する治療 手術療法 放射線療法 2017 年 1 月 ( 第 11 版 ) 奈良県立医科大学泌尿器科 1 限局性前立腺がんとは がんが前立腺内にのみ存在するものをいい 周辺組織やリンパ節への局所進展あるいは骨や肺などに遠隔転移があるものは当てはまりません がんの治療において 放射線療法は治療選択肢の1つですが 従来から行われてきた放射線外部照射では周辺臓器への障害を考えると がんを根治する

More information

094.原発性硬化性胆管炎[診断基準]

094.原発性硬化性胆管炎[診断基準] 94 原発性硬化性胆管炎 概要 1. 概要原発性硬化性胆管炎 (PSC) は 肝内外の胆管の線維性狭窄を生じる進行性の慢性炎症疾患である 胆管炎 AIDS の胆管障害 胆管悪性腫瘍 (PSC 診断後及び早期癌は例外 ) 胆道の手術や外傷 総胆管結石 先天性胆道異常 腐食性硬化性胆管炎 胆管の虚血性狭窄 floxuridine 動注による胆管障害や狭窄に伴うものは 2 次性硬化性胆管炎として除外される

More information

I. はじめにここでは大腸癌の治療を受けられる方に病気に対する正しい知識を持っていただき, あなたにとって最も良い治療を選択していただくことを目的にして作成しました. この文章をごらん頂いたうえで, さらに詳しいことをお知りになりたい方は社会医療法人ペガサス馬場記念病院外科のスタッフとご相談ください

I. はじめにここでは大腸癌の治療を受けられる方に病気に対する正しい知識を持っていただき, あなたにとって最も良い治療を選択していただくことを目的にして作成しました. この文章をごらん頂いたうえで, さらに詳しいことをお知りになりたい方は社会医療法人ペガサス馬場記念病院外科のスタッフとご相談ください 社会医療法人ペガサス 馬場記念病院外科 I. はじめにここでは大腸癌の治療を受けられる方に病気に対する正しい知識を持っていただき, あなたにとって最も良い治療を選択していただくことを目的にして作成しました. この文章をごらん頂いたうえで, さらに詳しいことをお知りになりたい方は社会医療法人ペガサス馬場記念病院外科のスタッフとご相談ください. II. 大腸とは? まず, 消化管のしくみについて説明します.

More information

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M 図 1 調査前年 1 年間の ART 実施周期数別施設数 図 4 ART 治療周期数別自己注射の導入施設数と導入率 図 2 自己注射の導入施設数と導入率 図 5 施設の自己注射の使用目的 図 3 導入していない理由 図 6 製剤種類別自己注射の導入施設数と施設率 図 7 リコンビナント FSH を自己注射された症例の治療成績は, 通院による注射症例と比較し, 差があるか 図 10 リコンビナント FSH

More information

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと StageⅢ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の 予後予測因子および副作用発現の危険因子についての 探索的研究 (JACCRO GC-07AR) についてのご説明 説明 同意文書 作成日 :2014 年 5 月 27 日 施設名 : 東京医科大学八王子医療センター 1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後

More information

アンケート回答 19 施設 ( 順不同 ) 奈良県立医科大学消化器外科順天堂大学下部消化管外科市立函館病院消化器内科調布外科消化器科内科クリニック東京都多摩がん検診センター市立旭川病院消化器病センター山形大学医学部第 2 内科産業医科大学第 1 外科国立がんセンター中央病院内視鏡部福岡大学築柴病院福

アンケート回答 19 施設 ( 順不同 ) 奈良県立医科大学消化器外科順天堂大学下部消化管外科市立函館病院消化器内科調布外科消化器科内科クリニック東京都多摩がん検診センター市立旭川病院消化器病センター山形大学医学部第 2 内科産業医科大学第 1 外科国立がんセンター中央病院内視鏡部福岡大学築柴病院福 内視鏡摘除手技の標準化プロジェクト研究 大腸腫瘍に対する大腸内視鏡治療後の遺残再発と偶発症症例の実態に関する多施設共同研究 ( 後ろ向きアンケート調査 ) 追加アンケート結果 2008 年 7 月 4 日第 69 回大腸癌研究会 アンケート回答 19 施設 ( 順不同 ) 奈良県立医科大学消化器外科順天堂大学下部消化管外科市立函館病院消化器内科調布外科消化器科内科クリニック東京都多摩がん検診センター市立旭川病院消化器病センター山形大学医学部第

More information

<8CA788E389EF95F E717870>

<8CA788E389EF95F E717870> 区域 左葉内側区域 右前区域 右後区域と 腹腔鏡手 大きく 5 つの区域が存在する 図 2 術も原則として前腹壁から鉗子操作にておこな うため 系統的肝切除は肝左葉外側区域切除の みで 肝部分切除は左葉外側区域 右前区域の 肝表面に近い腫瘍を対象とするのが現在最も一 2 般的な手術適応である その理由として 肝 実質切離が深部に及ぶにしたがって太い肝静脈 図 1A 図 1B 図 1 開腹創の比較 A

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 当科にて施行した ESD の 2 症例について 独立行政法人国立病院機構指宿医療センター消化器内科千堂一樹 小野陽平 大重彰彦 ESD( 内視鏡的粘膜下層剥離術 ) とは 近年 消化管領域の早期癌に対する内視鏡的治療は日本を中心に急速に発展してきており 入院日数が短期間で済み身体への負担も軽く出来るため 新しい治療法として注目されてきている 現在 消化管の早期癌に対する内視鏡的治療としては主に以下の

More information

2017年度患者さん満足度調査結果(入院)

2017年度患者さん満足度調査結果(入院) 2017 年度患者さん満足度調査結果 ( 入院 ) 質問項目 問 1. 入院されている方の性別とご年齢を教えてください問 2. 今回入院された診療科はどちらですか?( 主な診療科を1つチェックしてください ) 問 3. 入院中に受けた診療内容はどちらですか?( 当てはまる項目すべてにチェックしてください ) 問 4. 当院ヘのご入院は何回目ですか? 問 5. 職員の対応 ( 接遇 マナー ) についてはいかがでしたか?

More information

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC

付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 ): 施設 UICC-TNM 分類治療前ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 原発巣切除 ): 施設 UICC-TNM 分類術後病理学的ステージ別付表 食道癌登録数 ( 自施設初回治療 癌腫 UIC 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター院内がん登録室平成 29(2017) 年 9 月がん診療連携拠点病院院内がん登録全国集計 2015 年全国集計施設別集計表より 詳細 http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_registry.html 国立研究開発法人国立がん研究センターのサイトへ移動します )

More information

乳がんの疑いがある といわれたあなたへ 乳がんの疑いがあるといわれ 気が動転しているのではないでしょうか これからの人生がどうなるのか 心配でいっぱいかもしれません 乳がんは 比較的治癒率の高いがんで 新しい治療も開発されています 乳房を温存したり 再建したり 女性らしい体を保つ治療法もあります 納得のいく治療を受けるために 今 あなたができること まずは正確な情報を集めましょう もっと 知ってほしい

More information

進行膵癌に対する膵頭十二指腸切除後のGEM化学療法の有効性

進行膵癌に対する膵頭十二指腸切除後のGEM化学療法の有効性 胆嚢炎胆管炎 鳥取市立病院外科 水野憲治 平成 29 年 5 月 11 日 消化器外科イラスト LIBRARY メジカルビュー社 胆嚢 胆嚢動脈 胆管 門脈 肝動脈 消化器外科イラスト LIBRARY メジカルビュー社 右肝管 左肝管 総肝管 胆嚢管 総胆管 消化器外科イラスト LIBRARY メジカルビュー社 右季肋部痛心窩部痛 胆嚢炎 胆管炎 胃十二指腸潰瘍穿孔 急性虫垂炎( よくよく触診すると右下腹部痛

More information

1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診し

1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診し 四日市羽津医療センター 全国がん登録集計 2018 年 1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 61 79 364 504 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診したのかを把握する項目自施設を当該腫瘍に関して初診した際に

More information

1. 概要 2010 年 12 月から開始された群馬大学医学部附属病院第二外科の腹腔鏡下肝切除術において, 複数の死亡例があることが判明した 本院医療安全管理部による予備調査では,2014 年 6 月までに実施された 92 例の腹腔鏡下肝切除術のうち,58 例が保険適用外の疑いがあり, その内の 8

1. 概要 2010 年 12 月から開始された群馬大学医学部附属病院第二外科の腹腔鏡下肝切除術において, 複数の死亡例があることが判明した 本院医療安全管理部による予備調査では,2014 年 6 月までに実施された 92 例の腹腔鏡下肝切除術のうち,58 例が保険適用外の疑いがあり, その内の 8 群馬大学医学部附属病院 腹腔鏡下肝切除術事故調査委員会 中間報告書 平成 26 年 12 月 9 日 1. 概要 2010 年 12 月から開始された群馬大学医学部附属病院第二外科の腹腔鏡下肝切除術において, 複数の死亡例があることが判明した 本院医療安全管理部による予備調査では,2014 年 6 月までに実施された 92 例の腹腔鏡下肝切除術のうち,58 例が保険適用外の疑いがあり, その内の 8

More information

‘ÇŠáŁñ“’-‰{’ì’æ’¶.ec9

‘ÇŠáŁñ“’-‰{’ì’æ’¶.ec9 京府医大誌 124(3),183~187,2015. 虫垂粘液嚢胞腺腫の腹腔鏡手術例 183 症例報告 腹腔鏡補助下に切除した虫垂粘液嚢胞腺腫の 1 例 宮川 * 公治, 内藤慶, 藤信明 済生会京都府病院外科 MucinousCystadenomaoftheAppendixTreated withlaparoscopy-assistedexcision KojiMiyaawa,KeiNaitoandNobuakiFuji

More information

Aesculap BipoJet Bipolar instruments for open surgery BipoJetバイポーラインスツルメントは 術者の助手として革新的な技術によるソリューションと さらに改良された製品特長を提供します 特に重要なことは すべての BipoJetインスツルメント

Aesculap BipoJet Bipolar instruments for open surgery BipoJetバイポーラインスツルメントは 術者の助手として革新的な技術によるソリューションと さらに改良された製品特長を提供します 特に重要なことは すべての BipoJetインスツルメント Aesculap Bipojet Bipolar instruments for open surgery Surgical Instruments Aesculap BipoJet Bipolar instruments for open surgery BipoJetバイポーラインスツルメントは 術者の助手として革新的な技術によるソリューションと さらに改良された製品特長を提供します 特に重要なことは

More information

018_整形外科学系

018_整形外科学系 整形外科学系 よき臨床医の育成を最優先し 幅広い分野で高度の整形外科医療を学べます 日本大学医学部附属3病院をはじめ 実践的で臨床教育にすぐれた関連病院が多数あり 多数の臨床経験を積むことができます 研究面では自由 創造性を重視して指導しています 国際性を尊重し 海外留学を奨励しています 龍 順之助 整形外科分野主任教授 関節班 日本有数の人工関節手術数 特に両側同時人工膝関節置換が世界的に有名 龍教授

More information

CI指標(厚生連VerNEW).xlsx

CI指標(厚生連VerNEW).xlsx 術式による実績 ( 術式 K コード別 ) DCP 様式 1 データより 2015 年度については,9 までの実績 術式 1,084 1,312 786 3,182 K6152 管塞栓術 ( 頭部 胸腔 腹腔内 管 )( その他のもの ) 196 12 208 管塞栓術 ( 頭部 胸腔 腹腔内 管等 )( 選択的動脈化学塞栓術 ) 292 230 522 K7211 内視鏡的結腸ポリープ 粘膜切除術

More information

スライド 1

スライド 1 平成 22 年度診療報酬の改定で外科の手技料が大幅にアップとなりました! 去る 2 月 12 日に中医協総会が開催され 今春の診療報酬改定が答申されました 今回の改定では 10 年ぶりのプラス改定となりました NPO 法人日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会ではこの半年間活動の 3 本柱の一つである 行政対応 に注力し 当会副理事長北島政樹先生 日本外科学会理事長里見進先生 日本外科学会会頭中尾昭公先生

More information

1 集中治療について述べることができる. 2レスピレータの基本的な管理について述べることができる. 3DIC とMOF を理解し 適切な診断 治療を行うことができる.. (14) 救命 救急医療 1 蘇生術について述べることができる. 2ショックを理解できる. 3 重度外傷の病態を理解し 初療を実践

1 集中治療について述べることができる. 2レスピレータの基本的な管理について述べることができる. 3DIC とMOF を理解し 適切な診断 治療を行うことができる.. (14) 救命 救急医療 1 蘇生術について述べることができる. 2ショックを理解できる. 3 重度外傷の病態を理解し 初療を実践 専攻医研修手帳 整備基準 43 に対応 知識に関する到達レベルは : 病態の理解と合わせて十分に深く知っている. : 概念を理解し 意味を説明できる. 技術に関する到達レベルは : 複数回の経験 ( 5) を経て 安全に術者または助手を実施できる または判定できる. : 経験は少数例 (1~3) だが 指導者の立ち会いのもとで安全に術者または助手を実施できる または判定できる. C: 経験はないが

More information

e 治癒困難な腸瘻 ( 注 3) があり かつ 腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状 態 ( 注 4) 又は高度の排尿機能障害 ( 注 2) があるもの f 高度の排尿機能障害 ( 注 2) があり かつ 高度の排便機能障害 ( 注 5) があるもの 3 等級表 4 級に該当する障害は 次の

e 治癒困難な腸瘻 ( 注 3) があり かつ 腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状 態 ( 注 4) 又は高度の排尿機能障害 ( 注 2) があるもの f 高度の排尿機能障害 ( 注 2) があり かつ 高度の排便機能障害 ( 注 5) があるもの 3 等級表 4 級に該当する障害は 次の 級別 障害程度等級表 ぼうこう又は直腸機能障害 1 級ぼうこう又は直腸の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの 2 級 3 級ぼうこう又は直腸の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの 4 級ぼうこう又は直腸の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの 5 級 6 級 一身体障害認定基準 1 等級表 1 級に該当する障害は 次のいずれかに該当し

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 第 21 回京都乳癌コンセンサス会議 テーマ HER2 陰性再発乳癌の抗がん薬治療 アンケート集計結果 1 回答いただいた御施設 (50 音順 ) 大阪赤十字病院 大津赤十字病院 加藤乳腺クリニック 関西医科大学附属枚方病院 菅典道クリニック 京都医療センター 京都市立病院 京都第一赤十字病院 京都大学医学部附属病院 倉敷中央病院 公立八鹿病院 沢井記念乳腺クリニック 滋賀県立成人病センター 静岡県立がんセンター

More information

Microsoft Word - 03 大腸がんパス(H30.6更新).doc

Microsoft Word - 03 大腸がんパス(H30.6更新).doc 地域連携手帳 ( 京都府統一版 ) 名前 ( ふりがな ) ( ) 生 明 大 昭 平 大腸がん地域連携手帳 ( 京都府統一版 ) 目次 地域連携手帳とは 1 連携手帳を用いた診療の流れ 2 連携手帳の使い方について 3 連携手帳使用に係る説明書 同意書 4 わたしのプロフィール 6 氏名 医療機関等 既往歴 アレルギー 内服薬等 手術記録 その他特記事項( 連携時 ) 診察 検査予定表 10 特記事項

More information

Herniation(= 脱出, 破裂 ) からもたらされた言葉で, 体内の構造物が正常な位置から他の部位に逸脱したことを示します. ヘルニアというと腰の病気と連想されがちですが, 当科で扱うヘルニアは腹部の筋膜の一部が脆弱化 ( ぜいじゃくか : 弱くなること ) することによって腹膜がこれを押し

Herniation(= 脱出, 破裂 ) からもたらされた言葉で, 体内の構造物が正常な位置から他の部位に逸脱したことを示します. ヘルニアというと腰の病気と連想されがちですが, 当科で扱うヘルニアは腹部の筋膜の一部が脆弱化 ( ぜいじゃくか : 弱くなること ) することによって腹膜がこれを押し 1 Herniation(= 脱出, 破裂 ) からもたらされた言葉で, 体内の構造物が正常な位置から他の部位に逸脱したことを示します. ヘルニアというと腰の病気と連想されがちですが, 当科で扱うヘルニアは腹部の筋膜の一部が脆弱化 ( ぜいじゃくか : 弱くなること ) することによって腹膜がこれを押し上げ外に飛びだしてしまう病気です. ヘルニア嚢 ( 袋 ) のなかに脱出する臓器は腸が多く脱腸 (

More information

会場セッション演題番号時間司会 座長 審査員 第 1 会場 ( フォレストホール 1 2) 第 2 会場 ( 第 7 会議室 ) 第 3 会場 ( 第 5 6 会議室 ) 特別企画 I( 初期 ) W1-01~10 9:20-10 : 30 福島県立医科大学消化器内科学講座 大平弘正 東北医科薬科大

会場セッション演題番号時間司会 座長 審査員 第 1 会場 ( フォレストホール 1 2) 第 2 会場 ( 第 7 会議室 ) 第 3 会場 ( 第 5 6 会議室 ) 特別企画 I( 初期 ) W1-01~10 9:20-10 : 30 福島県立医科大学消化器内科学講座 大平弘正 東北医科薬科大 9 : 00 第 1 会場 ( フォレストホール 1 2) 9 : 15-9 : 20 開会の辞 9 : 20-10 : 30 特別企画 I 目指せ! 消化器病専門医 初期研修医からの報告 第 2 会場 ( 第 7 会議室 ) 9 : 20-10 : 02 一般演題食道 O - 01~07 第 3 会場 ( 第 5 6 会議室 ) 9 : 20-9 : 56 一般演題胃十二指腸 1 O - 24~29

More information

000_Full.indb

000_Full.indb 第 7 回膵臓内視鏡外科研究会プログラム 世話人会 12 月 12 日 ( 土 ) 5 階会議室 A 17:00 ~ 18:00 イブニングセミナー 座長 : 中村 雅史 ( 九州大学 臨床 腫瘍外科 ) 高折 恭一 ( 京都大学 肝胆膵 移植外科 ) 協賛 : ジョンソン エンド ジョンソン株式会社 12 月 12 日 ( 土 ) 第 1 会場会議室 C 18:00 ~ 20:00 ES-01 技術認定制度の目的と共通審査基準の考え方

More information

第72巻 347 第3号 2013 確認創が目立たないなどの理由から腹腔臣下鼠径 進め 手術を行う 図4 この術式の要点は鼠径部 ヘルニア根治術が多くの施設で標準術式となってい からLC針を用いてヘルニア嚢を腹膜外で結紮すると る 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術は非常に多くの方法 ころであるが その際に

第72巻 347 第3号 2013 確認創が目立たないなどの理由から腹腔臣下鼠径 進め 手術を行う 図4 この術式の要点は鼠径部 ヘルニア根治術が多くの施設で標準術式となってい からLC針を用いてヘルニア嚢を腹膜外で結紮すると る 腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術は非常に多くの方法 ころであるが その際に 346 小児保健研究 346 一一351 点 視 傷跡の残らない手術を目指して 小児鼠径ヘルニア 虫垂炎に対する腹腔鏡手術の進歩 内 田 広 夫 近年われわれはよりよい整容性 低侵襲1生を目指して 1 はじめに 膀部の小さな開腹創から内視鏡手術を行う単孔式に術 式を変更し その単孔式手術の安全性 有効1生を評価 体が小さいために内視鏡手術が比較的難しい小児に おいても 低侵襲手術は一般的に施行されるように

More information

0620 シリーズ MIC-KEY バルーンボタン バルーン ボタン型 交換用胃瘻チューブ 主な特徴 キット内容 バルーン 品名 チューブ交換が容易 チューブ先端テーパーで挿入性向上 1 栄養用チューブ本体 (1 本 ) サイズ チューブ外径 シャフト長で豊富なサイズ選択肢 フィーディングポート (

0620 シリーズ MIC-KEY バルーンボタン バルーン ボタン型 交換用胃瘻チューブ 主な特徴 キット内容 バルーン 品名 チューブ交換が容易 チューブ先端テーパーで挿入性向上 1 栄養用チューブ本体 (1 本 ) サイズ チューブ外径 シャフト長で豊富なサイズ選択肢 フィーディングポート ( MIC 胃瘻チューブ製品カタログ MIC* Enteral Feeding Tubes and Accessories 質の高い栄養管理をサポートする患者にやさしいバルーン型胃瘻チューブ 0620 シリーズ MIC-KEY バルーンボタン バルーン ボタン型 交換用胃瘻チューブ 主な特徴 キット内容 バルーン 品名 チューブ交換が容易 チューブ先端テーパーで挿入性向上 1 栄養用チューブ本体 (1

More information

最終解析と総括報告書

最終解析と総括報告書 総括報告書 JCOG9501: 大動脈周囲リンパ節郭清の臨床的意義に関する研究 [ 作成年月日 2017/12/14 ] 研究事務局 : 笹子三津留 ( 兵庫医科大学上部消化管外科 ) 研究代表者 : 笹子三津留 ( 兵庫医科大学上部消化管外科 ) グループ代表者 : 寺島雅典 ( 静岡県立静岡がんセンター胃外科 ) 試験概要 試験の目的 : 大動脈周囲リンパ節に高頻度に転移しうると推測される漿膜下浸潤

More information

対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復

対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復 石川県立中央病院整形外科 堀井健志高田宗知島貫景都菅沼省吾虎谷達洋引地俊文安竹秀俊 対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復 骨折型 :Pipkin 分類 Pipkin. JBJS 39-A. 1957 Type 1 Type

More information

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に 高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に関節疾患 5 位が骨折 転倒であり 4,5 位はいずれも運動器が関係している 骨粗しょう症のメカニズムの解明

More information

胃がんの内視鏡的治療 ( 切除 ) とは胃カメラを使ってがんを切除する方法です. 消化器内科 胃がん 治癒 胃がん切除

胃がんの内視鏡的治療 ( 切除 ) とは胃カメラを使ってがんを切除する方法です. 消化器内科 胃がん 治癒 胃がん切除 胃がんの内視鏡的治療 ( 切除 ) とは胃カメラを使ってがんを切除する方法です. 消化器内科 胃がん 治癒 胃がん切除 はじめに 胃がんは胃の粘膜細胞から発生するがんです. 胃の検診や症状が出現し医療機関を受診して発見に至ります. 一般にがんの治療はがんに侵された病巣を切除すること, つまり外科的切除が主体となります. しかし, がんの拡がり ( 進み具合 : 進行度転移 ) によって, その治療方法

More information

課題名

課題名 急性期重度嚥下障害患者に対する完全側臥位法の有効性 研究責任者氏名長尾恭史 岡崎市民病院リハビリテーション室 副主任 共同研究者脳神経内科小林靖歯科口腔外科長尾徹看護局西嶋久美子 西暦 2017 年 6 月 15 日版数 1 目次 1. 実施計画の経緯 ( 背景 )... 1 2. 目的... 1 3. 研究対象者について... 1 3-1 選択基準... 1 3-2 除外基準... 1 3-3 中止基準...

More information

<4D F736F F D208FC189BB8AED93E089C85F B CF8AB E646F63>

<4D F736F F D208FC189BB8AED93E089C85F B CF8AB E646F63> 各臓器 疾患別の詳しい診療内容 (1) 食道疾患について (2) 胃疾患について (3) 腸疾患について (4) 胆道疾患について (5) 膵疾患について (6) 肝臓疾患について (1) 食道疾患について まず良性疾患として逆流性食道炎の増加が目立ちます 動物性脂肪や刺激物 ( アルコール カフェイン ) の過剰摂取 肥満 脊椎の圧迫骨折 変形 ピロリ菌除菌後などの方に起こりやすいです 症状としては

More information

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や 動物の腫瘍インフォメーション シート 4 犬の膀胱腫瘍 膀胱腫瘍とは 膀胱内貼りの粘膜から発生する腫瘍で 血尿などを起こします 犬の膀胱腫瘍のうちの多くは 移行上皮癌 ( いこうじょうひがん ) とよばれる悪性腫瘍ですが 良性の腫瘍や 慢性の膀胱炎によるポリープなどもみられることがあります 良性のものは 基本的には手術で切除すれば完治可能です ここでは 主に悪性の移行上皮癌について 検査法や治療オプションをご説明します

More information

スライド 1

スライド 1 第23回 近畿内視鏡外科研究会 The 23th Annual Meeting Kinki Society for Endoscopic Surgery 2010年 9月 4日 土 千里ライフサイエンスセンター プログラム 抄録集 会長 權 雅憲 関西医科大学外科学講座 目次 研究会の概要... 1 会長挨拶... 2 研究会参加の皆様へ... 3 発表者の皆様へ... 4 座長の皆様へ... 5

More information

平成14年度研究報告

平成14年度研究報告 平成 14 年度研究報告 研究テーマ 多嚢胞性卵巣発症に関する遺伝性素因の解析 - PCO の解析 - 北海道大学大学院医学研究科 助手菅原照夫 現所属 : 北海道大学大学院医学研究科 医学部連携研究センター サマリー 多嚢胞性卵巣 (PCO) は生殖可能年齢の婦人の 5 10% に発症する内分泌疾患である 臨床症状は 月経不順 多毛 肥満 排卵障害が主な特徴であり 難治性の不妊症の主な原因である

More information

胆嚢十二指腸瘻を伴う早期胆嚢癌の一例 かった Ⅰ 術後経過 合併症なく術後 日目に退院となった 考 病理診断 マクロ 赤線で示された範囲に癌を 認めた 瘻孔部 矢印 には癌は認めなかった 察 胆嚢十二指腸瘻は胆嚢と十二指腸との間に瘻 は特発性 孔が形成された病態である 福永ら2 内胆汁瘻 例を分類し 胆石胆嚢炎が 十二指腸潰瘍が 胆嚢癌 であったと報 告している また 下山ら3 は 例を分類し 悪性腫瘍は

More information