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- あゆみ しげまつ
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4 目次 はじめに 東京都の島 伊豆諸島と小笠原諸島の地図 3 4 伊豆諸島と小笠原諸島の特徴 島の成立過程と自然環境 生物相の概観 可知直毅 6 小笠原諸島と伊豆諸島の植生と固有植物種加藤英寿 4 遺伝子からみた小笠原の野生植物の生態とその保全吉丸博志 花と昆虫の関係から小笠原の生態系の異変を見る安部哲人 伊豆諸島における噴火後の植生の再生 噴火とともに生きる野生植物たち 上條隆志 34 生殖様式が異なるシダ植物と噴火活動の関係村上哲明 山本薫 4 参考文献 46 伊豆諸島と小笠原諸島の植物を知るための参考図書 各章の参考図書 * この冊子は 年度科学研究費補助金 ( 研究成果公開促進費 により作成しました 首都大学東京 小笠原研究施設
5 日本の都道府県のなかで一番広い海をもっているのがどこかご存知でしょうか 実は東京都なのです 東京都には小笠原諸島と伊豆諸島が含まれるので 沖縄県よりも広い海域をもっています これらの島々には 世界中でも ここにしか見られない地域固有の植物種(固有種や他の地域では非常に稀な準固有種が多数見られます 年 月に名古屋で CO P が開催されたこともあり 生物多様性に対する一般市民の関心が高まっています さらに 年 6 月には 小笠原諸島がユネスコの世界自然遺産に登録されました 野生生物を適切に保全するには まず それらのことをよく知ることが必須です そこで 研究者の出番です 日本植物学会には 小笠原諸島や伊豆諸島の野生植物種の研究を長年にわたって実施してきた研究者が多数所属しています 今回 日本植物学会の年次大会を 年ぶりに東京で開催する機会にあわせて 一般の皆様にも小笠原諸島と伊豆諸島の野生植物の多様性と研究成果を最新の情報も含めて知っていただくために 公開講演会を企画し 同時にその内容をよく理解していただくために この冊子を作成することにしました 東京都には 九州南部と似た暖地性の植物も豊富に見られる伊豆諸島 さらにその南に位置し 亜熱帯から熱帯性の植物が自生する小笠原諸島が含まれています 小笠原は他のどの陸地からも遠く離れているゆえに そこでしか見られない固有生物種が多数存在し 独自の植物相 生物相が形成されている島でもあります 一方 伊豆諸島は日本本土から距離的に近いものの やはり大陸と陸続きになったことはありません それに加えて 現在も定期的に噴火などの火山活動が見られ それによって独特な植生や固有種 準固有種が存在すると考えられている場所でもあります この冊子では 東京都の島々にどのような野生植物種や植生が見られるか それらが昆虫などの動物とどのように関わり合いながら生存しているかについてわかりやすく紹介しています さらに これらの自然を保全していくうえでの課題についても解説します 今回のシンポジウムや冊子を通して これらの島々の自然を守っていく方法を皆さんも一緒に考えていただければ幸いです 植物学会公開講演会実行委員会代表村上哲明(首都大学東京 牧野標本館教授 3 はじめに
6 東京都の島 伊豆諸島と小笠原諸島の地図 ᓞ ᅗᚃᓞ ᕖ ᮈᖙ 㔪 พ㤃 㟯 ᒱ ଐ ஜ 㝻ᒪㅎᓞ ᮿỜ 㒌 ᗀᓞ ᑊ㤷 ᒱ ᮿᒜ 㛏㔕 㔘Ἁ ྋ Ꮻ㒌ᐋ ᮶ ᒁ ኬ㜨 ඳ ᓞ 㮭ඡᓞ ᒁ ᓞ ᓞ ٽ බ 㫵ᓞ ᚨ NP 㒌 ᓞ ኬ᮶ᓞ 㯜ᓞ ἀኬ᮶ᓞ 㯜ᓞ ᮇ ❻ ἀ䝒㫵ᓞ 国土交通省国土地理院 4
7 島の形と大きさの比較 5
8 宇宙から日本を見ると 弓なりの形をした本州のちょうど真ん中あたりから 太平洋上をほぼ南に向かって島々が連なっていることがわかります この島々の連なりは東京湾から 3 km 以上も点々と続いています 本州に近いところに比較的かたまって点在するのが伊豆諸島 その先が小笠原諸島です 小笠原諸島は 年 6 月 日に日本で 4 番目となる世界自然遺産に登録されました 世界自然遺産をもつ先進国の首都は世界でもスイスのベルンと東京だけでしょう これだけ南にあるので 当然ながら気候も日本の他の地域とは大きく異なっています(図 小笠原の父島では最寒月の 月でも平均気温が 7 最暖月の 月の平均気温は 7 年平均気温が 3 です 年間を通して寒暖の差が小さい海洋性気候で 那覇よりも冬は暖かく 夏は涼しいのです その一方で 年降水量は約 mm と都心部よりも少なく 乾燥した気候です 八丈島は 伊豆諸島の中では最南部に位置する島ですが 小笠原諸島よりはるかに北に位置して 年平均気温は です(もちろん 年平均気温 6 伊豆諸島と小笠原諸島の特徴 島の成立過程と自然環境 生物相の概観 可知直毅(首都大学東京 小笠原研究委員長小笠原諸島と伊豆諸島の島々に 遠い昔 海を越えて生物が渡ってきた その生物の子孫は やがて 島の環境に適した独自の姿と性質をもつように進化し 固有種となった 固有種を含む島の生態系は環境の変化による影響を受けやすい 島の生物相を把握し 固有の生態系を守るために 国内外の多くの研究者が調査を進めている 首都大学東京 大学院理工学研究科生命科学専攻教授 専門は植物生態学 外来種駆除が島嶼生態系に与える影響について研究中 主な著書(共著に 植物生態学 (朝倉書店 はじめてのえころじい (裳華房など 太平洋に浮かぶ 首都 東京の島々可 知 直 毅
9 が 6 の都心部よりは暖かいです そして 近くを流れる黒潮の影響で降水量が 3 mm を上回り こちらは温暖でかつ湿潤な気候です 小笠原諸島は 小笠原群島と火山列島(硫黄列島 西之島 南鳥島 沖ノ鳥島で構成されます 小笠原群島は 父島列島 母島列島 聟島列島からなります 小笠原で一般の人が住んでいるのは父島と母島だけです 伊豆諸島は 北端の大島から始まり青ヶ島や鳥島を経て 孀 婦 岩までの間にある ほどの島から構成されます このうち 人が住んでいるのは 島です どちらも 諸島の一部が 小笠原国立公園 富士箱根伊豆国立公園に属しています 小笠原群島が現在の姿になったのは 約 3 万年前といわれています 一方 硫黄列島の起源はずっと新しく 南硫黄島は約 3 万年前に形成されたことが 7 年の調査で明らかになりました 伊豆諸島も島によって時期は異なるものの 多くの島は ~ 万年前に海底火山の活動によって生まれたと考えられています 伊豆諸島や小笠原諸島の島々は 海 底火山によってつくられたことは共通しています ただし 島ができた以後も火山の噴火の影響を強く受けている島とそうでない島があります このことが島の景観や生物相の違いを生み出しています たとえば 伊豆諸島の三宅島は 世紀以降でも 4 回の噴火を経験しました こ 7 伊豆諸島と小笠原諸島の起源と形成後の噴火の影響伊豆諸島と小笠原諸島の特徴 島の成立過程と自然環境 生物相の概観
10 伊豆諸島の島々 ( 撮影 : 加藤英寿 大島 : 上空から三原山 新島 : 向山から宮塚山 神津島 : 南部から三浦湾 多幸湾と天上山 三宅島 : 中腹部から山頂部 御蔵島 : 乙女峠から長滝山 青ヶ島 : 池之沢火口と丸山
11 伊豆諸島と小笠原諸島の特徴 島の成立過程と自然環境 生物相の概観 小笠原諸島の島々 ( 撮影 : 加藤英寿 聟島 : 中央部 ノヤギの食害で大部分が草原化した ( 現在はノヤギ駆除終了 媒島 : 屏風山 ノヤギが駆除された現在も表土の流出が続く 父島 : 南島からの遠望 母島 : 南崎から乳房山 硫黄島 : 東南部の海岸から翁浜 擂鉢山 南硫黄島 : 中腹部から山頂部
12 のような島では火山活動と深く関わった植物の分布や生態が観察できます 一方 小笠原諸島の聟島列島 父島列島 母島列島は 少なくとも 万年前以後は火山の噴火はありません また硫黄列島は 海底火山が噴火して海面に現れてから わずか数万年しかたっていないと考えられています 小笠原諸島と伊豆諸島には 世界中でそこでしか見られない貴重な生物種(固有種が多数生息しています 特に小笠原諸島では 生物進化の見本が現在でも多数見られることが評価され 年 6 月に世 界自然遺産として登録されました 世界自然遺産第 号のガラパゴス諸島(エクアドルも ガラパゴスゾウガメやダーウインフィンチなど多くの固有種が生息していることが評価されています ただ 小笠原はガラパゴス諸島のわずか 74 分の の狭い面積の中に多くの固有種が生息している点が特徴です それにしても なぜ 島には 多くの固有種が生息しているのでしょうか 海底火山によって形成された伊豆諸島と小笠原諸島の島々は 日本本土とは一度も陸続きになったことがありません 島ができた直後は そこにはほとんど生物が生息していなかったはずです ですから 現在 島で見られる動植物は 人間が運んできたもの以外は すべて海を越えてたどりついたものの子孫ということになります 海を渡るためには 植物であれば種子や果実が海流や気流に乗るか 鳥によって運ばれるかしかありません そ 十島十色 自然の多様性と固有性が育まれる 島 という環境各島の面積 (km 以上の島のみ と標高の最高地点 文献記録などで確認された維管束植物の分類群数 ( 加藤英寿作成 複数の資料に基づく
13 のため 島にたどりついた植物は 本州や大陸 太平洋の島々に分布している植物のごく一部だったはずです また はるばる海を越えることができた植物は 大陸に分布する同じ種の植物の中でも すこし変わった性質をもつものだったかもしれません さらに たどりついた島は 競争相手となる種が少ないために 本州や大陸で分布していた地域の環境とは異なる環境にも どんどん分布を広げていけたものもあったはずです 同じ祖先の子孫が異なる環境に進出していって それぞれの環境に適応したものが残り おたがい交雑しなくなると それぞれが新しい種(固有種に分化することが起こります これを適 応放散といいます 島は適応放散によって 独自の種(固有種が生まれやすい場所なのです とくに小笠原諸島は どの大陸からも非常に遠く離れており 生物がたどりつくことは 滅多になかったはずです 幸運にもたどりつけた生物の子孫の中には 競争相手も 天敵もまったくいないところで 新天地の環境に適応しながら独自に進化したものもいたはずです その結果 多数の固有生物種が生じたと考えられています 島にたどりついた祖先種から新しい種が生まれた典型的な例を紹介しましょう 小笠原の固有種であるモンテンボク(図 は野生のハイビスカスの仲間です 太平洋の島々や東南アジアの海岸に広く分布するオオハマボウ(図 3 と同じ祖先から分化したと考えられています オオハマボウの種子は海水に浮くため海流に乗って遠くの島へ運ばれます モンテンボクの祖先の種子も海流に乗って小笠原にたどりついたと想像されます ところが 現在の小笠原ではモンテンボクは 海岸近くだけでなく内陸にも分布してお 図 3 オオハマボウ アオイ科 日本では屋久島以南に分布する 葉に長い毛があり 種子は内部に空隙があり 海水に浮かぶ 図 小笠原諸島に固有のモンテンボク 葉には毛がないか 短い 種子の内部に空隙はなく 海水に沈む ( 撮影 : 加藤英寿 伊豆諸島と小笠原諸島の特徴 島の成立過程と自然環境 生物相の概観
14 東京都の島の植物研究の重要性り その種子は海水に浮かずに沈んでしまいます すなわちモンテンボクは 内陸の環境で分化していくあいだに 種子の浮遊性(海流に運ばれて散布する能力を失ってしまったのです 伊豆諸島は日本本土から距離が近いので 小笠原ほど固有種の割合は高くはありませんが それでも 少なからぬ固有種 準固有種が分布しています 伊豆諸島は 三宅島や大島を初め 現在も火山活動が見られる島も少なくありません 伊豆諸島の固有生物種には このような火山活動と密接に関係しているものもあります 島で独自の進化をとげた固有種が島から姿を消せば それは即その種が地球上から消滅することを意味します また これらの生物種は 競争が厳しくない環境で進化したので トゲや毒など天敵に対する備えも十分で 図 7 上陸がむずかしい無人島には 泳いで上陸しなければならない 写真は東島への上陸 図 6 漁船からゴムボートに乗り換えて無人島 ( 媒島 に向かう研究者 図 5 小笠原諸島の代表的な自然植生である兄島の乾性低木林 図 4 外来生物のノヤギによって森林が破壊された 聟島列島媒島の裸地と草地 ( 撮影 : 畑憲治
15 はありません 残念なことに 人間による開発 あるいは人間が外からこれらの島々に持ち込んだ生物(外来生物などの影響によって 急速に個体数を減らしている固有種が少なくありません 絶滅が危惧される種が小笠原諸島と伊豆諸島には非常に多いのです(図 4 多数の固有種を含む 世界的に貴重な自然環境が日本の首都に存在するというのは実はすごいことです(図 5 ですから 首都である東京都と東京都が設置した首都大学東京は 率先してこのような貴重な自然を守る義務があると考えています 多数の無人島を含む小笠原諸島と伊豆諸島の島々での調査には多くの困難がありますが 私たち研究者は幾多の問題を乗り越えてこれまで研究を続けてきました(図 6 ~ もちろん まだまだ調べなければならないことも多く 知れば知るほど 適切に野生生物を保全するうえでの課題や問題点が多いこともわかってきました この小冊子を通じて まずは小笠原諸島と伊豆諸島の野生植物種のこと そしてそれらの現状を知っていただきたいと思います 3 キーワード海底火山海底にある火山 噴火によって大量に噴出した溶岩が海水に冷やされてかたまり 島を形成することがある また 大きな海底火山の山頂が海面に突き出て島になることもある 世界自然遺産世界遺産のうち 地形や生物 景観を指定するもの 日本の世界自然遺産は屋久島 白神山地 知床 小笠原諸島の 4 つ( 年時点 適応放散 つの祖先種が環境の多様性に応じて多くの種に分化すること 図 東島で固有種のオオハマギキョウの生育状況を調査する研究者 小笠原諸島の歴史 ( 可知 伊豆諸島と小笠原諸島の特徴 島の成立過程と自然環境 生物相の概観
16 伊豆 小笠原諸島は約 3 の島々が南北 km 以上にわたって連なっています 島が誕生した年代や地形 地質 気象 気候条件などが異なることから それぞれの島ごとに個性に富んだ多様な生態系をもっています とくに大陸から遠く離れた海洋島である小笠原諸島には 独自性の高い生物相と生態系があります 維管束植物では約 6 もの分類群が小笠原に固有のものであるといわれています 伊豆諸島は小笠原ほど多くはありませんが 変種などの種内分類群を含めると約 4 の固有の維管束植物が知られています( P 参照 伊豆 小笠原諸島の植物相は 調査が断片的であり 現時点で全体を語ることは困難です 理由のひとつに 小さな無人島まですべての島をくまなく調査するのは難しいという点があります 空港がない島が多く 島へ渡るのに時間がかかり 海が荒れると定期船が何日も欠航するため 内地の研究者が島を直接訪れて調査をする機会は非常に限られます 無人島には定期船や港もありませんから 上陸することさえ困難を伴い ときに命がけです 4 小笠原諸島と伊豆諸島の植生と固有植物種加藤英寿(首都大学東京 牧野標本館伊豆 小笠原諸島の植生の様相は 他の同緯度地域とは大きく異なる 国内山林の主要な構成種であるカシ ナラ類が伊豆諸島ではほとんど見られず 小笠原諸島はブナ科植物が自生していない 海で囲まれ 遠く離れていることは ドングリの移動を阻むほどの障壁であるが 固有種など島の独自性を生み出す原動力でもある 首都大学東京 大学院理工学研究科生命科学専攻植物系統分類学研究室助教 専門は被子植物の系統と生物地理 島しょにおける生物多様性とその保全など 伊豆 小笠原諸島の植物相調査加 藤 英 寿
17 また 昔からの開発や外来生物の影響によって 自然環境が大きく変貌し すでに多くの種が消滅してしまった島もあります 外来植物が定着して 在来植物との区別がつかなくなっていることもあります そして 島の植物ならではの特徴が調査を難しくしているケースもあります 島嶼地域の植物は同じ種であっても島ごとに微妙に形が異なっていたり つの島の中でも複雑な変異を示すことが多いものです 分類学的な見解が未だに定まらないものも数多くあります これまでに作成された各島の植物目録は数多くのシ ノニム(同じ分類群につけられている別名が含まれることが多いため 文献や標本の精査が必要です 今後は 現地調査で得られた標本や各地の標本庫に納められている標本を参照しながら 厳密に証 拠標本に基づいた 植物誌 を編纂 したいと考えています 伊豆諸島の伊豆大島(大島 神津島 御蔵島 八丈島の 4 島の植物相について紹介します 同じ伊豆諸島であるにも関わらず 島ごとに興味深い特徴があります 小笠原諸島は 列島ごとの植物相の特徴について説明します 伊豆大島伊豆半島から東方約 km の位置にあります 島の中央には 過去に何度も噴火を繰り返している三原山があります(最近の噴火は 6 年 三原山では 溶岩流やスコリア(火山噴出部の一種の噴出年代の違いなどによって さまざまな遷移段階にある植物群落を見ることができます 比較的最近に噴火の影響を受けた山頂部にはハチジョウススキ ハチジョウイタドリなどの草本群落やオオバヤシャブシ ニオイウツギなどの低木林が広がります 長い年月にわたって噴火の影響を受けていない山麓部には スダジイやタブノキが優占する森林が発達しています そのほか 海岸部の海蝕崖にはイソギクやスカシユリ ハマカンゾウを見ることができます 5 代表的な島々の植物相伊豆大島 三原山 6 年に流れた溶岩 ( 中央の黒い部分 の中にハチジョウススキやハチジョウイタドリが侵入しつつある 小笠原諸島と伊豆諸島の植生と固有植物種
18 シマホタルブクロ (.7. 青ヶ島 ホタルブクロの変種 花冠は基本種に比べて小さく 白色の花を多数咲かせる 伊豆諸島と関東地方太平洋沿岸地域に分布するが 地域間で花の大きさに変異があり 送粉昆虫が異なることによると考えられている ヤマハハコ (.. 御蔵島 おもに本州中部以北の山地に生育する多年草 本州では草丈 3 7cm 葉の長さは 6 cm になるが 御蔵島では草丈 5 5cm 葉の長さは 3cm 程度で 見た目がまったく異なる イズノシマダイモンジソウ (.. 御蔵島 ダイモンジソウの変種 茎や葉に毛が多く生え 伊豆諸島と房総半島に分布する オオシマツツジ (.5. 神津島 伊豆半島と伊豆諸島に分布 花の色や大きさに変異が多い 神津島の天上山では 砂丘の中に浮かぶ島のように点在し 独特の景観を生み出している 6
19 小笠原諸島と伊豆諸島の植生と固有植物種 サクユリ (.. 伊豆大島 ヤマユリの伊豆諸島固有変種 葉の幅が広く 花も大型で花被に褐色の斑点が少ないが ヤマユリとの中間型も時々見られる ヒナノシャクジョウ (.. 神津島 伊豆諸島の樹林内には 葉緑素をもたず 菌類と共生して生活をする植物が数多く見られる 小型で繊細なものが多く 見つけることは非常に難しい ユノミネシダ (.. 三宅島 年の噴火で多くの植物が被害を受けたが ユノミネシダは噴火後に急速に分布を拡大している 名前の由来である和歌山県湯の峰温泉で発見されたことからも 火山ガスに含まれる二酸化硫黄に耐性をもつと考えられている (p3 参照 ハチジョウグワ (.5.3 神津島 本土のヤマグワに比べ 葉が厚く光沢があり 鋸歯の先が鋭くとがる 神津島の人々は 果実が赤いうちから甘くて食べられるミズガーノ ( 写真左 と 果実が赤いうちは酸っぱくて食べられないイシガーノ ( 写真右 に分けている点が興味深い 7
20 神津島 花の百名山 と称される天上山を有しており 山頂部には岩礫地や砂丘 風衝低木林 湿原などの景観を見ることができます 多様な植生環境ゆえに 植物の種数も非常に多く 最近では国内ではきわめて珍しいタヌキノショクダイが島民によって発見されています 小さな島ですが 植物相の奥の深さを感じさせられます 御蔵島島の周囲は急峻な崖に囲まれていますが 中腹部に広がる国内最大規模のスダジイ林をはじめ 山頂部の風衝低木林やササ群落 湿原など 伊豆諸島のなかでもっとも自然度の高い植生が残存しています 山頂部にはミクラザサやミクラジマトウヒレンなど 伊豆諸島でもここでしか見ることのできない植物も生育しています 八丈島南東部に東山 (三原山 標高 7 m 北西部に八丈富士( 54 m があります 火山活動の歴史が古い東山にはスダジイの優占する照葉樹林が発達しています 約 3 年前まで噴火活動していた八丈富士は タブノキなどの萌芽林や低木林が広がっています ハチジョウベニシダやハチジョウイタドリなどのように八丈の名を冠した植物は多いのですが そのほとんどは八丈島だけでなく伊豆諸島に広く分布しています 八丈島は入植の歴史が古く 花 卉 園芸を主とした農業が盛んなことから 植栽されていた植物が野生化したなど 人為的な影響が広がっています 小笠原諸島聟島列島 父島列島 母島列島の 3 列島を合わせた小笠原群島と その南南西に位置する火山(硫黄列島 そして沖ノ鳥島などの離島から構成されています 最北の島々である聟島列島は 現在はすべて無人島ですが いずれの島も野生化して増殖したノヤギの食害によって島の大部分が裸地化 草原化し 多くの植物種が消滅したと考えられます 現在ではノヤギはすべて駆除され ヤロードやモクタチバナなどの在来樹種が回復しつつありますが 一方でギンネムやヤダケなどの外来植物が勢いを増している島もあります 父島列島や母島列島は 標高や水分条件の違いにより湿性高木林や乾性低木林 乾性型矮低木林と呼ばれる植生が見られ それぞれの植生環境に適応放散的に種分化した分類群(シロテツ属やムラサキシキブ属などが生育しています 父島と母島以外の属島は現在無人島ですが 戦前にはほとんどの島に人が住んでいました そのため 過去の開発の影響に加え 人が持ち込んださまざまな外来植物(アカギやトクサバモクマオウなどの拡大が問題になっています 火山(硫黄列島のうち 過去に人が定住したことが無く手つかずの自然が残されている南硫黄島は 原生自然環境保全地域に指定され 島への立入りが厳しく制限されています 標高の最高地点は伊
21 豆 小笠原諸島のなかでもっとも高い 6 m で 標高 7 m の北硫黄島でも同様に 山頂部は雲 霧林となり 国内ではここでしか見ることのできないエダウチムニンヘゴやナンカイシダなどが生育しています 一方で島全体が比較的平坦な硫黄島は 過去の開発や戦争によって本来の植生はほとんど失われ ギンネムやランタナなどの外来植物が繁茂しています キーワードシノニム別名 生物の分類群(おもに種には つの学名しか与えられない 複数の学名がある場合 それらをシノニムという 証拠標本分類群を決めるなど 生物を研究したときの根拠となった実際の標本 雲霧林熱帯 亜熱帯地域の つねに霧に覆われているような湿度が高い山地に発達する森林 ムニンハナガサノキ (5.6. 父島 小笠原群島に固有のつる性植物 小笠原諸島ではさまざまな性表現を示す植物が見られ なかでもこの植物は両性個体と雄個体からなる 雄性雌雄両全異株 という珍しい性表現で知られる ( 写真は雄花 父島の中央山 東平地域数多くの固有植物が自生している 小笠原諸島と伊豆諸島の植生と固有植物種
22 オオハマギキョウ (5.. 姉島 小笠原群島に固有で ハワイに近縁種があると考えられている 数多くの葉を展開しながら数年間かけて成長し 開花時には高さ 3m にまで達するが 結実後に枯れてしまう 回繁殖型の植物 シマウツボ (.3. 母島 小笠原群島に固有で葉緑体をもたず オガサワラビロウなどの根に寄生する植物 3 月に地面から花茎を出し 鮮やかな黄色の花を咲かせる エダウチムニンヘゴ (7.6. 南硫黄島 国内で唯一 幹の途中で枝分かれする木性シダ 南硫黄島と北硫黄島の雲霧林に生育する
23 小笠原諸島と伊豆諸島の植生と固有植物種 ヒメツバキ (6.6.4 兄島 小笠原群島固有 父島や母島でもっとも普通に見られる樹種で 小笠原村の村花として親しまれている 南西諸島に分布するイジュに近縁で 同種とする説もある ヒメフトモモ (5.. 兄島 小笠原群島固有 非常に変異が多く 風衝地では樹高 5cm で地面を匍匐し 中腹部の台地では樹高 4m の低木 谷筋などの湿った斜面では樹高 m を越える高木にもなり 適応放散的に種分化しつつあると考えられる ムニンタツナミソウ (5.4. 父島 父島列島固有の多年生草本 花筒が細長く 4 6cm もあり 強い芳香を放つ 口吻の長いガによって送粉されていると推測される ワダンノキ (.. 母島 母島の山地に生育するキク科の木本性植物 海洋島では草本性の祖先から木本に進化する現象がしばしば見られる
24 オガサワラグワ(図 はクワ科の雌雄異株の樹木で 小笠原諸島の弟島 父島 母島のみに分布しています 内地(本土のクワの仲間に比べると格段に大きく成長する樹種で 大きな個体は胸高直径が.5 m を超えるものもあります かつては原生林の中に多数の巨木が生育していたと思われますが その材が非常に緻密で高価であったため明治以来の開拓期に大量に伐採され 昭和の初期にはすでに非常に希少になってしまっていたことが報告されています 現在では絶滅危惧 I A 類(環境省に指定されています 現存する成木は植栽を含めても 7 本以下と推定され それらの成木の周囲には次世代となるべき実生や稚樹をなかなか発見することができません オガサワラグワの災難は過剰な伐採だけでなく 外来種であるシマグワが移入されて父島や母島にはびこった影響があります 現在は 個体数の多いシマグワから飛んでくる花粉がオガサワラグワにかかり オガサワラグワのほとんどの種子が雑種になってしまうという状態で 次世代の更新が困難になっています 唯一 弟島ではまだシマ 遺伝子からみた小笠原の野生植物の生態とその保全吉丸博志(森林総合研究所植物の D N A の塩基配列を分析し 遺伝子構造の違いを知ることで 近縁種間の識別や交雑の有無 地域集団間の遺伝子交流の度合いなどを知ることができる 遺伝子の解析が小笠原の植生の保全と復元に どのように活躍しているか その一端を紹介する 森林総合研究所森林遺伝研究領域長 専門は樹木の集団遺伝学 短い塩基配列情報で樹種識別を可能にする D N A バーコーディングやサクラの栽培品種の系統解析なども進めている 理学博士 おもな著書(共編に 屋久島の森のすがた (文一総合出版など オガサワラグワ 移入種による遺伝子汚染 吉 丸 博 志
25 グワの侵入がなく 純粋なオガサワラグワの種子ができていますが 実生や稚樹はほとんど見ることができません これは ノヤギの食害の影響が強いと考えられています なるべくすべてのオガサワラグワの成木を探索して GP S を利用した位置図を作成したところ 弟島で 35 個体 父島で 個体 母島で 7 個体のオガサワラグワに見える成木が発見されました しかしながら そのなかには古い時代にできた雑種が含まれている可能性があるため 両種を識別できる D N A マーカーを開発して調べたところ 父島では 個体( / = % 母島では 5 個体( 5 / 7 = 5 % が雑種と判定されました 雑種の中には直径 5 cm を超えるものもあり かなり古い時代から雑種ができていたと考えられます 弟島では雑種の個体はありませんでした オガサワラグワの雌木にできた種子を蒔いてみると さまざまな葉の形をもつ実生がでてきます DN A マーカーによってこれらはすべて雑種と判定されましたが 元となる両種よりも激しい欠刻が見られます(図 なお 雑種と判定された実生はほとんどの場合に 長くても 年以内に欠刻のある葉が出現するので それ以上の期間を経ても欠刻の葉がでてこない実生は 純粋なオガサワラグワの可能性が高いと考えられます しかし 自然状態では純粋な種子の割合は非常に低いと思われ 現在の古木が枯れると次世代の見通しがたたないのが実情です 各島のオガサワラグワ集団の間の関係を探るために D N A マーカーの 種であるマ イクロサテライトマーカーを開発して すべてのオガサワラグワ成木の遺伝子型を調査しました その結果から各個体の遺伝的組成をもとに遺 伝的な保全管理ユニット( M U を推定したところ 6 個のユニットに分かれることがわかりました(図 3 3 遺伝子からみた小笠原の野生植物の生態とその保全図 オガサワラグワ左 : 弟島で撮影 巨岩がごろごろした地形の中に生育 中 : 切株 母島の湿性高木林の中には このような大きな切株が今でも朽ちずに残っている 右 : 葉 整ったハート型をしている
26 このうち 母島の石門下段のものは昭和 年に植栽されたと言い伝えられており また猪熊湾のものも細くてサイズのそろった集団で これも植栽と考えられます 両者は遺伝的組成もよく似ており 同じユニットとなりました また 父島北部のものは これらに近い遺伝的関係をもち 母島由来の実生が植栽された可能性が高いと推察されます その結果 本来の小笠原諸島に固有な自然集団は 弟島 父島南部 母島の石門上段と桑木山にあることが示唆されました 4 図 左端が典型的なオガサワラグワおよびシマグワの葉形 そのほかは DNA マーカーによって雑種と判定された ( 谷尚樹ら 下の写真は父島のオガサワラグワの近くで見られた雑種の実生 図 3 マイクロサテライトマーカーによるオガサワラグワの遺伝的管理ユニット (MU の推定 ( 谷尚樹ら 上 : 管理ユニット間の遺伝的関係 父島北部は母島猪熊湾 & 石門下段に近く 植栽の可能性が示唆される 母島の桑木山と石門上段 父島南部 弟島が本来の自然集団の近いものと推察される 右 :3 島のオガサワラグワ集団で推定された管理ユニット 母島猪熊湾 & 石門下段の集団は植栽であることが言い伝えられている オガサワラグワシマグワ雑種個体
27 現存する古木の遺伝子を残すための つの方法として 各古木の冬芽から組織培養によってクローンを育てる技術が確立しています(森林総合研究所 林木育種センターによる これらのクローンを増殖すること クローン同士の交配による次世代の種子や苗木を育てて植栽することが 復元の つの道筋と考えられます その際には 上記の管理ユニットを考慮して 各島で固有の遺伝子を残す配慮が必要です また オガサワラグワの自立のためには 将来的にシマグワの駆除が望まれるところです オガサワラビロウ(図 4 は 九州南部から南西諸島 台湾 中国南部に分布するビロウの変種です 小笠原諸島全体に広く分布して個体数も多く ほとんどの島でふつうに見ることができます 父島の属島の つである西島(図 5 では 長い間 ノヤギやクマネズミがはびこり 植生や種子を食べてしまったため 樹木の幼樹はほとんど見当たりませんでした 在来樹種の林は島の中央の窪地の限られた地域にのみ残り 島の周囲は外来種のモクマオウ林または草原という状態でした 近年 ノヤギが駆除され さらに 年にはクマネズミの駆除が成功したので 植生の回復が期待されています この島で遺伝的多様性の回復をモニタリングする目的で オガサワラビロウのマイクロサテライトマーカーを開発し それを用いて島内の成木個体とネズミ駆除後に出てきたと思われる実生の遺伝子型を調査していました そのとき 思いがけず 互いにまったく交配していないと思われる つの集団の存在が発見されました 非常に不思議に思われたので 他の島においてもいくつかの地域で個体の 5 図 4 オガサワラビロウ 図 5 西島遠景 島の中央部の窪地に在来種が生育し 周囲はモクマオウ林または草原である オガサワラビロウ 隠蔽種の検出 遺伝子からみた小笠原の野生植物の生態とその保全
28 サンプリングを行って遺伝構造を調査したところ 西島で少ないほうの集団(ク ラスタは母島の属島と聟島列島に多く 父島とその属島では少ないことがわかりました(図 6 小笠原植物図譜 によれば 母島とその属島に本種の変わり物で メイジマビロウと呼ばれるものがあるが これは葉が柔らかく葉柄部にトゲがない と書かれており これに相当するものと思われました しかし これらが確実に別種であることや 母島から遠く離れた聟島列島および父島の近くにも同じものが生育していることは 遺伝子の解析により初めて確かなものとなりました 固有種の適正な保全のためには 種を正確に認識することが不可欠ですので 形態だけではわからない隠蔽 種の検出は 遺伝子解析の重要な長所であり役割であると思われます 小笠原諸島は世界自然遺産一覧への登録が決定しましたが 外来種対策が最重要課題であると指摘されています 外来種の駆除をしたあとに 自然な植生の回復が遅れると思われるときには 環境復元のために在来の樹木種の植栽が必要な場合もあります このような場合 植栽する樹木の種子や苗木は 遺伝子からみてなるべく近い関係にあるものが望ましいといえます けれども 遺伝子に主点をおいた地域集団の構造に関する情報は まだほとんどの樹種で得られていないのが実情です そこで 植栽候補となる広域分布種 6 種(オガサワラビロウ タコノキ テリハボク モモタマナ ムニンヒメツバ図 6 小笠原諸島におけるオガサワラビロウの遺伝構造 ( 大谷雅人ら 西島で少なかったクラスタ Ⅱ は 母島の属島や聟島列島で比較的多いことが明らかとなった なお クラスタ Ⅰ と Ⅱ は それぞれより細かく つに分けられる 6 植栽における遺伝構造への配慮
29 キ シマホルトノキについての遺伝解析が 環境省 森林総合研究所 首都大学東京によって進められています また 小笠原で種分化が進んでいるクスノキ科 トベラ科 ミカン科 ハイノキ科などの樹種についての遺伝解析も 首都大学東京など複数の機関で進められています このような情報が蓄積することにより 遺伝構造に配慮した環境復元のための植栽が可能になると思われます 7 キーワード D N A マーカー生物の種や系統の目印となる違いを示す D N A 配列 マイクロサテライトマーカー数塩基の単位配列の反復数の違いによるマーカー 遺伝的な保全管理ユニット( M U 遺伝的観点から別々に管理すべき集団 クラスタ遺伝子型データからランダム交配の単位として推定された集団 タコノキ 小笠原固有種 何本もの気根がタコの足のように出る シマホルトノキ 小笠原固有種 大木になる アカガシラカラスバトの餌として重要 ムニンヒメツバキ 小笠原固有種 ツバキに似た白い花が咲く 琉球のイジュが近縁 右の赤い葉が混じっているのがモモタマナ その左がテリハボク ともに海岸林の主要構成種 小笠原以外にも太平洋の多くの島に分布する 遺伝子からみた小笠原の野生植物の生態とその保全
30 野生植物の多くは自力で種子を作ることができません 種子を作るためには虫や鳥などの他の生物に花粉を運んでもらう必要があることから 植物にとって このような生物との結びつきは非常に重要です 花粉を運ぶ生物のことをポリネーター(花粉媒介者 送粉者といいます 花粉を運んでもらうために 植物は さまざまな方法でポリネーターを誘惑しています ポリネーターには ハチやハエ チョウ 甲虫 鳥 コウモリなどさまざまな種類の生物がいます 植物はもっとも上手に花粉を運ぶポリネーターに来てもらうため 彼らが好む蜜や匂いを分泌したり 好む色の花をつけるようになりました こうして ある植物はハチを誘って花粉を運ばせる 別の植物はチョウに運ばせる というような多様な生物間のつながりが形成されたのです 花とポリネーターとの関係の歴史は非常に長く 恐竜時代にまでさかのぼることができます いま私たちが見ている花の色や形などの多様性は 植物とポリネーターとの長い付き合いによって生み出されたものなのです 花と昆虫の関係から小笠原の生態系の異変を見る安部哲人(森林総合研究所九州支所森林総合研究所九州支所主任研究員 専門は植物の繁殖生態 保全生態 小笠原諸島をおもなフィールドとして送粉や外来種 絶滅危惧種に関する研究を続けている 小笠原の送粉系研究で 年森林学会奨励賞受賞 植物が種子をつくるために必要不可欠な生物とは安 部 哲 人 小笠原では外来種が生態系に多大な影響を与えている その影響は競争や食害などの直接的なものだけでなく 間接的効果も大きいことがわかってきた 小笠原のポリネーター相の変化はその つである このような 相互作用の解明は 外来種の駆除効果を予測するうえで重要である
31 小笠原諸島(図 は 日本の南 km の海上に浮かぶ孤島群で 大陸とつながったことがない海洋島です このため島の生態系は大海を越えて渡って来ることができた 限られた生き物だけで構成されています 生物の種数自体は多くないのですが 長期にわたって隔離されていたことで独自の特徴をもつように進化した種や 島の中での種分化で生じた固有種(小笠原諸島のみに生息する種が高い割合を占めています 花とポリネーターとの関係も ほかの場所とは違っています 最大の特徴はマルハナバチやミツバチといった社会性のハ ナバチを欠いているという点です 小笠原固有のハナバチ類は単独で営巣する種ばかりで オガサワラクマバチ以外は小型です(図 これらのハナバチたちは枯れ木の中に小さな巣を作ります 営巣していた木が海に流されて 島まで到達したと考えられています 貧弱なポリネーター相に呼応するかのように 海洋島では小さく地味な色の花をつける植物が多いといわれています(図 3 花の多くは どの生物も蜜をとりやすく ポリネーターを限定しない形ですが 例外的に長い筒型の花をもつ固有種もみられます 年代末から 年代にかけて 小笠原のポリネーター相に変化が現れました 固有のハナバチ類が著しく数を減らしてしまったのです 花を観察しても 訪れるのは外来種セイヨウミツバチばかり という状態になってしまいました(図 4 小笠原諸島のポリネーターと花図 小笠原諸島で見られる植物相上左 : 固有種の多様性が高い兄島の乾性低木林 上右 : 木生シダのマルハチが密生する母島の湿性高木林 左 : かく乱跡地で繁茂して開花する外来植物のギンネム 花と昆虫の関係から小笠原の生態系の異変を見る
32 図 小笠原でポリネーター ( 花粉媒介者 となっている固有ハナバチ上左 : 西島でハマゴウに訪花するアサヒナハキリバチ 上右 : 父島でムニンフトモモに訪花するオガサワラクマバチ ( 撮影 : 杉浦真治 図 3 小笠原の固有種の花たちどのポリネーターでも蜜をとりやすい形の花が多いが 筒状の花もある 右 : ユズリハワダン ( キク科 下右 : ムニンタツナミソウ ( シソ科 下左 : シマクマタケラン ( ショウガ科 3
33 当初 固有ハナバチ類の減少の原因は 明治時代に養蜂のために持ち込まれたセイヨウミツバチではないかと考えられていました 蜜や花粉をめぐる競争に固有ハナバチが負けてしまった という仮説でした ところが調べてみると 固有ハナバチが衰退している島は父島と母島だけです セイヨウミツバチは父島に隣接する無人島(兄島 弟島などにも分布を広げています(図 5 しかし これらの無人島では セイヨウミツバチと固有ハナバチが共存しており ともにさまざまな花を訪れています そこで セイヨウミツバチとの競争による影響はそれほど強くないと考えられるようになりました 一方で 外来種グリーンアノールの捕食が原因ではないかという説が提唱されました グリーンアノールはアメリカや西インド諸島原産の小型のトカゲで 昼行性であり 主に昆虫類を捕食します 6 年代に小笠原に侵入し 現在では父島 母島のいたるところで見られるようになりました(図 6 セイヨウミツバチが導入されたのは 年代 グリーンアノールを犯人と考えるほうが辻褄が合います そこで 検証のため グリーンアノールをケージで飼育し 小笠原の主なポリネーターを餌として与える実験(図 7 を行ってみました その結果 固有ハナバチやハエ類 ガ類は旺盛に捕食し セイヨウミツバチだけは捕食しないことがわかりました 森林の伐採や植栽 農薬の使用など 小笠原の固有ハナバチの減少に関係図 5 グリーンアノールは緑色 セイヨウミツバチは黄色と緑色の島に分布する 固有ハナバチは緑色の島以外に分布 3 ポリネーター相変化の原因 図 4 数を増やしている外来種のセイヨウミツバチ左 : 母島で外来種のシロバナセンダングサに訪花するセイヨウミツバチ 上 : 各島群におけるポリネーター相の違い 父島 母島ではほとんどがセイヨウミツバチである 花と昆虫の関係から小笠原の生態系の異変を見る
34 している要因はほかにも考えられます これら複数の要因が少しずつ影響している可能性も否定できませんが 主要因はグリーンアノールの捕食である と現在では考えられています ポリネーター相の変化を植物側から見てみましょう 単に花粉の運び役が変わっただけなら それほど問題はなさそうです しかし 残念ながら セイヨウミツバチは 固有ハナバチ類と違って 外来植物を好むのです 一般にセイヨウミツバチはさまざまな植物の花を訪れます 大きな巣で繁殖するため たくさんの蜜や花粉が必要で 資源量(蜜量や花粉量 花の数などが多い植物から優先的に訪花する習性があります 父島と母島では 明治時代の入植以来 外来植物が優占する場所が増えています これも セイヨウミツバチが外来植物に訪花しやすい原因でしょう また 外来植物のなかにはミツバチなどの社会性ハナバチが分布する地域由来のものもあります もともと社会性ハナバチと強い関係を持ちながら進化してきた花なので これらのハチ類の誘引に長けていると考えられます 一方 小笠原固有植物では セイヨウミツバチに適さない構造のためか 盗蜜も確認されています(図 これでは 花粉媒介者として機能しません 現在 父島と母島は外来植物の結実が良い一方 固有植物は花粉不足のため結実が少なくなっています このままでは 固有植物の衰退を招きかねません また 小笠原のハナバチとともに進化してきた花の特徴が 新しいポリネーターによって変わってしまう可能性も危惧されます 原因の一端は グリーンアノールとセイヨウミツバチにありますが 彼らが直接 植物を枯らしているわけではありません 種と種の関係の変化が間接的におよぼした影響だったのです 3 ポリネーター相が変わった影響図 6 ノヤシの花序でハエを補食するグリーンアノール 図 7 飼育ケージを用いたグリーンアノールの捕食実験 図 固有絶滅危惧種であるオオハマギキョウから盗蜜するセイヨウミツバチ 花の横から蜜を吸うために 中央に立つめしべに触れることがない
35 小笠原のポリネーター相を回復させるためには グリーンアノールを根絶または減らすことが重要です 現在 環境省は粘着トラップを用いたグリーンアノールの排除区を試験的に設置して効果を調べています(図 また 父島 母島でも海岸部に固有ハナバチが残存している地域があります なぜ海岸部にだけ残っているのかは研究の余地がありますが その典型的な場所が中通島 (図 です ここは潮が満ちると父島から分離する陸繋島のような島で グリーンアノールは侵入できません 中通島には固有ハナバチが多数生息しており 隣接する父島の海岸部にも少ないながらも固有ハナバチを確認できます 固有ハナバチの個体数を回復させるとき必要になる可能性も強いので 残された個体群は大事に維持していく必要があります 小笠原のポリネーターの衰退は 日本全国に広がっている外来種問題を検討する際に 種同士の相互作用系を慎重に考慮すべきことを示す貴重な事例といえます 図 中通島 満潮時には写真のように父島 ( 左端 と分離する このためグリーンアノールが侵入できず 固有ハナバチが生存している 33 固有のポリネーター相を回復させるためにキーワードハナバチ自分や幼虫の餌を花粉や蜜などの花由来資源に依存するハチ 頻繁に花を訪れるため有力なポリネーターになりやすい 図 粘着トラップにかかったグリーンアノール 図 母島に設置されているグリーンアノール排除柵 柵の内側でグリーンアノールの捕獲と その効果の調査が行われている 花と昆虫の関係から小笠原の生態系の異変を見る
36 火山の噴火は 植生を大規模かつ強度に破壊します その一方で 過去の植生とは異なった新しい植生が誕生するきっかけともなります 火山活動が活発な伊豆諸島の島々における植生は 噴火と切り離して考えることはできません 伊豆諸島の三宅島は 世紀以降も 4 回も噴火している火山島です もっとも新しい噴火は 年に起こりました それまでの噴火では 溶岩の流出とスコリア(岩滓 火山噴出部の一種放出がおもな現象でしたが 年の噴火では 大量の火山灰を放出し その後も火山ガスを噴出しています 噴火の様相の違いは 植生にも影響を与えました 34 伊豆諸島における噴火後の植生の再生 噴火とともに生きる野生植物たち 上條隆志(筑波大学噴火によって植物は大きな影響を受け 新たな植生へと移り変わる 噴火があること 島であること その つの条件がそろったとき 植物の遷移はどのように進むのか? また 植物はどのように噴火とともに生きてきたのか? 三宅島の調査研究からひもといてみよう 筑波大学大学院生命環境科学研究科准教授 年から 伊豆諸島の三宅島 八丈島で植生の研究をはじめる 主な所属学会は 植生学会 日本生態学会 日本森林学会 主な著書(共著に 撹乱と遷移の自然史 (北海道大学出版会など 植生学会賞受賞 火山島の植生を三宅島から見る上 條 隆 志 図 年噴火前の三宅島における 74 年溶岩流 6 年溶岩流 3 年溶岩流の分布 国土庁土地局 (7 をもとに作成した 74 年溶岩 6 年溶岩 3 年溶岩
37 植生遷移の研究には 植生の時間変化を直接観察する方法と 成立年代が異なる立地を比較して 時間変化を明らかにする方法があります 後者は 一人の人間が直接観察することができない 数十年から数千年といった長期的な遷移を対象とするのに適しています また 植生遷移には 一 次遷移と二 次遷移という区分があります 溶岩上など生態系が完全に破壊された状態から始まる遷移は一次遷移です ゼロからのスタートなので もっとも発達した生態系である極 相に達するまで非常に時間がかかり 一人の人間が過程を観察し続けることは不可能です そこで 一次遷移の観察は 成立年代が異なる立地の植生を比較することが必要となります 三宅島では 噴火年代の異なる溶岩 35 年噴火前の植生遷移 溶岩上の一次遷移 伊豆諸島における噴火後の植生の再生 噴火とともに生きる野生植物たち 74 年溶岩流 6 年溶岩流 3 年溶岩流図 三宅島の 3 年溶岩流 6 年溶岩流 74 年溶岩流上の植生 噴火から 6 年経過した 3 年溶岩流上の中央の樹木はオオバヤシャブシである 37 年経過した 6 年溶岩流上では 裸地の部分は減少し オオバヤシャブシの低木林になっている 5 年経過した 74 年溶岩流上では タブノキ オオシマザクラが優占する高木林となっている 図 3 三宅島の溶岩上での遷移過程 溶岩の隙間に植物が侵入し その植物の下には落葉がたまり そこに他の植物が侵入するため 部分的 ( パッチ状 に植生が増加していく パッチ同士がつながると裸地の部分はなくなっていく 裸地 地衣類が生育している場合もある オオバヤシャブシ ハチジョウススキなどが侵入する オオバヤシャブシ低木林 ヤシャブシの仲間は空中の窒素を養分として取り込み 成長することができる 高木林 ( オオシマザクラ タブノキ 落葉が蓄積し 土壌生成も進行しはじめ さまざまな樹木や草本が生育できるようになる
38 流が流れて形成された地形が 島の中腹から麓にかけて分布しています(図 年に三宅島での現地調査が行われましたが このとき 生態系が生まれてからの年齢(溶岩が流れ出てからの年数が換算されました 3 年溶岩流は 6 歳 6 年溶岩流が 37 歳 7 4 年溶岩流が 5 歳となります 6 歳の溶 岩流上では 落葉広葉樹のオオバヤシャブシや多年生草本のハチジョウイタドリなどが点々と生育しているにすぎず 溶岩がむき出しの裸地が大部分を占めています(図 の 3 年溶岩流 次に 37 歳の溶岩流上では 裸地の割合は少なくなり オオバヤシャブシからなる低木林が成立するようになります(図 の 6 年溶岩流 さらに 5 歳の溶岩流上になると 落葉広葉樹のオオシマザクラ 常緑広葉樹のタブノキなどからなる高木林が形成されています(図 の 7 4 年溶岩流 このことから 三宅島の溶岩流上の一次遷移は 裸地 オオバヤシャブシ低木林 オオシマザクラ タブノキ林であると整理することができます(図 3 遷移の初期に出現する種を遷移初期種 遷移の後期に出現する種を遷移後期種と呼びます オオバヤシャブシは代表的な遷移初期種です 種子が小型の風散布型なので 広い地域に散布され 新しい溶岩流上にもたどり着きます ただし 溶岩流は土ではなく マグマがかたまったものです 植物が成長するのに必要な栄養素である窒素がほとんど存在せず 普通の植物は成長することはできません しかし オオバヤシャブシをはじめとするハンノキ類の根には 大気中の窒素分子を固 36 空中窒素を固定するオオバヤシャブシの存在 図 4 根粒 放線菌が共生している 図 5 オオバヤシャブシの遷移の促進効果窒素は植物の生育に必要だが 大気中に存在するため 普通の植物は利用できない しかし ヤシャブシ類は 根粒の微生物が窒素を固定するため 取り込むことができる また ヤシャブシの落葉などから窒素が土中に入れば ほかの植物も利用できるようになる 植物の生長に必要なリン カルシウム カリウムなどは溶岩中にあり 根から吸収できる しかし 窒素は大気中に存在する 落葉からの土壌への窒素供給根粒での大気からの窒素吸収オオバヤシャブシ窒素固定をできない植物の成長オオバヤシャブシは大気中の窒素を利用して成長できる 落葉から窒素が土壌中に入る 窒素を固定できない植物はオオバヤシャブシの落葉由来の窒素を吸収して 育つことができる
39 定する放線菌(図 4 が共生します(根粒 ほかの植物が利用できない大気中の窒素分子を十分に使えるので 溶岩流でも生育できると考えられています 窒素はオオバヤシャブシの葉 枝 幹に送られます これらの器官が枯死して地面に落ちることで 溶岩流に窒素が供給されます その結果 窒素固定を行わない植物でも 溶岩流で生育できるようになります このように遷移の進行を速める効果を 促進効果 と呼びます(図 5 植物が大きくなり 森林が鬱閉 してくると オオバヤシャブシの芽生えの定着はなくなります 一方 タブノキやスダジイなどの遷移後期種は暗い森林内でも 種子が発芽し 定着できます このような過程を経て 溶岩流の植生は オオバヤシャブシ林からタブノキ林やスダジイ林へと移り変わっていきます 三宅島 年噴火は 年 7 月から始まり 月にかけて山頂が大噴火し 大量の火山灰を放出しました 年以降も 二酸化硫黄を中心とする火山ガスの噴出が続いています これら一連の火山活動によって 森林の約 6 % にあたる 5 ヘクタールが被害を受けたと推定されています(図 6 火山灰があまり堆積しなかった場所では 植物がある程度は生き残り そこから遷移が始まります このような遷移を二次遷移といい 多くは植生の変化が速く 数年間の変化を直接観察できます 噴火直後の変化として顕著だった再生様式は すべての枝葉が落ちた樹木の幹から直接新しい枝が出てくる 胴吹き です(図 7 しかし 噴出 37 三宅島 年噴火の植生変化 火山灰の上での二次遷移 図 6 三宅島 年噴火後の山腹斜面 ( 年撮影 噴火後に形成された浸食谷がみえる 図 7 タブノキの胴吹き 普通は芽がでないはずの幹や枝から 直接に若い枝が伸びてくる ( 撮影 : 羽柴敬子 伊豆諸島における噴火後の植生の再生 噴火とともに生きる野生植物たち
40 が続く火山ガスの影響で 胴吹きした樹木は枯死してしまいました その後は ハチジョウススキやオオシマカンスゲなどの草本植物が著しく増加してきました オオシマカンスゲは 火山灰の堆積に埋もれた株が再生したものです 現在 増加傾向が顕著なのは ハチジョウススキ オオバヤシャブシ ヒサカキなどです(図 ハチジョウススキをはじめ 増加している種の多くは 年以前にも普通に生育していた種です しかし キリシマノガリヤスやシマタヌキランのように噴火前には分布が限られていた種も増加しています とくに ユノミネシダ(図 は 噴火前には ほとんど確認されていなかった植物で 噴火後に特異的に増加しました 群生地が火山ガスの影響の強い島の東部にあるので 火山ガスに対する耐性が強い植物と考えられています 現在 火山ガスの放出量は 少しずつ減っているので この先は 新しい姿の森へと変化していくにちがいありません 伊豆諸島はいずれも火山島です 三宅島と同様に火山活動が活発な伊豆大島では 6 年にも噴火しています また 八丈島 神津島などについても有史以降の噴火活動の記録があります その一方で 御蔵島のように 5 年前以降 噴火していない島もあり 3 噴火とともに生きてきた伊豆諸島の植物たち図 三宅島の中腹部での 年噴火後の植生変化 年 ( 写真左 に生えていた樹木の多くは火山ガスの影響で枯れてしまった 7 年 ( 写真右 に群生しているのは オオバヤシャブシとハチジョウススキ 図 群生するユノミネシダ 5 年に撮影 ( 撮影 : 松家大樹
41 ます このような古い島で オオバヤシャブシのような遷移初期種は どこに生えているのでしょうか 一つめの場所は 山頂部や海岸部です 環境条件が厳しく 草原や裸地となっています 三宅島で現在増加しはじめたキリシマノガリヤスなどは 御蔵島でも山頂の岩場やミヤマクマザサの草原で見ることができます 二番目は 山が崩れた急斜面地です 多くの島は 火山活動 侵食 台風 海食などにより 急斜面地が存在します そのような場所には遷移初期種が侵入できます 三番目には 人間の活動エリアです 畑や道など人間が切り開いた土地に侵入し 生息しています オオバヤシャブシやハチジョウススキは 島ではごく身近な植物です 人々は これらの植物を利用してきました オオバヤシャブシは畑に肥料木として植栽されます そして オオバヤシャブシ材を伐採 火入れした後 再び農地として使います これは切替畑と呼ばれ 現在も多くの島で行われています(図 ハチジョウススキは 八丈島では家畜の飼料として利用されています 噴火とともに生きてきた野生植物は 人々の生活も支えてきたという ユニークな側面ももっているのです 3 キーワード一次遷移生態系が完全に破壊された状態から始まる遷移 原則的には 火山の溶岩上や氷河の後退跡などの 植物や土壌がまったくない状態からはじまる 二次遷移山火事跡地や放棄畑のように土壌の植物や土壌中の種子などがあらかじめ存在する状態からはじまる遷移 極相遷移が進行し それ以上変化しなくなった定常状態のこと 溶岩流溶岩が流れ出したもの または それが冷えてかたまったあとにできた地形 図 三宅島の切替畑 手前の作物はアシタバで 奥の樹木はオオバヤシャブシ アシタバは自生の野生植物で 食用となり 伊豆諸島の名産品でもある 伊豆諸島における噴火後の植生の再生 噴火とともに生きる野生植物たち
42 オシダ科のベニシダは 日本本土(本州 四国 九州でもっとも普通に見られるシダ植物種です この種は 無 配生殖と呼ばれる特殊な生殖方法で増えます シダ植物も その大多数は他の高等生物と同様 普通に有性生殖を行います シダ植物の有性生殖では まず 胞子体(複相 n 上の胞 子 嚢 で減数分裂が起こり 単相( n の胞子が形成されます 次に その胞子が発芽して生じた前 葉体( n に造精器と造卵器が形成されます 成熟した前葉体が雨水などに濡れると 精子が造精器から放出され 造卵器中の卵までたどり着き 受精します 受精で生じた接合子( n が細胞分裂をくりかえして発達し 次世代の胞子体( n になります 一方 無配生殖をするシダ植物種では 胞子体上に 正常な減数分裂を経ていない非減数の胞子( n が形成されます この胞子から生じた前葉体( n の一部の細胞から 直接 次世代の胞子体( n が形成されます(図 無配生殖では 子どもは親と遺伝的に同一のもの(クローンばかりになります 遺伝的に多様な子孫を生み出すのに重要な 染色体の減数 と 受 4 生殖様式が異なるシダ植物と噴火活動の関係村上哲明 山本薫(首都大学東京 牧野標本館伊豆諸島には 他の地域ではほとんど見られない準固有種の植物が多数見られる 準固有種の一つであるハチジョウベニシダは 本土に多い普通種のベニシダに比べて古い性質をもっており 有性生殖を行う ハチジョウベニシダが伊豆諸島で生き残ってきたのは 植生を破壊する定期的な火山活動のおかげであるという研究結果が得られた 首都大学東京 大学院理工学研究科生命科学専攻教授 牧野標本館の標本管理責任者 専門は植物と菌類の生物学的種分類 分子系統地理 日本植物学会奨励賞受賞( 3 日本進化学会研究奨励賞受賞( 4 日本植物分類学会学会賞受賞( 4 ベニシダと無配生殖村 上 哲 明
43 精 の つのプロセスがないからです けれども 子孫を増やすことだけに着目すれば 無配生殖は有性生殖よりもはるかに有利です 有性生殖をするシダ植物では 陸上で生活しているにもかかわらず 精子が他の前葉体の卵細胞まで 雨水の中を泳いでいかなければならないからです 実際に 無配生殖で増えるベニシダ(図 は 日本本土に広く分布する普通種なのです ところが 同じベニシダの仲間であっても 伊豆諸島には 準固有種のハチジョウベニシダ(図 3 4 が広く分布しています ハチジョウベニシダは 有性生殖を行い 無配生殖をするベニシダとは別種とされてはいますが 外部形態では区別できません ハチジョウベニシダのほうが葉の裂片が細い傾向が見られるものの ベニシダには 非常にさまざまな葉型のもの 4 有性生殖をするハチジョウベニシダ図 3 ハチジョウベニシダ 有性生殖を行う 八丈島では島中に見られる 本州では沿岸のごく限られた場所にしか見られない ベニシダに比べて葉の裂片が細いといわれるが外見からの識別は困難 図 ベニシダ 無配生殖を行う 本州 四国 九州ではもっとも普通に見られるシダ植物 図 無配生殖を行うシダ植物の生活環 胞子体と配偶体 ( 前葉体 の染色体の数が同じである 有性生殖をするシダ植物は減数分裂を行って 染色体数が胞子体の半数である配偶体をつくり 受精する 生殖様式が異なるシダ植物と噴火活動の関係
44 があるからです さらに 遺伝子を解析しても 共有する遺伝子が多く 区別できません ハチジョウベニシダは 日本本土では沿岸沿いのごくごく限られた場所でしか見られません ところが その名前の通り 八丈島では島中でハチジョウベニシダだけが見られます ただし 伊豆諸島のうち 本州にもっとも近い伊豆大島では ベニシダとハチジョウベニシダの両方が見られます 左はハチジョウベニシダの前葉体 ハート型をしているのは多くのシダ類に共通である 右はそれから発生した次世代の胞子体 大きさは 5cm ほど 図 4 大島の鐙端の森に生育するハチジョウベニシダ 図 5 ハチジョウベニシダの葉の裏の胞子嚢群 右の は胞子嚢から取り出した胞子 有性生殖をするので 64 個の胞子が 胞子嚢に入っている 右の は無配生殖をするベニシダの 胞子嚢中の胞子で 3 個 4
45 ベニシダとハチジョウベニシダは 外部形態では区別できませんが ゲ ノムのセット数が異なります ハチジョウベニシダの胞子体は 倍体で 組のゲノムをもち ベニシダの胞子体は 3 倍体で 3 組のゲノムをもちます ですから つの細胞(または つの核の D N A 量を調べれば 両者は識別できます しかし もっと簡単に 両者を識別する方法があったのです それは 胞子嚢あたりの胞子数を数えることです(図 5 有性生殖をするシダ植物では 胞子が形成される際に 胞子嚢中で 個の胞原細胞が体細胞分裂を 4 回行い 6 個の胞子母細胞が形成されます 次に それぞれの胞子母細胞で 減数分裂(第一 第二の 回の連続した細胞分裂が起こり 胞子嚢中に 64 個の胞子が形成されます 一方 無配生殖をするシダ植物では 胞原細胞が形成される最後の段階で細胞分裂のみが 回省略され ゲノム量の倍加した 個の胞原細胞が形成され それから減数分裂が起こるので 胞子嚢あたりの胞子数は半数の 3 個になります したがって 胞子嚢あたりの胞子数が 3 個か 64 個かを調べることで その個体が無配生殖をするか 有性生殖をするかを推定できます 胞子をつけていれば 押し葉標本でも推定できますし 実体顕微鏡さえあれば野外でも調べられる とても便利な方法です 私たちは 首都大学東京の牧野標本館と国立科学博物館の植物標本庫に所蔵されているベニシダ類の押し葉標本の胞子数を数え 伊豆諸島におけるハチジョウベニシダとベニシダの分布を調べました その結果 伊豆諸島では ハチジョウベニシダのほうがベニシダよりもはるかに普通であることがはっきりわかりました(図 6 伊豆大島では両者が拮抗するかたちで共存していました そこで 現地での両者の分布を詳しく調査してみると ベニシダが多数派であることがわかりました ベニシダだけの集団は存在しましたが ハチジョウベニシダ図 6 伊豆諸島における無配生殖を行うベニシダ ( 青色 と有性生殖を行うハチジョウベニシダ ( 赤色 の分布の割合 (Yamamoto ら 43 生殖様式の識別方法伊豆諸島と伊豆大島におけるハチジョウベニシダとベニシダの分布生殖様式が異なるシダ植物と噴火活動の関係
46 だけの集団は存在しませんでした また ハチジョウベニシダは島の東部に集中して分布していることがわかりました(図 7 伊豆大島は これまでの地質学的な研究から 各地でもっとも最近に溶岩が流れた時代がわかっています そこで 溶岩が流れた年代とベニシダ類の分布との関係を調べてみました(図 7 すると 比較的最近( 3 年前に溶岩が流れた地域に ハチジョウベニシダが多く見られることがわかりました また 近くを溶岩が流れて影響が大きかった地域では ハチジョウベニシダがより多く見られました シダ植物の配偶体は造卵器と造精器の両方をつけますが 一つの配偶体内では通常 受精できません ハチジョウベニシダも同じで 配偶体に形成された精子は 別の配偶体の造卵器まで泳がなければ受精できません 溶岩流によりすべての植物が壊滅し そこから植生が徐々に回復していくとき 無配生殖をするベニシダなら 外から胞子が 個飛んでくるだけで 子孫を増やすことができます 一方 ハチジョウベニシダでは 少なくとも つの胞子が飛んできて別々の配偶体をつくる必要があります しかも 両者は m 以内の距離になければなりません それ以上離れると 精子が隣の配偶体まで泳ぎ着くことができないからです いかにも ベニシダの方が溶岩流の上では増えやすそうに思えます しかし 実際には逆で 最近溶岩が流れた場所にのみハチジョウベニシダが分布しているのです そもそも増えるだけなら無配生殖の方が圧倒的に有利です しかし 無配生殖をすると 子孫は親と同一の性質をもったものばかりになります 一方 有性生殖をすると一組の親からでもさまざまな性質をもった(明るい環境下での成長速度 乾燥や病虫害に対する耐性の程度等が異なる子孫が生まれます 溶岩が流れた場所は 裸地から遷移が進んでいきます このように次々と変化していく環境下では 多様な性質をもった子孫が生まれる有性生殖の方が有利になる可能性があるといわれています(メイナード スミス 5 いずれにしても 進化の過程では 有性生殖をしていたものに突然変異が起こり 無配生殖をするものが生まれたと考えられます つまり ハチジョウベニシダの方が もともとの性質を昔から維持してきた より原始的な種なのです ハチジョウベニシダから二次的に生じたベニシダは 有性生殖をやめたことで 個体数を増やしやすくなったため 日本本土全体に分布 44 準固有種のハチジョウベニシダは 火山活動のおかげで生き延びてきた?
47 を広げたと考えられます その一方で ハチジョウベニシダが伊豆諸島に残存していることは興味深い事実です 火山活動は すべての生物を壊滅させるだけのように思われがちですが 反対に 原始的な性質をもっている準固有種を生きながらえさせてきたことになるからです 定期的な火山活動があるからこそ 貴重な固有種や準固有種が維持されているといえるのです 45 キーワード無配生殖シダ植物が行う無性生殖 有性生殖から正常な減数分裂と受精のプロセスが抜けたもの 前葉体シダ植物における配偶体(精子や卵といった配偶子をつくるもの ハート型の小さなコケのような形状 準固有種その地域では普通に見られる場合もあるが 他の地域ではごくまれにしか見られない種 ゲノム生きるために必要な 必要最小限の遺伝子のセット 図 7 伊豆大島における 溶岩流の年代とベニシダ類の分布の関係 円グラフはベニシダ ( 青色 とハチジョウベニシダ ( 赤色 の分布の割合 オレンジ色の部分はおよそ 3 年前に溶岩が流れたエリアで この周辺にハチジョウベニシダが多い ( 山本ら 未発表データ 生殖様式が異なるシダ植物と噴火活動の関係
48 伊豆諸島と小笠原諸島の植物を知るための参考図書(刊行年順東京都利島村役場著 利島の鳥 利島の植物 (東京都利島村役場 大島自然愛好会著 伊豆大島の植物 (大島町 小笠原野生生物研究会著 小笠原の植物フィールドガイド (風土社 ダニエルロング 稲葉慎編著 小笠原ハンドブック 小笠原シリーズ (南方新社 4 神奈川県立生命の星 地球博物館 東洋のガラパゴス小笠原 固有生物の魅力とその危機 特別展図録 解説( 4 東京都御蔵島村編 みくらの森は生きている (東京都御蔵島村 5 B IR D E R 編集部編 三宅島の自然ガイド (文一総合出版 7 可知直毅 安部哲人 杉浦真治編 小笠原における外来種対策とその生態系影響 地球環境 V o lu m e 4, N o. (国際環境研究協会 ( h tp :/ / w w w ȧ ir ie s ȯ r.jp / p u b lic a tio n / e a r th / e a r th 4 _ ḣ tm l から無料でダウンロード可小笠原野生生物研究会著 小笠原の植物フィールドガイド (風土社 樋口秀司編 伊豆諸島を知る辞典 (東京堂出版 有川美紀子著 宇津孝写真 小笠原自然観察ガイド(改訂版 (山と溪谷社 清水善和著 小笠原諸島に学ぶ進化論 (技術評論社 八丈島インタープリテーション協会編 八丈島の植物ガイドブック(改訂版 (八丈島観光振興実行委員会発行 各章の参考図書(刊行年順伊豆諸島と小笠原諸島の概要 島の成立過程と自然環境 生物相の概観 ( P 6 3 奥富清 梶原洋一著 伊豆諸島植生の特質 宮脇昭編 日本植生誌関東 (至文堂 6 可知直毅著 世界自然遺産 小笠原の過去, 現在, 未来 科学 V o ḷ N o. (岩波書店 小笠原諸島と伊豆諸島の植生と固有植物種( P 4 御蔵島村教育委員会 フィールド図鑑御蔵島の植物 動物 (東京都御蔵島村 7 七島花の会 神津島著 伊豆七島フィールドノート神津島花図鑑 (日本出版ネットワーク 46 参考文献
49 遺伝子からみた小笠原の野生植物の生態とその保全( P 7 豊田武司編著 小笠原植物図譜(増補改訂版 (アボック社 3 谷尚樹ら著 小笠原諸島における絶滅危惧種オガサワラグワの保全遺伝学と保全計画の立案 生物科学 V o ḻ u m e 5, N o.3 (農山漁村文化協会 大谷雅人ら著 小笠原諸島固有ヤシ科植物オガサワラビロウには つの隠蔽種が含まれる? 遺伝構造および形態データによる検証 (日本生態学会第 57 回 花と昆虫の関係から小笠原の生態系の異変を見る( P 33 トーマス D スィーレイ著 大谷剛訳 ミツバチの生態学 社会生活での適応とは何か (文一総合出版 種生物学会編 共進化の生態学 生物間相互作用が織りなす多様性 (文一総合出版 伊豆諸島における噴火後の植生の再生 噴火とともに生きる野生植物たち ( P 34 3 国土庁土地局 土地保全図三宅島地区 ( 7 上條隆志著 三宅島の植物図鑑 三宅島 年噴火後の植生遷移 上條隆志著 火山島の一次遷移 重定南奈子 露崎史朗編著 攪乱と遷移の自然史 (北海道大学出版会 上條隆志著 森の遷移 中村徹編著 森林学への招待 (筑波大学出版会 生殖様式が異なるシダ植物と噴火活動の関係( P 4 45 山本明 中池敏之著 ハチジョウベニシダについて (国立科学博物館研究報告 B 類(植物学 3 中池敏之 山本明著著 伊豆大島におけるベニシダ類の観察 (国立科学博物館研究報告 B 類(植物学 4 J メイナード スミス著 寺本英 梯正之訳 進化とゲーム理論 (産業図書 5 岩槻邦男編 日本の野生植物シダ (平凡社 倉田悟 中池敏之編 新装版 日本のシダ植物図鑑 4 (東京大学出版会 4 国土地理院 火山土地条件図伊豆大島 ( 6 関連ホームページ小笠原自然情報センター h tp :/ / o g a s a w a r a īn fo.jp 首都大学東京小笠原研究委員会 h tp :/ / w w w ṫm u ō g a s a w a r a.jp 47
50 4 東京都の島の植物と生物多様性 伊豆諸島から小笠原まで 社団法人日本植物学会編責任編集可知直毅 村上哲明 一一三 〇〇三三東京都文京区本郷二 二七 二電話〇三 三八一四 五六七五 h tp :/ / b s jȯ r.jp / in d e x -jṗ h p 年 月 日発行編集協力河合佐知子デザイン 印刷(株相模プリント 二五二 〇一四四相模原市緑区東橋本一 一四 一七電話〇四二 七七二 一二七五 社団法人日本植物学会
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Microsoft PowerPoint - 一般パンフ(最終版)センター版
笠原諸島森林生態系保護地域林野庁関東森林管理局小後世に 残したい自然 Ⅰ はじめに 小笠原諸島は過去に一度も大 陸と陸続きになったことがない 海洋島で 独自の進化を遂げ 他では見られない貴重な野生動 植物が生息 生育する森林が多 く残されています 一方 人為的影響を受けやす い非常にぜい弱な地域です 父島 夜明山の乾性低木林 小笠原諸島の固有種が数多く生息 生育する独自の生態系です 小笠原諸島の生き物たち
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アマミノクロウサギ保護増殖事業計画 平成 27 年 4 月 21 日 文部科学省 農林水産省 環境省 アマミノクロウサギ保護増殖事業計画 文部科学省 農林水産省 環境省 第 1 事業の目標 アマミノクロウサギは 奄美大島及び徳之島にのみ生息する 1 属 1 種の我が国固有の種である 本種は 主に原生的な森林内の斜面に巣穴を作り これに隣接した草本類等の餌が多い沢や二次林等を採食場所として利用している
Microsoft Word - 【セット版】別添資料2)環境省レッドリストカテゴリー(2012)
別添資料 2 環境省レッドリストカテゴリーと判定基準 (2012) カテゴリー ( ランク ) 今回のレッドリストの見直しに際して用いたカテゴリーは下記のとおりであり 第 3 次レッド リスト (2006 2007) で使用されているカテゴリーと同一である レッドリスト 絶滅 (X) 野生絶滅 (W) 絶滅のおそれのある種 ( 種 ) Ⅰ 類 Ⅰ 類 (hreatened) (C+) (C) ⅠB
Microsoft Word - 11 進化ゲーム
. 進化ゲーム 0. ゲームの理論の分類 これまで授業で取り扱ってきたゲームは 協 ゲームと呼ばれるものである これはプレイヤー同士が独立して意思決定する状況を表すゲームであり ふつう ゲーム理論 といえば 非協力ゲームを表す これに対して プレイヤー同士が協力するという前提のもとに提携形成のパタンや利得配分の在り方を分析するゲームを協 ゲームという もっとも 社会現象への応用可能性も大きいはずなのに
分野別研究 三宅島の植物 田中茂平林英典田中光枝中山厚志 1 はじめに 三宅島では 黒潮の影響を受けてスダジイやヤブツバキ サカキカズラなど暖地性の植物をよく見ることができる また ガクアジサイ シマホタルブクロ オオムラサキシキブなど伊豆諸島に特有の植物も数多く見られる ハマゴウやトベラなど海岸性
分野別研究 三宅島の植物 田中茂平林英典田中光枝中山厚志 1 はじめに 三宅島では 黒潮の影響を受けてスダジイやヤブツバキ サカキカズラなど暖地性の植物をよく見ることができる また ガクアジサイ シマホタルブクロ オオムラサキシキブなど伊豆諸島に特有の植物も数多く見られる ハマゴウやトベラなど海岸性の植物が多いのも特徴 またもう一つの側面としては古くから火山活動が活発で 1940, 1962, 1983
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資料 2 セイヨウオオマルハナバチの代替種の利用方針 について 環境省農林水産省 トマト等の栽培におけるマルハナバチの利用 マルハナバチは 90 年代から導入 トマト等の授粉の省力化に寄与 日本における送粉サービスの経済価値は約 4,700 億円 このうち 53 億円が施設マルハナバチ (( 国研 ) 農研機構農業環境変動研究センターの推計値 ) 写真 : 神戸裕哉 ホルモン剤 ( トマトトーン )
ンゴ類及びその他底生生物 ) の生息状況を観察した ジグザグに設置したトランセクト ( 交差することのないよう, かつ, 隣り合う調査線の視野末端が重複するように配置された調査線 ) に沿って ROV を航走させ トランセクト上に宝石サンゴがあった場合は 位置 種 サイズ等を記録した 同時に海底の操
平成 26 年度小笠原諸島周辺海域宝石サンゴ緊急対策事業報告書 1. 背景と目的宝石サンゴは 日本国内では 東京都 ( 小笠原諸島 ) や高知県等の小規模漁業者にとって重要な収入源となっているところであるが 非常に成長が遅く乱獲に弱い資源であることから 東京都や高知県等では知事が定める漁業調整規則により許可制とし 許可隻数や漁具 操業時間に規制を設ける等 漁業の管理を行ってきた しかしながら 中国市場における宝石サンゴの価格上昇を背景に
01-01-05海洋_野崎.indd
56!"#!"#!$%&'()*+,--...$/ "01!21!3..."45"4 第 5 節 海洋生物の分布とその特殊性 日本海岸 満潮線 干潮線 潮位 平均潮位 太平洋 満潮線 平均潮位 干潮線 図 1 日本近海の海流 黒矢線は暖流 細破線は寒流の流路を示す 色域は表層において暖流系の水の卓越する範囲 色域は寒流 系の水の卓越する範囲 文献 1 をもとに作図 図 2 非調和型 上 金沢 と調和型
生物は繁殖において 近い種類の他種にまちがって悪影響を与えることがあり これは繁殖干渉と呼ばれています 西田准教授らのグループは今まで野外調査などで タンポポをはじめとする日本の在来植物が外来種から繁殖干渉を受けていることを研究してきましたが 今回 タンポポでその直接のメカニズムを明らかにすることに
平成 25 年 9 月 24 日 セイヨウタンポポはなぜ強い? - 在来植物が外来種に追いやられるメカニズムを発見 - ポイント 外来種によって在来種が置き変ってしまうという現象の至近メカニズムを解明 外来種問題への対策につながり 生物多様性の保全に役立つ可能性 概要 名古屋大学博物館の西田佐知子准教授と大学院理学研究科の金岡雅浩助教のグループ * は 在来の植物が外来種に追いやられるメカニズムをタンポポで明らかにしました
1 アライグマの 分布と被害対策 1 アライグマの分布 1977 昭和52 年にアライグマと少年のふれあいを題材とし たテレビアニメが全国ネットで放映されヒット作となった それ 以降 アライグマをペットとして飼いたいという需要が高まり海 外から大量に輸入された しかしアライグマは気性が荒く 成長 す
3 中型獣の生態と特徴 41 1 アライグマの 分布と被害対策 1 アライグマの分布 1977 昭和52 年にアライグマと少年のふれあいを題材とし たテレビアニメが全国ネットで放映されヒット作となった それ 以降 アライグマをペットとして飼いたいという需要が高まり海 外から大量に輸入された しかしアライグマは気性が荒く 成長 すると飼育が困難なため飼い主が自然環境に遺棄したり 飼育施 設から逃亡する個体もあり
火山活動解説資料平成 31 年 4 月 19 日 19 時 40 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24
の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24 分に再びごく小規模な噴火が発生し 噴煙は火口縁上 500mまで上がりました 本日 九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では 中岳第一火口から白色の噴煙が上がっているのを確認しましたが
鹿児島県三島 黒島の植物採集記録 大屋哲 寺田仁志 鹿児島県立博物館 KAGOSHIMA PREFECTUAL MUSEUM KAGOSHIMA,JAPAN
鹿児島県三島 黒島の植物採集記録 大屋哲 寺田仁志 鹿児島県立博物館 KAGOSHIMA PREFECTUAL MUSEUM KAGOSHIMA,JAPAN 鹿児島県立博物館研究報告 ( 第 31 号 ):1 4,2012 鹿児島県三島 黒島の植物採集記録 * ** 大屋哲 寺田仁志 The report of the plant collection on Kuro-shima,Kagoshima
第4期中長期計画成果6
ISBN: 978-4-905304-76-0 日本にもあるトリュフ 人工栽培化に向けて 国立研究開発法人森林総合研究所 Forestry and Forest Products Research Institute 第 4 期中長期計画成果 6( 育種 生物機能 -1) はじめに トリュフは西洋料理には欠かせない高級食材となるキノコです キノコと言えば地面から上にカサを広げている姿を思い浮かべますが
植物が花粉管の誘引を停止するメカニズムを発見
植物が花粉管の誘引を停止するメカニズムを発見 植物の受精では多精拒否の仕組みがあるが これまでそのメカニズムは謎であった 2 つの生殖細胞 ( 卵細胞と中央細胞 ) が独立して花粉管誘引停止を制御することを発見 別々の花粉と受精する ヘテロ受精 に成功 新しい雑種を作る技術の応用に道 JST 課題解決型基礎研究の一環として 名古屋大学 WPI トランスフォーマティブ生命分子研究所の丸山大輔研究員 JST
確認テスト解答_地理 indd
解答 編 No. 1 ❶ 私たちが生活する地球をとらえる 教科書 P.2~3 1 A B C D E F No. 2 ❷ 世界の国を知る1 教科書 P.4~5 1 No. 3 ❸ 世界の国を知る2 教科書 P.6~7 1 3 No. 4 ❹ 緯度 経度のしくみを知る 教科書 P.8~9 1 No. 5 ❺ 地球儀と地図を活用する 教科書 P.10~11 1 2 C A B エ ウ No. 6 ❶ アジア州の自然環境
バンカーシート 利用マニュアル 2017年版(第一版)
施設野菜の微小害虫と天敵カブリダニ 施設野菜での微小害虫問題 中央農業研究センター 石原産業 ( 株 ) 施設のイチゴではハダニ類が多発し 問題となる 施設のキュウリ ナス サヤインゲンでも アザミウマ類やコナジラミ類などの被害や媒介ウイルス病が問題となる これらの害虫は薬剤抵抗性が発達しやすく 農薬での防除は難しい カブリダニ類は有力な天敵であるが 放飼時期の見極めや農薬との併用などが難しく これらの施設作物では利用が進んでいない
小笠原諸島ってどんなところ 小笠原の地理 小笠原諸島は 東京から約 1,000km 南にある 30 あま 水量は約 1,300mm と東京よりやや少なめです 多くの島 りの島々の総称で 島の誕生以来大陸と陸続きとなったこと のうち 一般の人が住んでいるのは父島 約 2,000 人 と母 がない海洋島
小笠原諸島ってどんなところ 小笠原の地理 小笠原諸島は 東京から約 1,000km 南にある 30 あま 水量は約 1,300mm と東京よりやや少なめです 多くの島 りの島々の総称で 島の誕生以来大陸と陸続きとなったこと のうち 一般の人が住んでいるのは父島 約 2,000 人 と母 がない海洋島です 北から 聟島列島 父島列島 母島列 島 約 450 人 のみです 島 さらに 250km ほど南に火山
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第1部 わかやまの貴重な動植物 1 選定の考え方 () 対象種 県内域に生息 生育する陸産 淡水産及び汽水産の野生動植物とする ただし 海域を生息域とするウミガメについては 産卵地が県内域で確認されている種を 選定の範疇に含めた 原則として外来種や飼育種 栽培種は除外するが これらに該当する種であって も 県内域において野生状態で安定的に生息 生育している種については対象とす る () 選定基準 次の選定基準に基づき
はじめての進化論 河 田 雅 圭 このサイトは 1990年講談社発行の はじめての進化論 の全文を掲載しています 著作権は著者である河田雅圭にあ ります 個人での非商用利用 大学などの教育機関での利用 サークルやセミナーでの利用に限ってコピーを許可しま す すべての本文 図 写真の商用による無断転載を禁止します 引用は河田(1990) はじめての進化論 講談社でお 願いします なを 本内容は 1989年に書かれたものであり
森林科学59号表紙
ISSN 0917-1908 特 集 広葉樹林への誘導の可能性 シリーズ 森めぐり 新連載 マレーシアサラワク州ニア森林保護区 高知大学演習林 嶺北フィールド うごく森 北上するマツ材線虫病 現場の要請を受けての研究 サンブスギ間伐手遅れ林分管理指針の作成 June 59 2010 et al bemban 7 図 _2 東北地方における市町村別マツ材線虫病被害分布の変遷
国土技術政策総合研究所 研究資料
第 1 編在来野草の緑化利用に関する技術資料 第 1 章総則 1.1 在来野草の導入の目的緑化資材や園芸品種として輸入されたり 種子等が別の輸入品に付着するなどして国内に持ち込まれた外来植物は 一部が導入箇所から逸脱し 旺盛に繁茂する事例が見られるようになった その中には 繁殖力が強く 繁殖先で在来野草の生息環境を奪うような草種もあり 例えばオオキンケイギクなど外来生物法 ( 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律公布日
Microsoft Word - PRESS_
ニュースリリース 平成 20 年 8 月 1 日千葉大学大学院園芸学研究科 新たな基盤転写 (RNA 合成 ) 系の発見 原始生物シゾンで解明されたリボゾーム RNA 合成系進化のミッシングリンク < 研究成果の概要 > 本学園芸学研究科の田中寛教授 今村壮輔 JSPS 特別研究員 華岡光正東京大学研究員は 植物に残されていた始原的なリボゾーム RNA 合成系を発見し これまで不明だったリボゾーム
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遺伝学的手法を用いたロクアイタンポポ ( 仮称 ) の同定法について 神戸市立六甲アイランド高校 井上真緒沙原杏樹辻青空 1. 研究背景 2004 年六甲アイランド高校の校内と周辺で発見されたロクアイタンホポ ( 仮称 ) は 雑種タンポポの可能性が高いが いまだにはっきりした定義がされていない 特徴は直径約 6cm の黄色の頭花をもつ巨大タンポポで 総苞外片は幅が広く 先端部はわずかに角状突起があり
世界自然遺産小笠原諸島管理計画 新旧対照表 目次 1. はじめに 新 (2018 年 3 月 ) 旧 (2010 年 1 月 ) 目次 1. はじめに 2. 計画の基本的事項 (1) 管理計画策定の目的 (2) 管理計画の対象範囲 (3) 管理計画の期間 (4) 管理計画実行の考え方 3. 世界自然
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CSRコミュニケーションブック
地域との 地域とともに 森を育て守っています 共生を目指して 全国に広がる森林保全活動 JTの森 JTグループは 事業活動において葉たばこ 紙 野菜 茶葉などを原材料として使用しており 事業を支える自然の恵みに 対する感謝の想いと企業の社会的責任の観点から 森林保全活動 JTの森 に取り組んでいます JTの森 は国内各地の森林 を一定期間借り受け 専門家や地元の方々との対話を重ねながら 森づくりに必要な手入れを支援するしくみです
図 Ⅳ-1 コマドリ調査ルート 100m 100m 100m コマドリ調査ルート 図 Ⅳ-2 スズタケ調査メッシュ設定イメージ 17
Ⅳ コマドリ調査 ( スズタケとの相互関係調査 ) 1. 目的近年 夏季の大台ヶ原へのコマドリの飛来 繁殖状況は 生息適地であるスズタケを含む下層植生の衰退に伴い悪化している しかしながら ニホンジカの個体数調整 防鹿柵設置等の取組により コマドリの生息適地となるスズタケを含む下層植生の回復が確認され始めていることから コマドリの飛来 繁殖状況が回復することが予測される 今後の自然再生の状況をモニタリングする観点から
気候変化レポート2015 -関東甲信・北陸・東海地方- 第1章第4節
第 4 節富士山 父島 南鳥島の気候変化 4.1 富士山 父島 南鳥島の地勢富士山 ( 標高 3776m) は 日本一の名山として万葉集などの古歌にもうたわれる日本の最高峰で 山梨県と静岡県にまたがる成層火山である 昭和 7 年 (1932 年 ) に 中央気象台 ( 現気象庁 ) が臨時富士山頂観測所を開設した その後 富士山測候所が山頂の剣が峰に設置され 平成 20 年 10 月 1 日からは特別地域気象観測所に移行して気象観測が続けられている
Microsoft Word 御蔵島講演会の原稿_改訂版1.docx
Mikurensis (2017) Vol.6, pp. 40-46 みくらしまの科学 伊豆諸島の植物の固有性と保全 上條隆志 筑波大学生命環境系 茨城県つくば市天王台 1-1-1 はじめに伊豆諸島は相模湾の南方海上の火山島からなる島々からなり 2000 年に噴火した三宅島や 島全体が自然性の高い森林に覆われる御蔵島など様々な島からなる 伊豆諸島独自の植物も多く ハチジョウイタドリ Fallopia
Microsoft Word - ⑦内容C【完成版】生物育成に関する技術.doc
内容 C 生物育成に関する技術 (1) 生物の生育環境と育成技術について, 次の事項を指導する 項目 ここでは, 生物を取り巻く生育環境が生物に及ぼす影響や, 生物の育成に適する条件及び育成環境を管理する方法を知ることができるようにするとともに, 社会や環境とのかかわりから, 生物育成に関する技術を適切に評価し活用する能力と態度を育成することをとしている ア生物の育成に適する条件と生物の育成環境を管理する方法を知ること
小笠原諸島の自然再生における 絶滅危惧種の域内域外統合的保全手法の開発 (4-1402) I. 成果の概要 i 1. はじめに ( 研究背景等 ) 2. 研究開発目的 3. 研究開発の方法 4. 結果及び考察 5. 本研究により得られた主な成果 6. 研究成果の主な発表状況 7. 研究者略歴 II.
Environment Research and Technology Development Fund 環境省環境研究総合推進費終了研究等成果報告書 小笠原諸島の自然再生における絶滅危惧種の域内域外統合的保全手法の開発 (4-1402) 平成 26 年度 ~ 平成 28 年度 Integrated Approach of In-situ and Ex-situ Conservation of Threatened
PowerPoint プレゼンテーション
世界遺産とは 条約 : 世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約 目的 : 顕著で普遍的な価値を有する遺跡や自然地域などを人類全体のための世界の遺産として保護 保存し 国際的な協力及び援助の体制を確立する 採択 : 1972 年 ( 我が国は 1992 年に締結 ) 締約国数 : 191 ヶ国 (2015 年 11 月現在 ) 事務局 : UNESCO 世界遺産センター ( パリ ) 世界遺産
Taro-プレミアム第66号PDF.jtd
ソフトテニス誰でも 10 倍上達しますプレミアム PDF 版 no66 攻め 守りの新機軸 著作制作 :OYA 転載転用禁止です 2013/2/25 編 1, 攻め 守り後衛と対峙する前衛にとっては 相手後衛が攻撃してくるのか 守ってくるのかは とても重要な問題です 相手後衛が攻めてくるのであれば ポジション的に守らなければならないし 相手が守りでくるならば スマッシュを待ったり 飛び出したりする準備をしなければいけません
EBNと疫学
推定と検定 57 ( 復習 ) 記述統計と推測統計 統計解析は大きく 2 つに分けられる 記述統計 推測統計 記述統計 観察集団の特性を示すもの 代表値 ( 平均値や中央値 ) や ばらつきの指標 ( 標準偏差など ) 図表を効果的に使う 推測統計 観察集団のデータから母集団の特性を 推定 する 平均 / 分散 / 係数値などの推定 ( 点推定 ) 点推定値のばらつきを調べる ( 区間推定 ) 検定統計量を用いた検定
ダンゴムシの 交替性転向反応に 関する研究 3A15 今野直輝
ダンゴムシの 交替性転向反応に 関する研究 3A15 今野直輝 1. 研究の動機 ダンゴムシには 右に曲がった後は左に 左に曲がった後は右に曲がる という交替性転向反応という習性がある 数多くの生物において この習性は見受けられるのだが なかでもダンゴムシやその仲間のワラジムシは その行動が特に顕著であるとして有名である そのため図 1のような道をダンゴムシに歩かせると 前の突き当りでどちらの方向に曲がったかを見ることによって
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3 2003 2004 2012 1998 1984 1999 2012 60 1998 30 32 2010 1864 2012 1990 ( ) 105 1903 1989 130 1837 1989 1990 2009 1989 1989 1998 1980 90 2009 2009 1998 1980 90 1994 191p 1989 1994 184p. 1989 1990 2012 (
877 スギ花粉の放出と拡散過程に関する研究 第6図 関東地方におけるスギ花粉飛散量分布のシミュレーション 点の多い所ほど 花粉濃度が高く計算 された地域 果 これらの花粉が遠く離れたアフリカ南端や さら 4 1 スギ花粉の発生と拡散過程のモデル化 に遠い南アメリカから 卓越する西風によって輸送さ わが国には 世界的にも他に類を見ない空間的に密 れたものであることを明らかにした スギ花粉の拡散 な気象観測システムであるアメダス
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教育実践学研究 23,2018 1 Studies of Educational Psychology for Children (Adults) with Intellectual Disabilities * 鳥海順子 TORIUMI Junko 要約 : 本研究では, の動向を把握するために, 日本特殊教育学会における過去 25 年間の学会発表論文について分析を行った 具体的には, 日本特殊教育学会の1982
Hi-level 生物 II( 国公立二次私大対応 ) DNA 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U
1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U: ウラシル (RNA に含まれている塩基 DNA にはない ) イ. シャルガフの規則 二本鎖の DNA に含まれる A,T,G,C の割合は,A=T,G=C となる 2.DNA の半保存的複製 ア.
1 BCM BCM BCM BCM BCM BCMS
1 BCM BCM BCM BCM BCM BCMS わが国では BCP と BCM BCM と BCMS を混同している人を多く 見受けます 専門家のなかにもそうした傾向があるので BCMS を正 しく理解するためにも 用語の理解はきちんとしておきましょう 1-1 用語を組織内で明確にしておかないと BCMS や BCM を組織内に普及啓発していく際に齟齬をきたすことがあります そこで 2012
1 巡目調査 ( 平成 3~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) ゲンジボタルの確認された調査地区 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 6-61
6.5 注目すべき種の分布状況ここでは私たちにとって馴染み深い昆虫類の確認状況や 水域と陸域との接点である水際域に特徴的な種の確認状況を整理しました なお 前回 前々回調査との比較は 調査の範囲や時期 回数などの条件が必ずしも同一ではありません また 移動性の高い種や 限られた季節にしかみられない種もあることから 比較結果は同一河川での消長を示すものではなく 全国的な傾向を示したものです ゲンジボタルとヘイケボタルの確認状況
Microsoft Word - 表紙・奥付
特定外来生物 ( 鳥類 ) ガビチョウ (Garrulax canorus) 1 カオジロガビチョウ (Garrulax sannio) 2 カオグロガビチョウ (Garrulax perspicillatu) 3 ソウシチョウ (Leiothrix lutea) 4 * 用語解説 5 ガビチョウ 学名 : Garrulax canorus 英名 : Hawamei, Melodius laughing
概論 : 人工の爆発と自然地震の違い ~ 波形の違いを調べる前に ~ 人為起源の爆発が起こり得ない場所がある 震源決定の結果から 人為起源の爆発ではない事象が ある程度ふるい分けられる 1 深い場所 ( 深さ約 2km 以上での爆発は困難 ) 2 海底下 ( 海底下での爆発は技術的に困難 ) 海中や
地震波からみた自然地震と爆発の 識別について 平成 22 年 9 月 9 日 ( 財 ) 日本気象協会 NDC-1 概論 : 人工の爆発と自然地震の違い ~ 波形の違いを調べる前に ~ 人為起源の爆発が起こり得ない場所がある 震源決定の結果から 人為起源の爆発ではない事象が ある程度ふるい分けられる 1 深い場所 ( 深さ約 2km 以上での爆発は困難 ) 2 海底下 ( 海底下での爆発は技術的に困難
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[ 博士論文概要 ] 平成 25 年度 金多賢 筑波大学大学院人間総合科学研究科 感性認知脳科学専攻 1. 背景と目的映像メディアは, 情報伝達における効果的なメディアの一つでありながら, 容易に感情喚起が可能な媒体である. 誰でも簡単に映像を配信できるメディア社会への変化にともない, 見る人の状態が配慮されていない映像が氾濫することで見る人の不快な感情を生起させる問題が生じている. したがって,
< 染色体地図 : 細胞学的地図 > 組換え価を用いることで連鎖地図を書くことができる しかし この連鎖地図はあくまで仮想的なものであって 実際の染色体と比較すると遺伝子座の順序は一致するが 距離は一致しない そこで実際の染色体上での遺伝子の位置を示す細胞学的地図が作られた 図 : 連鎖地図と細胞学
グループ A- : 染色体地図とは 染色体地図とは 染色体上での遺伝子の配置を示したものである 連鎖地図と細胞学的地図の 2 種類がある < 染色体地図 : 連鎖地図 ) > 染色体地図 : 染色体上の遺伝子座 ( または遺伝子 ) の位置関係を示した地図ある遺伝子座がどの染色体上にあるのか その染色体のどの位置にあるのかこれらを明らかにすれば染色体地図が書ける A C F R 14% 12% 4%
2. 尖閣諸島魚釣島の自然の現状について (1) 野生化ヤギ問題の発生とその後の経緯 魚釣島のヤギは日本の民間政治団体が 1977 年に 放逐した雌雄各 1 頭に由来する 戦前の開拓時にも ヤギの放牧が行われていたが 1978 年の航空写真 にはヤギによる影響がみられない 離島に放逐され たヤギが著
衆議院決算 行政監視委員会 (2012 年 6 月 11 日 ) 配布資料 尖閣諸島魚釣島の自然の価値とその現状について 1. 尖閣諸島魚釣島の自然の価値について (1) 固有種など魚釣島は僅か 3.8 km 2 の小島嶼ながら 面積の割に高度があり (362 m) 島内には小流を含む陸水環境も見られる そのためかこれまでの比較的限られた調査の中でさえ 13 もの固有種 2 つの固有変種 ( 表 1)
テーマ 67 ラウンケルの生活形 A 次の文章の空欄 1~8に適語を入れよ 植物は (1) や乾燥など生育に適さない厳しい環境下にあるとき, 成長を停止し, それに耐える (2) と呼ばれる芽をつくる デンマークの (3) は,2をつける位置の違いにより, 植物の生活形を次のように分類した (4)
テーマ 66 植物の生活形 A 1 ある地域に生育する植物の集まりを何というか A 21 は気候的な要因に大きく影響され, その地域の気候に応じたさまざまなものが みられる 主な気候要因を 2 つ答えよ A 31 の外観上の様相を何というか A 次の文章の空欄 4~6に適語を入れよ 1は3によって,(4),(5),(6) に大別される 降水量の多い地域には樹木の生えた 4が成立し, 降水量の少ない地域は主に草本植物からなる5となり,
化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典
報道機関各位 2013 年 6 月 19 日 日本神経科学学会 東北大学大学院医学系研究科 マウスの超音波発声に対する遺伝および環境要因の相互作用 : 父親の加齢や体外受精が自閉症のリスクとなるメカニズム解明への手がかり 概要 近年 先進国では自閉症の発症率の増加が社会的問題となっています これまでの疫学研究により 父親の高齢化や体外受精 (IVF) はその子供における自閉症の発症率を増大させることが報告されています
Microsoft PowerPoint - OSJ2010和文論文集会_ueta.ppt
査読対応の実際 心構え バードリサーチ植田睦之 投稿論文が戻ってくると 編集者の手紙 査読者 A のコメント 査読者 B のコメント たいてい, 編集者と査読者 2 名のコメントと送った原稿が帰ってくる 論文のその後の行方 マイナーチェンジの場合 査読対応をすると掲載される 大きな変更の場合 査読対応の後に編集者が判断し, 掲載されるかどうかが決まる 再度査読を受ける場合も多い 却下の場合 コメントを参考に修正して,
早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文概要書 論文題目 ネパール人日本語学習者による日本語のリズム生成 大熊伊宗 2018 年 3 月
早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文概要書 論文題目 ネパール人日本語学習者による日本語のリズム生成 大熊伊宗 2018 年 3 月 本研究は ネパール人日本語学習者 ( 以下 NPLS) のリズム生成の特徴を明らかにし NPLS に対する発音学習支援 リズム習得研究に示唆を与えるものである 以下 本論文 の流れに沿って 概要を記述する 第一章序論 第一章では 本研究の問題意識 意義 目的 本論文の構成を記した
Excelによる統計分析検定_知識編_小塚明_5_9章.indd
第7章57766 検定と推定 サンプリングによって得られた標本から, 母集団の統計的性質に対して推測を行うことを統計的推測といいます 本章では, 推測統計の根幹をなす仮説検定と推定の基本的な考え方について説明します 前章までの知識を用いて, 具体的な分析を行います 本章以降の知識は操作編での操作に直接関連していますので, 少し聞きなれない言葉ですが, 帰無仮説 有意水準 棄却域 などの意味を理解して,
