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のぶのすけじゅふく
5 years ago
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1 広島市立広島市民病院 k-net 医療者がん研修会ここまできた皮膚がん皮膚がん - 初期病変を見逃さないために - 広島市立広島市民病院皮膚科戸井洋一郎 Hiroshima City Hospital, Department of Dermatology

2 皮膚科領域の悪性腫瘍 1. メラノサイト系悪性黒色腫澄明細胞肉腫 4. 神経系悪性末梢神経鞘腫悪性顆粒細胞肉腫 2. 上皮系 5. リンパ造血系日光角化腫菌状息肉症セザリー症候群 Bowen 病成人 T 細胞白血病リンパ腫有棘細胞癌 CD30+ 皮膚未分化大細胞型リンパ腫基底細胞癌 Natural killer 細胞リンパ腫乳房外 Paget 病乳房 Paget 病皮膚 B 細胞リンパ腫皮膚付属器癌 ( 汗腺癌脂腺癌毛包癌など ) その他のリンパ腫 Merkel 細胞癌 3. 間葉系隆起性皮膚線維肉腫悪性線維性組織球腫 ( 異型線維黄色腫 ) 血管肉腫 Kaposi 肉腫脂肪肉腫平滑筋肉腫類上皮肉腫 6. 転移性皮膚悪性腫瘍

3 皮膚科領域の悪性腫瘍 1. メラノサイト系悪性黒色腫澄明細胞肉腫 4. 神経系悪性末梢神経鞘腫悪性顆粒細胞肉腫 2. 上皮系 5. リンパ造血系日光角化腫菌状息肉症セザリー症候群 Bowen 病成人 T 細胞白血病リンパ腫有棘細胞癌 CD30+ 皮膚未分化大細胞型リンパ腫基底細胞癌 Natural killer 細胞リンパ腫乳房外 Paget 病乳房 Paget 病皮膚 B 細胞リンパ腫皮膚付属器癌 ( 汗腺癌脂腺癌毛包癌など ) その他のリンパ腫 Merkel 細胞癌 3. 間葉系隆起性皮膚線維肉腫悪性線維性組織球腫 ( 異型線維黄色腫 ) 血管肉腫 Kaposi 肉腫脂肪肉腫平滑筋肉腫類上皮肉腫 6. 転移性皮膚悪性腫瘍

4 わが国の主な皮膚悪性腫瘍患者数 ( 人 ) 1,100 1, 基底細胞癌 9,384 例日光角化症 6,154 例有棘細胞癌 5,972 例悪性黒色腫 3,708 例菌状息肉症 859 例 ( 年 ) ( 全国主要 100 施設の集計石原和之ら 2000 より )

5 当科のがん患者数 (2005 年 2007 年 ) 疾患別転移性皮膚癌, 18 その他, 1 血管肉腫, 2 ボーエン病, 9 日光角化腫, 26 Paget 病, 10 基底細胞癌, 26 悪性黒色腫, 12 悪性リンパ腫, 13 有棘細胞癌, 17 Hiroshima City Hospital, Department of Dermatology

6 主な皮膚悪性腫瘍の 5 年生存率 (%) 病期 I 病期 II 病期 III 病期 IV 悪性黒色腫 * 有棘細胞癌 /55 *2 38 基底細胞癌 ? NA 乳房外 Paget 病 * 菌状息肉症 * /73-86 * /40-65 * /0-15 *2 *1 AJCC/UICC 新病期分類による国立がんセンター皮膚科と信州大学皮膚科の 342 症例でのデータ *2 病期 A/B *3 TNM 分類吉野私案日皮会誌 :116(9), , 2006 *4 皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン Ⅱ 第 1 版日本皮膚科学会日本皮膚悪性腫瘍学会編

7 メラノーマ ( 悪性黒色腫 malignant melanoma) 病型分類 1 悪性黒子型 : 顔面に好発. 前駆する黒色斑から発生するもの 2 表在拡大型 : あまり隆起せず表皮内を広がってゆくもの 3 結節型 : 黒色の腫瘤潰瘍を形成するもの 4 末端黒子型 : 指趾爪粘膜手掌足底の黒色斑が拡大するもの病型別発症頻度病型日本人白人悪性黒子型 8% 5% 表在拡大型 17% 70% 結節型 26% 15% 末端黒子型 49% 10%

8 メラノーマ

9 日本人のメラノーマの発生部位発生部位男性女性合計顔面頭頚部体幹 ( 肩臀部を含む ) 上肢手手指手指爪部外陰部肛囲下肢足背趾背趾爪部足底 (13%) (16%) (4%) (9%) (6%) (1%) (8%) (8%) (4%) (31%) (16%) (11%) (6%) (9%) (5%) (2%) (16%) (5%) (4%) (25%) (14%) (13%) (5%) (9%) (6%) (2%) (12%) (7%) (4%) (28%) 不明合計 ,174 日本皮膚悪性腫瘍学会予後統計調査委員会による 1987~96 年のデータ (Ishihara K. et.al より )

10 メラノーマ

11 ( 人 ) 900 わが国のメラノーマ患者数総数 4,484 例女性 2,350 例男性 2,134 例 ( 年 ) ( 全国主要 433 施設の集計石原和之ら 2000 より )

12 メラノーマ病期別 15 年生存曲線 Stage I (n=9175) 生存率 Stage II (n=5739) Stage III (n=1528) Stage IV (n=1158) 生存年

13 メラノーマステージ分類 (AJCC/UICC2002)

14 メラノーマ TNM 分類 (AJCC/UICC2002)

15 メラノーマの臨床診断 ABCD 診断基準 (American Cancer Society) Asymmetry : 非対称性形状 Border irregularity : 不規則な境界 Color variegation : 多彩な色調 Diameter enlargement : 直径 6mm 以上 Glasgow seven-point check list major feature 1. 大きさの変化 2. 形状の変化 3. 色調の変化 minor feature 4. 直径が6mm 超 5. 炎症症状 6. 湿潤出血 7. 軽度の掻痒または違和感 major fertureのいずれかを示す病変が成人にみられたら摘出を考慮すべきでありさらにminor featureを示す場合にはメラノーマである臨床的疑いが高くなる

20 ダーモスコピー Dermoscopy 皮膚表面および表皮真皮浅層までの色素性病変を観察する方法皮膚表面の散乱光の除去明るい光源拡大機能をあわせ持つ色素の色調性状沈着パターンなどによって非侵襲的に診断を行うことができるようになってきた特にメラノーマ色素性母斑脂漏性角化腫基底細胞癌血管性病変の鑑別診断に必須ダーモスコープと呼ばれる観察機器を用いる

21 ダーモスコピー Dermoscopy

22 メラノサイト系腫瘍のダーモスコピー所見良性パターン皮溝平行パターン parallel furrow pattern 格子様パターン lattice-like pattern 線維状パターン fibrillar pattern 定型色素ネットワーク typical pigment network 悪性パターン皮丘平行パターン parallel ridge pattern 非定型色素ネットワーク atypical pigment network 非対称毛孔色素沈着 asymmetric pigmented follicular openings 菱形構造 rhomboidal structures 不規則線条 irregular streaks 自然消退構造 regression structures

23 parallel ridge pattern ( 皮丘平行パターン ) parallel furrow pattern ( 皮溝平行パターン ) 悪性黒色腫色素性母斑

25 足底部色素性母斑のダーモスコピー所見

34 メラノーマ早期病変の臨床的特徴 1. ほとんど隆起しない色素斑状の皮疹である 2. 診断時の最大径が多くの場合 7mm 以上である 3. 非対称性の不規則形状皮疹であることが多くしばしば外形に不整な凹凸を伴う 4. 淡褐色から黒色までの色調の濃淡差が不規則無秩序に認められる ( 斎田俊明悪性黒色腫の臨床所見と診断 2001 より )

35 基底細胞癌 (basal cell carcinoma) 臨床的特徴臨床病型には結節潰瘍型表在型斑状強皮症型などがある顔面に好発する黒色小結節の集合表面の鑞様光沢が特徴成長は緩徐ダーモスコピー所見樹枝状血管 arborizing vessels 青灰色小球 blue-gray dots and globules 車軸状領域 spoke wheel areas 葉状領域 leaf-like areas 青灰色類円形大型胞巣 large blue-gray ovoid nests

36 基底細胞癌

41 基底細胞癌早期病変の臨床的特徴 1. 周囲より軽度隆起する黒色点が集合する皮疹である 2. 眼瞼鼻周囲に好発し緩徐に成長する 3. 中央は陥凹潰瘍化辺縁は隆起し光沢透明感のある上皮に取り囲まれる 4. 凹凸不整で常色から赤色黒色までさまざまな色調が不規則に混在する

47 日光角化腫 solar keratosis/actinic keratosis 臨床所見高齢者の顔面手背など露光部位に好発境界不明瞭な角化性紅斑表面には鱗屑痂皮が固着紫外線刺激による基底層ケラチノサイトの悪性化 SCC in situの状態緩徐に増大放置するとinvasive SCCに進行

54 日光角化腫早期病変の臨床的特徴 1. ほとんど隆起しない露光部の紅斑状皮疹である 2. 直径 10-20mmで類円形ないし多角形を呈する 3. 自覚症はなく成長は緩徐だが消退はしない 4. 色調は紅色でほぼ均一時に下床に浸潤を認める 5. 表面にごく薄い白色角化性鱗屑をのせ脱落形成を繰り返す

55 悪性リンパ腫新 WHO 分類 B 細胞腫瘍前駆 B 細胞腫瘍前駆 B 細胞リンパ芽球型リンパ腫成熟 B 細胞腫瘍 B 細胞慢性リンパ性白血病 / リンパ腫 B 細胞前リンパ性白血病リンパ形質細胞性リンパ腫脾辺縁帯リンパ腫有毛細胞白血病形質細胞性骨髄腫濾胞辺縁帯 B 細胞リンパ腫 (MALT type) 節性辺縁帯 B 細胞リンパ腫濾胞リンパ腫皮膚原発濾胞リンパ腫マントル細胞リンパ腫びまん性大細胞 B 細胞リンパ腫バーキットリンパ腫 T 細胞および NK 細胞リンパ腫前駆 T 細胞および NK 細胞リンパ腫前駆 T 細胞リンパ芽球型リンパ腫芽球型 NK 細胞リンパ腫成熟 T 細胞および NK 細胞リンパ腫 T 細胞前リンパ球性白血病 T 細胞顆粒リンパ球性白血病劇症型 NK 細胞白血病成人 T 細胞白血病 / リンパ腫節外性 NK/T 細胞リンパ腫鼻型消化管 T 細胞リンパ腫肝脾 T 細胞リンパ腫皮下脂肪織炎様 T 細胞リンパ腫菌状息肉症 / セザリー症候群皮膚原発未分化大細胞性リンパ腫リンパ腫様丘疹症末梢 T 細胞リンパ腫非特異性血管免疫芽球型 T 細胞リンパ腫未分化大細胞性リンパ腫ホジキンリンパ腫

56 菌状息肉症 mycosis fungoides 臨床的特徴皮膚原発のT 細胞リンパ腫慢性に経過し当初は表皮向性を示す紅斑掻痒鱗屑色素沈着など湿疹病変を思わせる臨床像しだいに化学療法に抵抗性となる臨床病期 1. 紅斑期 : 数年 10 数年大小さまざまな掻痒性紅斑が出没 2. 扁平浸潤期 : 数年扁平に隆起する環状馬蹄形紅斑 3. 腫瘍期 : びらん潰瘍を伴う腫瘤が多発 1-2 年で死亡

60 菌状息肉症早期病変の臨床的特徴 1. ほとんど隆起しない紅斑状の皮疹である 2. 直径は1-10cm 以上で円形ないし楕円形 3. 全身諸処に数週間の単位で出没を繰り返す 4. ほぼ均一な紅色調で時に環状馬蹄形を呈し表面に細かい粃糠様鱗屑を付す

61 乳房外パジェット病 extramammary Paget s disease 臨床的特徴アポクリン腺由来の表皮内癌高齢男性の外陰部に好発受診が遅れがち慢性に経過し当初は表皮内で拡大紅斑掻痒びらん浸軟など湿疹病変を思わせる臨床像医療機関でも湿疹として治療されていることがある進行例では化学療法に抵抗性で予後不良

68 乳房外パジェット病早期病変の臨床的特徴 1. ほとんど隆起しない紅斑状の皮疹である 2. 外陰腋下に好発多発し緩徐に拡大する 3. 境界不明瞭な不規則形状皮疹であることが多くしばしば掻痒を伴う 4. 濃淡のある紅斑主体だが時に脱色斑を呈する

69 まとめ皮膚がんはだれでも早期発見ができます初期の皮膚がんは年余にわたって表皮内にとどまったまま増殖拡大します早期発見されればほぼ100% の10 年生存が見込めます進行がんの状態では生存率は極端に悪化します初期の皮膚がんは単なる紅斑であることがよくありますが半年以上同じ場所に皮疹がある場合は皮膚がんを考慮する必要があります怪しい皮疹を見つけたらご一報ください

70 ご清聴ありがとうございました

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 2018.9.20 広島市立広島市民病院拠点病院 (K-net) 第 78 回医療者がん研修会知っておくべき皮膚がんの診断と治療本講演に関して開示すべき COI はありません本講演で述べられる薬剤やその使用法については一部未承認のものが含まれます広島市立広島市民病院皮膚科戸井洋一郎 Hiroshima City Hospital, Department of Dermatology 本日の内容

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