あいさつ文 会員の皆さまへ 建設業においては 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない保険未加入企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというときの公的保証が確保されず このことは若年入職者減少の一因となっているほか 関係法令を遵守して適性に法定福利費を負担する事業者ほど競争

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2 あいさつ文 会員の皆さまへ 建設業においては 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない保険未加入企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというときの公的保証が確保されず このことは若年入職者減少の一因となっているほか 関係法令を遵守して適性に法定福利費を負担する事業者ほど競争上不利になるという矛盾した状況が生じています 国土交通省では こうした状況を改善すべく 関係者を挙げて社会保険未加入問題への対策を進め 建設業の持続的な発展に必要な人材の確保を図るとともに 事業者間の公平で健全な競争環境を構築する必要があるとして 平成 2 4 年度から平成 28 年度の5 年間の社会保険加入計画を策定し これを建設業担当部局及び社会保険担当部局との連携により周知 啓発するとともに 監督指導の強化を図ることとしました こうした状況において 連合会といたしましては 重層下請構造等の大きな課題を抱える建設業の社会保険未加入対策については 労働社会保険の専門家として取組むべき問題であり 率先して建設企業への支援体制を構築することで 建設業における社労士の関与を大きく向上させることのできる機会であると考えております 加えて 今回の建設業における社会保険未加入対策において 社労士が積極的に関与し 問題の解決に貢献することで 長引く不況によりコンプライアンスの軽視が進み 労働条件の低下等が目立つその他の業界においても 社会保険未加入問題の解決の要は社労士であるとの認識が広がり ひいては社労士に対するニーズが一段と高まることが予想されることから この対策に全面的に協力することといたしますので 会員の皆さまにおかれましても 建設業の社会保険未加入対策とその内容をご理解のうえ 特段のご協力を賜りますようお願い申し上げます 平成 25 年 9 月 全国社会保険労務士会連合会会長大西健造

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4 もくじ 第 1 章建設業の保険未加入問題と直面する課題 1. 建設業の社会保険未加入問題とは何か 3 2. 建設業の産業構造とその特徴 6 3. 未加入対策は建設業法が適用される業種が対象 9 4. 建設業の許可制度の解説 11 第 2 章社会保険未加入対策の内容 1. 社会保険未加入対策の内容 17 (1) 許可 更新書面へ保険加入書類の添付義務 18 (2) 経営事項審査における保険未加入業者の減点幅の拡大 20 (3) 特定建設業者の下請指導義務 25 (4) 施工体制台帳への保険加入状況の記載が義務化 28 (5) 再下請通知書による保険加入状況のチェック 31 (6) 元請企業の役割と責任 35 (7) 下請企業の役割と責任 38 (8) 法定福利費の適正な負担義務 40 (9) 不良 不適格業者の排除 42 (10) 許可行政庁による指導 監督 44 (11) 相互通報制度の設置 国土交通省から社労士会への協力依頼と社労士会の対応 49 (1) 国土交通省への協力の背景 49 (2) 連合会の国土交通省への協力状況 49 (3) 建設業の労務管理向上にむけた連合会の取組み 助成金の活用について 53 第 3 章建設業者等への指導のポイント 1. 建設業の働き方の特徴 労働者 事業者の選別の必要性 労働者 請負人判断のチェックポイント 労働者と判断された者への対応 請負人と判断された者への対応 契約の違いと特徴 働き方の違いと特徴 71 第 4 章不法行為とペナルティー 1. 建設業法違反と監督処分 違法就労とペナルティー 77 (1) 偽装請負 78 (2) 偽装派遣 80 (3) 偽装委託 82

5 (4) 労働者供給事業 労働関係法違反と罰則 85 第 5 章参考資料 <1> 許可申請書添付書類 健康保険等の加入状況 89 <2> 許可申請に必要となる書類の一覧 90 <3> 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン 92 <4> 建設業における労働者 請負人の判断 103 建設業社会保険加入指導マニュアル

6 第 1 章 建設業の保険未加入問題と 直面する課題

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8 第 1 章 建設業の保険未加入問題と直面する課題 1. 建設業の社会保険未加入問題とは何か 建設業はいま 公共投資の急激な減少により需給のバランスが崩れ 過剰供給構造の中で激しい受注競争が繰り広げられており かつてない厳しい経営状況に直面しているといわれています こうした状況を背景に 国土交通省の建設産業戦略会議が 建設産業の再生と発展のための方策 2011 として取りまとめた提言のなかに 建設業の社会保険未加入問題があります それによれば 建設業では下請企業を中心に健康保険 厚生年金保険 雇用保険の各保険 ( 以下 社会保険 といいます ) への未加入によって 法定福利費 ( 1) を適切に負担しない企業が多数存在し このことは技能労働者の処遇を低下させ 若年入職者の減少の一因となっていると指摘されています ( 1) 法定福利費事業者が法律上当然に負担しなければならない労働者のための福利費用で 一般には 健康保険 厚生年金保険 介護保険 労災保険 雇用保険 の 5 つの保険制度をいう 法定福利費は産業や業種を問わず 社会保険が適用されるすべての事業所とその従業員が義務的に負担しなければならない費用である 建設産業の再生と発展のための方策 2011 における提言( 要旨 抜粋 ) 1. 建設産業の現状について建設業は近年の建設投資の急激かつ大幅な減少等により過剰供給構造にあり 受注競争の激化等によってかつてない厳しい状況に直面している とくに地域においては 地域社会を支えてきた建設企業が疲弊し これまで担ってきた災害対応等の機能の維持が困難となり 災害対応空白地帯が発生する等の問題が指摘されている また 労働環境の悪化等により 若年者の入職が減少し 建設生産を支える技能 技術の承継が困難になっている さらに 建設投資の減少に伴う工事原価の圧縮等により 技能労働者の雇用環境の悪化が進んでおり これが若年入職者の減少と就業者の高齢化の一因となっていると考えられ 将来的な技能労働者の不足や 建設生産を支える技能 技術が承継できないといった問題が生じている 2. 建設産業が直面する課題建設業においては 下請企業を中心に 慣習的に技能者を直用 準直用などと呼ぶ不明確な関係で使用し 関係法令により義務付けられている社会保険 労働保険 ( 以下 社会保険等 という ) のうち 特に年金 医療 雇用保険について 企 3

9 第 1 章建設業の保険未加入問題と直面する課題 業として未加入 一部労働者の未加入など 法定福利費を適正に負担しない保険未加入企業が存在している 社会保険等の未加入は 技能労働者の処遇を低下させ 若年入職者減少の一因となっている また 保険未加入企業の存在により 適正に法定福利費を負担し 人材育成を行っている企業ほどコスト高となり 競争上は不利になるという矛盾した状況が生じている このため 保険未加入企業の排除に向けた取組みにより 建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保を図るとともに 企業間の健全な競争環境を構築する必要がある 3. 技能労働者の雇用環境の悪化技能労働者は 工事現場における建設生産の担い手であり 要である しかしながら 技能労働者の過不足状況をみると 平成 20 年以降は過剰傾向にあるものの 高齢化が進む一方で若年労働者が減少しており 将来的には技能労働者の不足が見込まれている 建設企業は 建設投資の減少に伴い売上高が減少する中で 企業経営を成り立たせるため 技能労働者の非正社員化 非常勤化 日給月給制等への転換等を行うことで 労務費や外注費等の工事原価を縮減してきたと推察される その結果 労務費が変動費化し 賃金の低下等 技能労働者の雇用環境の悪化が進んだことが 若年入職者の減少と就業者の高齢化の一因となっていると考えられる 社会保険未加入対策への取組みの方向 建設産業の再生と発展のための方策 2011 では 社会保険未加入問題について 関係者一体となった取組みが必要であり 建設産業全体としての枠組みを整備し 行政 元請企業及び下請企業が一体となって取組んでいくことが必要である として 次のような取組みの方向を示しています 建設産業の再生と発展のための方策 2011 における提言( 要旨 抜粋 ) 1. 行政における取組み行政においては 建設産業行政担当部局が 社会保険等担当部局における加入徹底の取組みと連携して 建設産業の健全な発展を促進する観点から 指導監督していく枠組みが必要である 具体的には 建設業許可更新時 経営事項審査時及び立入検査時における保険加入状況のチェックや監督指導を行い 未加入企業をなくしていく取組みを行うべきである 2. 元請企業における取組み 4

10 第 1 章 建設業の保険未加入問題と直面する課題 元請企業においては 下請企業を中心に保険未加入企業が存在している状況を改善していくため 建設工事の施工及び労働者の使用に関する法令についての指導責任の一環として 下請企業の保険加入を指導する枠組みが必要である 具体的には 特定建設業者による下請指導責任及び下請指導内容を明示し 元請企業が 施工体制台帳 作業員名簿等により 下請企業や建設現場の各労働者の保険加入状況をチェック 指導し 保険未加入企業を排除していく仕組みを行うべきである また 行政においては これら元請企業による下請指導状況をチェックしていくことにより 実効性を確保していくべきである 3. 下請企業における取組み下請企業においては 現場就労者について 雇用関係にある社員と請負関係にある者の二者を明確に区別した上で 雇用関係にある社員についての保険加入を徹底すべきである また 請負関係にある者については 再下請通知書を活用して保険加入状況をチェックすることにより 保険未加入企業を排除していく取組みを行うべきである その際 労働者単位の加入状況のチェックを効率的に行うため 建設産業団体において労働者の保険加入状況をITを活用してチェックする方策など 効率化のための方策を講ずべきである 4. 派生する課題への対応保険未加入企業の排除方策の実施に伴い 法定福利費の事業主負担分の支払い又は抑止のため 労働者の賃金へのしわ寄せやいわゆる一人親方の増加が懸念されるところである このため 法定福利費については 発注者が負担する工事価格に含まれる経費であることを周知徹底するとともに 個別の請負契約の当事者間において見積時から適正に考慮するよう徹底していくなど 下請企業まで適正に流れていく方策を講じていく必要がある また 建設業における請負契約及び雇用に関するルールの徹底など重層下請構造の是正方策を併せて実施していく必要がある 5. 進め方専門工事業の実態 職種によっては 保険加入状況と目指すべき姿にギャップがることから 排除方策の全体像を示した上で 1 年程度の周知 啓発期間を設け 行政 元請企業 下請企業が一体となって 保険加入の促進に向けた機運を醸成する体制を整備する必要がある 周知 啓発期間の終了後 速やかに大規模工事から行政によるチェックの徹底を進め その範囲を順次拡大していくことで 実施後 5 年を目途に 企業単位では加入義務のある許可業者について加入率 100% 労働者単位では製造業相当の加入状況を目指すべきである 5

11 第 1 章建設業の保険未加入問題と直面する課題 2. 建設業の産業構造とその特徴 社会保険労務士が建設業の社会保険未加入対策に関与し 協力していくためには 建設業の産業構造や現状についての一定の知識が必要となります このため 建設業の産業構造の特徴や建設業が抱える問題等について解説します 建設業の産業構造の特徴 建設業は 我が国の 道路 鉄道 港湾 空港 電話通信 上下水道 病院 公園 学校 公共住宅 等 経済活動の基盤となる社会資本の整備を担う重要な産業と位置づけられています しかし 建設業は資本金別に見ると 3 億円未満の中小企業者が全体の 99.4% を占め 個人事業者の割合が 20% に達するといわれています そして建設業には産業構造上の次のような特色があります 受注生産であること建設工事は 建売住宅など一部の建設工事を除き 注文者から依頼を受けてはじめて工事に取りかかる受注生産であるため あらかじめ需要を予測した見込み生産ができない 個別生産であること建設工事は 注文者の利用目的や好みなどによって一つひとつ形や大きさが異なり大量生産ができない 移動生産であること建設工事は 注文者の指定した場所において行われるため 一つの工事が終れば また次の注文者の指定した場所に仕事の場所が変わる移動生産である 屋外生産であること建設工事は その大部分が屋外で行われるため 天候や気象条件に左右され 計画的な生産や日程の調整が難しく 労働者の管理が難しい 総合生産であること建設工事は元請 下請 専門工事業者など多数の事業者の協力によって行われる 建設業は こうした生産構造の特徴だけでなく 公共工事と民間工事 土木工事と建築工事 競争入札と随意契約 単独工事と共同企業体 総合建設業者と専門建設業者 元請負人と下請負人 重層下請構造 等 非常に複雑で 他の産業には類を見ない構造で成り立っています 6

12 第 1 章 建設業の保険未加入問題と直面する課題 建設業者数について建設業許可業者数は 平成 11 年度のピーク時と比較して 17% 程度の減少にとどまっています これは建設投資の減少に比べ企業数はそれほど減少していないこと 競争が激化し営業利益率が全産業に比べ低迷していること 販管費負担が重くなっていること等を考えれば 建設産業は企業数としては過剰になっていると判断することができます 建設業者数平成 11 年平成 24 年 60 万 1 千社 48 万 4 千社 ( 出典 ) 建設産業の再生と発展のための方策 2011 建設産業の現状に関する定量分析 建設業の就労構造について 建設業が他の産業には類を見ない独特の生産構造を持つ産業であることは広く知られているところです 建設業の歴史は古く 8 世紀後半から手間請負という請負方式にはじまり 17 世紀半ばごろから神社仏閣の建設を一手に引受ける建設一式工事の請負方式が始まったと伝えられています そして 当時のなごりである建設業の仕事に携わる者は請負人という考え方が近年まで引継がれてきたため 今日においても建設業に従事する人々を労働者として雇い入れ 労務管理を行うという習慣にはなじみ難い構造が随所に見受けられます 建設業は こうした独特の産業構造により 従来から労務管理体制の脆弱さが指摘されていたところですが このたびの社会保険未加入対策を契機に 労務管理体制の改善が迫られているところです 建設労働者数について 建設業は 就業者数 雇用者数ともに全産業の1 割近くを占め 我が国の社会資本の整備を担う重要な産業と位置づけられていますが その実態は 中小零細企業が圧倒的に多く 雇用環境においても臨時 日雇いといった不安定な雇用形態の労働者が多く その生産構造も重層的な下請制度であることから 労務管理上の多くの問題を抱えています 建設労働者数は平成 9 年に 685 万人であったものが 現在は 497 万人とすべての世代で減少を続けています とくに将来の建設業を担う 20 代の者も 10 年前に比べて 50~60 万人が減少したといわれています 一方 建設労働者の高齢 7

13 第 1 章建設業の保険未加入問題と直面する課題 化が進み 55 歳以上の者が全体の 33% 強と高齢化の進行が鮮明になっています また 近年 東日本大震災の復興に従事する労働者をはじめ 建設業全体に わたって労働者不足が深刻な問題に発展しつつあります 建設労働者数 平成 4 年 平成 23 年 減少数 ( 率 ) 就業者総数 619 万人 497 万人 122 万人 (20%) 技術者数 36 万人 30 万人 6 万人 (17%) 技能労働者数 408 万人 316 万人 92 万人 (23%) 建設労働者の離職の理由 (1) 収入が少ないから (2) 仕事がきついから (3) 作業環境が悪いから (3K 等 ) (4) 休日が少ないから (5) 身分が保証されないから 建設業からの 3 年以内の離職率 高卒者 大卒者 43.7%( 製造業 24.4%) 27.6%( 製造業 15.6%) 社会保険加入状況 ( 平成 21 年度 ) 保険制度名 建設業 製造業 雇用保険 61.0% 92.6% 健康保険 ( 協会けんぽ ) 42.9% 39.1% 厚生年金保険 61.9% 87.1% 建設労働者の年齢構成 ( 平成 22 年 ) 55 歳以上の者の割合 ( 全産業平均 ) 29 歳以下の者の割合 ( 全産業平均 ) 33.1%(28.5%) 11.6%(17.5%) ( 出典 ) 国土交通省 総務省労働力調査 厚生労働省雇用動向調査 その他 8

14 第 1 章 建設業の保険未加入問題と直面する課題 3. 未加入対策は建設業法が適用される業種が対象 建設業の社会保険未加入対策への対応に当たって 対象となるのは建設業法が適用される業種とされています このため 社会保険加入手続においては建設業の事業に該当する業種か否かの判断が必要になります その判断に当たっては次の基準を参考にしてください 建設業法が適用される業種 建設業法では 建設業とは 元請 下請その他いかなる名義をもってするかを問わず 建設工事の完成を請負う営業をいう と定義し 建設業者とは 建設業の許可を受けて建設業を営む者 とされています また建設工事とは 土木建築に関する工事で 別表 1 に掲げるものをいう とされています したがって これらのすべてに該当する建設業を営む者 ( 2) が社会保険未加入対策の対象になります 別表 1 建設工事の種類 1. 土木一式工事 2. 建築一式工事 3. 大工工事 4. 左官工事 5. とび 土工 コンクリート工事 6. 石工事 7. 屋根工事 8. 電気工事 9. 管工事 10. タイル れんが ブロック工事 11. 鋼構造物工事 12. 鉄筋工事 13. ほ装工事 14. しゅんせつ工事 15. 板金工事 16. ガラス工事 17. 塗装工事 18. 防水工事 19. 内装仕上工事 20. 機械器具設置工事 21. 熱絶縁工事 22. 電気通信工事 23. 造園工事 24. さく井工事 25. 建具工事 26. 水道施設工事 27. 消防施設工事 28. 清掃施設工事 ( 2) 建設業を営む者建設業を営む者とは 建設業の許可業者及び許可を必要としない軽微な建設工事のみを請負うことを営業とする者 その他の無許可営業者を含むすべての者の総称 建設業者 という場合は建設業の許可を受けた者のみを指す 軽微な建設工事のみを請負う者にも適用 建設業法では 上記 28 業種の建設工事に該当する者であっても 政令で定める軽微な建設工事のみを請負うことを営業とする者 ( 3) は 建設業の許可 9

15 第 1 章建設業の保険未加入問題と直面する課題 を必要としておりません しかし 建設業の社会保険未加入対策では 建設業の許可を必要としない軽微な建設工事のみを請負うことを営業とする者であっても例外とは認められていません ( 3) 許可を必要としない ( 政令で定める軽微な ) 建設工事工事 1 件の請負代金の額が建築一式工事にあっては千五百万円に満たない工事又は延べ面積が 150 m2に満たない木造住宅工事 建築一式工事以外の建設工事にあっては五百万円に満たない工事とする 建設業に該当しない業種は適用除外 建設業に関連する仕事であっても 別表 2 に掲げる業種は建設業法の適用外業務であるため 社会保険未加入対策の対象業種とはなりません ただし これらの業種であっても 兼業として建設業法に基づいた事業 ( 請負 ) が行われている場合 又は国土交通省の直轄工事 地方自治体 公共工事の発注機関等において独自の基準が設けられた場合においては適用業種と見なされる場合がありますので その際には設定された基準に従わなければなりません 別表 2 建設工事の種類 1 建築士事務所 2 測量会社 3 設計事務所 4 土質調査会社 5 残土運搬会社 6 生コン運搬業者 7 工事現場をガードする警備会社 8 工事現場周辺の交通整理を行う事業者 9 土木 建設機械等のリース会社 10 重機の運搬業者 11 河川工事における警備船業務 12 家屋調査 13 ボーリング調査会社 14 土壌分析会社 15 建設資材の納入業者 16 仮設材のリース業者 10

16 第 1 章 建設業の保険未加入問題と直面する課題 4. 建設業の許可制度の解説 建設業の許可は建設業者の 施工能力 技術力 資力 信頼性 等を審査す ることにより 一定の基準を満たした者だけに与えられる制度です 大臣許可と知事許可の違い建設業の許可は 都道府県知事許可 ( 以下 知事許可 という ) と 国土交通大臣許可 ( 以下 大臣許可 という ) に区分されています 建設業を営もうとする者は軽微な建設工事のみを請負うことを営業とする者を除き そのどちらかの許可を受けなければなりません 知事許可と大臣許可の違いは 一つの都道府県内だけに営業所を設けて営業しようとする場合は都道府県知事の許可 他の都道府県にも営業所を置いて営業しようとする場合は国土交通大臣許可となります 大臣許可と知事許可の区分は 行政庁の許可事務の執行又は監督上の便宜により分けられたもので 法律上の効果はまったく同一です そして営業できる区域や建設工事の施工区域についての制限もありません したがって 知事許可業者も大臣許可業者も原則として日本国中どの地域であっても建設工事を行うことができます 特定建設業と一般建設業の違い建設業の許可は 一般建設業 と 特定建設業 に区分して与えられます 建設業を営もうとする者のうち 発注者から直接請負った建設工事 1 件につき その下請代金の合計額が3 千万円 ( 建築一式工事は 4 千 5 百万円 ) 以上となる下請契約を締結しようとする者は 特定建設業の許可を受けなければなりません これに該当しない元請業者や 元請から工事を請負うことを専門にしている下請業者等は 請負代金の額にかかわらず一般建設業の許可でよいことになります 特定建設業 一般建設業 発注者 ( 施主 ) から直接請負った建設工事 1 件につき その下請代金の合計額が3 千万円 ( 建築一式工事は 4 千 5 百万円 ) 以上となる下請契約を締結する場合は 特定建設業の許可を受けなければならない 上記以外の場合は 請負代金の額にかかわらず一般建設業の許可を受けなければならない 11

17 第 1 章建設業の保険未加入問題と直面する課題 建設業の許可業種は 28 種類ある 建設業の許可は 特定建設業の許可又は一般建設業の許可を問わず 次表のとおり 28 種の建設工事の種類に分類されており 建設業を営もうとする者はそれぞれ請負おうとする建設業について許可を受けなければなりません 許可は一の建設業者が同時に二以上を受けることは差し支えなく 許可を受けた後に追加の許可を受け 又は一部の許可業種を廃止することも自由です 建設業の許可業種の種類 1. 土木一式工事 2. 建築一式工事 3. 大工工事 4. 左官工事 5. とび 土工 コンクリート工事 6. 石工事 7. 屋根工事 8. 電気工事 9. 管工事 10. タイル れんが ブロック工事 11. 鋼構造物工事 12. 鉄筋工事 13. ほ装工事 14. しゅんせつ工事 15. 板金工事 16. ガラス工事 17. 塗装工事 18. 防水工事 19. 内装仕上工事 20. 機械器具設置工事 21. 熱絶縁工事 22. 電気通信工事 23. 造園工事 24. さく井工事 25. 建具工事 26. 水道施設工事 27. 消防施設工事 28. 清掃施設工事 許可の有効期間は 5 年間 建設業の許可の有効期間は 5 年とし 有効期間が満了すれば許可は自動的にその効力を失います 許可の満了後も引続き建設業を営もうとする者は 許可の効力を失う日の 30 日前までに許可の更新手続を行わなければなりません 許可を受けるための 5 つの条件 建設業の許可を受けるためには 次に掲げる 5 つの条件をクリアしなければなりません このうちの一つでも要件を満たさない項目があれば許可は与えられません ( 建設業法第 7 条 ) 1. 経営業務の管理責任者がいること 建設業の経営は他の産業の経営とは著しく異なった特徴を有しているため 適正な建設業の経営を期待するためには 建設業の経営業務について一定期間の経験を有した者が最低でも 1 人は必要であると判断され この要件が定められました 許可を受けようとする者が法人である場合には常勤の役員のうちの 1 人が 個人である場合には本人または支配人のうちの 1 人が次のいずれかに該当することが必要であ 12

18 第 1 章 建設業の保険未加入問題と直面する課題 り これらの者を経営業務の管理責任者といいます 1 許可を受けようとする建設業に関し 5 年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること 2 許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し 7 年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること 3 許可を受けようとする建設業に関し 経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有していること (a) 経営業務管理の執行に関して 取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け かつ その権限に基づき 執行役員等として 5 年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験 (b)7 年以上経営業務を補佐した経験 2. 専任の技術者が営業所に常勤していること 建設工事に関する請負契約の適正な締結 履行を確保するためには 許可を受けようとする建設業に係る建設工事についての専門的知識が必要になります 見積 入札 請負契約締結等の建設業に関する営業は各営業所で行われることから 営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関して 一定の資格または経験を有した者 ( 専任技術者 ) を設置することが必要です また この専任技術者は 許可を受けようとする建設業が一般建設業であるか特定建設業であるか また建設業の種類により それぞれ必要な資格等が異なります 3. 請負に関し誠実性を有していること 請負契約に関し 役員 個人事業主 支配人 支店長 営業所長等が不正行為又は不誠実な行為をするおそれが明らかではないこと 4. 請負契約を履行するに足りる財産的な基礎又は金銭的な信用を有していること 建設工事を着手するに当たっては 資材の購入及び労働者の確保 機械器具等の購入など 一定の準備資金が必要になります また 営業活動を行うに当たってもある程度の資金を確保していることが必要です このため 建設業の許可が必要となる規模の工事を請け負うことが可能となるだけの財産的基礎等を有していることを許可の要件としています さらに 特定建設業の許可を受けようとする場合は この財産的基礎等の要件を一般建設業よりも加重しています これは 特定建設業者は多くの下請負人を使用して工事を施工することが一般的であること 特に健全な経営が要請されること また 発注者から請負代金の支払いを受けていない場合であっても下請負人には工事の目的物の引渡しの申し出がなされてから 50 日以内に下請代金を支払う義務が課せられていること等の理由からです 一般建設業の許可を受けようとする場合 次のいずれかに該当すること 1 自己資本が 500 万円以上であること 万円以上の資金調達能力を有すること 3 許可申請直前の過去 5 年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること 特定建設業の許可を受けようとする場合 次のすべてに該当すること 13

19 第 1 章建設業の保険未加入問題と直面する課題 1 欠損の額が資本金の 20% を超えていないこと 2 流動比率が 75% 以上であること 3 資本金の額が 2,000 万円以上であり かつ 自己資本の額が 4,000 万円以上であること 5. 欠格要件に該当しないこと 許可申請書またはその添付書類中に虚偽の記載があった場合や重要な事実に関する記載が欠けている場合 また 許可申請者やその役員若しくは建設業法施行令第 3 条に規定する使用人が欠格要件に 1 つでも該当する場合 許可は行われません ( 建設業法第 8 条 同法第 17 条 ( 準用 )) 欠格要件例 1 許可申請書又は提出書類に虚偽の記載があり 又は重要な事実の記載が欠けている場合 2 法人 役員 個人事業主 支配人 支店長 営業所長等が次の要件に該当したとき 成年後見人 被補佐人又は破産者で復権を得ないもの 不正な手段等で許可を受けたこと等により 許可を取消されて 5 年を経過しないもの 許可の取消しを免れるために廃業の届出をしてから 5 年間を経過しないもの 建設工事を適切に施行しなかったために公衆に危害を及ぼし又は及ぼすおそれがあるとき 請負契約に関し不誠実な行為をしたこと等により営業の停止を命ぜられ その停止期間が経過しないもの 禁固以上の刑に処せられその刑の執行を終わり又は刑の執行を受けることがなくなってから 5 年を経過しないもの 建設業法 建築基準法 労働基準法 暴力団による不当な行為防止に関する法律の規定に違反し刑に処せられ その執行を受けることがなくなった日から 5 年を経過しないもの 建設業の許可を受けるために必要な書類 建設業の許可を受けるためには 建設業法で定められた書面を提出しなければなりません ( 許可申請に必要となる書類の一覧は巻末の参考資料 <2> 参照 ) 14

20 第 2 章 社会保険未加入対策の内容

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22 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 1. 社会保険未加入対策の内容 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未加入企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというときの公的保障が確保されず このことは若年入識者減少の一因となっているほか 関係法令を遵守して適正に法定福利費を負担する事業者ほど競争上不利になるという矛盾した状況が生じています このため 国土交通省では 建設業の社会保険未加入問題に対処するため 建設業法施行規則の一部改正をはじめ 社会保険の加入に関する下請ガイドラインの設置 建設業法遵守ガイドラインの一部改正 その他指針等の改正により 次表のような取組みを行うことによって社会保険未加入問題に対処することとしています 社会保険未加入問題への対策と取組み主な取組み 1. 許可 更新書面への保険加入書類の添付義務 2. 経営事項審査時の保険未加入業者に対する減点幅の拡大 3. 特定建設業者の下請指導 4. 施工体制台帳への保険加入状況の記載義務 5. 再下請負通知書による保険加入状況のチェック 6. 元請企業の責任と役割の明確化 7. 下請企業の責任と役割 8. 法定福利費の適正な負担義務 9. 不良 不適格業者の排除 10. 建設業担当部局による指導監督の強化 11. 建設担当部局と社会保険担当部局との相互通報制度の設置 12. 監督処分の基準の改正 ( 注 ) 上記は社会保険未加入対策に直接関係のある項目です 社会保険未加入問題対策に関する具体的な内容は 次ページ以降に紹介しておりますが 法令上の解釈や専門的な内容については できるだけ専門用語を避け 平易な用語を用いて解説を加えて紹介しています 17

23 第 2 章社会保険未加入対策の内容 (1) 許可 更新書面へ保険加入書類の添付義務 平成 24 年 5 月 1 日付で 建設業法施行規則の一部改正が行われ 平成 24 年 11 月 1 日から施行されたことに伴い 建設業の許可及び許可の更新申請書に 社会保険への加入状況を確認するための添付書類として 健康保険等の加入状況を記載した書面の提出が義務付けられました 社会保険加入状況の確認の対象となるのは 新規 更新 許可換え新規 般 特新規 業種追加 の許可の申請 ( 以下 許可の申請等 といいます ) を行うすべての建設業者です 建設業の許可の申請等を行おうとする者は 建設業法第 6 条に基づき許可申請書に添付書面を添えて提出しなければなりません その添付すべき書面に 健康保険等の加入状況 ( 巻末の参考資料 <1> 参照 ) の確認ができる書面の添付が義務づけられました 許可申請時の確認と添付書面 1. 健康保険 厚生年金保険の適用に関する確認社会保険加入の確認は次のように行われます 社会保険 ( 健康保険 厚生年金保険 ) の加入を確認する建設業者は 法人の事業所 ( 営業所 ) 及び 個人経営で常時 5 人以上の従業員を使用する事業所 ( 営業所 ) が 適用事業所( 確認対象事業所 ) となり 個人経営で常時使用する従業員が4 人以下の場合は適用除外となります (1) 法人の営業所又は個人経営で常時 5 人以上の労働者を使用する営業所であっても 健康保険の被保険者となるべき従業員が 年金事務所長の承認を受けて 全国土木建築国民健康保険組合 等の国民健康保険に加入している場合は 適用除外 となるので適用除外と記載すること (2) 小規模な事業所 ( 営業所 ) であるため 人事管理部門を有する本店で すべての保険加入の手続を行っている場合は 当該営業所については 保険加入の有無 の欄は 加入と記入すること < 確認書類 > 社会保険加入の確認書類は 以下の1~3のいずれか1 点 ( 写しでも可 ) を提出すること 1 許可申請時直前の保険料納付に係わる 領収書 18

24 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 2 許可申請時直前の保険料納付に係わる 社会保険料納入証明書 3 許可申請時直近の 健康保険 厚生年金保険資格取得確認及び標準報酬決 定通知書 2. 雇用保険の適用に関する確認雇用保険の加入を確認する建設業者は 労働者を一人でも雇用する事業所 ( 営業所 ) が適用事業所( 確認対象事業所 ) となる 常時使用する労働者が0 人の場合は 保険加入の有無 欄は適用除外となります < 確認書類 > 雇用保険の加入の確認書類は 以下の1~3のいずれか1 点 ( 写しでも可 ) を提出すること 1 許可申請時直前の 労働保険概算 確定保険料申告書 2 1により申告した保険料の納入に係わる 領収済通知書 3 雇用保険被保険者資格取得等通知書 ( 事業主通知用 ) 保険未加入者に対する取扱い 建設業の許可及び許可の更新にあたって 社会保険への未加入であっても不許可扱いとはされません ただし 許可と同時に保険加入指導文書が送付され 一定の期間後に加入状況の報告が求められます その際 未加入であれば加入についての指導が行われ 指導してもなお未加入の場合は 厚生労働省の保険担当部局に報告されることになります ( 詳細は 本章(11) 相互通報制度の設置 参照のこと ) 19

25 第 2 章社会保険未加入対策の内容 (2) 経営事項審査における保険未加入業者の減点幅の拡大 経営事項審査項目の一つとなっている 社会性等 ( 労働福祉の状況 ) の評価に関しては 従来 雇用保険の加入及び届出の有無のほか 健康保険と厚生年金保険の二つを合わせて一個の評価項目として 加入業者は加点 未加入業者は減点の評価が行われていましたが このたびの法改正により雇用保険 健康保険 厚生年金保険それぞれの加入の状況について個別に加点 減点の評価が行われることになりました 保険未加入企業の減点幅の拡大経営事項審査の審査項目の一つである 社会性等 ( 労働福祉の状況 ) の評価において 社会保険 ( 雇用保険 健康保険 厚生年金保険 ) への未加入の場合は 従来から減点評価が行われていましたが 平成 24 年 7 月 1 日以降 未加入の場合の減点幅が拡大されました 具体的には 社会保険への未加入企業の減点幅を次のように拡大して評価が行われることになり 健康保険 厚生年金保険 雇用保険 の各項目について未加入の場合は それぞれ 40 点の減点 3 保険すべてに未加入の場合は 120 点の減点が行われます 労働福祉の状況 ( 社会保険への未加入 ) 従来 ( 未加入 ) 改正後 ( 未加入 ) 雇用保険 30 点減点雇用保険 40 点減点健康保険健康保険 40 点減点 30 点減点厚生年金保険厚生年金保険 40 点減点 再審査の取扱いについてすでに受診した経営事項審査において いずれの保険も 加入有 又は 適用除外 とされている場合においては 新基準による再審査を受けた場合も総合評定値に影響はありませんが いずれか一つの保険について 加入無 とされている場合には 総合評定値が変わることになります 発注者が 今後の競争参加資格審査において 次表のうち 影響なし とされているケースについては 旧経審 ( 改正前の評価方法 ) の使用を認める旨の取扱いを行った場合 再審査の受審が必要となる建設業者は次表のうち 影響あり とされる企業に限定されることになっています 20

26 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 現行の加入の有無による改正の影響 加入有加入無適用除外雇用保険健康保険及び厚生年金保険 加入有影響なし影響あり影響なし 加入無影響あり影響あり影響あり 適用除外影響なし影響あり影響なし 公共性のある建設工事とは 経営事項審査の対象となるのは 公共性のある施設又は工作物に関する建設工事のうち政令で定めるものを発注者から直接請負おうとする建設業者です 公共性のある施設又は工作物に関する建設工事 ( 公共工事 ) とは 次に掲げる発注者が発注する施設又は工作物に関する建設工事とされています 1 国 地方公共団体が発注する工事 2 公共法人等 ( 地方公共団体を除く ) が発注する工事ただし 軽微な建設工事 ( 建築一式工事は1 千 5 百万円未満 その他の建設工事は 5 百万円未満の工事 ) や物理的 経済的に影響の大きい 災害等により必要を生じた応急の建設工事及び緊急の必要 その他やむを得ない事情により国土交通大臣が指定する建設工事については経営事項審査の義務付の対象外とされています 経営事項審査の解説 建設業者 ( 許可を受けた建設業者のみ ) が 公共工事の入札に参加しようとするときは 経営の健全性 経営の規模 技術能力 等に関して 資格審査を受けて格付けをしてもらわなければなりません これを 経営事項審査 といいます 経営事項審査を受けなければならないのは 国や地方公共団体 公共法人等が発注者となる公共施設などの建設工事を 発注者から直接請負おうとする建設業者です 経営事項の審査項目は 大別して 1 経営状況 ( 売上高経常利益率など ) 2 経営規模 ( 完成工事高 自己資本額 利益額など ) 3 技術力 ( 種類別技術職員数など ) 4その他の審査項目 ( 社会性等 ) となっています そして その他の審査項目 ( 社会性等 ) の審査は 1 労働福祉の状況 2 工事の安全成績 3 営業年数 4 建設業経理事務士等の数 に区分され 最高点が 967 点となっていますが 社会保険の 3 保険に未加入の場合は評価点が 120 点減点されることとなっています 21

27 第 2 章社会保険未加入対策の内容 経営事項審査の有効期間 公共工事を発注者から直接請負おうとする建設業者は その公共工事について発注者と請負契約を締結する日の 1 年 7ヵ月前の日の直後の事業年度終了の日以降に経営事項審査を受けなければなりません したがって 公共工事について発注者と請負契約を締結できるのは 経営事項審査を受けた後 その経営事項審査の申請の直前の事業年度の終了日から1 年 7ヵ月の間に限られることから 毎年公共工事を発注者から直接請負おうとする建設業者は 審査基準日から1 年 7ヵ月の公共工事を請け負うことができる期間に切れ目がなく継続するよう 毎年定期に経営事項審査を受けることが必要となります 社労士の視点 1 社労士は評価点アップのお手伝いができる 経営事項の審査項目のうち 労働福祉の状況 には 7 つの評価項目があり それらは加点項目と減点項目の二つに区分されています 加点評価されるのは 1 建設業退職金共済制度加入の有無 2 退職一時金制度の導入の有無 3 企業年金制度の導入の有無 4 法定外労働災害補償制度加入の有無 の4つの項目です 一方 減点評価されるのは 1 雇用保険加入の有無 2 健康保険及び厚生年金保険加入の有無 3 賃金不払の件数 の3つの項目です 公共工事の入札に参加しようとする建設業者にとって 経営事項審査の評価点が上がることは それだけ大きな工事の受注につながることになるので 建設業者は評価点を上げるために様々な努力を行っています 労働福祉の 7 つの評価項目はすべて社労士業務につながる内容であることから 以下の項目について社労士が適切なアドバイスを行えば 経営事項の評価点のアップに貢献できることになります 加点項目のポイント 1. 建設業退職金共済制度への加入公共工事を受注した建設業者の請負代金の中には 中小企業退職金共済法に基づく 建設業退職金制度 へ加入するための掛金が積算されています このため元請企業は 建設業退職金共済事業本部の各都道府県の支部が発行する 加入 履行証明書 を提出しなければなりません そして建設工事の施工に当たっては 下請負人の労働者を含め工事に参加する労働者の人数分の証紙を購入し 退職金共済手帳を所持する労働者の労働日ごとに貼付しなければなりません しかし 正当な理由なく共済証紙の購入の実績がない場合 又は契約の履行が劣っている場合等契約の締結が名目的なものに過ぎない場合は契約の履行とは認められません 公共工事に限らず民間工事においても退職金共済制度への加入が奨励されていますので 加入の促進を図ることによって 建設労働者の福祉の向上につながることになります 2. 退職一時金制度の導入期間雇用者 試用期間中労働者その他これらに類する者を除き 原則として建設業に従事するすべての従業員を対象とした退職一時金制度 ( 中小企退職金共済制度等 ) が導 22

28 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 入されている場合において 就業規則等に退職金の決定 計算及び支払の方法 退職手当の支給期間に関する定めがある場合は退職一時金制度への加入と認められます ( 常時 10 人以上の労働者を使用する場合は労働基準監督署に届出ていること ) 一方 労働協約又は就業規則等において退職手当の定めがある場合においても 著しく低額であり名目的な導入に過ぎない場合 又は全く支払が行われていない場合等については導入とは認められません 社労士にはその導入の有効性についてアドバイスする等の役割があります 3. 企業年金制度の導入厚生年金基金の発行する加入証明書 又は適格退職年金契約の契約書により加入の確認が行われます 社労士はこれらの証明書類の入手手続等を行うことができます 4. 法定外労働災害補償制度の導入建設業者にとって工事の安全施工は最も重視すべき事項なので 大部分の建設業者が建設業福祉共済団 全国建設業労災互助会 全国中小建設業共済協同組合などの法定外保険制度に加入しています しかし 経営事項審査において法定外労働災害補償制度導入の確認は 以下のすべての要件に該当することが要求されていますので 社労士はそれらの加入手続や指導等の役割を担うことになります 1 業務災害と通勤災害のいずれも対象とするものであること 2 直接の使用関係にある職員及び下請負人 ( 数次の請負による場合にあっては下請負人のすべて ) の直接の使用関係にある職員のすべてを対象とするものであること 3 死亡及び労災保険の障害等級 1 級から 7 級までの身体障害のすべてを対象とすること ただし 業務起因性の疾病については対象から除いてもよい 減点項目のポイント 雇用保険 健康保険 厚生年金保険ともに資格取得届を提出していることが条件で 基準日までに届出を行っていない場合に減点評価されます 基準日とは 審査の申請をしようとする日の直前の営業年度の終了日をいい 審査基準日の直前の 1 年間とは たとえば 審査基準日が平成 25 年 3 月 31 日であれば 平成 24 年 4 月 1 日から平成 25 年 3 月 31 日までの期間をいいます このように経営事項の審査においては 過去 1 年間の加入状況が評価の対象となりますので注意が必要です 23

29 第 2 章社会保険未加入対策の内容 経営事項審査の事務取扱いの一部改正 建設業法施行規則の一部を改正する省令 ( 平成 24 年国土交通省省令 52 号 ) 及び建設業法第 27 条の 23 第 3 項の経営事項審査の項目及び基準を定める件の一部を改正する告示 ( 平成 24 年 5 月 1 日付国土交通省告示 523 号 ) が制定されたことを踏まえ 経営事項審査の事務取扱いについて ( 平成 20 年 1 月 31 日付国総建第 270 号 ) の一部が次表のとおり改正されました 健康保険 健康保険は 健康保険法 ( 大正 11 年法律第 70 号 ) に基づき被保険者 ( 常時 5 人以上の従業員を使用する個人の事業所又は常時従業員を使用する法人の事業所に使用される者をいう ) を使用する事業主がその使用する者の異動 報酬等に関し報告等を行わなければならないものであることから 当該事業所に使用される者が健康保険の被保険者になったことについて 日本年金機構又は各健康保険組合に届出を行っていない場合 ( 被保険者資格取得届を提出していない場合を言う ) に 減点審査をするものとする なお 常時使用する従業員が 4 人以下である個人事業主である場合等 上記の義務のない場合には 審査の対象から除くものとする 厚生年金保険 厚生年金保険は 厚生年金保険法 ( 昭和 29 年法律第 105 号 ) に基づき被保険者 ( 常時 5 人以上の従業員を使用する個人の事業所又は常時従業員を使用する法人の事業所に使用される者をいう ) を使用する事業主がその使用する者の異動 報酬等に関し 報告等を行わなければならないものであることから 当該事業所に使用される者が厚生年金保険の被保険者になったことについて 日本年金機構に届出を行っていない場合 ( 被保険者資格取得届を提出していない場合をいう ) に減点して審査するものとする なお 常時使用する従業員が 4 人以下である個人事業主である場合等 上記の義務のない場合には 審査の対象から除くものとする ( 出典 ) 経営事項審査の事務取扱について ( 平成 20 年 1 月 31 日付け国総建 270 号 ) の一部を改正する通知 ( 平成 24 年 5 月 1 日国土建第 54 号 ) 24

30 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 (3) 特定建設業者の下請指導義務 発注者から直接建設工事を請負った特定建設業者は その工事の施工に参加する下請負人が下請負に係る建設工事の施工に関し 建設業法の規定又は建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定に違反しないよう 下請負人の指導に努めなければなりません また 下請指導ガイドラインにおいても 社会保険加入に関する下請指導の徹底が求められています 下請に対する指導要領 発注者から直接建設工事を請負った特定建設業者は 建設業法第 24 条の6の定めにより その工事に参加する下請負人が下請負に係る建設工事の施工に関し 建設業法の規定又は建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定に違反しないよう 下請負人の指導に努めなければなりません また下請指導の実効性を確保するため 社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインにおいても 社会保険への加入について 下請指導を徹底するよう求められています (1) 特定建設業者は下請負人の保険加入状況等を確認し 未加入企業に対しては 保険加入を指導すること ( 直接契約関係にある下請負人を通じた確認 指導も可 ) (2) 工事現場でポスターの掲示やパンフレット等により周知啓発すること (3) 調達部門においては協力会社等を通じて加入状況を把握し 未加入企業に対しては加入を勧奨すること 1 次下請だけを指導すればよいのか 下請指導の対象となるのは 元請企業と直接の契約関係にある者に限られず 元請企業が請負った建設工事に従事するすべての下請企業とされています しかし 元請企業がそのすべてに対して自ら直接指導を行うことが求められるものではなく 直接の契約関係にある下請企業に指示し又は協力させ 元請企業はこれを統括するという方法も可能であるとしています もっとも 直接の契約関係にある下請企業に実施させたところ指導を怠った場合や 直接契約関係にある下請企業がその規模等にかんがみて明らかに実施困難であると認められる場合には 元請企業が直接指導を行うことが必要であるとされています 25

31 第 2 章社会保険未加入対策の内容 下請を指導しても従わない場合の措置 建設業法第 24 条の 6 の規定により 特定建設業者は下請企業を指導しなければなりませんが 特定建設業者が下請業者を指導したにもかかわらず 下請負人が違反の事実を是正しない場合は 特定建設業者はその旨を速やかに許可行政庁 ( 大臣許可業者は国土交通大臣 知事許可業者は都道府県知事 ) に通報しければなりません 特定建設業者が 下請の指導を行わず又は違反事実の通報を怠った場合には 指示処分 ( 第 5 章 不法行為とペナルティー 参照 ) の対象になります 保険未加入の協力会社とは契約の解除も 元請企業である特定建設業者の下請指導は 建設工事の期間中 すなわち 元請 下請関係が継続している間実施する必要がありますが 元請企業の協力会や災害防止協会等の協力会社組織に所属する協力会社に対しては 長期的な観点から指導を行うことが望まれます また 保険未加入対策を効果的なものとするためには 元請企業において保険未加入の協力会社とは契約しないことや 保険未加入の建設労働者の現場入場を認めないことを将来的に見据えつつ 協力会社の指導に取組んでいくことが求められています このため 元請企業としては 様々な機会をとらえて協力会社の社会保険に対する意識を高めることが重要であり 具体的には国土交通省 社会保険の加入に関する下請指導等ガイドライン ( 巻末の参考資料 <3> 参照 ) において 次の取組みを行うべきであるとされています (1) 協力会社の社会保険加入状況について定期的に把握を行うこと (2) 協力会社組織を通じた社会保険の周知啓発や加入勧奨を行うこと (3) 社会保険へ適正に加入していない協力会社が判明した場合には 早期に加入手続を進めるよう指導すること ( 労働者であるにもかかわらず社会保険の適用除外である個人事業主として作業員名簿に記載するなど 不自然な取扱いが見られる協力会社についても 事実確認をしたうえで適正に加入していないと判明した場合には 同様に指導を行うこと ) 26

32 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 特定建設業者に関する解説 建設業の許可制度は 特定建設業と一般建設業の二種類に区分されており 発注者から直接請負った一件の建設工事につき その工事の全部又は一部を 下請代金の額 ( その工事に係る下請契約が二以上あるときは 下請負代金の総額 ) が 3 千万円以上 ( 建築工事あっては 4 千 5 百万円以上 ) となる下請契約を締結して施工しようとするものは 特定建設業の許可を受けなければなりません そして 特定建設業者に対しては 発注者から直接請負った建設工事に参加しているすべての下請負人が その建設工事の施工に関し 建設業法の規定や建設工事の施工に関する法令あるいは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規程に違反しないよう指導に努める義務が課されています 建設業法第 24 条の 6 により 特定建設業者が下請負人を指導しなければならない事項のうち 労働者の使用に関する法令の規定は次のとおりです 特定建設業者が指導しなければならない事項 ( 関連項目のみ ) 労働基準法第 5 条 ( 暴行等による強制労働の禁止 ) 労働基準法第 6 条 ( 中間搾取の排除 ) 労働基準法第 24 条 ( 賃金の支払方法及び支払額等に関する規制 ) 労働基準法第 56 条 ( 労働者として使用できる最低年齢の制限 ) 労働基準法第 63 条 64 条の4( 満 18 歳未満の者又は女子の坑内労働の禁止 ) 労働基準法第 96 条の2 第 2 項 96 条の3 第 1 項 ( 労働者の安全及び衛生のための必要な措置命令 ) 職業安定法第 44 条 ( 無許可の労働者供給事業の禁止 ) 職業安定法第 63 の第 1 号 ( 暴行等による職業紹介 募集 労働者の供給を行った者に対する罰則 ) 職業安定法第 65 条 9 号 ( 法令違反現場への労働者の供給禁止 ) 労働安全衛生法第 98 条第 1 項 ( 労働者の危険又は健康障害を防止するための必要な措置 ) 労働者派遣法第 4 条第 3 項 ( 労働者派遣事業の禁止 ) 社労士の視点 2 いよいよ社労士の出番がやってきた 特定建設業の許可業者は 原則として大規模な工事を元請の立場で行う者です そして特定建設業者は施工や安全管理の面において傘下の下請企業との連携を密にする必要があるため 協力会 という組織を持っています 下請に対する指導はその協力会を通じて行われるのが通常ですが 特定建設業者が下請を指導しなければならない事項のうち 労働者の使用に関する法令の規定は専門的な知識が要求されるため その指導体制はあまり万全とはいえない状況にあります しかし 社会保険加入対策が進められることにより 特定建設業者にはより高度な対応が求められることになりました 特定建設業者をクライアントに持つことは その傘下にある下請業者にも影響力が及ぶことになるため 社労士にとっては新たな事業の展開に大いに期待が寄せられるところです 27

33 第 2 章社会保険未加入対策の内容 (4) 施工体制台帳への保険加入状況の記載が義務化 特定建設業者が 平成 24 年 11 月 1 日以降に発注者と締結した請負に係わる建設工事については 施工体制台帳の記載事項に 健康保険等の加入状況 が追加されました このため施工体制台帳の記載にあたっては 健康保険等の加入状況 ( 健康保険 厚生年金保険 雇用保険の各保険 ) の加入に関する状況について記入しなければならなくなりました 施工体制台帳作成のための指針の概要 施工体制台帳の作成に関し 平成 24 年 5 月 1 日付けで建設業法施行規則の一部改正が行われ 特定建設業者及び下請負人が その請負う工事における下請負人等の保険加入状況を把握することを通じて 適正な施工体制の確保に資するよう 特定建設業者が発注者と締結した請負契約に係る建設工事について 施工体制台帳の記載事項に健康保険等の加入状況が追加されることになりました また 施工体制台帳を的確かつ速やかに作成するため 施工に携わる下請負人の把握に努め これらの下請負人に対して速やかに再下請通知書を提出するよう指導するとともに 特定建設業者としても自ら施工体制台帳の作成に必要な情報の把握に努めなければなりません 施工体制台帳の作成について 発注者から直接建設工事を請負った特定建設業者は 建設業法の規定により当該建設工事について 下請負人の 商号 名称 工事の内容 工期 監理技術者の氏名 等を記載した施工体制台帳を作成し 工事現場ごとに備付なければなりません 施工体制台帳の作成義務は 発注者から直接請負った建設工事を施工するために締結した下請契約の総額が3 千万円以上 ( 建築一式工事は4 千 5 百万円 ) 以上の工事を施工する特定建設業者に発生するものです 施工体制台帳の作成を要しない工事の取扱い 国土交通省の 施工体制台帳等についての指針 ( 平成 24 年 5 月 1 日付国土建第 57 号 ) では 施工体制台帳の作成が義務付けられていない小規模工事等であっても 建設工事の適正な施工を確保する観点から 元請企業は施行規則 ( 第 28

34 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 14 条の 2~ 第 14 条の7まで ) の規定に準拠した施工体制台帳の作成が望ましいとされています また同指針では より的確な建設工事の施工及び請負契約の履行を確保する観点から 施工体制台帳の記載事項とされていない 安全責任者 雇用管理責任者 就労予定労働者数 工事代金支払方法 受給者選定理由 等の事項についても できる限り記載することを推奨しています さらに 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン ( 巻末の参考資料 <3> 参照 ) においても 元請企業は 下請企業の社会保険の加入状況及び各作業員の保険加入状況について適宜の方法によって把握し 未加入の場合には指導を行うことが望ましいとされています 施工体制台帳に関する解説 特定建設業者が発注者と締結した請負関係に係わる建設工事については 施工体制台帳の記載事項に 健康保険等の加入状況 の記入が追加されました これは特定建設業者及び下請負人が その請負う工事における下請負人等の社会保険加入状況を把握することを通じて 適正な施工体制の確保に資するためです 建設工事を適正に施工するためには 発注者から直接工事を請負った特定建設業者が 直接の契約関係にある下請業者のみならず 建設工事の施工に当たるすべての建設業を営む者を監督しつつ工事全体の施工を管理することが必要です このため 発注者から建設工事を直接請負った特定建設業者で 下請契約の総額が 3 千万円 ( 建築一式工事は 4 千 5 百万円 ) 以上になるものについて 下請負人の名称その他 下請に係る工事の内容 工期等を記載した施工体制台帳を作成し 工事現場ごとに備え付けなければなりません この場合の下請負人とは 特定建設業者と直接下請契約をした下請負人に限らず 二次 三次下請等を含め その建設工事に携わるすべての下請負人です また 建設業の許可を受けている建設業者はもちろんのこと 許可を受けていない建設業を営む者も下請負人に該当します 施工体制台帳の作成義務は公共工事であれ民間工事あれすべての建設工事について求められるものです 29

35 第 2 章社会保険未加入対策の内容 施工体制台帳の作成を要しない建設業者 施工体制台帳の作成が義務づけられているのは 発注者から建設工事を直接請負った特定建設業者で 下請契約の総額が 3 千万円 ( 建築一式工事は 4 千 5 百万円 ) 以上になるもの であって これに該当しない者は 特定建設業者であっても施工体制台帳の作成は義務づけられていません 施工体制台帳の作成が義務付けられていない者とは 特定建設業者のうち 1 下請に施工させる請負代金の額が上記に掲げる金額に満たない場合 2 請負代金の額に関わらず下請を使用せず自ら施工する場合 3 下請業者として施工する場合 等がこれに該当します なお 下請として工事を施工する者は特定 一般建設業者を問わず施工体制台帳の作成に関する法的義務は発生しません 社労士の視点 3 社会保険の記号 番号まで確認する必要がある 施工体制台帳の記載事項のうち 健康保険等の加入状況 欄の 健康保険 厚生年金保険 雇用保険 について それぞれ 加入 未加入 適用除外 の項目が追加されたことにより 特定建設業者には それらの状況の確認という仕事が新たに加わりました 施工体制台帳には 元請及び下請企業について事業所整理記号及び事業所番号の記載をしなければならず さらに一括適用の承認に係る営業所については 本店の整理記号及び事業所番号を記載することになっています 建設業には事業所番号が複数あるので 社労士としては 相談 指導にあたって次のような点に注意する必要があります 1. 健康保険 厚生年金保険事業所整理記号及び事業所番号については 政府管掌の場合は同じ整理番号を記入し 組合健保の場合はアルファベット等による記号が記入されていることを確認すること 2. 雇用保険事業所適用番号ではなく 労働保険番号 を記載することになる 建設業では 労働保険番号は ほとんどの場合複数の番号があるので 所掌番号は3 に該当する また個別加入の場合は 事業所記号と労働保険番号が同一となっている 事務組合等に委託している場合は異なるため 注意が必要 30

36 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 (5) 再下請通知書による保険加入状況のチェック 施工体制台帳の作成が義務付けられた建設工事に参加する下請負人が その請負った建設工事を他の建設業を営む者 ( 再下請 ) に請負わせるときは 特定建設業者に再下請負通知書を提出しなければなりません 再下請通知書の記載事項には 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険の加入状況 に関する事項の記載が義務化されています 再下請通知書で保険加入状況をチェック 施工体制台帳の作成が義務付けられた建設工事に参加する下請負人が その請負った建設工事をさらに他の建設業を営む者 ( 下請負人等 ) に請負わせたときは 再下請通知書 ( 巻末の参考資料 <3> 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン ( 別紙 1) 参照 ) を元請負人である特定建設業者に提出しなければなりません ( 建設業法施行規則第 14 条の4) また下請企業は再下請通知書を活用して再下請企業の加入状況をチェックするとともに 元請企業からの指導がすべての下請企業に伝わるよう協力しなければなりません このため 現場労働者について雇用関係にある社員と請負関係にある者の二者を明確に区別した上で 雇用関係にある者については 再下請通知書を活用して保険加入状況をチェックする必要があります 雇用者と請負者の区分については 雇用者は 賃金支払 保険加入 労働者名簿 賃金台帳に記載 し 請負業者については 次のような措置を講じなければなりません 1 請負契約の締結 請負代金の支払い状況をチェックする 2 労務関係諸経費の削減を意図して 請負契約の形式をとりながら 実態は労働者として扱う偽装請負の禁止の徹底を図る 3 再下請企業に対しては 再下請通知書の記載を徹底させることにより 保険加入状況を確認する 4 再下請通知書の記載事項に被保険者番号記入欄を追加する 5 特定建設業者が行う指導が建設工事の施工に携わるすべての下請企業に伝わるように 下請企業においては 特定建設業者が行う指導に協力する 31

37 第 2 章社会保険未加入対策の内容 保険加入状況欄が空欄で提出されたら 再下請請負通知書の 健康保険等の加入状況 欄の確認の結果 全部又は一部の保険について空欄になっている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう次のような指導する必要があります 1 元請企業が 各作業員の保険加入状況が記録された情報システムを利用するなど 作業員名簿の確認以外の方法により各作業員の保険加入状況を把握できる場合には 当該方法による確認も可能である 2 作業員の保険加入状況の確認を行う際には 必要に応じ あらかじめ下請企業に社会保険の標準報酬決定通知書等関係資料のコピーを提示させるなど 記載事項の真正性の確保に向けた措置を講ずることが望ましい 3 作業員名簿に記載する被保険者番号等は 個人情報の保護に関する法律第 2 条第 1 項に規定する個人情報に該当することから 同法及び国土交通省所管分野における 個人情報保護に関するガイドライン に留意し 適切に取扱うことが必要である 4 遅くとも平成 29 年度以降においては 適切な保険に加入していることが確認できない作業員については 元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取扱いとすべきである なお 法人や5 人以上の常用労働者を雇用する個人事業所に所属する作業員であっても 臨時に使用され1ヵ月以内で日々雇用される者等は 健康保険や厚生年金保険の適用除外となります 参考資料 <3> 作業員名簿を活用した確認 指導等施工体制台帳及び再下請負通知書に関する規制の改正に合わせて 各団体等が作成している作業員名簿等の様式においても 各作業員の加入している健康保険 厚生年金保険 雇用保険の名称及び被保険者番号等の記載欄が追加されている この作業員名簿を活用することで 建設工事の施工現場で就労する建設労働者について 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険の加入状況を把握することが可能となった これを受け 元請企業は 新規入場者の受け入れに際して 各作業員 ( 建設業に従事する者に限る ) について作業員名簿の社会保険欄を確認すること 確認の結果 全部又は一部について空欄となっている作業員 32

38 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 法人に所属する作業員で 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 厚生年金保険欄に 国民年金 と記載されている者 個人事業所で 5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 厚生年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人以上の常用労働者を雇用する個人事業所に所属する作業員であっても 臨時に使用される 1 ヵ月以内で日々雇用される者等は 健康保険や厚生年金保険の適用除外となる 元請企業が 各作業員の保険加入状況が記載された情報システムを利用するなど 作業員名簿の確認以外の方法により 各作業員の保険加入状況を把握できる場合には 当該方法による確認も可能である 各作業員の保険加入状況の確認を行う際には 必要に応じて あらかじめ下請企業に社会保険の標準報酬決定通知書等関係資料のコピーを提示させるなど 記載事項の真正性の確保に向けた措置を講ずることが望ましい なお 作業員名簿に記載する被保険者番号等は 個人情報の保護に関する法律 ( 平成 15 年法律第 57 号 ) 第 2 条第 1 項に規定する個人情報に該当することから 同法及び 国土交通省所管分野における個人情報保護に関するガイドライン に留意し 適切に取り扱うことが必要である 遅くとも平成 29 年度以降においては 適切な保険に加入していることを確認できない作業員については 元請企業は特段の理由がない限り入場を認めないことの取扱いとすべきである ( 社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインから ) 再下請通知書に関する解説 再下請負通知書施工体制台帳作成の義務のある特定建設業者の施工する建設工事に下請負人として参加する建設業を営む者が その請負った建設工事を更に他の建設業を営む者 ( 下請負人等 ) に請負わせるときは 工事を請負わせるごとに 工事を請負わせた下請負人等から必要事項を聴取する等により 施工体制台帳と同様の事項が記載された書面を作成し これを特定建設業者に通知しなければなりません この書面を 再下請負通知書 といいます 33

39 第 2 章社会保険未加入対策の内容 再下請負通知書作成の方法 再下請負通知書の作成は 工事を請負わせた他の建設業を営む者から必要な事項を聴取すること等により作成する必要があり 自ら記載して作成してもよいし 所定の記載事項が記載された書面を束ねるようにしてもよいことになっています ただし いずれの場合も工事を請負わせた下請負人等ごとに行わなければなりません また 再下請負通知書の作成及び特定建設業者への通知は 施工体制台帳が作成される建設工事の下請負人となり その請負った建設工事をさらに下請負人等に請負わせた後 遅滞なく行わなければなりません 一度再下請負通知を行った後 再下請負通知書に記載した事項又は添付した書類について変更があったときは 遅滞なく変更があった年月日を付記して すでに記載されている事項に加えて変更後の事項を記載し 又はすでに添付されている書類に加えて変更後の書類を添付しなければなりません 再下請負通知書の提出要領 特定建設業者に対する再下請負通知書の提出は 直接元請である特定建設業者に提出することが原則とされていますが やむを得ない場合には 自らが下請契約を締結した注文者に経由を依頼して 元請である特定建設業者あてに提出しても差し支えありません 特定建設業者は 施工体制台帳を的確かつ速やかに作成するため 自ら進んで施工に携わる下請負人の把握に努め これらの下請負人に対して速やかに再下請通知を行うよう指導するとともに 自ら施工体制台帳の作成に必要な情報の把握に努める義務があります 社労士の視点 4 労働者と請負人の判別は社労士の仕事 再下請負通知書の提出が求められるのは 下請負人として建設工事の施工に参加するすべての建設業を営む者です したがって 下請負人として工事を請負った者が更に下請負人に工事を請負わせる場合には 下請負人が建設業の許可業者であるか否かにかかわらず すべて再下請負通知書を作成しなければなりません その場合 末端の請負関係においては労働者か請負人かの判別が困難で混乱が生じることが予想されますので 社労士は 第 3 章に掲げた 労働者 請負人判断のチェックポイント を参考にするなどして 労働者性 請負人性について判断し 指導を行いましょう 34

40 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 (6) 元請企業の役割と責任 元請企業はその請負った建設工事におけるすべての下請企業に対して 適切な契約の締結 適正な施工体制の確立 雇用 労働条件の改善 福祉の充実等について指導 助言その他の援助を行うことが期待されています とりわけ社会保険については 関係者を挙げて未加入問題への対策を進め 社会保険加入を徹底することにより 技能労働者の雇用環境の改善や不良不適格業者の排除に取組むことが求められており 特定建設業者以外の元請企業も下請企業に対する指導等の取組みを行う必要があります 施工体制台帳作成義務のない元請企業の役割 下請契約の総額が建設業法施行令で定める金額 ( 下請契約の総額が 3 千万円 ( 建築一式工事は 4 千 5 百万円 )) を下回ることにより 施工体制台帳の作成等が義務付けられていない場合であっても 建設工事の適正な施工を確保する観点から 元請企業には施工体制台帳の作成等が推奨されているところです また 建設工事の施工に係る下請企業の社会保険加入状況及び各作業員の保険加入状況についても 元請企業は適宜の方法によって把握し 未加入である場合には指導を行うことが望ましいとされています 元請企業の指導の対象となる下請企業 元請が行う指導の対象となる下請企業は 元請企業と直接の契約関係にある者に限られず 元請企業が請負った建設工事に従事するすべての下請企業とされています また指導は元請企業がそのすべての下請企業に対して直接行うことが求められるものではなく 直接の契約関係にある下請企業に指示し又は協力させて指導を行わせることができます なお直接の契約関係にある下請企業に実施させたところ指導を怠った場合や 直接契約関係にある下請企業が その規模等により明らかに実施困難であると認められる場合には 元請企業が直接指導を行わなければなりません 35

41 第 2 章社会保険未加入対策の内容 協力会社組織を通じた指導等 元請企業の協力会や災害防止協会等の協力会社組織に所属する建設企業 ( 以下 協力会社 という ) に対しては 長期的な観点から指導を行うことが望まれます また 保険未加入対策を効果的なものにするためには 元請企業において保険未加入の協力会社とは契約しないことや 保険未加入の建設労働者の現場への入場を認めないことを将来的に見据えつつ 協力会社の指導に取組んでいくことが求められます 下請企業の選定等 元請企業は 下請企業の選定に当たっては 下請契約に先立って 選定の候補となる建設企業について社会保険の加入状況を確認し 適用除外でないにもかかわらず未加入である場合は 早期に加入手続を進めるよう指導すべきとされています この確認に当たっては 必要に応じ 選定の候補となる建設企業に保険料の領収書等関係資料のコピーを提示させるなど 真正性の確保に向けた措置を講ずることが望ましいとされています なお 遅くとも平成 29 年度以降においては 健康保険 厚生年金保険 雇用保険の全部又は一部について 適用除外でないにもかかわらず未加入である建設企業は 下請として選定しないとの取扱いとすべきであるとされています 元請建設業者に関する解説 建設工事は 工事現場における元請負人の総合的な指導管理の下に下請負人が参加して施工されるものなので その円滑かつ適正な施工を確保するためには 元請負人と下請負人との緊密な連絡 協調の体制がとられていることが望ましく とくに元請負人の工事施工管理の面に 下請負人の意見や意思をできる限り反映させることは 下請負人の利益の保護に資するものであり ぜひ必要とされているところです このような趣旨から 元請負人は建設工事を適正に施工するとともに 下請負人の利益をできるだけ保護するために 本来 元請負人が単独で決定することができる工程の細目等の事項についても 元請負人が決定するに当たっては あらかじめ下請負人の意見を聞くべきであるとされています ( 建設業法第 24 条の 2) 36

42 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 社労士の視点 5 当社は加入しています に同調してはいけない 建設業者のうち 就業規則の作成が義務づけられている従業員 10 人以上規模の企業の場合 そのほとんどが 当社は社会保険に加入しています という返事が返ってきます しかし 建設業の若年労働者の減少は 社会保険に加入さえすれば解消できるというものではありません 建設労働者の減少の原因は さまざまな原因が複合した結果によるもので 特に第 1 章の 建設業の保険加入問題と直面する課題 で紹介した 建設労働者の離職の理由 によるところが多いと考えられます このため優秀な若年労働者を確保するためには 自らの雇用環境の改善に取組まなければなりません そのような観点から すべての建設業者が未加入問題はもとより 建設業の雇用環境の改善に取組まない限り 建設業が抱える雇用問題の抜本的な解決には至りません したがって 社労士には未加入問題を含め企業イメージのアップにつながるような雇用環境改善の指導が期待されているところです 37

43 第 2 章社会保険未加入対策の内容 (7) 下請企業の役割と責任 社会保険に関する法令に基づいて従業員の社会保険への加入義務を負っているのは本来的には事業主であるため 社会保険加入を徹底するためには 建設労働者を雇用する者 とくに下請企業自らが積極的にその責任を果たすことが必要不可欠とされています 下請企業が果たすべき責任 下請企業は その雇用する労働者の社会保険加入手続を適切に行うため 建設労働者について 労働者である社員と請負関係にある者の二者を明確に区別した上で 労働者である社員についての保険加入手続を適切に行うことが必要です その際 事業主が労務関係諸経費の削減を意図として これまで雇用関係にあった労働者を対象に 個人事業者として請負契約を結ぶことは避けるべきであり 請負契約の形式であっても実態が雇用労働者であれば 偽装請負として職業安定法等の労働関係法令に抵触するおそれがあることに留意する必要があります 労働者であるかどうかの判断 労働者であるかの判断は 1 仕事の依頼 業務に従事すべき旨の指示等に対する諾否の自由の有無 2 業務上の指導監督の有無 3 勤務時間の拘束性の有無 4 本人の代替性の有無 5 報酬の労務対償性 をはじめ 関連する諸要素を勘案して総合的に判断するべきものとされていますが 保険未加入対策の推進を契機に 従来の慣行が適正なものであるかどうか見直しを行うことが望ましいとされています その際には 期間の定めのない労働契約による正社員 工期に合わせた期間の定めのある労働契約による契約社員とすることもあり得るものであり その実情に応じて建設労働者の処遇が適切に図られるようにすることが望ましいとされています 元請の指導に協力すること 元請企業が行う指導の相手方として指導に沿った対応をとることに留まらず 38

44 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 元請企業の指導が建設工事の施工に携わる全ての下請企業に行き渡るよう 元請企業による指導の足りないところを指摘 補完し 若しくはこれを分担するとともに 再下請企業の対応状況について元請企業に情報提供すること等の協力も含まれます なお 作業員名簿に記載する保険者番号は個人情報の保護に関する法律第 2 条第 1 項に規定する個人情報に該当することから 同法及び 国土交通省所管分野における個人情報に関するガイドライン に留意し 適切に取扱う必要があります とくに 作業員名簿の元請企業への提出に当たっては 利用目的 ( 保険加入状況を元請企業に確認させること ) を示した上で あらかじめ作業員の同意を得ることが必要であることに留意してください 下請企業に関する解説 建設業法には 下請企業に関する事項を定めた直接的な条文は存在しません しかし 建設業法第 23 条には 建設工事につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは 注文者は その変更を請求することができる と記されています 下請負人の変更を請求することができるのは その下請負人が 建設工事の施工につき著しく不適当と認められる 場合に限られます したがって 建設工事の施工に直接関係のないことがら たとえば下請負人の品行がよくないというような場合は該当しませんが そのことによって施工そのものが不可能となるような場合は 変更を請求できると考えられています また 著しく不適当と認められる ためには 客観的な妥当性があり 注文者が主観的あるいは恣意的な判断により変更を要求しても 客観的に証明されない限り請負人はこれに応ずる義務がないことになります 社労士の視点 6 社会保険加入手続は社労士の基本業務 社会保険未加入対策がスタートしたことにより 下請企業は従来のようなあいまいな形で労働者を受け入れることができなくなりました 特に建設現場作業に従事する者を直接受け入れる機会が多い下請企業は 受け入れに際して労働者として雇入れるのか 請負人として仕事を依頼するのかを明確にしなければなりません その際 労働者として受け入れる者に対しては 建設労働者の雇用の改善等に関する法律の定めにより 雇入通知書 の発行が義務付けられることになります また 労働者として雇入れた者であっても必ずしも労働 社会保険の一般被保険者に該当するとは限らず 日雇労働被保険者としての手続が必要になる場合もあります こうした手続はすべて社労士の業務領域に該当するものなので 社労士にはそれらの的確な判断が要求されることになります 39

45 第 2 章社会保険未加入対策の内容 (8) 法定福利費の適正な負担義務 法定福利費は事業者が法律上当然に負担しなければならない労働者のための福利費用で 一般には 健康保険 厚生年金保険 介護保険 労災保険 雇用保険 の 5 つの保険制度をいいます 法定福利費は産業や業種を問わず 社会保険が適用されるすべての事業所とその従業員が義務として負担しなければならない費用です 建設業では 法定福利費相当額を含まない金額で建設工事の請負契約を締結した場合には 発注者がこれらの保険への加入義務を定めた法令の違反を誘発するおそれがあるとともに 発注者が建設業法第 19 条の 3 に違反するおそれがあるとされています 法定福利費を含めない発注は違法 社会保険料は 建設業者が義務的に負担しなければならない法定福利費であり 建設業法第 19 条の3( 4) に規定する 通常必要と認められる原価 に含まれるもので 元請負人及び下請負人は見積時から法定福利費を必要経費として適正に確保しなければなりません このため 下請負人の見積書に法定福利費相当額が明示されているにもかかわらず 元請負人が 法定福利費相当額を一方的に削減し 又は法定福利費相当額を含めない金額で建設工事の請負契約を締結し その結果 通常必要と認められる原価 に満たない金額となる場合には 当該元請下請間の取引依存度等によっては 建設業法第 19 条の 3 の不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがあるとされています ( 4) 建設業法第 19 条の 3( 不当に低い請負代金の禁止 ) 注文者は 自己の取引上の地位を不当に利用して その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない 40

46 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 発注者 受注者間における建設業法令順守ガイドライン ( 要旨 抜粋 ) 8-2 社会保険 労働保険 ( 法定福利費 ) について 社会保険や労働保険は労働者が安心して働くために必要な制度であり 強制加入の方式がとられている 具体的には 健康保険と厚生年金保険については 法人の場合にはすべての事業所について 個人経営の場合でも常時 5 人以上の従業員を使用する限り 必ず加入手続を行わなければならず また 雇用保険については 建設事業主の場合 個人経営か法人かにかかわらず 労働者を 1 人でも雇用する限り 必ず加入手続をとらなければならない このため 受注者には これらの保険料に係る費用負担が不可避となっている これらの保険料にかかる受注者の費用は 労災保険料とともに受注者が義務的に負担しなければならない法手福利費であり 建設業法第 19 条の 3 に規定する 通常必要と認められる原価 に含めるべきものである このため 発注者及び受注者は見積時から法定福利費を必要経費として適正に考慮すべきであり 法定福利費相当額を含まない金額で建設工事の請負契約を締結した場合には 発注者がこれらの保険への加入義務を定めた法令の違反を誘発するおそれがあるとともに 発注者が建設業法第 19 条の 3 に違反するおそれがある 法定福利費に関する解説 法定福利費とはその言葉が示すとおり 事業者が法律上当然に負担しなければならない労働者のための福利費用で 一般には 健康保険 厚生年金保険 介護保険 労災保険 雇用保険 の 5 つの保険制度をいいます 法定福利費は産業や業種を問わず 社会保険が適用されるすべての事業所とその従業員が義務的に負担しなければならない費用とされています 建設業では この事業主が負担すべき法定福利費 ( 社会保険料 ) は 建設業法第 19 条の3に規定する 通常必要と認められる原価に含まれるべきものである として 発注者の工事価格に含まれている経費とされています 社労士の視点 7 社会保険料は請負金額の中に含まれている 公共工事の請負代金の中には 原則として事業主負担分の社会 労働保険料のすべてが含まれています このため公共工事を請負った元請負人及びその下請負人は社会保険に加入しなければ建設業法違反として指示処分等を受けることになります また 公共工事を請負った元請業者は下請代金の中に社会保険料を含めて下請契約を締結しなければなりません 社労士はこれらの流れを熟知したうえで 元請 下請建設業者に対して適切なアドバイスを行いましょう 41

47 第 2 章社会保険未加入対策の内容 (9) 不良 不適格業者の排除 不良 不適格業者とは 技術力 施工能力を全く有しないペーパーカンパニー 経営を暴力団が支配している企業 技術力からみて適切な施工が行い得ない企業等をいいますが 建設業法その他の諸法令 ( 社会保険 労働保険に関する法令を含む ) を遵守しない企業についても 不良 不適格業者と見なす取扱いが行われることになりました 不良 不適格業者に関すること 不良 不適格業者とは 公共事業の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針によれば 技術力 施工能力を全く有しないいわゆるペーパーカンパニー 経営を暴力団が支配している企業 対象工事の規模や必要とされる技術力からみて適切な施工が行い得ない企業 過大受注により適切な施工が行えない企業 建設業法その他工事に関する諸法令 ( 社会保険 労働保険に関する法令を含む ) を遵守しない企業等を指すものとされています そして このような不良 不適格業者を放置することは 適正かつ公正な競争を妨げ 公共工事の品質確保 適正な費用による施工等の支障になるだけでなく 技術力 経営力を向上させようとする優良な建設業者の意欲を削ぎ ひいては建設業の健全な発達を阻害することとなると指摘されています また 建設業許可や経営事項審査の申請に係る虚偽記載を始めとする公共工事の入札及び契約に関する様々な不正行為は 主としてこうした不良 不適格業者によるものと指摘されています このため 建設業許可行政庁等においては 建設業法に基づく処分やその公表等を厳正に実施し また 各省各庁の長等においては それらの排除の徹底を図るため 公共工事の入札及び契約にあたり 公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針 ( 平成 23 年 8 月閣議決定 ) に基づき措置を講ずるとともに 建設業許可行政庁等に対して処分の実施等の厳正な対応を求めるとしています 不良 不適格業者に関する解説 公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針( 平成 23 年 8 月閣議決定 ) の その他入札及び契約の適正化に関し配慮すべき事項 の中に 不良 不適格業者の排除に関することとして 次のように述べられています 42

48 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 国は 公共工事に対する国民の信頼の確保とこれを請け負う建設業の健全な発達を図るため 公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針を定め これに従い 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に規定する各省各庁の長 特殊法人等の代表者又は地方公共団体の長は 公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置を講じるようよう努めるものとする 社労士の視点 8 不良不適格業者は建設業界から排除される 不良不適格業者は建設業者としての信頼を欠くものです 社会保険への未加入業者も不良不適格業者と見なされることになったことにより 今後は建設業法の基準を満たす努力をしない限り 建設業界から排除されていく流れにあります したがって 社労士の顧問先となる建設業者が不良不適格業者のレッテルを貼られることは 自らの指導力を問われることにも通じますので 社労士は十分な指導力を発揮する必要があります 43

49 第 2 章社会保険未加入対策の内容 (10) 許可行政庁による指導 監督 社会保険の未加入対策にあたっては 平成 24 年 11 月 1 日以降 建設業の許可行政庁において 営業所及び工事現場への立入検査等により社会保険への加入状況を確認し 社会保険未加入企業に対しては加入の指導が行なわれることとなっています 立入調査に関すること 建設業の許可行政庁 ( 国土交通省の各地方整備局又は都道府県 ) による 営業所及び工事現場への立入検査等において 建設業者に社会保険関係法令違反に該当する事実が認められるときは 建設業法に基づく加入指導を行ない 指導してもなお未加入の企業に対しては 厚生労働省の社会保険担当部局に通報されることになっています 社会保険未加入対策にあたっては 建設業の許可行政庁において営業所及び工事現場への立入検査等により社会保険への加入状況を確認し 社会保険未加入企業に対しては加入の指導が行なわれることになりました 事業所への立入調査 営業所への立入検査に際しては 保険料の申告書 領収済申告書等により 企業単位での加入状況を確認するほか 労働者名簿で雇用者を把握し 労働者単位の加入状況を次の書類により確認することになっています 1 賃金台帳 ( 保険料の控除の状況 ) 2 雇用保険被保険者資格取得等確認通知書 ( 雇用保険 ) 3 健康保険 厚生年金保険資格取得確認及び標準報酬決定通知書 ( 健康保険 厚生年金保険 ) 工事現場への立入調査 工事現場への立入検査では 特定建設業者による下請企業への指導が適切に行われているかの状況を確認するため 次の検査が行われます 1 下請企業の保険加入の確認指導状況の聴取 2 特定建設業者として把握が行われているか作業員名簿等による確認 3 未加入企業に対し指導を行っているかの確認等 44

50 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 特定建設業者による下請指導が適正に行われていない場合 ( 全く確認していない 未加入企業が多い等 ) は 特定建設業者に指導を行うとされています 指導 通報してもなお加入が見込まれない企業に対しては 建設業法に基づく監督処分を行うとしています ( 建設業法第 31 条 ) 監督 指導に関する解説 建設業法第 31 条は 国土交通大臣は 建設業を営む全ての者に対して 都道府県知事は 当該都道府県の区域内で建設業を営む者に対して 特に必要があると認めるときは その業務 財産若しくは工事の施工の状況につき 必要な報告を徴し 又は当該職員をして営業所その他営業に関係のある場所に立入り 帳簿書類その他の物件を検査させることができる と定めています < 建設業担当部局による監督の概要 > 建設業法第 31 条に基づく立入検査において 保険加入状況及び下請指導状況を確認する 事業所への立入検査 許可行政庁による立入検査により 保険加入状況を必要な書類を提出させることで確認する ( 建設業法に関する項目を検査する際に 併せて保険加入状況を確認 ) 保険料の申告書 領収済通知書等により 企業単位での加入状況を確認するほか 労働者名簿で雇用者を把握し 労働者単位の加入状況を以下の書類により確認する 賃金台帳( 保険料の控除の状況 ) 雇用保険資格取得等確認通知書( 雇用保険 ) 被保険者資格取得確認および標準報酬決定通知書( 健康保険 厚生年金保険 ) 未加入事業者に対しては 文書により保険加入を指導し 後日 加入状況の報告を求める 指導をしても なお保険未加入の場合は 保険担当部局に通報する 工事現場への立入検査 社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインに基づき 特定建設業者の指導が適切に行われているかを立入検査により確認 指導する 下請企業の保険加入の確認指導状況を聴取 特定建設業者として把握を行っているか( 作業員名簿等による確認状況 ) 未加入企業に対する指導は行っているか等 下請指導が適正に行われていない場合 ( 全く確認していない 未加入企業が多い等 ) は 特定建設業者に対する指導を行う 45

51 第 2 章社会保険未加入対策の内容 社労士の視点 9 調査への立会い 建設業許可担当部局又は社会保険担当部局からの事務所や工事現場への立入り調査に際しては社会 労働保険の記号 番号 賃金台帳 労働者名簿 就業規則等の関係書類の提示が求められるため 建設業者にとっても 社労士が調査へ立ち会うことは心強いことでしょう そのためにも 社労士は日ごろからこれらの調製や整備等ついて適正に指導を行う必要があります 46

52 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 (11) 相互通報制度の設置 建設業の許可行政庁において 建設業の許可 更新等の際に社会保険等の加入状況の確認及び指導を行った上で なお社会保険等に加入しない建設業者については 許可行政庁から都道府県労働局及び日本年金機構ブロック本部に通報する制度が設けられました 相互通報制度の概要 相互通報制度では 建設業の許可行政庁が 建設業の事業所又は工事現場等への立入検査において 社会保険関係法令違反に該当する事実があれば 建設業法に基づく監督指導を行い 指導してもなお未加入の企業に対しては 厚生労働省の社会保険担当部局に通報されることとなっています これを受けて社会保険担当部局では 保険未加入事業所に対して数次の加入指導を行ない 指導を行ってもなお加入しない悪質な事業所に対しては 建設業の許可行政庁に通報します そして建設業の許可行政庁は 建設業法に基づいた営業停止などの監督処分を行います 通報制度の仕組み < 通報元 > ( 許可行政庁 ) 国土交通省地方整備局及び都道府県 < 通報先 > ( 保険担当部局 ) 1 雇用保険 都道府県労働局総務部労働保険徴収室等 2 健康保険及び厚生年金保険 日本年金機構ブロック本部適用 徴収支援部厚生年金適用支援グループ等 < 通報の方法 > 未加入建設業者( 指導業者 ) リスト に必要事項を記入し 許可行政庁から通報対象業者の事業所を管轄する上記通報先への公文書の発送及び担当者あての電子メールによる送付により通報します 通報は 原則月に 1 回とし 通報対象業者を当該月の月末締めで 翌月の月初に通報するものとする なお 通報対象業者の該当がない場合 その旨の報告は特段要しないこととしています 47

53 第 2 章社会保険未加入対策の内容 < 相互通報の流れ> 1. 保険担当部局への照会建設業の許可行政庁は 必要に応じて建設業の許可 更新等の際に建設業者の社会保険等の加入状況について 保険担当部局に照会を行います 保険担当部局は当該建設業者の社会保険等の加入状況を確認し 照会した許可行政庁あて回答を行います 2. 保険担当部局からの通知保険担当部局による立入検査を正当な理由がなく複数回拒否する等 再三の加入指導等に従わず 引続き未加入状態が継続している建設業者については 保険担当部局から 社会保険等関係法令違反について ( 通知 ) により 随時 当該建設業者を通報した許可行政庁あて通知を行います 3. 通報後の加入指導結果等の報告厚生労働省本省は 許可行政庁から通報を受けたすべての通報対象業者の加入指導状況及び加入状況等をとりまとめ 国土交通省本省あて一定の時期ごとに報告します 相互通報制度に関する解説 建設業においては 下請企業を中心に社会保険等について 法定福利費を適正に負担しない事業者が存在していることから 技能労働者の公的保障が確保されず 若年入職者の減少の一因となっているほか 関係法令を遵守して適正に法定福利費を負担する企業ほど競争上は不利益という状況が生じています このため 関係者を挙げて社会保険等未加入問題への対策を進め 技能労働者の雇用環境の改善や法定福利費を負担しない不良不適格業者の排除に取組み 建設業の持続的な発展に必要な人材の確保と事業者間における公平で健全な競争環境の構築を図る必要があることから 社会保険等に加入しない建設業者について 関係行政庁間において連携を図りつつ 加入の促進を図るための仕組みが構築されたものです 社労士の視点 10 相互通報制度の設置 許可行政庁と社会保険担当部局間における相互通報制度は 社会保険加入への指導や指示に従わない未加入者に対する最終的な手段として行われるものです このため 相互通報の対象となる事業主は言い逃れのできない局面に立たされることになります 社労士としては 未加入事業主がこの段階に至らないよう指導を行うべきでしょう 48

54 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 2. 国土交通省から社労士会への協力依頼と社労士会の対応 (1) 国土交通省への協力の背景連合会では 国土交通省による建設業の社会保険未加入対策について 国土交通省からの要請を受け 以下 (2) 連合会の国土交通省への協力状況 のとおり対応を行っているところです 一方で 重層下請構造等の大きな課題を抱える建設産業の社会保険未加入問題については 労働社会保険の専門家として取組むべき問題であり また 今般の建設業の社会保険未加入対策において 社労士が積極的に関与し 問題の解決に貢献することで 長引く不況によりコンプライアンスの軽視が進み 労働条件の低下等が目立つその他の業界においても 社会保険未加入問題の解決の要は社労士であるとの認識が広がり ひいては社労士に対するニーズが一段と高まることが予想されることから 引き続き対応を行う方針です (2) 連合会の国土交通省への協力状況 1 社会保険未加入対策推進協議会及びワーキンググループへの参加国土交通省では 建設業団体 関係団体 行政 ( 保険担当部局 建設業担当部局 ) 等で構成された 社会保険未加入対策推進協議会 ( 以下 推進協議会 という ) を設立し 建設産業における社会保険未加入対策を進めるうえでの課題 取組み方針等を協議するとともに 関係者の取組み状況の定期的な情報共有等を図る取組みを進めています また 推進協議会においては 地域ごとに その実情に応じた加入徹底をきめ細かく行う観点から 今後 地域において地方協議会を開催し 建設産業関係者による意見交換 認識共有を行うほか 全国協議会に諮る事項や周知啓発の具体的内容などに必要な事項に関する実質的な議論と調整を行うためのワーキンググループの開催が計画されており 連合会では 国土交通省土地 建設産業局建設市場整備課長からの協力要請に応じ 推進協議会及びワーキンググループへ参加しています 2 振興基金との連携による 建設業者等からの社会保険加入に関する相談の対応国土交通省による建設産業における社会保険加入徹底の取組みの一つとして 社会保険加入の徹底に向けた周知 啓発を進める一方で その際の社会保険に関する相談窓口として 一般財団法人建設業振興基金 ( 以下 振興基金 という ) が設置している建設業者の経営上のさまざまな課題に対応するための相談 49

55 第 2 章社会保険未加入対策の内容 窓口を活用することとしています しかし 振興基金の相談窓口は 建設業者の経営相談全般の窓口となっているものの 実際の社会保険加入手続等に関する専門的な相談があった場合には 十分に対応することができない場合も想定されることから そのような場合には 振興基金と連携した相談対応を行うことについての協力要請が 国土交通省土地 建設産業局建設市場整備課長より連合会へ寄せられました 連合会では 本要請に対し 国土交通省および振興基金と協議を行い 建設業者等からの社会保険の加入に関する相談について 次表のとおり対応を行うこととしました 国土交通省 建設業振興基金 社会保険労務士会との連携について 建設企業 続相業談務のの結依果頼社に会相保談険が加進入展手 3 電話による相談対応 社会保険労務士 ( 相談員 ) 業務依頼希望の旨連絡 2 申し送り相談対応依頼 (1) 社会保険加入手続業務の依頼についての相談 (2) 社会保険制度や加入方法についての相談 相談申込書 建設業振興基金 全国社会保険労務士会連合会 相談内容に応じ 対応を振り分け 応 3 じ社る会会保員険リ加ス入ト手を続送業付務の委託に を 4 選会択員しリ業ス務ト委か託ら契任約意をに結社ぶ労士 社会保険労務士 都道府県社会保険労務士会 2 申し送り ( 社労士の紹介依頼 ) 相談対応の流れ (1) 相談内容が 社会保険加入手続業務の依頼について の場合の対応建設企業より建設業振興基金に 社会保険加入手続業務の依頼について の相談があった場合 都道府県社労士会より建設企業に 社会保険加入手続業務業の委託に応じる社労士の会員リスト ( 以下 会員リスト という ) を送付します 1 建設企業からの相談を受け付けた建設業振興基金は 連合会へ 相談申込書 の申し送りを行います 2 連合会は 建設企業への会員リストの提供を都道府県社労士会に依頼します 3 都道府県社労士会は建設企業に会員リストを送付します 4 建設企業は 会員リストのなかから任意に社労士を選択し 業務委託契約を結びます 会員リストの提供は無料ですが 業務委託には費用が生じます 50

56 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 (2) 相談内容が 社会保険制度や加入方法について の場合の対応建設企業より建設業振興基金に 社会保険制度や加入方法について の相談があった場合には 相談員 ( 社労士 ) が電話による相談対応を行います 1 建設企業からの相談を受け付けた建設業振興基金は 連合会へ 相談申込書 の申し送りを行います 2 連合会は 相談員 ( 社労士 ) へ相談対応の依頼を行います 3 連合会から連絡を受けた相談員は 建設企業に連絡し 電話による相談対応を行います 電話による相談対応は無料です 3 委託事業への協力国土交通省は平成 24 年度において 社会保険未加入の方策を検討する事業を外部委託し その事業のなかで 建設業関連団体が社会保険加入の取組みを進める会員企業を優良企業として認定する仕組みや 建設業関連団体と会員企業に社会保険加入の必要性を周知するための方策を検討する委員会を設置しました 連合会では その委員会に社労士の参画が求められたことから この要請に応えるとともに これまで取組みを進めてきた労働条件審査の技法を優良企業認定の仕組みに取り入れることを求めました しかし これについては 建設業関連団体や会員企業の負担という視点から見送られることとなりました 一方で 認定基準のなかに 社会保険手続を社労士と提携 ( 業務委託 ) して対応していることが掲げられ ここでも社労士の活用が確認されました (3) 建設業の労務管理向上にむけた連合会の取組み 1 連合会のスタンス国土交通省による社会保険未加入対策が進むなかで 連合会の今後のスタンスは 社会保険未加入問題に取組む国土交通省に側面的な協力を行うばかりでなく この問題の本質である建設業の労務管理の諸問題を体系的にとらえ その解決に向けた対応を社労士が主体的に実践することによって 社会保険未加入問題の解決のみならず 建設業者を適切な労務管理に導き ひいては建設業の健全な発展に寄与することが出来れば 産業の発展における社労士の重要性が明確になるものと考えています そして連合会では こうした考えに基づき 今般の建設業の社会保険未加入対策について 独自に以下のような取組みを進めています 51

57 第 2 章社会保険未加入対策の内容 建設業者等に向けた広報 国土交通省においても 建設業者及び建設業関連団体 ( 以下 建設業者等 という ) 等に社会保険加入を呼びかけるため各種の通知や広報を行っていますが 社労士による相談対応や説明会での社労士を講師としたケースなど 社会保険未加入対策に関する社労士の有用性についてはあまり広報が行われていない状況や 本対策が平成 29 年まで推進される間に 社会保険への加入が迫られた建設業者より これまで以上に社労士への相談が必要となる場面が増加することが予想されることから 連合会においても 今から建設業者等に社労士活用の有用性を知っていただけるよう 連合会ホームページでの広報 ポスター チラシの建設業者等への配布 建設業専門誌の協力による PR 活動等を行っています 建設業関連団体との連携によるセミナー 国土交通省による対策が推進され 元請企業が行う下請企業に対する指導の方策として 様々な形での説明会やセミナーが開催されるとともに 連合会や都道府県の社労士会に説明会への講師派遣の要請が寄せられるようになっています こうした状況は国土交通省でも認識しており 連合会では 今後 地域ごとに地方整備局 都道府県あるいは市区町村 建設業関連団体及び企業と社労士会とが連携し 社会保険加入に関するセミナーや個別相談会を開催することを提案しています 建設業に精通した社労士を養成するための研修 連合会では 建設業の社会保険未加入対策における社労士の有用性についての広報等や 建設業関連団体と都道府県会との連携による説明会の開催を促進する一方で 社会保険加入に関する相談や手続業務等の委託が社労士に寄せられるケースが増えることを想定し 個々の社労士が建設業者とかかわるうえで 重層下請構造等といった建設業界特有の産業構造を理解し 適切に労務管理等の指導を行い 社労士と建設業者において強い関係を構築することができるよう 建設業に関する社労士の専門性を高めるための研修を行うこととしました 平成 25 年 5 月にはインターネットを活用した e ラーニング研修システムにおいて研修講座の講座配信をスタートし 今後は更に専門性を高めた都道府県会において集合研修等の開催も視野に入れています 52

58 第 2 章 社会保険未加入対策の内容 3. 助成金の活用について 助成金の活用について 建設業の社会保険未加入対策の主旨を建設業界全体に周知し 社会保険への加入の徹底及び雇用環境の改善対策を進めていくためには多くの費用がかかります このため公的助成金の有効活用が望まれています 建設労働者確保育成助成金制度の設置 建設業は 建設労働者の雇用の改善等に関する法律 に基づいて 建設労働者の能力開発 向上 福祉の増進等に関する事業を行うべきことが定められています そして建設業は それらの事業を行うために 他産業に比べて事業主負担分の雇用保険料が 1000 分の3ほど高く設定され 建設業だけに適用される助成金の財源として用いられています このように 建設業には一般産業に適用される助成金とは別に 建設業の雇用の改善を図るための助成金制度が設置されています そして その助成金制度は社会保険未加入対策が推進されたこと等に伴い 従来からの助成金制度を大幅に改正し 平成 25 年度から 建設労働者確保育成助成金制度 として支給されることになりました この助成金制度は 主に 若年労働者の入職 定着を図るための雇用管理の改善 若年者に魅力ある職場作り 熟練技能の維持 承継 その他の雇用環境の改善事業 等に当てられることになっています なお 助成金の詳細については厚生労働省のホームページ等で案内されています 53

59

60 第 3 章 建設業者等への指導のポイント

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62 第 3 章 建設業者等への指導のポイント 1. 建設業の働き方の特徴 建設業の仕事は古くからの慣習により 請負や手間請負という形で行われてきたため 今日においても工事現場で作業に従事する人は請負人という考え方が色濃く残っています このため 建設業では労働者か請負人かの区別が不明確で 社会保険への加入はもとより施工体制台帳の作成 再下請通知書の作成 労災保険適用の有無などの面において労働者か事業者の判断において混乱も生じています 特に建設業現場では 一人親方 手間請負人 自営業 などにより就労が行われる場合が少なくないため 社会保険への加入対策を進めるに当たっては それらの人々が事業者 ( 請負人 ) に該当するのか 労働者に該当するのかについの明確な判断が求められることになります 一人親方 一人親方 ( 5) を事業者 ( 請負人 ) とみるか労働者とみるかの判断は容易ではありません それは一人親方が職人として雇われて働くこともあれば 時には施主から直接注文を受けて請負人として仕事をし 又は下請負人として仕事を請負うことがあるからです このため一人親方は そのときどきの就労の状況によって労働者とみなされる場合もあれば請負人とみなされる場合もあります 一人親方が下請負人として建設工事を請負い その仕事を完成させることによって報酬が発生する仕組みの契約を行い 仕事の依頼者との間において雇用契約のような使用従属関係が発生していなければ請負人とみなされます 一方 一人親方が仕事の依頼者 ( 使用者 ) の指揮命令を受けて労務に服しており 仕事の完成について自らの責任を問われることもなく 他の従業員と同じような待遇を受けているような場合は労働者とみなされることになります ( 5) 一人親方とは建設業の職人には 見習い 職人 一人親方 親方 の4つの階層があるといわれているが 一人親方は 親方の元から独立して労働者を雇用せずに自分一人又は家族などだけで事業を営む事業主とされている 一人親方は 建設業では見習いや職人を使用して仕事のできる一人前の職人とみなされているが その働き方は自ら仕事を請負って働くこともあれば 一定企業の専属となって働く場合もある 57

63 第 3 章建設業者等への指導のポイント 手間請負人手間請負人 ( 6) の場合も一人親方と同じように 単にその呼び名だけで労働者か請負人かを判断することは困難です 建設業の場合 手間請負に係る仕事に従事する人は 一般に 親方 子方 配下 世話役 などと呼ばれる人に多いようですが 労働者か事業者 ( 請負人 ) かの判断にあたっては 契約の形式にとらわれず その実態が使用者の指揮命令の下において従属的に仕事に従事しているか 使用者から独立して自らの意思や判断によって仕事に従事しているかなどの就労の実態に照らして判断する必要があります ( 6) 手間請負人とは手間請負という言葉は多様な意味で用いられているが 労働基準法研究会の報告によれば 建設業における労務提供方式 と定義し 工事の種類 坪単価 工事面積等により総労働量及び総報酬の予定額が決められ 労務の提供者に対して労務提供の対価として 労務提供の実績に応じた割合で報酬を支払うこと と説明されている 家族従事者 小規模な建設事業の場合 父親が社長 母親が専務取締役 息子が社員又は役員といった組織構造になっているものが少なくありません このような場合 法人組織 ( 株式会社 有限会社等 ) の企業であれば 商法 会社法 税法などに照らして事業者性又は労働者性の判断ができますが 個人事業では事業者か労働者かの判断は容易ではありません とくに労働基準法では 労働者の条件について この法律は 同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については 適用しない ( 第 116 条 ) としていますので 同居の親族や家事使用人は労働者とは認められません ただし 以下に掲げる 労働者とみなされる基準 ( 7) に該当するような場合は労働基準法上の労働者として取扱うこととされています ( 7) 労働者とみなされる基準 同居の親族は事業主と居住及び生計を一にするものであり 原則として労働基準法上の労働者には該当しないが 同居の親族であっても 常時同居の親族以外の労働者を使用する事業において一般事務又は現場作業等に従事し かつ 業務を行うにつき 事業主の指揮命令に従っていることが明確であり 始業及び終業の時刻 休憩時間 休日 休暇等 賃金の決定 計算及び支払の方法 賃金の締切り及び支払の時期等について 就業規則その他これに準ずるものに定めるところにより その管理及び就労の実態が他の労働者と同様になされて場合には労働基準法上の労働者として取扱う ( 基発 153) 58

64 第 3 章 建設業者等への指導のポイント 2. 労働者 事業者の選別の必要性 社会保険未加入対策は 平成 28 年度末までに許可業者の加入率を 100% 労働者単位では製造業並みの 90% 前後の加入を目指すとしていますが その目標を達成するためには 建設業の就労体制を明確にする必要があります 特に 社会保険未加入対策では 保険加入状況の確認のために行われることになった 建設業許可 更新書面への保険加入書類の添付義務化 施工体制台帳への保険加入状況の記載義務化 再下請通知書による保険加入状況のチェック 特定建設業者に対する下請指導状況の確認 行政による制度的な指導 等において加入状況のチェックが厳しく行われることになっており その際に労働者か事業者 ( 請負人 ) かの区別が明確に判断できる体制を整えておかなければなりません 労働者と請負人では責任の所在が正反対 労働者と事業者 ( 請負人 ) では その負わなければならない法律上の責任の重さは比較にならないほど大きいものがあります それは 賃金を支払う者 と 賃金を支払われる者 との違いによるものです 特に建設業の場合 現場作業に従事している人自身がどの立場で働いているかが不明な場合も少なくありません また 社会保険の適用においても事業主としての加入義務があるのか 被保険者として加入しなければならないかの違いもあります このように 労働者か請負人かを区別することは建設業の社会保険加入対策を進める上で非常に重要な問題であるため 本章で紹介した事例などを参考に いずれか一方に判断する必要があります 59

65 第 3 章建設業者等への指導のポイント 3. 労働者 請負人判断のチェックポイント 事業者 ( 請負人 ) か労働者かを見分けるためには その就労の実態について本人との面談又は書面等で確認することになります 本書では その際の判断の目安として 労働者性の強い働き方 及び 請負人性の強い働き方 のチェックシートを作成しました 労働者か請負人かの判断に迷った際には 本シートに照らし 実態に鑑み 法令に基づいた取扱いをしてください 60

66 第 3 章 建設業者等への指導のポイント チェックシート 1 = 労働者性の強い働き方 = このチェックシートを自分の働き方に当てはめた際に はい と答えた項目 が多ければ多いほど 労働者性 が強く 被保険者に該当する可能性が高いこ とになります ただし はい と答えた項目が幾つ以上あれば 労働者 と見 なすかの判断等は 総合的な判断となります チェック項目 はい いいえ 1 採用される際の選考基準は正規社員の場合とほとんど同様である 2 出勤簿等により出 退勤の記録を行わなければならない 3 始業 終業時刻 休憩 休日 休暇の規定に従わなければならない 4 残業 休日労働の指示には従わなければならない 5 仕事の依頼や仕事の指示を拒否することは許されない 6 業務内容や遂行方法について使用者の具体的な指示を受けている 7 勤務場所や勤務時間が指定され使用者に管理されている 8 本人に代わって他の者が労務を提供することは許されない 9 時間外に仕事をした場合には通常の賃金とは別に時間外手当が支給される 10 他社の業務に従事することが制度上制限され又は事実上困難である 11 報酬に固定部分がありその額は生活を維持するための要素が強い 12 仕事に必要な工具等は会社のものを使用し自分のものを持込む必要はない 13 安全帽 作業服等は指定されたものを着用しなければならない 14 報酬は 時間 日給 月給 を基礎として計算されている 15 報酬は毎月 1 回一定の期日に一定額が支払われることになっている 16 雇入通知書が発行されその記載事項に沿って仕事に従事している 17 賃金台帳 労働者名簿等により就労が管理されている 18 社会 労働保険 服務規律等が適用されている 19 退職金 福利厚生などの制度が適用されている 20 報酬について給与所得としての源泉徴収が行われている ( 注 ) このチェックシートは 労働基準法研究会報告 ( 労働基準法の 労働者 の判断基準について ) その他労働者性をめぐって争われた裁判事例などを参考に 任意に作成したものです 61

67 第 3 章建設業者等への指導のポイント チェックシート2 = 請負人性の強い働き方 = 社会保険の被保険者になっていない人が このチェックシートを自分の働き方に当てはめてみて はい と答えた項目が多ければ多いほど 請負人性 が強いことから 事業者として社会保険に加入しなければならない可能性があります ただし はい と答えた項目が幾つ以上あれば 請負人 と見なすかの判断等は 総合的な判断となります チェック項目はいいいえ 1 仕事の段取りや遂行は自分の判断で行うことができる 2 自分 1 人で処理できない仕事は自分の判断で補助者を雇い遂行することができる 3 時間外 休日に働いても時間外手当等の支払いを請求することはできない 4 使用する器具 道具等は自分の所有物を使用し又は自費で調達する 5 使用者からの仕事の依頼や業務の指示に対する諾否は自由である 6 作業工程の変更や欠陥個所の修復は自分の責任で行わなければならない 7 報酬の額は同種の業務に従事する正規従業員に比べ高額である 8 工具など高価な器具を所有しこれを仕事に使用している 9 資材や工具等の調達費用は自分で負担しなければならない 10 仕事が暇なときなどは自分の判断で休むことができる 11 労働時間 残業 休日等の労働等は自分の判断で自由に調整できる 12 報酬は固定給として支給されるものは無い又は非常に少ない 13 仕事のミスや施工の遅延等に対する責任は自分で負わなければならない 14 仕事の契約にあたって独自の商号を持ち使用している 15 発注書 仕様書等により契約を締結し請求書によって報酬の請求を行う 16 通常出来高給 平方メートル単価 請負給で仕事をしている 17 補助員や作業員は自分の費用で雇っている 18 建設業の許可を受けて仕事をしている 19 所定の時刻より後に作業を開始し 又は所定時刻前に作業を切り上げるこができる 20 提示された報酬の単価に同意した場合に仕事の契約が成立する ( 注 ) このチェックシートは 労働基準法研究会報告 ( 労働基準法の 労働者 の判断基準について ) その他労働者性をめぐって争われた裁判事例などを参考に 任意に作成したものです 62

68 第 3 章 建設業者等への指導のポイント 4. 労働者と判断された者への対応 労働者とは 使用者に使用されて労働し 賃金を支払われる者 と定義されています ( 労働契約法第 2 条 ) したがって 労働者に該当する人は 日雇 パートタイマー 契約社員 一人親方 手間請負人などの名称にかかわらず 使用者との関係においては 労働契約 ( 8) が成立しているものとみなされ 労働基準法 労働契約法その他の労働関係法律が適用されることになります ( 8) 労働契約の原則 ( 労働契約法 ) 1. 労働契約は 労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し 又は変更すべきものとする 2. 労働契約は 労働者及び使用者が 就業の実態に応じて 均衡を考慮しつつ締結し 又は変更すべきものとする 3. 労働者及び使用者は 労働契約を遵守するとともに 信義に従い誠実に 権利を行使し 及び義務を履行しなければならない 4. 労働者及び使用者は 労働契約に基づく権利の行使に当たっては それを濫用することがあってはならない 雇入通知書の発行 事業主は 労働者を雇入れたとき ( 労働者と認められた一人親方等と労働契約を締結するときを含む ) は 当該労働者に対して速やかに事業主の氏名 事業所の名称 賃金 業務の内容 労働条件等を明らかにした書面 ( 雇入通知書 ) を発行しなければなりません ( 建設労働者の雇用の改善等に関する法律第 7 条 ) 労働者の権利と義務 労働契約は 労働者が使用者に使用されて労働し 使用者がこれに対して賃金を支払うことについて 労働者及び使用者が合意することによって成立します ( 労働契約法 6 条 ) これは同時に 労働者には賃金を受け取る代わりに労働を提供する義務があることを意味するものです 労働者と判断された者に対しては 労働者の権利と義務に関する事柄について十分に指導する必要があります (1) 労働者の権利 1 労働組合活動をする権利 ( 団結権 団体交渉権 団体行動権 ) 63

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