<4D F736F F D208E9197BF F18D908F9188C42E646F63>

Transcription

1 資料 1 国民生活審議会消費者政策部会報告書 国民生活センターのあり方 ( 案 ) 平成 20 年 3 月 24 日はじめに今 消費者 生活者を主役とする行政 への転換が求められている 国民生活審議会では 総合企画部会において 国民に新たな活力を与え 生活の質を高めるためには これまでの生産者 供給者の立場から作られた法律 制度 さらには行政や政治を 国民本位のものに改めるための 行政のあり方の総点検 が進められている 総点検の作業が進む中で 食品表示偽装 冷凍餃子による中毒事件への対応などに象徴されるように 現在各省庁縦割りになっている消費者行政を 統一的 一元的に推進するための強い権限を持つ新組織の発足の必要性が高まっている 内閣総理大臣自らが主宰する消費者行政推進会議が本年 2 月に新たに設置され 新組織についての検討が進められている 国民生活センターと消費生活センターは 消費者行政の実施機関として 消費者の苦情相談 あっせんに応じ その情報を収集する等 消費者問題の現場で中心的な役割を担っている したがって 消費者が主役となる行政 においては 国民生活センターと消費生活センターの両者が一体となって 機能強化を図ることが必要である 国民生活審議会消費者政策部会においては 本年 1 月より 10 年 20 年先を視野にいれた中長期的な国民生活センター等のあり方について 有識者や関係省庁及び海外の行政機関等からヒアリングも行いつつ 6 回議論を行い 本報告書をとりまとめた 本報告書は中長期的な視点から検討したものであるが 政府においては 対応可能な事項から早急に取り組むことが望まれる 1. 消費者行政の現場対応の強化 消費者が主役となる行政 への転換に当たっては 消費者行政の実施部門として 消費者問題の現場で中心的な役割を果たしている国民生活センターと消費生活センターが一体となって 機能を強化していくことが必要である したがって 国民生活センター或いは消費生活センターにおいては 今まで以上 1

2 に 消費者の立場に立ち 消費者の権利の尊重及び消費者の自立を支援するため 消費者問題の現場対応を行う 消費者問題に関するワンストップ サービス拠点 としての役割 現場の情報を集約 分析 発信し 消費者被害を防止する等の 市場の監視役 としての役割 現場情報を政策に反映 させる役割の3つの役割を強化することが求められる また 実現した新組織の姿にもよるところもあるが 消費者の被害救済機能の強化について検討することが将来的な課題である 消費者行政については 地方の消費者行政に負うところが大きい 消費者が主役となる行政 においては 消費者行政の最前線にいる地方の消費生活センターの活性化及び国民生活センターとの連携強化が必要とされている 2. 消費者問題に関するワンストップ サービス拠点としての役割国民生活センター及び消費生活センターは 1 消費生活や消費者被害のあらゆる相談を受け付ける 2 苦情相談から事業者へのあっせんまで一貫して取り組む という消費者問題に関するワンストップ サービス拠点としての役割を担っている さらに 国民生活センターについては 3 消費者問題に関する情報を一元的に集約し 消費者及び消費者問題に関わる人々への情報提供に取り組む 1 という意味においても ワンストップ サービス拠点としての役割を担っている 国民生活センターと消費生活センターが一体となって 消費者の立場に立って これらの役割を更に強化し 積極的に行動することが求められている (1) 消費者から見てわかりやすい窓口の整備消費者から見てわかりやすい窓口が整備されるとともに 消費者がどの窓口に連絡をとっても 助言 あっせんや適切な部署の紹介等 納得する対応が図られることが求められている そのため 既存の窓口を活用しつつ 地域において身近な消費生活センターの窓口機能を強化することが求められている これまでも多種多様な消費者問題に関する苦情相談を受け付ける窓口であった国民生活センター及び消費生活センターがネットワークを構築し 例えば電 1 3. 市場の監視役としての役割 (1) 消費者問題に関する情報の迅速かつ一元的集約及び (4) 消費者の自立支援に向けた情報提供 消費者教育 において後述 2

3 話番号の統一等により わかりやすい一元的な窓口を形成することが適当である また 消費者に対する窓口は各省庁等にも数多く設置されているが これらの関係機関とも有機的なネットワークを構築し 専門的 技術的な相談や要望等について 適切な部署を紹介できるようにすべきである なお 窓口においては 苦情 相談には分類されない要望等も含め 消費者に関する幅広い情報を収集することが必要である また 消費者問題の多様化 複雑化に対応し 相談の窓口における消費者トラブルの解決能力を向上することも必要である 国民生活センターにおいては 国民生活センター自身の直接相談の能力向上に加えて 地方の消費生活センターの相談能力の向上を支援するために 経由相談 2 の充実を図るべきである 外部専門家も活用しながら 難易度が高い専門的な相談について対応を充実 強化するべきである また 消費生活センターの相談員の能力向上を図るため 研修の充実や相談員同士の情報交換が可能な場作りの支援等を行うべきである 国民生活センターは 日常的な情報提供 相談員の研修 原因究明テストの実施等 消費生活センターの活動を支援し 国民生活センター自らの活動の充実につなげることが期待されている また 国民生活センターと消費生活センターにおける連携を深めるためには 人材交流を行うことも必要である 例えば 地方において 全国的に重大な影響を及ぼしうる事案が発生した場合には 重点的に調査を行う調査員 消費者 Gメン 3 ( 仮称 ) を派遣することを検討すべきである さらに PIO-NET 4 は 規模の小さい消費生活の窓口でこそ必要であり 活動日数や専門職員の配置等に関わらず 消費者問題に関する相談業務を行っている窓口部門にPIO-NET 端末の設置を行うべきである 国民生活センターは これらのネットワークの整備等に取り組むことで サービス水準に地域差が生じないよう 消費生活センターの地域における一元的窓口としての機能を向上させていくべきである 2 各地の消費生活センター等が何らかの形で消費者と接触した後 当該相談に国民生活センターが係わること 国民生活センターが 全面的に相談の処理にあたる 移送 各地の消費生活センターと共同で処理をする 或いは 消費生活センターの依頼に応じて関係省庁や事業者との調整を行う 共同処理等 消費生活センターに処理方法や同種事例についてアドバイスを行う 助言 の三種類がある 3 3. 市場の監視役としての役割 (2) 分析 調査研究の充実 強化 において後述 4 Practical Living Information Online Network System ( 全国消費生活情報ネットワーク システム ): 国民生活センターと地方の消費生活センターをネットワークで結び 消費生活に関する苦情相談情報等の収集を行っているシステム 3

4 (2) 消費者紛争の解決国民生活センターにおいて消費者紛争の適正 迅速な解決を促進するために 昨年 12 月の当部会における報告 5 を踏まえ 国民生活センターの紛争解決機能を整備 充実するための法律改正案を本年 3 月に国会提出したところである これに加えて 地方公共団体における紛争解決機能の確保が重要となっており 知事の付託以外の申請方法の検討等により 地方の苦情処理委員会の活動の活性化を図るべきである さらに 国民生活センターも専門家の派遣や研修の実施等による活性化支援を検討するべきである 3. 市場の監視役としての役割事前規制と裁量行政から 行為規制を定め ルールに基づいて遵守状況を監視する行政に移行していく中で 市場の監視機能を高めることが 消費者が安心して商品 サービスを選択できる健全な市場を醸成する上で不可欠である 国民生活センターは 市場の監視役として 消費者問題に関する一元的な情報収集 分析 商品テスト等を通じて センサー機能を強化するとともに 消費者被害を未然防止 拡大防止すべくアラーム機能を発揮していくことが求められる (1) 消費者問題に関する情報の迅速かつ一元的集約消費者被害の未然防止 拡大防止に向けては 情報の迅速かつ一元的な集約を図ることがその基盤となる しかしながら 現実には 各府省等の関係機関間での情報共有の不備 情報集約の遅れ等の問題が発生しており 消費者問題に関する情報を 各府省等様々な機関で収集されている情報も含めて 迅速かつ一元的に集約する体制を整備すべきである 例えば 食の安全に関して 各府省が有するネットワーク間の情報集約が検討されることとなっているが その他の消費者問題についても 関係機関が保有する情報の集約を図るべきである その場合 現在も国民生活センターが消費生活センターの相談情報をPI O-NET 情報として集約していることに鑑みれば 国民生活センターが 各府省等の関係機関の情報も含めて 情報集約する機能を担うことが適当と考えられる 現在 各府省等の関係機関へPIO-NET 端末の設置が進んでいるが 一方でこれらの機関からの情報提供は行われておらず 双方向の情報提供が成立 5 国民生活審議会消費者政策部会報告 国民生活センターによる消費者紛争解決制度の在り方について ( 平成 19 年 12 月 18 日 ) 4

5 していない 国民生活センターと関係機関の相互で情報交換を行い 情報を共有するとともに 国民生活センターのデータベースにデータを集約することにより 情報集約の一元化を図るべきである 情報は その効果的な活用が図られるように集約されるべきであり 安全に関わる情報と それ以外の取引に関する情報とは 少なくとも切り分けて集約する必要がある 緊急な対応が必要とされる安全に関わる情報は 国民生活センターに設置予定の事故情報データバンク 6 において 一般消費者からヒヤリハット情報も含め情報提供を可能とする他 多くの関係機関から情報提供が行われる仕組みを講じることにより 迅速かつ一元的な集約を図るべきである また PIO-NETについては データ入力の迅速化が課題とされてきた 情報システムの面の抜本的な改善による 迅速な情報収集の実現が急務である (2) 分析 調査研究の充実強化国民生活センターにおいて集約 整理された情報から 市場の監視を行い 法施行や政策立案にも直結させるためには 分析体制の強化が必要である このためには 集約された情報から危険 危害の可能性を察知する等の的確な分析能力を持つ専門家の確保が肝要である 重大な事案については 重点的に調査を行う調査員 消費者 G メン ( 仮称 ) を設置することを検討すべきである また 個別の事案のみならず その背景や業界の構造等についての分析を行うことも求められている 一方で 専門性の高い分野については PIO-NET 情報等を必要に応じて円滑に情報提供し 外部の専門的な分析機関で活用できるような環境を整備することが必要である さらに 我が国における消費者問題に関する調査研究の発展に向けて その中核的機関として 研究部門を充実させるべきである (3) 商品テスト機能の充実強化国民生活センターは 大学 研究 評価機関 民間検査機関等を繋ぐ原因究明機関のネットワークを形成し 我が国で必要なテストの実施機会を確保することが求められる このため 全国の関係機関のテストの実施状況についてデータベースを作成し 消費者が商品選択に適切に活用できるよう情報提供を行うべきである このデータベースを踏まえ 他機関とテスト内容が重複しないよう 国民生活センターは 国民の生活実態に即したテストを重点的に実施す 6 被害を早期に発見するため インターネットを活用して ヒヤリハット情報から死亡情報まで 一般消費者 関係機関からより広範囲の事故情報を収集し 関係機関との間で幅広く共有して 消費者の安全 安心を守るための情報のネットワーク 国民生活センターにおいて平成 20 年度より整備開始予定 5

6 るべきである さらに 重大事故の原因究明等 国民生活センターが必要と判断したテストが 他の機関において優先的に実施されるような制度の構築の検討が必要である なお 国民生活センターは既に 国立健康 栄養研究所 農林水産消費安全技術センター及び製品評価技術基盤機構との連携 協力の推進に関する合意を行ったところであり 今後 情報共有や商品テストにおける技術協力等に取り組むこととしている このような取り組みを他の関係機関とも行っていくことが望まれる (4) 消費者の自立支援に向けた情報提供 消費者教育消費者が 自立した主体 として 市場に参画し 自らの利益を確保するように行動することは 消費者の満足感を高めるとともに 消費者被害の未然防止 拡大防止につながる 消費者基本法の基本理念として掲げられている消費者の自立の支援のため 国民生活センターには 消費者への情報提供や消費者教育の充実が求められている 情報提供については 国民生活センターが消費者問題全般の情報発信基地となることが求められている このため PIO-NET 情報や事故情報データバンクにより収集された情報や 他の関係機関等により収集された情報を的確に整理 分析し 消費者 消費者団体 事業者 事業者団体等にわかりやすい形で積極的に提供することが必要である 食品の安全や事故情報等の危害 危険情報や 悪質事業者による新手の取引手法等について 国民生活センターは 必要時には迅速に警告情報を発し 消費者に確実に伝達する体制の構築が求められる このため 情報が消費者に適切に届いているかを把握し より効果的な情報発信手法を検討していくことが必要である 消費者教育については 金融広報中央委員会や消費者教育支援センターとの連携を図りつつ 中核的機関としてその担い手の育成や 教育現場への消費者問題の専門家の派遣等の強化が必要である 消費者個人ではその行動に限界があることから 消費者の自立に向けて 消費者団体が 消費者による健全かつ自主的な組織活動を通じて消費者利益を確保する役割を果たすべきである このため 消費者団体の活動の活性化に向けて 国民生活センターは 消費者団体に対して 情報提供や人的交流等 活動への支援を行うことが必要である また 団体との協働 情報交換のためのネットワークを形成することが必要である (5) 国際的な連携の促進取引の国際化が進み 国境を越えた消費者問題の発生が増加していくことが見 6

7 込まれる 国民生活センターは 我が国における国境を越えた消費者紛争について実態を把握し その解決のための諸外国の機関とのネットワークを構築することが必要である この他 危害情報等に関する国際間の情報共有や 各種国際会議への出席等の国際的な連携に積極的に取り組むべきである また 我が国の消費者問題に関する海外への情報発信 海外の消費者問題の状況や国際的ネットワークの動向等に関する情報収集及び情報発信に取り組むことが求められている (6) 事業者に対する監視機能の強化集約された情報を分析した結果を活用して 国民生活センターの市場の監視機能を強化し 事業者による違法行為の抑止等につなげていく必要がある このため 国民生活センターは適切なルールに基づき 悪質な事業者や製品事故に関する事業者名を積極的に公表していくべきである また 後述するように 消費者からの苦情相談情報を 国民生活センターが関係機関と密接に連携し 具体的な法執行等の行政機関の政策に的確に反映される仕組みを構築していくことが 違法行為の抑止力につながる (7) 消費者視点に立った事業活動の促進事業者が消費者の視点に立って事業活動を行い 消費者と事業者の自由で公正な取引を行う環境が整備されることは 消費者被害の未然防止 拡大防止につながる このため 国民生活センターが事業者 事業者団体と消費者問題の現状について情報交換を行うこと 好事例の紹介等により事業者による社会的責任 (CS R) の取組を促進することが必要である 4. 現場情報を政策に反映させる役割 消費者が主役となる行政 の実現に向けて 国民生活センターに集約 整理 分析された現場の情報を的確に 法執行や政策の企画立案等 政策に反映していくためには 国民生活センターが 法執行部門 政策の企画立案部門とより密接な連携を図ることが必要である (1) 法執行部門との連携消費者被害の未然防止 拡大防止のためには 悪質な事業者等に対する早期の行政処分等の対応が求められる 7

8 このためには 消費者からの苦情相談情報を集約する国民生活センターが 法執行部門と密接に連携していることが必要であり 国民生活センターが集約する苦情相談情報が 法執行に反映される仕組みとなることが望ましい このため 苦情相談情報を集約 整理 分析した結果に基づき 必要な場合に 新組織等が各府省の法執行部門に対し 勧告権等の権限を速やかに行使することが求められる 各府省における法執行等への活用のために PIO-N ET 情報等の個人 個別情報が必要とされる場合には 個人情報等の保護に適切に配慮しつつ 情報を提供する仕組みの検討が必要である また 新組織自身が法執行機能等を持つ場合 機動的な対処を図るためには 国民生活センター自身が立入調査権等を担うことも検討課題である (2) 政策の企画立案への反映 消費者が主役となる行政 の実現に向けては 国民生活センターに集約された消費者からの苦情相談情報が 機動的に政策立案に反映される仕組みを構築することが必要である PIO-NET 情報等は 事実関係の確認等において不十分な場合がある 苦情相談情報を政策の企画立案に適切に反映させるためには 国民生活センターが実態を的確に把握するための調査等を行い 明確な根拠 検証プロセスに基づいた政策提言を行う必要がある さらに このような政策提言が各府省において 適切に対応されるよう 各府省は提言への対応状況を 仮に対応できない場合は その理由を含め 公表することが必要である また 商品テストの結果を 製品や施設等の安全基準の整備等に有効活用していくことも必要である (3) 国家公務員等の研修の場国家公務員や地方公務員が消費者の立場に立って 職務を遂行するよう 国民生活センターや消費生活センター等の現場を体験できる研修制度の設置を進めるべきである 5. 被害救済機能の強化消費者の被害救済機能の強化に向けて 本年 3 月に 消費者紛争の適正 迅速な解決を促進するために 国民生活センターの紛争解決機能を整備 充実するための法律改正案が国会提出されたところである 消費者問題における被害者救済の手段が限定的であることを鑑みれば 消費 8

9 者行政推進会議における消費者行政の一元化のための新組織についての議論を踏まえつつ 国民生活センターが消費者被害の救済に主体的に関与する仕組みのあり方についても 適格消費者団体の動向を見つつ検討することが必要である 具体的な検討課題として 事業者に対する監視機能の強化の観点からも 国民生活センターに事業者の違法な行為に対する差止め請求権を付与することが考えられる また 消費者被害の金銭的救済のために公的機関が私人に代わって民事訴訟を提起し 得られた損害賠償金を分配する仕組みや 公的機関が違法行為を行った事業者等の財産を没収 剥奪し 被害者に分配する仕組みなど 様々な方法が考えられる 今後 法制上の可否も含めた検討が必要であるが 国民生活センターがこれらの方法を通じて 被害の救済にどのように関与していくかも将来的な検討課題である 6. 地方の消費生活センター等の活性化消費者問題の現場対応を最前線で担っているのは 地方の消費生活センターであり 国民生活センターの活動も消費生活センターの活動を前提に成り立っている 地方分権の流れの中で 苦情相談への対応を始め 身近な消費者問題のワンストップ サービス拠点としての消費生活センターの役割に対する期待は高まっている しかしながら 行政改革や厳しい地方財政を背景に 消費生活センターの活動は 全国的には縮小傾向にあり 地域差も生じている 地方の消費生活センターの衰退は 我が国における消費者行政の大きな停滞につながりうることから その活性化のための支援強化が必要である さらに 地方自治体において消費者行政の重要性の認識を高めるべく 都道府県知事会 市町村長会等への働きかけを行っていくべきである このため 国と地方の役割分担を踏まえ 消費生活センターについて 例えば 法律上の位置付けを与える等により 機能の拡充を促すとともに 国との連携強化について制度的に担保する方策を検討すべきである さらに 地域の全ての消費者に対して一元的窓口機能を提供することを目標に 消費生活センターの設置や開館日を増やすことを目指すべきである また 地域における国 都道府県 市町村の各種相談窓口や法執行機関などの関係機関において 特に 都道府県と市町村の消費生活センターの間において 連携 人事交流などを通じて協力体制を築くことにより 消費者が身近な相談機関において一元的に解決を図れる体制を目指すべきである 9

10 また 先に述べたように 苦情処理委員会の活動を活性化することにより 紛争解決機能の確保も必要とされている 7. 国民生活センターの組織形態等消費者行政の現場対応の強化の観点から 国民生活センター及び消費生活センターにおいて上記の機能を担うべく 必要な予算 人員を確保するべきである また 組織形態のあり方については 消費者行政推進会議における消費者行政の一元化のための新組織に関する議論も踏まえて 所要の見直しを図るべきである 消費者の視点に立った運営のため 国民生活センターの意思決定に 消費者の意見を代表する者が関わる仕組みが必要である 例えば 消費者の意見を代表する者等が構成メンバーである委員会による意思決定のチェックシステム等を導入することが求められる また 国民生活センターの理事長等の意思決定権を持つ者に 消費者団体 学者 弁護士等 民間から適切な人が登用されることが必要である 10