2017 年 10 月 3 日 SIOS Protection Suite Linux v9 EE における SAP ARK を用いた SAP NetWeaver のクラスター環境構築 Part-3 Part-2 では 両ノードで SAP NetWeaver のインストールを行いました Part-3

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1 SIOS Protection Suite Linux v9 EE の SAP ARK を用いた SAP NetWeaver のクラスター環境構築 ~Part-3~ サイオステクノロジー株式会社

2 2017 年 10 月 3 日 SIOS Protection Suite Linux v9 EE における SAP ARK を用いた SAP NetWeaver のクラスター環境構築 Part-3 Part-2 では 両ノードで SAP NetWeaver のインストールを行いました Part-3 では 以下作業項目の 5. として記載されている LifeKeeper 上の構築作業の続き お よび 6. の後処理の項目を行います また インストールした SAP NetWeaver を LifeKeeper でクラスター化し 各ノード間でリソースの切替を行えることを確認します 作業項目 lifekeeper01 lifekeeper02 1. EC2 環境構築 (1) EIP VPC Security Group 等を設定 - (2) 踏み台用 Windows インスタンスを EC2 上に作成 - (3) ファイル共有用 Linux インスタンスを EC2 上に作成 - (4) Red Hat 提供の RHEL AMI を取得 - (5) RHEL7.3 インスタンスを EC2 上に作成 2. OS 設定 (1) OS 事前設定 (2) 必要ファイルシステム作成 3. SPS-EE v9.1.2 インストールと設定 (1) (1) LifeKeeper のインストール (1) (2) LifeKeeper の各リソース設定 (1) <IP> (3) LifeKeeper の各リソース設定 (2) <DataReplication, FileSystem> 2

3 4. SAP NetWeaver 7.5 インストール (1) インストール用メディアの NFS サーバ上へのコピー - (2) SAP Software Provisioning Manager のインストール (3) NetWeaver ASCS インスタンスのインストール (4) NetWeaver ERS インスタンスのインストール (5) NetWeaver Oracle インスタンスのインストール (1) (6) Oracle のインストール (7) SAP 用 Oracle Bundle Patch 適用 (8) NetWeaver Oracle インスタンスのインストール (2) (9) NetWeaver PAS インスタンスのインストール (10) NetWeaver ASCS インスタンスのインストー ル (11) NetWeaver ERS インスタンスのインストー ル (12) NetWeaver Oracle インスタンスのインス トール (1) (13) Oracle のインストール (14) SAP 用 Oracle Bundle Patch 適用 (15) NetWeaver Oracle インスタンスのインス トール (2) (16) NetWeaver AAS インスタンスのインストー ル 5. SPS-EE v9.1.2 設定 (2) (1) LifeKeeper のインストール (2) (2) LifeKeeper の各リソース設定 (3) <Oracle> いずれか片方 (3) LifeKeeper の各インストール (4) <SAP> いずれか片方 6. 後処理 (1) SAP ライセンス適用 3

4 5. SPS-EE v9.1.2 設定 (2) (1) LifeKeeper のインストール (2) SAP NetWeaver をインストール後 LifeKeeper の SAP ARK をインストールします (2) LifeKeeper の各リソース設定 (3) <Oracle> (3) LifeKeeper の各インストール (4) <SAP> LifeKeeper の Oracle リソース SAP リソースを作成します SAP リソースの作成でポイントとなる箇所をまとめます Oracle リソースの作成につきましては 以下のオンラインマニュアルをご参照ください Recovery Kit として SAP を選択する 4

5 SAP SID として LKS が自動入力されていることを確認する SAP ASCS インスタンス番号が自動入力されていることを確認する 5

6 ACSC インスタンス作成時に SAPINST_USE_HOSTNAME で指定したホスト名に関連する IP リソースを選択 ここでは lksap を選択します 6

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8 SAP リソースが作成完了し LifeKeeper GUI 上でリソースが表示されていることを確認 以上で LifeKeeper における SAP NetWeaver の ASCS インスタンスのリソース化作業は完 了です ASCS リソースは リソース作成時には Oracle リソースとは独立したリソースツリーで作成さ れます これにより 一方のノード上で ASCS リソースを稼働させ 他方のノード上では Oracle リソースを作成させるといった 所謂 Active Active 構成として運用することも可能です 8

9 6. 後処理 (1) SAP ライセンス適用後処理として インストールした SAP NetWeaver へ SAP ライセンスを適用します 今回構築した SAP NetWeaver は HA のため 2 ノードのクラスターとして構成されています そのため ライセンスは各ノードに適用する必要があります [ スイッチオーバによるリソース切替 ] lifekeeper02 上の SAP リソースを起動することで 手動切替を行えます 9

10 上図の要領で Oracle リソースも lifekeeper02 上で起動することで lifekeeper02 上にリソー スを移動させます 以上の操作で対向側ノードへリソースを移動させることができました [ 障害検出によるフェイルオーバ ] 次に 障害検出によるフェイルオーバの検証として lifekeeper02 側のネットワークを停止し 10

11 てノード障害を発生させ 対向側ノードへフェイルオーバされることを確認します 先ほどのスイッチオーバで lifekeeper02 側に全てのリソースが起動しているため この状態か ら以下のコマンドで lifekeeper02 の NIC をダウンさせ lifekeeper02 で擬似的な障害を発生 させます # service network stop ifdown コマンドでも問題ありません lifekeeper02 上でコマンド実行後 LifeKeeper GUI で以下の表示となり 対向側 LifeKeeper ノードである lifekeeper01 への切り替わりが発生します 11

12 NIC をダウンさせたインスタンスはネットワーク接続が行えず アクセスできない状態とな りますが AWS Management Console からインスタンスの再起動処理を行うことで 再びア クセスできるようになります [ 所感 ] 今回 SAP NetWeaver に初めて触れた状態から右往左往しながら構築し まずは SAP 社が SPOF として公開している ASCS リソースと Oracle リソースを LifeKeeper で保護するところまで行いました 12

13 その構築を行うなかで躓いた箇所がありましたので 以下簡単に纏めます Oracle データベースソフトウェアインストール時 oracle ユーザの環境変数 DISPLAY の設定 ec2-user ユーザからの.Xauthority 引継ぎに苦労した SAP Software Provisioning Manager 上で Oracle インスタンスを作成する際 途中で Oracle データベースソフトウェアのインストールを行います Oracle のインストールは Oracle 社が提供する GUI インストーラを oracle ユーザで起動する必要がありますが 起動させるためには oracle ユーザの環境変数 DISPLAY を事前に設定しておく必要があります また DISPLAY 変数を設定するのみではなく コンソールへログインした ec2-user ユーザの.Xauthority を oracle ユーザに引継ぐ必要があります ssh Y コマンドで NetWeaver ホストへ oracle ユーザでログインすることで リモートホストの x11 アプリケーションのウィンドウをローカルホストへ表示する動作となるため 本コマンドで oracle ユーザのログインを試みましたが oracle ユーザの.Xauthority の生成が行われず x11 アプリケーションの起動を行えませんでした この問題に対して 今回の検証では ec2-user の.Xauthority を oracle ユーザにマージすることで回避しました また oracle ユーザでの x11 アプリケーションの起動成否を簡易的に確認するため xclock を使用しました このような軽量の x11 アプリケーションを用意しておくと 環境確認に要する時間の削減に有効です Oracle Bundle Patch の適用方法を探すのに苦労した Oracle Bundle Patch は SAP NetWeaver で Oracle データベースを使用するためのパッチファイルですが パッチの適用方法がわからず方法が記載された資料を探すのに苦労しました 適用方法は Oracle Bundle Patch の圧縮ファイル内同梱の README.html に記載されていますので 本パッチファイル解凍後 本ファイルの一読を推奨します Oracle Bundle Patch の適用 およびデータ領域の sapdata 作成に時間を要する Oracle Bundle Patch は 70 個以上の細かな fix が含まれるパッチ群であり 検証環境の Oracle データベースへ適用するのに 2 時間弱要しました 13

14 また パッチ適用完了後に SAP Software Provisioning Manager の GUI から Oracle インスタンスの作成処理を再開しますが ここで行われる sapdata の作成にも 2 時間ほど要しました 上記は 1 ノードでの構築に要した時間ですが Oracle データベースのデータ領域は LifeKeeper で保護していることから 両ノード上から同時に Oracle インスタンスの作成を行うことができず 最初のノード上でインスタンス作成が完了した後 LifeKeeper リソースを対向側ノードへ移動させたうえで 再度 Oracle インスタンスを作成する手順となるため 単純に上記の所要時間の 2 倍以上を見込む必要がありました インストールガイドや SAP Note 等 今回の検証で参照したドキュメントの殆どが英語資料であり 読解に苦労した SAP Note のうち 重要な内容や参照数の多そうな内容については日本語化されているものもあり 記述内容を把握しやすかったのですが その他の殆どの SAP Note や SAP NetWeaver のシステム要件やインストール方法等が記載されているインストールガイドは英語であり ソフトウェアの要件の把握にも時間を要する状態でした そのため ドキュメント読解のために十分な時間を充てる必要がありました 以上より 検証環境の構築では Oracle インスタンスの作成中にトラブルが多く発生した印象 でした 逆に考えれば ASCS や ERS 等といった Oracle 以外のインスタンス作成では目立っ たトラブルも無く 比較的スムーズにインストールを完了できたのは意外な印象でした [ まとめ ] 今回の検証では LifeKeeper と SAP NetWeaver を連携させ ASCS リソースが LifeKeeper 上で作成されること および手動操作によるスイッチオーバ 障害検出によるフェイルオーバが行われることを確認してみました ポイントとして SAP NetWeaver の HA 構成要件で共有領域への保存を指示している /sapmnt /usr/sap/trans の他に SPOF となる ASCS インスタンス (/usr/sap/lks/ascs00) 14

15 Oracle データベースのデータ領域 (/oracle_data) をそれぞれ LifeKeeper 管理下の共有ファイルシステム領域に設定することが挙げられます 特に SAP Software Provisioning Manager から Oracle インスタンスを作成する際 デフォルト設定では Oracle データベースのデータ領域は LifeKeeper が管理しないローカルディレクトリに作成されますので LifeKeeper で管理させるために LifeKeeper 管理下の共有ファイルシステム領域下にデータ領域を作成するよう Advanced DB Configuration 設定を有効化してデータ領域の作成先を修正することが必要です 上記設定ができていれば 専用の Recovery Kit パッケージである SAP ARK や Oracle ARK の ウィザードに従い リソースを簡単に作成できます SAP リソースの作成や管理方法 トラブルシューティングについては 以下の弊社ドキュメン トサイトでも公開していますので 併せてご参照ください SIOS Protection Suite for SAP ソリューションページ [ 免責事項 ] 本資料に記載された情報は予告なしに変更 削除される場合があります 本資料に記載された情報は 全て慎重に作成され 記載されていますが 本資料をもってその妥当性や正確性についていかなる種類の保証もするものではありません 本資料に含まれた誤りに起因して 本資料の利用者に生じた障害については サイオステクノロジー株式会社は一切の責任を負うものではありません 第三者による本資料の記載事項の変更 削除 ホームページおよび本資料等に対する不正なアクセス その他第三者の行為により本資料の利用者に生じた一切の損害について サイオステクノロジー株式会社は一切の責任を負うものではありません 15

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