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もえりかくはり
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1 XXVI, 名古屋城の城郭に使用された石材の産地同定のための全岩化学分析ー予報 W回k y f f fqu凶fω岱凶 f w fngyc悩 -p ypぽ田口一男 F 鈴木和博 KzuT g u * Kz由加 Suzuk 株式会社 C- ファクトリー名古屋大学年代測定総合研究センター LTD C F yc *C庁自p 開印刷幼 C田町 f Cg伺R田氏 NgyU凶V師y E :k gu@弗ヴ jp T : F 叫 -- ιω' 春 /j許可街全町学司法本王子テ y クセンター鮮味) - アァク "! - S句E四国 f 也 w fngy C uωwu企也u 組也u 拙宇伊血旬但阻-) 企鎚 fm k wby, u-伊 fp也侭D回u ) 帥 gf K 叩Ik fk z umu, g旬 pp:戸y 企 K z uku 組 S由百聞企也位 w q国立 w闘世悶 w 回早p y 翻刷 f刈ω ω yu ppぽ旬自由 yf w k閉山町 ω今 xv 回目f v u k 百町山町 f g町 pp戸y f g u 血ぽ血 w fn甚y C p旬 S 町 fow, w悶 w 伺且盟国蜘 w也 W臨むg I回 KywG台名古屋高石Z亙石拭;J局五百岩 JE局岩 N戸主; 綬互石全岩化学溜成刻';矢J はじめに名古屋城の石垣には多数の石材が使用されている現在修復工事中の本丸揚手馬出では約血の石垣に約個の石材が使用されている(石垣修復現場見学会資料) この数から城郭全体(総延長 k皿平均高皿と仮定)の石材数は万個前後と見積ることができるこれが普請発令後のヶ月程度の期間のうちに切り出されて建設現場に運搬されたのである(名古屋城公式ウエブサイト) 個々の石材は推定重量が kg からトン超にわたり片方がやや細い不規則短柱で割った面に - 個の大型矢穴痕を残しているこのような大きさの石材を短期間のうちにどのようにして切り出しどのようにして運搬したのかが良くわかっていないしかし石材を産出した採石丁場の数は相当数に達したことは疑いない名古屋城の石垣は西国の大名家が分担して建設しておりその分担場所は丁場割図に残されているこの丁場割と石材の岩種および石材に残る刻紋から各大名の採石丁場が同定されてきたしかし大量の石材を使用しながらその岩種が分布する地域に刻紋を残していない大名も少なくない刻紋を手掛かりとして産地を同定することには限界がある岩石の鉱物組成や化学組成は同じ岩石種でも場所ごとに微妙に異なっている可能性が高い我々は化学組成を利用して名古屋城の石垣を構成する個々の石材を産出した採石丁場を特定することができるかどうかを検討している本稿ではこれまでに分析した岩石の化学組

XXVI, 成を報告して化学組成を利用した産地同定の有効性を指摘したい採石丁場名古屋城の石垣に使用されている石材は主に幡豆石と称される粗粒角閃石ー黒雲母トーナル岩河戸にうづ)石と呼ばれる中粒砂岩花関斑岩花闘岩である幡豆石は愛知県蒲郡市と西尾市の三河湾沿岸および愛知県知多郡南知多町篠島で採石された(高田 )篠島では個所の採石跡が見つかっており(篠島町づくり会説明文)

2 XXVI, 成を報告して化学組成を利用した産地同定の有効性を指摘したい採石丁場名古屋城の石垣に使用されている石材は主に幡豆石と称される粗粒角閃石ー黒雲母トーナル岩河戸にうづ)石と呼ばれる中粒砂岩花関斑岩花闘岩である幡豆石は愛知県蒲郡市と西尾市の三河湾沿岸および愛知県知多郡南知多町篠島で採石された(高田 )篠島では個所の採石跡が見つかっており(篠島町づくり会説明文) そのほとんどは加藤清正の丁場と考えられている三河湾沿岸では毛利秀就池田輝政加藤家田中清正福島政則の実u 紋の残った採石跡が見つかっているしかし幡豆石を大量に使用している黒団長政や前田利常の刻紋が残った採石跡は見つかっていない河戸石は岐阜県海津市南濃町上野河戸一帯に産出する美濃帯の中生代のターピダイト砂岩であり岩質は硬く固結した長石質アレナイトである頁岩片を含むものと含まないものがある上野河戸にある行基寺に残る古文書には蜂須賀至鎮細川忠興鍋島勝茂の大名が採石したと記されている(大橋 ) 類似の岩石は養老山地に広く分布し北方の南濃町志津には石材を搬出した石曳き道が残っているまた岐阜県本巣市の郡府山には享保年間の印刻が認められ江戸中期の名古屋城天守閣修理の際に石材が搬出されたと考えられている(岐阜市教育文化振興事業団 ) 花岡斑岩は三重県熊野市を中心にして岡県尾鷲市から和歌山県東牟婁郡那智勝浦町までの延長約 k にわたって分布する熊野酸性岩類(荒牧羽田 ) のほか養老産地や庄内川上流(土岐J )の岩脈が使用されている可能性がある名古屋城の熊野酸性岩類は浅野幸長が熊野市二木島の採石丁場で切り出したと推定されている(森 ) 花開岩質石材は愛知県小牧市の岩崎山愛知県瀬戸市および瀬戸内海地域から切り出されたと考えられている残石の刻紋から岩崎山は前田利常均当加藤嘉明瀬戸市域は回中忠政福島政則毛利秀就前田利常の丁場と見なされている(高回 ) 名古屋城の石材を切り出した丁場か否かを判断する手がかりの一つは矢穴痕の大きさであろう名古屋城の幡豆石や河戸石の矢穴は切り口の長さが以上で幅は深さはであるこのような矢穴は世紀末から世紀中頃までの期間に限って使用されており最古の大型矢穴は年に廃城となった観音寺城の石材にみることができる(北原 ) 観音寺城の次には岐阜県瑞浪市の小里城(岩村城攻略のために織田信長の命により年に改修が始まり年に岩村城が落城して改修工事が中断した渡辺佐藤 ) で大型矢穴が使われている矢穴が大型化したのは一時的に鉄製の矢から木製の矢に変わったためと考えられる愛知県幡豆町史(幡豆町誌編集委員会 ) に古老の話として昔樫の木で作った矢を打って石を割りその矢穴の容積だけの米を貰った J その石は名古屋築城の時に供出したのだとの記述がある大型の矢穴は大規模な城郭を短期間で建設するために農民等を徴用して石材の大量生産を実現した世紀末から世紀前半の時期を象徴する技法であろう刻紋が無くても大型の矢穴があいた残石が残る採石跡は名古屋城の石材を切り出した丁場である可能性が高い幡豆石可戸石花岡斑岩および花商岩が分布する地域を調査して既報を含めて幾つかの大型矢穴や刻紋の残る採石跡を確認することができた代表的な採石跡を図に示す調査した採石跡から採取した岩石試料を中崎ほ泊司 )の方法で蛍光 X線分析した(表 )

3 名古屋大学加速器質量分析計業績報告書, XXVI, 図大型矢穴痕あるいは刻紋が残る採石跡 () 愛知県西尾市鳥羽八貫山, 斑れい岩但 ) 三重県熊野市二木島, 花岡斑岩 () 三重県尾鷲市曽根 ( 曽根 ), 花闘斑岩 (D) 岐阜県本巣市郡府山, 砂岩愛知県瀬戸市海上の森, 花闘岩 σ) 名古屋市守山区東谷山, 花園岩名古屋城の花闘斑岩の岩片名古屋城の石垣の石材で蛍光 X 線分析したのは花闘斑岩片点であるこの花闘斑岩片は, 大きさが約, - -

名古屋大事加速器質量卦析計量植報告書, XXV, 最大厚がの角ばった板状片で, 築右を据え置く際に調整のため割り欠いた割り右岩片と考えられる石英, カリ長石, 斜長石の斑晶を持ち, 石基の粒径は - 血血である名古屋城の分析した花闘斑岩は, シリカ含有量が豹 % で, 海津市南濃町津屋や土岐市土岐川の花闘斑岩とは明らかに違いがある他の成分も, 名古屋城の花岡斑岩の含有量で除してみると

4 名古屋大事加速器質量卦析計量植報告書, XXV, 最大厚がの角ばった板状片で, 築右を据え置く際に調整のため割り欠いた割り右岩片と考えられる石英, カリ長石, 斜長石の斑晶を持ち, 石基の粒径は - 血血である名古屋城の分析した花闘斑岩は, シリカ含有量が豹 % で, 海津市南濃町津屋や土岐市土岐川の花闘斑岩とは明らかに違いがある他の成分も, 名古屋城の花岡斑岩の含有量で除してみるとから外れているものが多い ( 図の ) 閉じものなら, 蛍光 X 縁分析の測定誤差の範囲で, 全ての成分の比がになるはずである分析した名古屋城の花嗣斑岩片を産出した丁場は海湾市や土岐市ではない熊野酸性岩類は流紋砦溶岩流 ( 神ノ木流紋砦 ), 斑晶の多い流紋岩質凝灰岩, 花闘斑岩から構成される中新世の複合火成岩体である ( 荒牧羽田, 花開斑岩は, 中新世中期の熊野層群の堆積後に陸化して, 神ノ木流紋岩が流出と短い浸食間隙を経て大量の火山灰が噴出あり, ひき続く液相マグマの噴出で形成された溶岩湖が冷却固結しでできた花樹斑岩の堆積は ω 回以上と推定され, その約 % が尾鷲市南西部から熊野市北東部に広がる北岩体をつくり, 残りが熊野川 ( 新宮 ) [) を挟む地域の南岩体を作る, 花闘斑岩は石英, カリ長石, 斜長石, 黒雲母の斑晶と主に石英とカリ長石の石基からできている目石基の平均粒径が皿以下の細馳岩相から, 石基の平均粒径が -O で微文象組織の発達した粗粒岩相まで, 野外で連続的に変化するが, 石基の平均粒径 -O のものが圧倒的に多い ( 荒牧羽田, 珂 ) 北岩体と南岩体の花開斑岩は, 鉱物組成も化学組成も重複しており, 明瞭な差が見られないと言われている ( 例えば, 新正ほか, ) しかし, 詳細に見ると, 北岩体と南岩体で化学組成に差があり, それぞれの岩体中でも場所による違いが認められるー花岡斑岩の化学組成 ( 新正ほか, ) 創出体と南岩体で平均して, 名古屋城の花樹斑岩との比で比較すると, 南岩体の方が百, Mg, C が少なく, K が多い ( 図 -) 微量成分でも, 南岩体は N, Z, S 泊勾 P なく,S が多い, 全体として, 北岩体の方が南岩体より平均値 / 名古屋城の花筒斑岩の比がに近いこれは名古屋城の分析した花同斑岩が北岩体から産出したことを示唆するこれまで湾海市南湿町 ~ 野磁性岩煩北岩体ト口主肺措川ム細菌食闘棚遊休陣嵐ぽ即断喜書雪軍記新 E まか ( 曲 ) O 尾鷲市根尾鷲市曽恨図 () 名古屋城石垣の花闘斑岩片と海樟市, 土岐市およ府民野酸性岩類の南北岩体の花闘斑岩の化学組成の比較 (B) 名古屋城石垣の花闘斑浩片と大型矢穴の残石が見つかった熊野酸性岩類の北岩体の三木島, 曽根 L 曽根採石跡の花筒斑砦の化学組成の比較 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ - -

XXVI, 表名古屋城石垣の花闘斑岩片と大型矢穴痕が見つかった採石跡および初市川恒岐即断州制士土花 E海繭和城当 F 名栗花古石鵬 S古川出FLMCNKRT M 市品寸勾后勾内 F のツ凋斗'I ぷU 弓υ 守 U'IUuw 凋J 斗υ'E守勾 'E'E' 今内LU'u 斗ツ utζuυυ' 県島陪町観点描川問屋山岩 K名東花 H古谷両甘液融問一 H円臨 K瀬海粗

5 XXVI, 表名古屋城石垣の花闘斑岩片と大型矢穴痕が見つかった採石跡および初市川恒岐即断州制士土花 E海繭和城当 F 名栗花古石鵬 S古川出FLMCNKRT M 市品寸勾后勾内 F のツ凋斗'I ぷU 弓υ 守 U'IUuw 凋J 斗υ'E守勾 'E'E' 今内LU'u 斗ツ utζuυυ' 県島陪町観点描川問屋山岩 K名東花 H古谷両甘液融問一 H円臨 K瀬海粗 εj弓iu斗 U 斗 U凋斗内 UFOUMJ 市鳴一時 ZJ戸 HVu- ヲ HUHV 目戸内悶瀬海細円一戸悶 ωlf F一 F 上嗣 v瀬海花唄 B 酒山一伽叫醐 M小樹花ロ市此吉昔川明牧刷耐 C 菰野町海津市判断市 ω巣刷山 W M本郡塊盈 Y 糊加市 M 殺勢町一市開川円本郡捻閉山巣胤加 S百ヨ蒲郡市西尾市二木島曽根曽根 B 曽根西浦八貫山千草南浪町志津花闘斑岩花闘斑岩花商斑岩花闘斑岩ト]ナ'JV;岩斑れい岩鈴鹿花岡岩損説脚消 K T XuR 熊野市尾鷲市尾鷲市尾鷲市 M小樹花凶 ρw q 同 qqm 前 W可 qq M M 同心明加白針制白&y ρ M 白盈貼 MFLMUMLBq 白盈助M 盛時開瀬戸内海小豆島と瑞浪市小里城等の岩石の蛍光 X 線分析結果瑞浪市小里城花両岩

XXVI, に北岩体で大型の矢穴が見つかった採石跡は熊野市二木島で個所尾鷲市曽根で個所である曽根には黒雲母の量がわずかに異なる種類の花崩斑岩が産出する黒雲母が少ないものを曽根多いものを曽根 B として表に分析値が示してある大型矢穴が確認できた個所に限って比較すると名古屋城の分析した花筒斑岩片は曽根に最も類似している(図 B) ただし名古屋城のものは分析誤差を超えて

6 XXVI, に北岩体で大型の矢穴が見つかった採石跡は熊野市二木島で個所尾鷲市曽根で個所である曽根には黒雲母の量がわずかに異なる種類の花崩斑岩が産出する黒雲母が少ないものを曽根多いものを曽根 B として表に分析値が示してある大型矢穴が確認できた個所に限って比較すると名古屋城の分析した花筒斑岩片は曽根に最も類似している(図 B) ただし名古屋城のものは分析誤差を超えて N N, Z, Nが少なく P,V, R が多いので曽根と同じ岩石ではない名古屋城には紀州の浅野幸長が担当した石垣丁場がある浅野の花筒斑岩の採石丁場は二木島と推定 (森 ) されてきたが分析した石材片は二木島産ではない従来江戸城普請のための採石丁場と言い伝えられてきた曽根からも名古屋城の石材が切り出されたことが確実になった石垣の石材の全岩化学組成は産出丁場を特定する鍵となり得る謝辞本研究を進めるにあたり佐藤好司氏から有益な助言をいただいたまた名古屋城学芸員の市津泰峰氏には石垣修復現場を見学する便宜を図っていただいた記して感謝する参考文献荒巻重雄羽田忍熊野酸性火山岩類の中部および南部の地質地質学雑誌岐阜市教育文化振興事業団船木山古墳群 (財)岐阜市教育文化振興事業団報告書第集 pp 幡豆町誌編集委員会愛知県幡豆町誌愛知県幡豆郡幡豆町 pp +附重要資料 pp 石垣修復現場見学会資料名古屋城伝統の技にふれる -歴史をつなぐ文化をつなぐー平成年 () 月日(日) 北原治矢穴考ー観音寺城技法の提唱について財団法人滋賀県文化財保護協会紀要第号 - 森徳一郎名古屋城と浅野幸長郷土文化巻号 - 名古屋郷土文化会名古屋城公式ウエブサイト名古屋城の歴史坤ゴ/阿wgy;句ygyJp/_f曲面血田凶中崎峰子壷井基裕金川和世加藤丈典鈴木和博 X線分析装置 XRF- による岩石の定量分析名古屋大学博物館報告号 - 大橋保俊南濃町史通史編第三部歴史ー近世第三章江戸時代の経済(第三節産業玉石出し剖) 岐阜県海津郡南濃町 pp + 付録 pp 新E裕尚角井朝昭折橋裕二下回玄蛍光 X 線分析による熊野酸性火成岩類の全岩化学組成東京経済大学人文自然科学論集号 - 高田祐吉名古屋城石垣の刻紘続名古屋城叢書名古屋城振興協会 pp 渡辺俊典佐藤実瑞浪市の歴史略市史編 (第六編兵乱の世第一章織豊時代第一節織田氏時代の戦乱二東濃十八城の戦 p) 岐阜県瑞浪市 pp +年譜 pp 日本語要旨名古屋城の石垣を構成する石材は総計約万個に達し西国の大名家が三河湾沿岸(幡豆石) 養老山地可戸石) 南紀(花嗣斑岩) 名古屋近郊(花嗣岩)などから調達したと伝わる個々の大名の採石丁場は相当数に上ると考えられるがその場所は大部分がわからなくなっている我々は大型矢穴痕を手がかりにして石材を調達したと推定される地域を調査しいくつかの採石跡をみつけた石垣石材の全岩化学組成と採石跡の岩石の全岩化学組成の比較から石材の産出場所が特定できることを例示した

東京経済大学人文自然科学論集第 131 号紀伊半島南部, 古座川弧状岩脈の凝灰岩, 花崗斑岩の全岩化学組成 * 新正裕尚 * 黒川貴之 ** 外西奈津美 Abstract * 東京経済大学 ** 東京大学地震研究所 Whole rock major and trace element compos

東京経済大学人文自然科学論集第 131 号紀伊半島南部, 古座川弧状岩脈の凝灰岩, 花崗斑岩の全岩化学組成 * 新正裕尚 * 黒川貴之 ** 外西奈津美 Abstract * 東京経済大学 ** 東京大学地震研究所 Whole rock major and trace element compos 東京経済大学人文自然科学論集第 131 号紀伊半島南部, 古座川弧状岩脈の凝灰岩, 花崗斑岩の全岩化学組成新正裕尚黒川貴之外西奈津美 Abstract 東京経済大学東京大学地震研究所 Whole rock major and trace element compositions analyzed by XRF, INAA, and PGA are reported for tuff and