Microsoft Word - D-17

Size: px
Start display at page:

Download "Microsoft Word - D-17"

Transcription

1 17. ローマ帝国の神々 ( 光はオリエントより ) 著者 : 小川英雄 発行所 : 中央公論新社 中公新書 1717 発行 :2003 年 10 月 25 日 780 円 著者の小川先生は 1935 年に川崎市生 1960 年に慶応義塾大学文学部史学科を卒業 1965 年に同大学院博士課程を中退 ロンドン大学 ユトレヒト大学に留学 イスラエル イギリスで発掘調査に従事 1988 年に イスラエル考古学研究 で慶大文学博士 慶応義塾大学文学部教授を経て 2001 年に定年退任 現在は同大学名誉教授 専攻は 古代オリエント史 著書 訳書は多数 (1) 前書き 最近 私 ( 筆者の林久治 ) はナザレのイエスとキリスト教を少々研究している なぜなら これらは謎の多い問題であるからである イエスに関しては 本感想文の第 1-5 回で取り上げた また 第 回には スペイン映画 アレクサンドリア を取り上げ 4-5 世紀におけるキリスト教の異教弾圧の実態を紹介した 古代オリエントには様々な宗教 ( 神々 ) が存在していたが それらはローマ帝国の時代に キリスト教に収斂して行った 私はその過程を知る目的で本書を読んだ ローマ帝国の神々を知ろうと思えば オリエントの神々のほかにケルト人のドルイド教なども取り上げる必要がある しかし 西方の土着宗教はローマ帝国の全土には広がらず 文化的に先進地であったオリエントのものが帝国各地に布教され根付いていった ( 本書の p.194) 従って 本書はオリエント系の神々のみを対象としている 1

2 図 17.1 オリエントと古代の主要都市 (2) 本書の目次 1 章古代オリエントの神話と宗教 2 章ヘレニズムからローマへ 3 章ローマ帝国の宗教 4 章イシスとセラピス : エジプト系の神々 5 章シリアの神々 6 章キュベレとアッテイス : 小アジアの神々 7 章ミトラス教 : イラン起源の神 8 章ユダヤ教の存続 9 章キリスト教 : その成立と発展 10 章グノーシス主義 11 章占星術の流行 図 17.2 古代エジプトの書記の神であり 知恵の神でもあったトト (3) 本書の紹介 ( なお私 筆者の林 の感想や注釈を青文字で記載する ) 1 章古代オリエントの神話と宗教 地球上で最初の文明が成立したのは オリエント すなわち中近東においてであった ( 図 17.1 を参照 ) そこではまず 紀元前 8 千年頃に人類史上最初の農耕 牧畜 2

3 が始まり その伝統はやがてメソポタミアとエジプトに入り 大河流域の灌漑農耕文明が生じた ティグリス ユーフラテス両河の下流域 ( メソポタミアと呼ばれる ) ではシュメル人が約 20 の都市国家を営み 彼らは楔形文字を使っていた 他方 ナイル川流域にはエジプト人が領域国家を建設し 聖刻文字 ( ヒエログリフ ) を用いていた このような文明の発生は前 3 千年頃のことである 人々はやがて宗教にも文字を用いるようになり 儀式や神話などを書き記した メソポタミアにおいて シュメル人の宗教伝統を受け継いだのは まずアッカド人 ( 前 前 2190) であったが 後には同じセム語族の国家として バビロニア アッシリア 新バビロニア ( カルデア ) などが台頭した また アナトリア ( 小アジア ) とペルシャではインド ヨーロッパ語族のヒッタイト人やペルシャ人が建国した 他方 シリア パレスティナでは カナン人やヘブライ人が現れた このように 古代オリエントの各地には長い間に多くの民族が現れて それぞれの地で宗教的伝統を築いていたのであるが 前 6 世紀に成立したペルシャ帝国はこれらすべての民族を支配下に置くことになった ペルシャの宗教政策は 諸民族の固有の生活を尊重し 彼らの伝統的宗教を許容した 例えば 祖国からバビロンに強制連行されていたヘブライ人は 前 538 年に帰国してエルサレムに神殿を再建してヤハウェ宗教を継続することを認められた このペルシャ帝国を滅ぼしたのは オリエント人ではなく マケドニア人アレクサンドロスであった 彼はギリシャ軍を率いて 最後のペルシャ王ダレイオス 3 世を追って アナトリア シリア パレスティナ エジプト メソポタミア ペルシャの順に征服を進めたが 前 323 年にバビロンで病死した ( 享年 32 歳 ) 彼も征服された諸民族の宗教に対して寛容で 各地の有名な神殿に参詣している 本章では ペルシャ王やアレクサンドロスが寛容であったオリエント各地の宗教的伝統が紹介されている 先ずエジプトでは 前 3100 年頃に統一王国が成立する前には セペトと呼ばれる地方勢力がナイル川流域を支配していた 神々はセペトごとに異なっていたが 獣の姿をとったり 太陽や月を頭上につけていたりしていた 例えば 王の祖先神ホルスはハヤブサの頭をいただき カルナックの月神コンスーは頭上に月の円盤を付け ミイラと死者の神アヌビスはジャッカルの頭を持っており 書記の神トトの頭はトキであり ( 図 17.2 を参照 ) ヘリオポリスの太陽神ラーは鷹の姿であった 統一王国成立後は 首都 ( メンフィスやテーベ ) の祭司たちがこれらの神々からいくつもの神話体系をまとめあげた ある伝承によれば 大地の神ゲブと天空の女神ヌトとが引き離されて天地となった この両神から男神オシリスとセト 女神イシスとネフチェスが生まれた オシリスとセトの兄弟は仲が悪く 権力争いを演じた セトはオシリスの体を寸断してエジプト全土に撒き散らした イシスはそれらを拾い集めて 兄であり夫であるオシリスを蘇生させた オシリスは冥界の王となったが イシスはオシリスとの間にホルスを生んだ ホルスはセトと戦い エジプト王となった それゆえ エジプト王たちは代々ホルスを称することになった メソポタミアにおいては 神々は人間と同じ姿で表された シュメル人の最高神は大気を司るエンリルであり 彼は同時に都市国家ウルクの首神でもあった 最高女神は神々女王イナンナであったが 彼女は後世にはイシュタルと呼ばれた そのほかにも 水神エンキ 太陽神エンキドゥ 牧人神ドゥムジ ( 後のタンズム ) 農耕神エンキドゥ 月神ナンナ バビロンの首神ベル マルドゥクなどがいた 3

4 アナトリアはシュメル人に約千年おくれて文明開化したインド ヨーロッパ語族ヒッタイト人の世界となった そこでは豊穣神テレビヌスを首神とするクババやサンドラなどが信じられた やがて 東方山地から来たフリ人の宗教が支配的になった フリ人は天神クマルビと狩りの女神ジャブシュカの神統記を持っていた よりインド ヨーロッパ語族的な資料は ヒッタイト人とミタンニ人の外交文書 ( 前 14 世紀 ) であり そのなかに ミトラ インドラ ヴァルナ ナーサティアなどのイラン インド系の神々が言及されている シリア パレスティナの諸都市は 首神としてバールとアナットを崇拝していた 彼らはウガリッドのエル ダゴンとアシュラットの子供である 他方 ティルスの首神はメルカトで シドンではエシュムンが崇拝された イラン高原にはインド ヨーロッパ語族が住みついた そこでは後世のゾロアスター教の聖典 アヴェスタ に出てくる神々が崇拝されていたが 前 7 世紀ころに現れた宗教改革者ゾロアスターがアフラ マズラ一神教を唱えた ペルシャ王のなかにはゾロアスター教の教えに忠実であった者もいたが ミトラ ( ミスラ ) など下位の神々も信じられていた ペルシャの祭司はマゴス族 ( マゴイ マギ ) であった 彼らは広くペルシャ帝国各地に移住し 世襲の祭司階級となった 2 章ヘレニズムからローマへ アレクサンドロス大王の死後 ( 前 323 年 ) 彼の帝国は継承者と呼ばれる将軍たちによって分割された オリエントで力をふるったのは シリアのセレウコス朝とエジプトのプトレマイオス朝であった 夫々の王たちは アレクサンドロスの宗教政策を引き継ぎ オリエント原住民の宗教に干渉しなかったばかりではなく 原住民側が積極的にギリシャ語を採用し 自らの民族的伝統を書物に記すことが流行った このように アレクサンドロス以後 ギリシャ語やギリシャ文化を異邦人が取り入れるようになった この時代を ヘレニズム時代と呼ぶ 例えば マネトン ( 前 280 年頃 ) が エジプト誌 を ベロッソスが ( 前 290 年頃 ) の バビロニア誌 を書いた アレクサンドリアに住みついたユダヤ人達が聖書 ( 旧約 ) のギリシャ語訳を編集し それは セブトゥアギンタ (70 人訳 ) と呼ばれた ユダヤ人フィロン ( 前 30 頃 - 後 45) は聖書についての多くの著作をギリシャ語で書いた ヨセフス ( 頃 ) はギリシャ語でユダヤ人の歴史を書いた ところが パレスティナのユダヤ人社会では ヘレニズム派と保守派の対立が激しくなった シリア王アンティオコス 4 世 ( 在位前 175- 前 164) は保守派の大祭司を退位させ エルサレム神殿を略奪し ギリシャ人の神ゼウス オリュンピオスの像を神殿に置いた これはヘレニズム時代の王としては例外的な反原住民政策であった これに対して ユダヤ人のハスモン家が反乱を起こし 前 164 年に神殿祭儀を復活した ハスモン王朝はユダヤがローマ人に征服される前 63 年まで続いた ユダヤ人の外国人支配者に対する叛乱はローマ時代まで続いた 紀元後 66 年にはエルサレムで暴動が起こり 70 年にローマ軍がエルサレムを占領して神殿を破壊した また 132 年に起こったバル コホバの乱も 135 年に鎮圧された ( 注 1) このようにして ヘレニズム時代にも オリエント諸民族の宗教はユダヤ教を除いては ギリシャ文化を取り入れながら存続していたが この傾向はローマ時代になっても変わらなかった すなわち 前 64 年にはシリアが 前 30 年にはエジプトがローマ 4

5 の属州になったが ユダヤ以外のローマ東方属州では 民族的 宗教的叛乱は起きなかった ( 注 1) 第 4 回の感想文で 私 ( 林 ) は次のような解説を書いた 紀元 にかけて ユダヤ教会から救世主と公認されたバル コホバ ( 星の子 ) に指導された反乱は ( 第二次ユダヤ戦争 ) 一時エルサレムを解放しますが またもやローマ軍に鎮圧されてしま い 以降ユダヤ人はエルサレムから追放され ユダヤという名称さえ残されなかった そして この地方はパレスチナ ( ペリシテ人の地 ) と呼ばれるようになりました キリスト教の教祖イエスは紀元前 6- 前 4 年の間にナザレで生まれた 彼は律法 ( ユダヤ教の戒律 ) から除外された人々 ( 病人 身体障害者 娼婦など ) や貧民層に同情を持ち 律法は神の恵みから見れば無に等しい と主張した 彼はローマ軍からは叛乱を企む者 ユダヤ人からは神を冒涜する者と見なされ 紀元後 30 年に磔の刑に処された 彼の死後 信者の間でユダヤ的伝統よりもヘレニズム文化の立場に立つものが増加し 1 世紀末までの間に福音書 書簡集 黙示録からなるギリシャ語による新約聖書が成立した キリスト教徒は叛乱を起こそうとする者ではなかったが 皇帝崇拝の拒否や 他宗派の宗教活動に対する否定的態度のゆえに迫害を受けることになった しかし 彼らの厳格な唯一神崇拝と超民族的信仰は オリエント的専制に変質した帝政ローマの支配者達の受け入れるところとなった キリスト教はミラノ勅令 (313 年 ) で公認され 392 年にはローマ帝国の国教となり 他宗派を弾圧することになった オリエントで広がったヘレニズム文明では ギリシャ語の採用だけではなく 国家のものであった宗教に対して個人中心の宗教である密儀が生まれた 国家の公式祭儀ではなく 秘密の儀式による個人の救済を目指す宗教を密儀という 密儀宗教はギリシャのエレウシス ( 図 17.3 の ➀) で紀元前 14 世紀から行われていた密儀に由来する 本書は エレウシスの密儀を詳しく紹介している (p.18-21) ローマ帝国時代には 皇帝達がそこで入信している (2 世紀 ) 前 4- 前 3 世紀に エレウシスの大祭司の家柄であるティモテウスという人物がアレクサンドリアに招かれて オシリスとアピスというエジプト古来の神々を合わせて セラピスという新しい神を作り その密儀を創始したと云われている 古代ローマ人の宗教は形式的であり 大祭司から 鳥の飛び方によって未来を占う鳥占官にいたるまで 国家公務員で宗教は公の義務と考えられていた ローマ人にとって 宗教とは未知なものに対する漠然とした畏怖の念であった 彼らには神話も神像もなかった ローマの対外進出とともに 性別さえなかったローマの神々も擬人化されてユピテル マルスなどの名前を持つようになった 特に ローマ神とギリシャ神との習合が起こり ユピテルはゼウスと ミネルヴァはアテナと ウェヌスはアフロディテと同一視された ローマ人が前 2- 前 1 世紀にオリエントを征服して行った時 ヘレニズム化したオリエント人は武力以外の分野でローマより発達していた ローマ人はオリエントに人材を求めた こうして オリエント人の商人 役人 軍人 農奴 家内奴隷などが密儀化したオリエント人の宗教をイタリアばかりではなく 北アフリカやヨーロッパの属州に運んで行き 信者を獲得して行った 5

6 3 章ローマ帝国の宗教 ➀ ➃ ➂ 8 アナトリア ➁ ➄ ➅ 7 シリア 9 図 17.3 ローマ帝国のオリエント属州 ➀ エレウシス ➁ チャタル ヒュイック ➂ ベッシヌス ➃ トロイ ➄ タルソス ➅ コマゲネ 7 アンティオキア 8 ニカエア 9 ナグ ハマディ 紀元前 27 年にアウグストゥス帝 ( 注 2) が即位しローマ帝国が成立すると 地中海世界はオリエントとヨーヨッパとの文化的交流の舞台となった オリエントのローマ属州では言語 行政 政治の分野でローマ化が起こったが 宗教の面ではオリエント土着の伝統が根強く残存した 諸宗教はギリシャ語を採用し 神殿にはオリエント的建築を採用していた オリエント宗教各派はキリスト教と並んで全ローマ帝国に流布した それらは多くの場合 密儀の形をとり しかも それぞれの起源の地の伝統を残していた ( 注 2) ローマでは カエサル ( 英語ではシーザー ) の後継者となった オクタウィアヌス が皇帝に即位して アウグストゥス と名乗った ローマは 116 年にメソポタミアを一時占領したが 118 年にパルティアに取り戻された 皮肉なことに ローマの平和 のなかで 厳格で形式的なローマ古来の宗教よりも オリエント系の宗教は遥かに人心を捉えるものを持っていた それは感情を動かし 感動を与えてくれるものであった 各宗派では 毎日 毎週 毎シーズンの行事が決まっており 神殿の外では様々な音楽や色彩豊かな行列が行われ 参加した信者ばかりではなく 部外者にも強烈な感銘を与えた 神殿内では共同食卓 ( 聖餐式 ) が行われ 入信者たちの結束を強めた ギリシャ ローマの神殿では専任の聖職者はいなかったが ( エレウシスの密儀は例外 ) オリエント系の神殿では専任の聖職者がいて 特異な衣服をまとったり 禁欲生活をしたりして 信者たちの尊敬を集めていた 6

7 4 章イシスとセラピス : エジプト系の神々 写真 17.4 左 : ホルスを抱くイシス神 この母子像が イエスを抱く聖母マリアの原型となった 中 : ローマ風のイシス神像 右 : 第 回に紹介した 映画 アレクサンドリア に登場したセラピス神像 この映画では 西暦 391 年にキリスト教の暴徒達がアレクサンドリアのセラピス神殿を襲撃し 神殿に祭られていた神々の像を破壊し 図書館に古来から所蔵されていた 70 万冊の書物を 異教徒のゴミ として燃やした イシスはエジプト史上で非常に古い女神で 紀元前 3100 年頃に統一王国が成立する前の恐らく前 5 千年頃から崇拝されていた 彼女がオシリス神とホルス神とともに 王権神話 (1 章で紹介した ) を形成したのも すでに古王国時代 ( 前 2650 頃 頃 ) のことであろう このイシス神話は ヘレニズム時代のプトレマイオス朝でも採用され 王はオシリス 王妃はイシス 王子はホルスと見なされた ギリシャ人は自分達の神々とオリエント各地の神々との類似に注目し 両者を同一視する習慣を持っていた とりわけ エジプトの神々が重んじられた プトレマイオス 1 世の治世に オシリスとアピスの両神を合体させたセラピスという新しい神がアレクサンドリアで創り出され その図像はギリシャ彫刻のプルト ( 冥界の王 ) であり 頭上には枡いただき豊穣を表していた アレクサンドリアにはセラピス神殿が建立され 祭儀は密儀の影響を受けていた エジプトの神々はエジプト商人によりギリシャなどに流布された イシスは紀元前 2 世紀にアテネに神殿を持っていたし デロス島にはイシス崇拝に加えてセラピス神の聖所があった ローマの東方進出とともに セラピスとイシスは西方にも広まった 前 1 世紀からはエジプト人奴隷がローマ市にアレクサンドリアの神々を伝えた エジプト神の崇拝は民衆の支持を受けて盛んになった イシス崇拝は女性達の間で人気があり 初代皇帝アウグストゥスの一族の女性達がイシス崇拝に入信した 二代皇帝ティベリウスはエジプト宗教を迷信として追放したが 三代皇帝カリグラはイシス神殿を再建した その後も エジプト宗教に対する皇帝達の厚遇は続いた 首都ローマではこのようにエジプト宗教が盛んになったが イタリアではエジプトとの交易拠点となった港湾都市に信者が多かった 北アフリカでは サプラタに 7

8 セラピス神殿とイシス神殿が建立され 西部のヌミディア等の都市にも広がった セラピス神殿やイシス神殿は ヒスパニア属州 ( 現スペイン ) ガリア属州 ( 現ヒランス ) ブリタニア ( 現イギリス ) ゲルマニア ( 現ドイツ ) にも建立された エジプト宗教は 最初のうちはオリエント系の移民を中心としたが 次にはイタリアから来た入植者も改宗し 土着民の間にも広まった ローマ世界のエジプト宗教の独創性は神殿建築であった ギリシャ ローマの神殿は公共の場所に向かって入口が開いているのに対して エジプト神の神殿は周囲から孤立して囲壁により俗界と隔てられていた 後者の神殿内部は豪華絢爛で色彩が豊かで 神殿装飾により人々はエジプトにいるような気持ちになった これはローマ世界の他の宗教建造物にはない特徴であった エジプト宗教の独創性は 祭儀でも強く感じられた イシス像には召使達がついていて 毎日早朝の像に着物を着せ 装身具をつけ 頭髪を整える 祭日は特に飾りたてる 春秋二回にわたって大祭が催され それには信者以外の人々も加わった 3 月 5 日には イシスの航海 が祝われた これはセトに殺されたオシリスを捜して 海路をレバノンまで旅をしたイシスが波を鎮めた という故事に由来する祭典である 信者達は神殿から仮装して現れ 手には松明や楽器を持ち 港に行って小船を海に流す 10 月 28 日から 11 月 3 日までは オシリスの発見 である この時期はナイルの洪水の終わる時期にあたり 人々はナイルの水の喪失とセトによるオシリスの殺害を結びつけて喪に服する 11 月 3 日はオシリスがイシスによって再発見された喜びの日であり 信者達の行列が街へくり出す ほかにも 4 月 25 日のセラピア ( セラピスを讃える祭り ) などの祭りが色々とあり 個人の邸宅でも祭儀が行われた これらの公私にわたるエジプト神の祭儀は 人々の関心を十分引きつけたものであったが さらに奥義を極めたい者には入信の密儀があった 密儀の詳細は 各宗派とも秘密にしていた イシス崇拝では 秘密の儀式のぎりぎりのところまでを書き残した著作が残っている それは 125 年頃に生まれた文学者アプレイウスの 黄金のロバ である 本書 (p.51-53) では 黄金のロバ に記載された密儀の内容が簡潔に紹介されている 本感想文では省略するので 興味のある方は本書か 黄金のロバ の翻訳 ( 岩波文庫 国原吉之助訳 ) をご覧下さい 4 世紀になっても 皇帝達のエジプト神の重視は続いていた ユリアヌス帝 ( 在位 ) はセラピス ヘリオス ( 太陽神セラピス ) の信仰を擁護した エジプトの神々にとっての一大災難は 4 世紀末に起こった その当時のアレクサンドリアのキリスト教司教テオフィルスが中心になってミトラス神殿を襲撃した それに対して 異教徒達は伝統的なセラピス神殿にたてこもった アレクサンドリア市長は 当時の皇帝テオドシウス ( 在位 ) に紛争の仲裁を依頼した キリスト教徒であった皇帝は すべての偶像を破壊することを命じた そのため セラピス神殿は ( キリスト教徒の暴徒達に ) 略奪され セラピス像は倒された その結果 キリスト教 への大改宗が起こった よく知られているように テオドシウス帝は 392 年にキリスト教をローマ帝国の国教とした 私 ( 林 ) は第 回の感想文で スペイン映画 アレクサンドリア を紹介した この映画は キリスト教徒達が 4 世紀末から 5 世紀初頭にかけて アレクサンドリアの異教徒達を徹底的に弾圧した実態を描いている 8

9 5 章シリアの神々 シリア人はギリシャ語をあやつり ローマ市では 大工 川ざらい 下水清掃 葬儀屋 弁護士 医者 会計士など様々な仕事についた とりわけ フェニキア人の末裔にふさわしく 商人としてローマ世界のすみずみまで出没した また シリア系の住民達はローマ軍の兵士となって 広いローマ世界を転々とした シリア商人はこうした軍隊について歩いて 陣営のまわりで商売をした こうしたシリア化は首都では紀元前 2 世紀から始まった シリア人はローマ帝国のどこへ行っても 故郷の神々に忠実であった しかし シリアの宗教はエジプトや小アジアの宗教よりインパクトがなかった 聖所は移住民や居留外国人を中心としていた その原因は シリア人が信じた神々 バールやその妻バーラットはシリア各都市の守護神であり 全シリア的な神格ではなかったからである 本書 (p.58-82) ではシリアの神々が紹介されている 4 世紀の後半には キリスト教化したローマの中心街から離れたシリア宗教の聖所で シリアやエジプトの神々を信じる人々 ( 特にこれらの神々を自宅で祭っていた上流階級 ) が 神像を運んできて密かに礼拝をしていた 彼らは多少とも新プラトン派の宗教哲学に通じており シリアやエジプトの神々のいずれかを絶対的な存在と認めており 自分の信じる神は永遠で至高であると主張していた 彼らもまたほとんど一神教徒であったが キリスト教に改宗することはなかった 5 世紀になると このような神々のうちの一柱の信仰から シリア人は比較的たやすくキリスト教に改宗した 6 章キュベレとアッテイス : 小アジア ( アナトリア ) の神々 小アジアの大地母神キュベレのローマ到来 ( 紀元前 204 年 ) は公式に行われ その後数百年にわたって信仰の対象となった キュベレは時には隕石として 時には擬人化された像の姿をとっていた キュベレの姿をした最古の土偶はチャタル ヒュイック遺跡 ( 図 17.3 の ➁) で出土し その年代は紀元前六千年にまでもさかのぼる キュベレという女神の名前が資料に現れるのは 紀元前 6 世紀のギリシャ世界であった この女神はクバブともクベベとも呼ばれた キュベレの夫とされるアッティスは 当初はキュベレとペアをなしていなかった この若い男神は紀元前 7 世紀になってトラキア人から小アジアに導入され 後にキュベレと同一の神話体系に組み込まれた キュベレ崇拝は紀元前 6 世紀にギリシャ世界に伝えられアテネでも神殿が建立された ギリシャ人はキュベレをデメテルやレアと同一視したので エレウス ( 図 17.3 の ➀) でさえも受け入れられた キュベレ神殿の去勢された祭司達 ( ガロイ ) の歌と踊りは ギリシャ人の目にはきわめて強い印象を与えた 2 章で紹介したエレウスのティモテウスは ベッシヌス ( 図 17.3 の ➂) を中心とする小アジアのキュベレ崇拝の本場フリュギアにも行き そこに伝えられた神話を書きなおした それは 約 500 年後にアルノビウスという著述家の手で現代に伝えられている ローマとカルタゴは地中海の支配権をめぐって三次にわたる戦争 ( ポエニ戦役 ) をした 二次のポエニ戦役の時には カルタゴの将軍ハンニバルがイタリアに侵入して ( 前 218 年 ) ローマは苦境に陥った ローマ側は シビュラの予言書 におうかがいを立てたところ ベッシヌスのイダ山の母神 がロ - マにもたらされるなら ハンニバルはイタリアから追い出されるであろう との神託があった 9

10 当時のロ - マは ベッシヌスを支配するペルガモン王国と友好関係にあったので ベッシヌスの大母神の神殿に安置されていたキュベレの御神体 ( 黒色の隕石 ) はすぐにロ - マ運ばれた 御神体は前 204 年 4 月 4 日にローマの外港オスティアに到着し ローマの中心地パラティヌス丘にあるテュケ ( 運命の女神 ) の神殿に安置された このキュベレ崇拝の効果はすぐに現れ 前 203 年にはハンニバルはアフリカに押し戻され 前 202 年のザマの戦いでローマが勝利して二次ポエニ戦役は終わった ローマではこの出来事を記念して 毎年 4 月 4 日から 10 日までを祝祭週間とする大母祭 ( メガレンシア ) が祝われた 紀元前 191 年には ローマにキュベレ神殿が落成した 大母祭では 神殿は公開されその前では劇が演じられた 大円形競技場では 戦車競争が催された 他方 3 月末の祭日には 女神像が持ち出され アルモ川まで牝牛の引く戦車で運ばれて 浄めの沐浴が行われた ローマ帝国の最初の支配者たちはユリウス クラウディウス家 ( 注 3) に属していたが 彼らはトロイ ( 図 17.3 の ➃) 出身のアイネイアスの子孫を称したので トロイ近くのイダ山の女主人である大母神キュベレを尊重して 国家公認の神とした ( 注 3) 初代皇帝アウグストゥスに始まる 5 人の皇帝 ( アウグストゥス ティベリウス カリグラ クラウディウス ネロ ) の治世を指す キュベレとアッティスの祭儀はフリュギア祭儀と呼ばれた この祭儀や儀式の詳細は本書 (p.93-97) に紹介されている フリュギアの儀式は 個々の信者のためばかりではなく 皇帝や宮廷の安寧のためにも挙行された この儀式が記録された多くの祭壇が イタリア各地のほか スペイン フランス 北アフリカなどの属州で発見されている 他方 イギリスやドイツでは 小アジアの神々の信仰は盛大ではなく ミトラス教のほうが圧倒的であった 当初キュベレの下に隠れていたアッティスは 同じアナトリアの月神メンと習合してキュベレなみに創造神になった 紀元 3 世紀には アッティスはエジプトのオシリスやシリアのアドニスとも習合し 至高 不滅 神聖 全能 などの称号を得た 哲人皇帝ユリアヌスなどの哲学者達は自らの学説をキュベレとアッティスの神話で説明した それによれば 大母キュベレは世界に形を与える力である形相を司るが それだけでは不毛であり そこにアッティスが現れて冬の間失われていた物質界の生命力を与え 春の万物復活をもたらすのである このような神学は キリスト教徒によって反対された キリスト教徒は 3 月に行われるキュベレとアッティスの祭りが 同じ時期に行われるキリスト教徒の復活祭に類似している ことに気付き キュベレとアッティスの崇拝を批判し続けた キュベレとアッティスの崇拝は 5 世紀になっても密かに続いていた キリスト教の神学者は 神の母マリアと神々の母キュベレの混同を戒めている 7 章ミトラス教 : イラン起源の神 ギリシャ人がミトラス ローマ人がミトラと呼んだ神はギリシャ ローマ由来の神ではないが インド ヨーロッパ語族の神であった インドのミトラ神は大乗仏教が成立した時代の神々の一柱として採用され 一種の救済神マイトレーヤとなり それが中国や日本では弥勒菩薩と訳された ミトラ神は オリエントではギリシャ ローマの敵達 ( ペルシャ帝国やパルティア王国など ) の神であったのに ローマ人に迎えられて ローマ帝国のいたるところで信じられることになった インド イラン語のミトラあるいはミスラの意味は 交換 あるいは 契約 で そこからインド聖典 ヴェ - ダ のミトラや ゾロアスター教の聖典 アヴェスタ のミスラが由来する 神名としての最古の例は 紀元前 1380 年頃の楔形文字による資料 ( ボアズキョイ出土 ) である ペルシャ帝国 ( 前 559- 前 330) では ゾロ 10

11 アスターの宗教改革の影響でアフラ マツダ神が表に立っていたが ミスラ崇拝も根強く行われていた 太陽神ミスラは 月神でもある地母神アナヒタとペアーを組み アフラ マツダと共に 王権の守護者であった 図 17.5 牡牛を屠るミトラス神のレリーフ (2-3 世紀 ルーブル博物館所蔵 : ウィキペディアより転載 ) 本書では言及されていないが イエスの誕生日とされるクリスマスは ミトラス教では 太陽の誕生日 として最重要な祝日であったものを横取りしたものである 太陽神ミトラスは人類に救済をもたらす存在であり その宗教は 人類の贖罪 復活 洗礼 ぶどう酒とパンの秘儀 日曜の聖日などの要素を持つものであった ( 学研の キリスト教の本 : 上 の p.48 から引用 ) ペルシャ帝国ではこのようにミスラが奉じられていたが ミスラがギリシャ語化したミトラスは ヘレニズム時代のアルメニア カッパドキア ポントス コマゲネなどの王家の守護神であった このような小アジアにおけるミトラス神崇拝の流布の背景には ペルシャの祭司階級マゴイ ( マギ ) の小アジア進出があった ローマ皇帝ネロの時代には ローマとパルティアの間の 8 年間におよぶ戦いが終わり 両国の中間にあったアルメニア王ティリダレスが紀元 66 年にマゴイを連れてローマに来て ネロを マギの祭儀 に入信させた ティリダレスはネロをミトラスと呼んだが これはミトラスの保証するアルメニア王権をネロから授けられるためであった ヘレニズム ローマ時代の小アジアの諸王家ではミトラス崇拝が行われていたが ローマ帝国のミトラス密儀とは異質のものであった ミトラス密儀は キリキアの首都タルソス ( 図 17.3 の ➄) の知識人達 ( とりわけストア派の哲学者達 ) の活動が指摘されている 彼らは英雄ペルセウスとペルシャ伝来の神ミトラスを同一視した 当時の天文学によれば 歳差 ( 天界の南北軸のゆらぎ ) が牡牛座から牡羊座に移動したことによる新時代の到来が祝われた それゆえ ミトラスと同一視されたペルセウスは 牡牛を殺すことによって新時代を到来させたと考えられた こうして 最新の天文学の知識とミトラス崇拝が結びついて ミトラス教の最重要な教義 牡牛を殺すミトラスが新時代をもたらす との信仰が形成された コマゲネ地方 ( 図 17.3 の ➅) のローマ領有化 ( 紀元 1 世紀 ) で ミトラス信者であったコマゲネ人達がローマ市に移住してミトラス密儀を伝えた可能性がある ミトラス教の信者層のなかでとくに重要なのは兵士達であった 小アジアで募集されたミトラス教徒の兵士達がミトラス教を西方に伝播したと考えられる ミトラス教はこのようにいて 紀元 100 年頃までにローマからイタリア各地に伝わった 2 世紀末までには 北アフリカ各地に伝わった ミトラス神殿跡は スペ 11

12 イン フランス イギリス ドイツでも多数発見されている 東ヨーロッパでもあちらこちらに神殿が作られ ローマ軍の兵士を中心に繁栄した 他方 ギリシャやエジプトではミトラス教の痕跡が乏しい ( 林の意見 : ミトラス神殿跡が乏しい地域では キリスト教徒によりミトラス神殿が徹底的に破壊された可能性がある ) 本書 (p ) では ミトラス神殿 ミトラス教の神話 儀式と位階 ミトラス教の信者層 獅子頭の怪神 および サンタ プリスカ教会地下の詩歌 が詳しく紹介されている 本書の著者の小川先生は ミトラス教の儀式や祭礼は公開されることはなく 常に秘密が保たれていた このような宗教が当局によって疑いの目で見られなかったのは不思議である 恐らく信者達はキリスト教徒のような排他的一神教徒ではなく 神殿外では他宗の祭儀 とりわけ皇帝崇拝に参加していたからであろう 当時のキリスト教著述家達からは ミトラス教は他の宗派より敵意をもって見られている その原因はミトラス教の神殿生活が排他的な特徴を持っていたからと思われる と書いている (p.115) ( 林の意見 : キリスト教がミトラス教に強い敵意を持った理由は よく言われているように 両者の教義や儀式が類似していたからであろう さらに勘ぐれば キリスト教の教義や儀式の多くは ミトラス教からの盗用だった可能性がある ミトラス教に造詣が深い小川先生が上記のように書かれている理由は 先生が現在のキリスト教徒に遠慮されておられるからではなかろうか ) ディオクラティアヌス帝やガレリウス帝は 303 年のキリスト教の迫害者であったが ミトラス教にとってはこのような迫害は有利ではなかった ミトラスは皇帝達の奉納を受けていたが それが信者を増やすことはなかった ついで現れたコンスタンティヌス大帝 ( 在位 ) は不滅の太陽神を信奉したが それはミトラスではなくキリスト教の神であった この時代以降 ミトラス神殿がキリスト教徒によって襲撃されるようになった 背教者といわれるユリアヌス帝 ( 在位 ) は 自らの著書でミトラスを太陽王と称したが ミトラス教には入信しなかった ミトラス神殿はキリスト教徒の集中的な標的となり 他のオリエントの神々よりも早く 4 世紀のうちに姿を消してしまった 8 章ユダヤ教の存続 ユダヤ教とキリスト教は他書でもよく取り上げられているので 本感想文では簡単に紹介する 旧約聖書の伝承によれば ユダヤ人の祖であるヘブライ人は紀元前千年頃ダヴィデとソロモンの下にエルサレムを首都とする繁栄した王国を築いたことになっている 最近の学説によれば パレスティナの一角にヘブライ人のイスラエル王国 ( 首都はサマリア ) が生まれたのは紀元前 9 世紀であった 前 8 世紀にイスラエル王国がアッシリアに滅ぼされた時期に より南のエルサレムを中心にユダ王国が成立した ユダ王国では 王達が預言者と呼ばれる宗教家達と協力して ユダヤ民族に伝わる族長時以後の歴史と モーセに始まる宗教的伝承を合体させて 一神教的国家を建設した これらの伝承と歴史は キリスト教でいう旧約聖書にまとめられた ユダヤ人のバビロン捕囚と ペルシャ帝国によるエルサレム帰国の経緯は 2 章で既に紹介した アレクサンドロスによりペルシャ帝国が滅亡し 彼の死後にヘレニズム諸王朝が成立しても 諸民族は独自の社会を営むことが許されたばかりではなく ギリシャ文化が広まった 人々はギリシャ語を使うようになり 多くのユダ 12

13 ヤ人がエジプトのアレクサンドリアやオリエント各地に移住した 国外に移住したユダヤ人はディアスポラと呼ばれたが 彼らには迫害もなく現地民と友好的であった ユダヤ人は唯一神しか信じなかったが 布教活動もせず民族宗教の枠を守っていたので ローマ時代でも当局から迫害されることはなかった この点はローマ帝国のキリスト教化以後も同様であった ( 林の意見 : 小川先生の上記の記述は キリスト教はミトラス教を迫害したが ユダヤ教は迫害しなかった との印象を与える この点は事実だったのであろうか もっと説得性のある解説をしていただきたかった ) 本書 (p ) では セプトゥアギンダ 黙示文学と知恵文学 アレクサンドリアのフィロン シナゴーグの発展 が解説されている 9 章キリスト教 : その成立と発展 本書の 2 章で キリスト教の誕生が説明されている パレスティナのユダヤ人教徒はイエスをメシアと信じる一方 エルサレムの神殿に参篭したし モーゼの律法を守っていた これに対して ギリシャ語を話すディアスポラの教徒はイエスをキリスト ( メシアに相当するギリシャ語 ) であるとし シリアのアンティオキア ( 図 17.3 の 7) ではクリスティアノイ ( キリスト教徒 ) という言葉が始めて使われた ディアスポラのキリスト教徒の代表はパウロ (10 頃 -64 頃 ) で 彼はタルソス ( 図 17.3 の ➄) 出身で ギリシャ文化の幅広い教養を持っていた 最初はユダヤ教パリサイ派の熱心な信者であったが 改宗後は世の終わりが迫っているとしてアナトリアやギリシャの異邦人 ( 非ユダヤ教徒 ) に布教した パウロの生地タルソスは ミトラス教が生まれたと云われているほどの密儀宗教の一大中心地でもあった 彼は密儀宗教の用語を使って キリスト教を解釈した それによると イエスは悪にはまりこんだ人類を救うために地上に現れた 悪から救われるためにはまず洗礼という入信儀式によって罪から解放される 新生活はモーセの律法によってではなく イエス信仰によらねばならない というのである ユダヤ教の戒律を捨てられないキリスト教徒の一派はやがて消滅し ユダヤ教の伝統から解放されたキリスト教は国際化し 全人類の信仰になることが可能になった キリスト教は セプトゥアギンダを旧約聖書とし 新たにパウロの書簡とマルコらの書きとめたキリスト伝記 ( 福音書 ) をまとめて 1 世紀末までに新約聖書とした キリスト教徒は現実の社会には悪と瀆神が満ちているとし そのような社会を敵対視した そして集会 ( エクレシア ) に参加している同心の人々 ( 兄弟 ) のみが救われるとした しかし 2 世紀中葉までは 独自の儀式や信仰内容が社会に知られることが少なく それまでに起こった迫害 ( 例えば 64 年の皇帝ネロによる迫害 ) は偶発的なものであった ( 林の意見 :1 世紀には イエスの十二使徒の殆どやパウロは殉教している 私は そのような迫害も偶発的とは片付けられない との感想を持っている ) 五賢帝の最後のマルクス アウレリウス帝 ( 在位 ) の時代の時代になると 疫病の流行や蛮族の侵入があった このような帝国の不運は キリスト教徒が神々を無視しているのが原因であると迫害された 言論界でもキリスト教を非難する者が現れた ケルソスは 真の言葉 ( ) で キリスト教は秘密結社であり 福音書のイエスの教えには新味が乏しい 神の子キリストが受肉したのは疑わしく 神が地上に来る必要はない キリスト教は皇帝や国家への忠誠心がなく 国家のなかに国家を作ろうとしており キリスト教徒が多くなると蛮族の侵入を防げなくなる と書いている 13

14 他方 2 世紀中葉以後 キリスト教はローマ帝国の知識層にも入った 彼らはプラトン哲学を利用して擁護論を書き キリスト教は新興宗教ではなく 真の宗教 真の哲学であると主張した しかし このような擁護論にもかかわらず ローマ帝国の困難は増え続け それにともなってキリスト教に対する迫害も激しくなった 本書 (p ) では キリスト教哲学と迫害の実態を解説している コンスタンティヌスは 312 年に最後に残ったキリスト教迫害者マクセンティウスとの戦いで 十字架 が現れて勝利者となったので 313 年のミラノ勅令でキリスト教迫害を中止した すると たちまちのうちに 各地に教会堂が建てられ キリスト教界の諸問題を協議するための会議が開催された コンスタンティヌス帝 ( 在位 ) は政治上の理由から キリスト教会が分裂しないことを望んでいたので キリスト教指導者達の会議を奨励した ( 林の意見 : コンスタンティヌ帝がキリスト教を公認した理由は 俗には 十字架が現れて勝利したから としている しかし 私は もっと深い政治的理由がある と考えている 本書はこの点が突っ込み不足である ) そのような動向の頂点となったのが 325 年にニカエア ( 図 17.3 の 8) の公会議であった これは皇帝の名の下で招集され 全国の約 300 人の司教が出席した 主要な議題は 神 聖霊 キリストの三者の関係であった アリウスは キリストは人の子として生まれたものであり 有限な存在である 従って 神とキリストとは同質ではない と主張した これは アレクサンドリアのフィロンやグノーシス主義者が新プラトン主義の哲学の影響下で論じていたことに通じる これに対して アタナシウスは 神とその子キリストと聖霊は同質であり 顕現する形態においてのみ異なる と云う 三位一体説 を主張した 最終的には 三位一体説の勝利に終わり アリウス派は破門され 三位一体説を記した ニカエア信経 に大部分の参加者が署名した コンスタンティヌス帝はこのようなキリスト教界の統一化を喜んだ それ以後 4 世紀末までにキリスト教は教会組織とともに急成長した テオドシウス 1 世 ( 在位 ) はキリスト教を帝国の宗教とし 他の宗教の神殿を閉鎖して禁止令を出した キリスト教のこのような成功の理由を 著者の小川先生は次のように述べている ⑴ 他のオリエント諸宗派は ローマ市に中心を置いて統一的な運動をするキリスト教に 組織力がはるかに及ばなかった ⑵ 他宗派は信者の経済的負担が大きかったうえ 閉鎖的 密儀的であった ⑶ キリスト教の信者は非妥協的であるのに対し 他宗派の人々はお互いの神々に寛容であった 10 章グノーシス主義 ヘレニズム ローマ時代の宗教運動の一つとして グノーシス主義がある これは思想としての面が強く 他の宗派のような儀式や祭礼を重んじなかった 指導者にはオリエント出身者が多く マルキオンの一派以外には神殿や教会を持たず 学校のような場所で自説を展開した グノーシス主義が単なる哲学ではなく 宗教活動であったのは 個人の救済をめぐる探究心の表現だったからである 他方 他の宗派と異なるのは 現世とそこに生きる人間を完全に否定する点であった グノーシスとはギリシャ語で 知識 を意味する それは神からの啓示を受けた聖者が語る神自身 世界 人間についての知識であり それを授けられるということは 物質世界からの解放 現世から神の世界への回帰 至高神との結合が可能に 14

15 なる このような知識が授けられる者は 宗教と哲学に通じたごく限られたエリートだけということになる それゆえ グノーシス主義者は神秘主義者であった グノーシス主義には四つの起源があった ⑴ ヘレニズム時代のギリシャ思想 ⑵ ユダヤ教の黙示思想 ⑶ キリスト教 及び ⑷ オリエント系宗教各派であるが グノーシス主義者はこのような区分にこだわることなく 自由に自らの思想を構築した 彼らは自由思想化であると同時に 禁欲主義者であった なぜなら 彼らは現世否定を説いたので 世俗的欲望には消極的であった 現存するかぎりの資料によれば ( 注 3) キリスト教グノーシス主義が最も重要である 他方 非キリスト教グノーシス文献も残っている その第一は ギリシャ語の ヘルメス主義文書 である 1945 年に エジプトの古都テーベ ( 図 17.1 を参照 ) 近郊のナグ ハマディ ( 図 17.3 の 9) で コプト語の古文書が発見された これは 4 世紀半ばのキリスト教徒が所有していた文書であるが 内容的には 1 世紀後半から 2 世紀前半にかけてのキリスト教と非キリスト教のグノーシス文献を含んでいた ( 注 3) 私は第 3 回の感想文で グノーシス : 古代キリスト教の異端思想 という本を紹介した この感想文で 私はグノーシス主義の各派の思想を紹介し キリスト教グノーシスは正統キリスト教会から異端とされ グノーシス文献は徹底的に廃棄された その結果 ナグ ハマディ文書の発見以前には グノーシス主義は 正統キリスト教の学者がそれに反駁した文献で知ることができたのみであった とも解説した 従って 私は 現存の資料から 2-3 世紀におけるグノーシス主義の真実を知ることはできない と考えている なお ヘルメス文書だけは異端とは判定されず 廃棄されずに現在まで生き残っている グノーシス主義者の主要な信条は次の通りである 彼らの思想の根本は二元論的である まず 人知の及ばない永遠の神 ( 至高神 ) が存在し その下に天体やアイオン ( 有限時間 ) からなるプレロマと呼ばれる領域があり その下降で現世が生まれる 現世の創造主はデミウルゴスと呼ばれる ( 下級の ) 神で これは旧約聖書の神に相当する 現世に対するデミウルゴスの支配はヘイマルメネ ( 運命 ) である グノーシス主義者の願望は 自らをヘイマルメネから解放して 神の光のあふれる真の世界にいたることである 本書 (p ) では バシリデス ( 活動は 130 頃 -150 頃 ) マルキオン ( 活動は 2 世紀 ) ワァレンティヌス ( 活動は 2 世紀 ) ヘルメス主義文書 を解説している ( 注 3) キリスト教徒の間でグノーシス主義か興隆したのは 2-3 世紀で その原因はキリストの再来がないことへの苛立ちであった その中心はアレクサンドリアで 全キリスト教世界に及んだ グノーシス主義は 2 世紀末には 正統派キリスト教にとっては強敵となった キリスト教は 外ではローマ帝国の宗教と対立し 同時に内からは高度な神秘主義と対決しなくてはならなかった しかし この神秘主義はグノーシスを身につけたエリートのみが至福の世界に入ることができた それは一般の信者には理解できないものであり あまりにも現世否定 反人間社会的であった グノーシス主義者は孤立した秘密の学校を舞台としたが キリスト教正統派はすでに教会を中心とする組織を持っていた キリスト教正統派の制度化が 4 世紀に大部分のグノーシス主義各派が消滅した要因である ニカエア信経 の成立の背景には 三位一体をめぐるアリウス派の異端のほかに グノーシス主義の脅威があったものと考えられる 15

16 11 章占星術の流行 ヘレニズム ローマ時代の人々は 多かれ少なかれ宿命論者であった なぜなら 世相や各人の運命は天体の規則正しい運動に支配されていると感じていたからである 占星術は宗教各派と並んでオリエントで発生し ローマ帝国で流行した カルデア ( メソポタミア ) とエジプトで何千年にもわたって積み上げられた天文知識が ギリシャの学問の到来とともに厳密科学となり 天文現象が専門家 ( 占星術師 ) によって正確に予知されるようになったからである 当時の人々には占星術と天文学の区別はなかった 最初のうちは 天文現象の理解がむずかしいうえ 料金が高かったので 占星術師の顧客は金持ちや貴族に限られていた その後 オリエント系奴隷で 博学の誕生日占い人がローマ市や他の都市の街頭で活躍するようになった 彼らは人は生まれたときの日時によって 死にいたるまでのすべての人生の出来事が決定されていると主張した ギリシャの哲学者のなかには 占星術について懐疑的な人々もいた このような懐疑論者の反論に対して 占星術師側はまず第一に天体観測の正確さを重視し 次に天体現象や環境の影響を引き合いに出して 自然現象や個人の性格に対する星辰の作用を主張した たとえば 太陽は豊穣をもたらし 月の満ち欠けが海の干満を引き起こし ある星が出現すると嵐の季節となる という例をあげた 占星術に反対する態度は 時とともに弱くなり セウェルス朝時代 ( ) になると 惑星の地上に対する影響を否定する者は非常識と思われるほどになった 占星術師達は計算や観測を厳密に行うように心がけたが それでも実は学問ではなく宗教であった 占星術は仮定の上に立っているばかりではなく カルデアやエジプトの神殿で生まれ育った 占星術師達はそれと分かる祭司の姿をしており 自分達の仕事は聖職であるとしていた 占星術の宗教的基礎は 星辰界と地上と人間が共鳴しているという信念であった これはカルデア人の信仰であったが ローマ時代には哲学のストア派によって採用された カルデア人達の宗教では星は神であり その力は人間界のみならず動物界 植物界などの自然界を越えるものであった この思想はローマ人に採用され ローマ人も星達は恵み深い神であり その変化し続ける関係が現世の出来事を決定すると考えた シリアでは 天界の回転が無限に繰り返されることが 神々の世界の永遠を表していると信じられた とりわけ 太陽が惑星界の指導者として 宇宙の全権を行使しているとされた この思想はローマに取り入れられ 太陽はローマのパンテオンでも最高権力者とされ それと皇帝の支配権が結びつけられた バビロン ( 図 17.1 を参照 ) では 宇宙は一連の 大いなる年 に支配されていると考えられ その長さは 43 万 2000 年であり その間に日常の一年と同じように春夏秋冬があり そのたびに同じ現象が繰り替えされる このような宇宙観の中では 人間の霊魂は天界に住んでいるが 運命の定めるところによって地上に下り それぞれの特定の肉体に宿る そのさい 霊魂は惑星界を旅して 各惑星の性質を受け取る 死ぬと その逆が起こり 着物を脱ぐように各惑星にその性質を返還して 純粋な姿に返って 天上の神の下に戻り 永遠にそこに住む 16

17 このような時間や人間の運命についての概念は 最初の学問的神学といえる それはヘレニズム時代に西方に伝えられ 主としてストア哲学や密儀宗教に採用された 夜になって天界を見ていると 人々の心は降ってくるような星の光に酔い 生きたままで星達の世界の聖なる内陣まで昇っていき 宇宙の調和のとれた運動に加わることができた 占星術の最も本質的な原理は宿命論であった 最初にそれに到達したのは カルデア人やエジプト人であり 宇宙は不変の必然性をもって運動していた その必然性は人間の社会や個々の人間にも適用された ヘレニズム時代以後 世界を支配する運命の女神テュケが崇拝された ローマでも彼女に相当する女神フォルトゥナが崇拝され とりわけ 3 世紀の混乱した時代にその崇拝は著しかった このような宿命論にはキリスト教徒が反対した なぜなら それは個人の責任を消し去ってしまうからで もし不変の運命の下に生きるとすれば 神に祈りを捧げても運命を変えることは不可能になるからである ストア派の哲学者達の生活態度は立派であっても 彼らは一種の知的奴隷であり 気まぐれな運命にただ服従するだけであった 人々は宇宙的法則性の圧力から逃れようとし 宿命の奴隷になりたくなかった キリスト教やユダヤ教を除く オリエント系各宗派は占星術の影響を免れることができず 宿命を断つために魔術に頼りさえしたのである ( 林の意見 : 私は ヘレニズム ローマ時代には 占星術と天文学との区別が無かったと同様に 宗教家と魔術師との区別も無かった と思っている ) (4) 本書の感想 (1) にも書いたように 古代オリエントには様々な宗教 ( 神々 ) が存在していたが それらはローマ帝国の時代に キリスト教に収斂して行った 私はその過程を知る目的で本書を読んだ 本書により私の当初の目的が達成できたか? と問われれば 答えは 否 である 確かに本書は ローマ帝国では どのような古代オリエントの宗教 ( 神々 ) が信仰されていたか? との問いには分かり易く答えてくれた しかし 私が最も興味を感じるのは ローマ帝国は最初のうちはキリスト教を迫害しておきながら なぜ遂には国教にして他の神々への信仰を禁止したのか? また その過程で キリスト教の側はどのようにして他の宗教を模倣したり抑圧したりしたのか? との問題である 多分 他の方々も ローマ帝国における宗教史では この問題が核心である との私の意見に賛成していただけるであろう 本書はこの問題を避けて通っている もしかすると著者の小川先生はキリスト教徒で キリスト教の恥部を晒したくないのかも知れない そうでなくても 小川先生は現在のキリスト教会と教徒達に遠慮されているようである このような点で 私は本書が物足らなかった 特に 私が賛成できなかったのは グノーシス主義に対する小川先生のご見解である 先生は グノーシス主義は現世否定 反人間社会的であった と書かれている 確かにグノーシス主義にはそういう側面は存在したが 先生のご見解はキリスト教正統派のそれと同じである 学研の キリスト教の本 : 上 (p.127) では グノーシスとは 秘儀的に知られる奥義的な神的知恵のことであり その萌芽は万人に与えられており そのグノーシスに到達すれば本来的 自己 を獲得できる イエスは このグノーシスに到 17

18 達した先達である 誰であれこのグノーシスに到達すれば イエスと同等であり すでに 永遠の命 にあずかっている と書かれている 私は キリスト教の本 : 上 の見解に賛成である そのように考えると お釈迦様もグノーシスに到達した先達となる もしかすると イエス様は修行時代に お釈迦様のお教え を勉強されたのかも知れない 私は もしそのようであったのであれば 大変素晴らしい と思っている ( 執筆完了 :2014 年 3 月 17 日 ) 18

2013 年 3 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 51 回目 Ⅵ-054 山上の垂訓 山上の垂訓 054 マタ 5:1~2 ルカ 6:17~19 1. はじめに (1) 呼び名について 1マタ 5:1~8:1 は 通常 山上の垂訓 ( 説教 ) と呼ばれる 2しかし この名称は 説教

2013 年 3 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 51 回目 Ⅵ-054 山上の垂訓 山上の垂訓 054 マタ 5:1~2 ルカ 6:17~19 1. はじめに (1) 呼び名について 1マタ 5:1~8:1 は 通常 山上の垂訓 ( 説教 ) と呼ばれる 2しかし この名称は 説教 054 マタ 5:1~2 ルカ 6:17~19 1. はじめに (1) 呼び名について 1マタ 5:1~8:1 は 通常 山上の垂訓 ( 説教 ) と呼ばれる 2しかし この名称は 説教が語られた場所を指しているだけである * ルカの福音書では 平らな所 となっている 3 本当は 内容を表現する命名の方がよい * メシアによる律法解釈 * 律法を正しく解釈するメシアの権威 (2) マタイとルカの比較

More information

キリスト教の発展 2016

キリスト教の発展 2016 ローマ帝国のキリスト教化 欧米文化論第 5 回 http://harlock.web.fc2.com/ 本日の講義要旨 キリスト教はローマ帝国の誕生とほぼ同時期に誕生したが やがてローマ帝国はキリスト教を国教とする なぜローマ帝国は伝統の神々を捨て 数ある宗教の中からキリスト教を選んだのか キリスト教 とりわけローマカトリックとはどんな宗教なのかを概観する キリスト教成立史年号 見出し 特記事項 BC4

More information

【古代4 キリスト教の成立と発展】

【古代4 キリスト教の成立と発展】 古代 4 キリスト教の成立と発展 1. 前史としてのユダヤ教 2. 原始キリスト教の成立 3. 異教社会への進出 4. 三, 四世紀における発展 1. 前史としてのユダヤ教 強大な異民族支配のもと, 選民意識 唯一神信仰 律法主義により生き残る バビロン捕囚の中, 個人の内面を重視する信仰のあり方を工夫 ヘレニズム時代には民族的視点をこえた国際的視野を獲得 キリスト教に影響を与える要素を備えていくローマの支配

More information

13_寺内.indd

13_寺内.indd はじめに 2002 3 1 2 3 1300 2 217 135 257 イスラエル 1 天地万物創造の 神 the almighty God 1 2 17 1 6 3 the Lord God 2 4 11 10 26 2000 God 32 29 35 9 10 11 70 11 70 46 3 4 1700 2 神の民 奴隷に the People 218 of God 20 2 14 13

More information

第 11 講キリスト教とローマの生活 文化 三位一体説 ( 父なる神 子なるイエス 聖霊は同質で不可分 ) に発展 異端: アリウス派 イエスに人性を強くみとめる 帝国外のゲルマン人に普及 ユリアヌス ( 位 361~363 年 ) 東方密議宗教のミトラ ( ミトラス ) 教を信仰し異教復活を企図教

第 11 講キリスト教とローマの生活 文化 三位一体説 ( 父なる神 子なるイエス 聖霊は同質で不可分 ) に発展 異端: アリウス派 イエスに人性を強くみとめる 帝国外のゲルマン人に普及 ユリアヌス ( 位 361~363 年 ) 東方密議宗教のミトラ ( ミトラス ) 教を信仰し異教復活を企図教 基礎からわかる世界史 第 11 講 キリスト教とローマの生活 文化 1. キリスト教の成立と発展 1 キリスト教の成立イエス 前 1 世紀末 ( アウグストゥス時代 ) ローマの属州ユダヤ ( パレスチナ ) に生まれる ユダヤ教の選民思想やパリサイ派の形式主義を批判 民族 階級を越えた神の絶対愛 隣人愛を説く ローマの反逆者として ユダヤ総督ポンティウス = ピラトゥスによって十字架で処刑 イエスの復活を確信し

More information

2011 年 06 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )26 ローマ人への手紙 7:14~25 律法からの解放 (3) ロマ書 7 章クリスチャン 1. はじめに (1) 聖化 に関する 5 回目の学びである 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は

2011 年 06 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )26 ローマ人への手紙 7:14~25 律法からの解放 (3) ロマ書 7 章クリスチャン 1. はじめに (1) 聖化 に関する 5 回目の学びである 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は 律法からの解放 (3) ロマ書 7 章クリスチャン 1. はじめに (1) 聖化 に関する 5 回目の学びである 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は クリスチャン生活を律法主義的生活に追い込む (2) 一見矛盾したように聞こえるイエスの約束 1ヨハ 10:10 盗人が来るのは ただ盗んだり 殺したり 滅ぼしたりするだけのためです わたしが来たのは 羊がいのちを得

More information

Microsoft Word - D-15

Microsoft Word - D-15 15. スペイン映画 アレクサンドリア の感想文 ( その 1) 図 15.1 映画 アレクサンドリア のパンフレット 本映画の原語では 主人公のヒュパテイアのことを 哲学者 と呼んでいる 1 映画 : アレクサンドリア ( スペイン映画 :127 分 ) 原題 :AGORA 製作 :2009 年 日本公開 :2011 年 3 月 5 日監督 脚本 : アレハンドロ アメナーバル主演 : レイチェル

More information

第 2 問 歴史上, 政治権力にとって宗教をどう扱うかは統治における重要な問題であり, 世界各地の政治権力は宗教に対してさまざまな政策を実施してきた 世界各地の政治権力の宗教政策に関する以下の設問に答えなさい 解答は, 解答欄 ( ロ ) を用い, 設問ごとに行を改め, 冒頭に⑴~⑶の番号を付して記

第 2 問 歴史上, 政治権力にとって宗教をどう扱うかは統治における重要な問題であり, 世界各地の政治権力は宗教に対してさまざまな政策を実施してきた 世界各地の政治権力の宗教政策に関する以下の設問に答えなさい 解答は, 解答欄 ( ロ ) を用い, 設問ごとに行を改め, 冒頭に⑴~⑶の番号を付して記 第 1 問 大航海時代の開幕した15 世紀末以降, 西欧諸国は積極的な対外進出に乗り出し, それまで直接の交易関係のなかった地域へも進出を進めたが, これによって世界各地の経済的な結びつきは急速に強まっていき, 世界の一体化が本格化することになった 西欧諸国は自らを中心とした世界的な経済システムに東欧 アメリカ アフリカなど他地域を組み込んでいき, 産業革命の開始された18 世紀後半以降にはその動きをいっそう進展させてアジア各地をも従属下に入れ,19

More information

* ユダヤ人の歴史家ヨセフスもまた同じような書き方をしている 5 テオピロは ルカの執筆活動を支援するパトロンであった可能性が高い 6 もしそうなら テオピロはローマ人クリスチャンであったと思われる (2)1~2 節は ルカの福音書の要約である 1 前の書 というのは ルカの福音書 のことである 2

* ユダヤ人の歴史家ヨセフスもまた同じような書き方をしている 5 テオピロは ルカの執筆活動を支援するパトロンであった可能性が高い 6 もしそうなら テオピロはローマ人クリスチャンであったと思われる (2)1~2 節は ルカの福音書の要約である 1 前の書 というのは ルカの福音書 のことである 2 前書き (2) 使徒 1:1~5 1. はじめに (1) 新約聖書の約 25 パーセントがルカの著作である 1 ルカの福音書と使徒の働きは 前編と後編の関係にある (2) この書が書かれた目的は何か 1 歴史的目的 2 神学的目的 3 弁証論的目的 2. アウトライン (1) 献呈の辞 (1~2 節 ) (2) 復活後のイエスの奉仕 (3 節 ) (3) 使徒たちへの命令 (4~5 節 ) 結論 :

More information

学習指導要領

学習指導要領 (1) 世界史へのいざない ア自然環境と歴史歴史の舞台としての自然環境について 河川 海洋 草原 オアシス 森林などから適切な事例を取り上げ 地図や写真などを読み取る活動を通して 自然環境と人類の活動が相互に作用し合っていることに気付かせる [ 大河流域の生活と歴史 ] 大河流域に形成された古代文明周辺の自然環境の特色と人類の生活や活動とのかかわりについて知る [ 草原の生活と歴史 ] 内陸アジア北部にひろがる大草原の自然環境の特色と人類の生活や活動とのかかわりについて知る

More information

教科 : 地理歴史科目 : 世界史 A 別紙 1 (1) 世界史へのいざない 学習指導要領ア自然環境と歴史歴史の舞台としての自然環境について 河川 海洋 草原 オアシス 森林などから適切な事例を取り上げ 地図や写真などを読み取る活動を通して 自然環境と人類の活動が相互に作用し合っていることに気付かせ

教科 : 地理歴史科目 : 世界史 A 別紙 1 (1) 世界史へのいざない 学習指導要領ア自然環境と歴史歴史の舞台としての自然環境について 河川 海洋 草原 オアシス 森林などから適切な事例を取り上げ 地図や写真などを読み取る活動を通して 自然環境と人類の活動が相互に作用し合っていることに気付かせ (1) 世界史へのいざない 学習指導要領ア自然環境と歴史歴史の舞台としての自然環境について 河川 海洋 草原 オアシス 森林などから適切な事例を取り上げ 地図や写真などを読み取る活動を通して 自然環境と人類の活動が相互に作用し合っていることに気付かせる [ 大河流域の生活と歴史 ] 大河流域に形成された古代文明周辺の自然環境の特色と人類の生活や活動とのかかわりについて知る [ 草原の生活と歴史 ]

More information

2011 年 10 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 )42 ローマ人への手紙 11:25~36 拒否の解決 (3) イスラエルの救い 1. はじめに (1)10 月 13 日 ( 木 ) の日没から仮庵の祭りが始まった 1 第 7 の月の 15 日 満月 2 満月を眺めながら イスラエル

2011 年 10 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 )42 ローマ人への手紙 11:25~36 拒否の解決 (3) イスラエルの救い 1. はじめに (1)10 月 13 日 ( 木 ) の日没から仮庵の祭りが始まった 1 第 7 の月の 15 日 満月 2 満月を眺めながら イスラエル 拒否の解決 (3) イスラエルの救い 1. はじめに (1)10 月 13 日 ( 木 ) の日没から仮庵の祭りが始まった 1 第 7 の月の 15 日 満月 2 満月を眺めながら イスラエルにいる友人たちのことを思った 3 国際クリスチャン大使館 (ICEJ) の呼びかけ *80 カ国以上から 6 千人のクリスチャンが集まった * 地元への経済効果は 1800 万ドル (14 億 4 千万円 )

More information

創世記5 創世記2章4節b~25

創世記5 創世記2章4節b~25 ローマ教会との関係 (2) 1. はじめに (1) あいさつ (1~7 節 ) (2) ローマ教会との関係 (8~15 節 ) 1 心の絆 の構築 2 前回は 1:8~12 を扱った * 感謝の人パウロ * 祈りの人パウロ * 使命の人パウロ 3 今回は 1:13~15 までを扱う 4パウロの使命意識 ( 例話 ) タイガーマスク現象 2. メッセージのアウトライン (1) 異邦人の使徒 (2) 負債を負った人

More information

2011 年 07 月 17 日 ( 日 ) 18 日 ( 月 )29 ローマ人への手紙 8:12~17 聖化の力 ( 聖霊 )(3) 養子の霊 1. はじめに (1) 聖化 に関する 8 回目の学びである 最終回 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は ク

2011 年 07 月 17 日 ( 日 ) 18 日 ( 月 )29 ローマ人への手紙 8:12~17 聖化の力 ( 聖霊 )(3) 養子の霊 1. はじめに (1) 聖化 に関する 8 回目の学びである 最終回 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は ク 聖化の力 ( 聖霊 )(3) 養子の霊 1. はじめに (1) 聖化 に関する 8 回目の学びである 最終回 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は クリスチャン生活を律法主義的生活に追い込む (2) 救いの 3 つの側面は すべて信仰により 恵みによって達成される 1 義認 ( 過去形 ) 2 聖化 ( 現在進行形 ) 3 栄化 ( 未来形 ) (3) 今回は

More information

創世記5 創世記2章4節b~25

創世記5 創世記2章4節b~25 義認と律法の調和 1. はじめに (1) 義認 (1:18~5:21) 1 有罪宣言 (1:18~3:20) 2 義の提供 (3:21~26) * 信仰義認の原則 * イエスは なだめの供え物 となられた *3:23~24 が重要である (2) きょうの箇所でパウロは 2 つのことを論じている 1 義認と律法の関係 2 義認と律法の調和 2. メッセージのアウトライン (1) 人間の誇りはどこにあるのか

More information

2010 年 4 月 18 日 ( 日 ) 19 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 19 出エジ 19 出エジプト記 14 章 15 節 ~15 章 21 節 紅海を渡る 1. 文脈の確認 (1) イスラエルの民は 430 年後にエジプトを脱出した (2) エジプト脱出の記録は

2010 年 4 月 18 日 ( 日 ) 19 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 19 出エジ 19 出エジプト記 14 章 15 節 ~15 章 21 節 紅海を渡る 1. 文脈の確認 (1) イスラエルの民は 430 年後にエジプトを脱出した (2) エジプト脱出の記録は 出エジ 19 出エジプト記 14 章 15 節 ~15 章 21 節 紅海を渡る 1. 文脈の確認 (1) イスラエルの民は 430 年後にエジプトを脱出した (2) エジプト脱出の記録は 13:1~15:21 まである (3) 紅海の出来事の記録はすでに始まっている 1イスラエルは窮地に陥る 2 神に全面的に信頼するか 死ぬかのいずれかしかない 3イスラエルの民は動揺した 4モーセは 旧約聖書の中で最高の信仰告白をした

More information

全 仏 第3種郵便物認可 1990年6月1日 黙 大正大学助教援 多 田孝 科学的な仏教学が創設されていった が 一貫し というもの それぞれのグループが持つ悩み 置かれ 大乗仏教の諸経典は成立過程において はない 時に 同グループからできて来たもので 典は中国語化され しかも同一人物であ 中国には一度に花開く様に入って来た経 訳される事になってしまったのである 紀元五世紀に渡来した鳩摩羅什の翻訳

More information

Microsoft PowerPoint - ppt_No18_国教となったキリスト教

Microsoft PowerPoint - ppt_No18_国教となったキリスト教 BC121 年グラックス兄弟の改革失敗 18 国教となったキリスト教 内乱の 1 世紀 BC27 年帝政に移行 ネロ帝 五賢帝時代 AD180 キリスト教徒大迫害を行う スパルタクスの大反乱三頭政治 No16の復習 ローマの平和 PAcheck 3 世紀の危機 都市の衰退 経済的混乱軍人皇帝時代 2 3 世紀のローマ帝国 1: ゲルマン人 の侵入 2: ササン朝ペルシア の侵入 を防ぐため軍事費増大

More information

2017 年 10 月 8 日 ( 日 ) 9 日 ( 月 ) 15 回さらにすぐれた契約 さらにすぐれた契約 ヘブル 8:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし (2) ユダヤ教の 3 つの柱

2017 年 10 月 8 日 ( 日 ) 9 日 ( 月 ) 15 回さらにすぐれた契約 さらにすぐれた契約 ヘブル 8:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし (2) ユダヤ教の 3 つの柱 さらにすぐれた契約 ヘブル 8:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし (2) ユダヤ教の 3 つの柱は 天使 モーセ レビ的祭司である 1 御子は 天使に勝るお方であることが証明された 2 御子は モーセに勝るお方であることも証明された 3 御子は アロンに勝るお方であることの証明が続いている

More information

2014 年 10 月 7 日 ( 火 ) 60 分で分かる創世記 60 分で分かる創世記 1. はじめに (1) 60 分で分かる〇〇 のシリーズを開始する 11 節 1 節の解説も重要であるが 鳥瞰図的な理解も必要である 2その場合重要なのは センス オブ プロポーション である (2) 創世記

2014 年 10 月 7 日 ( 火 ) 60 分で分かる創世記 60 分で分かる創世記 1. はじめに (1) 60 分で分かる〇〇 のシリーズを開始する 11 節 1 節の解説も重要であるが 鳥瞰図的な理解も必要である 2その場合重要なのは センス オブ プロポーション である (2) 創世記 60 分で分かる創世記 1. はじめに (1) 60 分で分かる〇〇 のシリーズを開始する 11 節 1 節の解説も重要であるが 鳥瞰図的な理解も必要である 2その場合重要なのは センス オブ プロポーション である (2) 創世記について 1 旧約聖書の最初の五書は 本来は ひとつの書 として書かれたものである 2 最初の五書の呼び名 * 英語では the Pentateuch (5 つの筒 )

More information

H20マナビスト自主企画講座「市民のための科学せミナー」

H20マナビスト自主企画講座「市民のための科学せミナー」 平成 20 年度マナビスト自主企画講座支援事業 - 日常の生活を科学の目で見る - 2008 年 11 月 13 日 ( 木 )~12 月 4( 木 ) 18:30-20:30 アバンセ 村上明 1 第 1 回 現代科学から見た星占い ー星占いの根拠って何? - 2008 年 11 月 13 日 ( 木 ) 村上明 2 内容 1. 西洋占星術の誕生から現在まで 2. 科学の目で見た西洋占星術 3.

More information

4きょう取り上げる 3~5のパターンは ユダヤ的に解釈する必要がある 5イエス時代のユダヤ教のラビたちの旧約聖書引用法 * 直接引用とその成就 * その箇所の解釈ではなく 適用である * きょうの3~5 のパターンは すべて適用である 6マタイは 5 つの引用によってイエスのメシア性を証明しようとし

4きょう取り上げる 3~5のパターンは ユダヤ的に解釈する必要がある 5イエス時代のユダヤ教のラビたちの旧約聖書引用法 * 直接引用とその成就 * その箇所の解釈ではなく 適用である * きょうの3~5 のパターンは すべて適用である 6マタイは 5 つの引用によってイエスのメシア性を証明しようとし エジプトからナザレへ マタ 2:13~23 1. はじめに (1) 文脈の確認 1 皇帝アウグストによる人口調査の勅令 2ベツレヘム滞在中の出産 3 羊飼いたちへの告知 4エルサレム上り ( 誕生後の 40 日間の出来事 ) 5 ( イエスの誕生が公けに影響を持ち始める ) (2) 今日の箇所は 3 つの物語に分れる 1ベツレヘムの幼子の虐殺 2ベツレヘムからエジプトへ 3エジプトからナザレへ *

More information

いでしょう (1)2 重の質問 1 弟子たちは いくつかのたとえ話とその解き明かしを聞いてきた 2ここでイエスは 弟子たちに考えるチャンスを与えている 3 弟子たちは 奥義としての王国 の性質について考え始める (2) イエスのたとえ話は 弟子たちが想像したものとは大いに異なる 1 種のたとえでは

いでしょう (1)2 重の質問 1 弟子たちは いくつかのたとえ話とその解き明かしを聞いてきた 2ここでイエスは 弟子たちに考えるチャンスを与えている 3 弟子たちは 奥義としての王国 の性質について考え始める (2) イエスのたとえ話は 弟子たちが想像したものとは大いに異なる 1 種のたとえでは 064 マコ 4:30~32 マタ 13:33~35 1. はじめに (1) 文脈の確認 1イエスの教えは たとえ話が中心となった 29 つのたとえ話のテーマは 奥義としての王国 である 3チャートで 奥義としての王国 の意味を確認する (2) 奥義としての王国 に関する 9 つのたとえ話 1 種蒔く人のたとえ ( 詳細な解説がある ) 2 種のたとえ 3 毒麦のたとえ ( 詳細な解説がある ) 4からし種のたとえ

More information

Microsoft PowerPoint - ppt_No04_文明の誕生/古代メソポタミア

Microsoft PowerPoint - ppt_No04_文明の誕生/古代メソポタミア 文明の誕生 (1) 04 文明の誕生および古代メソポタミア 狩猟 漁労 採集中心の 1: 獲得経済 から生産経済 農耕 牧畜による 2: への移行は生活を安定させ人口は増加し 3: 都市国家 が成立した 4: 青銅器 も使われるようになった 文明の誕生 (2) また 5: 文字 6: 歴史年代 となった による記録が残る このような変化がどのように起きたか その結果どうなったかを明らかにするのが No04

More information

神学総合演習・聖霊降臨後最終主日                  2005/11/16

神学総合演習・聖霊降臨後最終主日                  2005/11/16 知多教会説教 主の洗礼日 イザヤ書 42:1-7 使徒言行録 10:34-38 ルカによる福音書 3:15-22 2016/01/10 知多教会牧師 : 花城裕一朗 聖霊が目に見える姿で 私たちの父である神と主イエス キリストからの恵みと平和が あなた がたにあるように アーメーン 本日の第一の日課において 預言者イザヤは言いました ( イザヤ 42:1) 見よ わたしの僕 わたしが支える者を わたしが選び

More information

2018 年 5 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) 14 回 ペテロの第 2 のメッセージ (2) ペテロの第 2 のメッセージ (2) 使徒 3:17~26 1. はじめに (1) ペンテコステの日に教会が誕生した 1ペテロの第 1 回目のメッセージにより 3,000 人ほどの人たち

2018 年 5 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) 14 回 ペテロの第 2 のメッセージ (2) ペテロの第 2 のメッセージ (2) 使徒 3:17~26 1. はじめに (1) ペンテコステの日に教会が誕生した 1ペテロの第 1 回目のメッセージにより 3,000 人ほどの人たち ペテロの第 2 のメッセージ (2) 使徒 3:17~26 1. はじめに (1) ペンテコステの日に教会が誕生した 1ペテロの第 1 回目のメッセージにより 3,000 人ほどの人たちが弟子となった 2 初代教会は 暖かさと畏怖の念が共存する群れであった 3 使徒たちによって多くの不思議としるしが行われた (2:43) 4そのひとつの例が 生まれつき足の不自由な人の癒しである * これは 迫害が始まるきっかけとなった奇跡である

More information

学習指導要領

学習指導要領 (1) 世界史へのいざない 学習指導要領ア自然環境と歴史歴史の舞台としての自然環境について, 河川, 海洋, 草原, オアシス, 森林などから適切な事例を取り上げ, 地図や写真などを読み取る活動を通して, 自然環境と人類の活動が相互に作用し合っていることに気付かせる イ日本列島の中の世界の歴史日本列島の中に見られる世界との関係や交流について, 人, もの, 技術, 文化, 宗教, 生活などから適切な事例を取り上げ,

More information

R. L. Litke, A Reconstruction of the Assyro-Babylonian God-Lists, New Haven 1998 A. Deimel, Pantheon Babylonicum, Rom 1950. 212

R. L. Litke, A Reconstruction of the Assyro-Babylonian God-Lists, New Haven 1998 A. Deimel, Pantheon Babylonicum, Rom 1950. 212 前3千年紀シュメール 多神教の世界 前3千年紀シュメール 多神教の世界 早稲田大学文学部教授 前田 徹 3千年紀に入った年の年賀状に シュメールを研 はじめに 究する私も やっとシュメール人と同じ3千年紀 ご紹介にあずかりました前田です 戸外の空模 を生きるようになったと書き 訝しがられまし 様を忘れて聞き入るということになるのか そう た 100年単位である世紀の その上に千年を単 でないのか ちょっとわかりませんが

More information

2010 年 2 月 21 日 ( 日 ) 22 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 13 出エジ 13 出エジプト記 9 章 13 節 ~10 章 29 節 最後の 3 つの災い 1. 文脈の確認 (1) エジプトに主からの 10 の災いが下る (2)10 の災いの記述は 考え抜

2010 年 2 月 21 日 ( 日 ) 22 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 13 出エジ 13 出エジプト記 9 章 13 節 ~10 章 29 節 最後の 3 つの災い 1. 文脈の確認 (1) エジプトに主からの 10 の災いが下る (2)10 の災いの記述は 考え抜 出エジ 13 出エジプト記 9 章 13 節 ~10 章 29 節 最後の 3 つの災い 1. 文脈の確認 (1) エジプトに主からの 10 の災いが下る (2)10 の災いの記述は 考え抜かれた形式美を持っている (3)3 3+1=10 という形式になっている (4) きょうは最後の 3つの災いを取り上げる 2. メッセージのアウトライン (1) 第七の災い : 雹 (2) 第八の災い : いなご

More information

学習指導要領

学習指導要領 (1) 世界史へのいざない ア自然環境と歴史歴史の舞台としての自然環境について 河川 海洋 草原 オアシス 森林などから適切な事例を取り上げ 地図や写真などを読み取る活動を通して 自然環境と人類の活動が相互に作用し合っていることに気付かせる 都立北園高校学力スタンダード [ 大河流域の生活と歴史 ] 大河流域に形成された古代文明が, 自然環境と深くかかわることによってその地域特有の生活 文化に発展したことを理解する

More information

第108号データ

第108号データ クリニックだより 気 心 体 第108号 平成28年12月15日 高森内科クリニック 宗 教 の 歴 史 上 1 宗教の発生 1 宗教の起源 血縁が人類最古の組織原理 自分の祖先を位階的に体系化する伝承や神話の発生 神々の階層化と広大な宇宙論の集大成が古代宗教 人間とは何か 宇宙とは何か が問われるようになった 宗教の起源には精神的起源と社会的起源がある 2 死と埋葬 宗教的な思考の原初は死者の儀式的な埋葬である

More information

< F2D91E63689F181408EA F8A7782C A28B49838B>

< F2D91E63689F181408EA F8A7782C A28B49838B> 2008 年度 キリスト教学講義中世キリスト教と科学 Ⅱ キリスト教思想史の諸問題 < 前回 > キリスト教神学の成立とその諸問題 1. 宗教運動から制度的宗教 教会へ ( パウロの位置 ) 2. 制度化の必然性と問題点 制度批判 = 反動 異端運動一定の硬直化をよぎなくされる ( 形式主義 官僚性 ) 平等主義の後退 階層制度 ( ヒエラルキー ) 3. 迫害 :66( ネロ帝 ) 95 頃 (

More information

2012 年 1 月 22 日 ( 日 ) 23 日 ( 月 )54 ローマ人への手紙 15:4~13 希望から希望へ 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)14:1~15:13 は 雑多な問題を扱っている 1 超道徳

2012 年 1 月 22 日 ( 日 ) 23 日 ( 月 )54 ローマ人への手紙 15:4~13 希望から希望へ 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)14:1~15:13 は 雑多な問題を扱っている 1 超道徳 希望から希望へ 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)14:1~15:13 は 雑多な問題を扱っている 1 超道徳的なテーマ それ自体は 良くも悪くもない 2 聖書が明確に指示していない グレーゾーン である 32 次的なことのついては 互いに裁き合わない ( 例話 ) 前回のアンケートの紹介 (3) きょうの箇所は

More information

(1) 神殿の聖所と至聖所を分ける幕である 1 長さが約 18 メートル 厚さが約 10 センチ 2この幕の内側に入れたのは 大祭司だけである それも年に一度だけ 3 大祭司 アロンの家系 ケハテ氏族 レビ族 イスラエルの民 全人類 (2) この幕が 上から下まで真っ二つに裂けた 1 神の御手がこれ

(1) 神殿の聖所と至聖所を分ける幕である 1 長さが約 18 メートル 厚さが約 10 センチ 2この幕の内側に入れたのは 大祭司だけである それも年に一度だけ 3 大祭司 アロンの家系 ケハテ氏族 レビ族 イスラエルの民 全人類 (2) この幕が 上から下まで真っ二つに裂けた 1 神の御手がこれ キリストの死に伴う諸現象 マタ 27:51~56 1. はじめに (1) 文脈の確認 1 福音の三要素が展開されて行く * キリストの死 * 埋葬 * 復活 2キリストの死後 いくつかの不思議な現象が矢継ぎ早に起こった 3キリストの死 埋葬 復活は歴史的事実である 4これらの現象もまた 歴史的事実として字義通りに解釈する必要がある (2)A.T. ロバートソンの調和表 166 キリストの死に伴う諸現象

More information

2-1_ pdf

2-1_ pdf 歴史 2-_02020 History 教員室 : B02( 非常勤講師室 ) 環境都市工学科 2 年 会的諸問題の解決に向けて主体的に貢献する自覚と授業の内容授業授業項目授業項目に対する時間. 近代世界の成立 - 近代ヨーロッパの成立と世界 -2 絶対王政と近代国家の形成 -3 市民革命と産業革命 -4 ナショナリズムと 国民国家 の成立 -5 アジアの植民地化 2- 帝国主義 の成立と世界分割

More information

【中世3ビザンツ】

【中世3ビザンツ】 中世 3 ビザンツ帝国 東ヨーロッパ世界の成立 Byzantines 1. ビザンツ帝国 ( 東ローマ帝国 ) の盛衰 1. ビザンツ帝国 ( 東ローマ帝国 ) の盛衰成立 A) ローマ帝国分裂 (395) ビザンツ帝国 ( 東ローマ帝国 ) の発展 西欧に対して経済的 文化的な先進文明圏として優位を保つ 民族大移動の影響小さく, 商業と貨幣経済の繁栄継続 首都コンスタンティノープルは, 中世ヨーロッパ最大規模の貿易都市

More information

KONNO PRINT

KONNO PRINT レポート課題の変更について レポート課題集 A 2019 p.14~15 にてご案内しておりました客観式 レポートですが 次の 3 科目のレポート課題において論述式レポートへ変 更させていただくこととなりました 福祉社会学 3 4 単位め 知的障害者福祉論 2 単位め 国際福祉論 1 2 単位め 客観式レポートのご案内から変更となり大変ご迷惑をおかけいたしますこと 誠に申し訳ございません なお 変更となりましたレポート課題につきましては

More information

1 パンの家 という意味 農業生産の豊かな地 ダビデの町とも呼ばれた 2ガリラヤのベツレヘムと区別するために ユダヤのベツレヘムと書かれている 年代 200 軒の家 クリスチャンとイスラム教徒が平和に住んでいる 4 今日 パレスチナ自治区 2 万 2 千人 クリスチャンは迫害に会っている

1 パンの家 という意味 農業生産の豊かな地 ダビデの町とも呼ばれた 2ガリラヤのベツレヘムと区別するために ユダヤのベツレヘムと書かれている 年代 200 軒の家 クリスチャンとイスラム教徒が平和に住んでいる 4 今日 パレスチナ自治区 2 万 2 千人 クリスチャンは迫害に会っている マタ 2:1~12 1. はじめに (1) 文脈の確認 1 皇帝アウグストによる人口調査の勅令 2ベツレヘム滞在中の出産 3 羊飼いたちへの告知 4エルサレム上り ( 誕生後の 40 日間の出来事 ) (2) きょうの箇所 1 ( イエスの誕生が公けに影響を持ち始める ) 2. アウトライン (1) 博士たちのエルサレム訪問 (1~2 節 ) (2) ヘロデ王の応答 (3~8 節 ) (3) 博士たちによる幼子の礼拝

More information

PowerPoint Presentation

PowerPoint Presentation 第一コリントの信徒への手紙クラス 十字架の言葉は神の力です 第一コリント 1:18 東京キリストの教会 クラス 5 13 章 : 愛の道 14 章 : 霊的な賜物を生かす 15 章 : イエスの復活の力 16 章 : まとめの言葉 1) 最初の訪問 教会の設立 50A.D. から約一年半滞在した ( 使徒 18:11) パウロは一年六か月の間ここにとどまって 人々に神の言葉を教えた 2) 最初の手紙

More information

2017 年 7 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 1 回 ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル 1:1~3 1. はじめに (1) 著者 1いくつかの名が上げられてきた * パウロ * ルカ ( パウロがヘブル語で書いたものを ルカがギリシア語に翻訳した ) * バ

2017 年 7 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 1 回 ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル 1:1~3 1. はじめに (1) 著者 1いくつかの名が上げられてきた * パウロ * ルカ ( パウロがヘブル語で書いたものを ルカがギリシア語に翻訳した ) * バ ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル 1:1~3 1. はじめに (1) 著者 1いくつかの名が上げられてきた * パウロ * ルカ ( パウロがヘブル語で書いたものを ルカがギリシア語に翻訳した ) * バルナバ * アポロ * ピリポ * ヨハネ * マルコ 2 著者は ユダヤ人である * ロマ 3:2 によれば ユダヤ人には神のことばが委ねられている * ユダヤ人でなければ 旧約聖書やユダヤ的習慣をここまで知り得ない

More information

学習指導要領

学習指導要領 (1) 世界史へのいざない ア自然環境と歴史歴史の舞台としての自然環境について 河川 海洋 草原 オアシス 森林などから適切な事例を取り上げ 地図や写真などを読み取る活動を通して 自然環境と人類の活動が相互に作用し合っていることに気付かせる 都立橘高校学力スタンダード 自然環境と人類の活動の相互作用を 大河川と文明との関係に着目させ 世界地図での位置確認や景観写真の読み取りなどを通じて理解する イ日本列島の中の世界の歴史日本列島の中に見られる世界との関係や交流について

More information

入試問題集もくじ

入試問題集もくじ 世 界 史 全 体 を 通 して 世 界 史 の 問 題 は 受 験 生 が 歴 史 を 如 何 に 総 合 的 に 理 解 しているかを 見 るために 地 域 時 代 分 野 に 幅 を 持 たせて 出 題 しています それゆえ 基 本 的 な 事 件 や 事 項 を 把 握 することはもちろん 他 地 域 や 前 後 の 時 代 とのつながりも 押 さえておく 必 要 があります 広 い 視 野

More information

Rev 7:1 この後 私は見た 四人の御使いが地の四隅に立って 地の四方の風を堅く押さえ 地にも海にもどんな木にも 吹きつけないようにしていた (1) この後 私は見た 1 物事の時間的流れではなく ヨハネが見た幻の順番を示している 2この幻は 神の裁きが迫っていることを示唆している 3 地の四方

Rev 7:1 この後 私は見た 四人の御使いが地の四隅に立って 地の四方の風を堅く押さえ 地にも海にもどんな木にも 吹きつけないようにしていた (1) この後 私は見た 1 物事の時間的流れではなく ヨハネが見た幻の順番を示している 2この幻は 神の裁きが迫っていることを示唆している 3 地の四方 144,000 人のユダヤ人 黙 7:1~8 1. はじめに (1)6 章で 巻き物の封印が解かれる 最初の 6 つの封印 1ここから大患難時代が始まる 2 大患難時代でも 人々は救われるのか 3 答えは イエス である (2)7 章の内容 16 章 17 節の質問 Rev 6:17 御怒りの大いなる日が来たのだ だれがそれに耐えられよう * その意味は 誰がメシア的王国 ( 千年王国 ) に入れるだろうかということ

More information

Heb 11:7 信仰によって ノアは まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき 恐れかしこんで その家族の救いのために箱舟を造り その箱舟によって 世の罪を定め 信仰による義を相続する者となりました (1) ノアは 神から警告を受けた 1 創 6:17 Gen 6:17 わたしは今 いの

Heb 11:7 信仰によって ノアは まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき 恐れかしこんで その家族の救いのために箱舟を造り その箱舟によって 世の罪を定め 信仰による義を相続する者となりました (1) ノアは 神から警告を受けた 1 創 6:17 Gen 6:17 わたしは今 いの 信仰者のリスト (2) ヘブル 11:7~16 1. はじめに (1) この手紙は ユダヤ教への回帰を考えていた第 2 世代のメシアニック ジューたちを励ますために書かれた 1 学んだことの適用 (10:19~13:25) 2すでに背教は ある人々の間で起こっている 3この手紙の読者は まだ背教はしていないが その可能性を考えている 4 今必要なのは 信仰による忍耐である 5 信仰による忍耐を発揮した旧約聖書の信仰の英雄たちがリストアップされる

More information

学習指導要領

学習指導要領 (4) 諸地域世界の結合と変容 イヨーロッパの拡大と大西洋世界ルネサンス 宗教改革 主権国家体制の成立 世界各地への進出と大西洋世界の形成を扱い 16 世紀から 18 世紀までのヨーロッパ世界の特質とアメリカ アフリカとの関係を理解させる 思想 芸術 科学などの分野におけるルネサンスの展開を理解する 宗教改革と対抗宗教改革の具体的な展開を理解する スペイン

More information

2019 年 7 月 28 日 ( 日 ) 29 日 ( 月 ) 70 回 12 人の弟子たちの救い 12 人の弟子たちの救い 使徒 19:1~7 1. はじめに (1) 第三次伝道旅行が始まった 1 使 18:23~21:17( 紀元 53 年の春から 56 年の春 ) 2パウロは ひとりで出かけ

2019 年 7 月 28 日 ( 日 ) 29 日 ( 月 ) 70 回 12 人の弟子たちの救い 12 人の弟子たちの救い 使徒 19:1~7 1. はじめに (1) 第三次伝道旅行が始まった 1 使 18:23~21:17( 紀元 53 年の春から 56 年の春 ) 2パウロは ひとりで出かけ 12 人の弟子たちの救い 使徒 19:1~7 1. はじめに (1) 第三次伝道旅行が始まった 1 使 18:23~21:17( 紀元 53 年の春から 56 年の春 ) 2パウロは ひとりで出かけている 3 未信者への伝道ではなく フォローアップが主な目的の旅である 4 第一次伝道旅行で立てられた諸教会 ( ガラテヤ地方とフルギヤ ) を訪問した 5 第三次伝道旅行の中心地は エペソである (2)

More information

社会系(地理歴史)カリキュラム デザイン論発表

社会系(地理歴史)カリキュラム デザイン論発表 社会系 ( 地理歴史 ) カリキュラム デザイン論発表 批判的教科書活用論に基づく中学校社会科授業開発 (1): 産業革命と欧米諸国 の場合 発表担当 :5 班 ( ごはんですよ ) 論文の構成 論文の構成 Ⅰ. 問題の所在 : 教養主義の授業づくりでは 国家 社会の形成者は育成 できない 批判的教科書活用論に基づく授業を開発 Ⅱ. 産業革命と欧米諸国 の教授計画書と実験授業の実際 Ⅲ. 産業革命と欧米諸国

More information

指導内容科目世界史 A の具体的な指導目標評価の観点 方法 ユーラシアの諸文明 西アジア 西アジアにおける古代オリエント文明とイラン人の活動 アラブ人とイスラーム帝国の形成過程や文明の特質を理解する 5 ユーラシアの諸文明 ヨーロッパ 古代ギリシア ローマ文明 キリスト教を基盤とした東西ヨーロッパ世

指導内容科目世界史 A の具体的な指導目標評価の観点 方法 ユーラシアの諸文明 西アジア 西アジアにおける古代オリエント文明とイラン人の活動 アラブ人とイスラーム帝国の形成過程や文明の特質を理解する 5 ユーラシアの諸文明 ヨーロッパ 古代ギリシア ローマ文明 キリスト教を基盤とした東西ヨーロッパ世 年間授業計画様式 日野高等学校平成 3 年度年間授業計画 教科 :( 地歴 ) 科目 :( 世界史 A) 単位数 :(2 単位 ) 対象学年組 :( 第 学年 組 ~8 組 ) 教科担当者 :( 組 : 三好 )(2 組 : 大島 )(3 組 : 三好 )(4 組 : 大島 )(5 組 : 三好 )(6 組 : 大島 )(7 組 : 三好 )(8 組 : 大島 ) 使用教科書 :( 高等学校改訂版世界史

More information

(2) ロマ 7:1~6 の要約 1 律法の大原則 * 律法は 人に対して権限を持つ * 律法は 死んだ人には権限を持たない 2 結婚関係の例話 * 夫が生きている間は 結婚の律法によって制約されている * それを破れば 姦淫の女と呼ばれる * 夫が死ねば 結婚の律法から解放される * 再婚しても

(2) ロマ 7:1~6 の要約 1 律法の大原則 * 律法は 人に対して権限を持つ * 律法は 死んだ人には権限を持たない 2 結婚関係の例話 * 夫が生きている間は 結婚の律法によって制約されている * それを破れば 姦淫の女と呼ばれる * 夫が死ねば 結婚の律法から解放される * 再婚しても 聖化の力 ( 聖霊 )(1) 罪からの解放 1. はじめに (1) 聖化 に関する 6 回目の学びである 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は クリスチャン生活を律法主義的生活に追い込む (2) ロマ書 7 章クリスチャンとロマ書 8 章クリスチャンの違い 1 前者は 自分で自分に重荷を課している 2その人が苦しむのは 自然の成り行きである 3 後者は 聖霊の導きで歩む

More information

H30全国HP

H30全国HP 平成 30 年度 (2018 年度 ) 学力 学習状況調査 市の学力調査の概要 1 調査の目的 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図る 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する 2 本市における実施状況について 1 調査期日平成

More information

2008 年 7 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 8 創世記 8 創世記 3 章 14 節 ~24 節 アダム契約 イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 創世記には 11 の区分 ( トルドット ) がある (2) 第 1のトルドットには 人類の

2008 年 7 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 8 創世記 8 創世記 3 章 14 節 ~24 節 アダム契約 イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 創世記には 11 の区分 ( トルドット ) がある (2) 第 1のトルドットには 人類の 創世記 8 創世記 3 章 14 節 ~24 節 アダム契約 イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 創世記には 11 の区分 ( トルドット ) がある (2) 第 1のトルドットには 人類の堕落とエデンの園からの追放が書かれている (3) 第 1のトルドットが終わりには 非常によかった ものがカオスになっている (4) 堕落以降 神と人類の関係が変化していることに注目 1 最初の契約は エデン契約

More information

2 奇跡 3 父 4 聖書 4. メッセージのゴール (1) イエスを誰だと言うか (2) イエスを信じる者の幸いとは何か このメッセージは イエスの業と主張について考えようとするものである Ⅰ. イエスと父は一体である (19~29 節 ) 1. 行動において まことに まことに あなたがたに告げ

2 奇跡 3 父 4 聖書 4. メッセージのゴール (1) イエスを誰だと言うか (2) イエスを信じる者の幸いとは何か このメッセージは イエスの業と主張について考えようとするものである Ⅰ. イエスと父は一体である (19~29 節 ) 1. 行動において まことに まことに あなたがたに告げ (2) 049 ヨハ 5:19~47 1. はじめに (1) 難解な箇所であり 困難を覚える (2) 口伝律法の中の安息日に関する論争が始まる 138 年間病気であった人の癒しをきっかけに 論争が始まる 2 49~51 まで 安息日論争が続く (3)A.T. ロバートソンの調和表イエスは 安息日に病人を癒し パリサイ人たちに対して自らの行動を弁護する ( 49)( 今回は 5:19~47 を取り上げる

More information

夢を超えたもの_Culture A.indd

夢を超えたもの_Culture A.indd e yo Bey D B y nd D B reams 澄み切った夜空を見上げたことはありますか 子供の頃は 小さな宝石が果てしない空にボンドでくっついていると思ったかもし れません でもその後 星がどれほど大きいものか少し分かってきました そして 周りの物事は 自分が考えているよりはるかに大きく 深いものだと気づ き始めました だから自問します 私たちが目で見ている以上のものがあるでしょうか 目で見えること以上に素晴らしいことがあるのではないでしょうか

More information

年間授業計画09.xls

年間授業計画09.xls 使用教科書 東京書籍 地理 A 科目名 : 必 地理 A 国際社会の一員として必要な地理的感覚 教養を身につける 修 対 象 1 年 小辻 三橋 磯山 学習内容 時間配当 球面上の世界と地域構成 結びつく現代社会多様さを増す人間行動と現代社会 8 7 身近な地域の国際化の進展 教材等 教科書プリント視聴覚教材 世界的視野からみた自然環境と文化諸地域の生活 文化と環境近隣諸国の生活 文化と日本 計 1

More information

10SS

10SS 方 方 方 方 大 方 立立 方 文 方 文 田 大 方 用 方 角 方 方 方 方 方 1 方 2 方 3 4 5 6 方 7 方 8 9 大 10 自 大 11 12 大 13 14 自 己 15 方 16 大 方 17 立立 18 方 方 19 20 21 自 22 用 23 用 24 自 大 25 文 方 26 27 28 文 29 田 大 30 文 31 方 32 用 方 文 用 用 33

More information

2 イエスの戒めを守るなら イエスの愛に留まることになる (2) その教えを話した理由は 弟子たちが喜びに満たされるためである 1イエスは 自分が経験している喜びを弟子たちに与えようとしている 2イエスの喜びは 父なる神への従順 ( 喜ばせること ) によって生まれる 3ヘブ 12:2 Heb 12

2 イエスの戒めを守るなら イエスの愛に留まることになる (2) その教えを話した理由は 弟子たちが喜びに満たされるためである 1イエスは 自分が経験している喜びを弟子たちに与えようとしている 2イエスの喜びは 父なる神への従順 ( 喜ばせること ) によって生まれる 3ヘブ 12:2 Heb 12 ヨハ 15:11~17 1. はじめに (1) 文脈の確認 1 最後の晩餐の後 イエスの最後の長い説教が続く 2ヨハネだけが記している * ヨハ 14 章二階部屋で語られた * ヨハ 15 16 章ゲツセマネの園に向かう途中で語られた 3 人類救済計画の時代区分 ( ディスペンセーション ) が移行しつつある 4 城壁の南側を通って 東に向かわれた * 数時間後には 逮捕されることになっている (2)A.T.

More information

修士論文「絵画−起き上がる景色」松本玲子

修士論文「絵画−起き上がる景色」松本玲子 ! 1 () 2012! 4 始まりは剥げかけたパオロ ウッチェロのフレスコ画や 精巧な彫刻が摩擦で失われてしまい くぼみだけに なってしまった古代のレリーフを見たことだった その姿は 膨大な歳月がいつしか基底こそをもういちど蘇生 させようとする あるいは始まりの基盤がどんなに覆いつくしても吹き返し 等化を迫ってくる そんな力 の中に留まろうとするものの姿だった それでは それは場所に閉じ込められた姿だったのだろうか

More information

2012 年 1 月 15 日 ( 日 ) 16 日 ( 月 )53 ローマ人への手紙 14:13~15:3 キリスト者の自由 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)12 章は 基本的には教会内の行動についての勧めであ

2012 年 1 月 15 日 ( 日 ) 16 日 ( 月 )53 ローマ人への手紙 14:13~15:3 キリスト者の自由 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)12 章は 基本的には教会内の行動についての勧めであ キリスト者の自由 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)12 章は 基本的には教会内の行動についての勧めであった (3)13 章は 二重国籍者への勧めであった (4)14:1~15:13 は 雑多な問題を扱っている 1 超道徳的なテーマ それ自体は 良くも悪くもない 2 聖書が明確に指示していない グレーゾーン である

More information

Try*・[

Try*・[ 特集 2 日本のCMのぜんぶ 1953-2012 歴史を通して未来が見える テレビ コマーシャルからの証言 アーカイブが開く地平 テレビ コマーシャルは 社会変動や時代の感性をどう捉え 自らをどう変容 進化させてきたのか 社会学者として幅広い研究分野をもつ著者に アカデミズムの立場からCM研究の理論パラダイムの動向と CMイメージの歴史的な変転を具体的な作品を通して概説していただくとともに グローバルなアーカイブの構築によって開かれる新しいCM研究の可能性についてご提示いただいた

More information

冯 冯 1920年代中国における主流雑誌の性愛 道徳論争と日本 集長蘭志先に手紙を出して 貞操についての意見を発表するようと誘っていた 蘭は積極的に 対応し 与謝野晶子の 貞操は道徳ではない という観点に反論を持ち出し 貞操が夫婦の間 に守らなければならない道徳であると強く主張した 要するに 明治 大正時代に活躍した与謝野晶子は 日本代表の女性批評家 道徳家として 中国の文化人に受け入れられ その取り出した貞操問題は

More information

CJT2C1Z1J154.indd

CJT2C1Z1J154.indd 1 要点学習歴史 : 近世の日本 1 近世ヨーロッパのはじまり CJT2C1-Z1J1-01 30 分 要点 要点を読んで重要なポイントを確認しましょう 中世ヨーロッパとキリスト教世界 イスラム世界とキリスト教世界のかかわりを押さえようきょうこう ❶ ローマ教皇 カトリック教会の長で, 中世ヨーロッパで強い権威をもつ ❷ 十字軍 聖地エルサレムの奪回をめざすローマ教皇のよびかけにこたえて編成 ❸ ルネサンス

More information

聖書 : ピリピ 3:1~3 説教題 : 神の御霊による礼拝 日時 :2017 年 2 月 26 日 ( 朝拝 ) ピリピ人への手紙第 3 章に入ります この手紙は全部で 4 章からなっていますので 今日から後半部に入ることになります パウロは 最後に 私の兄弟たち と始めます この手紙はまだ半分ま

聖書 : ピリピ 3:1~3 説教題 : 神の御霊による礼拝 日時 :2017 年 2 月 26 日 ( 朝拝 ) ピリピ人への手紙第 3 章に入ります この手紙は全部で 4 章からなっていますので 今日から後半部に入ることになります パウロは 最後に 私の兄弟たち と始めます この手紙はまだ半分ま 聖書 : ピリピ 3:1~3 説教題 : 神の御霊による礼拝 日時 :2017 年 2 月 26 日 ( 朝拝 ) ピリピ人への手紙第 3 章に入ります この手紙は全部で 4 章からなっていますので 今日から後半部に入ることになります パウロは 最後に 私の兄弟たち と始めます この手紙はまだ半分までしか来ていないのに なぜパウロは 最後に と言ったのでしょうか 注解書を見ると パウロはここで手紙を結ぼうとしたが

More information

Ⅰ. はじめに 2001 年 9 月 11 日の同時多発テロ事件に象徴されるように, 今日の国際政治の中で宗教的な要素は無視できないものとなっている. 多くの人は, 政治的対立が宗教的対立に置き換えられることを恐れて, 政治の問題を論じる時に宗教を取り上げないようにしているが, 実際の政治の場, 特

Ⅰ. はじめに 2001 年 9 月 11 日の同時多発テロ事件に象徴されるように, 今日の国際政治の中で宗教的な要素は無視できないものとなっている. 多くの人は, 政治的対立が宗教的対立に置き換えられることを恐れて, 政治の問題を論じる時に宗教を取り上げないようにしているが, 実際の政治の場, 特 名古屋文理大学紀要第 5 号 (2005) キリスト教神学における歴史認識 ラインホールド ニーバーのキリスト教現実主義 Views on History in Christian Theology: Reinhold Niebuhr's Christian Realism 佐久間重 Atsushi SAKUMA 国際政治の中で民族問題が大きな比重を占めるようになって, 宗教への関心が高まって来ている.

More information

5. 章節は後代に付加せられたもので 聖書記述者の考えや霊感は反映されていな いので注意が必要 Ⅰ イエスによる預言 (42~46) 1. マタイ 21:42 は詩篇 118:22 預言からの引用 家を建てる者たちの見捨てた石 それが礎の石になった これは主のなさったことだ 私たちの目には 不思議な

5. 章節は後代に付加せられたもので 聖書記述者の考えや霊感は反映されていな いので注意が必要 Ⅰ イエスによる預言 (42~46) 1. マタイ 21:42 は詩篇 118:22 預言からの引用 家を建てる者たちの見捨てた石 それが礎の石になった これは主のなさったことだ 私たちの目には 不思議な 延期された神の国 マタイ 21 章 42~ 46 節 ~ マタイ福音書連続講解説教 62~ イントロダクション 1) 受難週の第 3 日目 火曜日の出来事が続いている 1. サンヘドリン 祭司長 民の長老たち (23) からの吟味 論争の日 祭司長とは サドカイ人 民の長老とは パリサイ人 2) ユダヤ派閥 ~サンヘドリンの主な構成員 1. パリサイ人 紀元 2 世紀頃からハスモン王朝 (BC166~63)

More information

Microsoft Word - 11 進化ゲーム

Microsoft Word - 11 進化ゲーム . 進化ゲーム 0. ゲームの理論の分類 これまで授業で取り扱ってきたゲームは 協 ゲームと呼ばれるものである これはプレイヤー同士が独立して意思決定する状況を表すゲームであり ふつう ゲーム理論 といえば 非協力ゲームを表す これに対して プレイヤー同士が協力するという前提のもとに提携形成のパタンや利得配分の在り方を分析するゲームを協 ゲームという もっとも 社会現象への応用可能性も大きいはずなのに

More information

6ユダヤ人は 人種的 宗教的理由によって サマリヤ人を軽蔑した * ユダヤの格言 私の目が サマリヤ人を見ることがないように 7サマリヤ人も ユダヤ人を軽蔑し 敵対した * ユダヤ人がエルサレムから下ることは許したが 上ることは許さなかった 8 現代もサマリヤ人の子孫たちが存在している ( 千名以下

6ユダヤ人は 人種的 宗教的理由によって サマリヤ人を軽蔑した * ユダヤの格言 私の目が サマリヤ人を見ることがないように 7サマリヤ人も ユダヤ人を軽蔑し 敵対した * ユダヤ人がエルサレムから下ることは許したが 上ることは許さなかった 8 現代もサマリヤ人の子孫たちが存在している ( 千名以下 ヨハ 4:4~26 1. はじめに (1) ユダヤからガリラヤへの移動 1バプテスマのヨハネが逮捕されたから 2パリサイ人たちとの衝突を避けるため (2)4:3~4 主はユダヤを去って またガリラヤへ行かれた しかし サマリヤを通って行かなければならなかった 1 地理的必然性ではない 2 霊的必然性である (3)A.T. ロバートソンの調和表 スカルのヤコブの井戸にて ( 35 の前半 ) (4)

More information

2017 年 6 月 11 日 ( 日 ) 12 日 ( 月 ) 39 回 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 黙 22:1~5 1. はじめに (1) 旧約聖書の預言のハイライトは メシア的王国である 1 黙示 20 章は メシア的王国が千年で終わることを啓

2017 年 6 月 11 日 ( 日 ) 12 日 ( 月 ) 39 回 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 黙 22:1~5 1. はじめに (1) 旧約聖書の預言のハイライトは メシア的王国である 1 黙示 20 章は メシア的王国が千年で終わることを啓 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 黙 22:1~5 1. はじめに (1) 旧約聖書の預言のハイライトは メシア的王国である 1 黙示 20 章は メシア的王国が千年で終わることを啓示している 2 黙示 21 章と 22 章は 千年王国の先に何があるかを啓示している * 創世 1 章以来続いていた被造世界は過ぎ去り 新天新地が創造される * 新しいエルサレムが天から下ってくる 3 新しいエルサレムの特徴が

More information

XCX~ 角 'l' À(;)aacx

XCX~ 角 'l' À(;)aacx Title 人とことば : その関わりと研究のあゆみ ( Revised (13 January 2013) ) Author(s) 山口, 巌 Citation (2008) Issue Date 2008-07-29 URL http://hdl.handle.net/2433/65019 Right Type Learning Material Textversion author Kyoto

More information

2. アウトライン (1) 過去の回顧 (1~4 章 ) (2) 律法の解説 (5~26 章 ) (3) 未来の展望 (27~30 章 ) (4) 指導者の交代 (31~34 章 ) 3. 結論 (1) 律法の本質 (2) イスラエルの将来 (3) 申命記とイエスの教え 申命記を通して イエスの教え

2. アウトライン (1) 過去の回顧 (1~4 章 ) (2) 律法の解説 (5~26 章 ) (3) 未来の展望 (27~30 章 ) (4) 指導者の交代 (31~34 章 ) 3. 結論 (1) 律法の本質 (2) イスラエルの将来 (3) 申命記とイエスの教え 申命記を通して イエスの教え 60 分でわかる旧約聖書 (5) 申命記 1. はじめに (1) 創世記 出エジプト記 レビ記 民数記に続いて申命記を取り上げる 1 旧約聖書の最初の五書は 本来は ひとつの書 として書かれたものである 2 著者はモーセである * カナンの地に入国する前のイスラエル人のために書いた * 彼らは イスラエルの歴史や出エジプトの歴史を知らない世代である * 何のためにカナンの地で生きるのかを知らなければならない

More information

Microsoft Word - filename-=ISO-2022-JP''0804%1B%24B%21%21%25%3B%25%5F%25J%21%3C%25F%25%2D%259%25H%21%21%25G%25%23%259%25Z%25s%2

Microsoft Word - filename-=ISO-2022-JP''0804%1B%24B%21%21%25%3B%25%5F%25J%21%3C%25F%25%2D%259%25H%21%21%25G%25%23%259%25Z%25s%2 目次 イントロダクション p.3 Ⅰ. ディスペンセーションとは何か p.3 A. 名称の語源 B. 聖書での使用法 C. 定義 (Ryrie による ) D. ディスペンセーションの特徴 E. ディスペンセーショナリストの特徴 Ⅱ. ディスペンセーションの種類 p.7 はじめに A. 無垢の時代 ( 創 1:28~3:8) B. 良心の時代 ( 創 3:9~8:14) C. 人間による統治の時代

More information

第 2 問問題のねらい青年期と自己の形成の課題について, アイデンティティや防衛機制に関する概念や理論等を活用して, 進路決定や日常生活の葛藤について考察する力を問うとともに, 日本及び世界の宗教や文化をとらえる上で大切な知識や考え方についての理解を問う ( 夏休みの課題として複数のテーマについて調

第 2 問問題のねらい青年期と自己の形成の課題について, アイデンティティや防衛機制に関する概念や理論等を活用して, 進路決定や日常生活の葛藤について考察する力を問うとともに, 日本及び世界の宗教や文化をとらえる上で大切な知識や考え方についての理解を問う ( 夏休みの課題として複数のテーマについて調 現代社会 問題のねらい, 及び小問 ( 速報値 ) 等 第 1 問問題のねらい 功利主義 や 正義論 に関して要約した文書を資料として示し, それぞれの基盤となる考え方についての理解や, その考え方が実際の政策や制度にどう反映されているかについて考察する力を問うとともに, 選択肢として与えられた命題について, 合理的な 推論 かどうか判断する力を問う ( 年度当初に行われる授業の場面を設定 ) 問

More information

Microsoft Word - ◎中高科

Microsoft Word - ◎中高科 牧羊者 2014 年度第 Ⅰ 巻 中高科へのヒント 4~6 月 4 / 6 (4/6,4/13,/11,6/8,6/22 後藤健一師 4/20~/4,/18~6/1,6/1,6/29 石田高保師 ) 1. この世の中で イエス様を信じて従って生きていく時に つらいと思う時はありますか もし あるとしたら それはどんな時ですか 1. 弟子たちはイエス様について何と言っていますか (29~30) 2.

More information

「改訂版 世界史A(世A019)」教科書シラバス案

「改訂版 世界史A(世A019)」教科書シラバス案 世界史探究シラバス 科目世界史探求単位 2 学年 3 年普通科使用教科書 高等学校世界史 A ( 第一学習社 ) 副教材等世界史 A ノート ( 第一学習社 ) 近現代史を中心とする世界の歴史を諸資料に基づき地理的条件や日本の歴史と関連付けながら理解させ, 現代 学習の到達目標 の諸課題を歴史的観点から考察させることによって, 歴史的思考力を培い, 国際社会に主体的に生きる日本国 民としての自覚と資質を養う

More information

mr0703.indd

mr0703.indd 48 MARCH 2007 MARCH 2007 49 50 MARCH 2007 MARCH 2007 51 52 MARCH 2007 国内に関しては厳しく規制され 二人とも国内 は 国家機密漏洩罪に問われ懲役 20 年の判決 で署名付きの文章を発表することはできない を受け 12 月20日付 汚職や土地の強制収用 ただ筆者は 内外有別 政策は 昔と比 べれば一定の進歩と考える 彼らの文章は確

More information

Jordan 世界 遺産 ペトラ遺跡 シーク Siq とは狭い岩の裂け目を意味する 頭上にせり出した崖の高さは 60 100m 狭く薄暗いシークの全長は約2Km まさに天然の要塞 ペ トラを都としたナバテア人は元来 北 アラビアを起源とする遊牧民族であり 羊の放牧や盗賊稼業 貿易などを行い ながら 当時エドム人が居住していたペトラを拠 点に生活していた 紀元前2世紀頃になるとシルクロードの通商上の

More information

<91E582A282C882E9836F D839382CC90B391CC82F08CA98BC982DF82E92E6169>

<91E582A282C882E9836F D839382CC90B391CC82F08CA98BC982DF82E92E6169> 大バビロン の正体を見極めるには改めて その関連記述全体を検証してみる必要があります 一見すると, 大娼婦なる大バビロンという一つのことについて書かれているようですが 注意深く読むと 大娼婦 と 大バビロン という二つの関連したものについての描写であることが分かります まず 端的に分かるのは両者の座っている場所の違いです これを最初に比較してみましょう ( 啓示 17:1 2) また, 七つの鉢を持つ七人のみ使いの一人が来て,

More information

人間科学部専攻科目 スポーツ行政学 の一部において オリンピックに関する講義を行った 我が国の体育 スポーツ行政の仕組みとスポーツ振興施策について スポーツ基本法 や スポーツ基本計画 等をもとに理解を深めるとともに 国民のスポーツ実施状況やスポーツ施設の現状等についてスポーツ行政の在り方について理

人間科学部専攻科目 スポーツ行政学 の一部において オリンピックに関する講義を行った 我が国の体育 スポーツ行政の仕組みとスポーツ振興施策について スポーツ基本法 や スポーツ基本計画 等をもとに理解を深めるとともに 国民のスポーツ実施状況やスポーツ施設の現状等についてスポーツ行政の在り方について理 人間科学部専攻科目 スポーツ学概論 の一部において オリンピックに関する講義を行った スポーツを振興する産業やスポーツを通じた人間の教育に関する多領域の基本的知識を身に付けることが到達目標です 1 人間科学部専攻科目 スポーツ学概論 におけるオリンピック教育 活動期間 : 2015 年度前期 ( うち 1 コマ ) 参加者数 : 27 人 人間科学部専攻科目 スポーツ競技 Ⅱ の一部において オリンピックに関する講義を行った

More information

Microsoft Word - D-3

Microsoft Word - D-3 3. グノーシス - 古代キリスト教の異端思想 著者 : 筒井賢治 発行 :2004 年 発行所 : 講談社 講談社選書メチエ 1500 円 著者は 1965 年生まれ 東京大学大学院修士課程 ( 西洋古典学 ) 修了後 ドイツ マインツ大学第三文献部にて学位 ( 古典文献学 ) 取得 専門は古典ギリシャ語 ラテン語の各種文献研究 2013 年現在 東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻 准教授

More information

2012 年 7 月 1 日 ( 日 ) 2 日 ( 月 ) 17 回目 Ⅴ-020~021 バプテスマのヨハネの登場 バプテスマのヨハネの登場 ルカ 3:1~2 マコ 1:2~6 1. はじめに (1) 文脈の確認 1バプテスマのヨハネの誕生 2イエスの誕生 3イエスの幼少期 (2) 今日の箇所は

2012 年 7 月 1 日 ( 日 ) 2 日 ( 月 ) 17 回目 Ⅴ-020~021 バプテスマのヨハネの登場 バプテスマのヨハネの登場 ルカ 3:1~2 マコ 1:2~6 1. はじめに (1) 文脈の確認 1バプテスマのヨハネの誕生 2イエスの誕生 3イエスの幼少期 (2) 今日の箇所は ルカ 3:1~2 マコ 1:2~6 1. はじめに (1) 文脈の確認 1バプテスマのヨハネの誕生 2イエスの誕生 3イエスの幼少期 (2) 今日の箇所は それから約 18 年後のこと 1ヨハネ登場の年代 (A.T. ロバートソンの 20) * マコ 1:1 〇ルカ 3:1~2 2ヨハネの人物像とそのメッセージ ( 21) 〇マコ 1:2~6 * マタ 3:1~6 * ルカ 3:3~6 2. アウトライン

More information

Ⅰ. はじめに 本論では, これまでに引き続きラインホールド ニー バーの思想を取り上げ, 彼の歴史の見方, つまりキリ スト教神学者として歴史をどのように解釈しているか を紹介することにする. ニーバーは, 新約聖書, 特に 注 1) 聖パウロの言葉を基礎にして 恵み を解釈した. ここでは, 初

Ⅰ. はじめに 本論では, これまでに引き続きラインホールド ニー バーの思想を取り上げ, 彼の歴史の見方, つまりキリ スト教神学者として歴史をどのように解釈しているか を紹介することにする. ニーバーは, 新約聖書, 特に 注 1) 聖パウロの言葉を基礎にして 恵み を解釈した. ここでは, 初 名古屋文理大学紀要第 9 号 (2009) キリスト教神学における歴史認識 - ラインホルド ニーバーによるカトリック神学についての 見解 - Views on History in Christian Theology: Reinhold Niebuhr's Perspective about Catholic Theology 佐久間重 Atsushi Sakuma 本論は, ラインホールド ニーバーが彼の著作

More information

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください 課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください 課題研究の進め方 Ⅰ 課題研究の進め方 1 課題研究 のねらい日頃の教育実践を通して研究すべき課題を設定し, その究明を図ることにより, 教員としての資質の向上を図る

More information

それでは身体は どこに帰属するのか 図3のあらわす空間は 身体を出現させる生 成の母胎(matrix)である この空間の実在は 客観の場合のように直接に確かめられるという せた させるであろう ことを通じて また はじめとする社会諸形式を駆使するからではな 示されるのである 身体 世界という名の諸客 観 主観の対合 を この母胎 事象の総体 のなかから 一定の仕方で切りとられたもので いか だとすれば

More information

2017 年 7 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 ) 3 回 御使いに勝る御子 (2) 御使いに勝る御子 (2) ヘブル 2:1~9 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と

2017 年 7 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 ) 3 回 御使いに勝る御子 (2) 御使いに勝る御子 (2) ヘブル 2:1~9 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と 御使いに勝る御子 (2) ヘブル 2:1~9 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と誤った教理に直面し 元の信仰に回帰しようとしていた 3 手紙の内容は牧会的であり 実践的である * 教理的教えの合間に 警告の言葉が挿入句のように出てくる (2) 御使いのテーマが最初に取り上げられていることには

More information

Microsoft Word E1.docx

Microsoft Word E1.docx 東方キリスト教世界とロシア (1) 1. はじめに講義タイトル中の 東方キリスト教 は 本来は 東方正教 と言うべきであるが 正教 という言葉になじみのない人が多いので 便宜上 東方キリスト教 とした 英語では一般的に The Eastern Orthodox Church 東方正教 ( 会 ) と言う Eastern 東方 という言葉が付されているのは カトリックやプロテスタントが西欧で広がったのに対して

More information

(1) 千年王国の最後に サタンが底知れぬ所から再び解き放たれる 1 その理由は 再び人類を試すためである 2 神は 人類がいかに堕落しているかを証明される (2) 千年王国にも罪は存在する 1 千年王国が始まった時点では 未信者は存在しない 2 千年王国では ほぼ理想に近いような生活環境が実現する

(1) 千年王国の最後に サタンが底知れぬ所から再び解き放たれる 1 その理由は 再び人類を試すためである 2 神は 人類がいかに堕落しているかを証明される (2) 千年王国にも罪は存在する 1 千年王国が始まった時点では 未信者は存在しない 2 千年王国では ほぼ理想に近いような生活環境が実現する 白い御座の裁き 黙 20:7~15 1. はじめに (1) これまでの復習 1 大患難時代を扱っているのは 6~18 章 2 再臨を扱っているのは 19 章 3 千年王国を扱っているのは 20 章 *20:1~6 千年王国 *20:7~10 サタンの反乱 *20:11~15 白い御座の裁き 421 章に入ると 新しい天と新しい地が登場する * 黙示 20 章がなければ メシア的王国が永遠の御国だと誤解してしまう

More information

* ダニエル書 3 捕囚期後 (3) * ハガイ書 * ゼカリヤ書 * マラキ書 (5) 預言者たちが語ったメッセージの要約 1 神の主権と聖なるご性質 2 契約の民イスラエルの不従順の罪 3 悔い改めへの招き 4 迫り来る神の裁きと捕囚 5イスラエルの民を攻撃する周辺国への裁き 6 捕囚からのレム

* ダニエル書 3 捕囚期後 (3) * ハガイ書 * ゼカリヤ書 * マラキ書 (5) 預言者たちが語ったメッセージの要約 1 神の主権と聖なるご性質 2 契約の民イスラエルの不従順の罪 3 悔い改めへの招き 4 迫り来る神の裁きと捕囚 5イスラエルの民を攻撃する周辺国への裁き 6 捕囚からのレム 60 分でわかる旧約聖書 (23) イザヤ書 1. はじめに (1) 預言者たちの分類 1 旧約聖書では 預言者の時代はサムエルとともに始まった ( 前 1100 年頃 ) * 祭司たちが堕落した時代に 神は預言者を起こされた 2 預言書を書いた預言者たち (the writing prophets) は 王国が南北に分裂して以降に登場した ( 前 930 年頃 ) 3バビロン捕囚から帰還して以降

More information

5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論

5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論 5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論の育成を教育展開の柱にすえている すなわち 総合的な教養を備えた幅広い職業人を養成することによって社会貢献を果たすことが教育の目的である

More information

牧会の祈り

牧会の祈り 2017 年 6 月 11 日 ( 日 ) 朝 10: 10 主の聖霊降臨節第 2 自由交歓会等 6 月第 2 公同主日礼拝式説教 日本アライアンス庄原基督教会 説教題 : 第 7 のラッパ ; 天の大きな徴 ( しるし ) 聖書 : ヨハネの黙示録 15 章 1 節 < 口語訳 > 新約聖書 400~401 頁ヨハネの黙示録 15 章 1 節 < 新共同訳 > 新約聖書 469 頁ヨハネの黙示録

More information

Rev 17:2 地の王たちは この女と不品行を行い 地に住む人々も この女の不品行のぶどう酒に酔ったのです (1) 大淫婦と不品行 1 旧約聖書では 淫婦 は 偽の宗教 を象徴する言葉である 2 淫行 は 偶像礼拝を象徴する言葉である 霊的姦淫である * 通常は 真の神を信じると告白しながら 偶像

Rev 17:2 地の王たちは この女と不品行を行い 地に住む人々も この女の不品行のぶどう酒に酔ったのです (1) 大淫婦と不品行 1 旧約聖書では 淫婦 は 偽の宗教 を象徴する言葉である 2 淫行 は 偶像礼拝を象徴する言葉である 霊的姦淫である * 通常は 真の神を信じると告白しながら 偶像 宗教的バビロンの崩壊 黙 17:1~18 1. はじめに (1) キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている 115 章 ~16 章では 大患難時代後半の 3 年半に起こる出来事が取り上げられた *16 章は 第 7 のラッパの裁きである * 第 7 のラッパの裁き = 7 つの鉢の裁き で 最も激しい裁きである 27 つ鉢の裁きに続く出来事が キリストの再臨である (19 章 ) (2)17 章と

More information

このメッセージは メシアの義とパリサイ人の義について学ぼうとするものである Ⅰ. 真の信仰者の特徴 (5:13~16) 1. 地の塩 (13 節 ) あなたがたは 地の塩です もし塩が塩けをなくしたら 何によって塩けをつけるのでしょう もう何の役にも立たず 外に捨てられて 人々に踏みつけられるだけで

このメッセージは メシアの義とパリサイ人の義について学ぼうとするものである Ⅰ. 真の信仰者の特徴 (5:13~16) 1. 地の塩 (13 節 ) あなたがたは 地の塩です もし塩が塩けをなくしたら 何によって塩けをつけるのでしょう もう何の役にも立たず 外に捨てられて 人々に踏みつけられるだけで 054 マタ 5:13~20 1. はじめに (1) 山上の垂訓の本質 1 山上の垂訓は メシアによる律法解釈 である * パリサイ人は 律法の外面的な服従にこだわった * イエスは 内面的服従と 外面的服従の両方を強調した 2 山上の垂訓は 救いの道を示したものではない 3 山上の垂訓は 現代のクリスチャンに適用すべきものではない (2) 山上の垂訓の構成 *ATロバートソンは 8 つに区分している

More information

h16マスターセンター報告書(神奈川県支部)

h16マスターセンター報告書(神奈川県支部) ( / 36 16 /16 /16 /16 /100 [ ] % [ ] [ ] [ ] [ ][ ] 5 ➀ ➁ ➂ ➀ ➀ ➁ ➀ ➁ ➀ ➀ ➁ ➂ ➀ ➂ ➀ ➁ ➂ ➀ ➁ ➂ ➀ ➂ ➀ ➁ ➂ ➀ ➂ ➀ ➀ ➁ ➂ ➀ ➁ ➂ ➀ ➁ ➂ ➀ ➂ ➀ ➂ ➀ ➁ ➂ ➃ ➀ ➁ ➂ ➀ ➁ ➀

More information

< F2D838F815B834E B B>

< F2D838F815B834E B B> ワークシート ディベートは こうていがわひていがわ肯定側と否定側に分かれて行う 討論ゲーム です ディベートの様子をビデオで見てみましょう ディベートをすると 筋道を立てて考えることわかりやすく話すこと相手の話をしっかり聴くことよくメモを取ることなどの練習ができます ディベートの討論するテーマを 論題といいます -- これから, みなさんといっしょに ディベート学習 を通して 筋道立てて考える力 (

More information

2017 年 8 月 13 日 ( 日 ) 14 日 ( 月 ) 7 回 第 2 の警告 (2) 第 2 の警告 (2) ヘブル 4:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と誤

2017 年 8 月 13 日 ( 日 ) 14 日 ( 月 ) 7 回 第 2 の警告 (2) 第 2 の警告 (2) ヘブル 4:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と誤 第 2 の警告 (2) ヘブル 4:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と誤った教理に直面し 元の信仰に回帰しようとしていた 3 手紙の内容は牧会的であり 実践的である * 教理的教えの合間に 警告の言葉が挿入句のように出てくる * この箇所は 2 回目の警告である ( 第

More information

2017 年 2 月 21 日 ( 火 ) 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 1. はじめに (1) 預言者たちの中でのエレミヤの位置づけ 1 預言書を書いた預言者 (the writing prophet) * 王国が南北に分裂して以降

2017 年 2 月 21 日 ( 火 ) 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 1. はじめに (1) 預言者たちの中でのエレミヤの位置づけ 1 預言書を書いた預言者 (the writing prophet) * 王国が南北に分裂して以降 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 1. はじめに (1) 預言者たちの中でのエレミヤの位置づけ 1 預言書を書いた預言者 (the writing prophet) * 王国が南北に分裂して以降に登場した ( 前 930 年頃 ) 2 同世代の人たちに 神のことばを伝えた 預言者 である 3 将来起こることを預言した 予言者 である 4エレミヤ書は 大預言書である 5エレミヤは 捕囚期前の預言者である

More information

習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と

習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と 2015 年 11 月 24 日 看護学教育の定義 ( 案 ) に対するパブリックコメントの提出意見と回答 看護学教育制度委員会 2011 年から検討を重ねてきました 看護学教育の定義 について 今年 3 月から 5 月にかけて パブリックコメントを実施し 5 件のご意見を頂きました ご協力いただき ありがとうござい ました 看護学教育制度委員会からの回答と修正した 看護学教育の定義 をお知らせ致します

More information

* ペリシテ人の古代都市ガザは 前 93 年に破壊され 前 57 年に再建された * この道路は ガザの遺跡を通過し 新ガザに至る荒野の道である 5 ピリポは その命令に従順に従った 2.27b~28 節 Act 8:27b すると そこに エチオピヤ人の女王カンダケの高官で 女王の財産全部を管理し

* ペリシテ人の古代都市ガザは 前 93 年に破壊され 前 57 年に再建された * この道路は ガザの遺跡を通過し 新ガザに至る荒野の道である 5 ピリポは その命令に従順に従った 2.27b~28 節 Act 8:27b すると そこに エチオピヤ人の女王カンダケの高官で 女王の財産全部を管理し エチオピア人の宦官の救い 使徒 8:26~40 1. はじめに (1) 伝道者ピリポの奉仕は バウンダリーを越える奉仕であった 1 大きなバウンダリーは サマリヤ人との間にあったものである 2 小さなバウンダリーは エチオピア人の改宗者との間にあったものである (2) 福音は ユダヤ人 サマリヤ人 異邦人へと伝わっていく 1 伝道の主体は 復活のイエスである 2 主イエスは さまざまな方法と人をお用いになる

More information

(2) ケンクレヤにある教会に属していた 1コリントの南東 11 キロのところにある港町 2コリントの東の港としての役割を果たした アジア方面の交易のための港 * 西の港は カイオン 両港の間の距離は 8 キロ 3パウロは 第 2 回伝道旅行でここを訪れている 4 誓願が成就したのを記念して そこで

(2) ケンクレヤにある教会に属していた 1コリントの南東 11 キロのところにある港町 2コリントの東の港としての役割を果たした アジア方面の交易のための港 * 西の港は カイオン 両港の間の距離は 8 キロ 3パウロは 第 2 回伝道旅行でここを訪れている 4 誓願が成就したのを記念して そこで キリストにある同労者たち 1. はじめに (1) 文脈の確認 115:14~16:27 は 結論 の部分である 2 執筆の目的 (15:14~21) 3 パウロの将来の計画 (15:22~33) (2) きょうの箇所は 知人たちへの挨拶である 1 一見 無味乾燥に見える 2 しかし この箇所が持っているインパクトに驚かされた 2. アウトライン (1) フィベ (1~2 節 ) (2) プリスカとアクラ

More information