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1 経済産業省委託事業 平成 29 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 ( 我が国のデータ産業を巡 る事業環境等に関する調査研究 ) 平成 29 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 ( 我が国のデータ産業を巡る事業環境等に関する調査研究 ) 報告書 平成 30 年 3 月 経済産業省 ( 委託先 : みずほ情報総研株式会社 )

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4 目次 第 1 章 本事業の概要 本事業の背景 目的 実施内容... 3 第 2 章 データ産業の市場動向 データ産業の全体構造 データセンターの市場動向 利用状況 データセンターの市場動向 データセンターの利用状況 データセンターの立地等によるデータ産業への影響 クラウドインフラの市場動向 利用状況 クラウドインフラの市場動向 海外ベンダーのクラウドサービスの利用状況 IOT プラットフォームの市場動向 利用状況 データ利活用に関わる規制 ルール等の動向 データローカライゼーションに関わる動向 データポータビリティに関わる動向 データ流通 利活用促進に関する動向 第 3 章国内データ産業の事業環境と方向性案 データセンター 市場環境 我が国データ産業の事業環境等の現状 今後の方向性案 クラウドインフラ 市場環境 我が国データ産業の事業環境等の現状 今後の方向性案 IOT プラットフォーム 市場環境 我が国データ産業の事業環境等の現状

5 3.3 今後の方向性案 中長期的な技術革新等を踏まえた課題や方向性 アーキテクチャの変化への対応 アーキテクチャの変化を踏まえた取組の方向性 データ産業の事業環境整備に向けた方向性案のまとめ 短期的な方向性案 中長期的な方向性案 データ流通 利活用の規制への対応 第 4 章データ利活用基盤のあり方

6 第 1 章本事業の概要 1. 本事業の背景 目的第四次産業革命の進展とともに 資産としてのデータの価値が再認識されて久しい 第四次産業革命における日本の産業の勝ち筋である Connected Industries のあるべき姿の一つは 競争を繰り広げてきた企業間や 異なる産業分野の企業間等 これまで連携が弱かった企業同士が 協調領域におけるデータの共有を進め 効率的なイノベーションに繋げていくことである Connected Industries の実現には データ活用や共有を図るための基盤が不可欠であり 今後 我が国の産業や社会がその基盤の上で築かれることを踏まえれば そのデータ利活用を支える基盤のあり方は 個別の企業 産業を超えて 我が国全体として検討すべき課題である 一方 データ産業の実態については データセンター クラウドインフラ IoT プラットフォームなど 基盤を担う産業が階層別に議論され これら階層別の議論を踏まえたデータ産業全体の事業環境の実態把握や課題整理は十分に行われていない 本調査研究では データ産業を構成するデータセンター クラウドインフラ IoT プラットフォームについて 階層別に市場や利用の状況を調査 整理する また 諸外国では データ活用の重要性とデータ保護等の観点から 流通 立地 保護に関する各種規制を強化する動きも見られることから これらの動向が我が国のデータ産業の事業環境に与える影響等を検討する これらの検討を踏まえ 事業環境整備の方向性や中長期的に我が国が取るべき施策等について検討を行うことを目的とする 2. 実施内容 本事業では 下記 (1)~(3) の項目を実施した (1) データ産業の市場動向に関する調査データ利活用を支える産業の実態について データセンター クラウドインフラ (IaaS PaaS 等 ) IoT プラットフォーム (PaaS SaaS) 等を対象とし ベンダー企業及びユーザー企業のそれぞれの観点で調査を行い 市場の現状を整理する また データ利活用に関する規制 ルールや流通促進等の動向を整理し データ産業に与える影響等を整理する (2) 国内データ産業の事業環境と方向性案の検討 (1) で調査した市場動向を踏まえ 我が国データ産業の事業環境の実態を整理し 今後 取り得る施策の方向性案を整理する 3

7 第 2 章データ産業の市場動向 1. データ産業の全体構造データの集積と戦略的な活用が多くの企業や産業の競争力の要となる中で データの保全や円滑な利活用を実現するための基盤がきわめて重要なものとなりつつある そのデータ活用の基盤を担う産業 ( 報告書中ではデータ産業と称す ) は 図 2-1 に示すように L0~ L3 に階層化された構造を持つ 具体的には データが流通する無線 有線ネットワークやデータセンター間を結ぶ国内 国際海底ケーブル等のネットワーク (L0) データセンター (L1) クラウドインフラ(IaaS PaaS 等 )( L2) IoT プラットフォーム (PaaS SaaS) 等 (L3) から構成され データの利活用の進展に伴い 各階層での競争が起っている そのため データ活用基盤を一括りした検討ではなく 各層別に実態等を整理 分析する必要がある 本調査研究では データ利活用基盤の階層 ( データ産業の階層 ) を踏まえた上で 各階層別のデータ産業の動向や国内ユーザー企業のプラットフォーム等の活用動向等を調査し 我が国における各階層別の基盤のあり方や中長期的に我が国がとるべき方向性を検討した また データ流通や保全 保護等に係るルールの影響 ( 図 2-1 の R) が指摘されていることから 本調査研究では 各階層でのデータ産業の事業環境の検討に加えて データ流通や保全 保護等に係るルールに関する最新動向を調査整理し その影響等を検討した D: データ ( ビッグデータ等 ) D: データ ( ビッグデータ等 ) D: データ ( ビッグデータ等 ) D: データ ( ビッグデータ等 ) D: データ ( ビッグデータ等 ) D: データ ( ビッグデータ等 ) D: データ ( ビッグデータ等 ) D: データ ( ビッグデータ等 ) D: データ ( ビッグデータ等 ) D: 共有データ 事業セクター 事業 A 事業 B 事業 C D: 共有データ 事業セクター 事業 A 事業 B 事業 C D: 共有データ 事業セクター ( バックオフィス系 ) 事業 A 事業 B 事業 C アプリケーション ( 製造業等向けのプラント運転管理や予知保全 バックオフィス向けの販売支援 マーケティング分析など ) L3:IoT 等データプラットフォーム ( 第三者が提供する PaaS) L2-A: クラウドインフラ事業者が提供する PaaS( データベース データウェアハウス ETL 学習済み AI 機械学習 IoT など ) L2-B: クラウドインフラ (IaaS など ) L1: データセンター L0: ネットワーク R: データ種に基づく データ流通 保全 保護 ( ローカライゼーション等 ) など 図 2-1 データ産業の階層構造 4

8 2. データセンターの市場動向 利用状況データセンターとは 一般にインターネット用のサーバーやデータ通信 固定 携帯 IP 電話などの装置を設置 運用することを目的とした施設の総称を指す クラウドサービスやビッグデータ活用 IoT(Internet of Things) AI(Artificial Intelligence) など 企業におけるデジタル技術のビジネス活用が進む中 それを支える基盤であるデータセンターの重要性は非常に高まっている 本節では データ活用を支える基盤であるデータセンターの市場動向を示した上で 特に海外に立地するデータセンターの利用状況等を示す 2.1 データセンターの市場動向 世界市場世界人口や通信可能なデバイス数の増加に伴い グローバルに生成されるデータ量は 2025 年に 163ZB( ゼタバイト ) と 2016 年比で約 10 倍の規模に達すると予想されている 年には 図 2-2 のとおり世界中で発生するデータセンターの IP トラフィックが約 2.06ZB と 2016 年比で約 3 倍の規模に達すると予想され 急増するデータを保管 処理する機能を担うデータセンターの需要は今後も一層高まると見込まれる (EB/ 年 ) * 2023* 2024* 2025* 2026* 2027* 2028* 2029* 2030* 図 2-2 データセンタートラフィック ( 出所 )Cisco Global Cloud Index: Forecast and Methodology 2 よりみずほ情報総研作成 データセンターに保存される実データ量も急増する見込みである Cisco によると 世界 1 IDC Data Age 2025 study ( 2017) 年は Global Cloud Index 年 ~2021 年は Global Cloud Index より引用 2022 年 以降は みずほ情報総研推計 5

9 のデータセンターに保存される実データ量は 2021 年に 1,300EB と 2016 年比で約 4.6 倍 の規模に達すると見込まれる ( 図 2-3) (EB/ 年 ) * 2023* 2024* 2025* 2026* 2027* 2028* 2029* 2030* 図 2-3 世界のデータセンターに保存される実データ量 ( 出所 )Cisco Global Cloud Index: Forecast and Methodology 3 よりみずほ情報総研作成 データセンターの利用の拡大に合わせ データセンター市場の伸長も予想されている IHS Technology の調査によると 2014 年から 2020 年に向けて 世界のデータセンター市場は約 178 億ドルから約 275 億ドルと 1.5 倍程度に伸長する見込みである 地域別にみると北南米が最大市場であり 2014 年に 86.3 億ドル 2020 年に 億ドルである その後 アジアが 2014 年に 50.3 億ドル 2020 年に 83.5 億ドル 欧州 中東 アフリカが同 41.2 億ドル 同 51.6 億ドルと続く ( 図 2-4) 年は Global Cloud Index 年 ~2021 年は Global Cloud Index より引用 2022 年以降は みずほ情報総研推計 6

10 ( 億ドル ) 北南米欧州 中東 アフリカアジア 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 図 2-4 地域別のデータセンター市場の売上高の推移 ( 出所 )IHS Technology 国内市場 国内のデータセンターに保存される実データ量は 海外同様 生成されるデータ量やデ ータトラフィックの増加に応じて指数関数的に増加する見込みである ( 図 2-5) (EB/ 年 ) 図 2-5 国内データセンターに保存される実データ量 5 ( 出所 )Cisco Global Cloud Index: Forecast and Methodology 等よりみずほ情報総研作成 4 総務省 平成 29 年版情報通信白書 (2017) より引用 5 世界のデータセンターに保存される実データ量 ( 図 2-3) に対して 世界のトラフィックに占める日本のトラフィックの比率を乗じて算出 日本のトラフィック量は総務省 第 2 回将来のネットワークインフラに関する研究会 (2017) 資料における上位シナリオを参考にした 7

11 民間市場会社 6 の調査によると 国内のデータセンター市場は右肩上がりで増加し 2020 年度には 2 兆 2,920 億円と 2015 年度比で約 1.3 倍の規模に達する見込みである ( 億円 ) 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5, 年度 ( 実績 ) 2017 年度 ( 見込 ) 2018 年度 ( 予測 ) 2019 年度 ( 予測 ) 2020 年度 ( 予測 ) 2021 年度 ( 予測 ) 図 2-6 国内のデータセンター市場規模 ( 出所 ) 富士キメラ総研 データセンタービジネス市場調査総覧 2017 年版 データセンターの市場伸長を牽引する要素として クラウドサービスの普及のほか IoT や AI FinTech などのデジタルに対する企業側の取組の進展が挙げられている 同調査によると IoT デバイスで生成されるデータの収集 蓄積 分析に関わるデータセンタービジネスの需要は 現状は実証実験段階である IoT 活用の本格普及に合わせて拡大する見通しである また AI 関連のデータセンタービジネスの需要も拡大する 従来の業務システム等で利用しているコンピュータよりも高い演算処理能力が必要となり 企業の保有するコンピュータでは処理能力が不足し データセンターがそれを支える役割を担う FinTech 関連のデータセンタービジネス需要も今後拡大する見通しである 一方 データセンターのラック数は 2020 年度に 38 万 3,700 台と 2015 年度比で約 1.06 倍と微増する見込みである なお データセンターでは 小型で高性能な機器を限られたスペース ( ラック ) 内に効率よく設置する高密度化が進んでいるほか 国内データセンターのキャパシティには一定の余剰があることから データ量の増加やデータセンター市場の伸長とラック数の増加は比例していない しかしながら データ量は 2021 年度以降も指数関数的に増加する見通しであり また データセンターの新設には 3~5 年程度かかることから 将来的に国内のデータセンターの供給能力が不足する可能性がある 新たなデジタルビジネスに対応したデータセンターの設置も進んでいる 我が国では データセンターの都市圏 ( 特に東京への ) 一極集中による災害対策や事業継続計画の観点から地方へのデータセンターの設置が進められてきたが 昨今は冷却コストを安価に抑え 6 富士キメラ総研 データセンタービジネス市場調査総覧 2017 年版 8

12 られる地方において AI ディープラーニングなどの高度な演算処理など 新たな需要に 対応したデータセンターの設置等が進んでいる 表 2-1 AI やディープラーニング向けのデータセンターの新設 企業名設置地域特徴 さくらインターネットデータドック IDC フロンティア 北海道石狩市新潟県長岡市福島県白河市 北海道石狩市の冷涼な気候により冷房コストを大幅に削減 AI や機械学習 深層学習 ( ディープラーニング ) 画像認識 映像レンダリング データ解析 高精度シミュレーション等高度な演算処理用途向けのサービス 高火力コンピューティング の GPU サーバーを設置 運用 AI やビッグデータ処理の需要に対応した高集積サーバー ストレージの収容に対応する GPU やハイパフォーマンスコンピューティング等の高い処理能力に対応するインフラを提供しながらも 豪雪地帯ならでは特徴を生かして省エネ性を実現 冷涼な気候を生かした最新の外気空調方式と水冷空調方式を組み合わせることで 省エネ性を実現 Yahoo! JAPAN が開発したスーパーコンピュータ kukai も運用されている また AI/ ディープラーニング専用棟の設置を計画 ( 出所 ) 各社公表情報よりみずほ情報総研作成 AI やディープラーニングの活用で先行する企業では 高度な演算処理機能を備えたデータセンターの設置や活用を進める動きが見られる 例えば AI やディープラーニングの研究開発を行う Preferred Networks は 自動運転技術やがん診断等の高度な演算処理を行うための基盤として 研究開発用のプライベート スーパーコンピュータを設置 活用している このプライベート スーパーコンピュータは NVIDIA 製の GPU Tesla P100 GPU を 1,024 基搭載し 理論上のピーク性能は 4.7PFLOPS 7 ( ペタフロップス ) と国内最大級の計算環境を有する 同環境は NTT コミュニケーションズが保有するマルチノード技術 8 を活かして構築され 運用されている 7 コンピュータの処理性能を表す単位の一つであり 1PFLOPS は浮動小数点演算を 秒間 1,000 兆回計算を行うことを表す 8 複数のサーバーをあたかも仮想的に 1 台の大規模サーバーに見立て 高速計算をさせる PFN 独自の技術 (ChainerMN) を活用するためのプラットフォーム 9

13 2.2 データセンターの利用状況データセンターの利用状況については 二つの観点で整理する 一つ目は データセンターの立地に関するもので 提供されているサービスを支えるデータセンターが日本国内に立地しているのか 海外に立地しているのか という観点である 二つ目はサービスを提供する事業者に関するもので 国内に立地したとしてもデータセンターを提供している主体が国内企業なのか 海外企業なのか という観点である 本節では これら二つの観点に基づき データセンターの利用状況を示す データセンターの立地データセンターの立地について 現状はグローバル化が進む一部の企業を除き 国内立地のデータセンターを利用している状況にある 本調査研究においてユーザー企業等に対して実施したヒアリング調査では 海外の法制度の影響など海外立地の リスク 低遅延性等 競争力 その他に 情緒的 な観点で国内立地のデータセンター利用を選択しているといった意見が得られた 10

14 表 2-2 データセンターの立地に関するヒアリング調査の結果観点得られた意見リスク 捜査 押収などに伴うリスクやクラウド提供ベンダーの倒産リスクは 国内でも十分起こり得るものであり 海外サービスに限ったリスクではない この点に関して 海外と国内のリスクの水準は ほとんど変わらない (A 社 ) 立地等の個別具体的な事情があればリスクを検討することもある (A 社 ) パトリオット法等の法的リスクは残存する (B 社 ) 海外の規制 法律等 今後どのように動くか読めないリスクがあるため現時点ではコストが 1 割 2 割高くとも国内に保存する方が良い (B 社 ) データが重要な時代に データの保存先が国外であるという状況は 安全保障的な観点から検討を行うことが重要 (D 社 ) 国によってはサーバーごと押さえられる可能性もあり 国の法規制によるリスクは残存する 価格の高騰や暴動リスク等も含め企業の BCP として考えるべき問題 (E 社 ) 競争力 ビジネス上のメリット / デメリットを考えると 規制の有無にかかわらず データの保存先は国内がよいという判断になるのではないか (A 社 ) 即時性が求められる証券業界などでは 証券取引所に ( 物理的に ) 近い場所にシステムを置くかという競争が行われており 海外選択の余地はない (A 社 ) 海外リージョン利用の最大のメリットはコスト 日本よりも 2 割程度安価なリージョンもある (B 社 ) レイテンシー等の要因から海外クラウドサービスの東京リージョンを選択している (C 社 ) 東京リージョンが無かったとすると 海外へのダイレクトコネクトにかかるコストから海外クラウドサービスを利用していなかったかもしれない (C 社 ) 大容量のデータは 蓄積されてしまうと容易に移行できるものではない (D 社 ) 大容量のデータを処理するコストという観点では 米国のデータセンターの方が日本のデータセンターよりも 圧倒的に優位にある (D 社 ) 日本のデータセンターの料金は相対的に見ると並程度である そのため 日本のユーザーが利用するデータセンターとして あえて海外を選ぶほどのメリットがない (E 社 ) その他 情緒的な観点で国内を志向する企業も多い (E 社 ) ( 出所 ) 各社ヒアリングよりみずほ情報総研作成 上述のとおり 国内立地のデータセンターを利用する企業が多くを占め 国内企業の海 外立地のデータセンターの利用は進んでいないと考えられる また こうした需要に対応 11

15 するため グローバルにクラウドサービスを提供する米国等企業においても 国内企業 ( 及 びアジア ) 向けサービスの基盤として日本におけるデータセンターの立地が進められてい る 表 2-3 海外事業者による国内へのデータセンターの設置動向 企業 Amazon Google Microsoft Salesforce IBM Equinix Digital Realty 取組 東京リージョンに 3 つのアベイラビリティゾーン (1 つ以上の独立したデータセンターで構成 ) を配置している これらのデータセンターは データセンター事業者からサーバーの設置場所を借りる形態と自社センターを保有する形態を併用している 2018 年には エッジロケーションとして大阪拠点が開設される予定である 2016 年に Google Cloud Platform 東京リージョンを開設 東京リージョンでは 3 つのゾーン (1 つ以上の独立したデータセンターで構成 ) を配置している これらのデータセンターは データセンター事業者からサーバーの設置場所を借りて運用されている Google は KDDI 他 6 者と協同で 世界最大規模 60Tbps の日米間光海底ケーブル FASTER を整備し 自社のデータセンターに接続し 低遅延性や高セキュリティを実現している ( 三重県志摩市と千葉県南房総市の 2 ヶ所で陸揚げ ) 東日本リージョンと西日本リージョンの 3 ヶ所を開設している データセンター事業者から国内のサーバーの設置場所を借りて 運用している 2011 年 12 月に NTT コミュニケーションズのデータセンター ( 東京 ) 内に 国内初のデータセンターを開設した 2017 年 4 月には NEC が 2016 年に開設した NEC 神戸データセンター内に国内 2 箇所のデータセンターを設置 神戸データセンターの開設により 国内の顧客はすべてのデータを国内に保管することが可能となっている 現在は 東京と神戸の 2 ヶ所で運用している なお 神戸は日本に限らずアジア圏の顧客にサービス提供を行う拠点となっている IBM Cloud Infrastructure のデータセンターを東京に設置し 運用している 国内に 11 ヶ所 ( 東京 10 大阪 1) のデータセンターを運用している 2018 年には千葉県印西市の土地約 1 万 8,000 m2を取得すると報じられた Digital Realty Trust は 2017 年 5 月に国内初となる第一大阪データセンター ( 大阪府北摂地域 ) を開設 運用している 大型施設となる 2 棟目を建設するために隣接用地を取得したと発表している ( 出所 ) 各社公表情報よりみずほ情報総研作成 12

16 一方で グローバル展開を進める一部企業において 日本ではなく海外立地のデータセンターに移行する事例も見られる 例えば ソニーでは 2000 年頃より世界のデータセンターの集約を進め 2012 年には日本を含むアジア地域にある同社のサーバーがシンガポールのデータセンターに集約されたという 9 また 今後 AI 等の利用時には コスト上昇が上述した国内立地のデータセンター利用のメリットを上回る恐れがあり 海外データセンターの利用が進む可能性があり 一部のデータ活用を先行する企業では 米国にデータセンターを設置するなどの動きが見られる 海外企業の提供するデータセンターの利用状況 10 民間調査会社によると 我が国のデータセンタービジネス市場に占める海外企業の割合は小さく 同調査において調査対象とした主なデータセンター事業者 (29 社 売上高合計 12,327.7 億円 ) のうち約 98% を日本企業が占めている 現時点では 海外企業が提供するデータセンターの利用は進んでおらず 短期的に変化するとは考えにくい 他方 昨今 海外企業における国内向けのデータセンタービジネスへの参入が進んでいる点が注目される Equinix は 2002 年に日本法人を設立したグローバルに展開するデータセンター専門事業者である 日本はデータセンターへの投資が活発な地域となっており 2016 年にはビットアイルを買収し データセンター事業を拡大させたほか 2018 年 2 月には千葉県印西市の土地 1 万 8,000 m2を取得したと報道 11 された 同社の最新のミッションは企業のデジタルトランスフォーメーションの支援であり クラウドサービスを自ら提供するのではなく パートナー各社にそれぞれの分野での強みを持ち寄ってもらうマーケットプレースの仕組みを導入しているほか データセンター間の接続に関する支援を行っている 特に IoT や AI 等の新たなデジタル活用向けに 任意のユーザーのサーバーとデータセンター内にある他のユーザーのシステムを相互接続するクロスコネクトを提供し 新たな付加価値を生み出すエコシステムの構築を推進している クロスコネクトを用いることで クラウドベンダーの IoT や人工知能 Fintech に関するサービスをセキュアに利用できるとしている データセンター施設の開発や運用に特化した不動産投資信託 (REIT) である Digital Realty は 2017 年 5 月に 日本で最初のデータセンターを大阪府北摂地域に開設した 同データセンターの床面積は約 8,600 m2と中規模の施設であるが 開設時点で複数のクラウドベンダーと契約し 完売状態であるという さらに 大阪において大型の施設となる 2 棟目の建設に向けて約 18,000 m2の隣接用地を取得したと発表している また 2017 年 10 月には データセンター運営会社を三菱商事と合弁で設立している 今後 データセンターの新規開発や既存データセンター物件の取り込み等を通じて 2022 年には運営資産を現在の 5 倍 9 日経 XTECH 世界最適のシステム 立地 戦略日本を去る ソニーの決断 (2012) 等 10 富士キメラ総研 データセンタービジネス市場調査総覧 2017 年版 11 建設通信新聞 (2018 年 3 月 5 日 4 面 ) 13

17 の 2,000 億に拡大する計画と発表するなど 日本における市場拡大を強力に進める予定である Equinix のデータセンターの新設や国内向けサービスの強化 Digital Realty の日本進出など海外企業によるデータセンターサービスの提供拡大により 中長期的には国内に立地された海外企業によるデータセンターの利用が拡大する可能性がある 14

18 2.3 データセンターの立地等によるデータ産業への影響 海外に立地するデータセンターを利用する際に留意すべき海外政府権限の影響海外立地のデータセンター利用時に 一部の国においては データセンターが保存する情報にアクセスする権限を有するため これら当局の捜査による機器やデータの押収 それに伴うデータセンターの機能停止等のリスクは残存する こうした権限は 主に国家安全保障等を目的に施行されるため 一般的な民間企業が利用する場合のリスクの蓋然性は低いほか 海外のみならず日本でも捜査や機器 データの 12 押収は起こりうるとの意見もある 海外立地のデータセンターを利用する際には 海外の政府権限等のリスクを整理した上で 取り得るリスクかどうかの判断が求められる 表 2-4 海外政府権限の影響例 国法規制概要 米国 英国 米国自由法 (USA FREEDOM Act) 調査権限法 (Investigatory Powers Act 2016) スノーデン事件で注目された NSA による通信監視活動への世論 国際的な批判等により 2015 年に米国愛国者法 (US PATRIOT Act) に代わり同法が成立した 政府がデータセンターの情報の開示を強制したい場合 多くの場合において政府に対して裁判所が正式に発行する令状または命令書を取得することを要求している 米国では 2009 年にデータセンター事業者への捜査により データセンターの機能が停止したという事案が起こっている 2016 年 11 月に成立した法律 令状をもとに通信傍受 機器干渉 コミュニケーションデータ取得に関する捜査を可能とするもので プライバシー侵害の懸念が成立前から問題視されていた 同法には Facebook Google Twitter Microsoft Yahoo などの IT 企業が反対の姿勢を示している 欧州司法裁判所は 2016 年 12 月 21 日に 同法が厳密な必要性から逸脱しており 市民のプライバシーの侵害にあたり違法である との判断を示し データ収集と監視は重大犯罪に限定すべきとした 12 ヒアリング調査結果より 15

19 国 法規制 概要 中国 サイバーセキュリティ法 ( 中華人民共和国網絡安全法 ) 同法の対象事業者は中国国内の 情報ネットワーク運営者 13 さらに一定の要件を満たす者は 重要情報インフラ運の 14 営者 に分類され より重い義務を課されることになる 中国で収集 生成された国民の個人情報及び重要データについて 国内で保管することを重要インフラ運営者に要求している ( 第 37 条 ) 個人情報については 同法第 76 条において 電子データその他の方式により記録され 単独またはその他の情報と組み合わせて自然人の個人身分を識別することができる各種情報をいう これには 自然人の氏名 生年月日 身分証番号 個人の生体識別情報 住所 電話番号等を含むが これらに限らない とされている 重要データという用語は同法において定義されていない 当局から捜査協力を求められた場合には 暗号化されたデータの復元を求められたり データを差し押さえられる可能性や ネットワーク通信自体を制限される可能性もあると指摘されている ( 出所 ) 公表情報よりみずほ情報総研作成 また 米国企業が国内に保存しているデータに対して 米国当局の捜査権限の及ぶ地理的範囲について係争が行われている 本係争の結果によっては データセンターの立地だけではなく 運営主体の企業が拠点を置く国の影響も受ける可能性がある 例えば 米国に支店を持つ日本企業に対して 米国当局から同社が保有する国内立地のデータセンターに捜査権限が及ぶ可能性がある 1 Microsoft の事案 (2013 年 12 月より係争中 ) Microsoft が米国外のアイルランドのデータセンターに保存している個人ユーザーの電子メールについて 米国連邦捜査局 (FBI) が薬物捜査の一環として 捜査令状に基づきデータの提出を要請し Microsoft はこの要請に対して提訴している 13 情報ネットワーク運営者とは 情報ネットワークの所有者 管理者およびネットサービス提供者 を指し 通信回線やインターネットに限定されず幅広く情報システム全般を含んでいると考えられる 14 重要情報インフラ運営者とは 公共通信 情報サービス エネルギー 交通 水利 金融 公共サービス 電子政務等の重要分野に加え 機能停止やデータ漏えい等により国の安全 人民の生活 公共利益に重大な危険をもたらす可能性があるインフラの運営者という抽象的な定義がなされている 16

20 表 2-5 Microsoft の事案時期動向 2013 年 12 月 アイルランド ( 米国外 ) のデータセンターに保存している個人ユーザーの電子メールについて 米国連邦捜査局 (FBI) が 薬物捜査の一環として捜査令状に基づき提出を要請 Microsoft はこの要請に抵抗して提訴 2014 年 7 月 米連邦地方裁判所が Microsoft の主張を退ける判決を発表 ( 第一審 ) 裁判所側の見解 : 捜査令状は データの保存場所にかかわらず Microsoft が管理しているあらゆるデータの開示を求めている 問題は管理者であり 場所ではない 捜査当局の見解 : 電子メールは( 個人的な会話ではなく ) 業務上の記録と同じで 米国外に保存されていても米当局の権限が通用する 2014 年 8 月 Microsoft はマンハッタンの連邦控訴裁判所に令状の差し止めを求め控訴 米電子フロンティア財団 (EFF) のほか 米ベライゾン コミュニケーションズ 米 AT&T 米 Apple 米 Cisco Systems などが Microsoft を支持する意見書を提出 2016 年 7 月 米連邦控訴裁判所が Microsoft の訴えを認め 米国外のデータセンターにあるデータに対しては 米国の捜査令状による捜査権は及ばないという判決を下す ( 第二審 ) 2017 年 10 月 米司法省が米国連邦最高裁判所に上訴 ( 最終審 ) 現在 米国最高裁の判断待ちの状況であり 米国外のデータセンターのデータ差し押さえについては 最終的な司法判断は下されていない状況 2018 年 6 月末までに判断がなされる見通し 2017 年 12 月 欧州委員会が Microsoft 事案について 米連邦最高裁判所への法廷助言書提出を決定 Microsoft が EU 域内 ( アイルランド ) から米国に個人情報を転送することになると EU のデータ保護指令に違反するとし EU のデータ保護指令を正しく理解した上で判断を下すことが EU の利益につながるとしている なお 法廷助言書では Microsoft 米政府のいずれかを支持するものではないとしている ( 出所 ) 公表情報よりみずほ情報総研作成 17

21 2 Google の事案 (2016 年 8 月より係争中 ) Google に対して 犯罪捜査に関連する Google アカウントのデータ ( メール 22 件 ) を米国連邦捜査局 (FBI) へ開示するよう求める捜査令状が発行され Google は 米国内のサーバーに保存されたデータのみを開示し 米国外に保存されたデータについては開示を拒否し 現在係争中である 表 2-6 Google の事案時期動向 2016 年 8 月 Google に対して 犯罪捜査に関連する Google アカウントのデータ ( メール 22 件 ) を米国連邦捜査局 (FBI) へ開示するよう求める捜査令状が発行される Google は 米国内のサーバーに保存されたデータのみを開示し 米国外に保存されたデータについては開示を拒否 2017 年 2 月 フィラデルフィア地方裁判所は FBI が国内の不正事件を捜査するために 電子メールのデータを海外サーバーから FBI に転送することは アカウント所持者の持つデータの占有権の意図的な侵害には当たらず 押収には該当しないと判断 2017 年 8 月 控訴裁判所でもフィラデルフィア地裁と同じ判決が下る 2017 年 9 月 上の判決を受けた Google は 裁判所からの命令を 1 カ月にわたって無視 これを受けて 米司法省が Google に対する制裁 ( 罰金 ) を行う意向を発表 ( 出所 ) 公表情報よりみずほ情報総研作成 データセンターの設計 構築 運用等に関する技術や人材データセンターのインフラの仮想化 自動化 サービス化が進み それを設計 構築 運用する人材には 多様なスキルが必要となっている Cisco は 近年のデータセンターの進化に対応した人材が保有すべきスキルとして 以下のような広範なスキルを挙げている 15 アプリケーション中心のインフラストラクチャ 自動化 クラウド統合 コンバージド及びハイパーコンバージドインフラストラクチャ ネットワークエンジニアリング ポリシー駆動型インフラストラクチャ 15 CISCO ASAP データセンターの人材 (2017) 18

22 セキュリティ ソフトウェア定義型データセンター ソフトウェア定義型ネットワーキング 仮想化最新のデータセンターサービスを提供するためには これらのノウハウを持つ人材が不可欠となる データセンターが国内に立地し データセンターの進化も踏まえたサービス提供を行うためには それを実現する人材が必要となり 人材需要の高まりに応じて これらのノウハウを持つ人材がデータセンターの運用等を通じて育成 あるいは 大学等から供給される 一方 国内にデータセンターが不在となった場合 データセンターは海外で建設 運用されることになり 海外での人材確保 育成が大半を占め 国内で人材育成を進める推進力が低下する恐れもある Google によるベルギーへのデータセンターの開設に伴う経済効果の分析 16 によると データセンターの立地に伴う波及効果として Google の技術 運用 管理に関するノウハウが Google のデータセンターで働くベルギーの労働者の能力向上につながり ベルギー国内に一定の波及効果をもたらすと評価している データ活用にかかる新産業創出機会人 モノ カネに加えて情報 ( データ ) は重要な経営資源である データが集積する場所 ( 立地 ) にデータ活用産業が生まれるとの指摘もある 一方 昨今の高速通信網で接続された情報社会においては 低遅延性が要求される用途等以外の通常のデータ活用では データが近傍に保存される必要はなく 自らがデータをコントロールできることが重要であり データ活用ビジネスの創出や振興に関してデータを格納したサーバーが国内に集積している必然性は低いとの意見もある データセンターの誘致を図るシンガポールでは 前者の立場をとり データが爆発的に増える将来を見据え シンガポールを大量のデータを分析するビジネスの中心地にするために大量のデータを管理できる施設が不可欠と考え データセンターの誘致を積極的に行っている 少なくとも質の高いデータセンターが不在となった場合 我が国の大手企業も含め 各国の IT 企業等の誘致などの機会を損失させるリスクは残存する IT 産業の海外流出は 周辺産業へも悪影響を招く可能性がある 16 Copen Hagen Economics The economic impact of Google s data centre in Belgium ( 2015) 19

23 3. クラウドインフラの市場動向 利用状況 本節では 我が国におけるクラウドインフラの市場動向やユーザー企業による利用状況 について整理する 3.1 クラウドインフラの市場動向 IoT や AI の進展等により 世界のデータトラフィックの増加とともに データセンターに保存されるデータの量も指数関数的に増加すると予想される ( 図 2-3) このうち 保存されるデータ量は 図 2-7 のとおり クラウド用途で急増すると見込まれる (EB) 25,000 20,000 15,000 10,000 5, 図 2-7 世界のクラウドデータセンターに保存されるデータ量 17 ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 我が国においてもクラウドサービスの利用は進み 2017 年には約 54.2% の企業がクラウ ドサービスを利用している ( 図 2-8) クラウドサービスの利用は SaaS が中心であるが PaaS や IaaS の利用についても拡大傾向にある 17 Cisco Global Cloud Index: Forecast and Methodology 及び各種公表情報をもとにみずほ情報総研推計 20

24 60% 54.2% 50% 40% 35.1% 30% 28.2% 21.8% 20% 16.0% 10% 6.6% 7.1% 8.4% 7.6% 9.7% 0% 図 2-8 日本におけるクラウドサービスの利用率 ( 出所 ) 経済産業省 情報処理実態調査 従来 セキュリティを重視する企業は 自社の占有環境で利用できるプライベートクラウドを利用するケースが多い傾向にあったが パブリッククラウドに対するセキュリティリスクの明確化やサービス 機能の拡充が進んだことで 多くの企業がパブリッククラウドの利用を検討 進めている 表 2-7 パブリッククラウド活用企業の例 事業者 Amazon Microsoft Google NTT コミュニケーションズさくらインターネット富士通 活用企業 日本通運 丸紅 あきんどスシロー 旭硝子 コーセー レコチョク 三菱東京 UFJ 銀行 住友化学 千代田化工建設 フジテック ソニー銀行 など トヨタ自動車 本田技研工業 第一生命保険 フジテレビ ローソン セブン銀行 小松 クボタ ブリヂストン 三菱日立パワーシステムズ など 日本生命保険 リクルートライフスタイル メルカリ セブン & アイ ネットメディア IDOM など NTT ドコモ NTT 空間情報 フジテック ポケモン コガソフトウェア エーピーコミュニケーションズ など 国立遺伝学研究所 国立情報学研究所 パソナグループ ALiNK インターネット YK STORES など 伊藤忠エネクス パナソニック ( コネクティッドソリューションズ社 ) メタウォーター ナブアシスト など ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 21

25 クラウドサービスの適用範囲は拡大しつつあり 社内システムの多くをパブリッククラウド上に移行する企業も増加している 競争力の高いクラウドサービスを利用することが ユーザー企業の競争力に直結する状況になっている 例えばソニー銀行では セキュリティ面およびシステムリスク面の評価をした上で 2014 年より Amazon AWS へ段階的に移行を進めている 2017 年度までには帳票管理システム リスク管理システム 個人融資システムなど 社内システムで移行可能なものについて すべて AWS への移行を完了させると発表している また クラウドサービスの利用拡大に伴い 我が国企業においても クラウドサービスに保存するデータ量の増加が予想される 民間調査では パブリッククラウドに保存されるデータ量は一層増加すると予測されている 18 公表情報をもとにパブリッククラウドに保存されるデータの割合を推計すると 2016 年時点で約 12% がパブリッククラウドに保存されており 2030 年には約 42% に達する見込みである (%) 図 2-9 パブリッククラウドに保存される企業のデータの割合 ( 出所 ) 各種情報よりみずほ情報総研作成 将来見通しに関してはみずほ情報総研推計 18 ガートナージャパン株式会社プレスリリース ガートナー 企業が保有するデータとストレージについての調査 結果を発表 (2017 年 4 月 ) 22

26 19 民間調査会社によると パブリッククラウドの利用が進む要因の一つは アプリケーション開発のアジリティやスケーラビリティの高さであり ユーザー企業のデジタルトランスフォーメーションの需要と相まってパブリッククラウドの利用が進んでいる 特にその傾向は大企業で顕著であり 2,000 人以上の従業員を抱える民間企業の 6 割以上が クラウド上でのアプリケーションの実施を進めている ( 今後実施予定を含む ) 19 ガートナージャパン株式会社 ガートナー 日本国内の企業によるクラウド アプリケーション開発に関する 動向調査の結果を発表 (2018 年 2 月 ) 23

27 3.2 海外ベンダーのクラウドサービスの利用状況 3.1 で示したとおり今後も我が国におけるクラウドサービスの利用は進むと予想される パブリッククラウドについては メガクラウドベンダーと呼ばれる Amazon や Microsoft 等の海外企業の競争力は非常に高く 国内企業による海外クラウドサービスの利用が進んでいる 市場シェアを見ても海外企業が提供するサービスの市場シェアが拡大する見通しである ( 図 2-10) ( 億円 ) 国内ベンダー 海外ベンダー 図 2-10 パブリッククラウド (IaaS/PaaS) の市場シェア ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 将来見通しに関してはみずほ情報総研推計 20 AWS や Azure 等の海外企業が提供するクラウドサービスでは 充実したサービスや機能がユーザー企業により選定される要因となっている 特に セキュリティ関連の機能やクラウド上での開発の生産性を高める機能を理由にクラウドサービスを選定する例が見られる 表 2-8 クラウドサービスの利用に関するヒアリング調査の結果 検討当時はサービスや権限管理等の機能で海外クラウドサービスが優れていた 民間企業では このあたりの機能が充実していなければ利用できない (A 社 ) 海外クラウドサービス以前よりポータビリティは高くなっているが ロックインさせられているというより 良い機能があるから やはり当該サービスを使いたいというユーザーが多い状況 (B 社 ) 画像認識など最新の機能も海外クラウドサービスにいち早く実装されている ( 有識者 A) 20 国内ベンダー及び海外ベンダーの市場規模の伸び率をもとに 非線形関数で外挿し 2025 年及び 2030 年の市場シ ェアを推計 24

28 クラウドを利用する場合 海外製を使う以外の方法は無い状況 海外製のクラウドを 利用する理由として 日本の IT 企業の製品 サービスが相対的に劣後している (C 社 ) また 将来的には クラウドサービスよりも上のレイヤーである SaaS やデータプラットフォームの基盤として これらの海外企業が提供するクラウドサービス (IaaS/PaaS) の利用が進む可能性が高い 例えば GE は 2016 年に自社単独でのクラウド戦略を放棄し 現在 Amazon AWS を利用している 今後は Microsoft の Azure 上で Predix を提供する計画を発表している また Siemens の MindSphere も Predix と同様の構造であるが 基盤は SAP AtoS Microsoft のクラウドを利用できるほか オンプレミスやパブリッククラウドへの導入も可能としている ( 図 2-11) パートナーパートナー アプリアプリアプリ アプリアプリアプリ アプリアプリアプリ アプリアプリアプリ Predix Cloud MindSphere Amazon AWS Microsoft Azure SAP AtoS Microsoft Azure パブリッククラウド or オンプレミス ネットワーク 通信機器 情報端末 ( デバイス ) ネットワーク 通信機器 情報端末 ( デバイス ) 図 2-11 IoT プラットフォームの構造 ( 左 :Predix 右 :MindSphere) ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 また 国内においてもサイボウズが提供する PaaS サービス kintone.com の米国向けサ ービスの基盤として Amazon AWS を採用することを発表 21 するなど IoT プラットフォー ム等の基盤として海外のクラウドインフラの利用が進みつつある 表 2-9 海外クラウドサービスと連携した IoT プラットフォームサービスの例 プラットフォーム 提供企業 クラウドインフラ LANDLOG 小松製作所 Microsoft Azure SORACOM プラットフォーム ソラコム Amazon AWS IoT ソリューション 東洋ビジネスエンジニアリ Amazon AWS 21 国内向けには引き続き自社基盤で運用する 25

29 プラットフォーム 提供企業 クラウドインフラ ング Bosch IoT Suite Bosch Bosch IoT Cloud Amazon AWS Predix Cloud GE Amazon AWS Microsoft Azure MindSphere Siemens Amazon AWS Microsoft Azure Atos Canopy ( 出所 ) 各社公表情報よりみずほ情報総研作成 IoT プラットフォームがクラウドインフラの上に構築されることに鑑みると 今後 我 が国において IoT プラットフォームの構築や利用を進める上で 利便性の高いクラウドイ ンフラの整備や利用促進が重要であると考えられる そのために 現在市場展開されてい るクラウドインフラの利便性の更なる向上やそれらを使いこなす人材の育成等を進める ことが必要である 26

30 4. IoT プラットフォームの市場動向 利用状況データ産業の新たな競争領域として IoT や AI 等のビジネスを支える IoT プラットフォームが注目され 国内外の企業がプラットフォームの構築 提供を進めている 2015 年の IoT の導入率は 図 2-12 のとおり米国が突出して高く 40% を超えている 日本を含め ドイツ 英国 中国 韓国においてはいずれも 20% 程度と米国の約半数程度の導入状況となっている また 2020 年に向けた導入意向を見ると 導入率は 2~3 倍程度に伸長することが予測され IoT の活用がより一層進むと期待される 一方で 国別に見ると 日本企業は海外企業と比較して将来の導入意向が低く 将来的に諸外国と比して利用の遅れが見られる 図 2-12 IoT の導入状況と今後の導入意向 ( 出所 ) 総務省 平成 28 年版情報通信白書 IDC Japan 22 によると 国内 IoT の市場規模は 2016 年に 5 兆 270 億円であり 2021 年に は 2016 年比で約 2.2 倍の 11 兆 240 億円に達する見込みである そのうち ソフトウェア 22 IDC Japan 国内 IoT 市場テクノロジー別予測を発表 ( 27

31 向け支出は 2016 年に市場の約 23.6% である 1 兆 1,864 億円 2021 年には同 28.7% の 3 兆 1,639 億円に達する見込みである IoT 市場の著しい進展が予想され それを支えるプラットフォームの需要 供給も進むと考えられるが 現時点では IoT プラットフォーム市場は形成段階であり 多様なプラットフォームが乱立している状況にある プラットフォームビジネス 特に IoT プラットフォームのようなソフトウェアやサービスを提供するプラットフォームには 規模の経済性が大きく働き 売上の拡大と合わせて固定費の比率が下がり 収益率が向上する構造となっている また プラットフォームには 上流と下流の両方に顧客を抱え 顧客が得る便益は反対側の顧客の参加者数に依存するというネットワーク効果が働くため プラットフォームビジネスは規模の拡大に応じてコストの低下 利便性 ( 収益 ) の拡大という二重の効果が働く これにより 過去のプラットフォーム競争を見ても 勝者のほとんどが非常に高い収益率を達成している プラットフォームの登場は 従来の産業構造を大きく変える可能性もあり プラットフォームの勝者が別のプラットフォームの登場により淘汰されることもあるが 一度プラットフォームを制覇した企業は 競争優位維持のためにその高い収益性を活かして他分野 他領域での投資 事業展開に注力することができる IoT プラットフォームの競争が進展する中 上述のように IoT プラットフォームを制覇したものは 付加価値の源泉となるデータを押さえ 各分野でのビジネスの主導権を握る可能性がある また 産業横断的なプラットフォーム等の登場も期待され 我が国経済全体に影響を及ぼし得る プラットフォーム競争での勝利は 我が国産業に大きく裨益するものであることから 日本が強みを持つ分野や領域等において プラットフォームの形成を主導し 市場でのプレゼンスを高めていくことが不可欠である 28

32 5. データ利活用に関わる規制 ルール等の動向 本節では データ利活用に関する規制 ルールや流通促進等の動向を整理し データ産 業に与える影響等を整理する 5.1 データローカライゼーションに関わる動向国境を越えたデータの自由な流通は 財やサービスのグローバルな流動性を高め 新たな価値創出等に繋がるものである 一方 諸外国では プライバシーの保護や安全保障の確保 自国産業の保護等を目的に 自由な流通と 保護 のバランスを図ろうとして法制度の制定 施行が進んでいる ( 表 2-10) こうした国内法のギャップはデータの自由な流通を阻害し 我が国のデータ産業にも大きな影響を及ぼしうる インドの電子情報技術局 (Ministry of Electronics and Information Technology:MeitY) が 2018 年 1 月に公表したデータ保護のフレームワークに関する専門委員会白書 White Paper of the Committee of Experts on a Data Protection Framework for India によると データローカライゼーション ( 自国にデータを保存すること ) には 外国の政府権限による影響を抑制したり 海外の諜報機関等からの監視リスクを低減したり あるいは 法執行や国家安全保障等のためにデータへのアクセスが容易になるといったメリットがあるという 国家や国民の安全保障の確保には有効に働く一方 産業の側面から見ると デメリットも大きいという 諸外国がデータローカライゼーションを進める動機の一つが 国内 ( あるいは地域 ) へのデータセンターの設置による経済波及効果であるが そのメリットは少数のデータセンター事業者とその従業員 及び データセンターにローカルにサービスを提供する少数の企業にのみ裨益するもので効果も大きくない 一方 グローバルな優れた技術やサービスへのアクセスを阻害することから 中小企業等の生産性を下げるほか スタートアップ企業の創出も阻害する また プライバシーや個人情報保護を目的とした場合 個人情報と非個人情報を明確に区分することは難しく データを管理する側のコスト増にもつながる 23 欧州政治経済研究所 (European Centre for International Political Economy:ECIPE) の分析によると ローカライゼーションを進めている代表的な国の GDP は減少するという 例えば ブラジルの GDP は 0.8% EU は 1.1% インドは 0.8% 韓国は 1.1% の損失が発生するという 23 ECIPE The Costs of Data Localisation: Friendly Fire on Economic Recovery ( 2014) 29

33 表 2-10 諸外国における規制 ルールの動向 企業名米国中国韓国インド 特徴 金融 税 政府 公共関連データに関する規制がある 本人により出された自分自身に関するデータの第三者への移転の停止要求に応じる必要がある (Opt Out) 分野横断的法律がなく 産業分野別 ( 医療 金融 政府等 ) で定められた個人データ保護規定などがある また州や市によっては 厳格な個人情報取り扱い令を設けており 地方自治体で規制状況が異なる 企業等の越境個人情報保護に関し APEC 情報プライバシー原則への適合性を認証する CBPR 認証を受けた 2015 年米防衛省が規制改定し 同省へのクラウドコンピューティングサービスプロバイダーは米国内にデータを保管することを義務付けている データ越境移転について非常に強い制限がある 金融 個人 デジタル関連 政府 公共その他のデータについて規制する 自国の領域内にサーバー等の設置を要求する (Data Localization 要求 ) 政治的理由から特定のウェブサイトへのアクセスを禁じている ( 国民 ) 個人の金融関連データは 取扱 保管 分析全般について中国国内で実施されなければならない データローカライゼーション推進に関わる国レベルの法規制が多く存在する データ越境移転について部分的な制限がある 個人 デジタルサービス 政府 公共関連データについて規制する 個人データを第三者へ移転することについて本人から同意の取得を必要とする 国内の E-commerce とオンライン支払保護のため 韓国民のクレジットカード情報の国外移転を禁じている 2014 年の規制法により 国防の見地から 地理的位置情報 地図情報が外国に所有されることを禁じた 2015 年の規制で政府関連データを扱うクラウドコンピューティング ネットワークは一般のネットワークから切り離すデータ保護を奨励しており 事実上のローカライゼーション推進策とみなされている データ越境移転について制限がある 金融 政府 公共関連データについて規制する 保護個人情報越境移転を条件付きで認めているが 本人の同意がなければ データの移転ができない 30

34 企業名インドネシアベトナム欧州委員会 特徴 2014 年にインド国防カウンシルが 印国内にいる複数のユーザーによるコミュニケーションに関するデータは国内に保管する必要から電子メールサービスプロバイダーに国内サーバーの設置を求める方針を出した 2014 年の法規制により 外国に保存してある金融データに関しては バックアップデータを国内に保管することが義務付けられた 2015 年に 政府方針で 政府機関へのクラウドコンピューティング プロバイダーは全てのデータを国内のデータセンターに保管することを推奨している 個人 金融 デジタルサービス関連データについて規制する 自国の領域内にサーバー等の設置を要求する データローカライゼーション方針を拡大の方向 2012 年の法規制により 公共サービスに関わるデータはインドネシア国内に保管されなければならない 2014 年のガイドラインは Google や Facebook などのインターネット企業は インドネシア国内にデータセンターを設置することを要求している また金融関連データも国内保管が義務付けられた 2016 年の規制により 保護対象個人情報は 国内のデータセンターと非常事態対策センターでのみ扱われることが義務付けられた Skype や WhatsApp などもデータの国内保管が義務付けられた データ越境移転について強い制限がある 政治 商業的理由からインターネット 携帯 他デジタルサービス関連データについて規制する 自国の領域内にサーバー等の設置を要求する 外国籍 IPS から国内インターネットへのアクセスを禁じ 自国の IPS は 転送データの 15 日間保有を義務付ける 2016 年 1 月 WhatsApp と Skype のデータローカライゼーションを義務付ける新規制のドラフトを発表した 2013 年施行の法規制では ソーシャルネットワーク オンラインゲームなどのプロバイダーは 最低でも 1 台のサーバーをベトナム国内に設置することを義務付けている データ越境移転について事実上の強い制限がある EU 加盟国間のデータフロー障壁を廃し Digital Single Market を目指すと同時に ( それぞれの ) 自国 地域の法令で定められたものと同等の保護レベルを要求する EU 内の個人情報は データ保護が十分であると EU が認定している 12 か国間とだけ移転が可能である EU 加盟国において 現行のデータ保護指令 (24 条 ) の下では 各国の罰則にばらつきがある 2018 年施行の 加盟国間のデ 31

35 企業名フランスドイツスウェーデン 特徴ータ保護方針がより統一化された EU 一般データ保護規則 (GDPR) によって域外のデータローカライゼーションが厳格化される ただし 適用範囲の拡大に伴う域外適用の可能性もある 2017 年 EU における非個人データに関する自由流通のためのフレームワーク (COM(2017)495) では EU 域内におけるデータローカライゼーションなどを明確に定義し 関連する法律を禁止している また 非個人データのポータビリティについては ユーザーがデータストレージを切り替え データを自分のシステムに戻すための条件を規定 他方で EU 域内ならば法執行機関がそれにアクセスすることを保証している データ越境移転について欧州委員会に準ずる 政府 公共関連データについて規制する GDPR の範囲を超えて さらに貿易協定で規制を強める動向あり 欧州圏内では (EU 内 vs. 圏外の ) データローカライゼーション擁護の姿勢 企業に対し データを EU 圏内あるいは仏国内のクラウドデータセンター (le cloud soverian) に保管することを推進している 2016 年に発表された指針で 中央及び地方政府のデータを外国籍クラウド上で扱うことを違法とした 全ての公共機関によるデータは仏国内で扱われ保管されなければならない データ越境移転について欧州委員会に準ずる 個人 金融 テレコミュニケーション関連データについて規制する 欧州圏内では (EU 内 vs. 圏外の ) データローカライゼーション擁護の姿勢 企業に対し データを EU 圏内あるいは独国内の政府機関データ専用クラウド (Bundescloud) だけに保管することを推進している 州など自治体によって データ取扱いの方針が異なる 2016 年にテレコミュニケーション関連メタデータの国内保管を義務付ける方針を発表し 2017 年 7 月に施行 ドイツ商法により 企業の会計関連記録 書類及びデータは国内保管が義務付けられている データ越境移転について欧州委員会に準ずる 金融 税 政府 公共関連データについて規制する 金融関連データについては即座に政府の監査を受けられる状態にしておくことを義務付けており 事実上企業はデータをスウェーデン国内に保有しておく必要がある 企業の会計に関する 7 年分のデータを国内に保存しておくことも義務付けている 欧州圏内では データグローバリゼーションを擁護の姿勢 32

36 企業名 英国 ロシア 特徴 政府規制の解釈次第で スウェーデン政府機関が取り扱うデータについては国内に留め置く必要があり クラウドコンピューティングプロバイダーへの影響がある データ越境移転について欧州委員会に準ずるが Brexit( 英国の EU 離脱 ) により動向が変わる可能性がある 金融 税 会計関連データについて規制する 会計記録は 英国内に保管し 常に政府の監査を受けられるようオープンしておくことを義務づけている 自国 地域の法令で定められたものと同等の保護レベルを要求する 欧州圏内では データのグローバリゼーションを擁護の姿勢 データ越境移転について非常に強い制限がある 個人 テレコミュニケーション関連データについて規制する 自国の領域内にサーバー等の設置を要求する 2015 年の法規制により 個人データを扱う者は 記録をつけ データを保管し データベース化し 更新を怠らず それらのデータベースは 露国内に保管することを義務付けている 2016 年に テレコミュニケーション関連データに関し 厳格なデータローカライゼーション義務を設けた ユーザーのコミュニケーションに関わる音声 テキスト 映像 ビデオなど メタデータだけでなく 実物も 6 か月保管する義務に加え ユーザーが 当局による個人のアイデンティティを公開する求めに応じない場合 そのユーザーへのサービスを停止することをプロバイダーに命じており プライバシー侵害の懸念もおきている ( 出所 ) 公表情報よりみずほ情報総研作成 33

37 2017 年 4 月にドイツのデュッセルドルフで開催された G20 デジタル大臣会合において 情報の自由な流通を促進することについて合意がなされたほか 同年 9 月にイタリアのとりので開催された G7 情報通信 産業大臣会合において IoT やビッグデータ解析のような新たな技術 サービスの更なる発展のため 情報の自由な流通を促進していくことに合意がなされるなど 国際的にデータの自由な流通を促進する機運にある 国境をデータの流通が経済発展の潤滑剤となることを認識し 自由なデータ流通の促進を前提とし 一方で 国家や国民の安全保障等の観点から守るべきデータを保全できるよう 検討を進めることが重要と考えられる なお 我が国においては 医療や行政など一部のデータを対象にデータ流通等に関する規制がなされている ( 表 2-11) さらに 諸外国が進めるデータローカライゼーションによる一方向的な情報流通の阻害は我が国企業や産業にも影響を与えることから 対等な関係で情報流通を可能とすることが重要である 34

38 表 2-11 我が国における規制 ルールの動向 分野 対象者 特徴 地方公共団体 インターネットを介してサービスを提供するクラウドサービスの利用に当たっては クラウドサービス事業者の事業所の場所にかかわらず データセンターの存在地の国の法律の適用を受ける場合があることに留意する必要がある 具体的には クラウドサービス事業者のサービスの利用を通じて海外のデータセンター内に蓄積された地方公共団体の情報が データセンターの設置されている国の法令により 日本の法令では認められていない場合であっても海外の当局による情報の差し押さえや解析が行われる可能性があるため 住民情報等の機密性の高い情報を蓄積する場合は 日本の法令の範囲内で運用できるデータセンターを選択する必要がある 行政 データセンターの設置場所については 海外に設置されたデータセンターに地方公共団体の情報が蓄積される場合 その情報の取扱いについてはデータセンターの設置場所である海外の法令が適用されることから 日本の法令が地 地方公共団体 方公共団体や ASP SaaS 事業者に求める個人情報の適正な取扱いを海外のデータセンターでは必ずしも担保されない可能性があることに留意が必要である 具体的には インターネット ASP 事業者のサービスの利用を通じて海外のデータセンター内に蓄積された地方公共団体の情報が データセンターの設置されている国の法令により 日本の法令では認められていない場合であっても海外の当局による情報の差し押さえや解析が行われる可能性があることに留意が必要である 各府省庁 クラウドサービスの利用について 情報システムセキュリティ責任者は クラウドサービスで取り扱われる情報に対して国内法以外の法令が適用されるリスクを評価して委託先を決定し 必要に応じて委託事業の実施場所及び契約に定める準拠法 裁判管轄を指定すること 医療 医療機関 医療機関等が民間事業者等との契約に基づいて確保した安全な場所に保存する場合 法令上の保存義務を有する医療機関等は システム堅牢性の高い安全な情報の保存場所を選定する必要がある そのため それらの事業者等が 本ガイドラインで言及されている 責任のあり方 安全管理対策 真正性 見読性 保存性等の全ての要件を満たす必要がある また 経済産業省 医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン や総務省 ASP 35

39 分野対象者特徴 金融 電力 供給者供給側金融機関電力事業者 SaaS における情報セキュリティ対策ガイドライン 及び ASP SaaS 事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン の要求事項も満たす必要がある 生命に関わる情報を扱う医療分野に特有の要求であり これらの国内法の円滑な執行のためにも 医療情報システム及び医療情報が国内法の執行が及ぶ範囲にあることを確実とすることが必要である 厚労省ガイドラインにおける要求事項 サイバー攻撃で広範な地域での一部医療行為の停止等 医療サービス提供体制に支障が発生する場合は 所管官庁への連絡を行うこと を満たすために ASP SaaS 事業者に対して 所管官庁に対して法令に基づく資料を円滑に提出できるよう ASP SaaS サービスの提供に用いるアプリケーション プラットフォーム サーバー ストレージ等は国内法の適用が及ぶ場所に設置すること を要求する 外部委託を行う場合は 事前に目的や範囲を明確にすることが記載されており 運用場所の確認 ( 国内 / 国外 ) 国外に設置の場合には加えて適用する法制度の確認が要求される 金融庁 金融検査マニュアル においても同基準を参照することとなっている スマートメーター及び電力制御システムについて サイバー攻撃等を防ぐセキュリティ対策の具体的な枠組みをとりまとめたガイドラインを公開 ガイドラインでは スマートメーター及び電力制御システムに関するデータを管理 保護することを奨励している なお 詳細対策要件については未公開とされている 鉄道鉄道事業者国民生活や社会経済活動への影響が大きく事業継続に対する取組の対象となる情報システム及び情報資産を対象と 航空 物流 その他 航空運送事業者 物流事業者 政府機関 し 分野横断的に有効な対策項目及び対策の例示に加え 各分野における情報セキュリティ対策の現状と課題を踏まえ 事業特性に応じた対策項目を推奨基準として整理 データ流通に関する要件等は示されていない 防衛 外交 特定有害活動 テロリズムに関する情報のうち 公になっていないもので その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるものに対して 特に秘匿することが必要であるものを特定秘密として指定 特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲を定め 特定秘密が記載された文書に特定秘密の表示をするなど 保護のために必要な措置を講じる ( 出所 ) 公表情報よりみずほ情報総研作成 36

40 5.2 データポータビリティに関わる動向 EU では GDPR(General Data Privacy Regulation: 一般データ保護規則 ) の施行が 2018 年 5 月に予定されており 企業が有する個人データの権利の保護や 個人による事業者間でのデータの移転の権利 ( データポータビリティ ) 等が生じることとなる こうした中では 単なる個人データの囲い込みによるビジネスモデルは成立しなくなる可能性があり 取得されたデータをどのように活用するか どこで他社と差別化するかといった 二次的なデータ利用を念頭に置いたビジネスモデルの構築が 国内ビジネスのみならず海外展開を視野に入れた場合には不可欠となる 各事業者においては こうした GDPR による情報保護等に関する欧州の動向を把握しながら 事業展開を進めていく必要がある なお 我が国の個人情報保護委員会では 日 EU 間において 相互に円滑な個人データ移転を行う環境を確保することを目指し 2018 年春の最終合意を目指した議論が行われている また データポータビリティについて EU では 非個人データも視野に入れた検討がなされている 非個人データの域内の流通に向けた検討については 2016 年頃より欧州理事会等で議論が始まり 2017 年 10 月には EU 一般教科書演説において域内における非個人データの自由な移動が提案された 同規則案の主要点は以下の 3 点である 24 国内での非個人データの保存 処理を義務付ける加盟国の規定を 公共の安全など一部例外を除いて廃止し 域内国境を越える非個人データの移動を原則自由化する 規制管理を目的とする場合 加盟国の監督機関に対して EU 域内で保存 処理されている非個人データへのアクセス権を保証する クラウドサービスの変更や 企業の自前の IT システムへのデータの移動に対する障壁の撤廃を目的とする EU 行動規範を策定する 24 日本貿易振興機構 欧州委 域内における非個人データの自由な移動を提案 年 EU 一般教書演説の注目点 (6) ( 37

41 5.3 データ流通 利活用促進に関する動向前述したデータの保護に関する取組に加え 流通を促進させる取組も進んでいる 経済産業省では 事業者間でのデータ連携による付加価値創造を行うビジネスモデルを想定し データの利用権限やデータの取り扱いについて検討を進め 事業者間の契約においてデータに関する権限を定めるための考え方を示す データの利用権限に関する契約ガイドライン を策定している 本ガイドラインは 継続的な改訂が予定され AI 等の新たなデータ活用に対応する予定とされている データ流通が国内のデータ産業の付加価値創出に繋がることは言うまでもなく 収集したデータを活用した新たなビジネスモデルを展開する際に データの利用権限について本ガイドラインを活用することで より一層のデータ活用が進むと考えられる また 複数事業者の協調領域でのデータ収集 活用を行う データ共有事業者 の取組を促進するために 平成 30 年通常国会に提出された 生産性向上特別措置法案 の中に データ共有事業者の取組を国が認定し 支援を行う仕組みの構築を進めることが盛り込まれた データ共有事業者がデータ共有のための IoT 等の設備投資に対する減税措置や 国や独立行政法人等が保有するデータの提供を要請できるスキームが創設される見込みである さらに データ流通や利活用を進めるためには データの不正取得や不正取得されたデータ流通の阻止及び被害軽減が不可欠である 企業がデータ流通や利活用に安心して投資できるよう環境整備が進められている 具体的には 不正競争防止法等の一部を改正する法律案が平成 30 年通常国会に提出され データを不正に取得 使用または提供する行為を 不正競争行為と位置付け こうした差止請求権や損害賠償の特則等の民事上の救済措置を講じることが盛り込まれている このように データの保護と流通 利活用の促進はバランスを取りつつ進められている グローバルにデータが流通する中 日本が先行して取り組むデータ流通促進に関わる施策をグローバルに拡げ より一層のデータ活用及びそれによる付加価値創出を進めることが期待される 38

42 第 3 章国内データ産業の事業環境と方向性案 本章では 第 2 章に示した市場動向等を踏まえて 我が国がとるべき短期的 中長期的 な方向性を示す 1. データセンター 1.1 市場環境第 2 章に示したとおり クラウドサービスの普及や IoT AI 等の新たなデジタルビジネスの進展により データセンター市場も右肩上がりに伸長する見通しである データセンターは爆発するデータの保存 AI 等の高度な処理を支えるデータセンターの役割が一層重要なものとなる 1.2 我が国データ産業の事業環境等の現状データセンター市場規模は微増傾向にあり ユーザー企業のデータ活用ニーズの高まりに応じて今後も市場の拡大が予見される データセンターの国内市場では 国内事業者が高い市場シェアを有している 一方 足元では Digital Realty や Equinix などの海外事業者の国内進出が加速し 今後はこれら事業者との競争激化も想定される また 深層学習等の人工知能技術の革新 データ量の増大 計算処理速度の向上等により これまで以上の大規模計算処理が必要なアプリケーションへの需要が高まり 大規模計算に伴う膨大な電力利用コストを削減するために 電力料金が安い海外にデータセンター等を設置する動きが見られる 今後市場の更なる拡大が期待される中 IoT や AI 等の市場への対応やそれに伴う市場構造の変化への対策が不可欠である (1) 国内事業者の保有するデータセンターの老朽化 25 富士キメラ総研によると 国内のデータセンターのサーバールーム面積のうち約 44% が 建設後 20 年を経過した老朽化データセンターが占める状況にあり 2021 年まで緩やかにその割合は減少するものの 2021 年に約 40% と大きく改善される見込みはない 25 富士キメラ総研 データセンタービジネス市場調査総覧 2017 年版 39

43 ( m2 ) 15,000 築 20 年未満 DC 築 20 年以上 DC 10,000 5, 年度 ( 実績 ) 2017 年度 ( 見込 ) 2018 年度 ( 予測 ) 2019 年度 ( 予測 ) 2020 年度 ( 予測 ) 2021 年度 ( 予測 ) 図 3-1 国内のデータセンターの老朽化状況 ( 出所 )C 富士キメラ総研 データセンタービジネス市場調査総覧 2017 年版 1990 年代に建設された インテリジェントビル と呼ばれるオフィスビルが 今も使われているケースが多く これらのデータセンターでは今後築 25 年を越えるところが増え 電力供給能力不足や設備運用効率の低下といったファシリティの老朽化が課題となる 26 IDC Japan の調査によると 1999 年以前に竣工したデータセンターのラック当たりの電力供給能力は平均 1.35kVA 2000~2009 年は同 2.62kVA 2010 年以降は 6.02kVA と 2010 年以降には電力供給能力の高いデータセンターの整備が進んでいる 一方 老朽化したデータセンターの電力供給能力は小さく AI や IoT 等のデータ処理の要求には耐えられないと考えられる また ガートナー 27 によると 日本企業の 36% がデータセンターの老朽化やキャパシティ不足への対応が最優先の課題と回答している しかしながら 企業の対応は全般的に緩慢であり 既存のデータセンターの刷新や外部データセンターの新規利用は 施設の建設や移転を伴う大規模で複雑なプロジェクトとなり 多額の費用が発生する 企業はデータセンター刷新に関わる決断を先延ばしにする傾向にあるという (2) 電力コスト我が国のデータセンターの電力コストはグローバルに見ると相対的に高い 海外大手不動産企業である CUSHMAN & WAKEFIELD によると 日本へのデータセンター立地のリスクとして 災害リスク 再生可能エネルギー 法人税 電力コストを挙げている ( 図 3-2) 原油産出国では無い東南アジア ( 韓国を除く ) は総じて電力コストが高いため アジア内 26 IDC Japan 国内データセンターの電力供給能力に関する 2016 年調査結果 27 ガートナージャパン株式会社 ガートナー 2017 年以降のデータセンターに関する展望を発表 ( 2017 年 3 月 ) ( 40

44 での電力コストに大きな差は無いと見られる 一方で 米国等での電力コストと比較すると日本 アジアの電力コストは高く 米国との立地競争では劣後する 例えば ヤフーでは安価な電力 ( 日本の約 1/6) を理由に 2015 年よりサーバー 1400 台で構成する大規模なデータ分析基盤を米国ワシントン州で稼働している 使用する電力が大きいデータ分析基盤ではさらに大きい効果が得られると判断し 遅延時間が多少長くなってもほとんど影響がない用途で利用されている 2017 年夏に稼働し データセンターの電力容量は最大 2.4 メガワット 電気料金は 1kWh あたり約 2.5 セントである 消費者にニュースやショッピングなどのサービスを提供するサーバーは引き続き国内の複数のデータセンターに置く方針である 同データセンターを運営するアクタピオは いずれは消費者にコンテンツを配信するサーバーよりもデータ分析に使うサーバーの方が多くなるだろう と述べている シンガポール (7 位 ) 米国 (10 位 ) 電力コスト電力コスト 水利用可能量 帯域幅 水利用可能量 帯域幅 一人あたり GDP ビジネス環境 一人あたり GDP ビジネス環境 エネルギー安全保障 法人税 エネルギー安全保障 法人税 災害 / 経済 政治等の 都市リスクと対処能力 政治的安定性 災害 / 経済 政治等の 都市リスクと対処能力 政治的安定性 再生可能エネルギー 再生可能エネルギー 日本 (13 位 ) ドイツ (16 位 ) 電力コスト 電力コスト 水利用可能量 帯域幅 水利用可能量 帯域幅 一人あたり GDP ビジネス環境 一人あたり GDP ビジネス環境 エネルギー安全保障 法人税 エネルギー安全保障 法人税 災害 / 経済 政治等の 都市リスクと対処能力 政治的安定性 災害 / 経済 政治等の 都市リスクと対処能力 政治的安定性 再生可能エネルギー 再生可能エネルギー 図 3-2 データセンターの立地に関するリスク ( 出所 )CUSHMAN & WAKEFIELD DATA CENTRE RISK INDEX 2016 よりみずほ情報総研作成 (3) レイテンシーコンピューティングの性能は過去数十年で千倍に向上した一方で ネットワーク遅延はほとんど改善されておらず 遅延の原因の中でも特に重要となるのが 光の伝送速度であり テクノロジーでは光の速度の問題を解決できる見通しはないとの指摘がある 例えば 現実的ではないが 米国のサンフランシスコとニューヨーク間で光ファイバ ケーブルを 41

45 使用し 途中にルータやリピータを置かず 処理も行わずに 1 ビットを送信し 返送した 場合 所要時間は 42 ミリ秒となるという 欧州 200msec~ 79msec 11msec 33msec 20msec 北米 100~200m sec 75msec 100msec 200msec 116msec 図 3-3 東京と各都市間のレイテンシー ( 出所 )WonderNetwork Global Ping Statistics よりみずほ情報総研作成 (2017 年 12 月 20 日時点 ) リアルタイム性が要求されるアプリケーションにおいて データを処理し 国内ユーザー企業の競争力を維持するためには レイテンシーの低いデータセンターを備えておく必要がある ヒアリング調査においても 日本国内のデータセンターを選択する大きな要因として レイテンシーが挙げられている 海外では わずか ( 数十ミリ~ 数百ミリ秒 ) であっても 日本に比べて大きな伝送遅延が発生する 将来的にデータ利用が拡大し レイテンシーのわずかな差もますます重要になってくる可能性を考えると 日本国内を選択できるにもかかわらず 積極的に海外を選択する理由がない (A 社 ) これまでの流通はバッチ型の処理であるが 今後の流通は IoT でつながることによるトレーサビリティの確保などリアルタイム化が進むと見ている その際に 海外のデータセンターと国内のデータセンターではレイテンシーの差が大きく IoT 等のデータをリアルタイムに活用するためには国内に立地していることは重要である (C 社 ) 情緒的な側面で国内のデータセンターを選定する企業もいるほか レイテンシーという実務的な問題への対応のために国内立地を志向する企業も多い (E 社 ) 42

46 1.3 今後の方向性案我が国におけるこれまでのデータセンター事業支援は省エネルギー 事業継続性の向上 地方分散などを主な目的として経済産業省 総務省 環境省等によって行われてきた 本調査研究では これらの取組も踏まえた上で データセンターの事業環境のあり方や今後の方向性について検討を行った 43

47 表 3-1 我が国におけるデータセンター事業への支援内容 主体 取組 特徴 中小企業等省エネルギー データセンターは我が国全体の消費電力量の約 1% を超えて増大しており 電 需給への圧迫が危惧される さらに 電力価格の高騰のため 我が国のデータセンターの国際競争力の低下を懸念 型クラウド利用実証支援こうした背景を踏まえ オンプレミス ( 自前 ) やデータセンターのハウジングサービスにて情報シス経済産業省事業テムを使っている事業者 ( 公的機関等を含む ) が 省エネ性に優れたクラウドサービスに移行する場合 (2015 年 ) ( データセンターを利用に 現行システムの改修 移行作業に要する費用 クラウドサービスの初期費用 移行作業中の したクラウド化支援 ) クラウドサービス利用費用 を補助 補助率は 中小企業が 3 分の 1( 上限 1500 万円 ) 他企業が 5 分 の 1( 上限 3000 万円 ) 喫緊の課題である首都直下型地震への対策及び全国的なインターネット オブ シングス (IoT) の 総務省 データセンター地域分散進展への対応等の観点から 現在首都圏に集中しているデータセンターの地域分散化 活性化を促進 (2013 年 ~ 化促進税制首都圏以外の地域のデータセンターにおいて 首都圏のデータセンターのバックアップを行うための 2018 年 3 月 ) 設備投資に対し 法人税の特別償却 ( 対象設備の取得価額の 10%) を適用 喫緊の課題である首都直下型地震への対策及び全国的なインターネット オブ シングス (IoT) の 総務省 地域データセンター整備進展への対応等の観点から 現在首都圏に集中しているデータセンターの地域分散化 活性化を促進 (2017 年 ~ 助成等上記 データセンター地域分散化促進税制 に続く支援制度であり 東京圏以外の地域にデータセン 2022 年 3 月 ) ターを設置することで 対象経費の 2 分の1( 上限 2,000 万円または 1,000 万円 ) が助成される 従来システムと比較し 50% 以上の抜本的な省エネを実現するデータセンターを構築する事業者を補 環境省次世代省 CO2 型データ助することにより 様々な条件下での省 CO2 型データセンターのモデルを示し 省エネシステムの市 (2016 年 ~ センター確立 普及促進場を形成し 価格低減を図るもの これにより 事業終了後には 民間による自立的な普及促進を目指 2018 年 ) 事業すもの 東京都 中小規模事業所のクラウ 中小規模事業において 近年増大傾向にある情報システム機器の省エネを図ることで 業務 産業部 44

48 主体取組特徴 (2015 年 ~ 2018 年 ) 経済産業省資源エネルギー庁 (2013 年 ~) ド利用による省エネ支援事業電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に基づく賦課金の特例 ( 減免認定 ) 門の CO2 削減を進めることを目的として中小規模事業所のデータセンター利用を促進する助成を実施 都内の中小規模事業所が保有する情報システム等を 省エネ性能の優れたデータセンター上のクラウドサービスへ移行するために必要な経費の一部を助成 一定の基準を満たす事業所については 経済産業大臣の認定を受けることにより 賦課金の減免措置の適用を受けることが可能 非製造業で優良基準を満たす事業者の減免率は 4 割 満たさない事業者は 2 割を減免 当該事業所の所在地を公開する必要があるため データセンターの立地場所を公開しない事業者は申請できないとの声も挙がっている ( 出所 ) 各社公表情報よりみずほ情報総研作成 45

49 (1) データセンターの電力コストの低廉化 AI やディープラーニング等の分析処理を行うために GPU を大量搭載し並列処理をするなど 処理にかかる電力量は飛躍的に増加する可能性がある 従前の用途以上に データセンターの利用コストに占める電力コストの割合が高くなるため 相対的に電力料金が高い日本よりも安価な米国や韓国等の海外等での処理が 企業にとっての最適解になる可能性がある データセンター利用に関する電力料金の内外格差を是正することで 国内のデータセンターやクラウドインフラに関するコストの低減化に寄与し データセンターやクラウドインフラを利用するユーザーにも裨益すると考えられる 米国等においては データセンター事業に対して電力利用や設備仕様等にかかる料金の払い戻しや税制優遇等の支援を行っている 表 3-2 米国におけるデータセンター事業への支援内容の例国 州補助額制度特徴電力利用や設備使用にかかる使用税に特例でのデータセ関する 50~100% の払い戻しや 設備にンターの売上税のアイオワ 2 億 800 対する固定資産税の免除が含まれる 払い戻し 免除 (2009 年 ~) 万ドル企業に対しては プロジェクトのタイデータセンター事プによっては 1~2 億ドルの投資条件業の財産税の免除が課される 機器や電力インフラに関わる売上税及び使用税の免除が含まれる データセ特定の機器に関わワシントン 5,740 万ンターの立地する場所 ( 都市部以外の過る売上税の完全免 (2010 年 ~) ドル疎地域や農村地域 ) や規模 ( 少なくとも約除 9,290m2 以上 ) に関する条件が課される ハイテク企業が コンピュータ機器ジョージア 4,200 万 ( ハードウェア ) とソフトウェアを年売上税の免除 (2005 年 ~) ドル間 1,500 万ドル購入した際の売上税が含まれる データセンター固有のプログラムではないが データセンター事業者が広範オレゴン 3,370 万に使用している 5 年間または 15 年間固定資産税の減免 (1986 年 ~) ドルの固定資産税の減免が含まれる また 同州では 売上税が徴収されない 46

50 国 州 補助額 制度 特徴 電力コストやブロードバンド通信インフラコストの払い戻しのための助成金提供が含まれる それぞれに年間 700 データセンター事 ワイオミング 2,860 万万ドル 200 万ドルを投資する場合は特業者の売上税の免 (2010 年 ~) ドル定の機器に対する売上税が免除され 除それぞれに年間 5,000 万ドル 200 万ド ルを投資する場合は追加機器に対する 売上税が免除される 電力購入 機器購入 ビジネス資産の 電力購入 機器購 購入 ソフトウェア購入に対する売上 入 ビジネス資産税及び使用税の免除が含まれる 企業ノースカロラ 1,650 万の購入 ソフトウに対しては 7,500 万ドルまたは 2 億イナドルェア購入に対する 5,000 万ドルの投資条件が課される 雇 (2006 年 ~) 売上税及び使用税用者を創出する条件は課されていない の免除 が 過疎地域への投資条件が課され る ( 出所 ) 各社公表情報よりみずほ情報総研作成 最近では Apple がアイオワ州のデモイン地区に 2 つのデータセンターを建設し 50 人の雇用を創出することを条件として 米アイオワ州は 1,960 万ドルの売上税の払い戻しと 1 億 8,800 万ドルの固定資産税の減税 あわせて 2 億 800 万ドルの減税措置を与えることが発表されている Apple は この減税措置を受けて 13 億ドルを投資し 2,000 エーカーの土地を購入しデータセンターを 2 棟建設する予定である ( 土地に 1 億 1,000 万ドル 建設に 6 億 2,000 万ドル IT 機器に 6 億ドル その他機器に 4,500 万ドルを費やす ) 国内市場がデータセンター事業者にとって立地する地域として魅力的であるために 諸外国と比較して相対的に高価な我が国におけるデータセンターの電力料金の抑制や既存の助成制度等の活用促進が必要である 47

51 (2) データセンターの設備投資の支援 AI やディープラーニング等の処理ニーズに対応したデータセンターを日本に備えるためには 中密度 高密度の機器に耐えうる電力容量や床耐荷重が必要となる 一方 データセンターの新設等は一般的に 3~5 年要することから 国内における供給が不足し 設備投資を進めたとしても直ちに需要に対応することは難しい 急増するデータ活用の需要に国内のデータセンターの供給が追いつかず 海外のデータセンターを利用せざるを得なくなる可能性もある そのため AI やディープラーニング等のデータ活用の需要を見据え 老朽化したデータセンターの更改やデータセンターの新設を進めることが重要である 一方 データセンター事業者は 更新に必要な資金確保や システム不具合等のリスクの観点から 設備更新に躊躇する恐れもあり 設備更新の早期決断を促すことが有効と考えられる (3) 国内データセンターの強みの訴求 (Stored in Japan) 国内データセンター事業者が提供するサービスの強みの一つは 品質や信頼性の高さであり それらを国内のみならず アジア等にも訴求し 国内データセンター事業者のブランド力を強化することが重要である 例えば ドイツテレコムの子会社である T-Systems International は Stored in Germany というコンセプトを掲げている ドイツ企業が運営するドイツに立地したデータセンターにデータを預けることで信頼性を高められるとして EU 域内のデータ集積を狙った取組である Microsoft は T-System と連携し 信頼性の高いクラウドサービスとして EU 域内でも独自の運用を行う Azure Germany を提供しているほか Huawei は EU に提供するクラウドの運用やデータの管理等を T-Systems に委託している <1.Stored in Germany> Microsoft は EU 域内の厳格な要件に適合するほか ドイツ法に準拠する独自のデータトラスティモデルに基づくクラウドサービス Azure Germany を提供する中で データは マクデブルクとフランクフルトに新たに設置されたデータセンターに格納され ドイツの Data Trusty である T-Systems International(Deutsche Telekom のグループ会社 ) の管理下に置かれる仕組みとして Stored in Germany を展開している Microsoft は Azure 利用条件に加え Azure Germany にのみ適用される追加条件を設定 し Azure Germany に格納されるデータには Microsoft の社員でも容易にアクセスでき ない仕組みとし 信頼性を高めている 特徴的な条件は以下のとおり i. データの立地 顧客データ ( すべてのテキスト 音声 動画 または画像ファイルを含む ) はドイツ 48

52 のデータセンター内にのみ保存される ただし 契約者が顧客データにアクセスし 顧客データを移転することを制限 制御は しない ii. 顧客データへのアクセス契約者または契約者のエンドユーザーが主導するアクセス以外の顧客データへのアクセスはデータトラスティのみが制御することができる Microsoft の担当者による顧客データへのアクセスは 1カスタマーサポートインシデントまたは問題を解決することのみを目的とした場合 2オンラインサービスの保守または改善を行うためにアクセスが必要な場合にのみデータトラスティがアクセスを許可する また 契約者が Microsoft の担当者による顧客データへのアクセスを直接許可した場合には データトラスティはアクセスを制御または監視する義務を負わない iii. 顧客データの開示 Microsoft は データトラスティまたは契約者の承認なくして顧客データを第三者 ( 法 執行機関を含みます ) に開示することはできず また 開示しないものとする <2.Bosch クラウドのデータセンター立地戦略 > Bosch は ドイツ国内に設置したデータセンターに Bosch IoT Cloud を構築し提供している 同社取締役会長のフォルクマル デナー氏はデータセンターをドイツに設置することを意図的に決定したことを強調している 多くの企業やお客様は セキュリティの懸念からクラウドテクノロジーやネットワーク化ソリューションの利用を避けているといいます その懸念を払拭してくれるのが Bosch IoT Cloud です ボッシュは この IoT クラウドをシュトゥットガルト近郊にある自社のコンピューティングセンターで運用しています ユーザーは 自分のデータがしっかり保護され 安全な状態に保たれていることを把握したいと考えます そのため 私たちが約束するセキュリティを 常に最新のレベルに保っています 28 法的枠組は ドイツと EU のデータセキュリティ規制がベースであり 今後米国などにもデータセンターを構築する予定としている ( 出所 ) 各社公表情報等よりみずほ情報総研作成 我が国に立地するデータセンターは 電力品質 ファシリティの耐災害性 運用 セキ ュリティなどで高水準の品質を有するが その品質は充分に訴求できていない データセ ンターのユーザーは日本企業が大半を占めるが 自由な流通が進む情報社会において グ 28 Bosch プレスリリース ( 49

53 ローバルに訴求を進めることで アジア等からのデータが集まるデータ流通のハブ (Stored in Japan) 化を模索することも考えられる 50

54 2. クラウドインフラ 2.1 市場環境海外と比較して国内のクラウドの利用拡大は遅れているが クラウドの利用は着実に拡大しつつある 一部の大手企業での本格的な利用の動きもあり 産業界の利用意向を踏まえると 今後拡大が進展すると期待される パブリッククラウドに関して改めて見ると 国内市場においても 特定の海外ベンダーが提供するサービスの市場シェアが高く 国内事業者のシェアは一定規模に止まる グローバルシェアにおいては 海外事業者が圧倒的な状況にある ( 億円 ) 国内ベンダー 海外ベンダー 図 3-4 パブリッククラウド (IaaS/PaaS) の市場シェア 再掲 ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 2.2 我が国データ産業の事業環境等の現状 (1) 価格クラウドサービスの利用コストは システムの規模や利用する機能によって異なり 一概にコストの高低は示せないが 必ずしも海外のクラウド事業者のサービスが安価であることはない 特に 海外のクラウドサービスは ネットワークの転送料が従量制であり 転送量の増加に合わせて価格が高まる傾向にある 51

55 AWS AWS Azure Azure Google Cloud Platform Google Cloud Platform さくらのクラウド A 社 さくらのクラウド A 社 FUJITSU Cloud Service B 社 K FUJITSU Cloud Service B 社 K クラウドエヌ C 社 クラウドエヌ C 社 IIJ D GIO 社 IIJ D GIO 社 ,000 40,000 60,000 80, , , , , , , ,000 図 3-5 クラウドサービスの料金例 29 ( 左 : 転送量 10GB 右 : 転送量 10TB) ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 Amazon は 価格の引き下げに積極的に取り組む姿勢を見せ これまでに 60 回を超える値下げを発表している 他社に先駆けて値下げ攻勢をかけ ユーザー規模の優位性を活かして利益を確保するとともに 他社が利益を出しづらい価格面での強みを生み出している また ヒアリングによれば 利用企業は多少の価格差よりもビジネスのアジリティを高めるためのサービス 機能を重視しており 後述のとおり 価格面のみならず サービス 機能面での差別化も有効に働いている (2) サービス 機能海外のクラウドサービスは グローバル共通のサービス展開による規模の経済を活かした研究開発投資によりサービス 機能面で優位性を築いている AWS や Azure では 利用者のニーズに対応した多くのサービスや機能が追加されている 例えば Amazon では 市場拡大に応じてサービス 機能の開発に積極的な投資を行い 2017 年には追加したサービス 機能は 1,430 に達している ( 図 3-6) 29 同列で比較できるようコンピュート ストレージ データ転送料金を対象としており データベースやセキュ リティ ネットワークサービス等は考慮していない 52

56 図 3-6 AWS における年間のサービス 機能の追加状況 ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 ヒアリング調査においてもユーザー企業等から以下のようなサービス 機能に関する意見が得られた SLA 等のサービスの品質面での課題は残るものの クラウドサービスを自社のビジネスのアジリティを高めたり 競争力を向上させるためのツールとして捉えており サービス 機能面の充実がクラウドサービスの差別化要因となっている 画像認識など最新の機能は AWS にいち早く実装されている ( 有識者 A) 利用している海外クラウドサービスの SLA(Service Level Agreement) は 99.95% であり 満足はしていない (A 社 ) 競争力の高いサービスを選ばないことが 逆に自社の競争力を下げることにつながる可能性がある (B 社 ) クラウドを利用する場合 海外クラウドサービスを使う以外の方法は無い状況 海外製のクラウドを利用する理由として 日本の IT 企業の製品 サービスが相対的に劣後している (C 社 ) 30 また 主なクラウドサービス事業者の売上高に占める研究開発費を見ると 売上高の 10% 以上を投資する海外クラウド事業者に対して 国内事業者は 5% 未満と低い水準である ( 図 3-7) 海外企業は研究開発投資の拡大に伴い 機能やサービスの開発 拡充を加速させ 他社との差別化を進めている状況である ( 図 3-8) 53

57 Amazon 12.7% Microsoft Alphabet (Google) 14.5% 15.0% 国内 A 社 3.9% 国内 B 社 4.1% 国内 C 社 0.9% 国内 D 社 0.3% 国内 E 社 0.3% 0.0% 4.0% 8.0% 12.0% 16.0% 図 3-7 売上高研究開発費 30 比率 ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 研究開発費 AWS 売上高売上高研究開発投資比率 25, % 20, % , % 10, % 5, % % 図 3-8 Amazon の研究開発費 30 AWS の売上高等の推移 ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 30 クラウドインフラ分野に対する研究開発費を含めた研究開発費の総額 54

58 (3) セキュリティ海外クラウド事業者は国内外のセキュリティやプライバシー 法規制に関する国際的な主要なコンプライアンス基準に対応している一方 国内事業者は国際的なセキュリティやコンプライアンス基準に十分対応しきれていない状況にある 表 3-3 セキュリティ コンプライアンスに関する主な認証 規格の対応状況 主な認証 規格 認定機関等 主な事業者 AWS Azure A 社 B 社 C 社 ISO27001 ISO/IEC ISO27017 ISO/IEC ( 取得予定 ) ー ー ISO27018 ISO/IEC ー ( 検討中 ) ー ー CSA STAR 米国クラウドセキュリティアライアンス ー ー ー FedRAMP 第三者評価機関 ー ( 検討中 ) ー ー SP (NIST) ー ( 検討中 ) ー ー GDPR (EU 一般データ保護規則 ) ( 準拠予定 ) ー ー FISC 外部監査機関 ー PCI-DSS 日本カード情報セキュリティ協議会 CSマーク クラウドセキュリティ推進協議会 ー (Gold 取得 ) ー ( 検討中 ) ー ー ( 出所 ) 各種公表情報よりみずほ情報総研作成 企業がグローバル化する中 事業のサプライチェーンもグローバルに拡がり それを支える IT システムやクラウドサービスにも国際的な認証 規格への対応が求められる 他方 多様な認証 規格に対応することはコストや体制面で厳しいため 展開先の市場の中で優先度を付けて取り組まざるを得ないとの意見もあり その対応は検討課題である また 米国政府等の調達基準にこれらのグローバルなセキュリティ コンプライアンス基準が採用され それが調達への入札者のみならずサプライチェーン全体に影響する可能性も指摘されている 2016 年 10 月に 米国国防総省 (Department of Defense:DoD) が 同省と契約する事業者に対してサイバーセキュリティの規格 NIST SP に準拠した情報システムを利 31 用し 重要情報 (Controlled Unclassified Information) を取扱わなければならないとの通達 32 を発行した その範囲は同省と契約する事業者及びそのサプライチェーンにまで及ぶことから 日本企業にも同等のセキュリティ基準を求められる可能性がある 国内では NEC が先駆けてクラウドインフラ NEC Cloud IaaS において NIST SP CUI は 2010 年 11 月の大統領令 (Exective Order 13556) により定義された CUI の対象となるデータは広範に及ぶ ( 32 国防総省 DFARS Safeguarding Covered Defense Information and Cyber Incident Reporting ( 55

59 171 に対応したと発表 33 している また 富士通は 2018 年度までにクラウドインフラ FUJITSU Cloud Service K5 において NIST SP800 シリーズのセキュリティ対策基準に準 拠 34 し 堅牢で信頼性の高いクラウドサービスの提供を目指している 2.3 今後の方向性案 (1) 海外クラウドサービスの有効活用デジタルイノベーションを進め 国内ユーザー企業の競争力を高めるためには 高機能なクラウドインフラの活用が不可欠である 一方で ユーザー企業側でクラウドを使いこなす人材が不足している 35 そのため パブリッククラウドが企業の情報システムやアプリケーション開発 PaaS や IoT 等のプラットフォームの基盤に活用される中 高機能のクラウドサービスを使いこなせる人材の確保が必要と考えられる (2) セキュリティ コンプライアンス要件への対応クラウドサービスの利用が拡大する中 安全性の高いクラウドサービスの利用を促すためにも 国際的なセキュリティ コンプライアンス基準の取得を進めることが重要と考えられる また 特に政府分野については クラウド バイ デフォルト原則を掲げる中 クラウドサービスを調達する際に満たすべきセキュリティ等の基準を明確化することで 高い機密性等が求められるデータのセキュアな管理を進める必要がある (3) オンプレミスとの連携オンプレミス パブリッククラウド プライベートクラウドなど異なるサービスを組み合わせるハイブリッドクラウドは 日本企業が高い市場シェアを持つ領域である 一方 今後 パブリッククラウドの需要拡大に応じてパブリッククラウドの利用を前提とする ( あるいは将来的な移行を想定した ) オンプレミスあるいはプライベートクラウドの開発需要が高まる可能性がある 現在導入されているパブリッククラウドとプライベートクラウドやオンプレミスとのハイブリッドクラウドは システム間の連携はなされるものの 移行等は十分に想定されていないことが多い 国内でオンプレミスを抱える顧客を有する IBM Oracle Microsoft などの海外企業は オンプレミスでパブリッククラウドと同様の環境を構築でき アプリケーション等を容易に移行できるプライベートクラウド環境の構築支援に取り組んでいる また Amazon は VMware と連携し オンプレミスの VMware 上で動作している環境を 33 NEC プレスリリース ( 34 富士通プレスリリース ( 35 Amazon では 国内における AWS 認定取得者を 2020 年までに 10 万人に拡大することを目標として取組を推進しているが 足元では ユーザーのクラウド活用のニーズに対応するために十分な人材が育っていないとの指摘もある 56

60 変更することなく AWS 上に移行できるサービス VMware Cloud on AWS の提供を始めている 将来のパブリッククラウドの需要に備えたオンプレミス プライベートクラウドの開発も必要と考えられる 57

61 3. IoT プラットフォーム 3.1 市場環境 IoT 市場の著しい進展が予想され それを支えるプラットフォームの需要 供給も進むと考えられるが 現状は実証実験から社会実装に進む市場形成段階である IoT の活用は 製造 流通 物流 医療 介護 金融 放送 通信など広範な分野で利用が期待される 36 電子情報技術産業協会の調査によると CPS(Cyber Physical Systems) 及び IoT に関する世界市場の分野別の需要は 2016 年時点で家庭向けが市場の約 26.1% 公共向けが同 14.1% 製造(FA 自動車) が同 11.1% 金融及び放送 通信がそれぞれ同 9.9% 流通 物流が同 6.0% を占める 日本市場においては 農業の成長率が著しく 2020 年までに年平均 20.2% の伸び率となり 次いで医療 介護 ( 同 10.9%) 流通 物流 ( 10.4%) が続く 国内では 少子高齢化や都市化の進展による地方の過疎化などの社会課題を解決するために IoT の活用が進むと見られる 3.2 我が国データ産業の事業環境等の現状 IoT 関連市場は形成段階であり その基盤であるプラットフォームも現在多数生み出され 乱立している状況にある Amazon AWS IoT Microsoft Azure IoT などの IT 企業による産業横断型の汎用的な基盤を提供する動きのほか GE Predix や Siemens MindSphere など産業や用途を限定した特化型の基盤も生まれている 我が国においても 富士通や日立製作所 NEC 等が提供する汎用基盤のほか ファナック 三菱電機 小松製作所などが提供する製造業や建設業などに特化したプラットフォームが萌芽し 市場展開を模索している状況にある IoT に関する製品やサービスの提供等に取り組む企業をまとめたカオスマップ ( 図 3-9) を見ると 自動車 ヘルスケア 小売 農業 機械 エネルギー 物流等産業に特化したプラットフォーム 産業横断型のプラットフォームが数多く現れている しかしながら この中に日本の企業は見られない 36 電子情報技術産業協会 CPS/IoT の利活用分野世界市場調査 ( 58

62 図 3-9 IoT プラットフォームのカオスマップ 37 ( 出所 )Matt Truck, Dami Obayomi, FirstMark Capital 米国企業は 従来の IT 産業のエコシステム形成と類似した大手企業を中心とした スタートアップや大学等を巻き込むボトムアップ的な事業展開を進めている 米国では Intel Amazon Microsoft IBM Cisco Salesforce などの大手 IT 企業がエコシステム形成を主導している また 昨今は製造業が IT サービスに注力する動きが進み GE Ford GM 等の大手製造業が自らの産業や事業領域に特化した IoT プラットフォームの構築を主導している 一方 ドイツでは 中堅中小企業が国内の製造業を支える産業構造となっていることから プラットフォームだけでなく プラットフォームに乗るモノの製造において ドイツが優位となるよう取組を進めている ドイツでは Bosch Siemens SAP 等の大手企業が中小企業を支援し 国を巻き込んだ連合体として取組 ドイツの製造業を世界標準にすることで 国内の中小企業等の活性化も狙っている 一方 国内事業者の特徴として ハードウェアと組み合わせたプラットフォームが構築されている点にある 例えば ファナックが提供する Field Systems はファナックの工作機械を最大限に活用できる仕組みであり 小松製作所の LANDLOG も建設機械と組み合わせ 37 詳細は FirstMark Capital Managing Director の Matt Turck 氏のウェブサイトを参照されたい ( 59

63 て構築されている 産業構造はドイツに近しいものがあるが 取組はドイツのようなデフ ァクトを産官学連合体で押さえにいくのではなく 企業の取組が主体のボトムアップ型が 中心である 3.3 今後の方向性案 (1) プラットフォームのエコシステム形成に向けた取組プラットフォームの競争力強化には プラットフォームのエコシステムを如何に形成するかがポイントとなる 政府と民間企業が連携し 規制緩和やルール整備等を進め 更なる導入障壁の低減 IoT の社会実装のフィールドとしての価値を高める中で 国内に限らず国内外のグローバルなサービスプレイヤーを呼び込む等 プラットフォームのエコシステム形成のための仲間づくりを進める必要がある プラットフォームのエコシステムをグローバルに展開するためには ユーザーとしての顧客 ( サービスや機能の受け手 ) だけではなく サービスや機能の提供側する仲間や顧客を巻き込むことが必要である ヒアリング調査では 日本企業が提供するプラットフォームは オープンと謳いつつも どこかで囲い込みが行われるとの指摘もあり 囲い込みではなく オープン化を前提とした取組を進める重要である そのためには 標準化 スタートアップ支援を強化することも有効である (2) 新規市場をターゲットとしたプラットフォーム形成有識者の意見として グローバルなプラットフォーム競争を制する上で重要なのは 既存市場の置き換えという視点ではなく 新規市場に対する グリーンフィールド投資 という考え方が重要であるとする指摘がある 新興市場を制した者がプラットフォームを制するという原則は変わらないとすれば 地域で言えば 例えば東南アジアのような新興市場をターゲットとしたプラットフォームを考えられる プラットフォームが普及するかどうかは そのユーザーを拡げられるかどうか 特に新しいユーザーを広く獲得できるかどうかという点にかかっている また 現状プラットフォームが形成されていないが 今後普及する可能性がある分野として 農業等新たな分野が挙げられる こうした新たな産業分野でのプラットフォーム形成を目指した取組等も有効である (3) 産業横断的なデータプラットフォームや共通基盤の形成海外では データ流通を加速させる仕組みとして産業横断的な ID 認証基盤についての具体的な取組が進められているとの意見も出た 産業横断的な仕組みでもある Connected Industries の実現に向けては こうした産業横断的なデータプラットフォームや共通基盤や機能等が必要となることも考えられ その機能やあり方について検討していくことが求められる 60

64 (4) データ流通 活用のためのルール整備の促進 IoT やビッグデータ活用が進む中 データが個社に閉じるのではなく 企業や業界を跨がり流通し データが組み合わさることで更なる付加価値創出が期待される 国内においては 経済産業省等が進めるデータ流通 活用促進の施策 ( 第 2 章 5.3 を参照されたい ) が事業者等のデータ流通を加速させるものとして期待される これらの施策を着実に推進し データ流通や活用が進む環境を整備することが重要となる また 日本が先行して取り組むデータ流通促進に関わる施策については グローバルに拡げ より一層のデータ活用及びそれによる付加価値創出を進めることが期待される 61

65 4. 中長期的な技術革新等を踏まえた課題や方向性本節では 中長期的な技術革新の方向性として アーキテクチャの変化を取り上げ アーキテクチャの変化がもたらす産業への影響やそれを踏まえた対応の方向性について 仮説を示す 4.1 アーキテクチャの変化への対応コンピュータシステムの流れは主要プレイヤーの交代とともに集中と分散の繰り返しと言われている 現在は クラウドの進展によって集中のトレンドである 我が国データ産業の競争力を高めるためには 次世代のアーキテクチャを見据えた中長期的な視点での検討も必要と考えられる 図 3-10 集中 分散の波 ( 出所 ) 経済産業省 産業構造審議会章流通情報分科会分散戦略 WG 中間取りまとめ 今後の IoT の進展により 生み出されるデータは膨大な量となる 一方で データ量に対する 価値密度 が低い可能性が高く これらのデータの処理の効率性 単価が問題との指摘がなされている ビット当たりの単価が最適な場所で処理されることが重要となることから クラウドだけではなく デバイス側で 価値密度 を上げるためのデータ処理が重要となるとの考えである ユーザーの近くで処理を行う分散型のアーキテクチャであるエッジコンピューティングやフォグコンピューティングが注目されている 62

66 ~ クラウドコンピューティング ~ ~ フォグコンピューティング ~ ~ エッジコンピューティング ~ ネットワーク ネットワーク ネットワーク よりユーザーに近いサーバでデータを処理 デバイス上もしくはローカルネット内でデータを処理 図 3-11 エッジコンピューティングのアーキテクチャ ( 出所 ) みずほ情報総研作成 IDC Japan 38 によると エッジ側での処理を行う拠点 ( エッジマイクロデータセンター ) は 2017 年末の 1,037 ヶ所から 2021 年末には 4,354 ヶ所に増加すると予測されている また エッジマイクロデータセンターの 1 か所あたりの設備規模はまだ小さく 平均的にはサーバーラック 1 本に収納可能な程度にとどまるほか エッジマイクロデータセンターのために新たにサーバールームを建設する必要性は小さく 主に既設のサーバールームやデータセンターの空きスペースに設置すれば済むことが多い また 中長期的には ミッションクリティカルなエッジ処理が増える可能性が高く 電源システムや冷却システムの増強が必要になる場合も増える とも指摘されている コネクテッドカー 製造オペレーションにおける IoT の取組の拡大がエッジコンピューティングの利用を牽引するとしている エッジコンピューティングのユースケース例自動走行 遠隔制御等の超リアルタイムサービスの実現に向けて 数 msec 程度の低遅延化に対する要求が拡大に応じて リアルタイム性が高く サーバーと頻繁に通信を行うアプリケーションはクラウドよりもエッジで処理する方が適しているとして 分散データ処理や低遅延応答等を実現するエッジコンピューティングに期待が高まっている 38 IDC Japan 国内 IoT 向けエッジマイクロデータセンター数の予測を発表 ( 63

67 分野 ビッグデータファイルのダウンロードオフラインバックアップ Youtube ホームオートメーション ビデオ監視 ウェブ検索 センサー測定 インタラクティブウェブサイト スマートビル アナリティクス VR スマート輸送 ゲーム 金融 ハプティクス ロボティクス リアルタイム製造 レイテンシーの要求 100s 10s 1s 100ms 10ms 1ms Easy with Cloud Challenge with Cloud Impossible with Cloud 図 3-12 アプリケーション別のレイテンシーの要求とエッジコンピューティングの適合性 ( 出所 )IEEE Communications magazine ( 2017) よりみずほ情報総研作成 クラウドとエッジの棲み分け経済産業省は 2016 年 3 月より産業構造審議会情報経済小委員会の中に分散戦略 WG を設置し 中長期的な視点にたち サプライサイドからの IoT の進化を踏まえてユーザー本位のデータ構造へと進化するためのアーキテクチャ等に関するアプローチについて検討を行い 将来像やあるべき戦略論を取りまとめている 新たなアーキテクチャとして データに基づく機器の自動制御の進展に伴い データ伝送のレイテンシーが問題となり クラウドと分担 連携してシステム全体の負荷を低減するためのアーキテクチャとしてエッジヘビー ( フォグ ) コンピューティングが必要となる クラウドとエッジ ( フォグ ) の共存共栄構造が実現される可能性を示唆している 図 3-13 データユーザー主導型のデータ分散型構造 ( 出所 ) 経済産業省 産業構造審議会章流通情報分科会分散戦略 WG 中間取りまとめ 64

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<4D F736F F D F193B994AD955C D9E82DD835C EC091D492B28DB8816A2E646F63> 2007 年 6 月 27 日経済産業省 の概要 経済産業省は 今般 急速に拡大している自動車 携帯電話等に内蔵されているソフトウェア ( 組込みソフトウェア ) に関し その実態を把握するために 組込みソフトウェアに係わる企業 技術者等を対象として調査を行いました その結果 組込みソフトウェア品質の二極化やスキルレベルの高い技術者の不足などの課題が浮き彫りになりました それらを踏まえ 経済産業省では

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