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1 SAPPORO

2 電子抄録 PDF を表示するアプリについてのご注意 DICOMAdobe Acrobat Reader Adobe Acrobat Reader Android PlayAdobe Acrobat Reader Adobe Acrobat Adobe Reader ios App StoreAdobe Acrobat Reader Adobe Reader Adobe Acrobat (1) 各演題のページのをクリックして下さい (2)Web ブラウザが起動し 演題に該当するDICOM 画像検査リストが表示されますので 表示したい検査の画像をクリックすると DICOM 画像が表示されます i 電子抄録の使い方について イーサイトヘルスケア株式会社 初版 2017 年 2 月 1 日

3 (3) 画像右側スクロールバー またはその近傍を指 1 本 ( マウス ) で上下するとページングがで きます (4) その他の機能として 画面上部にボタンが用意されています 機能を変更する場合は 画面上部のボタンを押す必要があります 下記に代表的なボタンの簡単な説明と注意点を記載します [ シリーズ ] ボタン [ イメージ ] ボタンでウィンドウレイアウト変更 上図は シリーズボタンをプルダウンして 1 2のレイアウトを選択 [ ズーム ] ボタンを押し 指 1 本 ( マウス ) で上 下することで 拡大 縮小 [ パン ] ボタンを押し 指 1 本 ( マウス ) で自由に移動 [W/L] ボタンを押し 指 1 本 ( マウス ) で上 下 (L) 左 右(W) が変更 W/Lが変更されるとシリーズ全ての画像が再度ダウンロードされます [ スクロール ] ボタンを押し 指 1 本 ( マウス ) で画像右側のスクロールバー又はその近傍を上 下することでページング [ ][ ] ボタンをクリックすると1 枚単位でページング 詳細な操作説明は 下記 URL の画面左にある WEB VIEWER 操作説明 をご参照ください URL: モバイルWi-Fiご利用の方で パケット制限が気になる方への情報です 参照される画像枚数 (CT/MRの先読みを含む) と使用頻度に応じた通信量となります CR 1 枚あたり200KB 程度 CT/MR 1 枚あたり30KB 程度 (50 枚 :1.5MB 500 枚 :15MB) パケットが発生するケースは画像表示とJavaScript 読込み時に発生します 検索画面や新規タブを起動すると JavaScript 読込みオーバーヘッドが発生しますが 容量の大部分は画像によるもので 画像を何枚読込むか を基準にお考えください 10 分間検索リスト上の様々な画像を ( 通常操作程度の頻度でCT CRなどを表示してWLを変える等 ) 表示した場合 100MB ~ 120MB 程度のパケットは流れます CT 200 枚の1 検査を WL を変えながら参照する という場合には10MB ~ 15MB 程度のパケットとなります ii 電子抄録の使い方について イーサイトヘルスケア株式会社 初版 2017 年 2 月 1 日

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7 会場へのアクセス 会場 札幌プリンスホテル国際館パミール 札幌駅 地下鉄札幌駅 道庁 さっぽろ芸術文化の館 教育文化 会館 地下鉄 西11丁目駅 時計台 創 成 川 通 植物園 札幌駅前通 石 山 通 至 小 札幌市中央区南2条西11丁目 至 旭 川 市役所 大通公園 テレビ塔 地下鉄大通駅 札幌プリンスホテル 国際館パミール 市電 中央区役所 消防署 月 寒 通 地下鉄すすきの駅 札幌プリンス ホテルタワー 中央区役所 地下鉄豊水 すすきの駅 石 山 通 り 国際館パミール 電車をご利用の場合は JR新千歳空港駅から快速エアポート(15分毎運行)で札幌駅まで37分 札幌駅からホテルまでは 地下鉄またはタクシーをご利用ください 地下鉄 札幌駅から 地下鉄南北線 真駒内行で 大通駅 下車 東西線宮の沢行 に乗り継ぎ 西11丁目駅 にて下車後 2番出口より徒歩約3分 タクシー 所要時間約8分 地下鉄をご利用の場合は 札幌市営地下鉄東西線西11丁目駅下車 徒歩約3分 2番出口から階段で地上へ出たら右(南方面)へ向かい市電のある交差点をお渡りください さらに歩き交差点をもう1本渡ると 札幌プリンスホテルタワーがございます 5

8 会場案内図 札幌プリンスホテル 国際館パミール 2F 事務局 女子化粧室 休憩スペース 病理閲覧コーナー 総合受付 PC受付 男子化粧室 吹抜 EV 3F 口演会場 ポスター 展示会場 大沼 洞 支笏 風蓮 摩周 屈斜路 EV 6F 懇親会会場 日高 大雪 世話人会会場 大雪 EV 6

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17 ランチョンセミナー1 見えてきた 膵癌早期診断の臨床像 司会 花田 敬士 JA尾道総合病院 消化器内科 演者 菅野 敦 東北大学病院 消化器内科 共催 EAファーマ株式会社 膵3 座長 長谷部 修 長野市民病院 消化器内科 大塚 隆生 九州大学 臨床 腫瘍外科 病理コメンテーター 福嶋 敬宜 自治医科大学附属病院 病理診断部 画像コメンテーター 櫻井 康雄 手稲渓仁会病院 放射線診断科 O-07 再発性急性膵炎の原因精査を契機に発見された膵上皮内癌の1例 中島 義博 川崎医科大学 胆膵インターベンション学 O-08 薄切病理標本を作製し詳細な画像との対比を行った膵体部上皮内癌の 1 例 中道 太郎 宇都宮記念病院 消化器内科 O-09 部分的な膵萎縮および脂肪化を伴った主膵管狭窄の 1 例 松本 和幸 岡山大学病院 消化器内科 膵4 座長 植木 敏晴 福岡大学筑紫病院 消化器内科 山上 裕機 和歌山県立医科大学 外科学第2講座 病理コメンテーター 渡辺 英伸 新潟大学名誉教授/PCL Japan病理 細胞診センター 画像コメンテーター 小野寺祐也 恵佑会札幌病院 放射線診断科 O-10 胃型形質を有する分枝型 IPMN の主膵管進展部において浸潤性の発育を呈した 1 例 佐藤 高光 横浜市立大学附属病院 肝胆膵消化器病学 O-11 非典型的な画像所見を呈した膵神経内分泌腫瘍の 1 例 長川 達哉 JA 北海道厚生連 札幌厚生病院 第 2 消化器内科 O-12 稀な膵管内腫瘍の 1 例 平田 幸司 北海道大学病院 消化器内科 15

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27 プレナリーセッション 座長 : 山雄健次 ( 成田記念病院 ) 渡邊五朗 ( 山王病院外科 ) 病理コメンテーター : 柳澤昭夫 ( 京都第一赤十字病院病理診断科 ) 画像コメンテーター : 蒲田敏文 ( 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科放射線科 ) 審査員 : 須山正文 ( 順天堂大学医学部附属浦安病院消化器内科 ) 角谷眞澄 ( 信州大学医学部画像医学教室 ) PS-1 PS-2 PS-3 PS-4 PS-5 PS-6 病理学的診断が困難であった膵全体を占拠する膵腫瘍の1 例鍋島立秀 ( 東北大学消化器内科 ) IPMN 由来浸潤癌と術前診断した膵頭部 MANEC の 1 例森英輝 (JA 尾道総合病院消化器内科 ) 主膵管の限局性壁肥厚および末梢膵管拡張を契機に上皮内癌が疑われ 膵体尾部切除を施行した PanIN-2 の1 例奴田絢也 ( 和歌山県立医科大学第二内科 ) 膵微小浸潤癌の 1 例森義治 ( 公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院消化器センター消化器内科 ) 限局性膵管狭窄の経過観察中に発生した T1b 膵癌の 1 例村林桃士 ( 仙台市医療センター仙台オープン病院消化管 肝胆膵内科 ) 膵上皮内癌が 10 ヶ月で浸潤したと考えられた 1 例遠藤壮登 ( 手稲渓仁会病院消化器病センター )

28 PS-1 病理学的診断が困難であった膵全体を占拠する膵腫瘍の 1 例 鍋島立秀 1) 菅野敦 1) 正宗淳 1) 滝川哲也 1) 三浦晋 1) 濱田晋 1) 粂潔 1) 菊田和宏 1) 村上圭吾 3) 海野倫明 2) 1) 下瀬川徹 東北大学消化器内科 1) 同肝胆膵外科 2) 3) 同病理部 症例 40 歳代男性 主訴 体重減少 血糖コントロール不良 既往歴 糖尿病 現病歴 体重減少と糖尿病の悪化を認め 造影 CT にて膵全体を占拠する腫瘍を認めたため当科を受診した 入院後経過 CT: 膵全体を占める充実性腫瘍を認め 内部は一部小石灰化を伴い 不均一な造影効果を呈した MRI: 内部不均一な信号を呈し 拡散信号の低下を認めた EUS: 膵全体に膵管内を充満する腫瘍を認めた ERP: 膵頭部主膵管内に蟹爪様の陰影欠損を認めた FDG-PET: 腫瘍の辺縁に SUV max4.6 の集積を認めた 膵管内を主座とする膵全体を占拠する腫瘍と判断し 膵全摘術を施行した 病理結果 膵全体を腫瘍細胞が占拠していた 腫瘍内部では 分化方向の不明な腫瘍細胞が密に増殖している他に ACC pnet 腺癌を示唆する組織が島状に混在していた 免疫組織学的には AE1/AE3(+) vimentin(+) Bcl2( 一部 +) β -catenin( 核 -) Bcl10( 一部 +) Trypsin(-) Lipase(-) Chromogranin A( 一部 +) であり 形態と免疫組織学的所見を一元的に説明できる診断は得られなかった 結語 膵管内を充実性に増殖し膵全体を占拠する特徴的な進展様式を呈した膵腫瘍の 1 例を経験した 本症例は 多彩な分化傾向を呈する腫瘍細胞が混在し 病理学的確定診断が困難であった 26

29 PS-2 IPMN 由来浸潤癌と術前診断した膵頭部 MANEC の 1 例 森英輝 1) 花田敬士 1) 矢野成樹 1) 福原基允 1) 丸山紘嗣 1) 清水晃典 1) 南智之 1) 平野巨通 1) 天野尋陽 2) 3) 米原修治 JA 尾道総合病院消化器内科 1) 同外科 2) 3) 同病理研究検査科 症例は 50 歳代男性. 200X 年 10 月下旬頃より上腹部痛が出現し近医受診. CT で膵体部 ~ 膵尾部にかけて膵管拡張を認め, 精査加療目的に当科紹介となった. 血液検査では膵酵素の上昇は認めず, 腫瘍マーカーは CA19-9 が 86.5U/mL と高値であった. 腹部造影 CT では主膵管はびまん性に拡張し, 膵実質の萎縮を認め, 頭部主膵管と一部の分枝膵管内に緩徐に造影される腫瘤を認めた. MRI(MRCP) では主膵管及び分枝膵管の拡張を認め, 頭部から体部の膵管内に限局性な低信号を認めた. EUS では頭部の膵管内に一部造影効果を有する腫瘍性病変を認め, 体尾部の拡張した主膵管内には, 乳頭状の小隆起を伴った壁肥厚様構造が尾部まで伸びていた. ERCP では主乳頭の開大はなく, 膵管深部挿管時に多量の白色粘液が排出された. IDUS では頭部から尾部の主膵管に乳頭状の隆起性病変が確認された. 膵液細胞診で腺癌細胞を認め, 混合型 IPMN に由来する浸潤癌と診断し膵全摘が施行された. 病理組織学的検査では, 頭部に高度な核異型を有する腫瘍細胞が嚢胞状に拡張した腺管内を平坦状, あるいは微小乳頭状に増殖する像を認めた. 体尾部を含めて IPMN とすべき low-grade 及び high-grade dysplasia の像は認めず, 慢性膵炎の所見であった. また頭部に腫瘍細胞が充実性の小型胞巣を形成して浸潤性に増殖する像を認め, 腫瘍細胞は Ki-67 指数 95%, 核分裂像数 25(/10HPF), chromogranin A 陽性, synaptophysin 陽性であり最終診断は Mixed ductalneuroendocrine carcinoma of pancreas, head であった. 膵実質内の腫瘍性病変は指摘できなかったため, 膵管内腫瘍が主体の病変と考え, 術前検査で膵液細胞診にて腺癌と診断した症例であった. 27

30 PS-3 主膵管の限局性壁肥厚および末梢膵管拡張を契機に上皮内癌が疑われ 膵体尾部切除を施行した PanIN-2 の 1 例 奴田絢也 1) 北野雅之 1) 糸永昌弘 1) 田村崇 1) 川路祐樹 1) 幡丸景一 1) 北畑裕司 2) 川井学 2) 山上裕機 2) 岩橋吉史 3) 3) 村田晋一 和歌山県立医科大学第二内科 1) 同第二外科 2) 3) 同人体病理科 症例は 52 歳女性 2016 年 10 月前医の検診目的の腹部エコーで 主膵管の拡張を指摘された 造影 CT MRCP でも同様に膵体尾部の膵管拡張 (5mm) を認めるも 明らかな腫瘍は指摘されなかった (Figure1a 1b) 膵癌の鑑別目的に ERP および膵管の擦過細胞診が施行された ERP では膵体部主膵管の軽度狭窄およびその尾側膵管の拡張を認め (Figure2) 上皮内癌の可能性が疑われたが 3 回施行された擦過細胞診のいずれも Class Ⅲ であった 12 月に確定診断および手術目的に当院外科を紹介受診 精査目的に 2017 年 1 月 4 日に当科で EUS を施行 膵体部主膵管に限局する 2mm の壁肥厚とその周囲のごく軽度の low echoic area を認めるも 造影 EUS では iso enhancement であった (Figure3) 壁肥厚の尾側膵管には軽度の拡張 (5mm) を認めた これらの結果より 上皮内癌の可能性が考慮され 1 月 24 日に膵体尾部切除を施行 病理組織像では 膵体部主膵管やその近傍の分枝膵管の拡張を認め その内面は平坦状ないし軽度の乳頭状変化を伴い上皮の増生を認めるも 核の腫大は軽度で クロマチンの増生や核形の不整は目立たず PanIN-2 相当と考えられた (Figure4) 主膵管周囲には軽度の線維化 血管増生が認められ EUS における low echoic area に一致すると考えられた 術前検査で上皮内癌が疑われ 手術を施行したが 実際は PanIN-2 であった症例を経験したので報告する 28

31 PS-4 膵微小浸潤癌の 1 例 森義治 1) 栗田亮 1) 東俊二郎 1) 工藤寧 1) 八隅秀二郎 1) 内田洋一朗 2) 寺嶋宏明 2) 松崎直美 3) 3) 弓場吉哲 公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院消化器センター消化器内科 1) 同消化器センター消化器外科 2) 3) 同病理診断科 症例は 60 歳代男性 健診で CA19-9 高値 (47U/ml) のため 精査目的に当院紹介となった 腹部造影 CT で膵尾部に限局性の膵実質萎縮と尾側膵管の拡張を認めたが 腫瘤は同定できなかった MRI では T1WI で低信号 T2WI で等信号 DWI で淡い拡散制限を認めた 超音波内視鏡検査では膵管狭窄部周囲に境界不明瞭な低エコー領域を認めるものの 腫瘤としての認識は出来なかった 膵管造影検査では 狭窄部は不整であり 膵管擦過細胞診で class Ⅲ b であった 明らかな腫瘤は同定できておらず 術前診断は膵上皮内癌 ctis cn0 cm0 cstage0 と判断し 膵尾部切除術を施行した 病理標本では病変の主座はほとんどが主膵管内に限局した上皮内癌で 一部 3mm の範囲で浸潤部を認め 最終診断は ft1a fn0 fm0 fstage IA であった 29

32 PS-5 限局性膵管狭窄の経過観察中に発生した T1b 膵癌の 1 例 村林桃士 1) 枡かおり 1) 越田真介 1) 野田裕 1,3) 伊藤啓 1) 菅野良秀 1) 小川貴央 1) 楠瀬寛顕 1) 酒井利隆 1) 及川昌也 2) 3) 澤井高志 仙台市医療センター仙台オープン病院消化管 肝胆膵内科 1) 同消化器外科 2) 3) 同病理部 症例は 83 歳男性 盲腸癌術後経過観察中の MRCP にて主膵管狭窄を指摘され 当科に紹介となった MRCP では 膵体部に限局性の軽度主膵管狭窄と頭側膵管の軽度拡張を認め 狭窄部近傍に 4mm の嚢胞を認めた EUS では同部位に腫瘤を認めず ERP では体部に限局性の軽度主膵管狭窄と頭側膵管の軽度拡張を認めた 膵液細胞診を施行するも悪性所見を認めず 経過観察の方針となった 3 年後の MRCP では 主膵管の所見に変化を認めなかったが 狭窄部近傍の嚢胞が 8mm まで増大していた また 腹部 US で主膵管狭窄部周囲に淡い低エコー領域を認め 精査入院となった CT では膵体部に腫瘤を指摘できなかったが 同部の限局性の膵萎縮が以前より進行していた ERP では体部の限局性主膵管狭窄の悪化を認めた EUS では主膵管狭窄部の近傍に 8mm の嚢胞と 12mm の低エコー腫瘤を認めた 同部に対し EUS-FNA を施行し 腺癌の病理診断となり Stage IA の膵体部癌と診断し 膵体尾部切除術を施行した 切除標本では肉眼的に 15mm の白色腫瘤を認め 病理組織所見では 9x7x6mm の中分化型腺癌を認め 浸潤癌周囲の主膵管と分枝膵管に High-grade PanIN を認めた 最終病理診断は Invasive ductal carcinoma, pt1b pn0 pm0 pstage IA (JPS 7th) であった 小膵癌の画像所見について経時的な変化を中心に御討論いただきたい 30

33 PS-6 膵上皮内癌が 10 ヶ月で浸潤したと考えられた 1 例 遠藤壮登 1) 金俊文 1) 真口宏介 1) 高橋邦幸 1) 潟沼朗生 1) 林毅 1) 矢根圭 1) 永井一正 1) 小松直広 1) 田中一成 1) 2) 大森優子 手稲渓仁会病院消化器病センター 1) 2) 同病理診断科 症例は 71 歳男性 検診の腹部 US で膵頭部嚢胞を指摘され 2015 年 12 月に前医受診 CT で膵頭部に 11mm 程度の分枝拡張を認めた 2016 年 2 月 患者の希望で当センター紹介となる MRCP では膵頭部に多房性の分枝拡張を認め分枝型 IPMN と診断したが 膵体部主膵管に軽度狭窄と尾側の軽度拡張を認めた EUS では膵体部の主膵管狭窄部に不明瞭な低エコー領域を認めた ERP を施行し 膵体部主膵管に 7mm 長の狭窄を認めたが 頭側と尾側の主膵管径に顕著な差はみられなかった ENPD チューブを留置し 膵液細胞診を 6 回提出 疑陽性 3 回 陰性 1 回であった 膵上皮内癌を疑い手術を勧めたが 経過観察を希望した 3 ヶ月後の CT 所見に変化は認めなかったが ENPD 留置下膵液細胞診を再施行し 8 回中 4 回が疑陽性となり 再度手術を勧め承諾が得られた 希望にて 3 ヶ月後 ( 前医初診より 10 ヶ月後 ) に膵体尾部切除術を施行した 術直前に MDCT を施行したところ 主膵管狭窄部周囲にわずかに遅延濃染を呈する領域を認めたが MRCP では狭窄範囲の拡大や尾側主膵管拡張の増悪は認めなかった 切除後の病理組織学検査では上皮内癌が狭窄部の頭側 12mm 尾側 20mm に分布し 狭窄部に一致して 7 6mm の浸潤癌が 10mm 長の範囲に認められ T1b N0 pstage IA と最終診断した 画像所見での主膵管狭窄は変化が見られなかったが 術直前の CT にて淡い遅延濃染が出現したことから 経過中に上皮内癌が浸潤を来したと考えられた 31

34 口 演

35 膵 1 座長 : 入澤篤志 ( 福島県立医科大学会津医療センター消化器内科学講座 ) 北川裕久 ( 富山市立富山市民病院消化器外科 ) 病理コメンテーター : 山口浩 ( 東京医科大学病理診断科 ) 画像コメンテーター : 廣橋伸治 ( 大阪暁明館病院放射線科 ) O-01 膵管出血をきたした膵管内管状乳頭腫瘍の 1 例大津卓也 ( 静岡県立総合病院肝胆膵内科 ) O-02 膵管内管状乳頭状病変を合併した自己免疫性膵炎の 1 例藤江慎也 ( 静岡県立静岡がんセンター内視鏡科 ) O-03 T1 膵癌の術後 2 年で膵管内腫瘍を発症した 1 例塩路和彦 ( 新潟県立がんセンター新潟病院内科 )

36 O-01 膵管出血をきたした膵管内管状乳頭腫瘍の 1 例 大津卓也 1) 川口真矢 1) 白根尚文 1) 遠藤伸也 1) 寺田修三 1) 佐藤辰宣 1) 金本秀行 2) 3) 村松彩 静岡県立総合病院肝胆膵内科 1) 同外科 2) 3) 同病理診断科 症例 75 歳女性 主訴 背部痛 家族歴 母 姉 : 膵癌 現病歴 肝胆道系酵素と CA19-9 上昇で当科に紹介され 腹部 US で膵体部に境界不明瞭な低エコー腫瘤と上流膵管の拡張を認め精査を行った 膵体部腫瘤は EUS では径 1.7cm の辺縁不整 内部不均一な低エコーの充実性腫瘤で 辺縁に嚢胞領域を伴っていた 造影 CT では動脈相で淡い造影効果を伴い MRI では T2WI で淡い低信号 DWI で高信号を呈した PET-CT では SUV max3.44 の集積を認めた ERP では乳頭から出血を認め hemosuccus pancreaticus と考えたが 粘液の排出は認めなかった 膵体部でカニ爪状に 16mm 大の欠損像を認め 尾側の主膵管は拡張していた IDUS では腫瘤は膵管内に急峻に立ち上がる形態をとり 膵管外にも浸潤を認めた 擦過細胞診で class Ⅴ 腺癌と診断した ERP の所見で腫瘤は膵管内発育を呈する腫瘍の形態をとるため ITPN を第一に 特殊型膵癌を鑑別として膵体尾部切除術を施行した 病理組織学的には主膵管内に充満するように 非粘液性の円柱上皮が管状 乳頭状に増殖する像がみられ 膵浸潤を認め 膵管内管状乳頭腺癌と診断した また 主腫瘍に連続するように頭側の主膵管には low-grade PanIN を認めた 考察 ITPN と PanIN は関連のない病変と考えられてきたが 本症例では両者の移行像がみられたため病理学的に御検討頂きたい 34

37 O-02 膵管内管状乳頭状病変を合併した自己免疫性膵炎の 1 例 藤江慎也 1) 松林宏行 1) 石渡裕俊 1) 松井徹 1) 佐藤純也 1) 伊藤貴明 2) 上坂克彦 2) 佐々木恵子 3) 1) 小野裕之 静岡県立静岡がんセンター内視鏡科 1) 同肝胆膵外科 2) 3) 同病理診断科 症例 70 歳代男性 糖尿病で通院中に血糖コントロールの増悪があり 精査目的に施行された CT で膵腫瘤を認め 当院へ紹介 血清 CEA と CA19-9 は正常であったが HbA1c(9.2%) と IgG4 (265 mg/dl) の異常高値を認めた 腹部超音波では膵体部に φ 26 mmの内部低エコーで境界不明瞭な不整形腫瘤性病変を認めた 病変は CT 動脈相で周囲膵実質より乏血性の腫瘤として描出され 晩期相では遷延性の濃染を呈した また MRI では T1WI で低信号 T2WI で軽度高信号 Diffusion では軽度高信号 MRCP では主膵管は腫瘤部で狭窄し その頭側で 5mm 尾側で 10mm と拡張していた 主膵管狭窄部周囲には多発する小嚢胞を認めた EUS では膵体部に低エコー腫瘤を認め 近接する主膵管内に連続する成分を認めた EUS-FNA の組織診では繊維性間質の中に多数の IgG4 陽性細胞 (>10 個 /HPF) を認めたが 配列が乱れた異型腺管もみられた 画像的には AIP としては非典型的で 主膵管内腫瘍やその悪性化病変を疑い膵体尾部切除を行った 病理組織では膵管周囲の炎症細胞浸潤 多数の IgG4 陽性細胞 花筵状線維化 閉塞性静脈炎を認めた また 膵管内腫瘤は増生した丈の高い乳頭状粘液上皮と管状腺管からなり 間質には炎症細胞浸潤を認めた 画像病理の両面で示唆に富んだ症例であり報告する 検討事項 1)IPMN ITT に随伴した AIP と考えるべきか AIP の慢性炎症に伴う膵管上皮の過形成変化と取るべきか 2) 外科切除は妥当であったか 35

38 O-03 T1 膵癌の術後 2 年で膵管内腫瘍を発症した 1 例 塩路和彦 1) 安住里映 1) 青柳智也 1) 栗田総 1) 佐々木俊哉 1) 小林正明 1) 成澤林太郎 1) 野村達也 2) 土屋嘉昭 2) 西田浩彰 3) 本間慶一 3) 新潟県立がんセンター新潟病院内科 1) 同消化器外科 2) 同病理部 3) 症例は 60 歳代の女性 アミラーゼの高値を指摘され X 年 3 月に当科紹介 CT にて膵管拡張を認めたため精査となった CT MRI では拡張膵管の乳頭側に明らかな腫瘤は指摘できなった EUS では膵頭部に淡い低エコー領域を認め 同部より尾側の膵管は拡張していた ERCP では膵頭部に膵管狭窄を認め ブラッシング細胞診は Class V であった 小膵癌の術前診断で 亜全胃温存膵頭十二指腸切除術が施行された 病理では 6mm の膵癌で T1bN0M0 Stage IA であった TS1 による補助化学療法を 6 ヶ月施行し 定期的にフォローされていた X+2 年 3 月の CT にて残膵の膵管拡張が指摘された CT では腫瘤の指摘は困難であったが EUS では拡張した膵管の乳頭側に 15mm 大の低エコー腫瘤を認めた 病変は膵管空腸吻合部とは離れており 遺残再発ではなく 残膵に新たに発生した膵癌と考え残膵全摘術を行った 病理では病変の主座は膵管内に存在し膵管内腫瘍と考えられた 初回手術の病理標本を見直すと腫瘍は主膵管内に限局し 膵管上皮に浸潤 乳頭状構造は目立たないものの通常の浸潤性膵管癌としては非典型的であった 残膵に発生した腫瘍は乳頭状構造が目立ち膵管内腫瘍を疑うが 臨床的には粘液産生を指摘できず 術前に膵管内腫瘍を鑑別にあげることができなかった 両病変とも主膵管内に主座をもち類似点があることから 多中心性に発生した一連の腫瘍や implantation の可能性について また膵管内腫瘍と診断してよいか ご討議いただきたい 36

39 膵 2 座長 : 原和生 ( 愛知県がんセンター中央病院消化器内科部 ) 羽鳥隆 ( 国際医療福祉大学三田病院外科 消化器センター ) 病理コメンテーター : 佐々木恵子 ( 静岡県立静岡がんセンター病理診断科 ) 画像コメンテーター : 山城正司 ( 福井県済生会病院放射線科 ) O-04 膵癌との鑑別に苦慮した膵体部腫瘤の 1 例鈴木辰典 ( 東京大学医学部附属病院消化器内科 ) O-05 PanIN の併存により非典型的な主膵管像を呈した膵神経内分泌腫瘍 (p-net) の1 例廣瀨勝也 ( 東京女子医科大学統合医科学研究所 / 一般財団法人温知会会津中央病院消化器科 ) O-06 主膵管内進展を伴い膵広範に浸潤した膵神経内分泌腫瘍の 1 例朝井靖二 ( 東京医科大学病院臨床医学系消化器内科学分野 )

40 O-04 膵癌との鑑別に苦慮した膵体部腫瘤の 1 例 鈴木辰典 1) 中井陽介 1) 高原楠昊 1) 水野卓 1) 木暮宏史 1) 田中麻里子 2) 渡谷岳行 3) 阪本良弘 4) 多田稔 1) 國土典宏 4) 1) 小池和彦 東京大学医学部附属病院消化器内科 1) 同病理部 2) 同放射線科 3) 4) 同肝胆膵外科 症例は特記すべき既往のない 39 歳男性 健診の腹部超音波で膵体部腫瘤を指摘され 当院紹介受診 自覚症状や身体所見に特記すべき異常所見はなく 腫瘍マーカーや IgG4 を含め各種血液検査に明らかな異常を認めなかった 造影 CT で膵体部に造影効果の乏しい 22mm 大の境界明瞭な類円型腫瘤を認め 尾側膵管拡張 実質萎縮を伴っていた 腫瘍から連続する軟部影が腹腔動脈に半周を越えて接しており 血管周囲神経叢浸潤が疑われた MRI で膵体部に T1WI 低信号腫瘤を認め 造影では早期で実質より低信号 遅延相で高信号を認めた EUS では境界明瞭な低エコー腫瘤として描出され ソナゾイド造影で早期より淡い濃染が見られた 腫瘤により主膵管の途絶および尾側膵管の拡張を認めた 以上の画像所見より borderline resectable 膵体部癌が疑われ 術前化学療法が検討されたが EUS-FNA にて膵神経内分泌腫瘍と診断された 各種内分泌機能検査はいずれも正常範囲内で 非機能性膵神経内分泌腫瘍の診断で膵体尾部切除術を施行した 切除検体は白色充実性の比較的境界明瞭な腫瘍で 組織学的には大小不同の核を有する腫瘍細胞が 索状 胞巣状に増殖し 免疫組織学的に synaptophysin(+) chromogranin A(+) CD56(+) を示し MIB-1 index は 10% 程度であったことから NET (G2) と最終診断された 主膵管狭窄および尾側膵管拡張 実質萎縮を来し 膵癌との鑑別が問題となる膵神経内分泌腫瘍の 1 例を経験した 38

41 O-05 PanIN の併存により非典型的な主膵管像を呈した膵神経内分泌腫瘍 (p-net) の 1 例 廣瀨勝也 1,2) 岩尾年康 2) 吉野武晃 2) 新井田憩 2) 川口隆憲 3) 4) 安川覚 東京女子医科大学統合医科学研究所 1) 一般財団法人温知会会津中央病院消化器科 2) 同病理部 3) 4) 京都府立医科大学附属病院病理診断部 症例は 73 歳女性 当院での定期超音波検査で膵体部腫瘤を指摘し 精査加療を行なった 造影 CT では動脈相早期より比較的均一に濃染される境界明瞭な類円形腫瘤を認めた EUS では膵内に境界明瞭で辺縁整な φ 20mm 程度の低エコー腫瘤を認め ソナゾイド造影で早期濃染を認めた p-net を疑い EUS-FNA を施行し 病理組織診でも p-net との診断であったが MRCP にて主膵管狭窄と周囲の分枝拡張を認め 典型的な圧排性狭窄とは異なる主膵管の変形を疑い ERP を施行した ERP では膵体部主膵管に硬化を疑う狭窄が存在し 同部位で拡張した分枝も造影された 以上の所見と組織診より p-net もしくは MANEC を疑い膵体尾部切除術を施行した 病理診断では 腫瘍は比較的均一な類円形の核を持つ索状の細胞が並んでおり 免疫組織化学で chromogranin(+), synaptophisin(+), MIB-1 index 2.3% であったため 腫瘤部は p-net G1 と診断した その付近には周囲に線維化を伴う狭窄した主膵管と その上皮に low-high grade PanIN を認め 術前検査で認めた主膵管像は PanIN と p-net の双方からの影響による主膵管周囲の炎症 線維化による影響ではないかと考えた 本症例の p-net と PanIN の関連 膵管像の成り立ちの原因について御検討いただきたい 39

42 O-06 主膵管内進展を伴い膵広範に浸潤した膵神経内分泌腫瘍の 1 例 朝井靖二 1) 土屋貴愛 1) 祖父尼淳 1) 辻修二郎 1) 田中麗奈 1) 殿塚亮祐 1) 向井俊太郎 1) 藤田充 1) 山本健治郎 2) 山口浩 2) 1) 糸井隆夫 東京医科大学病院臨床医学系消化器内科学分野 1) 2) 同基礎医学系人体病理学講座 症例は 45 歳男性 体重減少と口渇 多飲などの糖尿病症状を主訴に近医を受診した 腹部超音波検査にて 膵腫瘍が指摘され当院紹介受診となった 腹部 US 所見では膵頭部から尾部にかけて境界明瞭 辺縁不整な低エコー腫瘤を認め 膵体部腹側に突出するように 15mm 大の類円形腫瘤を 2 ヶ所認めた CT では膵頭部から尾部にかけて約 11cm 大の低吸収構造が連続して認められ 造影にて早期相から強い造影効果を呈していた MRI では T1 強調像で低信号 T2 強調像で高信号を示し DWI にて有意な高信号は認めなかった EUS では膵頭部から尾部にかけて境界明瞭 辺縁不整な低エコー腫瘤を認め 体尾部の膵実質は認識が困難であった 膵体部腹側には 20mm 大のリンパ節腫大を認めた ソナゾイド造影では投与後 約 15 秒から濃染し 後期にかけても遷延した 腫大したリンパ節も同様の造影パターンを呈した 胃内より腫瘍に対して EUS-FNA を施行したところ 病理組織診断は Neuroendocrine tumor G2 の診断であった ERP では膵頭部の主膵管はカニ爪状様に途絶し 主膵管内に腫瘍が充満しているようであった 治療として膵全摘術が施行された 摘出標本の病理診断は FNA 検体と同様であり 非機能性 Neuroendocrine tumor G2 と診断した 術後約 1 年 4 ヶ月が経過しているが現在も再発は認めていない 今回 術式として膵全摘術を施行しているが 別の術式を考慮することは可能であったか討論していただきたい 40

43 膵 3 座長 : 長谷部修 ( 長野市民病院消化器内科 ) 大塚隆生 ( 九州大学臨床 腫瘍外科 ) 病理コメンテーター : 福嶋敬宜 ( 自治医科大学附属病院病理診断部 ) 画像コメンテーター : 櫻井康雄 ( 手稲渓仁会病院放射線診断科 ) O-07 再発性急性膵炎の原因精査を契機に発見された膵上皮内癌の1 例中島義博 ( 川崎医科大学胆膵インターベンション学 ) O-08 薄切病理標本を作製し詳細な画像との対比を行った膵体部上皮内癌の 1 例中道太郎 ( 宇都宮記念病院消化器内科 ) O-09 部分的な膵萎縮および脂肪化を伴った主膵管狭窄の 1 例松本和幸 ( 岡山大学病院消化器内科 )

44 O-07 再発性急性膵炎の原因精査を契機に発見された膵上皮内癌の 1 例 中島義博 1) 吉田浩司 1) 三宅智雄 2) 北川貴之 2) 西紋禮士 2) 青木啓純 2) 時岡峻三 2) 4) 伊禮功浦上淳 3) 上野富雄 3) 2) 日野啓輔 川崎医科大学胆膵インターベンション学 1) 同肝胆膵内科学 2) 同消化器外科学 3) 4) 同病理部 アルコール性急性膵炎により複数回入院歴があり 最後の入院より3か月間禁酒をしていたが 朝食後に心窩部痛を自覚し 昼食後さらに増強したため近医を受診 採血で膵酵素上昇を認め CT 画像で急性膵炎と診断された 以前はアルコール性であったがその後禁酒しており この 3 か月の間に今回を含めて膵炎を 3 回起こしていた 短期間に原因不明の膵炎を繰り返しており原因精査 加療目的で当院紹介となった CT では尾部膵管の拡張がみられた 膵炎の原因としてアルコール性 薬剤性 高脂肪食などは否定的であった 膵炎改善したのちに 原因精査を行った MRCP では膵体部より主膵管の狭窄を認め 尾側膵管の拡張を認めたが明らかな腫瘍は認めなかった EUS では体部より尾側膵管拡張を認め 拡張起始部に 5mm大の低エコー域を認めた ERCP では MRCP 同様膵体部主膵管の狭窄 尾側膵管の拡張を認めた ENPD での連続膵液細胞診では異形細胞が検出された 以上より小膵癌を疑い体尾部切除術を施行した 病理組織では 背景の膵実質は広範囲に慢性膵炎の変化を認めた また主膵管狭窄部周囲に高度の線維化を認め 狭窄部から尾側膵管 の内腔はやや拡張しており 拡張主膵管 ~ 分枝膵管内に PanIN3 が存在していたが浸潤は認めず上皮内癌と診断した 42

45 O-08 薄切病理標本を作製し詳細な画像との対比を行った膵体部上皮内癌の 1 例 中道太郎 1) 多田大和 3) 平嶋勇人 1) 今井政人 2) 横山健介 3) 牛尾純 3) 福嶋敬宜 4) 4) 丹波美織 宇都宮記念病院消化器内科 1) 同外科 2) 自治医科大学附属病院消化器肝臓内科 3) 4) 自治医科大学病理診断部 糖尿病治療中の 71 歳女性 健診で指摘された肝機能異常の精査目的で施行した Dynamic CT で膵体尾部の主膵管拡張を認めた 体部主膵管は狭窄しており 周囲の膵実質は萎縮していたが 腫瘍は指摘できなかった MRI 断層像でも同様に腫瘍は指摘できず MRCP で膵体部の狭窄と尾側膵管拡張を認め 狭窄周囲の分枝は拡張していた EUS で狭窄と周囲の分枝拡張に一致して 8mm 程の境界不明瞭な低エコー域を認めた ERP では膵体部に造影圧によって変化する膵管狭窄を認め 尾側膵管が拡張していた ENPD からの膵液細胞診は Class V であった 以上より膵体部膵管癌と診断し 膵体尾部切除 脾臓合併切除を行った 病理組織学的には広範囲な PanIN 病変であった 術後の検体造影で想定した膵管狭窄部を中心とした 3 ブロックで 約 30 枚の薄切 HE 標本を作製し PanIN の一部で high grade な異型が確認された また 膵体尾部の病理標本と EUS コンベックススキャンは近似した断面で比較できるため 膵管造影所見などを参考に 詳細な対比を行った EUS で観察された境界不明瞭で内部不均一な低エコー腫瘤は 主に線維化によって構成され 拡張分枝による不均一さが US 像に反映されているものと考えられた 臨床的に Tis と考える病変であるが 画像所見 病理組織学的所見ともに矛盾がないか討論 評価をお願いしたい 43

46 O-09 部分的な膵萎縮および脂肪化を伴った主膵管狭窄の 1 例 松本和幸 1) 加藤博也 1) 友田健 1) 楳田裕三 2) 田中顕之 3) 井上博文 4) 堀口繁 1) 内田大輔 1) 室信一郎 1) 吉田龍一 2) 1) 岡田裕之 岡山大学病院消化器内科 1) 同肝胆膵外科 2) 同第 2 病理学 3) 4) 同臨床病理部 症例は 70 歳代 男性 スクリーニング目的で施行された腹部 US で主膵管拡張を指摘され精査目的に紹介となる 腹部症状はなく 血液検査では AMY:203 U/L LIPA:155 U/L と膵酵素の軽度上昇を認め 腫瘍マーカーは CEA: 1.32 ng/ml CA19-9:16.3 U/ml と正常範囲内であった 腹部造影 CT では 膵体部で主膵管の狭窄を認め 尾側膵管の拡張を認めていた 狭窄部には明らかな腫瘤は指摘できず 狭窄部腹側の膵実質が部分的に萎縮していた また 膵尾部には小嚢胞が多発していた MRCP では CT と同様に体部での主膵管狭窄および尾側膵管の軽度拡張を認めたが DWI では狭窄部に拡散信号の低下は認めなかった EUS では 主膵管は体部で狭窄を認めたが 周囲に明らかな腫瘤は指摘でなかった ERP では 体部で短い範囲で主膵管の途絶を認め ENPD 留置下の連続膵液細胞診では class Ⅳ の結果であった 以上より 膵体部癌を強く疑い 膵体尾部切除術を施行した 切除標本では 主膵管狭窄部の周囲膵実質は萎縮し 高度の脂肪変性を認めた 主膵管内の上皮は軽度の核腫大と配列不整を認めたが 間質浸潤は明らかではなく low-grade PanIN であった 画像所見および 膵液細胞診から早期膵癌を疑い切除を行ったが low-grade PanIN であった 明らかな腹部外傷の既往もなく 主膵管狭窄および 部分的な膵実質の萎縮 脂肪化の原因について討論頂きたい 44

47 膵 4 座長 : 植木敏晴 ( 福岡大学筑紫病院消化器内科 ) 山上裕機 ( 和歌山県立医科大学外科学第 2 講座 ) 病理コメンテーター : 渡辺英伸 ( 新潟大学名誉教授 /PCL Japan 病理 細胞診センター ) 画像コメンテーター : 小野寺祐也 ( 恵佑会札幌病院放射線診断科 ) O-10 胃型形質を有する分枝型 IPMN の主膵管進展部において浸潤性の発育を呈した 1 例佐藤高光 ( 横浜市立大学附属病院肝胆膵消化器病学 ) O-11 非典型的な画像所見を呈した膵神経内分泌腫瘍の 1 例長川達哉 (JA 北海道厚生連札幌厚生病院第 2 消化器内科 ) O-12 稀な膵管内腫瘍の 1 例平田幸司 ( 北海道大学病院消化器内科 )

48 O-10 胃型形質を有する分枝型 IPMN の主膵管進展部において浸潤性の発育を呈した 1 例 佐藤高光 1) 小林規俊 2) 髙木由理 1) 岩崎暁人 1) 細野邦広 1) 遠藤格 3) 片岡俊朗 4) 大橋健一 4) 1) 窪田賢輔 横浜市立大学附属病院肝胆膵消化器病学 1) 同臨床腫瘍科 2) 同消化器肝移植外科 3) 4) 同病理部 症例は 61 歳男性で 53 歳時に健診で膵嚢胞を指摘され 当院に紹介となった方 当時の検査にて膵頭部に 18mm 大 頭体部に 20mm 大の分枝型 IPMN を認めたため 半年 ~ 1 年毎の MRCP および CT にて経過観察となっていた 60 歳時の MRCP 検査にて体尾部の主膵管が 5mm と拡張傾向にあり 61 歳時の MRCP では 7mm とさらに拡張を認め膵頭体部主膵管に狭窄が明瞭化した 狭窄部は CT で明らかな腫瘤は認識できないが EUS で主膵管内に結節性病変を認めソナゾイドにて染影を認めた 側視鏡の観察で乳頭は開大し ERP では MRCP 同様主膵管の狭窄および尾側の拡張が確認された 狭窄部の細胞診では異型細胞を認めたことから IPMN に並存した通常型膵癌の診断で外科的切除の方針となった 膵頭十二指腸切除術を施行されたが 1 回目断端の主膵管より PanIN-2 相当の異型細胞が検出され追加切除となったが 最終の断端でも腺腫相当であった 切除検体の病理において膵頭体部の分枝型 IPMN は MUC5AC 陽性の低乳頭状増生を認める腺腫 また主膵管内の結節部は 8mm 大で乳頭管状 索状構造を形成し 充満性の発育を呈した腺癌で MUC5AC が一部陽性であることから由来浸潤癌 (ly0, v1, ne1) と考えられた 切除断端の主膵管は腺腫相当であったことから 当院では胃型形質を有する分枝型 IPMN( 腺腫 ) が主膵管進展を来し 一部が浸潤性の発育を呈しつつさらに尾側の主膵管に進展していった病態を考えた 並存膵癌か由来浸潤癌か 画像と病理の対比についてご討議をお願いいたします 46

49 O-11 非典型的な画像所見を呈した膵神経内分泌腫瘍の 1 例 長川達哉 1) 田原宗徳 2) 石津寛之 2) 後藤田裕子 3) 市原真 3) 3) 村岡俊二 JA 北海道厚生連札幌厚生病院第 2 消化器内科 1) 同外科 2) 3) 同病理診断科 症例は 62 歳男性 1 年毎に当院の施設健診を受診していたが 2015 年 12 月の腹部超音波スクリーニングにて膵頭部に 16mm 大の低エコー腫瘤を指摘され要精検となった CE-CT では以前の健診より指摘されている分枝型 IPMN の足側に早期で辺縁がわずかに造影される Low density tumor を認め 次第に中心部が淡く造影されていた MRI では T1 強調像で low T2 強調像でやや high intensity tumor として描出され造影態度は CT と同様であった ERCP では膵頭部主膵管と交通する IPMN 病変が確認されたが 膵管系の狭窄や壁不整像を認めなかった EUS では境界明瞭 辺縁に軽度の凹凸不整を認め 内部エコーはやや不均一な低エコー腫瘤として描出され CDI では辺縁部に散在性の点状 color signal を認め Sonazoid による造影後は周囲膵組織とほぼ同程度に bubble が流入し不均一な染影像を呈していた 当初は IPMN に併存した膵野型の浸潤性膵管癌と推測したが EUS-FNAB にて弱好酸性の胞体に円形核を有する ChromograninA 陽性の腫瘍細胞を認め膵神経内分泌腫瘍の診断が得られ SSPPD-IIA(D2) による腫瘍切除術を施行した 病理組織学的に核分裂像は 10 個 /10HPF 以下であるが Ki-67labeling index は 50% 以上と高く Neuroendocrine tumor (NET,G3), ly0, v1, ne1, ps(+), pt3, pn0, pstageiii と診断された 非典型的な画像所見を呈した NET 症例であり 腫瘍の悪性度あるいは組織修飾などが原因か臨床的 病理学的に討論頂きたく症例提示します 47

50 O-12 稀な膵管内腫瘍の 1 例 平田幸司 1) 桑谷将城 1) 杉浦諒 1) 加藤新 1) 川久保和道 1) 山田徹 2) 三橋智子 2) 西田睦 3) 平野聡 4) 1) 坂本直哉 北海道大学病院消化器内科 1) 同病理部 2) 同検査 輸血部 3) 4) 同外科 症例 60 代男性. 主訴は上腹部圧迫感. 腹部超音波検査で膵頭体部腫瘤と主膵管拡張がみられ, 精査を行った.CT では, 膵頭部主膵管内に 30mm 大, 漸増性の造影効果を示す腫瘤がみられ, 膵実質内に明らかな腫瘤像はみられなかった. 超音波内視鏡検査では, 同部主膵管内に 16mm 大の表面乳頭状, 高エコーを示す結節性病変がみられた. 造影超音波検査では病変は早期から強く造影され, 遷延する造影効果を呈した. 内視鏡的逆行性膵管造影では膵頭部主膵管内に陰影欠損像がみられ, 同部からの生検では,mixed ductal-neuroendocrine carcinoma を疑う所見であった. 以上より膵管内管状腺癌と診断し, 亜全胃温存膵頭十二指腸切除を施行した. 術後最終病理診断は検討中であるが,mixed ductal neuroendocrine carcinoma もしくは acinar cell carcinoma であると考えられた. 考察 膵管癌,neuroendocrine carcinoma や acinar cell carcinoma の病変の主座は通常, 膵実質内であるが, 本症例は膵管内を病変の主座としていた.neuroendocrine carcinoma や acinar cell carcinoma がときに膵管内進展を呈することは知られるが, 膵管内を病変の主座とすることは非常に稀であり, ここに報告する. 48

51 胆 1 座長 : 伊佐山浩通 ( 順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科 ) 平野聡 ( 北海道大学大学院医学研究院外科学講座消化器外科学教室 Ⅱ) 病理コメンテーター : 全陽 ( 神戸大学医学部附属病院病理部 ) 画像コメンテーター : 平井都始子 ( 奈良県立医科大学附属病院総合画像診断センター ) O-13 遠位胆管原発腺扁平上皮癌の1 例寺田卓郎 ( 福井県済生会病院外科 ) O-14 無黄疸で診断された遠位胆管癌 (NEC) の 1 例植木秀太朗 ( 愛媛県立中央病院消化器内科 ) O-15 遠位胆管に限局する胆管狭窄を来し胆管癌との鑑別を要した好酸球性胆管炎の 1 例伊東文子 ( 愛知県がんセンター中央病院消化器内科部 )

52 O-13 遠位胆管原発腺扁平上皮癌の 1 例 寺田卓郎 1) 杉田浩章 1) 加藤陽介 1) 三井毅 1) 野村佳克 2) 山城正司 3) 宮山士朗 3) 須藤嘉子 4) 4) 中沼安二 福井県済生会病院外科 1) 同内科 2) 同放射線科 3) 4) 同病理 症例は 79 歳, 女性 心窩部不快感 食欲低下を主訴に受診し 採血で軽度肝機能障害と黄疸 (T-Bil 2.7mg/dl) を認め当院紹介となった 腫瘍マーカー (CEA,CA19-9) は正常範囲内であった 造影 CT では膵頭部に淡い濃染効果を示す 22mm の腫瘍を認め 同腫瘍にて遠位胆管は狭窄していた 主膵管拡張は認めなかった MRI では膵頭部に T1 強調像で低信号 T2 強調像で淡い高信号を呈する腫瘍を認め 拡散強調像では拡散制限を認めた EUS では膵頭部に類円形の 22mm の低エコー腫瘍を認めた 以上の画像所見から膵内分泌腫瘍や膵腺房細胞癌を念頭に置き ERCP を施行したが 遠位胆管はやや拡張し内部に陰影欠損像を認めた 同時に施行した IDUS でも腫瘍は胆管内に発育する結節型腫瘍であった 胆汁細胞診にて # 腺癌と診断した 以上より遠位胆管原発の結節膨張型胆管癌 (ct2n0m0stage Ⅰ B) などを疑い 減黄後に手術 : 亜全胃温存膵頭十二指腸切除 領域リンパ節廓清を施行した 切除標本肉眼所見では遠位胆管に境界明瞭な 32mm の黄白色の結節型腫瘍を認めた 病理組織学的には角化成分を伴う低分化な扁平上皮癌が主体で 一部に粘液産生を伴う低分化腺癌成分が混在しており腺扁平上皮癌と診断した 壁進達度は pt2(ss) でリンパ節転移は認めなかった (pt2n0m0stage Ⅰ B,R0) 術後経過では 6 ヶ月で多発肝転移が出現し 術後 10 ヶ月現在経過観察中である 50

53 O-14 無黄疸で診断された遠位胆管癌 (NEC) の 1 例 植木秀太朗 1) 宮田英樹 1) 山子泰加 1) 泉本裕文 1) 二宮朋之 1) 河崎秀樹 2) 金本真美 2) 3) 前田智治 愛媛県立中央病院消化器内科 1) 同消化器外科 2) 3) 同病理部 症例は 70 歳代女性 検診の US にて肝内胆管の拡張を指摘され当科紹介となった 血液検査では 肝胆道系酵素および腫瘍マーカーともに正常であった Dynamic - CT では 肝門部胆管付近に後期相で次第に造影される壁肥厚と内腔の狭小化を認めた EUS では左右肝管合流部から始まる壁肥厚所見を認めたが 十二指腸側への表層進展は認めず膵上縁までの進展および膵浸潤なしと判断した RHA は PV 背側を通過し SMA からの replace と判断した 上部胆管癌を疑い確定診断のために ERCP を施行した 胆管造影では上部胆管から左肝管に透亮像を認め 胆嚢管の狭窄も認めたが胆管の軸変位は認めなかった IDUS にて 左肝管まで進展する腫瘤を上部胆管に認めた PV および RHA 浸潤は認めなかった 生検およびブラシ細胞診を施行した 生検は陰性であったが 細胞診 ( 細胞免染 ) で神経内分泌癌と診断された 以上より 遠位胆管癌と診断し 当院外科にて膵頭十二指腸切除を施行した 最終病理診断は Bp 平坦浸潤型 組織上は NEC と高分化型腺癌が接して認められた NEC は間質浸潤が高度で膵実質に直接浸潤していた 腺癌部分はほとんどが上皮内で増殖し 一部で軽度間質浸潤を認めた 画像所見から NEC を示唆する所見はあるのか? 病理学的に高分化型腺癌から NEC へ分化したと考えてよいのか? の二点についてご討論お願いいたします 51

54 O-15 遠位胆管に限局する胆管狭窄を来し胆管癌との鑑別を要した好酸球性胆管炎の 1 例 伊東文子 1) 原和生 1) 水野伸匡 1) 肱岡範 1) 桑原崇通 1) 奥野のぞみ 1) 谷田部恭 2) 2) 村上善子 愛知県がんセンター中央病院消化器内科部 1) 2) 同遺伝子病理診断部 70 歳男性 上腹部痛 皮膚黄染にて前医受診 血液学的所見 画像所見から遠位胆管狭窄による閉塞性黄疸と診断され胆管ステント挿入後 精査目的に当科紹介となった 当科紹介時血液検査所見では軽度肝胆道系酵素の上昇と 好酸球数 9069/ μ l と末梢血中の好酸球の増多を認めた 造影 CT では下部胆管の造影効果の増強 壁肥厚を認め 肝実質や膵臓に明らかな異常所見はみられなかった MRCP では下部胆管に限局した狭窄を指摘 主膵管に異常所見はみられなかった EUS では肝門部胆管から下部胆管まで連続したびまん性の壁肥厚を認めた ERC 像では下部胆管に偏移を伴わない狭窄像を認めた Spy Glass DS (Boston Scientific 社製 ) では 肝門部から遠位胆管まで胆管壁に拡張血管を伴わない比較的均一な白色調の丈の低い乳頭状粘膜の増生を認めた 狭窄部では不整を伴わない拡張した血管網や発赤調の粗造な粘膜を認めるものの明らかな悪性を示唆する所見はみられなかった 狭窄部の胆管生検では間質を主体とし好酸球を含む炎症細胞の浸潤を認め 一部では密に集簇していた 上記より好酸球性胆管炎と診断され PSL 内服治療が開始となった 現在外来で経過観察中である 稀な疾患である好酸球性胆管炎を経験したため画像所見 治療経過に関して報告する 52

55 胆 2 座長 : 比佐岳史 ( 佐久総合病院佐久医療センター消化器内科 ) 藤本武利 ( 平塚胃腸病院外科 ) 病理コメンテーター : 鬼島宏 ( 弘前大学大学院医学研究科病理生命科学講座 ) 画像コメンテーター : 角谷眞澄 ( 信州大学医学部画像医学教室 ) O-16 胆嚢腺筋腫症合併胆嚢癌類似の画像所見を呈した胆嚢腫瘍の1 例荒川典之 ( 福島県立医科大学会津医療センター消化器内科学講座 ) O-17 胆嚢管限局 Papillary adenocarcinoma の 1 例天野彰吾 ( 山口大学大学院医学系研究科消化器内科学 ) O-18 孤立性肝内胆管過誤腫性ポリープの 1 例齊藤夏彦 ( 奈良県立医科大学放射線科 )

56 O-16 胆嚢腺筋腫症合併胆嚢癌類似の画像所見を呈した胆嚢腫瘍の 1 例 荒川典之 1) 入澤篤志 1) 澁川悟朗 1) 佐藤愛 1) 阿部洋子 1) 山部茜子 1) 五十嵐亮 1) 高崎祐介 1) 吉田栄継 1) 北條洋 2) 3) 柳澤昭夫 福島県立医科大学会津医療センター消化器内科学講座 1) 同臨床医学部門病理診断科 2) 3) 京都第一赤十字病院病理診断科 症例 60 歳台, 男性 臨床経過 20XX 年 1 月検診で胆嚢に異常を指摘され前医 A で受診.ENGBD を留置されたが, 胆汁に悪性所見は認めなかった. その後通院を自己中断していたが, 同年 9 月に精査加療目的に当科紹介となった. 造影 CT では, 胆嚢底部に小結石がみられ, 体部には著明な壁肥厚がみられた. 経時的変化はみられなかった.MRI では, 体部から底部にかけて充実性腫瘤がみられ, 拡散能の低下を認めた. 周囲には RAS を示す T2 高信号がみられた.EUS では, 体部から底部にかけて広範囲に分葉状の隆起性病変を認め, 一部では 1 層の被覆上皮様の所見と壁内嚢胞様所見が観察された. ソナゾイドによる CE-EUS では, 被覆上皮及び分葉隔壁が lining されるように造影され, 分葉化された領域内部では乳頭状結節が比較的均一に早期から造影された. 以上より,ADM に合併し RAS 内から発生した胆嚢癌 又は RAS 内に進展した胆嚢癌を考えた. 胆嚢摘出術 胆嚢床切除術 肝門部リンパ節郭清を施行した. 病理組織学的には胆嚢内に粘液産生を示す円柱上皮の乳頭状増殖像がみられた. 浸潤部では大小様々な嚢胞を形成し,RAS 内の lining する被覆上皮が癌細胞に置換される像も観察された. 本例では, 腫瘍が乳頭状構造をとりながら RAS 内に進展し嚢胞内結節を形成したものと考えられた. 討論したいポイント 本症例ににおける EUS 画像の成り立ちについて 54

57 O-17 胆嚢管限局 Papillary adenocarcinoma の 1 例 天野彰吾 1) 戒能聖治 1) 篠田崇平 1) 仙譽学 1) 松隈聰 2) 永野浩昭 2) 1) 坂井田功 山口大学大学院医学系研究科消化器内科学 1) 2) 同消化器 腫瘍外科学 症例は 60 歳代の男性 心窩部痛を主訴に前医を受診し血液所見 腹部 CT で胆石性膵炎を疑われ ERCP/EST/ENBD を施行された その際に胆管からの粘液の流出を認め 胆管由来の粘液産生腫瘍が疑われたため 精査目的に当科紹介となった 造影 CT では胆嚢管内に造影効果を有する隆起性病変を認め 胆嚢管腫瘍が疑われた MRI では CT 同様に胆嚢管内に T1WI で軽度高信号 T2WI で低信号を示す 隆起性病変を認めた 同病変は DWI で軽度高信号を示し ADC 低下も認めた また EUS では胆嚢管内を主座とした乳頭状の腫瘍を認めた 腫瘤は胆嚢管開口部に露出していたが 三管合流部の壁肥厚は認められず胆管への進展は否定的であった また 胆嚢内への進展も明らかではなかった 画像所見から胆嚢管癌や胆嚢管原発 IPNB を鑑別として挙げた 胆道鏡を用いた観察では 胆嚢管から軽度発赤調の乳頭状隆起が胆管側に進展していた また 開口部周囲 肝門側 乳頭側胆管ともに明らかな腫瘍の進展は認めなかった 以上より 腫瘍は胆嚢管のみに限局していると判断し 肝外胆管切除 胆嚢摘出術を施行した 病理結果は Papillary adenocarcinoma であり 癌は胆嚢管に限局していた 今回我々は胆嚢管に限局した腫瘍と診断し 術式決定を行った 術前診断並びに術式選択の妥当性について ご討議いただきたい 55

58 O-18 孤立性肝内胆管過誤腫性ポリープの 1 例 齊藤夏彦 1) 丸上永晃 2) 岡田博司 2) 高濱潤子 3) 平井都始子 2) 吉川公彦 1) 野見武男 4) 庄雅之 4) 5) 畠山金太 奈良県立医科大学放射線科 1) 同総合画像診断センター 2) 同中央放射線部 3) 同消化器外科 4) 5) 同病理診断科 症例は 60 代女性 右季肋部痛を主訴に前医を受診 CT で肝内に腫瘤性病変が指摘され 精査加療目的に当院紹介受診となった 腫瘍マーカー (CA19-9 CEA) は正常範囲内であった CT では限局性に拡張した B3 胆管内に突出する亜有茎性の 13mm 大のポリープ状の腫瘤性病変を認めた 腫瘤は造影早期相で強く濃染され 後期相まで造影効果は持続した MRI では 腫瘤は T2WI で低信号を示し 拡散制限を認めた 超音波では拡張胆管内に周囲肝と等 ~ やや高エコーを示すポリープ状の腫瘤を認め カラードプラでは内部に豊富なカラー表示を伴っていた 内視鏡下生検では細胞診 組織診ともに悪性像は認めなかった 以上の所見からは完全に胆管内乳頭状腫瘍 (IPNB) を否定できず 手術が施行された 病変は B2/3 分岐部内腔に突出する 11mm 大のポリープとして術中視認され 門脈臍部にも近かったため肝左葉切除の方針となった 病理組織では 腸型陰窩と幽門腺型陰窩が不規則な小葉構造を形成し 腺管上皮は部分的に核腫大や構造異型を呈していた 間質は平滑筋細胞の束状の増生を認め desmin 陽性であった 以上より孤立性肝内胆管過誤腫性ポリープと最終診断された 孤立性の胆管過誤腫性ポリープは極めて稀で これまで画像の報告例はない 若干の考察を加えて報告する 56

59 肝 その他 座長 : 八隅秀二郎 ( 北野病院消化器内科 ) 佐野圭二 ( 帝京大学医学部外科学講座 ) 病理コメンテーター : 中島収 ( 久留米大学病院臨床検査部 ) 画像コメンテーター : 吉満研吾 ( 福岡大学医学部放射線医学教室 ) O-19 肝 reactive lymphoid hyperplasia(rlh) の1 切除例山城正司 ( 福井県済生会病院放射線科 ) O-20 術前に肝原発嚢胞性病変が疑われた腸間膜由来神経鞘腫の 1 例竹中完 ( 近畿大学医学部附属病院消化器内科 ) O-21 膵腫瘍との鑑別が困難であった Castleman 病の1 切除例河合永季 ( 坂文種報徳会病院消化器外科 )

60 O-19 肝 reactive lymphoid hyperplasia(rlh) の 1 切除例 山城正司 1) 岩田紘治 1) 永井圭一 1) 杉盛夏樹 1) 櫻川尚子 1) 宮山士朗 1) 寺田卓郎 2) 三井毅 2) 須藤嘉子 3) 中沼安二 3) 福井県済生会病院放射線科 1) 同外科 2) 同病理診断科 3) 症例 59 歳女性 右下腹部痛で紹介医を受診し CT で肝腫瘍を指摘された 悪性腫瘍が疑われ 手術を勧められ当院外科受診 肝炎ウイルスマーカー (B C 型 ) や腫瘍マーカー (AFP PIVKA- Ⅱ CEA CA19-9) は陰性 肝 S8/5 に径 12mm 大の腫瘤を認めた 単純 CT で軽度低吸収 造影早期に境界やや不明瞭な結節状濃染あり 早期に wash out された MRI では T1 強調像で軽度低信号 T2 強調像で高信号 拡散強調像で明瞭な高信号 EOB 造影肝細胞相で明瞭な低信号を呈した また CT では不明瞭であったが S8 ドーム直下肝表に同様の性状を示す小結節がみられた US では S8/5 病変は境界明瞭で極めて低エコーの結節だった 造影 US では早期濃染し Kupffer 細胞相では欠損像を呈した 造影所見や US 像からはリンパ腫や RLH 等が考えられた 針生検も提示したが手術を希望された S8 ドーム直下病変の迅速診断でリンパ腫は否定できず S8/5 腫瘤に対し前区域切除が施行された 割面は白色充実性で被膜はなかった 形質細胞 リンパ球 類上皮細胞の増生 浸潤がみられ 腫瘤周囲の門脈域にもリンパ球浸潤がみられた 免疫染色で CD3 CD20 CD68 等が陽性で多クローン性であり 増生リンパ球の異型に乏しく RLH と診断した 検討事項 術前の画像診断や 生検をしていれば手術を避けられたか等について 58

61 O-20 術前に肝原発嚢胞性病変が疑われた腸間膜由来神経鞘腫の 1 例 竹中前西修 完 1) 山雄健太郎 1) 鎌田研 1) 三長孝輔 1) 宮田剛 1) 今井元 1) 松本逸平 2) 竹山宜典 2) 3) 1) 工藤正俊 近畿大学医学部附属病院消化器内科 1) 同肝胆膵外科 2) 3) 同病理診断部 症例は 80 歳 男性 2015 年 12 月から嚢胞性腫瘍疑いで経過観察されていたが 増大傾向かつ腹痛を認めたために 2016 年 10 月当院紹介となった 肝胆道系酵素および腫瘍マーカーはいずれも正常値であった US では尾状葉に接する 70mm 大の薄い皮膜を持つ多房性嚢胞を認め 造影 CT では膵頭部領域から肝門部にかけて 70mm 大の境界明瞭な類円形腫瘤を認め MRI では内部信号は T1WI にて低信号 T2WI にて不均一に淡い高信号であった 造影ハーモニック EUS では嚢胞内腔に造影効果はなく cyst in cyst 所見を伴う嚢胞性腫瘤として描出され 病変は膵臓と連続性がなく肝原発の病変と考えられた 有症状症例であり 肝 MCN を第一に疑い手術を施行されたが 術中所見では病変は肝臓や膵臓との癒着や連続性はなく 右肝動脈周囲結合織との連続性があり 同部位から発生した腫瘍であると判断された 病理組織学検討では病変は多発嚢胞性腫瘍であり 嚢胞壁に類円形核を持つ長紡錘型の細胞が束状に増生していた 間質には卵巣様間質の所見は認めず 免疫組織化学染色では S-100(+) c-kit(-) Desmin(-) SMA(-) であり腸間膜由来神経鞘腫 (Antoni Type A) と診断した 腸間膜由来神経鞘腫は非常な稀な疾患であり 画像診断で術前診断は可能であったか 追加すべき検査はあったか 病理所見も含めて討論頂きたい 59

62 O-21 膵腫瘍との鑑別が困難であった Castleman 病の 1 切除例 河合永季 1) 浅野之夫 1) 荒川敏 1) 伊藤良太郎 1) 清水健太郎 1) 堀口明彦 1) 乾和郎 2) 山本智支 2) 稲田健一 3) 3) 桜井浩平 坂文種報徳会病院消化器外科 1) 同消化器内科 2) 3) 同病理診断科 症例は 33 歳女性 健康診断の腹部超音波検査にて腹腔内腫瘤を指摘され 精査目的で当院へ紹介となった 腹部 US にて膵頭部近傍に mmの low echoic mass を認めた 造影 US にて腫瘍は hyper vascular であった 腹部 CT では膵頭部 ~ 門脈本幹右側に境界比較的明瞭な mmの類円形の low density mass が認められ 動脈相で強く濃染されていた MRI では腫瘤は門脈本幹右側に 35x21x37mm の境界明瞭な円形腫瘤を認める 病変は門脈本幹 右枝と広く接しているが境界は保たれている T1 強調画像では低信号 T2 強調画像では淡い高信号を示し 拡散強調画像では淡い高信号を示す 以上より 膵神経内分泌腫瘍が疑われ 手術施行した 開腹所見では膵の頭側 胆管の右側に位置しており 肝 膵との連続性は認めなかった 腫瘍摘出術を施行した 病理組織学的診断に Castleman s disease, hyaline vasculartype,intraperitonealtumor,resectioncd3-,cd20-,cd15-,cd30-,pd-1-,fdc-,igg+,igg4+,igg4/igg 10% 未満, κ +, λ +,EBER-,ISH- にて硝子血管型の Castleman 病であった 術後経過は良好で第 6 病日に退院となった 60

63 膵 5 座長 : 菊山正隆 ( 都立駒込病院消化器内科 ) 中村雅史 ( 九州大学大学院医学研究院臨床 腫瘍外科 ) 病理コメンテーター : 濱田義浩 ( 福岡大学医学部病理学講座 ) 画像コメンテーター : 長谷川貴 ( 札幌厚生病院放射線科 ) O-22 特異な進展様式を呈した膵腫瘍の1 例岡山卓史 ( 九州大学病院臨床 腫瘍外科 ) O-23 非典型的な発育を示した Acinar cell carcinoma の 1 例横山健介 ( 自治医科大学附属病院消化器肝臓内科 ) O-24 EUS-FNA で術前診断し得た膵悪性黒色腫の 1 切除例中村佳史 ( 松阪中央総合病院消化器内科 )

64 O-22 特異な進展様式を呈した膵腫瘍の 1 例 岡山卓史 1) 仲田興平 1) 中村聡 1) 森泰寿 1) 貞苅良彦 1) 宮坂義浩 1) 大塚隆生 1) 佐伯潔 2) 石神康生 3) 小田義直 2) 1) 中村雅史 九州大学病院臨床 腫瘍外科 1) 同形態機能病理学 2) 3) 同臨床放射線科学 症例は 70 歳代 男性 2 ヶ月間で 5kg の体重減少と褐色尿を自覚した また同時に検診で肝胆道系酵素が上昇しており当院受診した 腹部 CT MRI 検査では膵頭部に 5c m 径の腫瘤を認め 乳頭部 下部胆管 主膵管内にも進展していた EUS では腫瘤辺縁は不整結節状で 膵の長軸に沿って膨張性発育を呈していた また明らかな血流増加を認めなかった ERCP では十二指腸乳頭は腫大しており 開口部から腫瘍が露出していた 同部位から生検を行い adenocarcinoma の診断となった 胆管造影では乳頭部から上部胆管にかけて狭窄像を示しており 上流の胆管は 2cm に拡張していた 胆汁細胞診は Class V の診断であった 膵頭部腫瘍に対して亜全胃温存膵頭十二指腸切除 D2 リンパ節郭清を施行した 病理組織学的に腫瘍細胞は拡張した主膵管と分枝膵管内に充満し 拡大した核と好酸性の細胞質を有し 高度な核異形を伴っていた 免疫染色では MUC1(+) AE1/AE3(+) CAM5.2(+) MUC2(-) MUC5AC(-) MUC6(-) CDX2(-) Tripsin(-) Synaptophysin(-) ChromograninA(-) CD56(-) であった 今回 術前画像診断から診断に難渋した膵腫瘍の 1 例を経験したので報告する 62

65 O-23 非典型的な発育を示した Acinar cell carcinoma の 1 例 横山健介 1) 牛尾純 1) 多田大和 1) 池田恵理子 1) 川崎佑輝 1) 玉田喜一 1) 遠藤和洋 2) 佐田尚宏 2) 丹波美織 3) 小松原利英 3) 3) 福嶋敬宜 自治医科大学附属病院消化器肝臓内科 1) 同消化器一般外科 2) 3) 自治医科大学病理診断部 人間ドックの腹部超音波で膵体部に 17mm の嚢胞性病変を指摘され 経過観察されていた 57 歳男性 3 年の経過で増大傾向を認めたため 精査目的で当院紹介となった Dynamic CT で膵体部背側に辺縁が造影され 内部は造影されない 23mm の低吸収腫瘤を認めた MRI で腫瘤内部は T1WI T2WI ともに高信号を示し 辺縁は不均一な厚い被膜様にみえた DWI では拡散は軽度低下しているのみであった MRCP で体部主膵管は圧排されていたが 尾側膵管の拡張はみられなかった EUS で厚い被膜を有する嚢胞状腫瘍と認識した 内部は無エコーと不整な低エコーが混在していたが 内部は全く造影されなかった 厚い被膜を有することより LEC などの嚢胞性疾患の他に充実性腫瘍の嚢胞変性が考えられ 膵体尾部切除を施行した 肉眼的に体部に境界明瞭な腫瘍を認め 内部は壊死により二次性に嚢胞化していた 病理組織学的には比較的小型の N/ C 比の高い細胞が密に増殖していた 免疫染色では大部分で BCL10, Trypsin 陽性を示していたが 地図状に染色されない領域が存在し その部に一致して Synaptophysin が陽性であり NET への分化を示す ACC と診断した 3 年前の画像と対比すると嚢胞が先に存在し 充実性腫瘍が緩徐に発育してきた様にみえ ACC の発育としては非典型的である この腫瘍の由来に関しての討論をお願いしたい 63

66 O-24 EUS-FNA で術前診断し得た膵悪性黒色腫の 1 切除例 中村佳史 1) 直田浩明 1) 村嶋佑美 1) 梅田悠平 1) 浦出伸治 1) 金子昌史 1) 金子真紀 1) 小林一彦 1) 杉本寛子 2) 藤村侑 3) 3) 田端正己 松阪中央総合病院消化器内科 1) 同臨床病理科 2) 3) 同外科 60 歳代女性 体重減少と左上腹部痛を主訴に前医を受診し US CT にて膵尾部腫瘤を認め当院紹介となった US で膵体尾部に 径 4cm 弱で内部エコーが不均一な低エコーの腫瘤性病変を認めた Plain CT では腫瘤は等吸収で 尾側膵管の拡張がみられた Dynamic CT では腫瘤の辺縁は漸増性に造影されるが中心部の造影効果は不良であった MRI では腫瘤の辺縁は T1 で正常膵よりも低信号 脂肪抑制 T2 にて等信号を呈し DWI では拡散の低下を認めた 中心部の大部分は T1 高信号 T2 低信号を呈していたが 一部 T1 低信号 T2 高信号である領域を認めた ERCP では体尾部主膵管で圧排狭窄を認め その尾側膵管は拡張していた EUS では 内部が不均一で辺縁が不整形な低エコー腫瘤であった 造影を行うと病変内部には造影されない領域を認めた EUS-FNA を施行し 細胞診では大型核小体を有する N/ C 比の高い異型細胞が散在性にみられ 細胞質内に褐色色素を認める細胞もあった 免疫組織化学染色では CK AE1/ AE3 陰性 HMB45 陽性 melana 陽性であり悪性黒色腫が疑われた 全身検索を行うも原発巣は指摘できず 脾合併膵体尾部切除を施行した 腫瘤の辺縁と中心部で異なる像を呈した画像所見を病理標本で説明しうるかを中心に討論願いたい 64

67 ポスターセッション

68 ポスター : 膵 1 座長 : 吉田浩司 ( 川崎医科大学胆膵インターベンション学講座 ) 安保義恭 ( 手稲渓仁会病院外科 ) 病理コメンテーター : 古川徹 ( 東北大学大学院医学系研究科病理形態学分野 ) P-01 多発する分枝拡張を伴う膵上皮内癌の 1 例南竜城 ( 天理よろづ相談所病院消化器内科 ) P-02 分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍 (BD-IPMN) の経過観察中に発見された超音波内視鏡検査 (EUS) が診断に有用であった IPMN 併存微小膵癌の 1 例髙橋孝輔 ( 佐世保市総合医療センター消化器内科 ) P-03 術前診断に難渋した嚢胞性病変の 1 例深澤佳満 ( 山梨大学医学部附属病院第一内科 ) P-04 PanIN 併存を病理学的に診断し得た膵単純性嚢胞の 1 切除例佐上亮太 ( 大分三愛メディカルセンター消化器病 内視鏡センター )

69 P-01 多発する分枝拡張を伴う膵上皮内癌の 1 例 南竜城 1) 小澤智美 1) 上尾太郎 1) 大花正也 1) 待本貴文 2) 藤田久美 3) 本庄原 3) 天理よろづ相談所病院消化器内科 1) 同消化器外科 2) 3) 同病理診断科 症例は 70 歳女性 15 年前に 2 型糖尿病と診断され 内服加療を行っていた 糖尿病増悪の精査目的で施行した腹部エコーで膵腫瘤を認めたため当科紹介となる 血液検査では空腹時血糖 292mg/dl HbA1c 9.0% CEA 5.9ng/ml CA U/ml であった 腹部エコーでは膵体部に 20mm の低エコー腫瘤と尾側膵管の拡張を認めたが 造影 CT では膵管拡張起始部に明らかな腫瘤を指摘できなかった MRCP では体部の膵管狭窄とその周囲に多発する分枝拡張を認めたが MRI 拡散強調像では体部にわずかに拡散制限がみられるのみであり FDG-PET でも有意な集積はみられなかった EUS では 20mm の比較的境界明瞭な分枝拡張を伴う低エコー腫瘤として観察されたため 浸潤癌を疑い EUS-FNA を行ったが 細胞診 組織診いずれも悪性所見は認めなかった ERP では体部に主膵管狭窄と分枝拡張を認め 狭窄部よりブラシ細胞診 ENPD 細胞診を行ったがやはり悪性所見は認めなかった 病理学的診断はえられなかったが 画像所見から悪性の可能性が否定できないため 膵体尾部 脾合併切除術を行った 病理所見では主膵管狭窄部と周囲の分枝膵管上皮に high-grade PanIN を認めた 膵実質への浸潤は認めず 膵上皮内癌 (ptis, N0, M0, fstage0) と診断した 術前画像では上皮内癌に伴った分枝拡張と周囲の実質の萎縮を腫瘤として認識していたものと考えられた 67

70 P-02 分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍 (BD-IPMN) の経過観察中に発見された超音波内視鏡検査 (EUS) が診断に有用であった IPMN 併存微小膵癌の 1 例 髙橋孝輔 1) 岡村卓真 1) 日野直之 1) 松崎寿久 1) 吉川大介 1) 吉田亮 1) 山尾拓史 1) 岩崎啓介 2) 小澤栄介 3) 大仁田賢 3) 3) 中尾一彦 佐世保市総合医療センター消化器内科 1) 同病理診断科 2) 3) 長崎大学病院消化器内科 症例 79 歳 男性 既往歴 2 型糖尿病 現病歴 20XX 年に BD-IPMN と診断され 近医の定期フォローアップ EUS で膵体部に低エコー領域を認め 精査加療目的に当科紹介となった 経過 採血で CEA CA19-9 は正常範囲内 造影 CT PET-CT 上腹部 MRCP では膵体部に異常は指摘されなかった また明らかな膵管狭窄や主膵管拡張も認めなかったが EUS で膵体部嚢胞横に 8mm 大の境界明瞭で辺縁一部不整な低エコーの充実性腫瘤を認め 造影ハーモニック EUS では周囲実質と比較し造影不良で 微小膵癌を疑った ERP でも主膵管に狭小化や硬化像はなく ENPD を留置し連日膵液の細胞診を提出したところ 細胞診で Class Ⅳ その後の EUS-FNA で ClassIII の所見を認め 分枝膵管発生の膵体部癌と診断し膵体尾部切除術を施行した 病理結果は ct1n0m0 cstage Ⅰ であり 腫瘍径は 6 4mm であった BD-IPMN は病理学的に IPMA の診断であった 術後 1 年以上経過するが明らかな再発はない 結語 本症例は主膵管拡張などの間接所見を有さない 6mm 大の IPMN 併存微小膵癌の早期診断に EUS CH-EUS が有用であった一例であった 討論ポイント 主膵管に変化をきたさない小膵腫瘤と分枝膵管 近傍の小膵嚢胞との関係 ( 貯留嚢胞 IPMN 初期像 ) ENPD の ClassIV は同腫瘤を反映したものか 68

71 P-03 術前診断に難渋した嚢胞性病変の 1 例 深澤佳満 1) 進藤浩子 1) 深澤光晴 1) 高野伸一 1) 高橋英 1) 廣瀬純穂 1) 川上智 1) 早川宏 1) 川井田博充 2) 佐藤公 1) 1) 榎本信幸 山梨大学医学部附属病院第一内科 1) 2) 同第一外科 症例は 71 歳女性 近医で腫瘍マーカー高値を指摘 精査目的の CT MRI で嚢胞性病変を認めたため 精査加療目的に当科紹介となった 腫瘍マーカーは CEA 7.5ng/ml CA U/ml CT では膵尾部末端に 35mm 大の類円形の嚢胞性病変を認めた 共通被膜を有し一部に石灰化を伴っており 内部には隔壁構造を認めた MRI では嚢胞内は不均一で T1 強調像で低信号 T2 強調像で高信号 MRCP で淡い高信号を呈した 嚢胞性病変と主膵管の連続性は確認できなかった EUS では共通被膜で覆われた嚢胞性病変であり 一部 cyst-in-cyst 様構造を認め 内部は不均一であった また 嚢胞頭側に 10mm 大の境界不明瞭な低エコー領域を認めた ソナゾイド造影を施行すると周囲膵実質に比べて弱い造影効果を認めた 共通被膜構造と cyst-in-cyst から MCN と診断し 鑑別として MCN 由来浸潤癌もしくは MCN に併存した通常型膵癌を考え 脾臓合併膵尾部切除術を施行した 病理組織では嚢胞壁は線維性間質で構成されており 卵巣様間質は存在しなかった 嚢胞上皮は大部分で脱落しており 残存する上皮は異型の乏しい円柱上皮であり 乳頭状増殖は認めなかった 以上より嚢胞性病変は貯留嚢胞と診断した また 嚢胞頭側に 11mm 大の浸潤性膵管癌を認め 周囲リンパ節に転移を伴っていた 通常型膵癌 (T1c N1b M0 Stage Ⅱ B) それに伴う貯留嚢胞と最終診断した 嚢胞および膵癌の術前画像診断 嚢胞の病理診断 膵癌と嚢胞の関連について御討議いただきたい 69

72 P-04 PanIN 併存を病理学的に診断し得た膵単純性嚢胞の 1 切除例 佐上亮太 1) 錦織英史 1) 阿南勝宏 1) 藤原省三 1) 2) 村上和成 大分三愛メディカルセンター消化器病 内視鏡センター 1) 2) 大分大学医学部附属病院消化器内科 症例 65 歳女性 既往 胆石 虫垂炎 現病歴 2013 年に施行した AUS で膵鉤部に 13mm 大の嚢胞を指摘され,2015 年 3 月に紹介受診となった.EUS では隔壁を有する 17mm の嚢胞として認識され, 体部に 6mm の嚢胞を認めた. 膵管との交通は確認できず, 分枝膵管との交通が予想され IPMN 疑いとしてフォローを開始した.2016 年 3 月の MRI では 22mm の T1 低 T2 高信号の嚢胞性病変として認識された.MRCP で膵管との交通は確認できず, 頭部に分枝膵管拡張所見を認めた.9 月に造影 CT で 25mm 大まで増大し,EUS で内部隔壁の肥厚を認めた. 内部結節を認めないが, 組織診目的で ERP を施行した. 頭部に主膵管変化と分枝の拡張を認め, 嚢胞は造影されないが細胞で class Ⅲ b を 3 回検出した. 以上より BD-IPMN の悪性化, 鑑別として MCN などを考慮し, 膵頭十二指腸切除術を施行した. 上皮は PAS 染色,Alcian blue 染色陽性の細胞質内粘液を有し, 嚢胞周囲に紡錘形細胞を認め,MCN との鑑別が必要であったが, 卵巣様間質が確認できず単純性嚢胞の診断となった. 嚢胞周囲分子膵管には PanIN1-2 程度の異型が散在していたが嚢胞との関連は不明であった. 結語 膵単純性嚢胞に膵癌を伴う可能性を示唆する症例を検討したので報告した. 検討事項 1 細胞診 class Ⅲ b の出処 2 PanIN と膵嚢胞の関連 3 分枝拡張の原因. 70

73 ポスター : 膵 2 座長 : 野田裕 ( 仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科 ) 清水泰博 ( 愛知県がんセンター中央病院消化器外科 ) 病理コメンテーター : 山野三紀 ( 昭和大学横浜市北部病院消化器センター ) P-05 経過中に形態変化を来した膵尾部 MCN の1 例髙木亮 ( 浦添総合病院消化器病センター内科 ) P-06 4 年の経過で増大傾向を示した膵嚢胞性病変の 1 例五十嵐聡 ( 新潟大学医歯学総合病院消化器内科 ) P-07 単純性嚢胞との鑑別に苦慮した nonmucinous cyctadenoma の 1 例寺奥大貴 ( 徳島大学外科学 ) P-08 術前診断が可能であった膵管内管状乳頭腺癌 (ITPC) の 1 例浅間宏之 ( 福島県立医科大学消化器内科学講座 )

74 P-05 経過中に形態変化を来した膵尾部 MCN の 1 例 髙木 亮 1) 小橋川嘉泉 1) 亀山眞一郎 2) 伊志嶺朝成 2) 伊佐勉 3) 松崎晶子 4) 5) 真口宏介 浦添総合病院消化器病センター内科 1) 同外科 2) 南部徳洲会病院外科 3) 琉球大学大学院医学研究科腫瘍病理学講座 4) 手稲渓仁会病院消化器病センター 5) 症例は 60 歳代, 女性 2009 年, 膵尾部嚢胞性病変のフォロー目的で当院受診 膵酵素および腫瘍マーカーは正常で, MRCP で膵尾部に約 35mm の内部に隔壁様構造を伴う嚢胞性病変を認め, 内部は T1 low,t2 high,heavily T2 high を呈し, 主膵管との交通ははっきりしなかった MCN を疑って EUS 施行したが, 内部に蛋白栓を認め, 背景膵実質に慢性膵炎を疑う所見を伴うことから, 慢性膵炎を背景とした仮性嚢胞疑いで経過観察とした 翌年, 悪性腫瘍除外目的に ERCP 施行 膵管造影にて尾側主膵管末端に小さな陰影欠損を認め, その近傍から嚢胞が描出され, 嚢胞内に ENPD 留置した 嚢胞内容液は白色調淡血性であり, 膵石もしくは蛋白栓による仮性嚢胞と診断した 嚢胞内容液の細胞診で悪性細胞を認めず,CT で嚢胞縮小確認後に ENPD 抜去した 以降, 定期画像フォローを行っていたが,2016 年に cyst in cyst や厚い被膜などの MCN を示唆する所見が強くなり, 嚢胞径増大も認めたため, 十分な IC のもとで腹腔鏡下尾側膵切除術を施行した 術後病理マクロ所見は 4 3 3cm の多房性嚢胞性病変であり, ミクロ所見では間質に卵巣様間質を認め, 同部位の ER PgR 免疫染色はともに陽性を示し,MCN と最終診断した ( 問題点 ) 主膵管と交通し, 膿性内容液を含み, 閉経後に増大するなど, 非典型的な経過を観察しえた MCN を経験したため報告する 72

75 P-06 4 年の経過で増大傾向を示した膵嚢胞性病変の 1 例 五十嵐聡 1) 林和直 1) 河久順志 1) 横山純二 1) 山際訓 1) 寺井崇二 1) 滝沢一泰 2) 若井俊文 2) Korita Pavel 3) 3) 渡邉玄 新潟大学医歯学総合病院消化器内科 1) 同消化器外科 2) 3) 新潟大学大学院医歯学総合研究科分子 診断病理学分野 症例は 40 代女性 4 年前に検診の CT で膵体尾部に 18mm 大の嚢胞性病変を指摘 経過観察の方針となるも 以後通院せず X 年 2 月婦人科検診の US で 24mm 大の膵嚢胞を指摘 4 月前医にて CT および MRI 施行し 膵体部に 25mm 大の隔壁を伴う嚢胞性病変あり 膵漿液性嚢胞腺腫を疑われ 3 ~ 6 ヶ月おきに経過観察の方針に 12 月転居に伴い当科紹介 US では膵体尾部に隔壁を伴う嚢胞性病変あり 上部消化管内視鏡では主乳頭からの粘液排出なし CT では膵体部に 26mm 大の多房性嚢胞性病変あり 内部に薄い隔壁様構造を認めるが 明らかな充実部分なし 被膜および隔壁は淡く造影される MRI では嚢胞は隔壁様構造を伴うが 充実部分なし 内部は水に近い信号 主膵管拡張なし EUS では隔壁を伴う多房性嚢胞性病変で 内部に充実様構造および debris を認める 主膵管との交通はない ソナゾイド造影で被膜および隔壁は造影されるが 充実様構造は造影されず 以上より 膵粘液性嚢胞腫瘍を第一に疑い 腹腔鏡下膵体尾部切除 脾合併切除を施行した 病理では嚢胞は粘液産生性の立方円柱上皮に裏打ちされ 上皮下に卵巣様間質を認め Mucinous cystadenoma (MCN) と診断した 4 年の経過で増大傾向を示した MCN の 1 例を経験した 術前の画像診断について議論いただきたい 73

76 P-07 単純性嚢胞との鑑別に苦慮した nonmucinous cyctadenoma の 1 例 寺奥大貴 1) 池本哲也 1) 和田佑馬 1) 太田昇吾 1) 齋藤裕 1) 岩橋衆一 1) 居村暁 1) 森根裕二 1) 島田光生 1) 2) 常山幸一 徳島大学外科学 1) 2) 同疾患病理学 はじめに 膵嚢胞性疾患は術前の鑑別が困難であり 今回単純性嚢胞との鑑別に苦慮した極めて稀な膵嚢胞の 1 例を経験したので報告する 症例 43 歳女性 飲酒歴なく検診で膵に異常を指摘された CT 上ほぼ均一な LDA を膵内部に認め 尾側膵管の拡張はなかった MRI 上も同様の所見で 充実部なく内部出血の所見なし DWI でも high intensity spot は認めなかった EUS も明らかな隆起性病変を指摘されず しかし 経過観察中に比較的早い速度で 3.0cm を超えて増大傾向を認めたため Fully IC のもと 腹腔鏡補助下膵体尾部切除を施行した 病理 肉眼的に均一な嚢胞であり 明らかな隆起性病変を認めなかったが 病理学的検索によって 嚢胞被覆上皮は MUC1,2,5AC,6 陰性 CK7,CK20 陽性で 上皮周囲には ER+,PgR+ の卵巣様間質を有しており nonmucinous cyctadenoma of the pancreas with pancreatobilliary phenotype and ovarian-like stroma と診断された まとめ 単純性膵嚢胞と鑑別が困難な極めて稀な 1 例を経験した 膵炎の既往なく 若年女性の膵外に突出しない比較的早期の増大傾向を示す単一な嚢胞性病変は当疾患を念頭に置く必要がある 74

77 P-08 術前診断が可能であった膵管内管状乳頭腺癌 (ITPC) の 1 例 浅間宏之 1) 高木忠之 1) 鈴木玲 1) 杉本充 1) 紺野直紀 1) 佐藤雄紀 1) 入江大樹 1) 丸橋繁 2) 橋本優子 3) 1) 大平弘正 福島県立医科大学消化器内科学講座 1) 同肝胆膵移植外科学講座 2) 3) 同病理病態診断学講座 症例は 70 歳台女性 上腹部痛にて前医で EGD を施行したところ Vater 乳頭部より出血を認めた 造影 CT にて膵頭部腫瘤と主膵管拡張を認め 当科へ紹介された EUS では膵頭部の膵管内を充満するように乳頭状の腫瘍を認めた ERCP でも膵管内の乳頭状腫瘍が確認され 乳頭部からの粘液排出や 膵管内に粘液を疑う透亮像は認めなかった IDUS では 腫瘍進展は門脈のやや尾側まで認められた 経乳頭的な腫瘍生検にて腺癌が確認され 膵管内管状乳頭腺癌 (ITPC) の術前診断にて膵頭十二指腸切除術を施行された 病理の結果は 主膵管 分枝膵管内に乳頭状に増殖する腺癌を認めた 膵実質への腫瘍浸潤は認めなかった 胞体内に粘液成分を認めず 粘液染色でも粘液は確認されず ITPC と最終診断された 特徴的な画像所見から術前診断が可能であった ITPC の一例を提示する ITPN(ITPC) と IPMN の画像診断および病理診断における鑑別のポイントにつき討論したい 75

78 ポスター : 膵 3 座長 : 岡部義信 ( 久留米大学医学部医学科内科学講座消化器内科部門 ) 小西大 ( 国立がん研究センター東病院肝胆膵外科 ) 病理コメンテーター : 福村由紀 ( 順天堂大学人体病理病態学講座 ) P-09 EUS-FNA により術前診断が可能であった微小 IPMC の 1 例伊藤泰斗 ( 東京女子医科大学消化器内科 ) P-10 術前に膵上皮内癌を疑われた膵管内腫瘍の 1 例澤井勇悟 ( 大阪赤十字病院消化器内科 ) P-11 急性膵炎を契機に指摘され 術前診断に苦慮した膵嚢胞性腫瘍の 1 例木村明恵 ( 大阪市立総合医療センター消化器内科 ) P-12 IPMC との鑑別に苦慮した膵粘液癌の 1 例冨樫純一 ( 仙台厚生病院消化器内科 )

79 P-09 EUS-FNA により術前診断が可能であった微小 IPMC の 1 例 伊藤泰斗 1) 赤尾潤一 1) 木下普紀子 1) 大塚奈央 1) 長尾健太 1) 田原純子 1) 高山敬子 1) 清水京子 1) 出雲渉 2) 山本雅一 2) 3) 古川徹 東京女子医科大学消化器内科 1) 同消化器外科 2) 3) 東北大学大学院医学系研究科病理形態学分野 [ 症例 ]70 歳代男性 [ 現病歴 ]200X 年に検診の腹部超音波検査にて膵頭部に 16mm の多房性嚢胞性病変を認めた 膵頭部 IPMN と診断し 以後定期的に画像検査にて経過観察していた 頭部の IPMN の嚢胞径は徐々に増大傾向であったが 悪性所見は認めなかった また 201X+9 年より体部にも 7mm の単房性嚢胞性病変を認めたが 同じく経過観察されていた 201X+12 年に施行した EUS にて体部の嚢胞性病変近傍に low echo SOL を認め 精査を行った [ 検査 ]low echo SOL は CT ではやや造影不良であった EUS-FNA の病理では絨毛状の上皮性増殖を認め 異型は high grade dysplasia 程度と考えられた [ 経過 ]intestinal type の分枝型 IPMC と考え 膵体尾部切除術を施行した 最終診断は IPMC, non invasive, intestinal type, branch duct type であった 病理標本での病変の大きさは 5mm であった EUS-FNA により術前診断が可能であった微小 IPMC の一例を経験したのでここに報告する 77

80 P-10 術前に膵上皮内癌を疑われた膵管内腫瘍の 1 例 澤井勇悟 丹家元祥 吉田裕幸 木村佳人 淺田全範 大﨑往夫 大阪赤十字病院消化器内科 症例 :70 代女性 前医 CT で膵頭部の嚢胞性病変 膵尾部に低吸収域を指摘され当院に紹介 当院での dynamic CT では膵尾部に明らかな充実性腫瘤は認めず 膵管壁肥厚 尾側主膵管の軽度拡張 周囲分枝膵管拡張を認めた MRI MRCP では膵尾部に caliber change を伴う主膵管狭窄と尾側主膵管のごく軽度の拡張 狭窄周囲に分枝膵管拡張も認めたが 明らかな膵充実性腫瘤は認めなかった EUS でも明らかな膵充実性腫瘤は認めず 主膵管狭窄部近傍には分枝膵管の拡張を認めた 膵頭部には多房性嚢胞性病変を認めたが 壁在結節や隔壁肥厚は認めなかった 乳頭部は異常なし 膵管造影では粘液を疑う透亮像 膵尾部に caliber change を伴う主膵管狭窄を認め 尾側主膵管は軽度の拡張を示した 膵液細胞診にて高度異型上皮を認め 膵尾部の上皮内癌が疑われ膵体尾部切除術を施行した 肉眼所見では主膵管内に充満する腫瘍を認め 病理組織所見では淡明な細胞質と基底側に偏在する小型核を有する軽度異型上皮が 一部嚢胞状拡張を示す乳頭腺管構造をとり増生し 細胞質に PAS 染色強陽性 MUC1 陰性 MUC2 陰性 MUC5AC 一部陽性 MUC6 陽性であり胃型上皮に矛盾しない所見であった 主病変周辺の分枝膵管に PanIN-1B 相当の異型上皮を認めたが 主膵管内の腫瘍上皮との境界は明瞭であった 以上から IPMN gastric type, pyloric gland variant と診断した 78

81 P-11 急性膵炎を契機に指摘され 術前診断に苦慮した膵嚢胞性腫瘍の 1 例 木村明恵 1) 根引浩子 1) 周防舞仁 1) 山崎智朗 1) 櫛山周平 2) 村田啓洋 2) 清水貞利 2) 福島裕子 3) 3) 井上健 大阪市立総合医療センター消化器内科 1) 同肝胆膵外科 2) 3) 同病理部 症例は 46 歳男性 X-1 年 8 月左上腹部痛を認め 膵 Amy 815U/l リパーゼ 1294U/l と高値 CT にて膵腫大 膵尾部から前腎傍腔に液体貯留 膵頭部に約 2cm 大の嚢胞性病変を認め 急性膵炎と診断した 膵頭部嚢胞性病変は CT では明らかな充実部や隔壁構造なく 急性膵炎に伴う液体貯留と考えられた 保存的加療にて膵炎は軽快し 1 週間で退院した 1 か月後の造影 MRI でも膵頭部嚢胞性病変は単房性であり 造影効果なく 主膵管拡張を伴わないことから仮性嚢胞を疑った X-1 年 12 月の CT では膵頭部嚢胞性病変はやや増大していたが 隔壁構造は明らかでなかった X 年 1 月の MRI で嚢胞内部が不均一であり EUS で輪郭不整で内部に不整な高エコー域の混在を認めたため腫瘍性病変を疑ったが 同時期に施行した PET では異常集積を認めなかった 精査目的の ERCP を予定したが 本人都合で先延ばしになっていたところ X 年 3 月閉塞性黄疸をきたしたため入院 ERCP で膵頭部嚢胞性病変が多房性に造影され 胆汁吸引細胞診 胆管擦過細胞診で suspicious adenocarcinoma であった 手術適応と判断し 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した 病理組織診断は膵管内乳頭粘液性癌であった 術前 特に初期の画像診断で IPMC と診断可能かご教示お願いしたい 79

82 P-12 IPMC との鑑別に苦慮した膵粘液癌の 1 例 冨樫純一 奥薗徹 中堀昌人 鈴木憲次郎 前田有紀 山岡肇 川端和歌子 平澤大 松田知己 長南明道 仙台厚生病院消化器内科 症例 66 歳男性 主訴 膵腫大 既往歴 糖尿病 狭心症 高血圧 前立腺肥大 慢性気管支炎 肺気腫 現病歴 近医で定期健診の胸部 Xp で左肺野の透過性低下を指摘され 当院紹介された CT で肺に気腫性変化と 膵腫瘍を指摘され当科紹介となった 検査 採血では腫瘍マーカーの上昇はなかった CT では膵体部に限局した乏血性の腫大と 膵頸部より尾側膵管の 10mm の拡張を認めた EUS では膵体部に 40mm の低エコー腫瘤を認め 7mm と拡張した主膵管を取り囲むように小嚢胞の集簇を伴っていた 明らかな結節は認めなかった ERP では開口部の拡張はなく膵頸部より尾側膵管の拡張を認めたが 膵体部から尾部膵管が造影されず IDUS では粘液のために描出が困難だった 同部位の生検で腫瘍成分は認めなかった MRCP では膵体部の主膵管の拡張を認めるが周囲の嚢胞より信号強度が低く粘液の貯留を考えた 経過 IPMC 由来浸潤癌を疑い 膵体尾部切除を施行した 術後経過は良好で術後第 13 病日で退院となった 膵体部のマクロ像では拡張した主膵管内に結節は認めず 透明で粘稠な粘液の貯留のみであった 病巣周囲の膵実質は消失し 主膵管を取り囲むように小嚢胞の集簇を認めた 病理組織結果は粘液癌 Pb TS3 cystic type pt3 pn1 M0 Stage Ⅲ と診断した 術後補助化学療法を施行し 7 か月再発なく経過良好である IPMC 由来の浸潤癌との鑑別が問題であり 術前に粘液癌と診断可能であったかについて検討していただきたい 80

83 ポスター : 膵 4 座長 : 佐々木民人 ( 県立広島病院消化器内科 ) 木村康利 ( 札幌医科大学消化器 総合 乳腺 内分泌外科学講座 ) 病理コメンテーター : 安川覚 ( 京都府立医科大学大学院医学研究科人体病理学 ) P-13 膵扁平上皮癌の 1 例桒田威 ( 京都大学医学部附属病院消化器内科 ) P-14 膵腺扁平上皮癌の胆管浸潤と高分化型胆管癌が共存した1 例蓑島考 ( 日鋼記念病院消化器センター ) P-15 膵腺房細胞癌の 1 例比佐岳史 ( 佐久総合病院佐久医療センター消化器内科 ) P-16 Gem+nabpaclitaxel が奏効し conversion surgery が可能となった内分泌腫瘍への分化を伴う局所進行腺房細胞癌の 1 例夏目誠治 ( 愛知県がんセンター中央病院消化器外科 )

84 P-13 膵扁平上皮癌の 1 例 桒田瀬尾智 威 1) 松森友昭 1) 三嶋眞紗子 1) 西川義浩 1) 高田裕 1) 山本修司 1) 宇座徳光 1) 児玉裕三 1) 2) 3) 桜井孝規 京都大学医学部附属病院消化器内科 1) 同肝胆膵 移植外科 2) 3) 同病理診断科 症例は 64 歳 女性 2017 年 1 月背部痛あり 近医を受診した際に施行された CT にて膵頭部腫瘤を認めたため 当科紹介受診となる 腹部造影 CT にて膵頭部に 30mm 大の腫瘤を認め 境界は比較的明瞭で 腫瘍の造影効果は辺縁で強く 内部はやや造影効果に乏しかった MRI では腫瘤は T1/T2 強調画像共に低信号 DWI では著明な拡散低下を認め MRCP では腫瘤部で主膵管の途絶を認めるが尾側主膵管拡張は伴っていなかった PET-CT では腫瘤部に一致して著明な異常集積を認め 他臓器には異常集積を認めなかった EUS にて膵頭部腫瘤は径 30mm 大 比較的境界明瞭で 内部エコーは高 低エコーが混在し一部にのみ無エコー域を伴っていた また EUS を施行した際の上部消化管内視鏡にて 下行脚に腫瘍の露出と考えられる不整な潰瘍性病変を認めた 膵癌を疑い EUS-FNA を施行し 初回 EUS 時の十二指腸生検では診断が得られなかったため再度生検を施行した 病理組織診断は poorly differenciated carcinoma で CK7 陰性 p40 がびまん性に陽性であった 膵未分化癌や膵腺扁平上皮癌を考え 亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した 切除標本の病理組織学的所見では 腫瘍は CK7 陰性 p40 陽性の扁平上皮癌を主としており 典型的な腺癌成分を認めないことから膵扁平上皮癌の診断となった 膵臓の扁平上皮癌は非常に稀であり 本症例の膵扁平上皮癌の診断の妥当性 腫瘍発生の起源などについて検討していただきたい 82

85 P-14 膵腺扁平上皮癌の胆管浸潤と高分化型胆管癌が共存した 1 例 蓑島益子博幸 考 1) 横山和典 1) 松本航 1) 代田充 1) 沢田尭史 1) 旭火華 1) 喜納政哉 1) 高田譲二 1) 1) 2,3) 山野三紀 日鋼記念病院消化器センター 1) 同病理診断科 2) 昭和大学横浜市北部病院消化器センター 3) 症例は 65 歳男性 閉塞性黄疸を主訴に近医より紹介入院となった MRCP では乳頭部近傍の遠位胆管に閉塞を認め 主膵管の拡張は認めなかった CT では胆管閉塞部位は早期相で 10mm 大の低吸収域を認め 後期相で膵実質と同程度に造影された 同病変に近接した膵内には早期相 後期相ともに造影効果の乏しい 15mm 大の不整形腫瘤を認めた EUS では遠位胆管内に突出する結節状腫瘤により胆管閉塞をきたしており 閉塞部位から膵内に腫瘤が連続していた ERCP ではカニュレーションが困難であったために膵管ステント留置によるプレカットを施行したが 硬い腫瘤の抵抗により不成功に終わり PTBD を施行して減黄をおこなった 減黄後の胆管造影では胆管内に結節状の腫瘤による陰影欠損を認めた PTBD からの胆汁細胞診では扁平上皮癌が疑われた また CS で下行結腸癌を認めた 術前診断は CT の腫瘤像が膵内に存在することから胆管浸潤により胆管内に結節を形成した膵頭部腺扁平上皮癌と考えた 幽門輪温存膵頭十二指腸切除と下行結腸切除術が施行された 病理組織学的には膵頭部に主座を置く腺扁平上皮癌が遠位胆管粘膜固有層にまで浸潤しており 近接した胆管壁内に限局する高分化型腺癌を認めた 本例では 術前に膵癌と胆管癌の併存を指摘できなかったことから 腺扁平上皮癌特有の画像所見が指摘でできるかどうか 膵腺扁平上皮癌と高分化型胆管癌の発生の問題などをご討論頂きたい 83

86 P-15 膵腺房細胞癌の 1 例 比佐岳史 1) 青柳大樹 2) 塩澤哲 2) 大久保浩毅 3) 長谷川健 3) 桃井環 1) 工藤彰治 1) 山田崇裕 1) 福島秀樹 1) 1) 古武昌幸 佐久総合病院佐久医療センター消化器内科 1) 同病理診断科 2) 3) 千曲中央病院外科 症例は 60 歳台 男性 左季肋部 左背部痛を主訴に近医を受診した CT にて膵体尾部に嚢胞性腫瘤が疑われ 当科紹介となった US では膵体尾部に 70mm 大の境界明瞭 輪郭比較的整な楕円形低エコー腫瘤を認め 内部には淡い高エコー部分や無エコー部分が混在していた 造影 CT では腫瘤の大部分が不均一な造影効果を呈し 一部は造影されなかった 体尾部主膵管は腫瘤により腹側に押し上げられ 尾側主膵管は軽度拡張し 周囲脂肪織濃度上昇を伴っていた 腫瘤内造影部位は MRI T1 強調像で低信号 T2 強調像で淡い高信号 腫瘤内非造影部位は T1 強調像で高信号 T2 強調像で高信号を呈した EUS では膵体尾部の低エコー腫瘤内部に嚢胞部分を認めた 一方 腫瘤乳頭側の主膵管に拡張はなく 体尾部主膵管内に腫瘤から連続するポリープ状隆起を認めた 主乳頭からの粘液排出は認められなかった 分枝膵管内に充満発育する腫瘍と診断し 膵体尾部切除術を予定した 術中 横行結腸への浸潤が疑われたため 左半結腸切除を追加した 標本膵管造影では主膵管内に透亮像を認め 造影剤は腫瘤内から結腸に流入した 肉眼的には膨張発育型の灰白色腫瘤で 主膵管の一部にポリープ状隆起を伴っていた 組織学的には核小体が明瞭な類円形核と好酸性細胞質を有する N/C 比の高い上皮が充実あるいは腺房様構造を形成していた 結腸への浸潤は認められず 切除断端は陰性であった 免疫染色では Chromogranin A (-), Synaptophysin (-), CD56 (-), Tripsin (+) であり 膵腺房細胞癌 (pt2 pn0 M0 pstageib) と最終診断した 討論点 : 腫瘍の発育進展様式 84

87 P-16 Gem+nabpaclitaxel が奏効し conversion surgery が可能となった内分泌腫瘍への分化を伴う局所進行腺房細胞癌の 1 例 夏目誠治 1) 千田嘉毅 1) 肱岡範 2) 原和生 2) 水野伸匡 2) 奥野のぞみ 2) 桑原崇通 2) 柳澤昭夫 3) 1) 清水泰博 愛知県がんセンター中央病院消化器外科 1) 同消化器内科 2) 3) 京都第一赤十字病院病理診断科 症例は 68 歳の女性 腹部大動脈 腹腔動脈 胃 左副腎に接する局所進行膵体部癌に対して前医から通算 5 コースの Gem+nabpaclitaxel 療法を行った 化学療法後腫瘍は縮小したことから R0 切除が可能と判断し conversion surgery を施行した 腹腔動脈 脾動脈神経叢を術中病理検査に提出したが悪性所見を認めず 脾動脈は根部で処理できた 膵体尾部切除 左副腎 胃部分切除術を施行した 手術時間は 334 分 出血量は 410ml であった 合併症なく術後 18 日目に退院した 病理学的には 好酸性の顆粒状胞体を有する異型細胞が腺房様構造を残しつつ充実性に増生しており BCL10 陽性であることから腺房細胞癌と診断した 一方 一部の腫瘍細胞は ChromograninA にも染色されており内分泌腫瘍への分化を示唆する所見であった 化学療法の治療効果は Evans 分類の Grade Ⅱ A ypt3n0m0 Stage Ⅱ A R0 切除であった 術後補助療法として Gem+nabpaclitaxel を 6 ヶ月投与し 8 ヶ月現在無再発である 内分泌腫瘍への分化を伴う腺房細胞癌は稀であるばかりでなく Gem+nabpaclitaxel が奏功した点も大変興味深い症例と考え報告する 討論ポイント : 病理学的診断 ( 内分泌腫瘍への分化について ) 化学療法の組織学的効果 85

88 ポスター : 膵 5 座長 : 藤田直孝 ( みやぎ健診プラザ消化器内科 ) 佐野力 ( 愛知医科大学病院消化器外科 ) 病理コメンテーター : 須田耕一 ( 東京西徳洲会病院病理科 ) P-17 術前局在診断に苦慮した膵頭部癌の 1 切除例阪上尊彦 ( 久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門 ) P-18 球状の結節を形成した浸潤性膵管癌の 1 例岡﨑三千代 ( 高知赤十字病院第三内科 ) P-19 輪状膵に発生した膵頭部癌の 1 例木下慶亮 ( 大分医師会立アルメイダ病院消化器内科 ) P-20 診断に難渋した低分化膵癌の 1 例平野哲朗 ( 広島大学病院消化器 代謝内科 )

89 P-17 術前局在診断に苦慮した膵頭部癌の 1 切除例 阪上尊彦 1) 岡部義信 1) 石田祐介 1) 安元真希子 1) 牛島知之 1) 名嘉眞陽平 2) 石川博人 2) 内藤嘉紀 3) 奥田康司 2) 中島収 4) 1) 鳥村拓司 久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門 1) 同外科学講座 2) 久留米大学病院病理部 3) 4) 同臨床検査部 症例は 72 歳 女性 右乳癌術後 (20XX-3 年 10 月 ) 大動脈弁狭窄症術後 2 型糖尿病の診断で経過観察されていた 20XX 年 10 月に経過観察目的で施行された腹部エコーおよび CT で主膵管の拡張を指摘され 当科を紹介受診となった 腹部 CT では主膵管全体の拡張をみるも 明らかな腫瘤性病変や閉塞起点を示唆する所見は指摘できなかった 腹部 MRI MRCP では 膵頭部領域の膵管拡張は副膵管であり EUS では膵頭部領域の拡張した副膵管内に突出する低エコー腫瘤をみた 主乳頭部からの ERP では膵頭部主膵管は途絶しており 尾側膵管は描出されなかった 膵管癒合不全の可能性も考慮し 副乳頭挿管を試みたが困難であった 膵液細胞診では粘液を有する異型細胞を認め 推定組織型は adenocarcinoma suspected であった 以上より 副膵管から膵鉤部領域に存在する通常型膵管癌あるいは主膵管型 IPMN 由来浸潤癌の診断で 20XX+1 年 2 月に亜全胃温存膵頭十二指腸切除術が施行された 摘出病理では膵頭部内に限局する 14mm 大の浸潤性膵管癌がみられ 主病巣周囲には乳頭状に増殖する膵管内病変を認めた 副膵管が主体に拡張していたため 術前に腫瘍の存在診断に苦慮した症例であった 87

90 P-18 球状の結節を形成した浸潤性膵管癌の 1 例 岡﨑三千代 1) 川田愛 1) 大家力也 1) 岩﨑丈紘 1) 小島康司 1) 内多訓久 1) 岩村伸一 1) 山井礼道 2) 3) 賴田顕辞 高知赤十字病院第三内科 1) 同外科 2) 3) 同病理診断科 症例は 61 歳 男性 1 か月来続く心窩部痛を主訴として当科を受診した 血液検査では AMY109 CA19-9:5411 DUPAN Ⅱ :136 Span-1:480.7 と上昇を認め US で膵尾部に 30mm 大の輪郭比較的明瞭な低エコー腫瘤と尾側に嚢胞性病変を認めた 腫瘤は CECT で内部に隔壁様構造と中心に造影不良域を伴う乏血性腫瘍として認められ MRI では T1WI で低信号 T2WI で隔壁様構造を認識でき 淡い高信号から一部高信号を呈し DWI で高信号であった EUS では辺縁の一部に角度により無エコー帯を伴う低エコー腫瘤として描出されたが 隔壁様構造は明らかではなく 中心にさらにエコーレベルの低下した領域を認めた ソナゾイド造影では 周囲膵実質と同時に内部の一部が造影され 遅れて辺縁から内部に造影された 主膵管は腫瘤背側を走行しており 腫瘤尾側の嚢胞性病変は主膵管との連続性から貯留嚢胞と診断した FDG-PETCT では 膵尾部にリング状の集積 (SUVmax7.1) を認め 他に有意な集積はなかった 以上 膵尾部原発の腫瘍性病変として 血清腫瘍マーカーの上昇から浸潤性膵管癌の可能性を考慮したが画像的に典型でなく 他疾患の可能性として特殊型膵癌 ( 腺扁平上皮癌 退形成性癌 ) 腺房細胞癌 念のため NET SPN 浸潤癌を伴う MCN を鑑別に挙げた EUS-FNA の結果 腺癌が最も考えられ 膵癌 ct3 cn0 cm0 cstage Ⅱ A の診断で膵体尾部脾臓合併切除 D2 郭清を施行した 最終病理診断は invasive ductal adenocarcinoma, pt3 pn1a M0 pstage Ⅱ B であり 隔壁様構造は壊死の間に残存した腫瘍組織を反映していた 浸潤性膵管癌としては球状で肉眼形態が珍しく 術前診断が可能であったかご討論をお願いいたします 88

91 P-19 輪状膵に発生した膵頭部癌の 1 例 木下慶亮 1) 福地聡士 1) 廣島康子 1) 梶本展明 1) 井上邦光 1) 青山佳正 2) 白鳥敏夫 2) 蒲地綾子 3) 4) 村上和成 大分医師会立アルメイダ病院消化器内科 1) 同外科 2) 同病理診断科 3) 4) 大分大学医学部附属病院消化器内科学講座 症例は 76 歳の女性 15 年前に近医で CT 上膵頭部および体部に 10mm 大の膵嚢胞性病変を指摘され 分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍が疑われた また十二指腸を取り囲むように膵頭部の膵実質を認めた 嚢胞性病変精査 副膵管領域確認目的で ERCP 施行され ERP でスコープを取り囲むように輪状部膵管が描出され 輪状膵と診断された 2017 年 2 月中旬より全身倦怠感 食欲不振あり 血液検査で黄疸 肝胆道系酵素上昇認めた 造影 CT で肝内胆管拡張 総胆管拡張あり また膵頭部に径 2cm 大の乏血性腫瘤認め 腫瘍より尾側主膵管は拡張していた ERP で膵頭部に主膵管の途絶あり 尾側主膵管は著明に拡張していた ERC でも中下部胆管に狭窄認め 膵頭部癌による閉塞性黄疸が疑われた 胆管擦過細胞診にて class Ⅴ adenocarcinoma との診断で 当院外科にて亜全胃温存膵頭十二指腸切除術施行した 病理結果は Invasive ductal carcinoma of pancreas. Ph, TS2(33mm), pt3 pn1 M0 pstage Ⅱ B であった 今回我々は 輪状膵に発生した膵頭部癌の 1 例を経験したので 画像を提示したい 議論していただきたい点 : 1 輪状膵に合併した膵癌の画像診断について 89

92 P-20 診断に難渋した低分化膵癌の 1 例 平野哲朗 1) 芹川正浩 1) 石井康隆 1) 壷井智史 1) 栗原啓介 1) 宮木英輔 1) 河村良太 1) 関藤剛 1) 森豪 1) 村上義昭 2) 3) 有廣光司 広島大学病院消化器 代謝内科 1) 同消化器外科 2) 3) 同病理診断科 症例は 56 歳の女性 当院初診 4 か月前に右季肋部痛を主訴に前医を受診した CT で中下部胆管の狭窄と周囲の軟部影を認めたが 胆汁細胞診では悪性所見を認めず 黄疸は PS 留置により改善したため経過観察となった その後 当院初診 1 か月前に急性胆嚢炎を発症し 再度前医に入院した 急性胆嚢炎は ENGBD により改善したが CT および ERCP で総胆管の狭窄は肝門部にまで及んでいたため 診断目的で当院紹介となった 当院の CT では 総胆管や胆嚢管の壁肥厚と濃染を認め その周囲の軟部影の範囲は拡大し膵頭部で膵実質内に連続しているように見えた EUS では総胆管の周囲に不整で肥厚した低エコー領域を認めたが 総胆管の外側高エコー帯は連続性が保たれていた 膵頭部周囲の低エコー領域より FNA を施行するも線維成分のみが採取された また 胆管周囲の低エコー領域から経皮的に生検するも同様の所見しか得られなかった 良悪性診断が困難であったため開腹生検を行ったところ 大部分が線維組織であったが 一部に不整形腺管を認め 低分化型腺癌と診断された 以上より T4N0M0 cstage Ⅲ の膵癌と診断し 現在化学療法を継続中である 本症例は 開腹生検により悪性病変と診断したが 各種画像検査からは胆管癌や胆嚢癌とは考えにくく 膵頭部領域に腫瘤を形成したため膵癌と診断した 非典型的な経過を呈しており どの段階で膵癌を疑うべきか検討いただきたく症例を提示する 90

93 ポスター : 膵 6 座長 : 長川達哉 (JA 北海道厚生連札幌厚生病院第 2 消化器内科 ) 土井隆一郎 ( 大津赤十字病院外科 ) 病理コメンテーター : 三橋智子 ( 北海道大学病院病理診断科 / 病理部 ) P-21 術前に膵頭部癌と診断された膵神経内分泌癌の 1 例大澤高陽 ( 愛知医科大学消化器外科 ) P-22 非典型的な造影パターンを示した膵 Neuroendocrine tumor の 1 例宮澤基樹 ( 和歌山県立医科大学第 2 外科 ) P-23 Groove 膵癌と術前診断した十二指腸癌の 1 例熊澤広朗 ( 鈴鹿中央総合病院消化器内科 ) P-24 術前診断に苦慮した膵腫瘤の 1 例兼光梢 ( 市立宇和島病院消化器内科 )

94 P-21 術前に膵頭部癌と診断された膵神経内分泌癌の 1 例 大澤高陽 1) 有川卓 1) 駒屋憲一 1) 安井講平 1) 小松俊一郎 1) 石黒成治 1) 齋藤卓也 1) 石井紀光 2) 都築豊徳 3) 佐野力 1) 愛知医科大学消化器外科 1) 同肝胆膵内科 2) 3) 同病理診断科 症例は 66 歳女性 2014 年に膵頭部の分枝型 IPMN と内臓逆位を指摘された 嚢胞内に結節は指摘できず ガイドラインに従って画像検査で毎年フォローアップする事となった 2016 年の MRCP で膵頭部の主膵管狭窄が疑われたが 造影 CT では腫瘤を指摘できず経過観察の方針となった 2017 年の MRCP では 主膵管の狭窄に加え尾側膵管の拡張が出現したため 精査を行った 造影 CT では膵頭部に造影効果の乏しい腫瘤を認め 尾側膵管は拡張し膵実質は萎縮していた EUS では 1.6cm 大の低エコー腫瘤として描出され 明らかな門脈浸潤は認めなかった また 膵頭部には隔壁を伴う 2.4cm 大の嚢胞も認めたが 嚢胞内結節はなかった EUS-FNA の結果は低分化型腺癌であり 分枝型 IPMN 併存の膵頭部癌と診断した 画像上 遠隔転移は指摘できず 手術目的で当科紹介となり 亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を行った ( 手術時間 :315 分 出血量 145 g) 経過は良好で合併症なく第 10 病日に軽快退院した 病理組織所見では類円形 紡錘形核を持つ異型細胞が充実胞巣 索状構造を形成し増殖浸潤する像を認め 免疫染色では Synaptophysin +, CD56 +, Chromogranin A + であり Neuroendocrine carcinoma と診断された 膵癌類似の非典型的な画像所見を呈した膵内分泌腫瘍の 1 例を経験したので報告する 検討項目 術前画像で NEC と診断可能であったか 非典型的な画像所見を呈した理由は何か ( 病理組織像から説明可能か ) 92

95 P-22 非典型的な造影パターンを示した膵 Neuroendocrine tumor の 1 例 宮澤基樹 1) 川井学 1) 廣野誠子 1) 岡田健一 1) 清水敦史 1) 北畑裕司 1) 小林良平 1) 小島史好 2) 1) 山上裕機 和歌山県立医科大学第 2 外科 1) 2) 同人体病理学 症例は 64 歳男性 HCV 感染で IFN 治療後フォロー中 造影 CT にて 膵体部に動脈相で造影不良 門脈相から平衡相にかけて漸増して造影効果を認める 22mm 大の腫瘤を認め 脾動静脈への浸潤を認めた 同部位より尾側の主膵管は 3mm まで拡張し 膵実質は萎縮していた EOB 造影 MRI では 拡散強調像で高信号を示し 遅延性に造影される腫瘤として描出された EUS では 低エコー腫瘤で 造影にて早期より造影され 後期相でも造影効果が継続していた PET では同部位に SUVmax=5.65 の集積を認めた 血液検査では CA U/mL と上昇認めたが CEA CA125 DUPAN-2 は正常範囲内であった EUS-FNA で synaptophysin choromogranin A がいずれも陽性で Neuroendocrine tumor(net) の診断であった しかし 画像所見は浸潤性膵管癌 (PDAC) と考え 術前診断は NET と PDAC の併存腫瘍も念頭において膵体尾部切除術を施行した 病理組織学診断は NET, G2 [pts2(27mm), pt3, med, INFa, ly0, v2, ne0, mpd0, pch0, pdu0, ps1, ppv1(pvsp), pa1(asp), ppl0, poo0, pcm0, pdpm0, R0], pn1a(2/9), M0:pStage Ⅱ b であった 免疫染色でも NET で矛盾なく 典型的な膵 NET に比べ線維性間質が豊富なことが遅延性に造影効果を受けた一因と考えられた 今回我々は 動脈相で造影効果に乏しく 遅延性に造影される線維性間質の豊富な PNET を経験したので報告する 93

96 P-23 Groove 膵癌と術前診断した十二指腸癌の 1 例 熊澤広朗 1) 松崎晋平 1) 栃尾智正 1) 磯野功明 1) 田中宏樹 1) 佐瀬友博 1) 岡野宏 1) 齊藤知規 1) 向克巳 1) 田岡大樹 2) 3) 馬場洋一郎 鈴鹿中央総合病院消化器内科 1) 同外科 2) 3) 同病理診断科 症例 57 歳 男性 現病歴 2016 年 9 月上旬に全身倦怠感があり近医を受診し 黄疸を指摘され精査加療目的に紹介受診した 既往歴 2 型糖尿病 統合失調症 現症 体温 36.5 度 血圧 112/74mmHg 脈拍 70 回 / 分 眼球結膜黄染あり 眼瞼結膜貧血なし 腹部は平坦 軟で圧痛なし 血液検査所見 WBC4600/ μ l RBC / μ l Hb11.7g/dl PLT / μ l TP6.4g/dl Alb4.4g/dl T-Bil33.2mg/dl D-Bil25.8mg/dl AST320IU/ l ALT452IU/ l ALP1712IU/ l LDH280IU/ l Amy107IU/ l BUN12.7 mg /dl Cre0.75mg/dl BS312mg/dl CRP0.82mg/dl 画像所見 腹部超音波検査にて膵頭部に不整形の低エコー腫瘤を認めた 腹部単純造影 CT にて膵 Groove 領域に 25mm の遅延性濃染される腫瘤を認めた MRCP では同部位に拡散低下を認めた ERCP 施行時 十二指腸下降脚に SMT 様隆起を伴う不整な陥凹性病変を認めた 診断 治療 膵頭部癌 (Groove 領域 )ct3n0m0(ch1, DU1,S1,RP0,PV0,A0,PL0,OO0) cstage Ⅱ A と診断した 膵頭十二指腸切除術を行い病理学的に十二指腸癌と診断された 術前診断が困難な十二指腸癌を経験したため報告する 94

97 P-24 術前診断に苦慮した膵腫瘤の 1 例 兼光市川幹郎 梢 1) 岡田正也 1) 忽那茂 1) 田中孝明 1) 須賀義文 1) 上杉和寛 1) 木阪吉保 1) 長谷部昌 1) 1) 渡邊常太 2) 3) 松影昭一 市立宇和島病院消化器内科 1) 同外科 2) 3) 同病理診断科 症例 60 歳台 女性 主訴 なし 現病歴 20XX 年 2 月 糖尿病に対する定期検査での腹部 CT で膵頭部に 50mm 大の腫瘤をみとめ 当科を紹介受診した 既往歴 糖尿病 原発性アルドステロン症 経過 血液生化学検査では CEA CA19-9 DUPAN-2 Span-1 の上昇を認めた 造影 CT では膵頭部に最大横径 50mm 大の境界明瞭な腫瘤を認め 単純にて等吸収 動脈相から平衡相にかけて緩徐に造影された MRI では T1WI で軽度低信号 T2WI で軽度高信号 DWI では軽度の拡散低下を呈した 主膵管や胆管の拡張はなかった 超音波内視鏡検査では 膵頭部に 56 30mm 大の境界明瞭で類円形の低エコー性腫瘤を認め 造影で腫瘍は早期に濃染した EUS-FNA では組織診で一部に signetring cell 様の異型細胞もみられ 低分化腺癌や腺房細胞癌が疑われた 上部消化管検査では前庭部に 50mm 大の 2 型腫瘍 その他幽門前庭部 胃角部に 5~10mm 大の早期胃癌病変を 3 つ認めた 生検では全て高分化腺癌の診断であった 膵癌 胃癌の重複癌を疑い 膵頭十二指腸切除 胃切除 Child 変法再建術を施行した 病理組織学検査では 膵腫瘤は胃癌の巨大なリンパ節転移 (# 8a) であった 結語 術前診断に苦慮した 胃癌の巨大リンパ節転移の 1 切除例を経験した 希少な症例であり 若干の文献的考察を加えて報告する 95

98 ポスター : 膵 7 座長 : 有坂好史 ( 日本生命済生会付属日生病院消化器内科 ) 伊佐勉 ( 沖縄南部徳洲会病院外科 ) 病理コメンテーター : 髙瀬優 ( 越谷市立病院病理診断科 ) P-25 急性腹症を契機に発見された Solid-pseudopapillary-neoplasm(SPN) の 1 例土居雅宗 ( 福岡大学筑紫病院消化器内科 ) P-26 EUS-FNA, 肝生検にて術前診断し得た多発肝転移を伴う膵 Solid-pseudopapillary neoplasm の 1 例杉山祥晃 ( 旭川赤十字病院消化器内科 ) P-27 術前 MCN との鑑別が困難であった Lymphoepithelial cyst (LEC) の 1 例蘆田玲子 ( 大阪国際がんセンター消化器検診科 ) P-28 膵内副脾に発生した Epidermoid cyst の 1 例末廣洋介 (JA 広島総合病院消化器内科 )

99 P-25 急性腹症を契機に発見された Solid-pseudopapillary-neoplasm(SPN) の 1 例 土居雅宗 1) 植木敏晴 1) 伊原諒 1) 永山林太郎 1) 畑山勝子 1) 丸尾達 1) 野間栄次郎 1) 1) 光安智子田邊寛 2) 原岡誠司 2) 岩下明徳 2) 3) 勝野暁 福岡大学筑紫病院消化器内科 1) 同病理部 2) 日本医科大学附属病院消化器外科 3) 20 歳代女性 20XX 年 10 月腹痛 嘔吐を主訴に前医を受診した 採血で WBC μ /L CRP 6.6mg/dL と高値であり CT で膵尾部に嚢胞を認めた 急性膵炎による仮性膵嚢胞の診断で 絶食 FOY 大量輸液による加療を行い 臨床所見と炎症所見は改善した その後は再燃はなく 6 年間経過観察していた 経過中 膵尾部の嚢胞は消失し 低吸収の腫瘤となり 内部は石灰化していた 20XX+6 年 12 月に 膵尾部腫瘤の増大を認め精査加療目的で当院に紹介となった MD-CT は 膵尾部に低吸収の腫瘤があり 腫瘤内は 石灰化 小 Cyst を認め Dynamic-Study では 漸増性濃染であった MRI は T1 強調像で低信号 T2 強調像で高信号 DWI は 拡散の低下を認めた EUS では 腫瘤は 等エコーで 辺縁は明瞭であり 内部に石灰化を伴っていた ソナゾイドエコーは 早期から濃染し 後期で減弱した EUS-FNAB を行った 病理組織像は HE 染色で 好酸性の腫瘍細胞を散見し 偽乳頭構造を呈していた 免疫組織化学染色では β - カテニン CD10 ヴィメンチンが陽性であり SPN と診断した 脾臓 脾動静脈温存膵尾部切除術を行った 急性腹症発症時は 嚢胞を形成し 後に内部に石灰化を伴った腫瘤を形成した SPN を経験した SPN の経過を考察する上で示唆に富む症例と考え報告した 97

100 P-26 EUS-FNA, 肝生検にて術前診断し得た多発肝転移を伴う膵 Solid-pseudopapillary neoplasm の 1 例 杉山祥晃 1) 小林裕 2) 仙波佳祐 2) 久野木健仁 2) 芹川真哉 2) 鈴木康秋 2) 1) 藤井常志 旭川赤十字病院消化器内科 1) 名寄市立総合病院消化器内科 2) 症例 40 歳代, 女性. 心窩部痛を主訴に当科受診. 身体所見で右季肋部に巨大な腫瘤を触知した. 血液生化学検査では, WBC 10,800 と軽度白血球高値を認めるのみであった. CT では膵頭部に不整な被膜を有する径 14cm 大の腫瘍を認めた. 腫瘍辺縁は造影効果を伴う充実性成分であり, 内部に不整な嚢胞変性や一部石灰化を認めた. 膵 MRI では充実部は T1WI で低信号, 嚢胞部はやや高信号であった. T2WI では充実部は斑状の高信号を示し, 嚢胞部は強い高信号を認め, 腫瘍内部の出血変性と考えた. EOB 造影 MRI では肝に肝細胞相で欠損, 拡散強調像で高信号を呈する小結節を 8 個認めた. 組織診断目的に, 膵腫瘍に対して EUS-FNA, 肝 S5 11mm 大の腫瘍に対して肝生検を施行した. 共に病理結果は, N/C 比の高い, 小型の好酸性の腫瘍細胞が血管のある間質を中心として, 偽乳頭状の増殖を示した. 免疫染色では, β catenin, CD56 に陽性を示した. よって, 膵 SPN, 多発肝転移と診断し, 亜全胃温存膵頭十二指腸切除術, 肝外側区切除, 肝部分切除 ( 右葉 ) を施行. 術後 2 週後の CT では治癒切除と判断した. 現在, 術後 10 ヶ月が経過しているが, 無再発生存中である. 考察 膵 SPN は, 女性に好発する低悪性度腫瘍である. しかし, 15.0~19.5% が浸潤や転移を呈すると言われている. また, 画像所見が多彩であることから, しばしば他の膵腫瘍との鑑別が困難である. 本症例のような肝生検, EUS-FNA にて膵 SPN, 多発肝転移と術前診断し得た報告例はなく, 文献的考察を含めて報告する. 98

101 P-27 術前 MCN との鑑別が困難であった Lymphoepithelial cyst (LEC) の 1 例 蘆田玲子 1) 澤井麻依子 1) 井岡達也 1) 片山和宏 1) 秋田裕史 2) 高橋秀典 2) 3) 長田盛典 大阪国際がんセンター消化器検診科 1) 同外科 2) 3) 同病理部 症例は 55 歳女性 頭痛を主訴に近医受診 高血圧および新規発症の糖尿病を指摘され精査目的に施行された腹部単純 CT にて膵頚部に 35mm の膵外に突出する嚢胞性病変を指摘され 精査目的に当院紹介となった 初診時採血では FBS: 83, HbA1c 8.4% と血糖のコントロールは不良であった 腫瘍マーカーは CA19-9:128 U/ml, CEA:5.5 ng/ml と上昇がみられた 膵精密超音波および造影腹部 CT では嚢胞内に結節を指摘された MRI の T2 強調画像では嚢胞内の信号強度が異なる多房性の嚢胞として描出され DWI では壁肥厚部位に一致して拡散の低下を認めた MRCP では主膵管との交通は認めなかった PET では壁肥厚部位に FDG の軽度集積を認めた ( 後期相 SUVmax 1.5) 超音波内視鏡では嚢胞内に 19 x 6.4mm の著明な壁肥厚を認めた 造影 EUS では iso vascular であり 悪性が示唆された 壁肥厚を伴う MCN が否定できないため 亜全胃温存膵頭十二指腸切除術 (SSPPD) を施行した 病理組織標本では 35mm の多房性嚢胞は大部分が数層の扁平上皮に裏打ちされ 脂様角化物を含む腔も認めた 嚢胞壁の実質はリンパ組織で占められており 複数の膵周囲リンパ節と集簇しており Lymphoepithelial cyst (LEC) と診断した 99

102 P-28 膵内副脾に発生した Epidermoid cyst の 1 例 末廣洋介 1) 藤本佳史 1) 隅岡昭彦 1) 村田愛 1) 野中裕広 1) 古土井明 1) 兵庫秀幸 1) 相坂康之 1) 小松弘尚 1) 徳毛宏則 1) 2) 佐々木秀 JA 広島総合病院消化器内科 1) 2) 同外科 症例は 40 歳女性 検診の腹部超音波検査で左腎腫瘍が疑われ当院泌尿器科に受診した CT 検査の結果 病変は膵尾部の嚢胞性腫瘍と考えられたため消化器内科に紹介となった 自覚症状は認めなかった 血液検査では膵酵素は正常範囲であったが CA19-9 が U/ml と高値であった CT では 膵尾部の嚢胞性病変は 4.5cm 大で単房性嚢胞と考えられた 肥厚した嚢胞壁には造影効果を認め 石灰化も散在していた MRI では 嚢胞の内部は T1WI 低信号 T2WI 高信号で 造影効果は嚢胞の壁内のみに認められた MRCP では嚢胞の内部が淡い低信号で主膵管との交通は指摘できなかった EUS では 膵尾部の 5cm 大の単房性嚢胞と考えられ 被膜には石灰化と思われる高エコーが認められた 嚢胞の内部には点状の高エコーが認められた ERP では主膵管に異常所見は認めなかった 膵のう胞性腫瘍を疑い 腹腔鏡下膵体尾部脾切除術を行った 病理組織学的検査では嚢胞上皮は扁平上皮で構成され その周囲には類洞構造をもった脾組織を認めた 周囲の膵組織には著変を認めなかった 以上より膵内副脾に発生した epidermoid cyst と診断した 比較的まれな疾患を経験したので文献的な考察を加えて報告する ( 討論していただきたい内容 ) 1. 画像診断の特徴について 2. 病理診断として問題点はないでしょうか? 100

103 ポスター : 膵 8 座長 : 伊藤啓 ( 仙台市医療センター仙台オープン病院消化器 肝胆膵内科 ) 土屋嘉昭 ( 新潟県立がんセンター外科 ) 病理コメンテーター : 能登原憲司 ( 倉敷中央病院病理診断科 ) P-29 多発性骨髄腫の膵転移の 1 例岩津伸一 ( 長崎大学病院消化器内科 ) P-30 IPMN に併存した AIP の 1 例大畠昭彦 ( 藤枝市立総合病院消化器内科 ) P-31 術前に診断が困難であった十二指腸乳頭部異所性膵の 1 例南一洋 ( 慶應義塾大学医学部消化器内科 ) P-32 自然経過にて改善を認めた膵頭部腫瘤の1 例外山貴洋 ( 社会医療法人明陽会成田記念病院消化器内科 )

104 P-29 多発性骨髄腫の膵転移の 1 例 岩津伸一 1) 小澤栄介 1) 大仁田賢 1) 中尾一彦 1) 足立智彦 2) 日高匡章 2) 安倍邦子 3) 長崎大学病院消化器内科 1) 同移植 消化器外科 2) 同病理診断科 3) 症例は 70 歳男性 X-4 年 9 月より多発性骨髄腫の診断で全身化学療法中であった X 年 12 月 左眼瞼内側に 5mm 大の紅色腫瘍が出現したため当院皮膚科に紹介となった 左眼瞼の転移性腫瘍が疑われたためスクリーニング目的で全身の造影 CT を施行され膵腫瘍を認められたため当科に紹介となった 身体所見に特記事項なし 血液検査では血算 生化学に著変なく CEA および CA19-9 の上昇も認めなかった 造影 CT では膵体部に動脈相および門脈相で膵実質より低吸収を示す径 13 mm大の腫瘤性病変を認めた 腹部 MRI で同腫瘍は拡散制限を認めたが MRCP では主膵管の拡張や狭窄は認めなかった 超音波内視鏡検査では腫瘍径は mmで辺縁明瞭でややいびつな内部均一な低エコー腫瘤として描出された 診断確定のため超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診 / 生検を行った 得られた検体は上皮性成分に乏しく 偏在した核を有し 大小不同に乏しい細胞が増殖していた CD138 抗体陽性 CD79a 抗体陽性より形質細胞腫を考え 特殊免疫染色で免疫グロブリンの κ 鎖に偏倚した増殖が認められ 多発性骨髄腫の膵転移と診断した 多発性骨髄腫の膵転移は稀であり 若干の文献的考察を加えて報告する 102

105 P-30 IPMN に併存した AIP の 1 例 大畠昭彦 景岡正信 吉井重人 寺井智弘 青山春奈 山本晃大 星野弘典 青山弘幸 矢野庄悟 丸山保彦 藤枝市立総合病院消化器内科 症例は 60 代 男性 既往は前立腺肥大 2011 年 8 月前立腺肥大の follow US で膵頭部に 12mm の IPMN を指摘され 以後当科 follow となった 3 年後 EUS で IPMN の大きさは変わらないものの隔壁の肥厚が認められ ERP 施行 膵液細胞診を行うも悪性所見陰性で経過観察とした 初診より 3 年 8 か月経過し EUS で IPMN 20mm と増大 内部に 15mm の壁在結節を認めた CT MRI でも結節は造影された IPMN の急速な増大と内部に造影される結節の出現から IPMC を疑い 膵頭十二指腸切除術を施行した 病変は 15 16mm の腫瘤とその周囲に嚢胞を認めた 腫瘤はリンパ球 形質細胞を主体とした炎症細胞浸潤 IgG4 陽性細胞も多数認めた 花筵状線維化 閉塞性静脈炎も存在し結節部分は AIP と診断した また 嚢胞部分には PanIN1 ~ 2 の変化も認めた 検討項目 1) AIP の病理診断を満たしているが AIP としてよいか 2) IPMN と考えていた嚢胞性病変は病理学的に IPMN でよいか 3) IPMN でれば PanIN1 ~ 2 の変化ありとしてよいか 103

106 P-31 術前に診断が困難であった十二指腸乳頭部異所性膵の 1 例 南一洋 1) 岩崎栄典 1) 福原誠一郎 2) 北郷実 3) 緒方晴彦 2) 久保田直人 4) 尾島英知 4) 金井隆典 1) 慶應義塾大学医学部消化器内科 1) 同内視鏡センター 2) 同一般 消化器外科 3) 同病理学教室 4) 症例は 61 歳男性 生来健康であったが 2 ヵ月前からの間欠的な腹痛と黄疸を主訴に医療機関を受診した 血液検査では肝胆道系酵素の上昇 CT では胆管拡張を認め 内視鏡で乳頭部口側隆起の明瞭な膨隆を認めた 経皮経肝胆管ドレナージ施行の上で当院へ転院となった EUS 検査で口側隆起粘膜下に 15 10mm 大の低エコー域を認め 非露出腫瘤型の乳頭部腫瘍を疑った ERC にて胆管造影をおこなったところ乳頭近傍でスムーズな胆管狭窄と総胆管結石を認めた IDUS では乳頭近傍での全周性の壁肥厚と内腔の狭小化を認めた EST を施行するも腫瘤の露出は認めず 同部の生検結果は反応性異型を認めるのみであった 乳頭部腫瘍を狙い EUS-FNA を施行したが 異型の乏しい腺組織が少量採取されたのみで 診断困難であった 症候性乳頭部腫瘍であり 十分な相談のうえで 膵頭十二指腸切除術を施行した 経過良好で術後 13 日目に退院となった 病理学的所見では 腫大した乳頭部口側粘膜下は線維化を伴う炎症と異所性膵を認め これらが良性狭窄を呈した可能性が否定できなかった 胆管壁は線維化を伴って肥厚していたものの 明らかな悪性所見は認めず 二次性の炎症性変化と考えられた 十二指腸乳頭部の異所性膵による胆管狭窄 胆管炎の症例は稀であるが報告されており 本症例の最終診断 術前画像診断について検討をお願いしたい 104

107 P-32 自然経過にて改善を認めた膵頭部腫瘤の 1 例 外山貴洋 1) 羽場真 1) 桐山諭和 2) 飯田章人 1) 溝口直人 1) 大谷宣人 1) 山雄健次 1) 1) 成田真 社会医療法人明陽会成田記念病院消化器内科 1) 同病理診断科 2) 69 歳, 男性 腹痛, 閉塞性黄疸の精査加療目的に近医より紹介受診 初診時の造影 CT で膵頭部に 46mm の造影不良な腫瘤があり, 尾側の主膵管拡張, 下部胆管閉塞と上流側の胆管拡張, 上腸管膜静脈と門脈及び胃十二指腸動脈の不正な狭窄を認め, 腫瘍周囲から傍大動脈にリンパ節腫大を認めた 加えて MRCP では体尾部の主膵管拡張も認めた 血清 IgG4 は 71.7mg/dL であった 膵頭部癌が疑われ, 閉塞性黄疸に対し胆管ステントを留置した後に EUS を施行した EUS では頭部に境界不明瞭な 40mm 大の低エコー腫瘤が認められ, 内部エコーは不均一で hyperechoic foci も認めた 膵頭部の腫瘤に対して十二指腸下行脚より EUS-FNA を施行した 病理結果では異型細胞を認めず癌の診断確定は得られなかった 1 か月後に再検したところ膵頭部腫瘤は 31mm 程度に縮小傾向を認め,EUS-FNA では前回同様に異型細胞を認めなかった 胆管ステント留置時に施行した胆汁細胞診, 胆管擦過細胞診でも異型細胞は認められなかった 複数回の病理学的検索で悪性所見が認められなかったことから腫瘤形成性膵炎と診断し経過観察の方針となった 初診より 3 か月後の造影 CT で膵頭部腫瘤はほぼ消失し,ERCP でも主膵管 胆管ともに狭窄はなく描出良好であった 自然経過にて改善を認めた膵頭部腫瘤の 1 例を経験した 当初の画像検査で悪性疾患が強く疑われた場合でも, 詳細な画像検索と EUS-FNA による病理学的検索が治療方針に影響を与えたという点で示唆に富む症例と考え報告する 105

108 ポスター : 胆 1 座長 : 岡庭信司 ( 飯田市立病院消化器内科 ) 島田光生 ( 徳島大学消化器 移植外科 ) 病理コメンテーター : 大森優子 ( 手稲渓仁会病院病理診断科 ) P-33 特異な進展様式を示した下部胆管癌の 1 例北村英俊 ( けいゆう病院内科 ) P-34 広範な主膵管進展を伴う遠位胆管癌の 1 例中崎佑介 ( 横浜市立大学医学部消化器 腫瘍外科学 ) P-35 生検で扁平上皮癌を認めた肝外胆管原発腺扁平上皮癌の 1 例児玉亮 (JA 長野厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院消化器内科 ) P-36 遠位胆管癌と診断した乳頭部炎の 1 例工藤大樹 ( 市立函館病院消化器病センター消化器内科 )

109 P-33 特異な進展様式を示した下部胆管癌の 1 例 北村英俊 1) 葛西祐樹 1) 岡田直也 1) 香川幸一 1) 伊藤高章 1) 中下学 1) 岡沢啓 1) 水城啓 1) 永田博司 1) 2) 堂本英治 けいゆう病院内科 1) 同病理診断科 2) 症例は 87 歳, 女性.1 週間前から続く嘔気 嘔吐を主訴に当院受診された.CT で総胆管, 肝内胆管の拡張に加え, 十二指腸および上行結腸の狭窄が疑われたため, 精査目的に入院となった. 上部消化管内視鏡では上十二指腸角から下行脚にかけて全周性の狭窄を認めたが, 明らかな粘膜面の異常は認めなかった. 下部内視鏡では肝湾曲部に狭窄を認め, スコープの通過は困難であった. 第 10 病日に発熱を認め, 閉塞性黄疸及び胆管炎と診断し,PTCD を施行した. 胆汁細胞診では class Ⅲ b の異型細胞を認めた.MRCP では胆管拡張の改善と, 両側水腎症及び後腹膜の肥厚を認めた.PTCD により, 一時は炎症反応の改善を認めたが, 再び増悪傾向となった. 腎機能の増悪を認め, 尿路狭窄に伴う腎後性腎不全, 尿路感染症と診断した. 腎瘻の造設は困難であり, 感染症のコントロールがつかず, 第 26 病日に死亡した. 病理解剖の結果, 下部胆管を主座とする境界不明瞭な腫瘍を認め, 扁平上皮への分化を伴う低分化腺癌が認められた. 近接臓器への浸潤は顕著で, 後腹膜進展による両側尿管狭窄, 水腎症を来していた. 胃, 十二指腸, 上行 横行結腸への直接浸潤, 多発肺転移を伴っていた. 考察 胆管腺扁平上皮癌が後腹膜浸潤を来した症例を経験した. 特異な進展様式を示し, 本邦における報告は少なく, 若干の学術的考察を踏まえこれを報告する. 検討項目 後腹膜進展を来すなど特異な進展様式を示しており, 膵癌と胆管癌の鑑別が問題となった. 107

110 P-34 広範な主膵管進展を伴う遠位胆管癌の 1 例 中崎佑介 1) 松山隆生 1) 藪下泰宏 1) 土屋伸広 1) 村上崇 1) 澤田雄 1) 熊本宜文 1) 山中正二 2) 1) 遠藤格 横浜市立大学医学部消化器 腫瘍外科学 1) 2) 同病理診断科 病理部 症例は 70 歳男性 黄疸を主訴に前医を受診し 下部胆管癌の診断で当科紹介となった ERCP で下部胆管の狭窄と壁不整 上部胆管の拡張を認め 下部胆管病変部より生検を施行し Class Ⅳ (Adenocarcinoma,suspected) と診断された EUS では総胆管の拡張を認め 下部胆管の狭窄及び腫瘍性病変の存在が示唆された また 膵管内に明らかな病変を指摘できないものの 頭部から尾側の主膵管の拡張を認めた CT では下部胆管に造影効果を伴う壁肥厚を認め 上部胆管の拡張を認めた さらに 膵頭部の膵管にも造影効果を認め 尾側膵管の拡張を認めた その他リンパ節を含め遠隔転移は認めなかった 以上より術前診断は下部胆管癌 (T3aN0M0 cstage Ⅱ A) とし膵頭十二指腸切除術 D2 郭清を施行した 病理学的には下部胆管に腫瘍の主座を認め 遠位胆管癌 BdADPh,nodular-infiltrating type,tub1>tub2,t3a,n1,fstage Ⅱ B と診断した 腫瘍は下部胆管から乳頭部まで至り 十二指腸 膵臓への浸潤を認め さらに主膵管に沿って進展し膵断端近傍まで及んでいた 現在 術後 3 ヵ月経過し GEM 単剤による術後補助化学療法施行中である 検討事項 遠位胆管癌が主膵管に沿って進展していることに対する考察 術前画像診断について 108

111 P-35 生検で扁平上皮癌を認めた肝外胆管原発腺扁平上皮癌の 1 例 児玉 亮 1) 三枝久能 1) 牛丸博康 1) 池野龍夫 2) 川口研二 3) 3) 牧野睦月 JA 長野厚生連南長野医療センター篠ノ井総合病院消化器内科 1) 同外科 2) 3) 同病理診断科 症例 63 歳, 男性 現病歴 妻に黄疸を指摘され, 黄疸を主訴に当科を受診した. 検査所見 肝胆道系酵素の異常と閉塞性黄疸,CEA 5.5 ng/ml と軽度高値を認めた. 腹部 CT 検査では肝内胆管から総胆管にかけて拡張がみられ下部胆管で狭窄していた. 造影すると下部胆管に後期相で強く濃染する壁肥厚を認めた. MRI 検査においても腫瘤としての認識は困難であったが造影にて遅延性に濃染する壁肥厚を認識した.ERCP では膵内胆管に壁硬化と軽度の片側性圧排が加わった限局性狭窄を認めた.IDUS ではわずかに片側優位な内側低エコー層の肥厚を認めたが腫瘤像としての認識は困難であった. 膵上縁近傍からの生検では癌細胞はなく, 狭窄部の生検で扁平上皮癌を認めた. 経過 胆管腺扁平上皮癌の術前診断で膵頭十二指腸切除術を行った. 病理組織所見 浸潤の最も目立つ病変中央では扁平上皮癌と腺癌が移行像を伴い混在しており, 扁平上皮癌と思われる紡錘形の癌細胞が硬癌様に浸潤していた. 病変の乳頭側では扁平上皮癌の成分が優位であり, 胆管上皮に露出していた. 病変の肝側では腺癌が優位であった. 検討事項 1 扁平上皮癌優位な領域と腺癌優位な領域の組織学的な違いが画像所見に反映されていたか.2 浸潤部は主に扁平上皮癌と考えてよいか. 109

112 P-36 遠位胆管癌と診断した乳頭部炎の 1 例 工藤大樹 1) 平田甫 2) 北潟谷隆 1) 霜田佳彦 1) 伊藤淳 1) 大野正芳 1) 畑中一映 1) 山本義也 1) 成瀬宏仁 1) 中西一彰 3) 4) 下田則彦 市立函館病院消化器病センター消化器内科 1) 釧路労災病院内科 2) 市立函館病院消化器病センター消化器外科 3) 4) 同病理診断科 症例は 80 歳代男性 食後の腹痛を主訴に当科初診 初診時肝胆道系酵素の上昇を認め, エコー所見で肝内胆管の拡張が見られたため 精査入院となった 腹部エコーでは肝内胆管, 肝外胆管の拡張を認めた 造影 CT では胆管, 主膵管の拡張が見られ, 十二指腸乳頭部付近にわずかに造影増強効果が示された EUS では乳頭直上の遠位胆管から上流にせり出す内部不均一な低エコー性腫瘤性病変が描出され, 一部主膵管との境界も不明瞭であった 上部消化管内視鏡所見では十二指腸乳頭部に腫瘍性病変を疑う所見は見られなかった 以上から 遠位胆管癌が第一に疑われたが ERCP 下の胆管生検では炎症などの反応性異型上皮の診断に留まっていた 胆汁細胞診も Class Ⅰ であり, 同腫瘍に対して EUS-FNA も付加したが, 悪性所見は得られなかった 経過で胆嚢炎も併発したため PTGBD を留置 PTGBD からの胆汁細胞診結果も Class Ⅰ であった 術前診断では悪性の確定には至らなかったが 臨床経過, 画像所見から癌が否定できないことを説明し 患者の同意も得て膵頭十二指腸切除が施行された 術後病理は乳頭部から共通管部分で間質の炎症所見が著明な鋸歯状構造を示す異型のない上皮が採取された IgG4 免疫染色は陰性であり, 自己免疫性胆管炎は否定できないとしつつも 乳頭部炎の診断であった 討議内容 : 画像上で癌が否定できたか 病理学的に自己免疫性胆管炎と診断しうるか 110

113 ポスター : 胆 2 座長 : 北野雅之 ( 和歌山県立医科大学第二内科 ( 消化器内科 )) 松村敏信 ( 沖縄県立宮古病院外科 ) 病理コメンテーター : 大池信之 ( 昭和大学藤が丘病院臨床病理診断科 ) P-37 外側高エコー層の吊り上げ肥厚を示した T1b(MP) 胆嚢癌の 1 切除例藤本武利 ( 平塚胃腸病院外科 ) P-38 胆嚢管原発胆管内乳頭状腫瘍の 1 例森末遼 ( 国立がん研究センター東病院肝胆膵外科 ) P-39 稀な胆管癌胆嚢転移の 1 切除例山田徹 ( 北海道大学大学院医学院 医学研究院消化器外科学教室 Ⅱ) P-40 左肝内胆管癌との鑑別が困難だった左肝内胆管炎の 1 例保坂祥介 ( 千葉西総合病院消化器内科 )

114 P-37 外側高エコー層の吊り上げ肥厚を示した T1b(MP) 胆嚢癌の 1 切除例 藤本武利 1) 廣橋伸治 2) 糸井隆夫 3) 4) 加藤洋 平塚胃腸病院外科 1) 大阪暁明館病院放射線科 2) 東京医科大学消化器内科 3) 4) 獨協医科大学日光医療センター病理部 深達度 M/MP の早期胆嚢癌は リンパ節転移をほとんど認めず 腹腔鏡下胆摘の適応となりうる このため 厳密な深達度診断を含めて胆嚢腫瘤の良悪性診断が重要である 症例は 64 歳男性 無症状であるが 定期健診で胆嚢腫瘤の増大を指摘されて受診した 血液生化学検査は 血清 Cr の軽度高値を認める以外 肝胆道系酵素 膵酵素 CEA CA19-9 を含めて正常であった US で胆嚢底部に径 3cm の高エコー腫瘤を認め 小嚢胞とコメット様エコーを伴い 内部が不均一であった 外側高エコー層の吊り上げ肥厚を認めたが 病巣深部低エコーはみられなかった CD-US で腫瘤内に血流シグナルを検出し 造影 US を行うと 樹枝状ではないが扇状に全体が染影された 当該腫瘤は単純 CT で描出され 造影すると早期に濃染した MRI/MRCP で膵胆管合流異常が疑われ 腫瘤は拡散低下を示した EUS で膵胆管合流異常を認めた 総合的に早期胆嚢癌を考えて腹腔鏡下胆摘を行った 胆嚢底部に 32 29mm の乳頭型隆起を認め 病理組織学的に adenocarcinoma, pap-tub1, with adenoma component, 深達度 MP であった 癌の一部に砂粒小体がみられ 病巣直下の漿膜下層脂肪織が吊り上げ肥厚を示した ちなみに 体部から底部の背景粘膜は過形成性であり 腸上皮化生 幽門腺化生が目立った 画像診断上の問題点 乳頭型隆起を示す T1b(MP) 胆嚢癌の深達度診断 112

115 P-38 胆嚢管原発胆管内乳頭状腫瘍の 1 例 森末遼 1) 高橋進一郎 1) 小林達伺 2) 小嶋基寛 3) 橋本裕輔 4) 杉本元一 1) 小林信 1) 後藤田直人 1) 1) 小西大 国立がん研究センター東病院肝胆膵外科 1) 同放射線診断科 2) 同病理 臨床検査科 3) 4) 同肝胆膵内科 症例は 76 歳男性.60 歳台から総胆管拡張を指摘され近医で経過観察されていたが, 急性胆管炎を発症し前医入院加療となった. 精査の MRCP で総胆管内に信号欠損を認め, 総胆管腫瘍が疑われたため胆管炎の改善後, 当院紹介受診となった. 腹部造影 CT および腹部造影 MRI では, 肝内および肝外胆管の拡張があり, 胆嚢管内に結石および乳頭状腫瘍を認めた. 超音波内視鏡検査および経口胆道鏡検査では, 胆嚢管から下部胆管にかけて充満する腫瘍と粘液の流出を認めた. 腫瘍からの生検で高分化型腺癌を認め, 以上の所見から胆嚢管原発胆管内乳頭状腫瘍の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した. 切除標本の肉眼的所見では, 胆嚢管を中心に 70mm 大の乳頭状の隆起性病変と粘液産生を認めた. 病理組織学的所見では, 胃腺窩細胞に類似した高円柱状の異形胆管上皮が乳頭状増殖を呈しており, 粘液結節を構成し漿膜下層まで浸潤を認めた. 免疫染色では,MUC2 一部陽性,MUC5AC 一部陽性,MUC6 陽性であった. 腫瘍の形態および免疫染色の結果から胃型の胆管内乳頭状腺癌と診断した. 本邦において胆嚢管を原発とした胆管内乳頭状腺癌の報告は稀であり, 今回切除例を経験したため報告する. 113

116 P-39 稀な胆管癌胆嚢転移の 1 切除例 山田三橋智子 徹 1) 野路武寛 1) 中西喜嗣 1) 浅野賢道 1) 中村透 1) 土川貴裕 1) 岡村圭祐 1) 七戸俊明 1) 2) 1) 平野聡 北海道大学大学院医学院 医学研究院消化器外科学教室 Ⅱ 1) 2) 北海道大学病院病理診断科 70 歳代女性. 全身掻痒感を主訴に受診した近医で胆管腫瘍を指摘され, 当院消化器内科を紹介された. 造影腹部超音波検査では胆管内に早期から強く造影され, 遷延する造影効果を示す腫瘍を認めた. 造影 CT 検査では三管合流部 膵内胆管に造影効果を伴う胆管内隆起性病変を認めた. 胆嚢は内部に 10mm 大の結石を認めた他, 所見を認めなかった. MRCP 検査では中部胆管での急峻な信号の途絶像を認めた. 内視鏡的逆行性胆管造影検査では同部位に造影欠損像を認め, 乳頭膨張型の胆管腫瘍が疑われた. 超音波内視鏡検査では肝外胆管と胆嚢管を充満する乳頭状の隆起性病変を認めた. 主病変からの生検で腺癌を認め, 遠位胆管癌 (ct2n0m0, cstage Ⅱ) の術前診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した. 切除検体では肉眼的に三管合流部を中心とした結節浸潤型の隆起性病変を認め, 胆嚢頚部にも 5mm 大の隆起性病変を認めた. 病理組織学的には, 遠位胆管を主座とし肝門部領域胆管および胆嚢管へ進展する高 > 中分化型管状腺癌であった. 胆嚢頚部には主病変との連続性が確認できない主病変と類似した組織像を示す有茎性腫瘍を認めたが, 周囲の胆嚢上皮には異型を認めず, 免疫組織学的に軽度のリンパ管侵襲を認めた. 最終的に, 胆嚢転移を伴う遠位胆管癌 (pt3an0m1, pstage Ⅳ) と診断した. 術後 1 年 9 ヶ月, 無再発生存中である. 114

117 P-40 左肝内胆管癌との鑑別が困難だった左肝内胆管炎の 1 例 保坂祥介 1) 伊藤峻 1) 梅木清孝 1) 佐藤晋一郎 1) 若杉聡 1) 小林亮介 2) 森本喜博 2) 緒方賢司 2) 齋藤隆明 3) 3) 大村光浩 千葉西総合病院消化器内科 1) 同外科 2) 同病理診断科 3) 症例は 67 歳 男性 血液検査で肝胆道系酵素の上昇を認め紹介 US で門脈臍部に境界不明瞭な不整形のエコー像を認め その肝側胆管の拡張と内部に点状高エコー像を認めた 造影 US でも門脈臍部に境界不明瞭で不整な欠損像を認め 造影 CT でも同様に不整形な LDA を認め 門脈左側のリンパ節が腫大していた MRCP,ERCP で B2,3 の分岐より十二指腸側がやや狭小化しており ERCP と同時に施行した IDUS でも狭窄部に壁肥厚像を認めた 擦過細胞診 ENBD からの胆汁細胞診では悪性診断は得られなかった 病変は胆管周囲に限局していたため胆管内腔の観察が必要と考え スパイグラスを施行した スパイグラスでは胆管内腔に結節状隆起性病変と狭窄を認めた 生検を施行したが悪性の診断は得られなかった 術前の画像診断では肝内胆管癌の否定は困難であり 本人 家族と相談の上 手術の方針とした 術中所見では胆管癌を示唆する所見に乏しかったため尾状葉温存の肝左葉切除を施行した 病理結果では悪性所見は認めず 肝内結石と繰り返した胆管炎が原因と考えられる胆管狭窄の診断であった 様々な術前検査を施行したが 炎症と癌の鑑別が困難であった症例を経験したため報告する 115

118 ポスター : 肝 座長 : 岡部純弘 ( 加古川中央市民病院消化器内科 ) 奥田康司 ( 久留米大学医学部外科学肝胆膵外科部門 ) 病理コメンテーター : 髙橋利幸 ( 北海道消化器科病院病理部 ) P-41 比較的短期間に増大傾向を示した FNH (focal nodular hyperplasia)-like nodule の 1 例宇山直人 ( 徳島大学病院放射線科 ) P-42 Budd-Chiari 症候群を呈した肝単包虫症 (Hepatic cystic echinococcosis) の1 例森田慎一 ( 新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院消化器内科 ) P-43 肝腫瘤を形成し診断に苦慮した悪性リンパ腫の 1 切除例遠藤裕平 ( 自治医科大学附属さいたま医療センター一般 消化器外科 ) P-44 肝血管腫を疑った 1 例池田重人 ( 都立駒込病院消化器内科 )

119 P-41 比較的短期間に増大傾向を示した FNH (focal nodular hyperplasia)-like nodule の 1 例 宇山直人 1) 木下光博 1) 音見暢一 1) 原田雅史 1) 岩橋衆一 2) 齋藤裕 2) 森根裕二 2) 島田光生 2) 坂東良美 3) 4) 常山幸一 徳島大学病院放射線科 1) 同消化器科 移植外科 2) 同病理部 3) 4) 徳島大学大学院医歯薬学研究部疾患病理学分野 症例 :80 歳代男現病歴 :3 年前の CT でなかった多血性腫瘤を X 年 11 月の MRI で肝左葉外側区に認めた (X + 1) 年 1 月の CT で増大しており (X+1) 年 3 月に切除された 飲酒歴 : アルコール多飲あり ( 詳細不明 ) 検査所見 :HBV HCV 陰性 腫瘍マーカー正常範囲内 Ⅳ コラーゲン 712 ng/ml ヒアルロン酸 ng/ml と高値画像所見 : EOB 造影 MRI(X 年 11 月 ):T1WI で低信号 T2WI/DWI で高信号の腫瘤で 早期相から強く造影され 肝細胞相で被膜は濃染したが 内部は肝実質と比し軽度低信号であった 造影 CT((X+1) 年 1 月 ): 肝背側に突出する境界明瞭 辺縁整の約 3cm の腫瘤が見られた 早期相から不均一に強く染まり 遷延した 病理診断 : 背景肝は肝硬変様 不明瞭な薄い線維性被膜あり 辺縁部で胆汁栓を伴う偽腺管構造を認め 中心部では肝細胞脱落 うっ血や出血を伴うが 中心瘢痕形成はなかった VB-HE 染色で門脈域浸潤はなく HSP70 Glypican-3 陰性で HCC は否定的 GS は結節の辺縁に陽性で FNH の地図様パターンと異なり SAA 及び CRP は陰性 β カテニンの核移行なし L-FABP の陰性化もなく 肝細胞腺腫は否定的で FNH 様結節と診断した 討論のポイント : 多飲酒患者に生じた SAA 陰性 FNH 様結節で 比較的短期間で増大した 病理学的特徴があるのか? 117

120 P-42 Budd-Chiari 症候群を呈した肝単包虫症 (Hepatic cystic echinococcosis) の 1 例 森田慎一 1) 小田知友美 1) 星隆洋 1) 兼藤努 1) 八木一芳 1) 須田剛士 1) 平野謙一郎 2) 小杉伸一 2) 長谷川剛 3) 迫康仁 4) 5) 寺井崇二 新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院消化器内科 1) 同消化器外科 2) 同病理診断科 3) 旭川医科大学寄生虫学講座 4) 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野 5) 30 代 男性 アフガニスタン人 健診異常で受診 血液所見 好酸球増多 動揺する腎機能障害あり 各種腫瘍マーカー陰性 血清赤痢アメーバ抗体 エキノコックス抗体 (BML) 陰性 画像所見 CT: 肝右葉より突出性に 20cm 超の嚢胞性腫瘤を認める 壁肥厚及び内部隔壁を認め弱い造影効果を伴う小結節を認める 肝辺縁は鈍 尾状葉腫大あり 肝実質は腫瘤により強く圧排変形し 肝部下大静脈は狭窄している 造影ダイナミックで実質全体の斑状濃染 肝静脈相互吻合を認める MRI: 嚢胞内容は T1WI low T2WI high 内部結節は DWI で拡散制限なし DIC-CT: 嚢胞と胆管の交通は指摘しえない 鑑別診断として出血性肝嚢胞 肝嚢胞腺癌などを考えた 腫瘤により Budd-Chiari 症候群 周囲臓器障害を伴い患者と相談の上 腫瘍摘出を選択した 術中所見 嚢胞液は淡黄色清澄で 3000ml 嚢胞壁周囲の癒着が強く肝静脈との剥離に難渋し完全摘除に至らず閉腹した 病理所見 最終診断 嚢胞液に無数の原頭節を壁にクチクラ層を認め肝包虫症と診断した 摘出嚢胞組織を用いた遺伝子診断にて単包虫症 (Echinococcus granulosus) の確定診断に至った 結語 単包虫症は本邦では極めて稀な疾患だが 社会のグローバル化に伴い遭遇する可能性は潜んでいる 本症例は単包虫症の典型所見を呈し 供覧価値は高いと考え報告する 118

121 P-43 肝腫瘤を形成し診断に苦慮した悪性リンパ腫の 1 切除例 遠藤裕平 1) 野田弘志 1) 渡部文昭 1) 笠原尚哉 1) 加藤高晴 1) 田中亨 2) 1) 力山敏樹 自治医科大学附属さいたま医療センター一般 消化器外科 1) 2) 同病理部 症例は 61 歳女性. 長引く感冒様症状と炎症反応上昇にて前医で腹部超音波検査施行し, 肝左葉に 60mm 大の充実性腫瘤を指摘され精査加療目的に当院受診.dynamicCT で肝左葉に 57 41mm の辺縁部に漸増性の造影効果を示し, 内部は造影効果に乏しい充実性腫瘤を認め,B3 との交通が疑われ, 末梢胆管の拡張を伴っていた.MRI では T1WI で内部不均一な低信号,T2WI で高信号,DWI で拡散低下,ADC map で信号低下を示した.EUS では内部不均一な低エコー腫瘤として描出され, 左肝管と連続し近傍の胆管壁肥厚を認めた. 腫瘤より末梢の B2, B3 は拡張していた. また,PET-CT において肝腫瘤の辺縁部にリング状の異常集積を認める他, 右頸部リンパ節, 第 4 腰椎, 右総腸骨動脈周囲リンパ節にも異常集積を認めた. 右頸部リンパ節, 骨生検を施行したが悪性所見は認めず. 末梢型肝内胆管癌 ( 腫瘤形成型 + 胆管浸潤型 ) を疑い肝左葉切除術を施行した. 病変肉眼所見は, mm, 境界不明瞭, 辺縁いびつな白色充実性腫瘍で内部に壊死部分を伴っていた. 病理組織学的には泡沫細胞や小型リンパ球を認め, 大型で異型や多形を示す細胞が接着性なく集簇し核小体の目立つ細胞も混じる. 郭清リンパ節には異型細胞を認めなかった. 免疫染色で CD20,Bcl2 陽性,T 細胞系マーカー陰性でありびまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫と診断した. 討論ポイント : 術前画像から悪性リンパ腫と診断することは可能であったか, 画像診断のポイントについて御教授いただきたい. 119

122 P-44 肝血管腫を疑った 1 例 池田重人 1) 来間佐和子 1) 千葉和朗 1) 菊山正隆 1) 神澤輝実 1) 今村潤 2) 3) 堀口慎一郎 都立駒込病院消化器内科 1) 同肝臓内科 2) 3) 同病理科 81 歳男性 心窩部痛を主訴に近医を受診 胆嚢結石と胆嚢床の結節性病変を指摘された 既往歴に高脂血症 狭心症があり 冠動脈ステント留置が行われていた 血液検査所見で肝機能正常 肝炎ウイルスマーカー陰性 腫瘍マーカーは CA U/ml と軽度に高値を示した 腹部超音波検査にて長径 15 mmの結節と胆嚢床に 74 x 55 mmの高エコー結節を認めた ダイナミック CT では結節状の濃染と AP shunt による区域性濃染が混在していた 結節状濃染は平衡相まで持続した MRI T1 強調画像で多結節状の低信号を呈し T2 強調画像にて同部は高信号を呈した 拡散強調画像にて高信号を呈するが ADC map では信号低下はなかった 5 年前の造影 CT では病変は淡く描出されるものの不明瞭であった 血管腫を疑ったが診断確定のために経皮的針生検を行った 病理組織学的所見では 門脈域に不整形に拡張した血管腔の増生が認められた 異型の乏しい一層の内皮細胞に裏打ちされていた 門脈域における血管増生は血管腫様であるが 明らかな血管腫としての腫瘤像の形成が認められなかった 診断より半年を経過する現在 経過観察中である 検討依頼項目 1. 画像上では血管腫の診断に矛盾ない所見ですが 病理組織学的に画像診断と乖離があるように思います 針生検組織検体のみで恐縮ですが 病理診断についてご検討ください 120

123 ポスター : その他 座長 : 潟沼朗生 ( 手稲渓仁会病院消化器病センター ) 力山敏樹 ( 自治医科大学附属さいたま医療センター一般 消化器外科 ) 病理コメンテーター : 後藤田裕子 ( 札幌厚生病院病理診断科 ) P-45 胃粘膜 腸粘膜 気管支壁構造から成り, 腸粘膜成分の領域で浸潤癌を呈した, 膵体部背側の hamartomatous cystic tumor と診断された 1 例庄司泰弘 ( 富山市民病院外科 ) P-46 診断に難渋した後腹膜腫瘍の 1 例羽鳥広隆 ( 淀川キリスト教病院消化器内科 ) P-47 十二指腸 GIST の術前診断で切除術を行った腹腔内 Solitary fibrous tumor の 1 例安次富裕哉 ( 山形大学医学部外科学第一講座 ) P-48 ポリスチレンスルホン酸カルシウム沈着を呈した黄色肉芽腫性虫垂炎の1 例中村直人 ( 大津赤十字病院外科 )

124 P-45 胃粘膜 腸粘膜 気管支壁構造から成り, 腸粘膜成分の領域で浸潤癌を呈した, 膵体部背側の hamartomatous cystic tumor と診断された 1 例 庄司泰弘 1) 北川裕久 1) 倉田徹 1) 萩野茂太 1) 佐々木省三 1) 寺田逸郎 1) 吉川朱実 1) 藤村隆 1) 泉良平 1) 塩谷晃広 2) 2) 齋藤勝彦 富山市民病院外科 1) 2) 同病理診断科 症例は 25 歳, 女性.1 年前に他院で膵頭体部背側の 5 cm 大の嚢胞性病変を指摘され, 経過観察されていた. 某日深夜から心窩部痛が出現したため当院救急外来を受診し, 精査および疼痛治療のため入院となった. 造影 CT,MRI では膵頭体部背側に 7 cm 大の境界明瞭な多房性嚢胞性病変を認め, 変性や嚢胞内出血を伴った神経鞘腫を第一に考え手術を行った. 術中所見では, 膵体部背側, 大動脈, 腹腔動脈系および上腸間膜動脈系に囲まれた多房性嚢胞性腫瘍で, 殆どは剥離可能であったが, 総肝動脈と接する所は剥離困難であり, 総肝動脈を温存して切除した. 切除標本は肉眼的に表面平滑な多房性嚢胞で, 内部に淡褐色の粘稠液を容れ, 頭部側の 1 つの嚢胞内には 2 1 cm の乳頭状充実成分が認められた. 組織学的には嚢胞内面は胃粘膜構造, 腸粘膜構造, 気管支壁構造より成り, 混在移行していた. 外胚葉性の皮膚組織や中枢神経組織は見られなかった. 腸粘膜成分の範囲には上皮内癌が広く認められ, 特に頭部側の充実部では乳頭腺管状の高分化型腺癌を認め, 嚢胞壁周囲の間質に浸潤していた. 外胚葉性の皮膚組織や中枢神経組織は認められなかった. 腸上皮内癌を背景に 一部で浸潤像を呈した hamartomatous cystic tumor と診断し, 極めて希な症例と考えられた. 研究会では, この腫瘍の病理学的診断をご検討頂き, その発生由来や特徴についてご教授頂ければ幸いと考えております. 122

125 P-46 診断に難渋した後腹膜腫瘍の 1 例 羽鳥広隆 1) 藤田光一 1) 石川瑶子 2) 松木信之 3) 小松昇平 4) 土田忍 4) 岩田暢子 5) 渡辺明彦 1) 菅原淳 1) 1) 向井秀一 淀川キリスト教病院消化器内科 1) 同腫瘍内科 2) 西の京病院消化器内科 3) 淀川キリスト教病院外科 4) 5) 同血液内科 54 歳男性 20xx 年 7 月に高度の心窩部痛を主訴に当院救急外来を受診 腹部 CT にて膵頭部背側に 7cm 大の腫瘤性病変を認め 緊急入院となった CEA CA19-9 エラスターゼ 1 可溶性 IL-2 レセプター等の腫瘍マーカーは基準値内であった ダイナミック CT では腫瘤の大部分は造影効果を伴わない低吸収域として描出され 背側辺縁に 28mm 大の造影効果を伴う領域を認めた MRI では T2 強調画像で腫瘤全体が淡い高信号を呈し DWI では拡散低下を示した 周囲のリンパ節腫大は認めなかった EUS では膵頭部から連続する低エコー腫瘤として描出され 内部エコーは不均一で一部無エコー域を認めた B モードでは嚢胞部と充実部の区別は困難であったが ソナゾイド造影では腫瘤の辺縁に一部血流を認める領域を認めた 充実性腫瘍の嚢胞変性が疑われ 神経内分泌腫瘍または Solid pseudopapillary neoplasm または神経原性の後腹膜腫瘍などが鑑別に挙げられた 経胃的に EUS-FNA を施行し 病理所見ではリンパ球系の細胞の集簇を認めたが 確定診断には至らなかった 有症状であり悪性疾患も否定できなかったため 20xx 年 8 月に膵頭十二指腸切除術を施行した 摘出標本の病理所見では 濾胞様構造をとる腫瘍細胞の増殖を認め 免疫染色では CD3 - CD20 + Bcl-2+ CyclinD1 - CD5 - CD23 - Ki-67 陽性率 :40% であり 濾胞性リンパ腫 Grade1 の診断に至った ( 問題点 )EUS-FNA 前に悪性リンパ腫を強く疑うことは可能であったか 診断治療の過程は妥当であったか等についてご協議お願いします 123

126 P-47 十二指腸 GIST の術前診断で切除術を行った腹腔内 Solitary fibrous tumor の 1 例 安次富裕哉 田中喬之 野津新太郎 菅原秀一郎 手塚康二 渡邊利広 平井一郎 木村理 山形大学医学部外科学第一講座 症例は 39 歳男性 検診の腹部超音波検査で十二指腸と胆嚢に接する 8 6cm の境界明瞭な腫瘍を指摘された 上部消化管内視鏡検査では十二指腸弓部から下行脚にかけてわずかな壁外圧迫を認めたが 粘膜面には特に異常を認めなかった 造影 CT では早期相で辺縁主体に濃染され 平衡相では造影域が拡大する漸増性の造影効果が見られたが 中心部には造影不良域を認めた 胃十二指腸動脈や胆嚢動脈 上腸間膜動脈から複数の栄養血管が分枝していた 胆嚢とも一部接していたが 胆嚢壁肥厚や造影効果増強は認めなかった 以上より十二指腸由来の粘膜下腫瘍の術前診断となり 腫瘍摘出術 胆嚢摘出術を行った 腫瘍は十二指腸 胆嚢と接していたが 切離可能であった 摘出標本の病理組織検査では紡錘形細胞の花莚状増殖を認め 免疫染色では c-kit(-) CD34(+) S-100P(-) desmin(-) であった solitary fibrous tumor が鑑別に上がり 追加染色を行ったところ BCL2(+) CD99(+) DOG-1(-) PDGFRa(-) であり Solitary fibrous tumor の診断となった 討議内容 1. 術前に solitary fibrous tumor の診断は可能であったか 2. 原発部位はどこか 3. 今後再発のリスクはどの程度か 124

127 P-48 ポリスチレンスルホン酸カルシウム沈着を呈した黄色肉芽腫性虫垂炎の 1 例 中村直人 1) 大江秀明 1) 高折光司 2) 前田咲弥子 2) 奥野知子 3) 白瀬智之 3) 1) 土井隆一郎 大津赤十字病院外科 1) 同腎臓内科 2) 3) 同病理診断科 虫垂の腫瘤は虫垂癌 虫垂粘液腫 慢性虫垂炎など鑑別が多岐にわたる病態であり 術前の画像診断に苦慮することが多い 今回 われわれはポリスチレンスルホン酸カルシウム (Calcium polystyrene sulfonate CPS 商品名アーガメイトゼリー ) 沈着を伴う黄色肉芽腫性虫垂炎の最終診断に至った稀な症例を経験したので報告する 症例は 72 歳男性 糖尿病性腎症と片腎 ( 右腎摘後 ) を原疾患とする慢性腎不全に対して腎臓内科でフォローしていた これに伴う高カリウム血症に対し CPS を定期内服していた フォロー中に黒色便 血便を自覚したため精査されたところ 腹部 CT 検査で虫垂先端に腫瘤性病変を指摘された 腹部造影超音波検査では虫垂先端部の嚢状の拡張を認め 多房性構造を呈し 造影にて粘膜の造影効果を認めた PET-CT では虫垂に有意な集積を認めなかった 以上より虫垂粘液腫と診断し 回盲部切除術を施行した 病理検査では虫垂内に CPS の結晶の沈着を伴う黄色肉芽腫性変化を認めた このような顕微鏡的形態を呈した虫垂炎の報告は本邦において初めてと思われる CPS 内服中の患者では CPS 関連の黄色肉芽腫性虫垂炎も念頭において診断 治療にあたることが重要であり 詳細な既往歴や服薬歴聴取が肝要と考えられた 125

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