電子抄録の使い方_3

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2 第 61 回日本消化器画像診断研究会ご挨拶 第 61 回日本消化器画像診断研究会 当番世話人廣橋伸治 ( 大阪暁明館病院放射線科部長 ) このたび 2014 年 ₉ 月 ₅ 日 ( 金 ) ₉ 月 ₆ 日 ( 土 ) に東大寺総合文化センター金鐘ホールにおきまして 第 61 回日本消化器画像診断研究会を開催させていただくことになりました 伝統のある本研究会のお世話をさせていただくことになり 大変光栄に存じます このような機会を与えていただきました世話人の先生方や会員の皆様に心より感謝申し上げます 本研究会のコンセプトは研修医から消化器内科医 消化器外科医 放射線科医 病理医が一堂に会し 膝を突き合わせて₁ 例 ₁ 例の詳細な検討から多くの事を学びとろうというものです 私は20 数年前のシンガポールの会から参加させていただき 今までに多くの事を学ばせていただきました 今回の研究会でもこれまでの研究会と同様に徹底的にご討論いただき ご参加いただいた先生方にとって実りのある研究会となりますようしっかり準備を進めて参りたいと存じます 特に研修医の先生も含めた若手の先生方にこの研究会の素晴らしさを実感していただければ幸いと存じます さて開催させていただく₉ 月初旬は古都奈良におきましては 秋の観光シーズンの始まりであります 開催会場に選びました東大寺総合分化センターは有名な奈良東大寺大仏殿の正門横に位置しており 奈良観光の中心地であります 研究会とともに奈良観光を楽しんでいただければと思います 今回第 61 回の研究会におきましても 従来の研究会のコンセプトを踏襲し 実りのある研究会にさせていただくよう誠心誠意努力させていただきたいと存じます その一環として今回は私の専門である放射線科の電子抄録を導入致しました 電子抄録でカラー画像の掲載が可能となるばかりでなく 各症例の全ての画像をインターネットを介して PC のみならずタブレット端末やスマートフォンで研究会前や研究会中にも閲覧できるような試みであります 何分初めての試みですので 様々な問題点があるかと思いますが 皆様のご意見を頂ければ幸いです 2

3 交通 会場のご案内 学会会場 : 東大寺総合文化センター 1 階金鐘ホール 懇親会会場 : 奈良国立博物館 B1 葉風泰夢 奈良市水門町 100 番地 奈良市登大路町 50 番地 TEL ( 代 ) TEL: FAX:

4 4 会場見取図懇親会会場 昼食会場へのアクセス東大寺総合文化センター ₁ 階 金鐘ホール会場案内図東大寺総合文化センター地下 ₁ 階会場案内図

5 参加者へのご案内 1. 参加受付場所 : 東大寺総合文化センター 1 階金鐘ホール時間 :₉ 月 ₅ 日 ( 金 )10:00 ₉ 月 ₆ 日 ( 土 )8:30 2. 研究会参加費 / プログラム 抄録集販売 医師 10,000 円 初期研修医 コメディカル 3,000 円 学生無料 プログラム 抄録集 1,000 円 会場内では必ずネームカードに所属 氏名を記入のうえ ご着用下さい ネームカードの再発行は できませんのでご了承下さい 会員の方には事前にプログラム 抄録集をお送りいたしますので 当日 必ずご持参下さい 3. 全員懇親会日時 : 平成 26 年 ₉ 月 ₅ 日 ( 金 )19:15より会場 : 奈良国立博物館 B1F 葉風泰夢 懇親会終了後 午後 ₉ 時 15 分にシャトルバスが到着しますのでどうぞご利用下さい 近鉄奈良駅と JR 奈良駅に停車します 懇親会からのご参加も可能ですので直接懇親会会場にお越し下さい 4. 年会費 新入会受付会期中の受付場所 : 総合受付東大寺総合文化センター ₁ 階金鐘ホール 日本消化器画像診断研究会事務局 愛知県名古屋市千種区鹿子殿 ₁-₁ 愛知県がんセンター中央病院消化器内科部内 TEL: FAX: shounai@aichi-cc.jp 5. 世話人会日時 : 平成 26 年 ₉ 月 ₆ 日 ( 土 )12:30 13:00 会場 : 東大寺総合文化センター地下 ₁ 階小ホール 6. 次回のご案内会期 : 平成 27 年 ₂ 月 28 日 ( 土 ) 会場 :KFC Hall( 国際ファッションセンタービル₃F) 世話人 : 小西大 ( 国立がん研究センター東病院肝胆膵外科 ) 7. 企業展示と書籍展示販売東大寺総合文化センター地下 ₁ 階小ホール

6 8. クローク東大寺総合文化センター地下 ₁ 階会議室 B 9. ご注意会場内は小ホールと喫茶店を除き飲食禁止となっております 10.PC 発表データ受付ご発表の60 分前 ( 朝一のセッションは30 分前 ) までに PC 受付にて データ受付を行って下さい 受付場所 : 東大寺総合文化センター地下 ₁ 階会議室 A 11. 無線 LAN(Wi-Fi) について Wi-Fi 環境を設定していますので活用下さい アクセスのためのパスワードは 会場内にて案内します また 回線の数に制限がありますのでご了承下さい 従って,LTE 回線など利用できる方はご利用頂きますよう よろしくお願い致します 12. 共催セミナーのご案内ハイヌーンセミナー ₉ 月 ₅ 日 ( 金 )12:30 13:00 クラウド活用による画像診断学習環境の構築 座長 : 廣橋伸治 ( 大阪暁明館病院放射線科 ) 演者 : 松尾義朋 ( イーサイトヘルスケア株式会社 ) 共催 : イーサイトヘルスケア株式会社 イブニングセミナー ₉ 月 ₅ 日 ( 金 )16:15 18:00 臨床医のための肝 胆 膵 MRI 座長 : 角谷眞澄 ( 信州大学医学部画像医学講座 ) 演者 : 諸井貴 ( シーメンス ジャパン株式会社 MR ビジネスマネージメント部 ) 山田哲 ( 信州大学医学部画像医学講座 ) 吉満研吾 ( 福岡大学医学部放射線医学教室 ) 蒲田敏文 ( 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科経血管診療学 ) 共催 : シーメンス ジャパン株式会社 ランチョンセミナー ₉ 月 ₆ 日 ( 土 )12:00 12:30 膵全摘術後の栄養管理 座長 : 大石元 ( 奈良県健康づくりセンター ) 演者 : 羽鳥隆 ( 東京女子医科大学病院消化器外科 ) 共催 : エーザイ株式会社 総合受付でランチョンチケットを配布します 昼食会場でお召しあがり下さい 6

7 13. 今回本研究会として初の試みである電子抄録を作成しました 学会ホームページからアクセス ダウンロードしていただくことが可能です ( から電子抄録の使い方のページをご覧下さい ) 電子抄録の特徴は ⑴ 電子デバイス ( コンピューター タブレット端末およびスマートフォンなど ) から参照できる ⑵ 紙面の制約がないので 組織などのカラー画像も含んだ多数の画像を掲載できる ⑶ DICOM 画像を表示する Web ビューアーとの連携が可能であり インターネットアクセスができる上記のような電子デバイスも用いて 特別なアプリケーションではなく通常のブラウザー ( 使用可能なバージョンに関しては下記 ) で全ての症例画像を閲覧できる などです 医療画像情報を詳細にご覧頂くことで 研究会参加前の予習や研究会当日の活発なディスカッションおよび研究会終了後の再検討の一助となれば幸いです 企画 制作担当イーサイトヘルスケア株式会社 電子抄録利用について使用環境 : インターネットに接続できる端末 (ipad iphone Mac Android 端末 Windows PC) 使用 ブラウザ備考 ver. 8 ver. 9 ver. 10 ver. 11 Internet Explorer 互換表示設定の追加が必要 Win 版 Mac 版 Android 版 ios 版 Chrome Mac OS ios Safari 7

8 司会 座長 病理コメンテーター 演者へのご案内 1. 発表時間一般演題 : 口演 ₅ 分質疑応答 10 分 ( 計 15 分 ) 各自時間厳守でお願いいたします 2. 司会 座長の皆さまへ 1) 司会 座長は セッション開始時間の15 分前までに 会場内右手前方の 次座長席 にご着席下さい 2) 時間厳守での進行にご協力いただきますようお願いいたします 3. 病理コメンテーターの皆さまへ 1) ご担当の口演の開始 15 分前までに 会場前方の座席へご着席下さい 2) プレパラートは事前に各演者より送付されますので ご検討いただきますようお願いいたします 4. 発表の皆さまへ ご発表の60 分前 ( 朝一のセッションは30 分前 ) までに PC 受付にて データ受付を行ってください データ受付終了後 ご発表の10 分前までには 次演者席 にご着席下さい データ持ち込みの場合 1) 発表は 全て PC 発表 (PowerPoint) となります 会場 PC 仕様 OS:Windows7 Macintosh 版 PowerPoint Keynote で作成されたデータをご使用の場合は ご自身のコンピューターをご持参下さい アプリケーション :Microsoft PowerPoint 画面解像度 :XGA( ) フォント : 2)USB メモリ CD R に保存しご持参下さい 3) 発表データのファイル名は 演題番号 ( 半角 )_ 氏名 として下さい 例 ) O 30_ 画像太郎 4)USB メモリは必ず最新のデータによるウイルスチェックを行った上 ご持参下さい 5) 動画を使用される場合は PC 本体をお持込下さい 6) 録音された音声はご使用できません ご了承下さい PC 本体をお持込の場合 1) 会場で準備いたしますケーブルは Mini D-sub15pin となります この端子を持つ PC をご用意

9 いただくか 変換ケーブルをご持参下さい 2) 電源ケーブルは必ずご持参下さい 3) スクリーンセーバーならびに省電力設定は事前に解除しておいて下さい 6. プレパラートについてプレパラートの返却はプレパラート受付 ( 地下 ₁ 階会議室 A) にて行います 取扱いには十分注意いたしますが 万一破損した場合にはご容赦下さい

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12 電子抄録について 第 61 回日本消化器画像診断研究会では 研究会として初の試みである電子抄録を作成しました 電子抄録の特徴は (1) 電子デバイス (ipad iphone Android など ) からの参照が可能 (2) 紙面の制約が無い ( 画像をふんだんに取り入れる事が可能 ) (3)Web との連携が可能 1 DICOM 画像を表示する Web ビューアとの連携が可能 2 抄録から本研究会や各種研究会ホームページへのリンクが可能 3 広告掲載会社のホームページへのリンクが可能 などが挙げられます これらの特徴をどのように活用するかは 今後 皆様からのご希望を頂き 更に対応しつつ 発展していきたいと考えています 様々な特徴が有りますが今回は カラー画像の掲載 クラウド DICOM 画像参照 Web ページとのリンクを行い 医療画像情報を詳細にご覧頂く事で 研究会当日の活発なディスカッション 研究会参加前の予習 研究会終了後の復習への一助となれば幸いです 企画 製作担当イーサイトヘルスケア株式会社 電子抄録利用について 使用環境 : インターネットに接続できる端末 (ipad iphone Mac android 端末 Windows PC) 使用 ブラウザ 備考 Internet Explorer ver. 8 ver. 9 ver. 10 ver. 11 互換表示設定の追加が必要 Chrome Win 版 Mac 版 Android 版 ios 版 Safari Mac OS ios 通信パケットの容量について モバイル Wi-Fi ご利用の方で パケット制限が気になる方への情報です (1) 参照される画像枚数 (CT/MR の先読みを含む ) と使用頻度に応じた通信量となります CR1 枚あたり 200KB 程度 CT/MR1 枚あたり 30KB 程度 (50 枚 :1.5M 500 枚 15M) < 追加情報 > パケットが発生するケースは 画像表示と JavaScript 読み込み時に発生します 検索画面や新規タブを起動すると JavaScript 読み込みでのオーバーヘッドがありますが 容量の大部分は画像によるものなので画像をどれくらい読むか を基準にお考えください (2)10 分間 検索リスト上の様々な画像を ( 通常操作程度頻度で CT, CR, XA などを表示して WL を変えるなど ) 表示し続けた場合 100MB~120MB 程度のパケットは流れます CT 200 枚の 1 検査を WL を変えながら参照する という場合には 10M~15M 程度のパケット程度となります 12

13 電子抄録の使い方 (1) 各演題のページ右下のをクリックする (2)Web ブラウザが起動し 演題に該当する DICOM 画像検査リストが表示されるので 表示したい 検査の をクリックすると DICOM 画像が表示されます (3) 画像の右側のスクロールバー又はその近傍を指 1 本 ( マウス ) で上下するとページングが出来ます (4) その他の機能として 画面上部にボタンが用意されています 機能を変更する場合は 画面上部のボタンを押す必要が有ります 下記に代表的なボタンの簡単な説明と注意点を記載します [ シリーズ ] ボタン [ イメージ ] ボタンでウィンドウレイアウト変更 上右図は シリーズボタンをプルダウンして1 2のレイアウトを選択 [ ズーム ] ボタンを押し 指 1 本 ( マウス ) で上 下する事で 拡大 縮小 [ パン ] ボタンを押し 指 1 本 ( マウス ) で自由に移動 [W/L] ボタンをし 指 1 本 ( マウス ) で上 下 (L) 左 右(W) が変更 W/L が変更されるとシリーズ全ての画像が再度ダウンロードされます [ スクロール ] ボタンを押し 指 1 本 ( マウス ) で画像右側のスクロールバー又はその近傍を上 下することでページング [ ][ ] ボタンをクリックすると 1 枚単位でページング その他 詳細な操作説明は 下記 URL のマニュアルをご参照ください URL: また 簡単な操作方法の動画も閲覧出来ます 13

14 胆嚢 O-1 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 10:50 11:35 [ 粘稠な胆泥を纏い胆嚢癌との鑑別が問題となった コレステロールポリープの 1 切除例 ] ふじもと藤本 たけとし武利 1) 三輪亘 2) 丁守哲 2) 白水一郎 3) 4) 加藤洋 平塚胃腸病院外科 1) 同内科 2) NTT 東関東病院放射線科 3) 4) 獨協医科大学日光医療センター病理部 通常 胆嚢コレステロールポリープは単純 CT で描出不能であるが 造影にて濃染することは稀でない このたび 粘稠な胆泥を纏い単純 CT で描出された胆嚢コレステロールポリープの 1 例を経験したので報告する 症例は無症状の 68 歳男性 2003 年より人間ドックで胆石を指摘されており 2013 年に初めて胆嚢ポリープを指摘されて当院を受診した US で胆嚢底部に長径 15mm の高エコー腫瘤がみられ 表面が顆粒状で内部に小さな嚢胞様所見を認めた 茎はやや太く線状でなかった 外側高エコー層に著変なく 深部低エコーもみられなかった 小結石と小ポリープをそれぞれ数個伴っていた 造影 US では 20 秒前後で一気に全体が染影されて樹枝状濃染を示さず 38 秒位に染影が目立たなくなった 胆嚢底部の腫瘤は単純 CT で軟部組織濃度腫瘤影として描出されて 造影にて濃染した 腺腫 早期胆嚢癌を否定できず腹腔鏡下胆摘 #12c リンパ節摘出を行った 肉眼的に胆嚢底部に長径 15mm の有茎性黒緑色ポリープがみられ 他にφ2-5mm のコレステロールポリープ 10 数個とφ2-7mm の黒色石を 5 個認めた 病理組織診断は コレステロールポリープ 最大径のものは 胆泥を混じた粘液に覆われていた 画像診断上の問題点 単純 CT でコレステロールポリープが描出されたのは 胆泥を混じた粘液に覆われていたためとしてよいか 14

15 胆嚢 O-2 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 10:50 11:35 [ENGBD が診断に有用であった SS 胆嚢癌の 1 例 ] ひらかわ平川 とみお富夫 1) 木村拓也 2) 2) 井上雅文 八尾徳洲会病院消化器内科 1) 2) 八尾徳洲会総合病院肝臓外科 症例 82 歳 男性 主訴 腹痛 既往歴 腎不全で透析治療中 現病歴 H24 年 9 月軽度の黄疸を伴う右季肋部痛を訴え 当院救急外来を受診した 血液生化学所見では 炎症所見 膵胆道系酵素の上昇を認め 体外超音波検査にて胆嚢底部に限局した壁肥厚がみられた 腹部 CT で総胆管は径 9mm 程度 下部胆管に径 3mm 程度の結石を認めた MRI では T2 冠状断にて胆嚢底部に腫瘤状の壁肥厚が見られ 拡散強調像にて淡い高信号を呈していた MRCP では明らかな膵 胆管合流異常はみられなかった 以上より 胆嚢隆起性病変と胆石膵炎との合併と考えた ERCP を施行し EST 後採石 ひき続き胆嚢管を探索し 5Fr チューブを留置し ENGBD とした 胆嚢二重造影を行ったところ 胆嚢底部に約 2cm の不整な隆起性病変が描出された 胆汁洗浄細胞診を 6 回施行し Class4 を得 胆嚢癌 (ct2n0m0) と術前診断した ENGBD より採取した胆汁のアミラーゼ値は 21800IU/L と高値であった 全身状態を考慮し 腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行された 切除標本では 胆嚢底部に高分化型低異型度腺癌が筋層から外方に浸潤し Gf, 平坦浸潤型,20 15mm,tub1, pt2(ss), INFc と最終診断した 検討事項 : 非癌部粘膜には病理免疫組織学的に膵液胆道内逆流現象を疑う所見がみられるでしょうか? 15

16 胆嚢 O-3 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 10:50 11:35 [ 膵胆管合流異常に胆嚢癌および胆管癌が合併した重複癌の 1 例 ] みやた宮田 ひでき英樹 道堯浩二郎 二宮朋之 宮本安尚 平岡淳 畔元信明 須賀義文 中原弘雅 山子泰加 川村智恵 白石明子 奥平知成 相引利彦 愛媛県立中央病院 症例は 69 歳女性 検診の US にて胆嚢内腫瘤性病変を指摘され 当院紹介となった 当院での造影 US では 胆嚢底部に早期から造影される 23 25mm 大の腫瘤を認め 胆嚢癌が疑われた 精査のために EUS を施行した US 同様 胆嚢底部に広基性腫瘤を認めたが 周囲胆嚢壁肥厚は認めなかった 中部胆管には壁肥厚所見を認め 一部外側高エコー層が断絶していたが 門脈への浸潤はなしと判断した 同時に 胆管下部に膵管が合流する合流異常が疑われた Dynamic CT では 早期から強く造影される胆嚢腫瘤と胆管壁の肥厚を認めた 確定診断のために ERCP を施行した Initial の造影にて 胆管に合流する膵管が造影され 膵胆管合流異常と診断した 中部胆管には胆管狭窄像を認めた 胆嚢内胆汁 AMY は 21668U/l と異常高値を示した IDUS にて中部胆管の壁肥厚を認め 膵内胆管まで進展していた 膵胆管合流異常に合併した胆嚢癌と胆管がんの重複癌と診断し 当院外科にて 肝 S4a+5 切除 膵頭十二指腸切除および門脈合併切除を施行していただいた 病理組織学的には 胆嚢底部に結節浸潤型高分化型腺癌を認め ss 浸潤癌であった 中部胆管には平坦浸潤型の高分化型腺癌を認め 一部門脈外膜浸潤を認めた 両者には連続性を認めなかったため 重複癌と診断された 症例のポイント ; 術前診断可能であった膵胆管合流異常に合併した胆嚢癌と胆管癌の重複癌討論 ; 病理学的に連続性はなく 重複癌でよいか? 胆嚢癌の周囲粘膜は過形成を示していたのか? 両者ともに合流異常による過形成粘膜が発生母地になったと考えられるのか? 16

17 膵 1 O-4 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 11:35 12:20 [ 膵管造影が診断に有用であった微小膵管癌の 1 例 ] なかむら中村 ゆたか裕 1) 岩津伸一 1) 中鋪卓 1) 吉田亮 1) 吉川大介 1) 小澤栄介 1) 山尾拓史 1) 大仁田賢 2) 2) 中尾一彦 佐世保市立総合病院 1) 2) 長崎大学病院消化器内科 症例は 67 才女性 2010 年 4 月 他臓器転移のない原発性肺癌 (sq,pt2an2m0 fstage Ⅲ A) に対し右下葉切除術を施され 術後再発なく経過していた その際 腹部 CT で分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍を指摘されていた 2012 年 5 月 経過観察のための胸腹部 CT で膵頭部主膵管の狭小化および 膵体尾部主膵管の拡張を指摘され当科紹介となり 腹部造影 CT および超音波内視鏡検査を施行するも狭窄部に明らかな腫瘤性病変は指摘出来なかった 膵管造影を行い 頭体移行部主膵管に長径 5mm の乏枝性狭窄と狭窄部位の直線化 尾側膵管拡張を認めた 膵頭部癌を考え 2013 年 3 月に膵島十二指腸切除術を施行した 膵管造影で指摘された部位に 3*3 mm の小腫瘤が認められ 病理所見は adenocarcinoma,ly0, v0, ne0, mpd( ), pts1, tumor size 3*3 mm, pt1, N0, M0 であった 現在まで明らかな転移 再発は認められていない 微小膵管癌の診断は各種画像診断を用いても困難な事が少なくない 今回 我々は膵管造影が診断に有用であった径 3mm 大の微小膵癌の 1 例を経験したので報告する 本症例の様に EUS-FNA による組織採取が困難な症例において外科的切除を検討する上で 主膵管の乏枝性狭窄や狭窄部位の直線化などの微少膵癌に特徴的とされる造影所見の有用性に関して討論いただきたい 17

18 膵 1 O-5 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 11:35 12:20 [ 急性膵炎を契機に発見された StageⅠ 退形成性膵管癌 ( 破骨型巨細胞癌 ) の 1 例 ] やまむら山村 まさふみ匡史 1) 根引浩子 1) 菊川佳菜子 1) 木村明恵 1) 中田昇暢 1) 末包剛久 1) 山崎智朗 1) 佐々木英二 1) 佐野弘治 1) 渡邊憲治 1) 中井隆志 2) 川崎靖子 2) 木岡清英 2) 石川彰 3) 清水貞利 3) 金沢景繁 3) 塚本忠司 3) 奥野高裕 4) 4) 4) 福島裕子 井上健 大阪市立総合医療センター消化器内科 1) 同肝臓内科 2) 同肝胆膵外科 3) 4) 同病理診断科 症例は 60 歳代女性 主訴は心窩部痛 2013 年某日 心窩部痛を主訴に近医を受診し AMY の上昇を認め 急性膵炎と診断された 点滴加療にて一旦は改善したが 1 か月後に再度 AMY 上昇を認めたため 精査加療目的で当院を紹介受診した 造影 CT では早期相で膵頭部背側に周囲の膵実質より低濃度を示す辺縁不整な腫瘤を認め その尾側膵管の拡張を認めた PET-CT では同部位に淡い集積を認め EUS では 12 11mm の辺縁不整な低エコー性腫瘤として描出された 腫瘍マーカーは CA19-9: 46.3U/ml DUPAN-2: 377U/ml SPAN-1: 31.1U/ml と軽度上昇していた EUS-FNA を施行したところ破骨型の巨細胞を多数認め 退形成性膵管癌と診断した 遠隔転移やリンパ節転移は認めなかった ct1n0m0stage I と診断し 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した 摘出標本では膵頭部に 13 12mm の腫瘤を認め 腫瘍は膵内に限局していた 病理組織学的検査では破骨型巨細胞を多数認め その間には核小体明瞭で類円形核を有する多角形から一部紡錘形の細胞が増生していた 免疫染色では破骨型巨細胞に CD68(+) cytokeratinae1/3( ) であった 以上より 退形成性膵管癌 ( 破骨型巨細胞癌 ) pt1n0m0 Stage I と診断した 今回 我々は EUS-FNA にて術前診断し得た Stage I 退形成性膵管癌 ( 破骨型巨細胞癌 ) の 1 例を経験したので 報告する 18

19 膵 1 O-6 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 11:35 12:20 [ 病理標本上 結節を認めなかった混合型 non-invasive IPMC の 1 例 ] あべ阿部 やすあき泰明 1) 木村憲治 1) 半田智之 1) 鵜飼克明 1) 島村弘宗 2) 武田和憲 2) 鈴木博義 3) 櫻田潤子 3) 石田和之 4) 田所慶一 国立病院機構仙台医療センター消化器内科 1) 同外科 2) 同臨床検査科 岩手医科大学医学部病理診断学講座 4) 1) 3) 症例 73 歳男性 現病歴 左腎腫瘍のため当院泌尿器科に通院中だったが 腹部造影 CT で膵体部に小低吸収域を指摘され当科紹介となった 画像検査所見 US EUS で膵体部に充実成分を伴う約 10mm 径の嚢胞性病変を認めた Dynamic CT MRI では嚢胞内に内腔を占めるように増殖する腫瘤と考えられた 腫瘤の造影態度は早期相で膵実質より弱く 遅延相で膵実質と同程度に造影されるパターンを呈した MRCP では同病変は膵体部に連続する嚢胞性病変として描出され 接する主膵管粘膜に不整が疑われた ERP 時 十二指腸乳頭開口所見と粘液の排出を認めたが 嚢胞は描出されず MRCP で疑われた部位に主膵管の不整が認められた 以上から混合型 IPMN と診断し 膵中央切除術が施行された 病理 H&E 染色および Elastica Masson 染色上 画像検査上嚢胞内に増殖した腫瘤と捉えられた部分は mild moderate dysplasia 相当の粘膜に裏打ちされた小嚢胞の集簇と 線維化し腺房細胞が脱落した 2 つの成分から構成されていた 一方主膵管は 核腫大 核形不整を示す異型細胞が乳頭状増殖を呈する noninvasiveipmc の所見を呈していた 主膵管内病変の特徴として CIS を呈する粘膜の深層には幽門腺様の腺管の増殖が目立った 粘液形質は MUC1( ) MUC2( ±) MUC5AC(+) MUC6(CIS; 幽門腺様腺管;+) で Gastric type に相当すると考えられた 討論事項 本症例は 画像所見と組織所見の間に乖離が認められており 腫瘍の発生様式も含めて興味深いと考え報告する 19

20 膵 2 O-7 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 13:00 13:45 [ 嚢胞壁の穿破を認めた膵 lymphoepithelial cyst の 1 例 ] たかやま高山 ゆきこ敬子 1) 清水京子 1) 赤尾潤一 1) 味原隆大 1) 貝瀬智子 1) 塩賀太郎 1) 長尾健太 1) 白鳥敬子 1) 出雲渉 2) 羽鳥隆 2) 古川徹 東京女子医科大学消化器病センター内科 1) 同外科 2) 東京女子医科大学統合医科学研究所 3) 3) 症例 :50 歳代男性主訴 : なし既往歴 : 高血圧症家族歴 : 母膠原病飲酒歴 : ビール 350ml/ 日 5 年間 喫煙歴 :20 本 日 20 年間経過 : 生来健康 201X 年 1 月 検診の腹部 US と腹部単純 CT で膵尾部に SOL を認めたため当科へ紹介となった 血液生化学的検査では血中 Amylase Lipase CEA CA19-9 は正常値であった 腹部 US では膵尾部に 30mm の境界明瞭で内部均一な円形の hypoechoic mass を認めた 腹部造影 CT では被膜を有し内部に造影効果のない LDA として描出され 嚢胞性病変と考えた MRI では内部は T1 強調で高信号と低信号が混在し T2 強調で不均一な淡い高信号と低信号が混在し周囲に被膜様構造を伴っており 主膵管との交通は認めなかった EUS では被膜を有する嚢胞性病変として描出され 内部は淡い高エコーを呈していた 膵内副脾に発生した epidermoid cyst や lymphoepithelial cyst 仮性嚢胞 嚢胞変性した NET や SPN などを疑ったが 積極的に悪性を示唆する所見を認めないことから経過観察となった 半年後の腹部造影 CT で 嚢胞壁にわずかに凹凸の出現と嚢胞周囲に新たに境界不明瞭な造影不良域を認め PET では嚢胞辺縁に強い集積を認めた 悪性の可能性を考え DP+ S を行った 病理診断は lymphoepithelial cyst であり 壁が一部穿破しており周囲に線維化を伴う強い炎症を認め CT と PET ではこの変化を捉えていたと考えられた 問題点 討論事項 :CT での経時的変化と PET 所見から切除適応としたが 術前に適応について検討すべきであったか 術前に嚢胞性病変の穿破と判断し得る所見があったか また追加や再検をすべき検査があったか 病理的に穿破の原因はどう考えられるか 20

21 膵 2 O-8 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 13:00 13:45 [ 術前診断が困難であった膵リンパ上皮嚢胞の一例 ] いはら伊原 りょう諒 1) 植木敏晴 1) 永山林太郎 1) 土居雅宗 1) 畑山勝子 1) 松村圭一郎 1) 丸尾達 1) 大塚雄一郎 1) 野間栄次郎 1) 光安智子 1) 松井敏幸 1) 平野公一 前川隆文 2) 田邉寛 3) 岩下明徳 3) 斉藤衆子 4) 福智聡士 福岡大学筑紫病院消化器内科 1) 同外科 2) 同病理部 3) 大分医療センター消化器内科 4) 2) 4) 症例は 60 歳代男性 2010 年 6 月の検診 CT で膵体部に 15mm 大の嚢胞性病変を指摘された 精査の結果 分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍と診断され某医で経過観察されていた 2013 年 6 月の CT で嚢胞が 20mm 大に増大したため当科紹介となった MD CT(dynamic study) では嚢胞の壁の一部が動脈相から造影されていた EUS では膵体部の嚢胞性病変の内部エコーは均一な無エコーで 内部に 8 5mm 大の小嚢胞を伴い cyst in cyst 様であった ERP では主膵管および分枝膵管に異常はなく 膵管との交通はなかった 以上から膵粘液性嚢胞腫瘍を疑い開腹した 嚢胞は膵から容易に剥離されたため 膵嚢胞核出術を施行した 病理診断では嚢胞壁の内腔側は重層扁平上皮で裏打ちされ上皮下には密なリンパ組織がみられた 上皮細胞およびリンパ球に悪性を疑う異型はなく 膵リンパ上皮嚢胞と診断した 21

22 膵 2 O-9 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 13:00 13:45 [ 膵 Lymphoepithelial Cyst の 1 例 ] にしだ西田 やすのり保則 1) 高橋進一郎 1) 後藤田直人 1) 加藤祐一郎 1) 小西大 1) 小嶋基寛 2) 小林達伺 国立がん研究センター東病院肝胆膵外科 1) 同病理診断科 2) 同放射線診断科 3) 3) 症例 70 歳代男性 現病歴 背部痛精査で施行された腹部 CT にて膵腫瘤を指摘され 当院に紹介となった 血液生化学検査所見 血液検査では異常所見なく CA (<37)U/ml 画像所見 腹部造影 CT では膵体尾部に 60mm の境界明瞭 内部に隔壁構造を有する低吸収腫瘤を認めた 石灰化は認められなかった 造影 MRI では腫瘤全体が T1 強調画像で低信号 T2 強調画像で高信号を呈しており 多房性嚢胞性病変が示唆されたが 一部に T1 強調画像で軽度高信号 T2 強調画像で低信号となる領域が認められた MRCP では内部に微小嚢胞の集簇が疑われた 腹部超音波では比較的境界明瞭な低エコー領域として描出され 無エコーは認めなかった 術前画像診断 SCN または SPN の可能性が考えられ 腹腔鏡下膵体尾脾切除術を施行した 術中所見 膵体尾部には表面平滑な腫瘍を認め 周囲浸潤は認めなかった 病理所見および最終診断 肉眼的所見は 表面平滑な被膜を有し 内部は粥状の角化物で充満していた 組織学的所見は 嚢胞は重層扁平上皮に裏打ちされ 上皮下層に濾胞形成を伴うリンパ球浸潤像を認め Lymphoepithelial Cyst と診断された 診断上の問題点 Lymphoepithelial Cyst と SPN の画像上の鑑別診断は術前には困難と思われる 術前に Lymphoepithelial Cyst と確定診断し 経過観察とすることが可能かどうか 22

23 膵 その他 O-10 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 13:45 14:45 け が 氣賀 [ 術前診断に難渋した膵尾部腫瘤の一例 ] さわ澤 ただし斉史 1) 重川稔 1) 須田貴広 1) 吉岡鉄平 1) 岩橋潔 1) 池澤賢治 1) 富丸慶人 2) 江口英利 2) 永野浩昭 2) 松井崇浩 3) 森井英一 3) 竹原徹郎 大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学 1) 大阪大学医学部消化器外科学 大阪大学医学部附属病院病理部 3) 1) 2) 70 代男性 呼吸器困難症状を認めたため施行された胸部 CT にて膵尾部腫瘤を指摘され当科紹介となった 既往歴 39 歳時に胃潰瘍で幽門側胃切除 (B-I 再建術 ) 血液検査 CEA 6ng/mL CA U/mL US/EUS 膵尾部腹側に 39mm の境界明瞭な類円形腫瘤を認めた 腫瘤辺縁は低エコーで 内部構造は不均一 AS を呈する高エコーも認めた 腹部 CT 腫瘤辺縁や内部に石灰化を認めた 造影では腫瘤左側部分が遷延性に濃染され 周囲膵実質と比較すると乏血性であった 明らかな周囲脈管への浸潤や膵管の拡張 閉塞は認めなかった 腹部 MRI 腫瘤の内部は T2 強調像で低 高信号の不均一な信号を示し T1 強調像では辺縁部優位に高信号域を認めた PET-CT 腫瘤辺縁に一部集積を認めたが 明らかな転移を示唆する異常集積は認めなかった 画像診断より壊死変性を伴う内分泌腫瘍や SPN を疑い EUS-FNA を施行したが 腫瘍成分が得られず確定診断と至らなかった 画像所見より悪性疾患は否定できず 外科的切除の方針とした 切除標本の病理検査では縫合糸と思われる線維性構造を伴う肉芽を認め 過去の手術時の遺残ガーゼによる異物肉芽腫と診断した 術前画像では腫瘤は膵と接しており膵腫瘍との鑑別が困難であった 今回興味深い画像を呈した異物肉芽腫の一例を経験したので報告する 23

24 膵 その他 O-11 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 13:45 14:45 [ 膵腺房細胞癌と術前鑑別困難であった 肝細胞癌膵頭後部リンパ節転移再発の 1 例 ] しむら志村 みつひろ充広 1) 水間正道 1) 岡田恭穂 1) 谷口肇 1) 阿部友哉 1) 岡田良 1) 川口桂 1) 工藤克昌 1) 藪内伸一 1) 坂田直昭 1) 森川孝則 1) 中川圭 1) 林洋毅 1) 吉田寛 内藤剛 1) 元井冬彦 1) 片寄友 1) 菅野敦 2) 下瀬川徹 2) 海野倫明 東北大学大学院消化器外科学 1) 東北大学消化器内科 2) 1) 1) 症例は 70 歳台男性 肝 S8 の径 6cm の非 B 非 C 型肝細胞癌に対し 平成 24 年 3 月に拡大 S8 切除術を施行し 病理組織学的には 中分化型肝細胞癌で pt2cn0cm0 fstage II であった 術後 9 ヶ月の CT 検査で膵頭後部に径 5 cmの腫瘍性病変を認め 肝細胞癌のリンパ節転移が疑われたが 膵原発腫瘍の可能性も否定できなかった MRI では DWI で高信号を呈し 主膵管の拡張は認められなかった EUS では 類円形の腫瘍として描出され 内部エコーは均一でやや高エコーを示し リンパ節転移というよりは髄様な腫瘍が考えられ 膵腺房細胞癌が疑われた EUS-FNA では膵腺房細胞癌と診断された 平成 25 年 5 月 亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した 固定後の割面では 腫瘍は比較的境界明瞭な白色結節性病変であり まだら状に緑色を呈していることから胆汁産生が示唆された 病理組織学的には 淡明から好酸性の胞体を有する異型細胞が 偽腺管状 篩状あるいは充実胞巣状に増殖し線維性被膜を伴っていた 胞体の好酸性が増した部位では篩状や腺管状構造の形成が目立ち 膵腺房細胞癌との鑑別が問題となったが 胆汁産生が目立つことや 前回の肝細胞癌の組織所見と類似していること 免疫組織化学の所見を併せて 病変辺縁にリンパ濾胞の構造を認めることから肝細胞癌のリンパ節転移と診断された 本症例の術前画像所見や FNA 組織所見において 膵腺房細胞癌と肝細胞癌リンパ節転移の鑑別の観点から討議したい 24

25 膵 その他 O-12 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 13:45 14:45 [ 悪性黒色腫の膵転移が疑われた 1 例 ] かんの菅野 よしひで良秀 1) 野田裕 1) 小林剛 1) 伊藤啓 1) 越田真介 1) 小川貴央 1) 枡かおり 1) 岩下祐司 1) 路川陽介 1) 澤井高志 2) 藤島史喜 仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科 1) 同病理部 2) 東北大学病理部 3) 3) 症例は 70 歳女性 鼻腔悪性黒色腫 (10 年前 ) と甲状腺乳頭癌の治療歴がある スクリーニングの US で膵頭部腫瘤を指摘され紹介受診した US EUS で膵頭部に 13mm 大の低エコー腫瘤を認め 内部に小嚢胞様の構造を複数伴っていた 造影 CT で腫瘤は 早期相で低吸収 平衡相で等吸収に染影された MRI では T1 強調画像で低信号 T2 強調画像で軽度高信号 拡散強調画像で高信号に描出された ERP で 主膵管はおおむね smooth で拡張を認めなかったが notch 様の小さな陰影欠損を認めた EUS-FNA および膵液細胞診 ( いずれもセルブロック法 ) で 結合の疎な小型円形核を有する異型細胞が多数みられた 特殊染色で 癌 内分泌腫瘍 悪性リンパ腫は否定的であり vimentin 陽性 CD10 陽性などから SPN を第一に考えた 希望により経過観察を行ったところ 腫瘍の軽度増大 (17mm) に伴い 腫瘍の主膵管浸潤および主膵管拡張が出現した 十分な IC のもと 初診から 11 ヵ月後に膵頭十二指腸切除を施行した 腫瘍は melanin 顆粒を有し S100 HMB45 MelanA に陽性を示し 悪性黒色腫と診断した 鼻腔悪性黒色腫の膵転移の可能性が高く 貴重な症例と考え報告する 25

26 膵 その他 O-13 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 13:45 14:45 [ 門脈内に稀な進展様式を示した膵頭部癌の 1 例 ] やまがみ山上 まり 戸田信夫 川村聡 唐澤祐輝 早田有希 山田友春 伊藤大策 川西幸貴 佐藤公紀 小島健太郎 大木隆正 有住俊彦 関道治 田川一海 社会福祉法人三井記念病院 64 歳男性 約 2 週間持続する腹痛を主訴に当院受診 造影 CT 施行し 門脈 上腸間膜静脈血栓症と診断 抗凝固療法開始した 同 CT にて主膵管の軽度の拡張が見られたが 膵頭部に明らかな腫瘤は指摘出来なかった その後門脈 上腸間膜静脈の血流の再開は見られなかったが 腹部症状が改善後 MRCP 施行したところ膵頭部で膵管 胆管の狭窄が見られ さらに当初血栓と考えていた門脈 上腸間膜静脈が強い高信号として描出された エコーガイド下で門脈穿刺を施行 無色透明の液体が得られ 異型細胞が検出された 膵頭部癌を疑い EUS MRI FDG-PET を施行 EUS では膵頭部は腫瘤形成し内部エコーは Hetrogeneous 同部は MRI では脂肪抑性 T1WI にて低信号 Dynamic study 上造影早期相で造影不良 FDG-PET では強い集積が見られた 胆管狭窄部の Brushing では細胞診 Class 2 であったが 膵頭部の腫瘤に対して施行した EUS-FNA にて Class V が得られ膵頭部癌と確定診断された 閉塞性黄疸来したため EMS 挿入し GEM 療法施行するも 肝膿瘍 肺塞栓 消化管出血など繰り返し 初診約 11 か月に永眠した 剖検では門脈内 上腸間膜静脈の内皮細胞に沿って癌細胞が広範に進展し内腔は粘液で置換されていた 門脈内に稀な進展様式を示した膵頭部癌の 1 例を経験したので報告する 26

27 十二指腸 O-14 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 14:45 16:00 よぎ與儀 [ 十二指腸へ穿破した SPN の 1 例 ] たつじ竜治 1) 原和生 1) 水野伸匡 1) 肱岡範 1) 今岡大 1) 堤英治 1) 藤吉俊尚 1) 佐藤高光 1) 吉田司 1) 奥野のぞみ 1) 稗田信弘 1) 丹羽康正 2) 田近正洋 田中努 2) 石原誠 2) 清水泰博 3) 細田和貴 4) 谷田部恭 4) 山雄健次 愛知県がんセンター中央病院消化器内科部 1) 同内視鏡部 同消化器外科部 3) 同遺伝子病理診断部 4) 2) 1) 2) 症例 22 歳 女性 現病歴 上腹部痛にて近医受診 腹部超音波検査にて膵頭部に腫瘤を指摘され 当院紹介受診となった 術前画像所見 生検 腹部 CT では 膵頭部に石灰化を伴う長径 8cm 大の類円形腫瘤を認め 腫瘤内部は不均一な低吸収域を呈していた 造影効果は 腫瘍辺縁部に認め 腫瘤中心部は乏しい所見であった MRI で腫瘤の中心部は T1WI で高信号 T2WI で高信号と低信号が混在しており 新旧の出血を疑わせる所見であった 1 ヶ月半後に施行した CT では 腫瘤が著明に縮小し 内部に air density を伴っていた 腫瘍が十二指腸に穿破したことが推測された 腫瘍の充実部分に対して EUSFNA を施行し SPN と診断された 手術 病理診断 膵頭十二指腸切除術(PD) を行った 病理組織学的には出血を伴った空洞と骨化を有する腫瘤で 硝子化した膠原線維を伴い小型で均一な細胞が偽乳頭状 充実性に増殖していた 腫瘍の免疫染色は synaptophysin(+/ ) chromogranin A( /+) β -catenin( 核陽性 ) E-cadherin(C36) ( 核陽性 ) E-cadherin (36B5)( ) CK7( ) Ki-67 標識率 <1% であった 以上を総合し SPN と診断した 門脈壁と十二指腸壁への進展を認めた 考察 SPN は低悪性度の腫瘍と認識されている 膵周囲脂肪組織へ進展する SPN はしばしば経験するが 門脈と十二指腸壁まで腫瘍の進展を認める症例は稀である また この様な症例においても腫瘍の増殖能は非常に低かった SPN の悪性度を考える上で示唆に富む 1 例と思われるため報告する ( 症例のポイント )SPN は現在 Low grade malignant tumor と認識されている 本症例の病理結果も Mitosis はほとんど見られず Ki-67index は 1% 未満であった しかし 十二指腸穿破と門脈壁進展 十二指腸壁進展を呈していた 通常では見られない進展形式であり SPN の悪性度を考える上で示唆に富む 1 例と考えられる ( 画像診断や病理診断上の問題点 または発表当日に討論したい事項 ) 十二指腸穿破は腫瘍浸潤によるものか 機械的圧排によるものか 本症例の悪性度をどのように考えるか Perforation の要因として 1) 増殖に伴う出血 それによる腫瘍内圧の上昇 2) 腫瘍の進展に伴う炎症と十二指腸壁の脆弱化などの要因が複合して作用したと考えられます 次ページに 登録画像 と DICOM 画像リンクボタン が有ります 27

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29 十二指腸 O-15 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 14:45 16:00 [ 主乳頭 副乳頭同時腫瘍露出をきたした 膵腫瘍の一例 ] かまだ鎌田 けんたろう健太郎 糸井隆夫 祖父尼淳 土屋貴愛 石井健太郎 辻修二郎 東京医科大学病院 症例は 65 歳男性 2011 年から持続する上腹部痛を主訴に近医を受診し CT MRI にて胆管拡張を認めたため 2012 年 5 月に当院紹介受診となった 採血では腫瘍マーカーは正常であった ERCP では胆管造影で下部胆管の平滑な狭窄と上流胆管の軽度拡張を認めた 胆管 IDUS では胆管狭窄部は外方からの圧排所見を呈するも胆管壁の肥厚や隆起性病変は認めなかった 胆管狭窄部生検 乳頭部生検では悪性所見は認めず 炎症性変化の所見であった EUS では膵頭部に 26mm 大の内部に石灰化を有する低エコー腫瘤を認めた 同部位からの FNA では悪性細胞を認めず慢性炎症の診断であった MRCP では膵頭部から体部の膵管狭窄を認めた 慢性膵炎による胆管狭窄の診断にて経過観察の方針となった 2013 年 2 月に EGD を施行したところ主乳頭 副乳頭からの腫瘍の露出を認めた EUS では膵頭部の腫瘤は 29mm 大とやや増大し腫瘍の膵管内進展が疑われた 主乳頭 副乳頭の腫瘍生検では 肉芽組織と好中球を主体とする炎症細胞浸潤であり 悪性所見は認めなかった 腹部造影 CT 検査では膵頭部に動脈相にてモザイク状に濃染する 30mm 大の腫瘍を認めた 採血での腫瘍マーカーは正常であった 以上より悪性所見は得られなかったが 画像所見 臨床経過より膵管内進展を呈する血流豊富な充実性膵腫瘍に対して 2013 年 4 月膵頭十二指腸切除を施行したが術中迅速病理検査にて膵断端陽性のため膵全摘を行った 29

30 十二指腸 O-16 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 14:45 16:00 [ 傍乳頭憩室内に進展し原発部位の特定が 困難であった十二指腸乳頭部癌の 1 例 ] まきの牧野 いさむ勇 1) 北川裕久 1) 中川原寿俊 1) 宮下知治 1) 田島秀浩 1) 中沼伸一 1) 林泰寛 1) 高村博之 1) 太田哲生 1) 蒲田敏文 2) 池田博子 3) 柳澤昭夫 金沢大学病院消化器 乳腺 移植再生外科 1) 同放射線科 2) 同病理部 京都府立医科大学病理病理部 4) 3) 4) 症例は 74 歳女性で 胆管炎にて近医に入院となり胆管結石を疑い ERCP が施行された その際 主乳頭の形態は正常であったが 主乳頭口側に陥凹部が存在し そこから胆汁の流出を認め 胆管との瘻孔形成が疑われた 結石や腫瘍を疑う所見はなく 胆汁細胞診は陰性で 胆管炎も速やかに改善したため 総胆管結石により胆管 十二指腸瘻が形成され自然排石したと考え経過観察となった しかし 4 か月後に胆管炎が再燃し再度 ERCP が行われたが この際は胆管末端に明瞭な透亮像を認めた 結石を疑ってバルーンでかき出したところ灰白色調の腫瘍が排出され 組織検査を行ったところ adenocarcinoma と診断された このため手術目的に当科紹介入院となった CT/MRI では胆管末端に乳頭状腫瘍が描出され 膵頭部背面リンパ節の腫大を認めた PET では原発病巣と同リンパ節に異常集積を認めた 下部胆管癌と診断し 膵頭十二指腸切除術を施行した 病理検査では 傍乳頭憩室が同定されその内腔に腺癌を認めた この病変と近接して乳頭部胆管に同様の腺癌を認めたが腫瘍の主体は十二指腸憩室内と考えられた 十二指腸憩室病変 / 乳頭部胆管病変の免疫染色の結果は CK7(+/+), CK20( /+ afew), CD10( / ), MUC2( / ), CDX2( / ) であり 胆管癌を支持する所見であった 以上より 傍乳頭憩室内に進展した十二指腸乳頭部癌と診断した 近傍のリンパ節 3 か所に転移を認めたが切除断端は陰性で 術後 8 か月現在 無再発生存中である 本病理診断の妥当性を中心にご討論いただきたい 30

31 十二指腸 O-17 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 14:45 16:00 [bag closer のピアスが興味深い 十二指腸乳頭部癌の 1 例 ] あおやま青山 はるな春奈 菊山正隆 青山弘幸 榎田浩平 重友美紀 白根尚文 黒上貴史 宮城島俊 羽田綾馬 静岡県立総合病院消化器科 症例は 69 歳女性 既往歴は高血圧 糖尿病 高脂血症 2013 年 11 月肝機能異常 腹部超音波検査にて肝内胆管から総胆管の拡張 胆嚢腫大を認め 閉塞性黄疸の疑いにて同年 12 月当科紹介となった 腹部単純 CT 検査では下部胆管からの拡張を認めるものの明らかな閉塞起点を認めなかったが 胆管病変を疑い 2014 年 1 月 EUS を施行した その際に腫大した乳頭部にピアスのように引っかかっている異物を発見 胆管拡張 肝胆道系酵素上昇の原因となった可能性も否定できず 異物除去を施行した 除去されたものは食パンなどの袋を止めるバッククロージャーであった その後外来にて経過観察を行うも 胆道系酵素上昇の持続 胆管拡張が持続した 胆管評価目的に ERCP 施行したところ 胆管挿管が困難であったが EUS にて乳頭部に低エコー領域を認め 腹部造影 CT にて乳頭部腫瘍疑われ EUS-FNA を施行した 細胞診にて Class V の診断となり 乳頭部癌の可能性が高いと考え 3 月 24 日当院外科にて膵頭十二指腸切除術を施行 後日の病理結果にて乳頭部癌 Stage I の診断となった 乳頭部腫瘍に乳頭部異物が指摘された興味深い一例であり文献的考察も含め報告する 31

32 十二指腸 O-18 9 月 5 日 ( 金 ) 1 日目 14:45 16:00 [ 十二指腸乳頭部腺内分泌細胞癌の一例 ] ごとう後藤 だいすけ大輔 1) 浦田矩代 1) 岡好仁 1) 中村純 1) 西野謙 1) 末廣満彦 1) 川中美和 1) 浦上淳 2) 物部泰昌 3) 河本博文 川崎医科大学総合内科学 2( 消化器内科 ) 1) 同総合外科学 2) 同病理学 1) 3) 症例は 70 歳代 男性 201X 年 4 月上旬より上腹部不快感を認め近医を受診 黄疸を指摘され精査加療目的に当院紹介された 腹部超音波検査で十二指腸乳頭部から胆管内に進展する腫瘤像と 腫瘤より上流の胆管 主膵管の拡張を認めた Dynamic CT でも十二指腸乳頭部に 23mm 大の早期相から濃染する腫瘤影と胆管 主膵管の拡張を認めた 同腫瘤は MRI では T1 強調像で低信号 T2 強調像で淡い高信号 拡散強調像で高信号であった EUS では乳頭 Ab Ac 領域を主座とする 20mm 大の腫瘍性病変あり 膵管 膵実質へのわずかな浸潤を疑わせる所見であった ERCP 時の内視鏡像では 乳頭は口側隆起が膨隆し わずかに腫瘍の露出を疑わせる乳頭状粘膜を認めた X 線透視画像では乳頭部から下部胆管に腫瘍による不整な欠損像を認めた また IDUS では Ab Ac Ad 領域の胆管壁が肥厚し 主病変部では乳頭状に増生する腫瘤を認めた 腫瘍の生検 EUS-FNA 組織診より Adenoendocrine cell carcinoma(cd56:+ Synaptophysin:+ Chromogranin A: ) と診断し 膵頭十二指腸切除術を施行した 術後病理検査結果より十二指腸乳頭部混合型腺内分泌細胞癌 (NEC > pap >tub1 露出腫瘤型 Stage IVa:pT4[pDU3 ppanc2] pn1 ph0 pp0 M( )) と診断した 十二指腸乳頭部原発の腺内分泌細胞癌は稀であり 画像を提示し報告する 32

33 肝 O-19 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 9:00 10:15 [ 肝外突出性を示した炎症性偽腫瘍の 1 例 ] おばな尾花 たかし貴志 1) 山崎秀司 1) 西尾和司 2) 大上庄一 3) 吉本啓助 4) 5) 竹田雄一 医療法人協仁会小松病院消化器内科 1) 同外科 2) 同放射線科 3) 同糖尿科タケダ病理学センター 5) 4) 症例は 69 歳男性 2013 年 9 月 5 日感冒症状で近医を受診した際に肝機能障害を指摘され 9 月 25 日紹介受診 腹部超音波検査で S5 に肝外突出性を示す径 2cm の低エコー腫瘤を認め入院となった 腫瘍マーカーは CA19-9 のみ軽度高値を示した 造影 CT では腫瘤辺縁が早期相から平衡相にかけて持続的に濃染され 中心部の造影効果は乏しかった MRI では T1 強調像で低信号であり T2 強調像では中心部が辺縁部よりも高信号を呈した 拡散強調像画像では拡散制限を示した Gd-EOB-DTPA による造影では肝細胞相で EOB 取り込み低下を認めた 悪性腫瘍の他に炎症性腫瘤などの良性病変の可能性も否定できないと考えたが 肝外突出性であるため生検は播種の危険性があることから断念し 充分なインフォームドコンセントの下で 2013 年 10 月 22 日肝部分切除術を施行した 切除標本では径 2cm の黄白色調腫瘤であった 病理組織検査では腫瘤辺縁に線維化が強く 中心部には炎症性肉芽組織と cholesterin clefts を伴う肉芽種を認めた 一部を除き正常肝組織は残存しておらず 腫瘍性変化を疑う所見はなかった 免疫組織染色では腫瘤中心部で CD68 陽性細胞がびまん性に陽性で IgG4 陽性細胞は陰性であった 以上から肝炎症性偽腫瘍と診断した 術前画像から病理組織像の予測が可能であったかどうかを中心にご教示いただきたく提示する 33

34 肝 O-20 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 9:00 10:15 [ 術前診断が困難であった肝腫瘍の 1 例 ] ひらい平井 いちろう一郎 菅原秀一郎 山岸岳人 柴田健一 渡邊利広 藤本博人 木村理 山形大学第 1 外科 症例 67 歳の男性 検診で下部胆管の拡張 CEA 11.9 と高値のため紹介となった ERCP では戸谷 3 型の choledochocele を認めた CT MRI で S2 に辺縁から徐々に染まり 中心部が low density な腫瘍を認めた PET-CT では S2 に強い FDG の集積を認めた 術前に炎症所見はなく 肝生検では Ki-67 および p53 陽性細胞を一部認めた 手術所見 総肝動脈周囲および胃小弯のリンパ節は迅速病理で癌陰性であった 病理所見 固定標本の割面の肉眼蔵は S2 に被膜を有さない 黄色および白色の腫瘍を認めた 組織学的にはリンパ組織や炎症細胞浸潤が多数認められた 術前肝生検と異なり Ki-67, p53 は陰性であった 肝内胆管に異型を認めず 細胆管の再生像はあるが 細胆管細胞癌とするだけの構造異型や細胞異型は認めなかった 遺残した変性肝細胞は散見されるが 肝細胞癌とするだけの所見は認めないため 肝炎症性偽腫瘍が考えられた IgG4 はほとんど染まらず IgG4 非関連の Fibrohistiocytic type の肝炎症性偽腫瘍の診断となった 問題点 術前に肝炎症性偽腫瘍の診断は可能であったか? 治療法としての手術は妥当であったかどうか? を討論お願いいたします 34

35 肝 O-21 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 9:00 10:15 たかみ髙見 [ 細胆管癌の 1 例 ] ゆうこ裕子 立石昌樹 龍知記 御鍵和弘 和田幸之 才津秀樹 国立病院機構九州医療センター肝胆膵外科 症例 65 歳 女性 現病歴 便秘を主訴に近医を受診 腹部エコーにて肝腫瘤を指摘され当院紹介受診となった 既往歴 高血圧 子宮筋腫 肺気腫 腰椎ヘルニア 生活歴 喫煙 20 本 / 日 36 年 大酒家 身長 155cm 体重 61.5kg BMI 25.6 入院時検査成績 肝予備能は Alb 4.0g/dl T.Bil 0.4mg/dl PT 100% ICG15R 7.6% 血小板 37.6 万であり Child Pugh A(5 点 ) Liver Damage A 腫瘍マーカーは AFP: 614ng/ml L3 分画 : 59.5% PIVKA II:49mAu/ml CEA: 2.5ng/ml CA19-9: 24IU/ml DUPAN-2: <25U/ml SPAN-1: 13U/ml TPA: 28U/l CYFRA: 2ng/ml 肝炎ウイルスマーカーは HBsAg( ), HBcAb( ), HCV( ) 入院時画像検査 腹部造影 CT にて S4/3 に 50 41mm の辺縁不整 内部が遅延性に軽度造影される腫瘤性病変を認めた EOB-MRI でも同様に内部に軽度の造影効果を認め 一部に腫瘍内を貫通する脈管を疑わせる管状構造の走行が見られ 肝細胞相では低信号であった 混合型肝癌疑いで左葉切除術を施行した 術後病理診断 切除標本の肉眼所見では腫瘍は腫瘤形成型であり 弾性硬 白色充実性で 被膜はなく腫瘍表面に癌臍を形成していた 腫瘍径は 52 44mm 病理組織学的には線維性間質を有し 不規則な腺管構造が吻合するように増殖する細胆管細胞癌であり 腫瘍の一部に肝細胞癌様の柵状構造を認めた 免疫染色では EMA,CK7, CK19, ckit に陽性で肝細胞癌様の部位のみ AFP, Glypican3 が陽性であり HepPar1, CEA, PIVKA II は陰性であった 以上より 一部が肝細胞癌へ分化している細胆管癌 (Cholangiolocellular carcinoma with partiallyhepatoid differentiation, im( ), ig, fc( ), fc-inf( ), sf( ), s0, n0, vp0, vv0, va0, b0, p0, sm( ), mm, f0) と診断した 考察 細胆管癌は Hering 管由来の腫瘍であり Hering 管に存在する肝前駆細胞あるいは肝幹細胞が癌化したものと報告されている 本症例は細胆管癌から部分的に肝細胞癌への分化過程を示している可能性が考えられ 細胆管癌の発生を考える上で非常に興味ある症例と思われた 次ページに 登録画像 と DICOM 画像リンクボタン が有ります 35

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37 肝 O-22 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 9:00 10:15 [ 術前画像診断に苦慮した細胆管細胞癌の 1 切除例 ] さわだ澤田 ゆう雄 1) 森隆太郎 1) 松山隆生 1) 松木裕輝 1) 中山岳龍 1) 大田洋平 1) 本間祐樹 1) 熊本宜文 1) 武田和永 1) 遠藤格 1) 山中正二 横浜市立大学消化器 腫瘍外科 1) 横浜市立大学附属病院病理部 2) 2) 症例は 67 歳の女性 他院で施行された HBV 抗原陽性に対するスクリーニングの腹部超音波検査で 肝腫瘤を指摘され 精査加療目的に当院を紹介された 腹部超音波検査所見で腫瘤は 肝 S6/7 に径 35 25mm 大の低エコー域として認められた 造影超音波検査では 血管相から辺縁優位に濃染し 肝実質遅延相でも造影効果が遷延した 腹部ダイナミック CT では 動脈相から辺縁優位に不均一な造影増強効果があり 平衡相でも造影効果が持続していた また MRI では T1 強調画像で低浸号 T2 強調画像で不均一な淡い高信号を呈した 早期濃染を呈し その造影効果が遷延していたことから 中心部瘢痕が画像上ないものの FNH を最も疑った しかし 鑑別診断として肝細胞癌 混合型肝癌の可能性を考えて手術の方針とした 術中所見で IVC 浸潤が疑われたため 肝後区域切除とともに IVC 合併切除 人工血管置換術を施行した 病理組織学的検査所見では小型の腺管や鹿の角状の腺管 繊維間質を伴って増殖しており 細胆管細胞癌と最終診断した また組織学的にも IVC への腫瘍の浸潤を認めた 細胆管細胞癌は 原発性肝癌の中で 1% 以下の稀な疾患であり 画像診断上は特異的な所見に乏しく 術前診断は従来から困難とされてきた 本症例のように造影効果が遷延する腫瘍である場合には鑑別診断のひとつに挙げるべき疾患と考え 文献的考察を加え報告する 37

38 肝 O-23 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 9:00 10:15 [ 術前診断に苦慮した非粘液産生型 Intraductal papillary neoplasm of bile duct] わたなべ渡部 ふみあき文昭 1) 野田弘志 1) 力山敏樹 1) 蛭田昌広 2) 山田茂樹 2) 自治医科大学附属さいたま医療センター一般消化器外科 1) 同病理科 2) ( 症例 )80 歳代女性 検診の腹部超音波検査で肝門部に腫瘤を指摘され 精査加療目的に当院に紹介となった 既往は特になく ウイルス肝炎の既往もなし 血液検査では CEA が 5.3ng/ml であり 他に異常値はなかった 腹部超音波検査では肝右葉肝門部に 18 19mm の境界不明瞭 内部不均一 辺縁に低エコー伴う等エコー腫瘤を認めた 腹部造影 CT 検査ではグリソン前後区域の分岐部に接する 2cm 大の動脈相で不均一に濃染し 門脈相で wash out される腫瘤を認めた 腫瘤より末梢側の胆管拡張所見はなかった MRI 検査では T2 強調画像と拡散強調画像で同部位に 2cm 大の高信号腫瘤を認め プリモビスト造影 MRI 検査では淡く造影される腫瘤を認めたが wash out は明瞭でなく 肝細胞相では低信号腫瘤として描出された DIC CT 検査では特に所見はなかった 以上から肝細胞癌の診断で肝右葉切除術を施行した 病理組織学的検査では拡張した胆管内に充満する乳頭状造成病変を認め 部分的に異形核形態もみられるが全体は腺腫病変であり Intraductal papillary neoplasm of bile duct(ipnb) と診断された ( 考察 ) 本症例は画像検査上 典型的な肝細胞癌の所見ではなかったが 非粘液産生型 IPNB と診断することも困難であった 若干の文献的考察を含めて本症例を報告する 38

39 胆管 O-24 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 10:30 11:45 [ 肝門部胆管癌との鑑別が困難であった 良性胆管狭窄の 1 例 ] すぎもと杉本 ゆうや優弥 中川原寿俊 高村博之 北川裕久 牧野勇 宮下知治 田島秀浩 柄田智也 中沼伸一 岡本浩一 酒井清祥 楯川幸弘 木下淳 中村慶史 林泰寛 尾山勝信 井口雅史 二宮致 伏田幸夫 藤村隆 太田哲生 金沢大学消化器 乳腺 移植再生外科 はじめに 肝門部胆管に狭窄をきたす原因の多くは悪性腫瘍であるが ときに良性の胆道狭窄病変を認める 今回 非特異的炎症により肝門部胆管狭窄をきたし かつ門脈閉塞を伴ったために肝門部胆管癌との鑑別が困難であった症例を経験したので報告する 症例 57 歳女性 生来健康であったが検診で肝機能障害を指摘された 前医の CT で左肝管狭窄 およびその末梢胆管の拡張を認め 肝門部胆管癌が疑われた MRI ERCP 胆管生検 擦過細胞診 胆汁細胞診 PET 検査を施行したが確定診断は得られず 当院紹介となった 当院で再度 CT 検査を行ったところ既知の左肝管狭窄に加え 門脈左枝の閉塞 および肝左葉の萎縮を認めた CTA ERCP 胆管生検などを施行したが確定診断は得られず 肝左葉切除術を施行した 病理組織像では 左肝管に限局して胆管壁に炎症がみられ 一部では好酸球浸潤や異物反応を認めたが 腫瘍性病変は認めなかった 門脈は線維性に閉塞しており 血管壁への炎症細胞浸潤は明らかでなかった 術後経過は良好で 術後第 16 病日目に退院となった 問題点 1 術前診断で門脈狭窄を伴ったことから悪性病変を否定し得なかった 2 病理組織学的に 左肝管狭窄 および門脈狭窄の明らかな原因を指摘し得なかった まとめ 胆管狭窄症例の原因として本症例のような炎症性良性胆管狭窄の可能性があることを念頭において治療方針を決定する必要がある 39

40 胆管 O-25 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 10:30 11:45 [ 発達の目立つ胆管附属腺の炎症により 良性胆管狭窄をきたした 1 例 ] てらもと寺本 あきら彰 1) 小橋川嘉泉 1) 伊志嶺朝成 2) 富里孔太 1) 伊良波淳 1) 松川しのぶ 1) 近藤章之 1) 藪谷亨 1) 中村公子 1) 仲村将泉 1) 内間庸文 1) 仲吉朝邦 金城福則 1) 亀山慎一郎 2) 伊佐勉 2) 柳澤昭夫 浦添総合病院消化器病センター内科 1) 同外科 2) 京都府立医科大学大学院医学研究科人体病理学 3) 1) 3) 35 歳男 家族歴母 PBC 既往歴 2009 年慢性肝炎 2012 年肝生検犬山分類 A1F0 PBC 所見なく抗ミトコンドリア抗体陰性 飲酒喫煙なく 職業介護士 2013 年 8 月心窩部痛出現 US で左右肝内胆管約 5mm 上部胆管約 8mm 拡張 胆嚢腫大を認めた 血清 IgG4 ANA ANCA 陰性 造影 CT MRCP で上部 肝内胆管拡張 胆嚢腫大 下部胆管壁肥厚伴う狭小化を認めた EUS で胆嚢と上部胆管にデブリスあり 上部胆管壁肥厚軽度 中下部胆管に全周性低エコーの著明壁肥厚を認めたが 結石 膵腫瘤や胆嚢管に異常を認めなかった 急性胆管炎 下部胆管癌を疑い ERCP 施行した Vater 乳頭正常で膵胆管合流異常はなく 中下部胆管狭窄 (A) と右肝管基部口径不同 (B) を認め IDUS で (A) は外側高エコー帯の不整途絶像あり 胆管生検 ブラシ細胞診は悪性陰性 (B) は低エコー壁肥厚あり 胆管生検は悪性陰性 ENBD 連続胆汁細胞診で 8 回中 4 回 Class IIIb 下部胆管癌疑い同意上で同年 10 月下旬幽門輪温存膵頭十二指腸切除術施行 病理診断 consistent with chronic cholangitis with small duct hyperplasia peribiliary cyst 所見なく IgG4 MIB-1 染色は陰性 討論 1 画像で良性炎症性胆管狭窄と診断可能か? 2 附属腺増生伴う急性胆管炎の原因は? 3 治療は ENBD や抗生剤治療で狭窄の改善は得られたのか? 下部胆管癌疑い手術したが 慢性持続性炎症と線維化による狭窄持続で最終的に手術となったのか? 組織学的悪性の証明なければ 胆管炎再発する EBS 交換留置で厳重にフォローすべきだったのか? 40

41 胆管 O-26 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 10:30 11:45 [ 有茎性胆管腫瘍の 1 例 ] ひさ比佐 たけし岳史 1) 桃井環 1) 岸埜高明 1) 山田崇裕 1) 福島秀樹 1) 篠原知明 1) 友利彰寿 1) 古武昌幸 1) 大久保浩毅 2) 長谷川健 2) 石亀廣樹 佐久総合病院佐久医療センター消化器内科 1) 同消化器外科 2) 同病理診断科 3) 3) 症例は 70 歳代 男性 近医のスクリーニング US で胆管拡張を指摘され 当科紹介となった US では肝内胆管および上部胆管の拡張を認めたが 中下部胆管は描出不能であった CT MRI では中下部胆管内腔に充満する最大径 17mm の腫瘤を認め 不均一な造影効果を有していた EUS では腫瘤表面は不均一な厚みの高エコー層に覆われ 内部は不均一な低エコーを呈した 腫瘤基部の描出は不良であったが 腫瘤の大部分は胆管壁と離れていた 腫瘤近傍の胆管壁に不整像はなかった 胆管造影では結石様の類円形透亮像として描出された 腫瘤部からの経乳頭的生検では肉腫あるいは未分化型癌が疑われた 非典型的な胆管腫瘍の診断で 膵頭十二指腸切除術を施行した 肉眼的に腫瘤は細い茎を有し胆管内に膨張性に発育していた 組織学的に腫瘤表面の大部分は滲出性壊死物質で覆われ 腫瘤部では異型を有する紡錘形細胞および巨細胞が混在し増殖していた 異型細胞は粘膜にとどまり 脈管侵襲は認められなかった 41

42 胆管 O-27 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 10:30 11:45 [ 胆石性膵炎にて発症し 興味ある ERCP 像を示した 早期下部胆管癌 (CIS) の 1 例 ] きのした木下 けいすけ慶亮 1) 福地聡士 1) 齋藤衆子 1) 梶本展明 1) 新関修 1) 山下勉 1) 室豊吉 1) 黒田陽介 2) 田原光一郎 2) 森内昭 国立病院機構大分医療センター消化器内科 1) 同外科 2) 同病理部 3) 3) 症例は 81 歳 男性 平成 25 年 11 月に上腹部痛で前医受診 血液生化学的検査上 肝胆道系酵素上昇 膵酵素上昇を認め 腹部 CT で総胆管結石を疑われ 当院紹介入院となった CT では下部胆管に高吸収域を 超音波内視鏡では下部胆管内に限局的な高エコー域を認めた 緊急で ERCP 施行 造影開始直後 下部胆管に壁在性の欠損像を認めたが 造影の圧を上げると欠損像は消失した IDUS では 胆泥と思われる高エコー域 下部胆管の壁肥厚を認めた EST EBD 施行 その後自覚症状 肝胆道系酵素 膵酵素上昇改善し 当院外科で腹腔鏡下胆嚢摘出術施行された 平成 26 年 2 月 19 日 背部痛あり 胆管炎指摘され 当科第 2 回目入院となった 翌日 ERCP 施行し 胆管ステント抜去 多数の小結石排石認めた ERC で下部胆管に偏在性隆起 IDUS で下部胆管に壁肥厚認めた 下部胆管生検で Group4 との結果で 下部胆管癌を強く疑い 3 月中旬に膵頭部十二指腸切除術施行された 病理診断で 乳頭部側切片で 5mm の範囲で tub1+ tub2, M の adenocarcinoma を認めた 診断時の ERCP の所見等 興味深い画像と思われ 提示したい 42

43 胆管 O-28 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 10:30 11:45 [ 多彩な粘液形質を伴う胆嚢管 中部胆管の 腺内分泌細胞癌の 1 例 ] やまの山野 みき三紀 1) 前川博 2) 佐藤浩一 2) 金光芳生 3) 玄田拓哉 3) 松波環 4) 1) 和田了 順天堂大学医学部附属静岡病院 1) 同外科 2) 同消化器内科 3) 同放射線科 4) 症例は 76 歳 男性 健診で黄疸を指摘され H25 年 7 月 8 日当院紹介入院となる 受診時 TB 11.7, DB 7.5 と上昇し PTCD tube 造影では胆管中部で上方突の完全閉塞であった MDCT では壁肥厚を伴う中部胆管狭窄 その背側胆嚢管内に腔内発育型の腫瘤がみられた 同腫瘤は造影早期相から造影効果がありそのまま平行相まで遷延した 8 月 30 日膵頭十二指腸切除術を施行した 病理組織学的には 胆嚢管内腔を充満する髄様性腫瘍と胆嚢管開口部から総胆管内に突出する乳頭状腫瘤があり 周囲漿膜下層には浸潤を認めた 組織学的には Adenocarcinoma (pap/tub) with NEC papillary and flat infiltrative type, 35x20x6mm, pt2 (pss), ne2, pginf0,ppanc0, n0, 切除断端陰性であった 腺癌部には胃型 腸型 混合型など多彩な粘液形質がみられ深部では神経内分泌細胞癌 (<30%) も伴った 近年話題となっている神経内分泌腫瘍分類における問題点も踏まえ提示したい 43

44 膵 3 O-29 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 14:00 15:00 [ 膵尾部に小型の限局性腫瘤を形成し 膵腫瘍との鑑別に難渋した 1 例 ] かねみつ兼光 こずえ梢 花田敬士 池本珠莉 寺岡雄吏 泉良寛 新里雅人 中土井鋼一 岡崎彰仁 今川宏樹 片村嘉男 小野川靖二 平野巨通 天野始 日野文明 JA 尾道総合病院 症例 60 歳台 男性 主訴 なし 現病歴 20XX 年 2 月 近医で健診目的に施行した PET CT にて 膵尾部に異常集積を指摘され当院紹介受診した 経過 血液生化学検査では特記所見なく 腫瘍マーカーも正常範囲内であった PET CT にて膵尾部に 10mm 大の SUVmax: 3.5 の取り込みあり 造影 CT にて病変は動脈相で造影効果に乏しく 遅延相で濃染をみとめた MRI では T1WI T2WI で淡い高信号 DWI では軽度の拡散低下を示した MRCP では主膵管の口径不整をみとめた 超音波内視鏡では 膵尾部に 15mm 大の境界明瞭で類円形の低エコー性腫瘤をみとめ EUS-FNA では組織診で腫瘍性病変はみとめず 細胞診では class II と診断した 各種検査から膵腫瘍性病変が除外できず 十分なインフォームドコンセントのもと 腹腔鏡補助下膵尾部切除術および脾臓摘出術を施行した 病理組織学検査にて 膵実質は萎縮し 高度の線維化 形質細胞の浸潤や閉塞性静脈炎をみとめ IgG4 関連性自己免疫性膵炎と最終診断した 結語 今回膵尾部に小型の限局性腫瘤を形成し 膵腫瘍との鑑別に難渋した自己免疫性膵炎の 1 例を経験したので 若干の文献的考察を加えて報告する 44

45 膵 3 O-30 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 14:00 15:00 [ 潰瘍性大腸炎の経過観察中に発見された 膵腫瘤の 1 例 ] わたなべ渡邉 たかゆき貴之 1) 山崎智生 1) 多田井敏治 1) 1) 岩谷勇吾越知泰英 1) 原悦雄 1) 成本壮一 2) 岩谷舞 3) 今井迅 4) 長谷部修 長野市民病院消化器内科 1) 同外科 2) 同病理診断科 3) 同放射線診断科 1) 4) 症例は 70 歳代 女性 潰瘍性大腸炎にて加療中 検診で尿潜血を指摘された スクリーニング目的に施行した腹部 US で膵体部に 10mm 大 類円形で周囲との境界が比較的明瞭な低エコー腫瘤を指摘された 造影 CT での病変指摘は困難であったが MRI では膵体部に T1 で境界不明瞭な低信号 T2 でわずかな高信号 拡散強調画像で淡い高信号を認めた EUS でも US 同様 膵体部に 10mm 大 類円形の低エコー腫瘤として明瞭に描出された 内部はほぼ均一であったが 微少な点状高エコーが散在していた ERP では膵管に明らかな異常は指摘できなかった ソナゾイドによる造影 US では腫瘤は周囲膵実質とほぼ同じタイミングで造影されたが 造影効果は不均一であった 以上より 非典型的であるが p-net を第一に考え 膵中央区域切除術を施行した 摘出された検体には硬結を触知し 同部位の病理所見ではリンパ球と形質細胞を主体とした炎症細胞浸潤と線維化 閉塞性静脈炎が認められた 免疫染色で IgG4 は強拡大で 190 個 /HPF IgG4/IgG は 70% であり IgG4 関連の AIP として矛盾しない所見であった 術後に測定した IgG4 は 40.5mg/dl と正常であった 潰瘍性大腸炎に合併する AIP は Type2 がほとんどと考えられているが 本例では Type1 の合併であった 興味深い症例と考えられ報告する 45

46 膵 3 O-31 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 14:00 15:00 [ 膵石を合併し慢性膵炎化したと考えられた 自己免疫性膵炎の 1 例 ] ふじなが藤永 やすなり康成 1) 藤田幸恵 1) 黒住昌弘 1) 丸山真弘 2) 村木崇 2) 浜野英明 2) 川茂幸 3) 横山秀隆 4) 宮川眞一 4) 上原剛 5) 角谷眞澄 信州大学医学部画像医学教室 1) 信州大学医学部附属病院消化器内科 信州大学健康安全センター 3) 信州大学医学部附属病院消化器外科 4) 同臨床検査部 1) 2) 5) 症例は 70 歳代 男性 主訴は繰り返す膵炎発作 既往歴は糖尿病 アルコール飲酒歴 ( 日本酒 3 合 35 年 ) がある 過去 4 回腹痛発作が出現し 前医にて急性膵炎と診断され加療された その際施行された腹部 CT にて膵石が指摘され 膵炎との関係が疑われた 体外衝撃波結石破砕 (ESWL) 適応評価目的で当院消化器内科紹介受診となった ( 当院初診時 IgG4 36 mg/dl) 当院入院時の単純 CT でも膵体尾部の膵石が認められ 主膵管は軽度拡張していた 造影 CT 膵実質相では膵尾部に限局性の造影不良域が認められた ERCP では膵石部より末梢の膵管は造影されなかった その後 計 3 回 ESWL が施行されたが 急性膵炎の再発を繰り返し膵石の増大がみられたため 膵体尾部切除術が施行された 膵切除施行 2 か月前の急性膵炎再発時には CT にて膵体尾部の腫大と左前腎筋膜の肥厚が認められ MRCP では膵石部での主膵管狭窄と末梢主膵管および分枝膵管の拡張が認められた 切除された膵には 病理学的に炎症細胞浸潤は軽度だが小葉間の腺房萎縮と小葉間に厚い線維化を伴う慢性膵炎 ( 結節性膵炎 ) 部分と 小葉内の腺房萎縮 リンパ球 形質細胞の高度な浸潤 小葉内の花筵状線維化および閉塞性静脈炎を伴う自己免疫性膵炎部分が混在していた 経過画像の再検討により 本例は自己免疫性膵炎に膵石を合併し慢性膵炎化した可能性が考えられ 文献的考察を加え報告する 46

47 膵 3 O-32 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 14:00 15:00 [ 壊死性自己免疫性膵炎が示唆された膵切除の一例 ] いしい石井 けん研 1) 窪田賢輔 1) 藤田祐司 1) 関野雄典 1) 細野邦広 1) 小林規俊 1) 武田和永 2) 山中正二 3) 中島敦 1) 遠藤格 横浜市立大学肝胆膵消化器病 1) 同消化器外科 2) 横浜市立大学附属病院病理 2) 3) AIP は通常緩徐な発症を呈し しばしば膵癌との鑑別は困難である 今回我々は膵癌を疑い切除したが 最終的に壊死性 AIP が示唆された症例を経験したので報告する 症例は 60 歳男性 20 年来の糖尿病が急性増悪したため近医を受診した CT で進行膵癌と診断され 当院に転院した MDCT では膵尾部に大きさ 60mm の 脾動静脈を巻き込み 胃壁に直接浸潤した腫瘤を認めた 3D-CT による血管構築像では CT 所見と比し 脈管浸潤が軽度であった MRI で腫瘤は T1 で low T2 で high を呈し MRCP では主膵管は尾部で閉塞 破綻していた 腫瘤部分は PET-CT で SUV-Max =9.7 であった 術前の血液生化学検査では膵酵素 CEA の軽度上昇を認めたが 血清 IgG4 は 78 mg /dl であった 膵癌と壊死性膵炎の鑑別のため EUS-FNA を行ったが悪性所見を認めなかった 画像診断で胃壁浸潤を伴った膵癌と診断し 膵対尾部脾合併 胃部分切除を施行した 病理では膵は自己融解が強く 腺房の消失と密な線維化の慢性膵炎の部分と 膵と胃の境界部を中心に壊死を呈する急性膵炎像も認め リンパ球 形質細胞浸潤が目立ち 形質細胞の多くは IgG 陽性で うち 20-30% は IgG4 陽性であった さらに弾性染色を行うと閉塞性静脈炎も認め AIP が示唆された 本例は通常の AIP とは異なる 極めて高度な膵炎所見を呈した AIP の可能性があり 壊死型 AIP の存在について議論したいと考え報告する 47

48 膵 4 O-33 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 15:15 16:30 [ 術前診断が困難であった 膵 Colloid carcinoma の 1 例 ] いしい石井 やすたか康隆 1) 佐々木民人 1) 芹川正浩 1) 南智之 1) 石垣尚志 1) 毛利輝生 1) 吉見聡 1) 清水晃典 1) 壷井智史 1) 栗原啓介 辰川裕美子 1) 宮木英輔 1) 村上義昭 2) 有廣光司 3) 茶山一彰 広島大学病院消化器 代謝内科 1) 同消化器外科 2) 同病理診断科 1) 1) 3) 症例は 53 歳 男性 人間ドックの腹部 US にて膵尾部に嚢胞性病変を指摘され 精査加療目的で当科紹介となった 血液検査では各種腫瘍マーカーは陰性で 軽度の膵酵素上昇が認められるのみであった 造影 CT では膵尾部に 39 47mm 大の嚢胞を認め 嚢胞壁には淡い造影効果がみられた 主膵管拡張や嚢胞内の壁在結節は認められなかった 造影 MRI では 嚢胞は T1 強調像で低信号 T2 強調像で高信号を呈し 辺縁部には平衡相で造影効果を示す隔壁様構造が認められた EUS では小嚢胞の集簇様に見える部分が認められたが 同部位に造影効果はみられなかった ERP では膵尾部主膵管に圧排性の偏位が認められたが 主膵管と嚢胞の交通はみられなかった 膵液細胞診は陰性であった PET-CT では嚢胞辺縁に淡い集積を認め SUVmax は早期相で 2.5 後期相では 2.0 であった 以上の画像所見より腫瘍性嚢胞を疑い 脾合併膵体尾部切除術を施行した 嚢胞内には黄色調のゼラチン様の粘液塊が充満していた 病理組織学的には 線維性被膜を伴う大小の mucinous nodule の形成が認められた 被覆する腫瘍細胞は立方状あるいは円柱状で著しい粘液産生を示し Colloid carcinoma と診断した 術前の画像診断について討論いただきたい 48

49 膵 4 O-34 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 15:15 16:30 [ 多形質発現を有した膵粘液癌の 1 例 ] おおにし大西 よしふみ佳文 1) 榎澤哲司 1) 飯塚篤 1) 星合朗 2) 中野良太 2) 加藤嘉彦 2) 宮原利行 2) 角泰廣 2) 関戸康友 3) 大池信之 国立病院機構静岡医療センター 1) 同外科 2) 同病理 3) 昭和大学藤が丘病院病理 4) 4) ( 症例 )84 歳女性 ( 主訴 ) 心窩部痛 ( 経過 )2013 年 5 月 腹痛のため近医受診し 急性膵炎を疑われ精査加療入院となった 入院時血液は AMY1954, CEA4.3, CA であった CT では 体尾部の不整膵腫大と周囲脂肪織に不整濃度上昇 液体貯留を認めた 主膵管は拡張し 体尾部は多房性嚢胞性病変と石灰化を認めた MRCP では分枝型 IPMN が疑われたが ERP では主膵管は圧排され 分枝膵管や嚢胞性病変は描出されなかった EUS では 不均一低エコー充実部と無エコーの嚢胞性病変で FNA 細胞診は classv 組織は篩状構造を呈する異型細胞で 免疫染色で NEC が疑われた 以上から IPMN 併存の神経内分泌腫瘍を疑い 膵炎改善後に脾合併膵体尾部切除術を施行した 標本割面は 嚢胞内ゼリー状粘液貯留と充実性病変で分枝型 IPMN が疑われた 充実部は篩状構造呈する富細胞成分で CD56(+), CK7(+), CK20(+), CEA(+), CA19-9(+) であったが クロモグラニンA( ) シナプトフィジン ( ) から NET の診断に至らなかった また嚢胞内を裏打ちする PanIN-3 上皮は 乳頭状構造を呈さず充実部同様の染色態度であることから 先行性病変の可能性が考えられ IPMN でなく粘液癌と診断した ( 考察 )CD56 をはじめ多形質発現を有する膵粘液癌は稀で興味深いと考えられた ( 症例のポイント ) 嚢胞は拡張分枝膵管に相当し この膵管上皮は先行病変の可能性がある 富細胞性の髄様性発育する粘液癌では多分化能 ( 多形質発現 ) を有することがあり 興味深い症例である ( 病理診断について ) 1) 膵管異型上皮の形態は乳頭増殖でないことや K-ras mutation が陰性であることから 典型的 IPMN でなく粘液癌としたが この点について 御教授頂きたい 2) シナプトフィジン ( ) クロモグラニンA( ) で CD56(+) の場合 内分泌分化の意義について御教授頂きたい 49

50 膵 4 O-35 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 15:15 16:30 [ 膵管内発育を呈した膵悪性腫瘍の 1 例 ] みなみ南 りゅうき竜城 1) 真口宏介 1) 友成暁子 1) 金俊文 1) 高橋邦幸 1) 潟沼朗生 1) 小山内学 1) 矢根圭 1) 五十嵐聡 1) 仙譽学 佐野逸紀 1) 山崎大 1) 齋藤博紀 2) 安保義恭 2) 篠原敏也 手稲渓仁会病院消化器病センター 1) 同外科 2) 同病理診断科 1) 3) 3) 症例は 81 歳女性 嘔吐 倦怠感を主訴に外来受診 腹部 US で膵頭部腫瘤と尾側膵管拡張を指摘され当センターに入院となる 血液検査では AMY36IU/L HbA1c 7.8% CEA 2.2ng/ml CA U/mL Dynamic CT では膵頭部に約 30mm の主膵管内を占拠する腫瘤像を認め 膵実質相から平衡相まで周囲膵より弱い造影効果を認めた MRCP では体尾部の膵管拡張と頭部主膵管内の欠損像を呈し MRI-DWI では同腫瘤に一致して拡散の低下を認めた EUS では主膵管を占拠する表面平滑な低エコー腫瘤像として描出された 一部周囲分枝内に突出する形態を示していたことから分枝内進展も疑われたが 膵実質に浸潤を疑わせる所見は認めなかった ERP では頭部主膵管内に透亮像を認め IDUS では主膵管から周囲分枝にかけて充満する腫瘤像が描出されたが 腫瘤表面は平滑であり 明らかな粘液産生は認めなかったことから IPMN は否定的と考えられた 同部位からの生検で 腺癌成分に加え 間質内に増生する非上皮性の紡錘型異型細胞を認め 免疫染色で Vimentin 陽性 CAM5.2 弱陽性であったことから肉腫様成分を疑った 以上より 頭部主膵管から分枝内に主座のある膵管内発育を呈する悪性腫瘍 ( 腺房細胞癌 退形成癌 ) と診断し 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した 50

51 膵 4 O-36 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 15:15 16:30 [ 重症急性膵炎を契機に発見された膵管内腫瘍の 1 例 ] たけなか竹中 まもる完 1) 有坂好史 1) 小林隆 1) 酒井新 1) 塩見英之 1) 岡部純弘 1) 久津見弘 1) 後藤直大 2) 具英成 2) 原重雄 3) 酒井康裕 神戸大学消化器内科 1) 同肝胆膵外科 2) 同病理診断科 3) 3) 症例は 40 歳代男性 平成 23 年 12 月 強い腹痛を自覚し前医を救急受診 造影 CT で grade 3 の重症急性膵炎と診断され ICU 管理の下 集中加療をされた その後全身状態は改善したが CT にて walled-off necrosis(won) を認め 徐々に増大傾向であったため加療目的で当科紹介となった 入院後 内視鏡的ネクロセクトミーを計 4 回施行し WON はほぼ消失した 膵炎の原因精査のため造影 CT を施行するも明らかな異常所見は指摘できなかったが MRCP にて膵頭部膵管内に不明瞭な透亮像を認めた 造影 EUS では膵頭部主膵管内に造影効果を有する 8mm の腫瘤を認めた ERCP では膵管口の開大や粘液の排泄はなかったが 頭部主膵管は限局性に拡張を認めその内腔に鋳型に存在する 10mm 大の透亮像を認め 擦過細胞診で腺癌と診断された 画像診断からは 粘液分泌に乏しい膵管内病変を疑い Intraductal tubular neoplasms の可能性を念頭に置いて膵頭十二指腸切除術を施行した 切除標本では膵管内腔に充満する乳頭状腫瘍を認めた 組織学的には類円形ないし紡錘型核や細胞質内粘液を呈する高円柱状の腫瘍細胞が乳頭管状に増殖していたが 明らかな間質内浸潤はなく最終診断は non-invasive IPMC とした 重症急性膵炎を契機に発見された膵管内腫瘍の一例を経験したので報告する 51

52 膵 4 O-37 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 15:15 16:30 [ 興味深い病理組織所見を呈した膵管内腫瘍の 1 例 ] ながかわ長川 たつや達哉 1) 岡田邦明 2) 市原真 3) 村岡俊二 3) 松薗絵美 1) 奥大樹 1) 北川翔 1) 平山敦 1) 宮川宏之 JA 北海道厚生連札幌厚生病院第 2 消化器内科 1) 道都病院外科 JA 北海道厚生連札幌厚生病院病理診断科 3) 1) 2) 症例は 72 歳男性 他院にて十二指腸潰瘍治療中に肝内胆管拡張 (B2) を指摘され精査目的にて来院した この所見は B2 分岐部の peri-biliary cyst による良性胆管狭窄によるものと診断されたが 膵尾部の嚢胞性病変を新たに指摘された CT では最大径 20mm の Low density mass として描出され 造影早期では周囲実質に比べ造影効果に乏しいが徐々に辺縁部が造影され 平衡相では内部に淡い染まりを伴う嚢胞様構造を認めた MRI では T1WI で low T2WI で僅かに high intensity mass として描出され MRCP では主膵管の閉塞と尾側膵管拡張を認めた EUS では膵尾部の主膵管および分枝の限局的拡張とその内腔および頭側に複数の壁在結節を認めた ERP では乳頭側の主膵管には拡張や粘液像を認めず 膵尾部の主膵管閉塞部には陰影欠損像が見られた 分枝型 IPMC 由来の浸潤性膵管癌を第一に疑い 膵尾部切除 + 脾臓摘出術を施行した 切除標本の割面像では主膵管内を充満する充実性腫瘍を認め 組織学的には基本的に乳頭状構築を示し膵管内に発育する IPMN であるが 主膵管内では異型の弱い Muc6 陽性の幽門腺様高円柱上皮細胞が管腔状構造を形成する像に移行しており 一方拡張した分枝膵管内には典型的な乳頭状構造を呈し 細胞異型の強い IPMC の像を認めた 主膵管内を充満する腫瘍成分からの粘液分泌が少量のため典型的な IPMN の画像所見を示さなかった 一部に ITN-like feature を有する Intra-ductal papillary-mucinous carcinoma と診断した 52

53 膵 5 O-38 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 16:45 17:45 [ 膵神経内分泌腫瘍の 1 例 ] なかの中野 えりこ絵里子 1) 菅野敦 1) 正宗淳 1) 吉田直樹 1) 本郷星仁 1) 三浦晋 1) 滝川哲也 1) 濱田晋 1) 粂潔 1) 菊田和宏 1) 廣田衛久 1) 坂田直昭 2) 元井冬彦 2) 海野倫明 2) 笠島敦子 3) 下瀬川徹 東北大学消化器内科 1) 同肝胆膵外科 2) 同病理部 3) 1) 症例 38 歳女性 主訴 上腹部痛 現病歴 2013 年夏頃より上腹部痛を自覚し前医を受診した CT 上 膵腫瘤を指摘され精査目的に入院となった 入院後経過 CT: 膵尾部に 45mm 大の充実性腫瘤を認めた 腫瘤は内部に不均一な造影不良部位を認めたが 大部分は膵実質と同程度の造影効果を呈した MRI:T1WI 低信号 T2WI で不均一な軽度高信号を認めた EUS: 辺縁整 境界明瞭で内部エコーはやや高エコーを呈する腫瘍を認めた 造影 EUS で一部血流を認めない部位を認め 嚢胞変性が疑われた ERP: 腫瘤による膵管の軽度圧排所見を認めた FDG-PET: 腫瘤に一致し SUV max 6.5 の集積を認めた 組織診断目的に EUS-FNA を行ったところ 膵腺房細胞癌 神経内分泌腫瘍などが鑑別診断に挙げられ 当院肝胆膵外科にて膵体尾部切除術を施行した 病理結果 好酸性の広い細胞質を有する多稜形の腫瘍細胞が 索状胞巣や充実胞巣を呈していたが 腺房構造に類似した小型管腔構造を形成する部位も認めた 免疫染色で trypsin lipase が陰性で腺房分化は認めず chromogranin A synaptophysin が陽性で神経内分泌分化を認めた 免疫組織学的所見と腫瘍細胞の細胞質で抗ミトコンドリア抗体が顆粒状に陽性を示したことから pnet(ki-67 index 12% NET G2) と診断した 結語 画像上 軽度高エコーを呈し若年女性に発症した膵神経内分泌腫瘍の 1 例を経験した 病理組織学的に小型管腔構造を呈する形態から神経内分泌腫瘍としては非典型的であった 53

54 膵 5 O-39 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 16:45 17:45 [ 診断に苦慮した SOLID SEROUS ADENOMA の 1 例 ] かわしま川嶌 ようへい洋平 1) 川口義明 1) 川西彩 1) 丸野敦子 1) 小川真実 1) 峯徹哉 1) 和泉秀樹 2) 古川大輔 2) 矢澤直樹 2) 中郡聡夫 2) 平林健一 東海大学医学部付属病院消化器内科 1) 同消化器外科 2) 同病理診断学 3) 3) 症例 42 歳男性 現病歴 尿管結石にて近医かかりつけ 前医で施行した CT 検査にて膵体部癌を疑われ 精査 加療目的に 2013 年 8 月 9 日当科紹介受診 経過中に特に症状は認めていなかった 既往歴 アルコール性急性膵炎(35 歳 ) HTN(41 歳 ) HBV キャリア 個人歴 飲酒:1 日 2 3 合 / 日 喫煙 :20 本 / 日 血液生化学検査 腫瘍マーカーや IgG4 等の上昇なし インシュリンやガストリンも正常範囲内であった 経過 AUS/EUS では膵体部に境界は比較的明瞭で内部不均一な低エコー腫瘤として描出され 内部に血流シグナルが豊富に認められた 造影 CT/MRI では膵体部に 54 34mm 大の hypervascular な腫瘤性病変として描出され T1 強調画像で低信号 T2 強調画像で軽度高信号を呈していた 尾側の膵管は著明な拡張を認めていた ERCP では膵体部の膵管がカニ爪様の狭窄像を呈し 尾側の膵管は描出されなかった ERCP 時の膵管擦過細胞診や EUS-FNA による細胞学的な裏付けは得られなかった 以上より 非機能性膵内分泌腫瘍を第一に考え外科コンサルト 10 月 10 日 DP 施行 術後病理診断より SOLID SEROUS ADENOMA との診断に至った 結語 術前診断に苦慮した SOLID SEROUS ADENOMA の 1 例を経験したので報告した 54

55 膵 5 O-40 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 16:45 17:45 [ 嚢胞変性と伴う腺房細胞癌の一例 ] あおき青木 はやと隼人 石橋潤一 奥薗徹 仙台厚生病院 症例は 71 歳男性 1993 年胃癌に対して胃全摘術の既往がある 糖尿病で内服加療中であり 前医でのスクリーニングの腹部超音波検査を施行したところ 膵尾部に嚢胞性病変を指摘され 2012 年 10 月に当科紹介となった 造影 CT では膵体尾部に 50mm の多房性の嚢胞性病変を認め 内部に造影効果を伴う 20mm 大の結節性病変を認めた その一部は脾静脈への進展が疑われた 造影超音波では多房性嚢胞性病変の内部に辺縁不整な結節を認めこの腫瘍に連続して脾静脈内へ進展する腫瘤を認めた MRI では主膵管との連続は認めず 多房性の嚢胞が異なる信号強度を認めた 本人の都合で 12 月に精査目的に入院となったが その際に再検した CT では脾静脈へ進展していた結節が 門脈本幹へとさらに進展していた ダブルバルーン内視鏡補助下に ERP を施行したところ 主膵管の拡張はなく嚢胞との交通も認めなかった p-net, 腺房細胞癌, 分枝型 IPMN などを疑ったが確定診断はつかず 2013 年 1 月に膵体尾部切除を施行した 手術所見は膵体尾部切除時に 門脈内への腫瘍栓は脾静脈断端より摘出可能だった 最終診断は腺房細胞癌 pts3(50 30mm) T4(CH( ), DU( ), S( + ), RP(+), PV(+),)pN0 stageiva であった 55

56 膵 5 O-41 9 月 6 日 ( 土 ) 2 日目 16:45 17:45 [ 嚢胞成分を伴った通常型膵癌の一例 ] ささき佐々木 ゆう優 1) 岡部義信 1) 深堀理 1) 倉岡圭 1) 安元真希子 1) 牛島知之 1) 石田祐介 1) 中山正道 2) 内藤嘉紀 平川雄介 3) 酒井久宗 3) 鶴田修 1) 鳥村拓司 久留米大学病院消化器内科 1) 同病理 2) 同外科 2) 1) 3) 症例は 65 歳女性 前医で胆石症の経過観察中に 2014 年 1 月の腹部 US で膵の嚢胞性病変を指摘され当院紹介となった 腫瘍マーカーは CEA 6.5 ng/ml CA U/ml と高値であった 腹部造影 CT では 膵体尾部は全体に腫大し遅延性の造影効果と その内部に大小の嚢胞性病変 ( 最大径 25mm) を数カ所認めた MRI では 膵体尾部は全体に T1WI で低信号 T2WI で等信号を呈し 体部に 20mm 大の T1W1 で淡い低信号 T2W1 で淡い高信号を呈する area とその尾側に内部に T2WI で高信号の嚢胞成分を認めた PET では膵体尾部に内部に欠損像を伴う異常集積 (SUV 値 4.36) を認めた EUS では膵体尾部は全体に不均一な低エコーとして描出され 内部に大小の嚢胞成分を伴っていた ERP では膵体部で主膵管は途絶し 膵液細胞診は陰性であった 以上より 嚢胞変性を伴った膵腺房細胞癌や通常型膵癌を考え 脾合併膵体尾部切除を行った 摘出病理肉眼では 膵体尾部に比較的境界明瞭な白色充実性病変を認め 病理所見では高分化型管状腺癌であり 一部に中分化 低分化腺癌の成分も認めた 腫瘍内部には大小の嚢胞を伴っており 上皮は異型の乏しい立方上皮で覆われ retentioncyst と考えられたが 一部の嚢胞性病変の中には拡張した癌腺管も混在していた 56

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58 協賛会社広告 以降のページは 電子抄録 ~ クラウド DICOM 画像参照連携版 ~ 発行へのご賛同 ご協力を頂いた各社様の広告を掲載しております 2

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60 第 61 回日本消化器画像診断研究会電子抄録 ~ 症例画像 DICOM Web Viewer リンク版 ~ 企画 製作 初版発行 2014 年 8 月 18 日 2 版発行 2014 年 9 月 2 日 発行者 編集者 松尾義朋 大野孝 発行所イーサイトヘルスケア株式会社 東京都千代田区神田須田町 ヒューリック神田ビル TEL URL a

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