金融リテラシー調査の概要-九州・沖縄の特徴-

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1 金融リテラシー調査の概要 九州 沖縄の特徴 2017 年 2 月 15 日日本銀行福岡支店

2 金融教育への関心の高まり 海外 : リーマン ショックが契機 国内 :1 少子高齢化に伴う老後生活への不安の高まり 自助努力での資産形成が重要に 2 振り込め詐欺等の増加 振り込め詐欺 金融商品等取引詐欺の認知件数および被害総額 特殊詐欺平成 22 年平成 23 年平成 24 年平成 25 年平成 26 年平成 27 年 振り込め 詐欺 6,637 件 6,233 件 6,348 件 9,204 件 11,256 件 12,741 件 約 101 億円約 127 億円約 160 億円約 259 億円約 380 億円約 394 億円 金融商品等 取引詐欺 112 件 * 773 件 1,986 件 1,875 件 1,228 件 663 件 約 7 億円 * 約 69 億円約 186 億円約 179 億円約 125 億円約 67 億円 *: 金融商品等取引詐欺の平成 22 年の計数は 2~12 月 (2 月から集計を開始 ) 資料 : 警察庁ホームページ 2

3 金融リテラシー調査 わが国初の大規模調査 わが国の金融リテラシーの座標軸である 金融リテラシー マップ の全分野から出題 約半数の設問については 海外の調査と比較可能 ミニ ジャパン データによる多角的な分析 調査データ 日本全体の人口構成とほぼ同一の 25,000 人のデータ 多角的な分析 金融知識等の分野別 階層別分析 金融教育の効果 行動経済学的分析 都道府県別分析など 調査設問の構成 ( 問 ) 設問数金融知識行動特性 海外海外海外 判断力考え方等比較可比較可比較可 家計管理 生活設計 金マッ融リプテのラ分シー 野 金融取引の基本 金金融 経済の基礎 融保険 知ローン クレジット 識資産形成 外部知見の活用 その他金融教育のニーズ 経験 合計

4 調査データの質と量 人口構成に合わせた 25,000 人規模の調査は世界で初めて 70 代についても 3,000 人以上のサンプルを確保 1, 鳥取県 ( 人 %) 本調査 本調査 国勢調査国勢調査 標本数 構成比 構成比 対比 (A) (B) (C) (B-C) 合計 25, 性別 男性 12, 女性 12, 歳 4, 歳代 4, 年齢層別 40 歳代 4, 歳代 4, 歳代 4, 歳代 3, 東京都 2, 都道府県別 大阪府

5 正誤問題の正答率 年齢が上がるとともに 正答率は上昇する傾向 (70 代で若干低下 ) 金融取引の経験を積んだ人の方が正答率は高い 年齢層別の正答率 金融取引経験の効果 (%) 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 代 (%) 全回答者 金融取引 正答率 経験者 経験の 正答率 効果 (A) (B) (B-A) 資産運用 住宅ローン 生命保険

6 正誤問題の正答率 学生の正答率が最も低い 金融 経済情報をみる頻度が高いほど 正答率は高くなる傾向 職業別の正答率 金融 経済情報を見る頻度別の正答率 (%) (%) 学生パート会社員主婦自営業無職公務員 0 ほぼ毎日 週 1 回 月 1 回 月 1 回 未満 全くみない 6

7 全サンプル平金融知識と行動特性の関係 学生および若年社会人は 正答率が低く 望ましい金融行動をとる人の割合 ( ) も低い 資産運用 借入れ 生命保険加入時に他の金融機関や商品と比較した人の割合 一方 金融教育を受けた人は 正答率も望ましい金融行動をとる人の割合も高い 正答率と行動特性との関係 金融教育経験者望ましい金 一般社会人融(30 59 歳 ) 均行動57 を55.0 全サンフ ル平均 1 高齢者%とる若年 (60 79 歳 ) 人50.0 社会人の(18 29 歳 ) 割学生合 (18 24 歳 ) %45.0 正誤問題の正答率 % 全サンプル平均 55.6%

8 金融教育の効果 金融教育を受けた学生の正答率 (56.4%) は そうでない学生の正答率 (38.2%) よりも高く 全年齢層平均 (55.6%) をも上回っている 金融教育を受けた人は 望ましい金融行動をとる割合も高く 金融教育の必要性をより強く認識している 金融教育の効果 7. 資産形成 8. 外部知見 6. ローン 1. 家計管理 保険 2. 生活設計 4. 金融基礎 3. 金融取引 金融教育を受けたと回答した学生 ( 正答率 56.4%) 金融教育を受けたと回答しなかった学生 ( 正答率 38.2%) ( 学生に占める構成比 ) (%) 金融教育 受けた 受けてい 学生 ない学生 差異 (14%) (86%) (A) (B) (A-B) 正答率 <25 問計 > 金融商品購入時に 金融行動 考え方 他の商品と比較した人の割合 <Q > お金の長期計画をたてる人の割合 <Q1-4> 商品性を理解して投信を購入する人の割合 <Q34> 金融経済情報を月 1 回以上みる人の割合 <Q48> 学校での金融教育の必要性を認識している人の割合 <Q41> ( 注 )18~24 歳の学生について集計

9 金融教育を求める声と実績とのギャップ 家計管理や生活設計に関する授業などの 金融教育 については 行うべき との意見が多いが 実際に受けたことのある人は少数に止まっている 金融教育を求める声と実績とのギャップ わからない 24.7 思わない 12.9 金融教育を行うべきと思う 62.4 金融教育を 行うべきと 金融教育 の意見の人を受けた人 回答者数 15,611 人 1,298 人 ( 構成比 ) (100.0%) (8.3%) 金融教育を実際に受けたと回答した人は 金融教育を行うべきと回答した人のうち 8.3% に止まっている 9

10 米国との比較 わが国の正答率は米国を7% 下回っている 金融教育を受けた人の割合は 米国の3 分の1 行動特性をみると 米国対比 お金を借り過ぎと感じている人が少なく 緊急時の金銭的備えのある人が多い 米国との比較 日本 (A) 米国 (B) 差異 (A-B) 正誤問題の正答率 金融教育を受けた人の割合 金融知識に自信がある人の割合 借り過ぎと感じている人の割合 緊急時の金銭的備えがある人の割合 ( 注 ) 日本 米国ともに 2016 年公表データ 10

11 81% 58% 51% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 香港韓国エストニアノルウェーフィンランドラトビアニュージーランドフランスカナダオーストリアベルギーオランダリトアニアポルトガルハンガリートルコジョージアチェコポーランドブラジルヨルダンクロアチア英国日本ロシアアルバニア南アフリカタイベラルーシマレーシアバージン諸1 金融リテラシー調査と 2OECD 調査 (2016 年 10 月公表 30 か国対象 ) 島 の共通設問 6 問について比較すると わが国の正答率は 31 か国中 24 番目の水準 OECD 調査との比較 共通の正誤問題 6 問の正答率 11 ( 注 )2016 年公表の 1 金融リテラシー調査と 2OECD 調査の共通設問 6 問の正答率の単純平均 海外との比較に当たっては 金融商品や金融サービス 税制 教育制度等の面で事情が異なるため 幅を持ってみる必要がある

12 OECD 調査との比較 ( 続き ) わが国の正答率は OECD 調査対象 30 か国平均の正答率を 6% 下回っている 分散効果 インフレの定義 インフレーションと購買力 リスクリターンについての正答率が低い 共通の正誤問題 6 問の正答率 (%) 日本 OECD 調査 差異 30か国平均 (A) (B) (A-B) 1 分散効果 インフレの定義 インフレーションと購買力 リスクリターン 複利 金利 問平均 ( 注 )2016 年公表の 1 金融リテラシー調査と 2OECD 調査の共通設問 6 問の正答率の単純平均 海外との比較に当たっては 金融商品や金融サービス 税制 教育制度等の面で事情が異なるため 幅を持ってみる必要がある 12

13 日本人の特徴 株式や投資信託などリスク性資産を購入したことがあるとの回答は 2~3 割程度に止まっている 期待収益率 +5% の投資に対して 8 割の人は 投資しない と回答しており 損失回避傾向は総じて強い リスク性資産の購入経験 損失回避傾向 購入したことがある購入したことがない 株式 投資信託 (%) 外貨預金等 万円を投資すると 半々の確率で 2 万円の値上がり益か 1 万円の値下がり損のいずれかが発生するとします あなたなら どうしますか 投資しない 78.6 投資する

14 都道府県別分析 都道府県別の正答率は 48~61% に分散 奈良県 香川県 京都府が上位 正答率の低い県は 金融トラブル経験者の割合が相対的に高い 都道府県の正答率 都道府県 客観的評価全国平均 正誤問題の正答率 自己評価 ( 全国平 (%) 差異 =100 均 =100) (A) (B) (A-B) 上位 1 奈良県 上位 2 香川県 上位 3 京都府 上位 4 岡山県 上位 5 鹿児島県 全国平均 下位 5 長崎県 下位 5 鳥取県 下位 4 青森県 下位 3 山形県 下位 2 沖縄県 下位 1 山梨県 は自己評価が客観的評価よりも高いことを示している 正答率と金融トラブル経験者の割合の関係 融トラブル経験者の割合 % 全国福井金平 山梨 沖縄山形 青森 鳥取 長崎 全国平均 京都 奈良香川 均三重 % 正誤問題の正答率 % 全国平均 55.6% 14

15 正誤問題の正答率 ( 客観的評価 ) の九州と全国の比較 正誤問題正答率の比較 金融リテラシーの分野 設問数 正答率 ( 全国 ) 正答率 ( 九州 ) 全国 =100 家計管理 % 52.1% 生活設計 % 50.4% 金融取引の基本 % 74.1% 金融 経済の基礎 % 46.6% 95.5 金融知識保険 % 52.9% ローン クレジット % 52.9% 99.2 資産形成 % 53.0% 97.6 外部の知見活用 % 65.9% 合計 % 55.2% 99.3 鹿児島県 (5) 宮崎県 (25) 金融 経済の基礎知識 資産形成知識が全国比低め 沖縄県 長崎県 佐賀県の正答率が全国比低め鹿児島県 大分県 熊本県の正答率が全国比高め 2 極化の傾向 全国平均を 100 とした場合の指数 ( ) 内は都道府県順位 < 高い順 > 沖縄県 (46) 大分県 (11) 九州 福岡県 (26) 熊本県 (12) 佐賀県 (39) 長崎県 (42) 15

16 金融知識に自信を持っている人の割合 ( 自己評価 ) の九州と全国の比較 全国平均を 100 とした場合の指数 ( ) 内は都道府県順位 < 高い順 > 鹿児島県 (26) 沖縄県 (41) 九州 福岡県 (32) 95.8 佐賀県 (46) ( 参考 ) 自己評価と客観的評価のギャップ 鹿児島県 (5) 沖縄県 (46) 九州 福岡県 (26) 佐賀県 (39) 宮崎県 (30) 大分県 (47) 熊本県 (22) 長崎県 (11) 宮崎県 (25) 大分県 (11) 客観的評価 ( 正誤問題 ) 熊本県 (12) 自己評価 長崎 宮崎はやや自信過剰傾向 大分 熊本 鹿児島は謙遜傾向 長崎県 (42) 16

17 その他の都道府県比較表 ( 金融トラブル 家計管理 生活設計 ) 金融トラブルの経験者割合 緊急時に備えた資金を確保 1か月の支出を把握している している人の割合 人の割合 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 6 位 長崎県 位 鹿児島県 位 宮崎県 位 沖縄県 位 熊本県 位 沖縄県 位 鹿児島県 位 大分県 位 鹿児島県 位 佐賀県 位 福岡県 位 熊本県 位 熊本県 位 佐賀県 位 福岡県 位 大分県 位 長崎県 位 大分県 位 宮崎県 位 宮崎県 位 長崎県 位 福岡県 位 沖縄県 位 佐賀県 70.2 全国平均 5.9 全国平均 54.9 全国平均 72.1 期日に遅れずに支払いを お金について長期計画を 老後の生活費について資金 する人の割合 立てる人の割合 計画をたてている人の割合 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 9 位 熊本県 位 大分県 位 熊本県 位 佐賀県 位 熊本県 位 宮崎県 位 大分県 位 鹿児島県 位 長崎県 位 宮崎県 位 長崎県 位 沖縄県 位 鹿児島県 位 宮崎県 位 福岡県 位 福岡県 位 福岡県 位 大分県 位 長崎県 位 沖縄県 位 佐賀県 位 沖縄県 位 佐賀県 位 鹿児島県 31.1 全国平均 84.5 全国平均 47.4 全国平均

18 その他の都道府県比較表 ( 金融知識 外部知見の活用 ) 資金運用を行う際に他の 消費者ローンを利用している お金を借り過ぎていると 商品と比較した人 人の割合 感じている人の割合 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 5 位 鹿児島県 位 沖縄県 位 沖縄県 位 福岡県 位 長崎県 位 宮崎県 位 佐賀県 位 宮崎県 位 佐賀県 位 宮崎県 位 熊本県 位 鹿児島県 位 長崎県 位 佐賀県 位 大分県 位 大分県 位 大分県 位 長崎県 位 沖縄県 位 鹿児島県 位 熊本県 位 熊本県 位 福岡県 位 福岡県 11.3 全国平均 63.1 全国平均 3.9 全国平均 11.4 株式を購入したことがある 商品性を理解せずに投資 金融経済情報を月に1 回 人の割合 信託を購入した人の割合 もみない人の割合 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 32 位 宮崎県 位 熊本県 位 佐賀県 位 福岡県 位 佐賀県 位 宮崎県 位 鹿児島県 位 鹿児島県 位 沖縄県 位 熊本県 位 福岡県 位 長崎県 位 長崎県 位 大分県 位 熊本県 位 大分県 位 長崎県 位 鹿児島県 位 沖縄県 位 宮崎県 位 福岡県 位 佐賀県 位 沖縄県 位 大分県 35.7 全国平均 31.6 全国平均 32.2 全国平均

19 その他の都道府県比較表 ( 金融教育 行動経済学的分析 ) 学校で金融教育を行うべき 学校等で金融教育を受けた 家庭で金融教育を受けた と思っている人の割合 人の割合 人の割合 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 1 位 鹿児島県 位 熊本県 位 大分県 位 宮崎県 位 鹿児島県 位 宮崎県 位 熊本県 位 福岡県 位 鹿児島県 位 福岡県 位 佐賀県 位 福岡県 位 沖縄県 位 宮崎県 位 熊本県 位 大分県 位 沖縄県 位 長崎県 位 佐賀県 位 長崎県 位 佐賀県 位 長崎県 位 大分県 位 沖縄県 18.4 全国平均 62.4 全国平均 6.6 全国平均 19.8 損失回避傾向が強い人 近視眼的行動バイアスが 横並び行動バイアスが の割合 強い人の割合 強い人の割合 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 順位 都道府県データ 9 位 長崎県 位 沖縄県 位 佐賀県 位 宮崎県 位 熊本県 位 熊本県 位 福岡県 位 福岡県 位 鹿児島県 位 大分県 位 佐賀県 位 大分県 位 佐賀県 位 大分県 位 沖縄県 位 熊本県 位 鹿児島県 位 福岡県 位 鹿児島県 位 宮崎県 位 長崎県 位 沖縄県 位 長崎県 位 宮崎県 13.8 全国平均 78.6 全国平均 47.1 全国平均

20 今後の課題 (1) 金融教育を求める声に応えるべく より広範に かつ各年齢層の重点課題を念頭に置きつつ 金融教育等を実施していくことが必要 将来 直面するであろう金融取引に適切に対処するためにも 社会に出る前に金融教育を受ける機会がより広く提供されることが望ましい 学生への金融教育拡大のイメージ 学生に対する金融教育を拡大することで わが国全体の金融リテラシーの底上げにつながる可能性 20

21 今後の課題 (2) 社会人に対しても ファミリー層 高齢者などライフステージ毎に 各層のニーズにより適合した情報や学習機会がより広く提供されることが望ましい 社会人への金融教育 金融知識普及活動の拡大 充実のイメージ 50 代の老後への準備 (%) ありなし必要額の認識 老後資金計画の策定 資金資金の確保 年金受給金額の認識

22 知るぽるとホームページ 金融リテラシー調査 日本語版 英語版 金融リテラシークイズ 金融リテラシー調査の 5 つの設問から構成されるミニ テスト 所要時間は 2~3 分程度 (1) 自分の得点を 全国 年齢層別 性別 都道府県別の平均点と比較でき 自身の金融リテラシーのレベルを確認できる (2) また 誤答になった設問の金融リテラシー マップ上の分類をみて 自分が弱い分野を確認できる 22

23 ご清聴ありがとうございました 福岡県金融広報委員会 ( 会長 : 日本銀行福岡支店長 ) は 福岡県 日本銀行福岡支店 福岡財務支局が中心となり 民間団体等と協力して 中立 公正な立場から くらしに身近な金融 経済に関する情報をわかりやすく提供する活動を行っている団体です 事務局は 日本銀行福岡支店営業課 ( ) です

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